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サクッと1分!世界の医療NEWS

世界の医療ニュースの中から、厳選した記事をギュッと凝縮して紹介します。
1日数本を1分で、サクッと読むことができます。日々の情報収集、話のネタ探しにお役立てください。

  • New

    妊娠糖尿病の治療に2型糖尿病治療薬「メトホルミン」が有効な可能性

    2023-10-04

    母親と赤ちゃんの健康リスクを高める恐れがある「妊娠糖尿病」の安全かつ効果的な治療法が見つかったようです。アイルランドの研究チームが、妊娠糖尿病の妊婦535人を対象に調査を実施した結果です。2型糖尿病の治療に使われる「メトホルミン」を投与された群は、プラセボ群に比べてインスリンが必要になる可能性が25%低かったそうです。メトホルミン群の早産リスクが高まることはなかったといいます。また、巨大児が生まれるリスクも低くなったとのことです。Medical Xpressの記事です。

  • New

    プロバイオティクスを与えられた早産児が死亡 米FDAが医療機関に警告

    2023-10-04

    健康に良い影響を与える生きた微生物「プロバイオティクス」の液体製品を与えられた早産児が、敗血症を起こして死亡したそうです。Infinant Health社が病院向けに製造している「Evivo」という製品で、MCTオイルを含有するタイプだそうです。ゲノム解析の結果、敗血症を引き起こした細菌がEvivoに含まれているものと一致することが分かったといいます。これを受けて米食品医薬品局(FDA)は、早産児に対するプロバイオティクスの使用について、医療機関に警告を出したとのことです。CNNの記事です。

  • mRNA研究者にノーベル生理学・医学賞 コロナワクチン開発に貢献

    2023-10-03

    2023年のノーベル生理学・医学賞は、ハンガリー出身のカタリン・カリコ氏と米国出身のドリュー・ワイスマン氏が受賞しました。両氏は米ペンシルベニア大学で、遺伝物質「メッセンジャーRNA(mRNA)」に関する技術を研究。mRNAに対する炎症反応がワクチン開発の障壁になっていましたが、2人はmRNAの一部の化学物質を置き換えることでそれが抑制できることを発見したといいます。15年以上前に発表されたこの研究成果が、新型コロナのmRNAワクチンの実現に大きく貢献しました。nprの記事です。

  • ノーベル賞受賞のmRNA技術 がんなどへの幅広い活用に期待

    2023-10-03

    2023年のノーベル生理学・医学賞を受賞した「mRNA技術」は、新型コロナウイルスワクチン以外では何に活用できるのでしょうか。多くの研究者が、季節性インフルエンザや狂犬病、ジカウイルスなどを標的としたmRNAワクチン開発に取り組んでいるといいます。ワクチンが効かないマラリアやAIDS(後天性免疫不全症候群)のmRNAワクチンの研究も進められているそうです。さらに、がん患者の腫瘍から採取したタンパク質を使った個別化mRNA療法の試験も始まっているといいます。Medical Xpressの記事です。

  • AIを使った安全な脳手術、2年以内に実現する可能性

    2023-10-02

    英国の研究チームが脳内の小さな腫瘍や脳深部の重要な構造を正確に示す人工知能(AI)を開発し、これを活用した脳手術が2年以内に実現する可能性があるそうです。脳の手術は、中心部にある下垂体を傷つけないように進めることが極めて重要だといいます。AIに下垂体腫瘍摘出術のビデオを200本以上分析させたところ、たった10カ月で外科医が10年かけて獲得する経験レベルに到達。手術時にこのAIを使うと、次に行うべき手順や何が起きるのかを知ることができるそうです。BBCの記事です。

  • ニンニク食べた後の不快な臭いはヨーグルトで消せる?

    2023-10-02

    ニンニクを食べた後の臭いを消すよい方法はあるのでしょうか。米国の研究チームが、ヨーグルトの「乳脂肪」と「乳タンパク質」が有効なことを発見したそうです。スライスした生のニンニクが入った瓶にヨーグルトを加えたところ、臭いの元である硫黄ガスが99%減ったそうです。揚げたニンニクを使った実験でも、硫黄ガスは94%減少。乳タンパク質が特に重要な役割を果たすようです。これまでに、りんごやミントの酸、牛乳の脂肪が有効なことが分かっています。Science Alertの記事です。

  • カフェイン摂取が睡眠パターンや脳内血流に与える影響

    2023-09-29

    米国の研究チームが慢性的なカフェイン摂取の影響を明らかにしたそうです。数週~数カ月間、毎日カフェインを摂取したマウスは昼寝をしなくなり、入眠のタイミングが遅くなったといいます。一方で、ぐっすりと長く眠るようになったとのこと。人間は生活リズムを変えられないために、カフェイン摂取が睡眠不足につながるようです。またカフェイン摂取は睡眠時の脳内血流を増加させ、神経変性疾患に関連する老廃物の排出を助ける可能性があるといいます。Medical Xpressの記事です。

  • ブラジルの猛毒グモ「バナナ・スパイダー」の毒成分を活用したED治療薬

    2023-09-29

    「バナナ・スパイダー」と呼ばれる南米原産の猛毒グモが、「勃起不全(ED)」の治療に役立つかもしれないそうです。ブラジルの研究チームが、このクモにかまれた後に「持続勃起症」が起こることに着目。クモ毒の成分に似た合成分子を使い、ED向け塗り薬を開発したそうです。この分子は、勃起現象に重要な役割を果たす一酸化窒素の放出を促進。薬を男性器に直接塗り込むことで、数分で効果が得られるといいます。現在、第2相試験が行われているとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 減量効果で注目の糖尿病治療薬「オゼンピック」、副作用に腸閉塞を追加

    2023-09-29

    ノボノルディスク社の糖尿病治療薬「オゼンピック(一般名セマグルチド)」は使用後に腸閉塞を発症することがあるとして、製品情報に説明が追加されたそうです。米食品医薬品局(FDA)には、オゼンピックなどのセマグルチド製剤使用後の胃腸障害について8571件の報告が寄せられているといいます。また、製剤使用後に腸閉塞が発生した例は33件で、そのうち2人は死亡しているとのこと。オゼンピックはGLP-1受容体作動薬で、その減量効果にも注目が集まっています。CBS Newsの記事です。

  • 治療抵抗性うつ病にDBSが有効 治療効果の把握も可能に

    2023-09-28

    重度の治療抵抗性うつ病には、脳内に電極を埋め込んで電気刺激を与える「脳深部刺激療法(DBS)」が有効であることが分かり、治療効果の把握もできるようになったそうです。米国の研究チームが、DBSを受ける患者10人を6カ月間調査。患者の90%に症状の有意な改善が見られ、70%がうつ病の基準を満たさないまでに改善したといいます。また、患者の脳活動の記録を人工知能(AI)で分析したことで、回復過程であることを示す特徴的な脳活動のパターンを特定できたそうです。SciTechDailyの記事です。

  • コロナ後遺症の人、血中コルチゾール値が低いことが判明

    2023-09-27

    新型コロナ罹患後の後遺症(コロナ後遺症)のある人は、血液に特徴があることが分かったそうです。米国の研究チームが268人の血液を調査。後遺症のある人はそうでない人に比べて、免疫抑制や抗炎症作用のあるホルモン「コルチゾール」のレベルが有意に低かったといいます。コルチゾールレベルの低下によって、倦怠感が出る可能性があるとのこと。また、コロナ後遺症の人は、免疫細胞のT細胞やB細胞の動きが通常と異なることも明らかになったといいます。NBC Newsの記事です。

  • 米で「人食いバクテリア」の感染が増加 CDCが勧告発表

    2023-09-27

    深刻な壊死性筋膜炎を引き起こし、「人食いバクテリア」と知られる細菌ビブリオ・バルニフィカスの感染例が増加しているとして、米疾病対策センター(CDC)が勧告を発表したそうです。この細菌はこれまで、米国ではメキシコ湾岸の暖かい海水に生息していました。しかし地球温暖化の影響で、北東部のコネチカット州でも感染者が出ているといいます。汚染された水や魚介類を介して傷口から体内に侵入し、米国では感染者の5人に1人が死亡しているそうです。CBS Newsの記事です。

  • 食道炎のない胃食道逆流症、がんリスクに関連せず

    2023-09-26

    胃食道逆流症が食道がんリスクを高めるとの考えは間違っているようです。スウェーデンなどの研究チームが、内視鏡検査で食道炎が見つからなかった胃食道逆流症(非びらん性胃食道逆流症)患者28万5811人を最長で31年間にわたり追跡調査。このうち食道(腺)がんを発症したのは228人で、発症率は一般集団と変わらなかったそうです。一方、びらん性食道炎がある胃食道逆流症(逆流性食道炎)患者は、食道がん発症率が明らかに高くなったといいます。Medical Briefの記事です。

  • 超加工食品を多く摂取する女性、うつ病リスク高く

    2023-09-26

    インスタント食品やチップス、炭酸飲料などの「超加工食品」を取りすぎると、心の健康を損なう可能性があるようです。米国の研究チームが、42~62歳の女性3万1000人以上を対象に調査を実施。参加者のほとんどが白人だったそうです。超加工食品の摂取量が最も多い(1日9食分)群は、最も少ない(1日4食分以下)群に比べてうつ病を発症するリスクが50%高かったといいます。特に、人工甘味料がリスクに悪影響を及ぼす可能性が示されたとのことです。NBC Newsの記事です。

  • ネガティブな思考を抑えると、メンタルヘルスが改善する

    2023-09-25

    「負の感情を抑えるのは心の健康に良くない」との考えは間違っているようです。英国の研究チームが世界16カ国の120人を調査。チームは参加者に、2年以内に実際に起こりそうなさまざまな状況を想像してもらいました。ネガティブな出来事について考えると不安な気持ちになります。しかし、そのようなことを考えるのをやめる訓練を受けることで、出来事に対するイメージを不鮮明にすることができたそうです。その上、メンタルヘルスも改善したといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 米でブタの心臓を人間に移植 世界で2例目の手術を実施

    2023-09-25

    米メリーランド大学は22日、ブタの心臓を58歳の男性に移植したと発表したそうです。男性は末期の心臓病患者で、末梢血管疾患や内出血をともなう合併症があるため、通常の心臓移植には不適格だったといいます。心臓は拒絶反応を抑えるための遺伝子操作を加えたブタのものです。移植後、男性は自発呼吸をしており、心臓は補助装置なしで正常に機能しているそうです。同大学は2022年に同様の移植を世界で初めて実施。その際は、患者は2カ月後に死亡しています。CNNの記事です。

  • 早産児を人工子宮でケア? 治験に向けて米FDAが会合

    2023-09-23

    米食品医薬品局(FDA)の諮問委員会が、早産児を「人工子宮」で育てることの議論を進めているそうです。19、20日に行われた会合では、妊娠28週以前に生まれた早産児の臨床試験の実施に向けて、必要なデータや規制、倫理的配慮などについて話し合ったといいます。人工子宮は人間の子宮のように、酸素や栄養素、ホルモンを赤ちゃんに供給でき、肺や脳の最終段階の発育を助けるそうです。既にヒツジなど複数の動物実験で、良好な結果が示されているとのことです。CNNの記事です。

  • CRISPRを搭載した細菌で、腸内の腫瘍を検出

    2023-09-22

    米国の研究チームが、腫瘍の存在を知らせる細菌を開発したそうです。この細菌は、がんから放出されるDNAのかけらを素早く認識するCRISPRシステムを搭載。ベースとなる細菌には、周囲の環境からDNAを取り込むことに長けている「アシネトバクター・ベイリー」が使用されたそうです。腸に投与した細菌が腫瘍関連DNAを取り込むと、蛍光タンパク質や抗菌薬耐性をもたらす遺伝子が発現。便を抗菌薬を含む培地で培養することで腫瘍の存在が分かる仕組みだといいます。Medgadgetの記事です。

  • 高血圧の適切な治療で7600万人の命が救われる WHO公表

    2023-09-21

    WHO(世界保健機関)が高血圧の世界的な影響について、初の報告書を公表したそうです。血圧が140/90mmHg以上の状態を高血圧と分類。全世界の成人の1/3が影響を受けているといいます。高血圧は脳卒中、心臓発作、心不全、腎臓損傷などを引き起こします。安価で手軽な薬でコントロールできるにもかかわらず、高血圧をきちんと管理できているのは患者の1/5ほどだそうです。適切な治療を受ける患者が増えれば、2023~50年で7600万人の死亡を防げる可能性があるといいます。CNNの記事です。

  • 難病の赤ちゃんの延命治療 継続か中止かを裁判所が判断へ/英

    2023-09-21

    まれな遺伝子疾患「ミトコンドリア病」に苦しむ英国人の女の子(生後6カ月)について、延命治療を続けるかどうかを裁判所(高等法院)が決めることになるようです。女の子を治療する英ノッティンガムの病院が、高等法院に対して延命治療の中止を申請。病院によると、女の子は瀕死の状態だそうです。これ以上治療法はなく、痛みや苦しみをともなう延命治療は患者の最善の利益ではないといいます。一方、女の子の両親は治療の継続を希望しているとのこと。BBCの記事です。

  • 仕事上のストレスで男性の心臓病リスクが上昇

    2023-09-20

    ストレスフルな職場環境は、特に男性の健康に悪影響を及ぼすようです。カナダの研究チームが、心臓病のない平均45歳の事務系労働者約6500人(男性3118人、女性3347人)を18年間追跡調査。「仕事の重圧」か「労力と報酬の不均衡」のどちらかを経験している男性は、いずれも経験していない男性に比べて心臓病リスクが49%高かったそうです。両方を経験している男性の同リスクは2倍に上昇したといいます。女性に関してはこれらの関係が立証できなかったとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 朝に運動すると痩せやすい?

    2023-09-20

    痩せたい人は午前7~9時に運動するといいかもしれません。香港の研究チームが、20歳以上の5200人について運動、食事、生活習慣のデータを分析。朝に中~高強度の運動をする人は、昼間や夕方に運動をする人に比べて体格指数(BMI)が低いことが示されたそうです。ただし、朝に運動していた人は平均年齢が10歳以上高く、このことが調査結果に影響を及ぼしている可能性があるといいます。さらに人種や生活環境など他の要因も考慮に入れる必要があるとのこと。NBC Newsの記事です。

  • 仕事ばかりで遊ばないと、人はダメになる

    2023-09-19

    楽しみより仕事での成功を優先していると、幸せになれないようです。英国の研究チームが、インド、トルコ、英国で計180人を調査。参加者は9日間日記をつけ、さまざまな価値観に従って行動した際の自身への影響を記録したそうです。国籍に関係なく、生きる最大の目的を快楽とする「快楽主義」や自分独自の道を行く「自主独往(どくおう)」に従って行動すると、幸福感が増したといいます。「成功」や「適合・準拠」は幸福感に影響を与えなかったとのこと。Science Dailyの記事です。

  • 心肺蘇生を患者が覚えている? 心停止後も脳は機能か

    2023-09-19

    臨死体験の謎に迫る研究です。心臓が止まった後も、脳はしばらく静かに活動を続けている可能性があるそうです。米国の研究チームが、病院で心停止に至り心肺蘇生法(CPR)を受けた患者567人を調査。このうち28人は蘇生に成功し、インタビューに答えられるまで回復したそうです。何人かはCPR時の胸部圧迫や皮膚に貼られた電極などを覚えていると報告したとのこと。またCPR時の脳波は、生存者の40%で正常に近い数値が最大で1時間も維持されていたといいます。Science Alertの記事です。

  • 厳しい残暑 体を冷やすのに有効な四つの科学的な方法

    2023-09-15

    厳しい残暑に対処するよい方法はあるのでしょうか。英国の研究チームが次の四つを推奨しています。暑さを感じた時は、顔ではなくまず手を冷やすとよいそうです。冷たい水に手を15~20分入れると効果的だといいます。シャワーを浴びるなら、冷水は皮膚への血流を遮断してしまうため非効率なので、ぬるま湯がいいそうです。ノンカフェインの温かい飲み物を飲むのも有効。うちわなどで全身に弱い風を当てて、汗を蒸発させるのも効果的とのことです。BBC Science Focusの記事です。

  • 新発見 認知症は免疫細胞ミクログリアの細胞死が一因か

    2023-09-15

    アルツハイマー病や血管性認知症の原因解明につながる新たなヒントが見つかったようです。米国の研究チームが、死亡した認知症患者の脳組織を分析。神経伝達を円滑にするためにニューロン(神経細胞)の軸索に巻き付くミエリン(髄鞘)が加齢などで損傷を受けると、免疫細胞のミクログリアが除去します。この時、そこに含まれる鉄を取り込みすぎることでミクログリアが変性し、細胞死してしまうそうです。これが認知症に関与している可能性があるとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 腸内細菌が産生する代謝物が、大腸がん治療の鍵になる?

    2023-09-14

    食物繊維を消化する際に腸内細菌によって代謝物として産生される「酪酸」と「プロピオン酸」が、大腸がんに対する免疫応答を促進するようです。カナダの研究チームが、マウスやヒトのがん細胞を使って調査。その結果、この二つの代謝物によってがん細胞の表面にある分子が活性化され、免疫細胞のT細胞が大腸がんを検出しやすくなることが分かったそうです。さらに代謝物はがん細胞の遺伝子発現も変化させ、免疫系の注意を引き付けるといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 市販の鼻炎薬フェニレフリン、錠剤では効果なし/米FDA諮問委

    2023-09-14

    米食品医薬品局(FDA)の諮問委員会は、風邪やアレルギー性鼻炎の市販薬に含まれる「フェニレフリン」について、錠剤で服用しても効果はないと認めたそうです。同薬は鼻粘膜の血管の腫れを一時的に抑えることで、鼻づまりを改善するとされています。委員会では、16人の委員が満場一致でフェニレフリン錠剤の有効性について「ノー」を投票したそうです。なお、研究で一時的な効果があることが示されている点鼻スプレー薬については、議論されなかったとのこと。CNNの記事です。

  • インターネットを定期的に使う高齢者、認知症リスクが1/2に

    2023-09-13

    インターネットの定期的な利用は、脳の健康を保つのに役立つ可能性があるそうです。米国の研究チームが、調査開始時に50~65歳だった認知症ではない1万8154人を平均8年間追跡したデータを分析しました。その結果、定期的にインターネットを利用すると答えた人の認知症発症リスクは、そうでない人のリスクの57%だったことが分かったといいます。認知症を発症するリスクが最も低かったのは、1日に6分~2時間インターネットを使う人だったとのことです。PsyPostの記事です。

  • ヒトとブタのキメラ胚 ブタの体内で成長させ腎臓の発達を確認

    2023-09-13

    中国の研究チームが、異種動物の体内でヒトの細胞を持つ固形臓器を成長させることに初めて成功したそうです。チームは、ヒトとブタの細胞が混在する「キメラ胚」を作製し、これを雌ブタに移植。25または28日後に五つのキメラ胚を取り出し、腎臓の発達状況を分析したそうです。すると、腎臓は正常に発達しており、ヒト細胞を50~60%含んでいることが明らかになったとのことです。腎臓では尿細管や尿管芽細胞が形成されていたといいます。ScienceDailyに紹介されています。

  • 米国で、14歳の少年が激辛チップスを食べた後に死亡

    2023-09-12

    米マサチューセッツ州の14歳の少年が、世界一辛い唐辛子を使ったチップスを食べた数時間後に死亡したそうです。少年はチップスを食べた直後に胃痛を訴え、その後、意識を失って呼吸が停止したといいます。激辛製品は大脳動脈狭窄や食道損傷など深刻な合併症を引き起こすことがあるそうです。SNSではこのチップスに挑戦する姿を投稿する企画「ワンチップチャレンジ」が行われていました。少年の死因は未特定ですが、製品は自主回収されているとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • セマグルチドが1型糖尿病にも効果か インスリン不要になる患者も

    2023-09-12

    2型糖尿病や肥満の治療に使われるノボノルディスク社の「セマグルチド」は、1型糖尿病にも有効かもしれません。米国の研究チームが、3カ月以内に1型糖尿病と診断された患者10人を対象に調査を行いました。患者はみな基礎インスリンと追加インスリンを使用していたといいます。この10人にセマグルチドを週1回、3カ月間投与したところ、全員が追加インスリンをやめられたそうです。6カ月後には、7人が基礎インスリンも不要になったとのことです。CNNの記事です。

  • 電子タバコを吸うと免疫細胞「好中球」の動きが止まる

    2023-09-11

    液体を熱して蒸気を吸う電子タバコを使うと、免疫系のなかで最初に防御反応を示す免疫細胞の好中球が適切に機能しなくなるようです。英国の研究チームが、タバコや電子タバコ製品を吸ったことがない健康な人の血液から好中球を採取。これを少量のノンフレーバーの電子タバコの蒸気に暴露させたそうです。電子タバコにニコチンが含まれているかどうかに関わらず、好中球はその場に立ち往生してしまい、敵に向かっていくことができなくなったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 無精子症患者の精巣から精子を数秒で見つけ出すAI

    2023-09-11

    豪州の研究チームが、精巣で精子を作る能力が低下した「非閉塞性無精子症(NOA)」の男性不妊患者から素早く健康な精子を見つけ出すAI(SpermSearch)を開発したそうです。NOAの場合、患者の精巣から精細管と呼ばれる組織を取り出し、顕微鏡を使って健康な精子を見つけます。通常、専門家の手で6~7時間かかるそうです。しかしSpermSearchは、コンピューターに組織の画像を読ませると、数秒後には健康な精子を特定できるといいます。チームはSpermSearchの治験の準備を進めているそうです。BBCの記事です。

  • 尿路感染症の再発、膀胱細胞のエピゲノムによる免疫系の反応の高まりが原因か

    2023-09-08

    尿路感染症(UTI)はなぜ再発することが多いのでしょうか。米国の研究チームが、大腸菌によってUTIを発症させたマウスを調査。重度のUTIを患ったマウスの膀胱細胞では、次のUTIの発生に対して積極的に反応するよう免疫系に指示を出してしまう変化が起こるそうです。これは、DNA塩基配列の変化を伴わずに遺伝子発現に影響を及ぼす「エピゲノム」によるものだといいます。衛生状態に関係なくUTIは繰り返されますが、一定期間感染がなければ元に戻る可能性があるそうです。nprの記事です。

  • 目の動きを追跡するタブレットツールで、ASDを短時間で正確に診断

    2023-09-08

    米国の研究チームが、生後16~30カ月の子どもの自閉スペクトラム症(ASD)を専門家と同じくらい正確に診断するタブレットツールを開発したそうです。対象者に子ども同士が社会的交流をしている様子のビデオを見せ、このツールがその際の目の動きを追跡して測定します。ビデオからどんな情報を得ているのかを知ることで、ASDを診断できるといいます。ASDの診断は高度な訓練を受けた専門家が何時間もかけて行うそうですが、ツールはわずか30分で結果を出すとのこと。NBC Newsの記事です。

  • 砂糖入り炭酸飲料がうつリスク上昇に関連

    2023-09-07

    甘い炭酸飲料を飲むと、メンタルヘルスに悪影響が及ぶようです。韓国の研究チームが、同国で平均年齢39.5歳の8万7115人に調査を実施。砂糖入り炭酸飲料の消費量が増えるのに比例して、うつのリスクも上昇することが分かったといいます。砂糖入り炭酸飲料を1日1缶飲むだけで憂うつな気分になる可能性があるそうです。当初、インスリン抵抗性や血糖値などの代謝が関連すると考えられていましたが、それだけでは説明がつかないことが示唆されたとのこと。PsyPostの記事です。

  • 過去30年で50歳未満のがん患者が急増 人口増加は未考慮

    2023-09-07

    米中英などの研究チームが、50歳未満のがん症例数が過去30年間で急増しているとの研究結果を発表したそうです。チームは世界200カ国以上の情報が集められた疾病データを分析。2019年の50歳未満のがん症例数は326万件で、1990年と比べて79%増加したといいます。消化器系、皮膚、乳房のがんが多かったそうです。若い世代のがんの早期発見や予防に力を入れる必要がありますが、今回の調査には総人口が40%増えたことが考慮されておらず、深読みは禁物とのことです。BBCの記事です。

  • ハダカデバネズミの「長寿遺伝子」を移植 マウスの寿命が延長

    2023-09-06

    加齢に伴う病気が少なく長寿な「ハダカデバネズミ」の遺伝子を活用することで、長生きが実現するかもしれません。ハダカデバネズミはヒトやマウスに比べて、体内の高分子量ヒアルロン酸(HMW-HA)の量が多いといいます。米国の研究チームが、HMW-HA産生に関わるハダカデバネズミの遺伝子を移植したマウスを作製。自然発生がんや化学的に誘発した皮膚がんへの防御力が高くなったほか、通常のマウスに比べて健康状態が全般的に改善し、平均寿命が4.4%延びたといいます。Science Dailyの記事です。

  • 鳥インフル 中国で分離のウイルスがヒトに感染しやすく変異か

    2023-09-06

    中国の養鶏場で流行している鳥インフルエンザウイルス(H3N8型)が、ヒトの間で感染が広がりやすく変異している危険性があるようです。中国と英国の研究チームが、このウイルスに感染した人から分離したウイルス株の特徴を分析。その結果、ヒトの気管支や肺の上皮細胞で効率的に複製されることが分かったそうです。マウスやフェレットを使った実験では、この株が重篤な症状を引き起こすうえ、飛沫を介して空気感染する可能性が示されたといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 難病末期の10代女性、医療の継続巡りNHSと法廷闘争/英

    2023-09-05

    英国に住むミトコンドリア病を患う女性患者(19)とその家族が、治療方針を巡って英国民保健サービス(NHS)と法廷で闘っているそうです。この女性は、カナダで行われている同疾患のヌクレオシド療法の治験に参加することを希望。しかし担当医は、女性はすでに限りなく死に近い状態であり、終末期医療に進むべきだと考えているようです。裁判所は、女性に医療の継続について自ら決める能力はないと判断。今後の治療については法廷の審理で決まるといいます。BBCの記事です。

  • 化学療法耐性の頭頸部がん、原因遺伝子特定で治療可能に?

    2023-09-05

    化学療法(抗がん剤)が効かない頭頸部がんへの対処法が見つかったかもしれません。英国の研究チームは、「NEK2遺伝子」と「INHBA遺伝子」が原因で頭頸部扁平上皮細胞がん(HNSCC)に化学療法への抵抗性(耐性)が起こることを発見したそうです。そして、これらの遺伝子を標的にする真菌毒素「シロデスミンA」や細菌由来の「カルフィルゾミブ」を使うと、耐性がん細胞に対するシスプラチンなどの抗がん剤の反応が30倍になることを突き止めたといいます。EurekAlert!の記事です。

  • 多発性硬化症の治療薬がアルツハイマー病に有効な可能性

    2023-09-04

    再発型多発性硬化症の治療に使われる経口薬「ponesimod(ポネシモド)」が、アルツハイマー病(AD)の治療に有効な可能性があるそうです。米国の研究チームがADモデルマウスで調査。ポネシモドを投与すると、ADの特徴である神経炎症が抑制されるだけでなく、神経に有害なタンパク質アミロイドが除去される可能性も示唆されたといいます。ADが進行しているマウスの注意力や、一時的な記憶機能「ワーキングメモリー」が改善することも明らかになったとのことです。Medical Xpressの記事です。

  • 大麻使用者、血中や尿中の鉛・カドミウムレベル高く

    2023-09-04

    大麻草は土壌から重金属をよく吸い取るため、大麻製品を使うとそれらが体内に吸収される危険性があるようです。米国のチームが7200人のデータを分析。過去30日以内に大麻を使用した人は、大麻もタバコも使っていない人に比べて血中の鉛レベルが27%高く、カドミウムレベルは22%高かったといいます。尿の調査でも同様の結果が出たとのこと。鉛は神経系や造血系、腎臓などに障害を与え、カドミウムはイタイイタイ病の原因や発がん性物質として知られます。NBC Newsの記事です。

  • 「大麻がメンタルヘルスや痛みを改善」は誤り?

    2023-09-01

    カナダの研究チームが、大麻に関する100以上の研究を分析し、結果を発表しました。不安やうつなどの症状緩和に大麻は有害で、臨床転機を悪化させるだけでなく、精神疾患発症のリスクを高めるそうです。また、つわりを抑えるための使用は、低出生体重児のリスクを上昇させるようです。さらに、大麻は認知機能に悪影響を及ぼすため、若年層の使用はリスクが高いといいます。けいれん性疾患や慢性疼痛などの分野も、効果があるのは特定の人だけとのこと。CNNの記事です。

  • 深刻な頭頸部がんの発見遅れ 誤診で抗菌薬を処方される患者多数/米

    2023-09-01

    頸部に腫れなどの症状がある場合、臨床実践ガイドラインではがんの可能性を疑うことが推奨されているといいます。しかし、実際には抗菌薬が処方されることが多いようです。米国の研究チームが、頭頸部がん(HNC)患者7811人のデータを分析。このうち15.6%がHNCと診断される3カ月以内に抗菌薬を処方されており、結果的に診断までにかかる時間が21.1%長くなっていたそうです。プライマリ・ケアの医師にNHC診断のガイドラインが普及していないことが一因のようです。Medical Xpressの記事です。

  • 一般的に推奨されているがん検査、寿命の延長に効果なし

    2023-08-31

    がん検診を定期的に受けると、通常より長生きできるのでしょうか。ノルウェーなどの研究チームが、6種類のがん検診を受けた210万人のデータを分析。その結果、寿命の延長に効果があったのは、大腸がんを調べるためのS状結腸鏡検査だけだったそうです。この検査で寿命が3カ月延びる可能性があるといいます。乳がんのマンモ検査、大腸内視鏡検査、便潜血検査、前立腺特異抗原(PSA)検査、喫煙者へのCT検査は、寿命延長の効果はなかったとのことです。CNNの記事です。

  • 小児がん患者への医療用大麻使用の是非 不明点多く評価できず

    2023-08-31

    医療用大麻は小児がん患者の症状軽減に有効なのでしょうか。カナダの研究チームが19の研究から1927人のデータを分析したのですが、投与量や安全性、効果を示すデータが不足しており、総合的な評価はできなかったそうです。大麻の成分が化学療法による吐き気や嘔吐を抑えるのに有効との研究がある一方で、眠気やめまい、口の渇きなどの有害事象が出るという報告もあったとのこと。研究者は、厳密な調査で効果を評価する必要があると指摘しています。Medical Xpressの記事です。

  • 横紋筋肉腫を筋肉に変える 革新的治療の鍵となるタンパク質を特定

    2023-08-30

    横紋筋肉腫(RMS)は、体の軟らかい組織の、本来は筋肉になる細胞から悪性腫瘍が発生する小児がんです。米国の研究チームが、RMS細胞を筋肉に変えるという革新的な治療法の可能性を開いたそうです。鍵となるのはタンパク質「NF-Y」。ゲノム編集技術を使ってNF-Yを阻害すると、RMS細胞ががんの性質を完全に失い、筋肉に変化することが分かったそうです。RMS細胞から変化した細胞は全エネルギーを「収縮」に使うようになり、増殖することができなくなるとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 豪州女性の脳から、ニシキヘビに寄生する生きた8cmの線虫

    2023-08-30

    豪州で、64歳の女性の脳から生きた線虫が見つかったそうです。女性は2021年に胃の症状や乾いたせきなどの症状が出て、22年にうつや物忘れの症状が出たために脳の検査(MRI)を受けたといいます。そして、同国のチームが女性の脳から8cmの線虫を除去。豪州原産で、カーペットニシキヘビに寄生するO. robertsiだったそうです。この線虫のヒトへの感染報告は初めてだといいます。女性が食べた野草に、ヘビがふんと一緒に排出した線虫の卵が付いていたようです。ABC News(AUS)の記事です。

  • 低中所得国の子どもの死亡、ほとんどが予防可能

    2023-08-29

    5歳未満の子どもの死亡は99%が低中所得国で起きており、その82%が防げるものだったことが分かったそうです。子どもの健康を監視する国際チームが低侵襲な生体組織検査を使って、サハラ以南のアフリカと東南アジアの7カ国で生後1~59カ月の子ども632人の死因を調査。死因は多い順に、栄養失調(16.5%)、HIV(11.9%)、マラリア(11.2%)、先天性の異常(10.1%)、呼吸器感染症(8.4%)、下痢(7.2%)だったといいます。また、死亡者の87%から何らかの感染性病原体が見つかったとのことです。Medical Briefの記事です。

  • 断続的断食で、アルツハイマー病の進行が抑制される可能性

    2023-08-29

    食事法で概日リズムの乱れを改善すれば、アルツハイマー病(AD)の進行を遅らせることができるかもしれません。米国の研究チームがADマウスを使って調査。食べ物を摂取する時間を決める「断続的断食」に基づいて、マウスが餌を食べられる時間を1日6時間に制限すると、記憶力が著しく改善したそうです。食事の時間を制限したマウスは、ADに関連するとされるタンパク質アミロイドβが脳に蓄積しにくいうえ、よい睡眠を取れることも示されたといいます。ScienceAlertの記事です。

  • 話せなかった脳卒中とALSの女性、脳インプラントで会話できるように

    2023-08-28

    脳インプラントを使って言葉を取り戻す技術が進化しているようです。米国の研究チームが、脳卒中でほぼ完全な麻痺状態になった女性の脳に253の電極を移植。人工知能(AI)に「音素」を認識させ、女性が考えている内容をアバターに話させる技術を開発したそうです。女性は周囲の人と同じくらいの速さで会話することが可能になったといいます。また、米国の別のチームが筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性患者に行った同様の研究でも、有望な結果が得られたとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 新型コロナウイルスが脳に与えるダメージ 従来株とオミクロンはBBBに影響

    2023-08-28

    新型コロナウイルスが脳細胞に与えるダメージの詳細が分かってきたようです。英国の研究チームが、各変異株による4種類の脳細胞への影響を調査。中国の武漢市で最初に広がった従来株は血液脳関門(BBB)を形成する周皮細胞と内皮細胞、免疫応答や脳細胞の各機能を助けるミクログリアにダメージを与え、オミクロン株は周皮細胞と内皮細胞を破壊したといいます。3Dモデルの実験では、この2株が血液脳関門の完全性を損なう可能性が示されたとのことです。Medical Xpressの記事です。

  • 前立腺がん PSA検査よりMRI検査の方が正確に検出

    2023-08-26

    前立腺がんは、採血でPSA値を調べるよりMRI検査の方が正確に検出できる可能性があるそうです。英国の研究チームが、50~75歳の男性303人にMRI検査とPSA検査の両方を実施しました。その結果、48人がMRIで前立腺がん陽性となり、そのうち25人が追加の検査で実際にがんと診断されたそうです。MRIでがんが見つかった人の半数以上が、PSA検査では正常とされる数値だったといいます。PSA検査だけでは見逃される前立腺がんをMRIで発見できる可能性が示されました。BBCの記事です。

  • iPS細胞がもつ「記憶」の消去に成功 再生医療が進歩する可能性

    2023-08-25

    皮膚細胞や血液細胞などの体細胞から作られるiPS細胞(人工多能性幹細胞)はさまざまな種類の細胞に変化することが知られています。しかし、元の細胞の痕跡を「記憶」し続けていることがあるそうです。豪州の研究チームが、胚(受精卵)の発達プロセスを模倣することで、記憶が十分に消去されたiPS細胞を作る方法を発見。胚から作るES細胞(胚性幹細胞)のように機能させることができるといいます。iPS細胞を治療に活用する可能性が高まるとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 逆流性食道炎治療薬PPIの長期使用、認知症リスク上昇に関連

    2023-08-24

    胃酸の分泌を抑える効果があり逆流性食道炎の治療などに使われる「プロトンポンプ阻害薬(PPI)」について、新たな注意点が明らかになったようです。米国の研究チームが、非認知症の5712人(45~64歳)のデータを分析。PPIを使用していた人は約1500人(26%)いたそうです。4.4年を超えてPPIを使用した人は、一度も使用したことがない人に比べて認知症の発症リスクが33%高くなることが分かったといいます。使用期間が4.4年以下であればリスクは上昇しなかったとのこと。CNNの記事です。

  • 神経膠腫の発生に、エピゲノムが関与している可能性

    2023-08-24

    DNAの塩基配列の変化ではなく、化学反応などで遺伝子の働きが変化する「エピゲノム」が原因で、悪性脳腫瘍「神経膠腫(グリオーマ)」が発生する可能性があるそうです。米国の研究チームがヒトのグリオーマにおいて、エピゲノムによって働きが変化するとみられる二つの遺伝子を特定したとのこと。一つはがん誘発遺伝子で、もう一つはがん抑制遺伝子だそうです。動物実験では、これらの遺伝子のエピゲノムによって脳腫瘍の形成が促進されたといいます。EurekAlert!の記事です。

  • プロバイオティクスで、マウスの多発性硬化症を治療

    2023-08-23

    生きた善玉菌「プロバイオティクス」を使って、自己免疫疾患の一種「多発性硬化症(MS)」を治療できるかもしれません。米国の研究チームが、免疫細胞の応答に関与する「樹状細胞」の活性を調節できる特別なプロバイオティクスを開発したといいます。これをMSマウスの腸に投与したところ、脳の重要な領域で自己免疫応答が抑制されたそうです。人間でも同様の効果が得られれば、既存の治療法より正確で、副作用が少なくなる可能性があるとのことです。ScienceAlertの記事です。

  • 米FDA、妊婦向けRSVワクチンを承認 生まれた乳児を保護

    2023-08-23

    米食品医薬品局(FDA)は21日、ファイザー社が開発した初の妊婦向けRSウイルス(RSV)ワクチン「Abrysvo」を承認したそうです。RSVは下気道感染症を引き起こす一般的なウイルスで、乳児の入院の主な原因の一つ。母親が妊娠後期にワクチンを接種することで、生まれた乳児を生後6カ月までRSV感染から保護できるといいます。18カ国の女性7400人に対する臨床試験では、乳児のRSV感染による重症化を生後3カ月で82%、生後6カ月で70%、それぞれ予防する効果があったとのこと。nprの記事です。

  • 米国人の多くが、大麻吸引はタバコより安全と認識

    2023-08-22

    多くの人が大麻を吸うことのリスクを理解していないそうです。米国の研究チームが2017年、20年、21年に平均50歳の5000人に大麻とタバコに対する考え方を調査。大麻への肯定的な認識が年々高まっており、21年には44%以上がタバコより大麻の方が安全と答えたといいます。しかしこれまでの研究で、大麻の煙を吸うことが呼吸器症状を引き起こすほか、肝臓や神経の損傷、貧血、がんなどに関連する血中・尿中の毒素レベルを高めることが分かっているそうです。CNNの記事です。

  • 一定の条件を満たす再発低リスク乳がん患者、放射線治療不要か

    2023-08-22

    乳がん患者の中には、放射線治療が不要な人もいるようです。カナダの研究チームが、ステージ1のルミナルA型乳がんを患う55歳以上の女性500人を追跡調査。対象者は、リンパ節や他の場所にがんの転移はなし▽腫瘍の大きさは2cm以下▽がんのグレードは1または2▽がんの増殖能力を示すKi67は13.25%未満(15%超は再発可能性が高い)――だったといいます。こうした条件を満たす患者は、手術とホルモン療法だけで効果的に治療できることが示されたとのことです。CBCの記事です。

  • ブルーライトカット眼鏡、着用しても効果なし?

    2023-08-21

    豪州の研究チームが、スマートフォンやパソコンのブルーライトを避けるために専用の眼鏡をかけても特に効果はないとの研究結果を発表したそうです。チームはブルーライトに関する17の研究を分析。ブルーライトカット眼鏡を使っても、眼精疲労や睡眠の質に違いは生じないことが分かったそうです。ブルーライト用レンズが網膜を保護するという証拠も示されなかったといいます。ただし、分析した研究の調査期間は1日~5週間と短かったとのこと。BBC Science Focusの記事です。

  • 統合失調症の治療、長年誤った神経細胞を標的にしていた可能性

    2023-08-21

    統合失調症の治療は「ドーパミンD2受容体」を標的にすることが有効とされていますが、この考えは間違っているかもしれません。米国の研究チームが、マウスを使って4種類の抗精神病薬の効果と脳への作用を調査した結果です。効果がある薬には、「ドーパミンD1受容体」を発現する中型有棘神経細胞の過活動を正常化する作用があることが分かったそうです。統合失調症に関連するのは、D2受容体ではなくD1受容体である可能性が示唆されたといいます。ScienceAlertの記事です。

  • グルテンが脳の炎症を誘発する可能性 マウスの実験で確認

    2023-08-18

    ニュージーランドの研究チームがマウスの実験で、小麦などに含まれるグルテンが脳の視床下部の炎症を引き起こすことを発見したそうです。視床下部は内分泌や自律機能の調節を行う部位です。マウスの標準的な食事にグルテンを加えると、高脂肪食を取るのと同じくらい脳内の免疫細胞ミクログリアや神経細胞の活動を制御するアストロサイトが増加し、炎症状態になったといいます。高脂肪食にグルテンを加えると、これらの細胞はさらに増えたとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • ブタの腎臓が人体で1カ月以上正常に機能 異種移植実現に一歩前進

    2023-08-18

    米国の研究チームが、人体に適応しやすいように遺伝子操作したブタの腎臓を脳死状態の男性に移植したところ、1カ月以上にわたって正常に機能し続けているそうです。ブタの臓器が人体内で正常に働いた期間としては過去最長だといいます。またチームは、移植された臓器に対する拒絶反応を抑えるため、免疫抑制剤に加えて新たな方法も試しています。免疫細胞が訓練を受ける臓器であるブタの胸腺を、腎臓に付着させた状態で移植したのだそうです。AP通信の記事です。

  • 1日わずか4000歩で、死亡リスクが低減する可能性

    2023-08-17

    健康を維持するためには1日1万歩程度の歩行が必要だといわれています。しかし、この考えは間違っているかもしれません。ポーランドの研究チームが、6カ国で行われた健康と歩数に関する17の研究から計22.7万人のデータを分析。1日4000歩程度歩くだけで、全死因死亡リスクが低下することが明らかになったそうです。1日の歩数が1000歩増えるごとに、死亡リスクは15%下がったといいます。年齢が若いほうが、死亡リスクの下がり幅が大きかったとのこと。NBC Newsの記事です。

  • ドイツ、娯楽用大麻の所持や栽培を合法化へ 年内成立目指す

    2023-08-17

    ドイツ政府は16日、大麻の規制を緩和する法案を承認したそうです。法案によると、18歳以上の成人は娯楽目的で25gまでの大麻を所持することが可能になり、大麻草を3株まで栽培することも認められます。大麻を購入・栽培するには、「大麻クラブ」と呼ばれる非営利団体に所属する必要があるそうです。議会を通過すれば、法案は年内にも成立する見通しとのことです。政府は、粗悪品の取引や薬物関連犯罪の抑止につながることを期待しているといいます。AP通信の記事です。

  • イチゴを毎日食べると、認知機能や心血管に好影響

    2023-08-15

    高齢者は健康のために毎日の食事にイチゴを加えるといいようです。米国の研究チームが、66~78歳の健康な男女35人を対象に調査を実施。8週間にわたりイチゴのフリーズドライパウダー26gを毎日摂取すると、認知処理スピードが5.2%速くなることが分かったといいます。さらに収縮期血圧は3.6%低下し、総抗酸化能は10.2%上昇したとのこと。以前からイチゴには脳や心血管の健康を促進する効果があると考えられており、今回の研究でそれが実証されたといいます。SciTechDailyの記事です。

  • 口腔内の細菌が腸疾患「クローン病」に関連する可能性

    2023-08-14

    炎症性腸疾患の一つ「クローン病」の発症に重要な役割を果たすのは、腸内細菌叢だけではないようです。複数の研究が、クローン病患者と健康な人では口腔内の細菌に違いがあることを示唆しているそうです。クローン病患者の腸内で多く見つかる数種類の細菌が、口腔内にも存在することが分かっているといいます。また、通常は口腔内に住み、歯周病などに関連する細菌「ベイロネラ・パルブラ」が、クローン病患者の腸で数多く確認されているとのこと。The Conversationの記事です。

  • 慢性的に3日以上排便がない人、認知機能の低下リスク高く

    2023-08-13

    慢性的な便秘は脳に悪影響を及ぼすようです。米国の研究チームが、成人11.2万人を調査した結果です。今回の研究では、3日以上排便がないことを「便秘」と定義したそうです。慢性的な便秘の人は、1日1回排便がある人に比べて認知機能が衰えており、その程度は3歳老化することに相当するといいます。1日2回以上排便がある人にも同様のリスクが見られたそうです。こうした結果には、腸内細菌叢の善玉菌の減少が関連している可能性があるとのこと。CNNの記事です。

  • 心臓の健康を保つために、週末だけでも適度な運動を

    2023-08-12

    運動の健康への効果は、行うタイミングによって違いがあるのでしょうか。米国の研究チームが、英国の健康な中年9万人を対象に1週間の活動量を記録したデータを分析。ウオーキングなどの中強度運動を週に150分以上行う人は、座りがちな生活を送る人に比べて6年以内に脳卒中や心臓発作などを発症するリスクが低かったそうです。運動の半分以上を週末にまとめて行う人と毎日少しずつ分散して運動する人で、結果に違いは見られなかったといいます。The Conversationの記事です。

  • 免疫細胞「マクロファージ」が心房細動の発生に関与か

    2023-08-11

    困難といわれている心房細動(AFib)の再発予防が可能になるかもしれません。米国の研究チームが、免疫細胞のマクロファージがAFibの発症に関与していることを発見。チームは、AFib患者の心房組織でマクロファージが他の細胞よりも増殖しており、活動的であることを突き止めました。また、マクロファージの SPP1遺伝子がAFibの発生に関係していることも判明。さらにマウスの実験で、マクロファージを阻害するとAFibが抑制されることも示されたといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 不規則な睡眠が腸内細菌に影響? 毎日同じ時間に寝るべき理由

    2023-08-10

    平日と休日で寝る時間が変わることで心身に不調をきたす「ソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ぼけ)」を知っていますか。英国の研究チームが、参加者1000人を対象に調査を実施。就寝から起床までの中間点が、1週間の中で90分ずれるだけで、腸内で見つかる細菌の種類に違いが生じることが分かったそうです。睡眠の質が悪いと炭水化物や糖分の多い食べ物を強く欲するようになり、これが腸内細菌叢の組成に悪影響を及ぼす可能性があるといいます。BBCの記事です。

  • オリーブオイルの摂取が、認知症による死亡リスクを低下する可能性

    2023-08-09

    毎日オリーブオイルを摂取すると、脳の健康に良い影響があるかもしれません。米国の研究チームが、女性6万600人と男性3万2000人を対象に28年間の調査を実施したそうです。調査開始時、参加者の平均年齢は56歳だったとのことです。食事の全体的な質に関係なく、1日にテーブルスプーン半杯以上のオリーブオイルを摂取する人は、ほとんどまたは全くオリーブオイルを摂取しない人に比べて認知症で死亡するリスクが28%低いことが分かったといいます。CNNの記事です。

  • 野良猫にかまれた英国男性に、新種の細菌が感染

    2023-08-08

    英国で48歳の男性が新種の細菌感染症にかかったそうです。男性は野良猫に手をかまれ、8時間後に患部が腫れあがったために救急外来を受診。傷口の手当と破傷風ワクチンの接種を受け、抗菌薬が処方されたそうです。ところが翌日も患部が赤く腫れあがっていたため、傷口周辺の損傷組織の除去手術を受け、複数の抗菌薬が追加されたといいます。その結果、傷は完治したそうです。調査したところ、グロビカテラ属の未知の細菌が原因だと判明したとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 「うつや不安でがんリスク上昇」に異論

    2023-08-08

    うつや不安が、がん発症リスクに関連するという説は本当なのでしょうか。オランダの研究チームが同国、英国、ノルウェー、カナダの成人30万人以上のデータを分析。26年の追跡調査で、「うつ」「不安」と「全がん」「乳がん」「前立腺がん」「大腸がん」「アルコール関連がん」の間に関連がないこと明らかになったそうです。肺がんや喫煙関連がんはリスクが6%上昇するものの、これには、がん発症につながる不健康な行動が影響しているようです。Medical Xpressの記事です。

  • 米FDA、産後うつ治療薬を承認 初の経口薬

    2023-08-07

    米食品医薬品局(FDA)は4日、米セージ・セラピューティクスとバイオジェンが開発した産後うつを緩和する経口の抗うつ薬「zuranolone(ズラノロン)」を承認したそうです。米国で産後うつ向けの経口薬が承認されたのは初。患者は1日1回、2週間続けて薬を飲むそうです。重症の患者に対する治験では、服用後3日以内に効果が表れたといいます。眠気やめまい、下痢などが主な副作用とのこと。これまでの薬は医療施設で60時間の点滴を受ける必要があったといいます。CNNの記事です。

  • 米CDC、乳幼児向けRSウイルス予防薬にゴーサイン

    2023-08-07

    米疾病対策センター(CDC)は3日、RSウイルス(RSV)感染症の予防薬「Nirsevimab(ニルセビマブ)」について、RSVの流行期を初めて迎える生後8カ月未満の全ての乳児が注射を受けることを推奨したそうです。この薬はアストラゼネカとサノフィが開発したヒトモノクローナル抗体製剤で、米食品医薬品局(FDA)の承認を先月得ています。今秋予定の実際の投与開始に当たり、1回495ドルという高い価格や、技術的にワクチンではないことから運用面でハードルが存在するとのこと。nprの記事です。

  • 2人に1人が75歳までに精神疾患を経験

    2023-08-06

    精神疾患はこれまで考えられてきたよりも身近な存在のようです。オーストラリアと米国の共同研究チームが、世界29カ国の成人15万人を20年にわたり追跡調査。半数の人が、75歳までになんらかの精神疾患を経験していたことが明らかになったといいます。最も多かったのは、うつ病と不安障害。精神疾患を発症した年齢は15歳が最多で、半数以上が19歳までに発症することが分かったそうです。若者のメンタルヘルスケアの重要性が指摘されています。ABC News(AUS)の記事です。

  • AI活用でマンモ検査の精度と効率アップ 医師の負担軽減

    2023-08-05

    人工知能(AI)が、マンモグラフィ検査の精度と効率を格段に高めるかもしれません。スウェーデンの研究チームの調査で、経験豊富な放射線科医が、マンモグラフィ検査のスキャン画像を基に女性8万人を診断。AIの画像分析を活用した医師は、医師2人で診断に当たった場合に比べて、乳がんを20%多く検出できることが分かったそうです。さらに、AIを使うと、医師の作業負荷が44%減少し、時間短縮を期待できるとのこと。CNNの記事です。

     

  • ハンセン病が米セントラルフロリダの風土病に? 全米の報告数の20%占める

    2023-08-04

    らい菌が感染することで皮膚や神経に病変が生じるハンセン病が、米フロリダ州の風土病になりつつあるそうです。米疾病対策センター(CDC)によると、2020年に新たに確認されたハンセン病患者は全米で159人。その20%が同州中央部のセントラルフロリダ地域からの報告で、それは州全体の報告数の81%を占めます。らい菌は感染力が弱く、90%の人は免疫が抑え込むそうです。発症しても治療薬で治せるのですが、後遺症や合併症を防ぐために早期診断が重要とのこと。CBS Newsの記事です。

  • 前臨床試験で各種固形がんへの効果を確認 がん細胞のみを殺す新化学療法

    2023-08-04

    DNAの複製に不可欠なタンパク質「増殖細胞核抗原(PCNA)」を標的にした固形がんの治療薬が、前臨床試験で有望な結果を示したようです。米国の研究チームが、がん細胞内のPCNAのみを標的にするよう設計した経口薬「AOH1996」を開発したそうです。70以上のがん細胞株を使って調査したところ、この薬ががん細胞のみを特異的に破壊できることが確認されたといいます。AOH1996を使うと、がん細胞が他の抗がん剤に反応しやすくなることも明らかになったとのことです。Medical Xpressの記事です。

  • 順大が開発のアルツハイマー病ワクチン、マウス実験で有望な結果

    2023-08-03

    順天堂大学の研究チームが、アルツハイマー病(AD)の進行を抑える可能性のあるワクチンを開発したと米心臓協会(AHA)の会合で発表したそうです。老化細胞に発現するSAGPタンパク質を標的にしたもの。ADの症状を持つマウスに投与したところ、アミロイドプラークの蓄積や炎症関連分子の発現が抑制され、挙動や認知力が改善したそうです。SAGPが脳内の免疫細胞ミクログリアの近くで多く発現することも新たに分かったといい、これも治療法の開発に役立ちそうです。ScienceAlertの記事です。

  • 認知機能の発達度合い低い子ども、昼寝が増える傾向に

    2023-08-03

    昼寝は各子どもの認知的ニーズが反映されているため、好きなだけさせた方がいいようです。英国の研究チームが、生後8カ月~3歳の子ども463人を調査。当時は2020年の新型コロナのロックダウン中で子どもたちは家におり、それぞれが必要とするだけの昼寝をしていたといいます。調査の結果、睡眠中に情報整理を効率的に行っている子どもは、昼寝が少ない回数で済むことが判明。反対に、語彙力や認知スキルが未熟な子どもは、標準より昼寝を多くする必要があるとのことです。EurekAlert!の記事です。

  • コロナ後遺症に苦しむ人に朗報? 米NIHが治療に向けた試験開始

    2023-08-02

    米国立衛生研究所(NIH)が、「新型コロナ後遺症」の治療法を探る研究を開始したそうです。コロナ感染後に10~30%の人が、何らかの原因不明の後遺症を経験するといいます。NIHは、知られている200以上の症状別に臨床試験を行う予定。最初は、本来感染初期に使うコロナ治療薬「パキロビッド」を25日間投与した場合の後遺症への有効性を調査するそうです。「ブレインフォグ」や睡眠障害、POTS(体位性頻脈)についての研究開始も決まっているといいます。AP通信の記事です。

  • 筋肉増強サプリがアルツハイマー病に効く?

    2023-08-02

    筋肉作りに良いとされる「β-ヒドロキシβ-メチル酪酸(HMB)」サプリメントが、認知症に有効な可能性があるようです。米国の研究チームが、アルツハイマー病(AD)モデルマウスにHMBサプリを経口で投与。HMBが学習や記憶に関連する脳領域の健康維持に役立つことが分かったそうです。さらに、ADに関与するとされる脳内のプラーク蓄積が抑制されることも判明。詳細な分析で、脳のシグナル伝達に関与するPPARα受容体にHMBが作用することが示されたといいます。ScienceAlertの記事です。

  • マジックマッシュルームが、拒食症の治療に有効な可能性

    2023-08-01

    マジックマッシュルームに含まれる「サイロシビン」で、神経性痩せ症(拒食症)に関連する体重や食への異常なこだわりを軽減できる可能性があるようです。米国の研究チームが、拒食症の部分寛解状態にある女性患者10人を対象に第1相試験を実施しました。サイロシビンによる治療を始めてから3カ月経過時点までに、特に患者の体重に関する不安が有意に軽減することが示されたそうです。この治療法の安全性と良好な忍容性も確認されたといいます。Medical Xpressの記事です。

  • ダニにかまれると肉アレルギーに 米でアルファガル症候群が急増

    2023-08-01

    マダニが原因の「アルファガル(α-gal)症候群(AGS)」に、最大45万人の米国人が罹患していると米疾病対策センター(CDC)が発表したそうです。マダニにかまれ、唾液に含まれる糖分子(糖鎖) α-galが体内に入ることでアレルギー体質になります。α-galは牛や豚の赤身肉、一部の薬剤などにも存在するので、それらを摂取すると2~6時間後にアレルギー反応が現れるといいます。主な症状はじんましんや吐き気などで、アナフィラキシーが起こることもあるそうです。CBS Newsの記事です。

  • 認知症高齢者、オピオイドの使用で死亡リスクが最大11倍に

    2023-07-31

    認知症患者に対する鎮痛薬「オピオイド」の使用は慎重に行うべきかもしれません。デンマークの研究チームが、65歳以上の認知症患者7.5万人のデータを分析。180日以内の死亡率は、オピオイドを使用しない患者が6.4%だったのに対し、オピオイドを処方された患者は33%だったそうです。また、強力なオピオイドを使った場合、180日以内の認知症患者の死亡リスクは6倍に上昇。最も深刻なのは14日以内の死亡リスクで、11倍になることが分かったといいます。CNNの記事です。

  • 自己免疫疾患患者の半数以上がうつや不安の症状を経験

    2023-07-31

    自己免疫疾患患者はメンタルヘルスに問題を抱えることが非常に多いようです。英国の研究チームが、全身性自己免疫性リウマチ疾患(SARD)患者1853人を調査。その結果、55%がうつ、57%が不安、89%が深刻な倦怠感を経験していたことが明らかになったといいます。これは健康な対照群と比べてかなり高い割合だったとのことです。また、チームは289人の医師の調査も実施しており、医師が患者のメンタル不調に気付いている割合が非常に低いことも分かったそうです。EurekAlert!の記事です。

  • 「月経カップ」は途上国女性の健康を守るゲームチェンジャーか

    2023-07-28

    生理用品を入手しにくい発展途上国の女性の健康を守るために、医療用シリコン製の「月経カップ」が大きな役割を担うかもしれません。米国の研究チームが、ケニアの女子中等学校の生徒436人を追跡調査。月経カップを支給された人は、そうでない人に比べて細菌性膣炎になる可能性が26%低く、膣内細菌叢の組成が最適な状態である可能性が37%高かったそうです。さらに、月経カップを使用すると、性感染症のリスクが低くなることも示唆されたといいます。EurekAlert!の記事です。

  • 目薬タイプの遺伝子療法で、難病DEBの盲目少年の視力が回復

    2023-07-28

    表皮と真皮を結合するコラーゲンに異常が生じ、皮膚や角膜に水疱ができるまれな遺伝子疾患「栄養障害型表皮水疱症(DEB)」のキューバの少年(10代)の視力回復に成功したそうです。米国のチームが、角膜病変を除去した上で、DEBの皮膚治療に使われる遺伝子療法の点眼薬を開発して投与。単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)ベクターを用いてコラーゲンの遺伝子を導入する方法です。その結果、病変は再発せず、失明状態だった視力がほぼ完璧に回復したとのこと。AP通信の記事です。

  • がん細胞表面の複数の標的を認識する優れたT細胞を発見

    2023-07-27

    がんサバイバーから、通常より優れた細胞傷害性T細胞(Tc細胞)が見つかったそうです。英国の研究チームが、腫瘍浸潤リンパ球輸注療法(TIL療法)を受ける末期の固形がん患者で、がんが消滅した人を調査。Tc細胞は通常、がん細胞表面の一つの標的を認識して攻撃を仕掛けます。しかし、これらの患者には、複数の異なる標的を同時に認識するTc細胞が存在していたそうです。このTc細胞は、がん治癒後1年以上たっても強いがん攻撃能力があったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 体温上昇でウイルスに対する抵抗力が向上 腸内細菌叢が関与

    2023-07-27

    発熱がウイルス感染の重症化を抑制するメカニズムが明らかになったようです。東京大学などのチームが、マウスにインフルエンザや新型コロナのウイルスを感染させて調査。36℃の高い外気温で1週間飼育したマウスは、低い外気温で飼育したマウスに比べて生存率が高かったといいます。体温がより高く(38度以上に)上昇し、腸内細菌叢が活性化して代謝物の二次胆汁酸が増加したためだそうです。二次胆汁酸はウイルス増殖や炎症反応の抑制に関わります。Medical Xpressの記事です。

  • 大麻の使用が人体に与える影響 遺伝子発現に変化か

    2023-07-25

    大麻の使用は遺伝子の発現に変化をもたらすようです。米国の研究チームが発見したのは、遺伝子発現の調節がDNA塩基配列の変化ではなく、メチル化などを通して行われる「エピジェネティクス」と呼ばれるもの。18~30歳の1000人について、15年後と20年後の血液を解析し、大麻使用に関連するDNAメチル化マーカーを調べた結果です。 15年、20年時点の両方で、最近の大麻使用に関連するマーカーと、長期の大麻使用に関連するマーカーが特定されたとのこと。Science Alertの記事です。

  • アトピー性皮膚炎治療の注射薬で、COPD患者の増悪リスクが低下

    2023-07-25

    アトピー性皮膚炎の治療薬として知られる「デュピルマブ」が、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療を飛躍的に前進させるかもしれません。米国などの研究チームが、2型炎症が示唆されるCOPD患者939人を対象に調査を実施したといいます。デュピルマブを2週間ごとに皮下投与された人は、プラセボ群に比べて中等~重度の急性増悪の発生が1/3少なくなることが分かったそうです。さらにデュピルマブ群のほとんどで、肺活量が倍増することも明らかになったとのこと。Medical Briefの記事です。

  • 誤診のリスクを低減するために患者がするべき三つの質問

    2023-07-24

    米国では、1年間に79万5000人が誤診によって障害を負ったり、死亡したりするそうです。米国の研究チームの報告によると、脳卒中、敗血症、肺炎、静脈血栓塞栓症、肺がんの5疾患が誤診の38.7%を占めます。誤診のリスクを下げるため、患者は医師に①不調の原因として何が考えられるか②他にどんな可能性があるか③検査結果はいつ出て、自分は何をしたらいいか――を聞くとよいそうです。特に②は、型にはまらない考え方をしてもらうために重要とのこと。INSIDERの記事です。

  • 新型コロナの「無症状」感染に関連する遺伝子変異を特定

    2023-07-24

    全身の細胞の表面に存在するタンパク質「ヒト白血球抗原(HLA)」に特別な遺伝子変異があると、新型コロナウイルスに感染しても症状が出ない可能性が高いようです。米国の研究チームが、骨髄ドナーのデータベースから1500人のHLAを分析。参加者はみな白人で、コロナワクチン未接種者だったそうです。HLAに「HLA-B*15:01」と呼ばれる変異を2コピー保有している人は、この変異を持たない人に比べて、コロナ陽性でも無症状である可能性が8倍以上高かったといいます。NBC Newsの記事です。

  • エスプレッソでアルツハイマー病を予防? タンパク質タウの凝集を防ぐ可能性

    2023-07-21

    アルツハイマー病(AD)に関連するとされるタンパク質タウの凝集を防ぐ飲み物があるようです。イタリアの研究チームが、市販のコーヒー豆から抽出したエスプレッソ液やその成分を、ADの原因の一つとされるタウ線維と共に実験室で40時間培養。エスプレッソ抽出液やカフェイン、イソフラボンの一種であるゲニステインの濃度が高くなるほど、タウ線維が短くなり、凝集が抑制されたといいます。中でもエスプレッソ抽出液がもっとも効果的だったとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 母乳に含まれる糖分が、乳児の脳の神経細胞接続を促進

    2023-07-21

    母乳に含まれる糖分子「ミオイノシトール」が脳の発達に重要な役割を果たすようです。米国の研究チームが米シンシナティ、メキシコ市、中国・上海市の3都市で母乳サンプルを分析。ミオイノシトールが授乳初期には全ての母乳に高濃度で含まれており、その後徐々に減少することが分かったそうです。そして、培養したヒト神経細胞や脳組織を使った実験で、ミオイノシトールがシナプスを増やし、神経細胞の接続を促進することが判明したといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 補聴器の使用で、高齢者の認知機能低下が抑制される可能性

    2023-07-20

    補聴器を使って耳の聞こえを改善することで、高齢者の認知機能低下を抑えられるかもしれません。米国の研究チームが、平均年齢77歳の高齢者977人に3年間の調査を実施。高血圧や糖尿病の影響で認知症リスクが高いとみなされた人について、専門家による助言とともに補聴器を使用すると、健康に関する講習を受けただけの人に比べて認知機能の低下が48%遅くなることが分かったそうです。一方で、健康な人はこのような違いは認められなかったといいます。CBCの記事です。

  • ポーランドで猫が鳥インフルに感染 29匹の陽性を確認

    2023-07-20

    世界保健機関(WHO)は、ポーランドで猫29匹がH5N1型鳥インフルエンザに感染したと報告したそうです。一つの国の広いエリアで、これほどの数の猫が鳥インフルに感染したことが確認されたのは初めてとのこと。感染が確認された猫の一部は呼吸困難や血の混じった下痢、神経症状などの重篤な症状を発症し、急速に悪化して死んだといいます。感染の原因は現時点では不明だそうです。感染した猫に接触した人もいますが、症状が出たという報告はないようです。ScienceAlertの記事です。

  • アルツハイマー病治療薬ドナネマブ、レカネマブより効果高い可能性

    2023-07-19

    米イーライリリー社の新たなアルツハイマー病(AD)治療薬「Donanemab(ドナネマブ)」の臨床試験の結果が報告されたそうです。この薬はADに関連するタンパク質アミロイドβを除去するモノクローナル抗体です。1700人を対象に行った臨床試験では、ADの進行を35%遅らせることが判明。米食品医薬品局(FDA)が最近承認した同様のAD新薬レカネマブは、ADの進行を27%抑制するといわれています。AD初期段階でドナネマブを使用すると、より効果が高まることも示されたとのこと。nprの記事です。

  • 米FDA、乳幼児をRSウイルスから守る抗体製剤を承認

    2023-07-19

    米食品医薬品局(FDA)は17日、RSウイルス(RSV)感染を予防する乳幼児向けのヒトモノクローナル抗体製剤「Nirsevimab(ニルセビマブ)」を承認したそうです。開発は英アストラゼネカと仏サノフィ社で、全ての乳幼児が利用可能なRSV抗体薬の承認は初。臨床試験では、同薬がプラセボ群と比べてRSVで受診するリスクを70%、入院するリスクを78%それぞれ抑制することが示されたそうです。対象は生後24カ月までの乳幼児で、注射で1回投与すると4~6カ月効果が持続するとのこと。CNNの記事です。

  • WHO、人工甘味料アスパルテームは「発がん性の可能性あり」と発表

    2023-07-18

    世界保健機関(WHO)傘下の国際がん研究機関(IARC)は、低カロリーをうたう飲料などに一般的に使われる人工甘味料「アスパルテーム」について、「ヒトに対して発がん性がある可能性がある」との見解を示したそうです。ただし、一般的な量を摂取する分には過度な心配は不要だといいます。アスパルテームは、発がん性があるかどうかの「証拠の強さ」を示す分類で、ガソリンによる排気ガスなどと同じ「2B」(4段階の上から3番目)に指定されたとのことです。CBS Newsの記事です。

  • 米FDA、処方箋なしで買える経口避妊薬を初承認

    2023-07-18

    米国の女性は近々、目薬と同じくらい簡単に経口避妊薬を購入できるようになるようです。米食品医薬品局(FDA)は13日、経口避妊薬「Opill(オーピル)」を処方箋なしで買える市販薬として承認しました。購入に年齢制限はなく、販売が開始されるのは来年初めになる見通しだそうです。オーピルは黄体ホルモン「プロゲスチン」のみを配合した薬です。エストロゲンとプロゲスチンが配合されている一般的な経口避妊薬に比べて副作用のリスクが低いといいます。AP通信の記事です。

  • オメガ3脂肪酸、ALS患者の死亡リスク低下に関連

    2023-07-16

    クルミなどに含まれるオメガ3脂肪酸の一種「アルファリノレン酸(ALA)」が、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の進行を抑制する可能性があるそうです。米国の研究チームが、ALS患者449人を対象に18カ月の調査を実施。血中ALAレベルが最も高い群に属していた人は、最も低い群の人に比べて調査期間中に死亡するリスクが50%低かったそうです。オメガ3脂肪酸の一種「EPA」とオメガ6脂肪酸の一種「リノール酸」も死亡リスク低下に関連していたといいます。Medical Xpressの記事です。

  • EU当局、減量薬による自殺念慮リスクを調査

    2023-07-15

    減量薬として広く使われている「オゼンピック」や「サクセンダ」などのGLP-1受容体作動薬ついて、自傷や自殺念慮のリスクが懸念されているようです。アイスランド当局が、このいずれかの薬を使用した人による自殺念慮や自傷念慮の症例を3件報告したそうです。欧州医薬品庁(EMA)は他のGLP-1受容体作動薬にも範囲を広げ、同じような可能性が考えられる150のケースについて現在調査を進めているといいます。調査は11月まで続く見込みとのことです。CNNの記事です。

  • 新型コロナ、ヒトと野生のシカの間で感染を繰り返す

    2023-07-14

    新型コロナウイルスが野生のシカとヒトの間で感染を繰り返すことがあるようです。米農務省の動植物検疫局(APHIS)が、米国で2021年11月~22年4月に野生のオジロジカから採取した8830検体を分析。ヒトで流行したコロナ変異株がシカに伝染し、ヒトの間でその変異株の流行が収まった後もシカの間で残っていることが分かったそうです。ヒトからシカに伝染したウイルスが変異し、それがシカからヒトにうつって広がったケースも少なくとも3件確認されたとのこと。CBS Newsの記事です。

  • 米CDC、犬の輸入ルール厳格化を提言 狂犬病対策で

    2023-07-14

    米疾病対策センター(CDC)は約70年ぶりに、犬の輸入に関する規定の改定を提言したそうです。狂犬病の再流入を防ぐことが目的。狂犬病は、米国では2007年に根絶していますが、今も世界100カ国以上でまん延しています。毎年約5万9000人が死亡し、ほとんどが犬にかまれた子どもだといいます。提言によると、狂犬病ハイリスク国から犬を持ち込む場合、出発地政府公認の獣医師の署名などがあるワクチン接種証明書が必要で、米国到着後に再接種を求めるとのこと。CNNの記事です。

  • パーキンソン病患者の「誰かに見られているような錯覚」は要注意

    2023-07-13

    実際には誰もいないのに誰かが近くにいる気配を感じたら、それはパーキンソン病(PD)の症状悪化の予兆かもしれません。スイスの研究チームが、60~70歳のPD患者75人を対象に5年間の調査を実施。PD初期に誰かがいるような錯覚を経験した人は、前頭葉がつかさどる注意力や問題解決、感情調節などに関連する認知機能の低下が速いことが分かったそうです。こうした錯覚がPD初期に起こる人には、特有の脳波パターンがあることも明らかになったといいます。ScienceAlertの記事です。

  • 糞便移植で、メラノーマ患者の免疫療法への反応が高まる可能性

    2023-07-13

    免疫療法の効果を向上させるには、糞便移植(FMT)で患者の腸内環境を整えると良いそうです。カナダの研究チームが、今回は悪性黒色腫(メラノーマ)患者20人を対象に第1相試験を実施しました。健康なドナーから採取した糞便の経口カプセルを免疫療法開始の1週間前に投与したところ、65%で治療への反応が確認されたそうです。メラノーマ患者で免疫療法の効果が得られるは通常40~50%だといいます。FMTと免疫療法の併用の安全性も示されたとのことです。ScienceDailyの記事です。

  • アルツハイマー病新薬「レカネマブ」に期待しすぎは禁物の理由

    2023-07-12

    米食品医薬品局(FDA)が6日にエーザイのアルツハイマー病(AD)新薬「レカネマブ」を正式承認しました。軽度認知障害(MCI)または初期段階の患者の病気の進行を遅らせる薬です。ただ、有効性に疑問を持つ専門家がいるようです。第3相試験では、同薬がプラセボ群に比べてADの進行を27%遅らせることが判明。しかしこれは、患者や家族が効果に気付かない可能性があるほどわずかな違いだといいます。なお専門家は「ADを治せるわけではない」との指摘もしています。NBC Newsの記事です。

  • 短い睡眠は、運動による脳へのメリットを台無しにする

    2023-07-12

    運動には認知機能の低下を抑える効果があるといわれています。しかし6~8時間の十分な睡眠を取らないと逆効果になるようです。英国の研究チームが、認知機能に問題がない50歳以上の中高年9000人に対し10年以上にわたる調査を実施。50、60代のときに身体活動レベルが高く、1日の平均睡眠時間が6時間未満だった人は、10年後に認知機能の低下が速く進むことが分かったそうです。その認知機能レベルは、運動をしなかった人と同程度だったといいます。CNNの記事です。

  • 不健康な歯はいらない? 歯周病の程度と歯の数が海馬の萎縮に関連

    2023-07-11

    不健康な状態で歯を残しておくと、認知機能に悪影響があるようです。東北大学の研究チームが、記憶力が正常な55歳以上の日本人172人を4年間調査。アルツハイマー病の初期には記憶をつかさどる脳の海馬の左側(左海馬)が萎縮するといいます。調査の結果、軽度歯周病の人は、残っている歯が少ないほど左海馬の萎縮速度が速いことが分かったそうです。一方で重度歯周病の人は、残っている歯が多いほど左海馬の萎縮速度が速まったとのことです。Science Alertの記事です。

  • 病原体情報を集約したポータルサイト開設 次のパンデミックに備え

    2023-07-11

    欧州バイオインフォマティクス研究所(EBI)が、研究者や医師、政策立案者などが病原体に関する広範囲の生体分子データにオンラインでアクセスできる「病原体ポータル(Pathogens Portal)」を開設したそうです。将来のパンデミックに備えるのが目的で、20万種類以上の病原体のデータを掲載。塩基配列やゲノムデータはもちろん、世界中のあちこちに散らばっているさまざまな種類のデータを集約し、誰もが迅速かつ容易にアクセスできるようにすることを目指すといいます。EurekAlert!の記事です。

  • ピロリ菌感染による胃がんリスク 特定の遺伝子変異で増大

    2023-07-07

    ピロリ菌感染による胃がんリスクは特定の遺伝子変異によって高まるそうです。理化学研究所(理研)などの研究チームが今年3月、胃がん患者1.2万人と非がん患者 4.4万人のDNAサンプルを分析した結果を米医学誌NEJMに発表しています。チームは胃がんリスク上昇に関連する九つの遺伝子変異を発見。胃がん発症リスクは、ピロリ菌感染に加えて、この中の特定の四つの遺伝子変異のいずれかを持つ人が約45%。ピロリ菌感染のみの人のリスクは約14%だったとのこと。SciTechDailyの記事です。

  • BMIで「過体重」に分類される人、死亡リスク上昇せず

    2023-07-07

    国際的にはBMI(体格指数)25以上を過体重、30以上を肥満と定義するそうです。米国の研究チームが、1999~2018年の同国の成人55万4332人のデータを分析したところ、過体重は死亡リスク上昇にほとんど関連しないことが分かったそうです。高齢者はBMIが22.5~34.9であれば全死因死亡率が有意に上昇することはなく、若者はBMIが22.5~27.4であれば死亡率に影響はなかったそうです。チームは「BMIだけで臨床的な判断をすることへの懸念が高まっている」としています。Medical Xpressの記事です。

  • 一晩寝ないことで、抗うつ効果を得られる人がいる可能性

    2023-07-06

    睡眠不足がうつ病患者の気分の落ち込みを改善するケースがあるようです。米国の研究チームが、健康な38人と大うつ病性障害(MDD)患者30人に眠らせない(睡眠剥奪)実験を実施。その結果、一晩まったく睡眠を取らなかったMDD患者のうち43%で、気分の落ち込みが改善したことが分かったそうです。機能的磁気共鳴画像(fMRI)を使って脳内を分析したところ、気分が向上した人は、情動や感情の処理に関わる扁桃体と前帯状皮質の接続が有意に増加していたとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 米FDA、脱毛症治療薬を承認 脱毛範囲が20%以下に回復する患者も

    2023-07-06

    米ファイザー社が開発した円形脱毛症の経口治療薬「リットフーロ(一般名:リトレシチニブ)」が、米食品医薬品局(FDA)に承認されたそうです。対象は12歳以上。頭部の半分以上に脱毛がある患者700人を対象に行った臨床試験では、1日50mgのリットフーロを6カ月間服用した人の23%が脱毛の範囲が20%以下になったといいます。プラセボ群で脱毛の範囲が20%以下になったのは1.6%だったそうです。脱毛の初期段階で薬を服用すると、より効果が高まるとのことです。ScienceAlertの記事です。

  • 増える「睡眠離婚」 本当に1人の方がよく眠れる?

    2023-07-05

    パートナーと別々のベッドや寝室で寝る「睡眠離婚」は、本当に睡眠の質を改善するのでしょうか。米国の研究チームが、同国の成人1250人を調査。回答者の1.4%が1年以上パートナーと別々に寝ていることが分かったそうです。パートナーと別々に寝ることで睡眠の質が向上したと答えたのは52.9%だったといいます。一方、睡眠離婚を試した人のうち25.7%が再びパートナーと一緒に寝ることを選択し、それによって睡眠時間が増加したと答えたとのことです。ScienceAlertの記事です。

  • 腸内細菌が目に影響? プロバイオティクスでドライアイ改善か

    2023-07-05

    腸内細菌が目の健康にも影響を及ぼす可能性があるようです。米国の研究チームが、ドライアイマウスの腸内の善玉菌を抗菌薬で一掃して調査。ヒト由来のプロバイオティクス「リモシラクトバチルス・ロイテリ菌DSM17938株」を5日間経口投与されたマウスは、生理食塩水を投与されたマウスに比べて角膜の表面が健康な状態で、損傷も少なかったそうです。また、DSM17938投与群の目の組織には、涙の必須成分であるムチンを作る杯細胞が多く存在していたといいます。EurekAlert!の記事です。

  • コロナ禍に若者の1型糖尿病が急増

    2023-07-04

    新型コロナウイルスの感染拡大以降、1型糖尿病と診断される子どもや10代の若者が増えているそうです。カナダの研究チームが、世界各国のデータを分析。パンデミック1年目の子どもの1型糖尿病発症率は、パンデミック前に比べて14%上昇したことが分かったそうです。2年目には発症率がパンデミック前より27%高くなったといいます。コロナ感染や、子どもが本来日常生活で感染する細菌に暴露しなかったことなどが原因の可能性があるとのことです。BBCの記事です。

  • オピオイド、急性の腰や首の痛みには役に立たない可能性

    2023-07-04

    腰や首の痛みに対するオピオイドの使用は有害になるかもしれません。豪州の研究チームが、急性の腰痛や頸部痛で受診した350人を対象に調査を実施。オピオイド系「オキシコドン・ナロキソン錠剤」を短期間服用した人の6週間後の疼痛緩和レベルは、プラセボ群と同等だったそうです。また12カ月後には、プラセボ群の転帰のほうが若干良好だったといいます。オピオイド群は、12カ月後の時点でオピオイド乱用リスクが有意に上昇したとのことです。ABC News(AUS)の記事です。

  • 豪でMDMAやマジックマッシュルームの医療目的での使用が可能に

    2023-07-03

    豪州で7月1日から、うつ病や心的外傷後ストレス障害(PTSD)に苦しむ患者に対して医師が特定の幻覚剤を処方することが許可されたそうです。世界で初めてのことです。豪州の精神科医は「エクスタシー」として知られる合成麻薬「MDMA」をPTSD患者に、マジックマッシュルームに含まれる幻覚成分「サイロシビン」を難治性うつ病患者にそれぞれ処方することが可能になったといいます。価格は患者1人あたり6600米ドル(約95万5000円)に上る見込みとのこと。AP通信の記事です。

  • 米CDCが高齢者向けRSVワクチン推奨 今秋から接種開始

    2023-07-03

    米疾病対策センター(CDC)は6月29日、二つの高齢者向けRSウイルス(RSV)ワクチンについて接種を支持することを表明しました。GSK社とファイザー社がそれぞれ開発したワクチンで、CDCの決定は米食品医薬品局(FDA)の承認とCDCの予防接種諮問委員会の勧告を受けたものです。今秋以降、医療従事者と話し合った上で60歳以上のワクチン接種が可能になります。高齢者向けRSVワクチンは、米モデルナやデンマークのババリアン・ノルディックも治験を進めているとのこと。CNNの記事です。

  • 朝のコーヒーで「目が覚める」のはプラセボ効果かも

    2023-06-30

    朝コーヒーを飲むと覚醒するのは、カフェインの効果ではないそうです。ポルトガルの研究チームが、1日1杯以上コーヒーを飲む人を対象に機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を使って脳の活動を分析。コーヒーを飲んだ後のほうが、カフェインを単独で摂取した後に比べて行動への準備がより整った状態になり、外部刺激にも敏感になることが分かったといいます。コーヒーの匂いや味、心理的期待などが覚醒を引き起こす要因になる可能性があるとのことです。EurekAlert!の記事です。

  • BMIはもう古い?肥満指標に関する考え方に変化の兆し

    2023-06-30

    長年肥満の定義に使われてきたBMI(体格指数)は、健康状態を予測する尺度としては不十分なようです。米国医師会(AMA)が、臨床現場でBMIを重要視するのをやめるよう呼びかける新たな指針を採用したそうです。体重と身長から求めるBMIは、集団レベルでは体脂肪率と関連があることは分かっていますが、個人の体脂肪率を予測するには正確性に欠けるといいます。体重増加の健康リスクを評価する指標として、体脂肪指数や相対脂肪量などが提案されています。The Conversationの記事です。

  • 食事時間の制限が減量に有効 カロリー制限と同等の効果か

    2023-06-29

    カロリー制限と同じくらい有効なダイエット法があるようです。米国の研究チームが、18~65歳の肥満患者90人を対象に調査。食事を取る時間を制限する「断続的断食」を行う群と摂取カロリーを制限する群は減量効果が同等で、両群ともに1年後には体重が4%減少したそうです。また、胴囲や脂肪量の減少も同等だったといいます。断続的断食群は、前半の半年間は正午~午後8時、後半の半年間は午前10時~午後8時に食事の時間を制限したとのこと。The Conversationの記事です。

  • 自閉症や知的障害の人が安楽死を選択 オランダの資料から判明

    2023-06-29

    自閉症や知的障害による苦しみを理由に安楽死を選択する人がいるそうです。オランダ政府が、2012~21年に同国で安楽死を選択した6万人のうち900人に関する資料を公表。これを英国の研究チームが分析したといいます。その結果、39人に自閉症や知的障害があり、このうち18人は50歳未満であることが分かったそうです。30人が苦痛の原因として「孤独」を挙げ、8人が苦しみの唯一の原因は自閉症や知的障害から来るものだと答えたとのこと。AP通信の記事です。

  • 米国内で5人がマラリアに感染 20年ぶりの事態にCDCが警鐘

    2023-06-28

    米国で、海外滞在歴のない人のマラリア感染が20年ぶりに確認され、米疾病対策センター(CDC)が注意を呼び掛けたそうです。米国内での感染例が最後に報告されたのは2003年だといいます。この2カ月の間にフロリダ州で4例、テキサス州で1例の計5例の国内感染が発生。5人の患者は治療を受け、現在は回復に向かっているとのことです。マラリアは蚊が媒介し、死に至ることもある感染症です。妊婦が感染すると胎児に伝染することがあります。NBC Newsの記事です。

  • 減量薬「Wegovy」の錠剤、治験で有望な結果

    2023-06-28

    デンマークのノボノルディスク社が開発した肥満症治療剤「Wegovy(ウゴービ:一般名セマグルチド)」の投与が経口でできるようになりそうです。同薬は現在、週1回皮下注射で投与されています。16カ月にわたって実施された二つの臨床試験の結果によると、高用量のウゴービ錠剤を毎日服用することで、皮下注射に匹敵する減量効果が得られることが判明。2型糖尿病の人にも有効だったといいます。副作用として、胃腸関連のトラブルが認められたとのこと。CBS Newsの記事です。

  • ウガンダで感染症後に水頭症を発症する新生児が多発、原因菌を特定

    2023-06-27

    東アフリカのウガンダで、新生児が感染症を患った後に水頭症を発症するケースが多発しており、米国の研究チームが原因の細菌を突き止めたそうです。チームが感染による敗血症や水頭症を発症したウガンダの新生児を調査し、無害とされていた細菌「Paenibacillus thiaminolyticus(パエニバシラス・チアミノリティカス)」が、感染症を引き起こすことが分かったといいます。感染症の治療から数週間後に水頭症が発生した際も、この細菌はまだ体内に残っていたそうです。Medical Xpressの記事です。

  • うつ病の新たなサブタイプが明らかに SSRIが効かない可能性

    2023-06-27

    認知機能に問題がある大うつ病性障害(MDD)のサブタイプが明らかになったそうです。そして、この患者には一般的な抗うつ薬は効果がない可能性があるといいます。米国などの研究チームが成人MDD患者712人を調査。このうち27%の人が、注意力や自制心を評価する認知課題をうまく処理できないことが分かったそうです。このタイプの人がうつ病の標準的な治療薬である選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)を使用しても、うつ病が寛解する割合は低かったとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 米FDA、筋ジストロフィーの遺伝子治療を迅速承認 4~5歳が対象

    2023-06-26

    米食品医薬品局(FDA)は、米Sarepta Therapeutics社のデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)に対する遺伝子治療薬「Elevidys(エレビジス)」を迅速承認したようです。対象は科学的根拠のある4~5歳の小児患者に限定。同薬の投与は単回で完了するそうです。価格は1回320万ドル(約4億5880万円)の見込みで、世界で2番目に高額な医薬品だといいます。エレビジスの販売を継続するには、現在進行中の治験で同薬が患者の身体機能や運動機能を改善することを示す必要があるとのこと。CNNの記事です。

  • イーライリリーの経口減量薬、中期臨床試験で有望な結果

    2023-06-26

    米イーライリリー社が開発する肥満治療のための経口薬「orforglipron(オルフォルグリプロン)」が、すでに承認済みの他の減量薬(セマグルチド)に匹敵する効果を示したそうです。米国の研究チームが、平均体重108.7kgの太り過ぎか肥満の患者272人を調査。最高用量のオルフォルグリプロンを毎日服用した人は、36週時点で体重が平均14.7%減少したそうです。一方、プラセボ群の体重減少はわずか2.3%だったといいます。副作用として、吐き気や便秘などが認められたとのこと。CNNの記事です。

  • 宇宙にいると感染症にかかりやすくなるのはなぜか

    2023-06-23

    宇宙飛行士は宇宙滞在中に感染症にかかりやすくなるそうです。カナダの研究チームが、宇宙ステーションに4年半~6年半いた宇宙飛行士14人を調査し、その理由を明らかにしたといいます。宇宙に到着すると数日で、白血球における247の遺伝子発現が通常の1/3に減ることが分かったそうです。こうした変化は、宇宙の無重力によって体液が上半身に集まってしまうことに起因するといいます。ただ、地球に帰還後1カ月ほどで通常の状態に戻るとのこと。ABC News(AUS)の記事です。

  • 昼寝の習慣が、脳の若さを保つ?

    2023-06-23

    昼寝の習慣は、加齢に伴う脳の萎縮を遅らせるかもしれません。米英などの研究チームが、40~69歳の37万8932人のデータを分析。因果関係を検討できるメンデルランダム化解析で遺伝的に昼寝をする素因があるとされた人は、平均で脳全体が15.8㎤大きいことが分かったそうです。これは脳が2.6~6.5歳若いことに相当するといいます。ただし、記憶をつかさどる海馬の大きさ、反応時間、視覚処理という脳の若さを測るその他の指標に違いはなかったとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 不妊治療で出産した女性、20%がその後に自然妊娠

    2023-06-22

    不妊治療で授かった赤ちゃんを出産した後に、自然妊娠するのは珍しいことではないようです。英国の研究チームが、11の研究から世界中の5000人を超える女性のデータを分析。データは1980~2021年のものだといいます。分析の結果、少なくとも5人に1人が、体外受精(IVF)などの不妊治療で妊娠した赤ちゃんを出産した後、たいてい3年以内に自然妊娠していたことが分かったそうです。不妊治療の種類の違いなどを考慮しても、結果は同じとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 高齢者のアスピリン使用、貧血リスク高める可能性

    2023-06-22

    血栓を防ぐために高齢者にアスピリンを処方する際は、患者の血中ヘモグロビン濃度に注意を払った方がいいようです。豪州などの研究チームが、65歳以上の高齢者1万8000人を対象に5年間、調査を実施したそうです。その結果、低用量(100mg)のアスピリンを毎日服用した人は、プラセボ群に比べて血液検査で貧血と診断されるリスクが20%高かったといいます。また、アスピリン群の24%が5年以内に貧血を発症すると推計されたとのことです。CNNの記事です。

  • 「C3aペプチド」点鼻で、脳卒中マウスの運動機能が回復

    2023-06-21

    免疫系や脳の発達に重要な役割を果たすとされる補体「C3aペプチド」を含む点鼻薬が、脳卒中の後遺症治療に有効な可能性があるそうです。スウェーデンの研究チームが、虚血性脳卒中を起こさせたマウスで調査。1週間後にC3aの点鼻を始めたマウスは、プラセボ群に比べて速やかに全面的な運動機能が回復したそうです。MRI検査でC3aが神経細胞の接続を増やすことが判明。脳卒中後すぐに治療できなくても、この点鼻薬の使用で回復が期待できるとのことです。ScienceAlertの記事です。

  • 肥満によって損なわれた脳の栄養素への反応、減量しても戻らず

    2023-06-21

    なぜ、減量してもリバウンドしてしまうのでしょうか。米国の研究チームが、痩せている(BMI25以下の)28人と肥満(BMI30以上)の30人の胃にグルコースか脂肪を直接注入し、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を使って脳活動を評価。痩せている人は栄養素の感知に関連する脳活動の変化が起こるのに、肥満の人にはほとんど起きなかったといいます。肥満の人に減量プログラムを行い、10%の減量に成功した人に同じ検査を実施。栄養素を感知する反応は戻らなかったそうです。SciTechDailyの記事です。

  • 棺の中で「生き返った」女性に、2度目の死亡宣告

    2023-06-20

    南米エクアドルで、6月9日に死亡宣告を受けた76歳の女性が、通夜の最中に棺を叩いて生きていることを知らせ、助け出されるという出来事があったそうです。女性はその後、病院に運ばれて入院していましたが、16日に脳卒中で死亡したといいます。同国保健省は、誤った死亡宣告がされた原因を調査するよう指示したそうです。女性には、体が硬くなったり意識を失ったりする「カタレプシー」(強硬症)があったとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 男性ホルモン「テストステロン」の補充で、心臓発作のリスク上昇せず

    2023-06-20

    男性ホルモン「テストステロン」の補充療法は心臓発作や脳卒中の発症リスクを高めるのでしょうか。米国の研究チームが、心臓病リスクが高く、低テストステロンによる症状がある45~80歳の男性5246人に2年間の治療と3年間の追跡調査を実施。心臓発作や脳卒中を発症した割合は、毎日テストステロンジェルを塗布した群とプラセボ群でほぼ同じだったといいます。ただし、注射投与などの場合は結果が異なる可能性を指摘する専門家もいるとのこと。USA TODAYの記事です。

  • 2種類のがん治療薬の治験が一時中断 参加者計6人の死亡受け

    2023-06-19

    米国で行われている急性骨髄性白血病(AML)と卵巣がんの新たな治療薬の治験が、死亡者が出たために中断したそうです。米2seventy bio社が、AMLに対するCAR-T細胞療法の第1相試験を実施。しかし、高用量の薬剤を投与された最初の子どもが死亡したことを受けて、治験を中断したとのことです。また、米Mersana社が行っている卵巣がん治療の抗体医薬「upifitamab rilsodotin(UpRi)」の第3相試験でも、参加者5人が出血で死亡。米食品医薬品局(FDA)は、この治験への追加登録を保留にしたといいます。CNNの記事です。

  • ヒトの「人工胚」の作製に世界で初めて成功 米英チーム

    2023-06-19

    米英の研究チームが、ヒトのES細胞(胚性幹細胞)から胚のような構造体(人工胚)をつくることに初めて成功したそうです。この人工胚を使えば、遺伝性疾患や流産の原因を理解するのに役立つ可能性があるといいます。一方、このような人工胚の取り扱いを巡り、法的そして倫理的な問題が浮上しています。ヒト胚については受精後14日を超えて研究室で培養してはいけないとのルールがあるものの、人工胚に関するルールは多くの国で未整備とのこと。CNNの記事です。

  • 子宮内膜症に細菌「フソバクテリウム」の感染が関与か

    2023-06-16

    子宮内膜症の発症に、細菌の感染が関与している可能性があるそうです。名古屋大学などの研究チームが、女性155人の子宮内膜組織を分析。子宮内膜症がある女性の64%から、歯周病などに関与するフソバクテリウム属の細菌が検出されたといいます。一方、子宮内膜症がない女性のうち、この細菌が検出されたのはわずか7%だったそうです。フソバクテリウム感染マウスを使った実験では、抗菌薬の投与で子宮内膜症の病変が小さくなることが示されたといいます。natureの記事です。

  • ポーランドで妊婦が死亡 厳しい人工妊娠中絶規制に市民が抗議

    2023-06-16

    ポーランドで妊娠5カ月の妊婦が、破水した後に病院で適切な処置を受けられず、敗血症で死亡したそうです。この病院は非常に保守的な地域にあり、中絶は行っていなかったといいます。ポーランドでは現在、レイプや近親相姦、妊婦の命や健康が脅かされる場合にのみ中絶が認められているそうです。女性の死を受け、中絶を規制する法律に対して抗議デモが起こりました。政府は今回のようなケースは女性に中絶の権利があると強調したとのことです。AP通信の記事です。

  • 植物ベースの食生活は心臓に好影響 コレステロール値低下で

    2023-06-15

    高い悪玉コレステロール(LDL)値は心筋梗塞や脳卒中の原因になります。植物性食品中心の食生活を送ると、コレステロール低下薬「スタチン」の1/3ほどの効果が得られるようです。デンマークの研究チームが、食生活と心臓の健康に関する1982年以降の30の治験を分析。参加者は合計で2400人に上るそうです。ベジタリアンやビーガンの食事が、LDLを10%▽総コレステロールを7%▽LDLの主なタンパク質であるアポリポタンパク質Bを14%――減らすことが分かったといいます。BBCの記事です。

  • ミエリンの劣化がアルツハイマー病に関連している可能性

    2023-06-15

    神経細胞の突起(神経線維)を覆う「ミエリン(髄鞘)」の加齢に伴う劣化が、アルツハイマー病(AD)に関連するタンパク質アミロイドβ(Aβ)の蓄積を加速させるようです。ドイツの研究チームがADマウスの調査で、劣化したミエリンによって神経線維にストレスが加わり、Aβの産生が増えることを突き止めたそうです。また、Aβの除去を担う免疫細胞ミクログリアが、劣化したミエリンの除去で手いっぱいになり、適切に働かない可能性があるといいます。SciTechDailyの記事です。

  • 少量の飲酒で心血管疾患リスク低下 理由はストレスの減少か

    2023-06-14

    少量のアルコールはストレスを軽減し、心血管疾患リスクの抑制につながる可能性があるようです。米国の研究チームが、数千人分のデータを分析。週に1~14杯アルコールを摂取する人は、アルコール摂取量が週1杯未満の人に比べて心臓発作や脳卒中を発症するリスクが低かったそうです。さらに参加者の脳スキャンを分析したところ、軽~中程度のアルコール摂取が不安や恐怖の感情に関わる偏桃体のストレス応答を減らす可能性が示唆されたといいます。CNNの記事です。

  • 食生活の改善による体重減少で、脳の老化が減速する?

    2023-06-14

    野菜が豊富で加工食品が少なめの食生活を送ると、脳年齢に驚くべき効果がもたらされるようです。イスラエルなどの研究チームが、肥満患者102人を調査。参加者は「地中海式食事」「地中海式食事とポリフェノール」「ガイドラインに基づいた健康的な食事」のいずれかを取り続けたそうです。18カ月後、参加者の体重は平均2.3kg減少。体重が1%減るごとに、スキャン画像から推定する脳年齢が9カ月若く見えることが明らかになったといいます。ScienceAlertの記事です。

  • 糖尿病治療薬「メトホルミン」、コロナ後遺症の発症リスク抑制か

    2023-06-13

    2型糖尿病の治療に一般的に使われている安価な経口薬「メトホルミン」で、新型コロナウイルス感染後の後遺症を防ぐことができるかもしれません。米国の研究チームが、太り過ぎまたは肥満の患者1126人を対象に第3相試験を実施。コロナ陽性判定後にメトホルミンを飲んだ人は、プラセボ群に比べて10カ月後にコロナ後遺症と診断されるリスクが40%低かったそうです。すでに発症している後遺症に有効かどうかは未確認だといいます。ScienceAlertの記事です。

  • 母乳を長く飲んだ子ども、試験で高得点を取る傾向に

    2023-06-13

    母乳育児の期間が、子どの学業成績に影響を及ぼす可能性があるようです。英国の研究チームが、同国の乳児5000人を追跡調査しました。そして、英国で義務教育終了時に受ける全国統一試験「GCSE」の数学と英語の成績を比べたそうです。その結果、乳児期に母乳を1年以上飲んだ子どもは、母乳をまったく飲まなかった子どもに比べて高得点で合格する可能性が39%高かったといいます。また、英語で不合格になる可能性は25%低かったとのとこと。CNNの記事です。

  • 医療用大麻、トゥレット症患者のチック症状軽減に効果

    2023-06-12

    チック症状が1年以上続く「トゥレット症候群」に対する医療用大麻の効果について、初めて厳密な検証が行われたそうです。豪州の研究チームが、重度のトゥレット症候群の成人患者22人を対象に調査を実施。THC(テトラヒドロカンナビノール)とCBD(カンナビジオール)を含有する医療用大麻オイルを6週間経口投与すると、音声チックや運動チックが有意に減少することが分かったそうです。強迫症などの関連する他症状も改善したとのことです。Medical Xpressの記事です。

  • 健康に長生きする秘訣は「タウリン」か 動物実験で確認

    2023-06-12

    加齢に伴い体内で減少するアミノ酸に似た物質「タウリン」を補うと、健康寿命を延長できる可能性があるようです。米国などの研究チームが、複数の動物実験を実施。中年マウスにタウリンのサプリメントを摂取させると、寿命の中央値が10~12%延長することが分かったそうです。また、中年のアカゲザルに6カ月間タウリンを摂取させたところ、骨密度や血糖値などに顕著な改善がみられたといいます。タウリンは特に貝類や軟体動物に多く含まれます。ScienceAlertの記事です。

  • 心停止後臓器提供、移植の成功率は脳死後臓器提供とほぼ同じ

    2023-06-09

    回復不可能な脳損傷がある患者の生命維持装置を止め、心臓が停止した後の「心停止後臓器提供(DCD)」による心臓移植は、従来の脳死ドナーからの心臓移植と同じくらい成功するようです。米国の研究チームが、心臓移植を受けた患者180人を調査。6カ月後生存率は、DCDの心臓を移植された人は94%、脳死患者の心臓を移植された人が90%とほぼ同じだったそうです。DCDでは、ドナーから摘出した心臓は灌流装置につながれ、移植まで保存されるといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 「ゲノム編集ベビー」を誕生させた中国人科学者のいま

    2023-06-09

    5年ほど前に「ゲノム編集ベビー」を誕生させたという中国人科学者の賀建奎氏が研究生活に戻り、ゲノム編集技術CRISPRを使ったデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の治療法開発に取り組んでいるそうです。賀氏は、遺伝子改変技術を使ってHIVに感染しない双子の女の赤ちゃんを誕生させたとして、中国で実刑判決を受けました。賀氏は双子について「平和な生活を送っている」とし、遺伝子編集による悪影響の有無についてはコメントを避けているそうです。nprの記事です。

  • 入院中の子どもに寄り添う「ファシリティドッグ」の効果/静岡こども病院

    2023-06-08

    臨床経験のある看護師のハンドラーとペアで医療チームの一員として病院に常勤し、患者に寄り添い治療のサポートをする犬「ファシリティドッグ(hospital facility dogs:HFDs)」をご存じですか。静岡県立こども病院でHFDsプログラムを手掛けるNPO法人が、病院スタッフにアンケートを実施。回答者431人の73%が、HFDsは終末期の緩和ケアに有益だと「常に感じる」「非常によく感じる」と答えたといいます。また、子どもの表情が豊かになりおしゃべりになることも観察されたそうです。EurekAlert!の記事です。

  • 髄膜炎菌5価ワクチンの効果を確認 アフリカでの流行撲滅に期待

    2023-06-08

    アフリカから髄膜炎の流行が撲滅できるかもしれません。髄膜炎菌に対する5価ワクチン「NmCV-5」が、第3相試験で有望な結果を示したようです。ガンビアなどの研究チームが、同国とマリで2~29歳の健康な1800人を調査。NmCV-5ワクチンの単回接種で、28日後には既存の4価ワクチンより強力な免疫応答が誘導されたそうです。アフリカで流行の可能性があり、4価ワクチンには含まれない髄膜炎菌X型にもNmCV-5は有効だといいます。安全性も確認されたとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 人工甘味料スクラロース、DNAを損傷する可能性 専門家が警鐘

    2023-06-07

    炭酸飲料やガムなどに広く使われている人工甘味料「スクラロース」について、危険性を指摘する研究結果が報告されたようです。米国の研究チームが、ヒトの血液細胞や腸壁組織を使って調査を実施。スクラロースやスクラロースが体内で代謝された際に産生される「スクラロース-6-アセテート」によって、DNA損傷が生じる可能性があることが明らかになったそうです。これらの物質が腸の内壁にダメージを与えることも確認されたといいます。ScienceAlertの記事です。

  • 毛包幹細胞のmiRNAを増やすことで、発毛が促進/マウス実験

    2023-06-07

    加齢によって失われた髪の毛を取り戻すことはできるのでしょうか。米国の研究チームが、年を取ると髪が生えにくくなるのは毛包幹細胞が硬くなるためであることを発見したそうです。さらにチームは、細胞を柔らかくする作用のあるマイクロ(mi)RNA「miR-205」に着目。マウスを遺伝子操作して毛包幹細胞でのmiR-205の産生を増やしたところ、若いマウスと高齢マウスの両方で発毛が促進されたといいます。次は、局所でも同様の効果が得られるか確認する予定とのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 米国で昨冬、子どもの脳膿瘍が増加 コロナ前の最高値より高い水準続く

    2023-06-06

    米国で昨年の冬、鼻や耳などで起きた細菌感染が脳に回って膿がたまってしまう「脳膿瘍」の子どもが急増したそうです。米疾病対策センター(CDC)が最新のデータを公表。冬にかけて子どものウイルス性呼吸器感染症が急増した後、2022年12月には小児脳膿瘍の症例が102件となり、月間最多記録を更新したそうです。新型コロナのパンデミック前の中間値と比べて200%の増加だといいます。その後は減少傾向にあるものの、コロナ前の最高値より高い水準にあるとのこと。CNNの記事です。

  • 経口薬オシメルチニブで、特定の肺がん患者の死亡リスク半減

    2023-06-06

    英アストラゼネカ社が開発した非小細胞肺がん切除後の補助療法薬「オシメルチニブ(商品名タグリッソ)」は、患者の全生存期間を延長できるようです。米国の研究チームが、EGFR遺伝子変異のある早期(ステージ1b~3a)非小細胞肺がん患者680人を対象に調査を実施。腫瘍の摘出手術後、オシメルチニブを毎日服用した人はプラセボ群に比べて死亡リスクが51%低下したといいます。5年後に生存していたのは薬の服用患者が88%、プラセボ群が78%だったとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 鳥インフルの変異に懸念 人へのリスクは低いものの注視が必要

    2023-06-05

    世界中で猛威を振るう鳥インフルエンザが、急速に変異しているようです。米国の研究チームが、鳥インフルが欧州から北米に広がる過程でどのように進化したかを分析。ウイルスが北米に到達した時点で、病原性が高まっていたそうです。フェレットの実験では、新たな変異株が予想以上に脳内で増殖することも判明。ヒトへのリスクはまだ低いものの、哺乳動物間での伝染の可能性も確認されており、家禽へのワクチン接種を求める声が高まっているとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 新たな血液検査でさまざまな種類のがんを検出 英の試験で有望な結果

    2023-06-05

    米グレイル社が開発した50種類以上のがんを検出できる血液検査「Galleri」が、英国で使われるようになるかもしれません。Galleriは、がんから漏れる遺伝コードの断片の変化を調べるものです。英国民保健サービス(NHS)が、がんと疑われる症状があって診療所を受診した5000人を調査。従来の検査でがんと診断された人のうち2/3を検出できたそうです。このうち85%は、がんの発生源も正確に特定できたといいます。NHSは現在、無症状者を対象にした調査を行っているとのこと。BBCの記事です。

  • 筋ジストロフィー治験で死亡 原因はウイルスベクターへの過剰反応

    2023-06-02

    デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)を対象とする遺伝子治療の初期臨床試験に参加した米国在住の男性(27)が昨年死亡し、調査を行っていた同国の研究チームが結果を公表したそうです。治療は、ゲノム編集技術CRISPRを用いて「ジストロフィン」というタンパク質を増やすもの。CRISPRを体内に送り届けるための「アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター」に対し、男性の免疫系が通常に比べて過剰に反応しすぎたことが死亡の原因とみられるとのことです。AP通信の記事です。

  • カナダ、たばこ1本1本に健康被害の警告文を表示 世界初の取り組み

    2023-06-02

    「たばこはがんの原因」「たばこは性的不能の原因」「たばこは臓器にダメージを与える」「一服一服に毒が含まれている」――。たばこ1本1本に、こんな健康被害に関する警告文を表示することが、カナダで義務付けられるそうです。このような取り組みは世界初だといいます。規制は今年8月1日に施行され、その後段階的に警告文付き製品が販売される見通しとのこと。カナダは、2035年までに喫煙率を5%未満に下げることを目指しているそうです。CBCの記事です。

  • 危険な多剤耐性菌に有効な抗菌薬、AIを活用して発見

    2023-06-01

    人工知能(AI)を活用することで、スーパーバグと呼ばれる超多剤耐性菌を殺す抗菌薬候補が見つかったそうです。カナダと米国の研究チームがAIを使い、医療施設などで広がる強力な多剤耐性菌「アシネトバクター・バウマニ(AB)」に効く薬剤を6000以上の物質から選別。最終的に「RS102895(abaucinと命名)」と呼ばれる化合物が、ABの増殖を抑える可能性があることが分かったそうです。この薬剤はABにのみ作用し、腸内細菌や皮膚の常在菌などを殺すことはないといいます。CNNの記事です。

  • マルチビタミンサプリ、加齢による記憶力の低下を防ぐ可能性

    2023-06-01

    ビタミンA、B、Cや亜鉛を含有するマルチビタミンサプリメントに、認知機能の低下を防ぐ効果があるかもしれません。米国の研究チームが、高齢者3562人を対象に調査を実施。米国で一般的に使われるマルチビタミンサプリ「セントラムシルバー」を3年間毎日飲んだ人は、プラセボ群に比べてオンラインで実施した記憶力テストで好成績を残したそうです。サプリを飲んだ人は、記憶力が3.1歳分若くなるとの推計が示されたといいます。NBC Newsの記事です。

  • 中国の専門家トップ、コロナの「武漢研究所漏出説」を否定せず

    2023-05-31

    新型コロナウイルスの発生源について、昨年まで中国疾病予防コントロールセンターのトップを務めた高福氏がBBCのインタビューに応じたそうです。高氏は、コロナが中国武漢の研究所から漏出したとする説をめぐり「全てのことを疑いの目で見る。それが科学だ。何事も排除すべきではない」として、否定しなかったといいます。一方で、中国政府は研究所漏出説を否定しています。高氏は研究所が「専門家による二重の調査を受けた」とも述べたそうです。BBCの記事です。

  • 米で今春、ヒトメタニューモウイルスの感染者が急増

    2023-05-31

    米疾病対策センター(CDC)によると、呼吸器感染症を引き起こすヒトメタニューモウイルス(HMPV)の症例が2023年春に急増したそうです。3月半ばのピーク時には、検査検体の11%近くがHMPV陽性だったといいます。これは、新型コロナのパンデミック以前の平均値より36%高い数字とのこと。HMPVはインフルエンザやRSウイルスと同じくらい危険でありふれた呼吸器感染症ウイルスだそうです。ワクチンや治療薬はなく、感染症に弱い人は重症化や死亡のリスクもあるとのこと。CNNの記事です。

  • がん患者の喫煙、倦怠感や痛みなど症状の重さに関連

    2023-05-30

    がんの診断を受けた後も喫煙を続けると、転帰に悪影響があるようです。米国の研究チームが、がん既往歴のある成人1409人のデータを分析。現在喫煙している人は、過去に喫煙していた人や喫煙経験のない人に比べて倦怠感や痛み、情緒面の問題を抱えるリスクが高かったそうです。紙巻きたばこだけでなく、電子たばこでも同様の結果だったといいます。なお、症状が重い患者は負担から逃れるために喫煙を続ける傾向があるという説は間違いのようです。Medical Xpressの記事です。

  • 幼い子どもの受動喫煙、近視リスク高める可能性

    2023-05-30

    子どもの受動喫煙は近視のリスクを高めるそうです。香港の研究チームが、6~8歳の子ども1万2630人を調査。調査対象者の32.4%が受動喫煙の状態だったといいます。分析の結果、副流煙への暴露が、近視の原因となる屈折力の強さや眼軸長(眼球の奥行きの長さ)の伸長に関連することが明らかになったそうです。副流煙に暴露する子どもは近視を発症する可能性が高く、そのオッズ比は中等度近視で1.3、強度近視で2.64だったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • イーロン・マスク氏の脳インプラント、治験の許可を取得

    2023-05-29

    米起業家イーロン・マスク氏らが設立したニューラリンク社は、開発する脳インプラント装置のヒトを対象にした臨床試験が米食品医薬品局(FDA)に許可されたと発表しました。コイン大の物を頭蓋骨に埋め込み、そこから極細の線を脳に入れる装置だといいます。神経系をコンピュータに接続し、脳損傷などが原因で失われた機能を取り戻させるそうです。視力回復や、筋肉を動かせない人が電子機器を操作できるようにすることなどを目指すとのこと。AP通信の記事です。

  • 麻痺で歩行不能の男性、脳と脊椎のインプラントで歩けるように

    2023-05-29

    10年以上前のバイク事故で麻痺が残り歩けなくなった男性(40)が、スイスの研究チームが開発した脳と脊髄を再接続する装置によって、スムーズに歩けるようになったそうです。脳に埋め込んだ装置が「歩きたい」という信号を受信。次にこの信号が、リュック型の処理装置に無線で伝わるそうです。そして処理装置から脊椎インプラントに命令が伝達され、筋肉が刺激される仕組みだといいます。日によるものの、男性は100m以上の歩行が可能になったとのこと。CNNの記事です。

  • メキシコで手術受けた米国人 真菌性髄膜炎で2人が死亡、200人以上に感染リスク

    2023-05-28

    米国に隣接するメキシコの都市マタモロスで手術を受けた米国人2人が、真菌性髄膜炎の疑いで死亡したそうです。関連するとみられる二つのクリニックが閉鎖され、米疾病対策センター(CDC)はこれらのクリニックで最近手術を受けた224人に連絡を取り、髄膜炎検査を受けるよう呼びかけているとのことです。米国では近年、メキシコをはじめとする他国で医療を受ける「メディカルツーリズム(医療観光)」の人気が高まっているといいます。AP通信の記事です。

  • 乳幼児突然死症候群、セロトニン受容体の変異が関連か

    2023-05-27

    乳幼児突然死症候群(SIDS)の危険因子の一つが明らかになったようです。米国の研究チームが、SIDSで死亡した乳児58人と別の原因で死亡した乳児12人の脳組織を比較。SIDSで死亡した乳児は、呼吸などの調節に重要な役割を果たす脳内のセロトニン関連受容体が変異している傾向があったそうです。乳児は通常、睡眠時に酸素が不足すると、呼吸を促す反応を自然に示すといいます。しかしこの変異型をもつ乳児では、この反応が起きない可能性があるとのこと。NBC Newsの記事です。

  • 食べ物の画像を繰り返し見ると、食欲が満たされる可能性

    2023-05-26

    食欲を抑えたい人は、食べたい物の画像を何度も見るといいようです。デンマークの研究チームが、1000人以上を対象にオンラインで調査を実施。参加者にM&M’s(チョコレート菓子)の画像を複数回見せた後、実際に1~10個の間でいくつM&M’sを食べたいか尋ねたそうです。オレンジ色のM&M’sの画像を30回見た人は、3回見た人に比べて食べたいと申告したM&M’sの個数が少なかったといいます。見せる菓子の色や風味を毎回変えても、結果は同じだったとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • HPVワクチン接種は1回でOK? 3年間は有効性持続との最新研究

    2023-05-26

    子宮頸がんを予防するヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンについて、複数回接種から単回接種に変更するべきとの声が上がっているそうです。世界保健機関(WHO)は2022年、HPVワクチンについて原則として単回接種を推奨すると決定。接種が1回で済めば手間やコスト面でメリットが大きく、ワクチンのさらなる普及が期待できるためです。最新の研究でも、HPVワクチンの単回接種で少なくとも3年間は高い有効性が持続することが示されたといいます。CNNの記事です。

  • 腸から血液に漏れ出す細菌由来の毒素が、体重増加を促進

    2023-05-25

    腸内細菌由来の毒素「エンドトキシン」が、脂肪細胞の代謝機能を低下させて体重増加を促すことが分かったそうです。英国などの研究チームが、肥満の156人の脂肪細胞を分析。エンドトキシンが血中に流出すると、健康的な体重の維持に重要な役割を果たす「白色脂肪細胞の褐色化」が減少することが明らかになったといいます。脂質を貯蓄する白色脂肪細胞は、一定の条件下で褐色化し、脂肪を燃焼する褐色脂肪「様」細胞に転換することが知られています。ScienceAlertの記事です。

  • 睡眠時無呼吸の成人患者、コロナ後遺症のリスク高い可能性

    2023-05-25

    米国の研究チームが、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)と新型コロナウイルス感染後の後遺症の関連を分析する研究を進めているそうです。180万人近くのデータを分析した調査では、成人OSA患者のコロナ後遺症発症リスクが最大で75%高くなることが分かったそうです。また、33万人を対象にした別の調査では、このリスクが12%上昇していたことが判明。OSAは炎症の増加や睡眠の乱れ引き起こし、感染症の発症傾向の増大や免疫機能の低下につながる可能性があるとのこと。CNNの記事です。

  • 「粘液栓」が多いCOPD患者の高い死亡率

    2023-05-24

    慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療法が変わるかもしれません。米国の研究チームが、粘液の塊である「粘液栓」を標的にすれば、死亡率を改善できるかもしれないという研究結果を発表しました。チームは、軽~重度のCOPD患者4000人以上について、初診時に撮影した胸部CT画像を分析したそうです。死亡率は、CT画像で粘液栓が認められなかった患者が34%、粘液栓が存在する肺の区域が1~2カ所だった患者が46.7%、3カ所以上の患者は54.1%だったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • うつ症状のある人、創造力を悪意ある目的で使う傾向

    2023-05-24

    他人をいじめたり、挑発的なメッセージをSNSに投稿したり、創造力を負の方向に使う「悪意のある創造性」。オーストリアの研究チームが、259人を対象に調査を実施し、潜在性うつ症状(軽度のうつ)と悪意のある創造性に関連性があることが明らかになったといいます。うつの程度を示すスコアが高い人ほど、悪意のある創造性を発揮することが多かったとのことです。うつ病と悪意のある創造性は、一方が他方を助長する関係にある可能性があるそうです。PsyPostの記事です。

  • 妊婦に接種する乳児向けRSVワクチン、米で承認へ前進

    2023-05-23

    米食品医薬品局(FDA)の諮問委員会は、米ファイザー社が開発した初の乳児向けRSウイルス(RSV)ワクチンの承認を推奨する立場を示したそうです。FDAは通常、委員会の意見に従うとのことです。このワクチンは、妊婦に接種することで出生後の乳児がRSV感染で重症化するのを防ぎます。専門家14人による投票では、満場一致でワクチンの有効性を支持。一方、ワクチンの安全性については、早産のリスクがあるなどとして14人中4人が「不支持」だったとのことです。nprの記事です。

  • 人工甘味料は減量に効果なし WHOが新ガイドライン

    2023-05-22

    低カロリーやカロリーゼロの人工甘味料を減量目的で口にするのはやめた方がいいようです。世界保健機関(WHO)が新たなガイドラインを公表。エビデンス(科学的根拠)の系統的レビューを行ったところ、人工甘味料が成人や子どもの体脂肪減少に長期的な効果をもたらすことはないとの結果が示唆されたそうです。それどころか、こうした甘味料を長期間摂取すると、2型糖尿病や心血管疾患、成人における死亡のリスクが上昇する可能性があるといいます。CBS Newsの記事です。

  • EBウイルスと多発性硬化症の関連を示す新たな証拠

    2023-05-19

    ヘルペスウイルスの一種「エプスタイン・バールウイルス(EBV)」は、多発性硬化症(MS)と関連があることが指摘されています。スウェーデンの研究チームが、メカニズムの一端を明らかにしたそうです。チームはMS患者700人と健康な対照群700人の血液を分析。EBVのタンパク質EBNA1に結合する抗体が、誤って脳や脊髄に存在するタンパク質CRYABにも結合してしまうことが分かったそうです。これにより神経系がダメージを受け、MSの症状が起こる可能性があるとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 手軽な尿検査でがんの存在や転移の有無を判定

    2023-05-19

    米マサチューセッツ工科大学(MIT)が、さまざまな種類のがんの存在や転移の有無を識別する新たな尿検査を開発しているそうです。尿検査に先立ち、患者にはナノ粒子を投与するといいます。このナノ粒子は、腫瘍が過剰に産生する酵素に出くわすと、血液中にその酵素特有のDNA断片を放出するよう設計されているそうです。その後、このDNA断片は尿として体外に排出され、特別な試験紙を使った検査でがんの存在や転移の有無を把握できるといいます。Medgadgetの記事です。

  • ウイルス療法と免疫療法の併用で、膠芽腫再発患者の寿命が延長

    2023-05-18

    脳腫瘍の一種「膠芽腫」の再発患者に対する新たな治療法が、臨床試験で有望な結果を示したようです。カナダなどの研究チームが膠芽腫再発患者49人に併用療法を実施。チームはまず、がん細胞のみを破壊する「腫瘍溶解性ウイルス」を腫瘍に注入。その後、免疫チェックポイント阻害薬「抗PD-1抗体」を3週間ごとに静脈内投与したそうです。すると、平均生存期間が既存の治療法より半年ほど延長したといいます。腫瘍が完全に消失した患者もいたとのこと。SciTechDailyの記事です。

  • あらゆるインフル株に効くmRNA「万能ワクチン」の治験がスタート

    2023-05-18

    米国立衛生研究所(NIH)が、mRNA技術を活用したインフルエンザワクチンの初期の治験の参加者登録を開始したそうです。米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)が開発した「ユニバーサルワクチン」で、幅広い株に対する長期間の効果が期待されており、ワクチンを毎年打つ必要がなくなる可能性があるといいます。治験には健康な18~49歳が最大50人参加予定で、安全性や免疫反応が起こるかどうかを確認します。既存の4価ワクチンとの比較も行われるとのこと。NBC Newsの記事です。

  • 米FDA承認の抗菌薬レカルブリオ、「有効性の証拠が不足」とBMJが指摘

    2023-05-17

    英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)」が、米メルクの非常に高額な抗菌薬「レカルブリオ」について、法的に必要とされる「実質的証拠」がないまま米食品医薬品局(FDA)に承認されたと指摘したそうです。この薬の三つの臨床試験では、いずれも有効性を裏付ける実質的証拠が示されていないといいます。それにもかかわらず、FDAは薬の成分や動物実験の結果などを根拠に「規制の柔軟性」を適用し、承認に踏み切ったとのことです。EurekAlert!の記事です。

  • ChatGPTは医師よりも質の高い医学的アドバイスができる

    2023-05-17

    対話型人工知能(AI)の「ChatGPT」は、患者への医学的な助言を医師よりも上手に行えるそうです。米国の研究チームが、実際にソーシャルメディアに投稿された健康に関する195の質問について、医師とChatGPTの文書による回答を比較したそうです。その結果、医療分野の専門家は、79%の確率でChatGPTの回答を好んだといいます。「質が高い」または「親身である」と評価された回答は、医師によるものよりもChatGPTによるもののほうが圧倒的に多かったとのことです。Medical Xpressの記事です。

  • 皮膚用パッチで、幼児のピーナッツアレルギーが改善する可能性

    2023-05-16

    ピーナッツアレルギーを治療する皮膚用パッチ「Viaskin Peanut」が、後期臨床試験で有望な結果を示したようです。仏DBV Technologies社などが、診断を受けた1~3歳の幼児362人を調査しました。ピーナッツタンパク質250㎍(ピーナッツ1粒の1/1000相当)を含有するViaskinを1年間、毎日背中に貼った子どもの2/3が主要目標を達成。プラセボ群は1/3だったといいます。アレルギーの程度が軽い子は3~4個分、重い子は1個分のピーナッツタンパク質を摂取できるようになったとのこと。CNNの記事です。

  • 米FDA、更年期のホットフラッシュを軽減する非ホルモン性新薬を承認

    2023-05-16

    アステラス製薬が開発した更年期障害治療薬「Veozah」が、米食品医薬品局(FDA)に承認されたそうです。Veozahは、閉経にともなうホットフラッシュ(ほてり)などを改善する経口薬。1日1回の服用で、中~重度の発汗や紅潮などが緩和されるといいます。同薬はホルモン製剤ではなく、体温調節に関連する脳の神経接続を標的にしているそうです。ホルモン製剤による副作用の心配がない一方で、服用に伴い肝臓がダメージを受ける可能性があるとのこと。AP通信の記事です。

  • RSウイルス感染の抗体医薬ニルセビマブ、乳児の重症化リスクを83%低減

    2023-05-15

    仏製薬大手サノフィ社などが開発した抗RSウイルス(RSV)モノクローナル抗体製剤「nirsevimab(ニルセビマブ)」が、臨床試験で有望な結果を示したようです。同社は2022~23年のRSV流行期における実世界データを分析。1歳未満の乳児8000人以上が調査の対象になったといいます。この薬の注射を1回受けた乳児は、そうでない乳児に比べてRSV関連で入院するリスクが83%低かったそうです。この薬はワクチンと同じ目的で使われ、EU、英国、カナダで承認されているとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 新開発のハイドロゲルで、マウスの膠芽腫が完全に消滅

    2023-05-15

    最も治療が難しい脳腫瘍の一つである膠芽腫の新たな治療法が見つかったかもしれません。米国の研究チームが、卵巣がんや乳がん、肺がんなどの治療に使われる化学療法薬「パクリタキセル」と免疫療法薬「抗CD47抗体」を組み合わせたハイドロゲルを開発。膠芽腫マウスの腫瘍を切除した後、その部分にこのゲルを注入したといいます。すると腫瘍の痕跡は消え、再発も起きなかったそうです。驚くべきことに、マウスの生存率は100%だったとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 個別化mRNAワクチン、膵臓がんに対する免疫応答を誘導

    2023-05-12

    独ビオンテック社が開発する膵臓がん向けのmRNAワクチンが、初期の臨床試験で有望な結果を示したそうです。米国などの研究チームが膵臓がん患者16人から腫瘍を摘出し、その組織と血液を解析して個別にカスタマイズしたmRNAワクチンを作製。患者は投与後に化学療法も受けたといいます。16人中8人で腫瘍に対するT細胞の免疫応答が誘導され、この8人は全員再発しなかったそうです。脾臓を摘出していると、ワクチンの効果が出ない可能性があるとのこと。CNNの記事です。

  • 新型コロナ患者の死因は人工呼吸器関連肺炎が多い?

    2023-05-12

    新型コロナによる死亡原因の多くは、免疫が暴走するサイトカインストームによる臓器不全だと考えられています。しかし、米国のチームが集中治療室(ICU)の患者585人を調査し、それに疑問を呈する報告をしたようです。患者は皆、肺炎や呼吸器不全を患っており、190人がコロナに感染していたといいます。データを分析したところ、コロナ患者は細菌性の人工呼吸器関連肺炎(VAP)を発症することが多く、VAPから回復できない人は死亡リスクが上昇したとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 英国で初 「3人の親」を持つ赤ちゃんが誕生

    2023-05-11

    母から子に難病ミトコンドリア病が遺伝するのを防ぐために「核移植」を行い、遺伝的に3人の親を持つ子どもが英国で初めて誕生していたそうです。まず、異常なミトコンドリアを持つ母親の受精卵や卵子から核を取り出します。それを、正常なミトコンドリアを持つ提供者の受精卵や卵から核を除去した上で移植するのです。提供者から子どもに受け継がれるDNAの割合は1%未満とのこと。英国では2015年に、世界で初めて核移植が合法化されています。Medical Xpressの記事です。

  • 乳がんのマンモ検査、40歳から開始を推奨へ/米専門委員会

    2023-05-11

    米予防医学専門委員会が、乳がん検診に関する新たな指針を作成したそうです。委員会はこれまで、50~74歳の女性に2年に1回のマンモグラフィ検査を強く推奨してきました。しかし今回、検査開始の推奨年齢を40歳に引き下げることが望ましいとする勧告案を示したそうです。一方で、約半数の女性は「高濃度乳腺」で、マンモ検査だけでは不十分な可能性があるといいます。別種の検査の追加が有効かどうか研究を進める必要があるとのことです。AP通信の記事です。

  • 日常的なネット利用、認知症リスク低下に関連する可能性

    2023-05-10

    インターネットを適度に使う人は、認知症になりにくいようです。米国の研究チームが、50~64.9歳の認知症ではない1.8万人を8年にわたり調査。ネットを日常的に使う人はそうでない人に比べて、認知症発症リスクが半減することが分かったそうです。一方で、1日のネット利用時間が長過ぎる人は、逆にリスクが高まる可能性があるといいます。ただし、今回の結果だけではネット利用と認知症の因果関係は立証できず、さらなる研究が必要とのこと。USA TODAYの記事です。

  • 抗体医薬ゾルベツキシマブ、化学療法と併用で胃がん進行リスク抑制に有効

    2023-05-10

    胃がん患者の寿命が延長できるかもしれません。ドイツなどの研究チームが世界20カ国で、膜タンパク質「CLDN18.2」を標的とする抗体医薬「Zolbetuximab(ゾルベツキシマブ)」の臨床試験を実施。CLDN18.2陽性の進行性胃がん患者計565人が参加しました。ゾルベツキシマブと化学療法を併用した患者はプラセボと化学療法を併用した患者に比べて、がんの進行や死亡のリスクが25%低くなったそうです。主な有害事象としては、吐き気や食欲減退などがみられたといいます。Medical Xpressの記事です。

  • お腹の中の赤ちゃんの脳血管奇形手術に初成功

    2023-05-09

    生後すぐに脳損傷や心不全などを引き起こす可能性があるまれな脳血管奇形「ガレン静脈奇形(VOGM)」をもった胎児が、子宮内で手術を受けて元気に生まれたそうです。米国の研究チームが、母親の腹壁から針を挿入しカテーテルを注意深く誘導。金属コイルで胎児の脳内静脈を塞ぎ、激し過ぎる血流を抑える処置を行ったそうです。2日後、母親はこの赤ちゃんを無事に出産。生後約2カ月がたった現在も、赤ちゃんは順調に成長しているといいます。CNNの記事です。

  • イーライリリー社が発表、アルツハイマー病新薬に症状進行抑制の効果

    2023-05-09

    米イーライリリーは、開発しているアルツハイマー病(AD)治療薬「donanemab (ドナネマブ)」について、症状の進行を遅らせる効果が認められたと発表したそうです。同社は早期症候性AD患者1700人に18カ月間の治験を実施。ADに関連する脳内のタンパク質タウのレベルが中程度の患者において、同薬が認知機能の低下を35%遅らせることが確認されたそうです。治験開始から1年時点では、同薬投与群の47%、プラセボ群の29%で認知機能の低下が抑制されたといいます。CNNの記事です。

  • WHO、新型コロナ「緊急事態宣言」を解除

    2023-05-08

    3年以上続いた世界の新型コロナウイルスとの戦いは、大きな節目を迎えました。世界保健機関(WHO)は5日、2020年1月30日に宣言した新型コロナに関する「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を解除すると発表しました。ただし、パンデミックが完全に収束し、新型コロナが脅威でなくなったというわけではないそうです。WHOは、いまだに毎週数千人の患者が死亡していることに言及。依然として新たな変異株が出現する可能性もあるといいます。AP通信の記事です。

  • 米FDA、世界初のRSウイルスワクチンを承認 高齢者が対象

    2023-05-08

    米食品医薬品局(FDA)は3日、世界初のRSウイルス(RSV)ワクチン「Arexvy」を承認しました。英グラクソ・スミスクライン(GSK)製で、対象は60歳以上の高齢者です。2.5万人の高齢者を対象にした臨床試験では、このワクチンによるRSVの肺への感染予防効果が83%であることが示されたといいます。米疾病対策センター(CDC)が推奨をすれば、今秋にも接種が始まる見込みだそうです。FDAは現在、米ファイザー社が開発する同様のRSVワクチンについても審査中とのこと。AP通信の記事です。

  • フライドポテトの食べ過ぎが、うつ病に関連する可能性

    2023-05-02

    揚げ物の摂取が心の健康に悪影響を及ぼす可能性があるようです。中国の研究チームが、参加者14万728人を11.3年間調査。揚げ物を頻繁に食べる人は、揚げ物を食べない人に比べて不安リスクが12%、うつ病リスクが7%それぞれ高かったといいます。特にリスク上昇と関連していたのはフライドポテトだそうです。ゼブラフィッシュの実験で、食品を高温で加熱する際に生じる「アクリルアミド」という物質が不安やうつ病の原因になる可能性が示されたとのこと。CNNの記事です。

  • 2型糖尿病治療薬「チルゼパチド」、年内に肥満治療薬として承認の可能性

    2023-05-02

    米製薬大手イーライリリーの2型糖尿病治療薬「チルゼパチド」が、肥満治療薬として年内に米食品医薬品局(FDA)に承認されるかもしれません。同社は新たな治験結果を公表。それによると、チルゼパチドが肥満と糖尿病の両方を患う患者の体重を最大15.7%減少させることが分かったそうです。以前公表された別の治験では、糖尿病のない肥満患者に高用量のチルゼパチドを投与すると、72週時点で体重が21%減少することも明らかになっているといいます。nprの記事です。

  • 米ネバダ州で、子どものまれな脳感染症患者が3倍に

    2023-05-01

    米ネバダ州南部で昨年、子どもの「脳膿瘍」が急増したようです。脳膿瘍とは、細菌などの感染で脳内に膿がたまった状態。初期症状として発熱や頭痛が起こるといいます。同州では例年平均4~5人程度だった子どもの脳膿瘍患者が、2022年は18人に急増。米国の他の地域でも同様の増加が報告されているそうです。急増の原因は分かっていませんが、新型コロナ感染対策で子どもたちが必要な免疫を獲得できなかったことなどが考えられるといいます。CNNの記事です。

  • 簡単な内視鏡手術で、2型糖尿病患者のインスリン療法が不要に?

    2023-05-01

    2型糖尿病患者がインスリンを使わずに血糖を管理できる方法が見つかったかもしれません。オランダの研究チームが、2型糖尿病患者14人を対象に内視鏡手術で十二指腸に電気パルスを照射。手術は1時間で終了し、患者はその日のうちに退院したそうです。1年後、12人(86%)がインスリンを使わずに糖尿病治療薬「セマグルチド」のみで血糖管理がうまくいっていたといいます。通常、この薬のみで血糖管理できるのは患者のわずか20%ほどとのこと。EurekAlert!の記事です。

  • 麻酔薬ケタミン、境界性パーソナリティ障害患者のうつ病治療に有効か

    2023-04-28

    境界性パーソナリティ障害(BPD)の患者がうつ病を併発すると、うつ病が重篤で治療が難しいことが多いそうです。抗うつ作用があることで知られる麻酔薬「ケタミン」が、そんな患者の治療に有望な可能性があるといいます。カナダの研究チームが、「BPDとうつ病を併発する患者50人」と「うつ病のみを患う患者50人」に静脈内ケタミンを4回投与。両群ともにうつ症状が有意に同程度改善したそうです。併発群では、BPD症状にも改善がみられたといいます。PsyPostの記事です。

  • 米FDA、糞便移植の経口薬を承認 危険な細菌による感染症の再発リスクを低減

    2023-04-28

    米食品医薬品局(FDA)は、腸炎を引き起こし死に至ることもあるクロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)を繰り返す患者に対して、糞便移植を簡単に実現することができる経口薬「Vowst」を承認したそうです。この種の経口薬が承認されるのは初。米Seres Therapeutics社が健康なドナーの糞便から作ったVowstは、抗菌薬治療を終えた18歳以上の再発性CDI高リスク患者が対象です。この薬を1日4錠3日間連続で服用すると、CDI再発リスクが低下するとのことです。AP通信の記事です。

  • 新型コロナ、ワクチン副反応や後遺症で耳鳴り? 米専門家が調査

    2023-04-27

    新型コロナウイルスワクチン接種後に耳鳴りを訴える人がいるようです。副反応の可能性はあるのでしょうか。米疾病対策センター(CDC)には4月14日時点で、ワクチン接種後に耳鳴りが起きたとの報告が1万6500件寄せられているそうです。コロナ後遺症の一つとして耳鳴りを報告する患者もいるといいます。現時点でCDCは耳鳴りについて、ワクチンや後遺症との関連を否定しています。一方、専門家がこの件に関するデータの分析を進めているそうです。USA TODAYの記事です。

  • 増加するHPV関連の中咽頭がん、主な原因はオーラルセックス

    2023-04-27

    ヒトパピローマウイルス(HPV)感染が関連する中咽頭がんが、欧米で男女共に急増しているそうです。このがんの主要な危険因子はオーラルセックス。生涯でオーラルセックスをする相手が6人以上いる人は、オーラルセックスをしない人に比べて中咽頭がん発症リスクが8.5倍になるそうです。英国では成人の80%がオーラルセックス経験者であるとの調査結果も出ており、がん予防のために男子も含めてHPVワクチンを普及させることが重要だといいます。The Conversationの記事です。

  • 代理出産や精子・卵子提供で生まれたことをいつ本人に伝えるべきか

    2023-04-27

    代理出産や精子・卵子提供で生まれた子どもには、早いうちにその事実を伝えた方がいいようです。英国の研究チームが、代理出産で生まれた子ども22人▽卵子提供で生まれた子ども17人▽精子提供で生まれた子ども26人――を20年にわたり追跡調査。7歳までに自分の出自について知らされた子どもは、若年成人期に母親と良好な関係にあることが明らかになったそうです。そして、その母親たちも不安やうつ病を抱えるリスクが低かったといいます。CNNの記事です。

  • 睡眠薬の使用が、アルツハイマー病の予防につながる可能性

    2023-04-26

    薬で睡眠を促すことで、アルツハイマー病に関連するタンパク質であるアミロイドβや異常な(リン酸化した)タウの蓄積を抑えられるかもしれません。米国の研究チームが、認知機能障害と睡眠障害がない中高年38人を調査したそうです。不眠症の一般的な治療薬「スボレキサント」を2日間使用した人はプラセボ群に比べて、脳の周りを循環する脳脊髄液中のアミロイドβ濃度が10~20%低下。薬を高用量服用した人は、リン酸化したタウも減少したとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • コロナ重症化リスク高い人の「隔離政策」、有効性に疑問符/英

    2023-04-26

    英ウェールズでは、新型コロナの重症化リスクが高い人に対して「隔離政策」を取っていました。感染予防のために外部との接触を避けて家にいることを推奨したこの政策が、実は意味がなかった可能性があるそうです。英国の研究チームが、隔離対象になった11.7万人を対象外の一般集団300万人と比較。隔離群は検査を受ける機会が多かった点を考慮する必要がありますが、隔離群の方が死亡や医療機関の利用が多く、感染率も高かったといいます。BBCの記事です。

  • 「クランベリージュースが尿路感染症に効く」は本当だった

    2023-04-25

    古くから尿路感染症(UTI)に良いとされてきたクランベリーについて、一部の人で実際の効果が確認されたようです。豪州の研究チームが、クランベリー製品に関する50以上の研究結果を分析。参加者は合わせて9000人近くに上るといいます。クランベリーのジュースやサプリメントを摂取すると、UTIの再発リスクが一部の女性で25%、子どもで50%、それぞれ低下することが分かったそうです。ただし、高齢者や妊婦には同様の効果はみられなかったとのこと。ABC News(AUS)の記事です。

  • アルゼンチンでデング熱が大流行 死者は40人以上

    2023-04-24

    アルゼンチンでは、チリやボリビアとの国境に近い北西部を中心に、蚊が媒介する「デング熱」の記録的な大流行が起きているようです。これまでに約6万人が感染し、40人以上が死亡したといいます。感染拡大を抑えるため、放射線でDNAにダメージを与えて子孫ができないようにしたオスの蚊を準備しており、数千匹を放つ予定だそうです。保健当局は、蚊帳や虫よけ剤の使用、蚊の繁殖場所になる水の容器を取り除くなどの対策を呼び掛けているとのこと。BBCの記事です。

  • HPVが引き起こす複数のがん 米国で認知度が低下

    2023-04-24

    性感染症ウイルスである「ヒトパピローマウイルス(HPV)」は子宮頸部だけでなく、肛門や咽頭、陰茎、膣などのがんを引き起こします。米国の研究チームが年間2000~3000人の成人を対象に行った調査で、この認知度が下がっていることが分かったそうです。HPVについて聞いたことがある人のうち、子宮頸がんとの関連を知っていた人の割合は、2014年(77.6%)から20年(70.2%)の間に7.4%低下。咽頭がんや肛門がんとの関連につい知っていたのはわずか30%だったとのこと。NBC Newsの記事です。

  • 緑内障の新たな治療法 遺伝子治療で眼圧上昇を改善

    2023-04-23

    緑内障の主要な危険因子は眼圧上昇です。目の中で血液のような役割をする房水が、静脈への排水口(シュレム管)の目詰まりなどによって流れなくなるために起こります。アイルランドの研究チームが動物モデルや提供されたヒトの目を使って遺伝子治療の実験を実施。タンパク質を分解する酵素「MMP-3」の産生を促す遺伝物質を運ぶウイルスベクターを作り、これを1回投与したところ房水の流れがよくなり、眼圧上昇が改善されたといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 白髪の原因は色素幹細胞の「立ち往生」

    2023-04-22

    白髪が発生するメカニズムが明らかになったようです。米国の研究チームが、色素のメラニンを作るメラノサイト(色素細胞)に着目し、マウスで細胞の老化プロセスを調べました。本来は毛包(毛穴)の周りをあちこち移動しているメラノサイト幹細胞が、年を取るにつれて「立ち往生」して動けなくなり、成熟したメラノサイトに成長できないために色素が作れなくなることが分かったそうです。同じことが人間の毛髪でも起きている可能性があるとのこと。BBCの記事です。

  • T細胞コロナワクチン、マウス実験で有望な結果

    2023-04-21

    米国の研究チームが、T細胞に焦点を当てた新たな新型コロナウイルスワクチン(T細胞ワクチン)を開発したそうです。このワクチンはT細胞による幅広い免疫応答が誘導されるよう設計されています。これをマウスに投与して致死量のコロナウイルスに感染させたところ、87.5%が生き残ったといいます。T細胞ワクチンは将来の変異株にも有効で、効果が今より長く続く可能性があるとのこと。抗体を誘導するmRNAワクチンよりも高い効果が期待できるそうです。EurekAlert!の記事です。

  • PM2.5にさらされると、肺がんリスクが上昇する可能性

    2023-04-21

    大気汚染が肺がんの主な原因であることが、英国などのチームの研究で改めて明らかになりました。肺がん患者3万2957人の調査で、多量の大気汚染物質PM2.5に暴露すると、細胞の成長や増殖に関わる上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子に変異のある肺がんの発症リスクが高まることが判明。別の調査では、高レベルのPM2.5に3年間さらされるだけで発症リスクが上昇することも分かったそうです。PM2.5は、がんの原因となる遺伝子変異を持つ細胞を「目覚めさせる」とのこと。ScienceAlertの記事です。

  • がんの「進化する無限の能力」が明らかに

    2023-04-20

    がんには想像を超えた生存能力が備わっているようです。英国の研究チームが、肺がん患者400人を9年間追跡調査。初期の腫瘍において侵攻性の高いがん細胞が最終的に全身に広がることや、遺伝子の「混乱」レベルが高い腫瘍が手術後に別の場所で再発しやすいことなどが分かったといいます。また、がんは進行とともに進化し、高い適応能力を持つことが明らかに。末期がんの治療は極めて困難で、予防や早期発見の重要性が指摘されています。BBCの記事です。

  • 多遺伝子リスクスコアで、アルツハイマー病に関連する腸内細菌属を特定

    2023-04-20

    個人がある疾患にかかるリスクを多数の遺伝子変異から評価する「多遺伝子リスクスコア(PRS)」を使って、米国の研究チームがアルツハイマー病(AD)に関連する腸内細菌を特定したそうです。チームは、まずAD患者1278人と対照群1293人を調査した上で、別のAD患者799人と対照群778人にも同様の調査を実施。二つの結果を分析したところ、119の腸内細菌属のうち、コリンセラ属をはじめとする4種類の菌属がAD発症リスクに関連することが示されたといいます。Medical Xpressの記事です。

  • ステロイド薬の使用が記憶障害に関連 げっ歯類で確認

    2023-04-18

    英国の研究チームがげっ歯類の調査で、ステロイド薬を長期間使用すると記憶障害が起こることを明らかにしたようです。ステロイド薬「メチルプレドニゾロン」を5日間投与するだけで、記憶や学習に関与する脳の海馬の活動が減少し、記憶課題の成績が悪くなったそうです。神経細胞間の接合部であるシナプスは増強される時間帯が決まっており、長期間のステロイド使用によって海馬におけるその概日リズムが乱れる可能性があるとのことです。Medical Xpressの記事です。

  • mRNAワクチンと免疫療法薬の併用で、メラノーマ再発リスク低下

    2023-04-18

    米モデルナ社が開発するmRNAがんワクチンと米メルク社の免疫療法薬キイトルーダを併用すると、皮膚がんの一種「悪性黒色腫(メラノーマ)」の再発リスクが低減できるかもしれません。両社が、メラノーマの切除手術を受けた患者157人を2群に分けて行った治験(第2b相)の新たなデータを公表。18カ月後の時点で再発が起きなかったのは、がんワクチンとキイトルーダを併用した人の78.6%、キイトルーダのみを使用した人の62.2%だったといいます。CNNの記事です。

  • 日光を浴びることができない難病の経口薬、治験で有望な結果

    2023-04-17

    日光を浴びると激痛が走ったり皮膚が腫れ上がったりする難病、赤芽球性プロトポルフィリン症(EPP)やX連鎖性プロトポルフィリン症(XLP)に対する経口薬「dersimelagon」の初期臨床試験の結果が公表されました。米国の研究チームが、EPPまたはXLPの成人患者102人を16週間調査。この薬を毎日飲んだ人はプラセボ群に比べ、日光下で前駆症状(前触れの症状)が現れずに活動できる時間が平均で1日1時間増えたそうです。吐き気や頭痛などの副作用はあったとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • ノロウイルスワクチン実現に前進 ロタウイルスワクチンを活用

    2023-04-17

    食中毒を引き起こすノロウイルスのワクチンが実現するかもしれません。米国の研究チームが、胃腸炎を引き起こすロタウイルスの生ワクチンを活用して開発。ロタのゲノムにノロの外表面を作るタンパク質遺伝子を挿入し、改変したロタを作製したそうです。これを免疫不全子マウス11匹に投与したところ、全てのマウスの腸で強力な抗体反応がみられたそうです。さらに、この抗体がヒト胃腸オルガノイドの実験でノロとロタの両方を中和したといいます。ScienceDailyの記事です。

  • 経口避妊薬、ホルモンの用量を大幅に減らしても十分な有効性

    2023-04-15

    経口避妊薬(ピル)のホルモンによる副作用を低減できるかもしれません。フィリピンなどの研究チームが、正常な月経周期を持つ20~34歳の健康な女性23人を対象に下垂体と卵巣のホルモン値を調査。構築した数理モデルを用いて、ピルの最適な用量や服用タイミングを予測したといいます。その結果、ホルモンの用量をエストロゲン単独なら92%、プロゲステロン単独なら43%、それぞれ減らしても避妊効果は十分に得られることが示唆されたとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • ガーナ、新たな子ども向けマラリアワクチンを世界で最初に承認

    2023-04-14

    西アフリカのガーナ保健当局は13日、英オックスフォード大学が開発する新たなマラリアワクチンを一足早く承認したそうです。マラリアによる死亡リスクが高い生後5カ月~3歳の乳幼児が対象。ワクチンの治験の最終結果はまだ公表されておらず、世界保健機関(WHO)が現在審査中だといいます。ただ、初期の臨床試験では80%の有効性が示されており、すでにWHOが承認している世界初のマラリアワクチン「Mosquirix」よりはるかに高い効果が期待されています。AP通信の記事です。

  • 米で性感染症が増加 古くからある抗菌薬を予防薬として推奨へ

    2023-04-14

    米国で性感染症(STD)の増加が問題になっています。そんな中、米疾病対策センター(CDC)が、50年以上前からある安価な抗菌薬「ドキシサイクリン」をSTD予防薬として推奨する見通しだそうです。米国の研究チームが、ゲイやバイセクシャルの男性、トランスジェンダーの女性計500人を調査。避妊具なしの性交後72時間以内にこの薬を服用した人は服用しなかった人に比べて、感染リスクが▽クラミジアは90%▽梅毒は80%▽淋病は50%――それぞれ低くなったといいます。USA TODAYの記事です。

  • 老化を肯定的にとらえると、認知機能が改善する可能性

    2023-04-13

    軽度認知障害(MCI)の人が正常な認知機能を取り戻すことがあるそうです。なぜなのでしょうか。米国の研究チームが、65歳以上の高齢者1716人を調査しました。老化に対して肯定的な考えを持つMCI患者は、否定的な考えを持つMCI患者に比べて正常な認知機能を取り戻す可能性が30%高いことが分かったそうです。元々正常な認知機能をもつ高齢者も、老化に肯定的な考えの人は、そうでない人に比べて12年以内にMCIを発症するリスクが低かったといいます。EurekAlert!の記事です。

  • mRNAを含むナノ粒子で、ピーナッツアレルギーを抑制できる可能性

    2023-04-12

    mRNAの技術は、ピーナッツアレルギーの予防や治療にも使える可能性があるようです。米国の研究チームが、ピーナッツに含まれる複数のタンパク質に関するmRNAを搭載したナノ粒子を開発。肝臓には過剰なアレルギー反応を起こさないように免疫システムを訓練する細胞があり、ナノ粒子はその細胞に結合する糖を持っているといいます。これをマウスに投与したところ、アレルギー反応が減少し、ピーナッツへの耐性を強化する物質の産生が増加したとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 中国でH3N8型鳥インフルによる初の死者

    2023-04-12

    中国広東省に住む56歳の女性がH3N8型鳥インフルエンザウイルスに感染し、死亡したそうです。H3N8のヒトへの感染報告は3例目で、いずれも中国で発生。患者が死亡したのは初めてだといいます。女性は2月22日に体調を崩し、その後重度の肺炎で入院。3月16日に死亡したようです。女性には複数の基礎疾患があり、家禽との接触歴があったといいます。世界保健機関(WHO)は、ヒトからヒトへの感染が拡大するリスクは低いとの見解を示したとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 米東海岸で患者が増加 温暖化で北上する危険な細菌の感染発生地域

    2023-04-11

    ビブリオ・バルニフィカスは暖かい海に生息し、加熱が不十分な魚介類や傷口から感染する危険な細菌です。この感染者が米東海岸で増加しているようです。英国などの研究チームが、米疾病対策センター(CDC)のデータを使って分析。ここ30年間で年間感染者数が10人から80人に増えたそうです。2100年までに200人に達する可能性があるといいます。さらに温暖化の影響で、感染発生地域は年々北上。数十年以内にニューヨークに到達すると予測されています。ScienceAlertの記事です。(写真:ビブリオ・バルニフィカス=CDC提供)

  • 自殺は満月の週に増加する

    2023-04-11

    自殺のリスクが高まる時期や時間帯があるようです。米国の研究チームがインディアナ州にある検視局のデータを使って、2012~16年に起きた自殺について調査。満月の週に自殺による死亡が有意に増加することが分かったそうです。特に55歳以上で顕著に増加したといいます。月明かりによる概日リズム(体内時計)の乱れが自殺の増加に関連している可能性があるようです。午後3~4時の時間帯や夏が終わる9月にも自殺が多かったとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • ブロッコリーを食べると腸の健康が促進される可能性

    2023-04-10

    有益な物質を体内に通し、害をもたらす物をブロックする小腸の細胞は、健康維持に重要な役割を果たします。米国の研究チームが、ブロッコリーに含まれる分子「アリール炭化水素受容体(AHR)リガンド」が、小腸細胞の働きを高める「AHRの活性化」に影響を与えることを発見。ブロッコリーを含まないエサを食べたマウスは、ブロッコリーを15%含むエサを食べたマウスに比べてAHR活性が低く、小腸の不健康につながるさまざまな要素が見られたといいます。EurekAlert!の記事です。

  • 厳しいしつけを受けた子どもはメンタル問題抱えるリスクが高い

    2023-04-10

    厳しいしつけは子どもの心の健康に悪影響を及ぼすようです。英国の研究チームが、アイルランドの子ども7507人を調査した結果を発表しました。頻繁に大声で怒鳴る、罰として部屋に閉じ込める、親の気分次第で対応が変わるなどは「非友好的な」育児スタイルとされます。そういった育児を3歳時点で受けていた子どもは、精神的な不調に関する評価スコアが9歳まで上昇し続ける「高リスク群」に分類される可能性が1.5倍高かったといいます。ScienceDailyの記事です。

  • トルコで「胃ボトックス」治療を受けた60人以上に麻痺症状

    2023-04-09

    ボツリヌス毒素による麻痺性疾患「ボツリヌス症」が、欧州で今年3月下旬までに67件報告されているそうです。このうち63件の詳細が分かっており、全ての患者がトルコにある二つの個人病院のいずれかで、減量のために胃壁にA型ボツリヌス毒素を注入する「胃ボトックス」を受けていました。トルコ当局によると、治療に使われた製品自体は認可済みですが、胃ボトックスへの使用は承認されていないといいます。今のところ死者はいないとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • インドでアデノウイルスが大流行 150人以上の子どもが死亡か

    2023-04-08

    インド東部の西ベンガル州で、前例がないほど深刻なアデノウイルスの感染爆発が起きたようです。同州では今年1~3月に1.2万人以上の子どもがアデノウイルスに感染。政府の統計によると死者は19人ですが、実際には150人以上が死亡したとする専門家もいるそうです。患者から検出されたウイルスのほとんどは、3型、7型、組換え型株7/3型のいずれかだったといいます。専門家は「ワクチン開発を真剣に検討する必要がある」と指摘しています。Asian Scientistの記事です。

  • 睡眠5時間未満での運転、ほろ酔いでの運転と同じくらい危険

    2023-04-07

    前夜の睡眠時間が5時間未満のときは、車の運転をしないほうがいいようです。豪州の研究チームが、睡眠と運転に関する61の研究を分析。24時間以内にとった睡眠が4~5時間未満の状態で運転すると、衝突事故を起こすリスクが倍増することが分かったそうです。これは、ほろ酔い状態(血中アルコール濃度0.05%)で運転した場合の衝突事故リスクと同程度だといいます。睡眠が0~4時間の場合、このリスクは最大15倍になる可能性があるとのこと。The Conversationの記事です。

  • CAR-T細胞療法、小児神経芽腫にも有効な可能性

    2023-04-07

    患者本人の免疫細胞T細胞に遺伝子改変を行い、がん細胞への攻撃力を高める「CAR-T細胞療法」が固形がんにも有効かもしれません。イタリアの研究チームが、再発性または難治性神経芽腫の子ども27人を対象にCAR-T細胞療法を実施。6週間後、このうち9人からがんの痕跡が完全に消えたといいます。3年間の調査終了時には、11人が生存していたそうです。CAR-T細胞療法による一般的な副作用は見られたものの、そのほとんどが軽度だったとのこと。AP通信の記事です。

  • デングウイルスがヒトに感染するために取る驚くべき手段

    2023-04-06

    デング熱を引き起こすデングウイルスは、感染するために巧妙な手段を用いているようです。デング熱は蚊が媒介し、世界中で毎年約4億人の患者が出ているといわれてます。米国の研究チームが、デングウイルスに感染した蚊の唾液から「sfRNA」と呼ばれる分子を発見。この分子はデングウイルスによって産生されるもので、ヒトの免疫応答を鈍らせるのだそうです。蚊がヒトを刺した時に唾液と一緒にsfRNAが注入されると、感染が成立しやすくなるとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 女の子の手に謎のこぶ イグアナにかまれたことが原因と判明

    2023-04-05

    米カリフォルニア州に住む4歳の女の子が、コスタリカに旅行中にイグアナにかまれたことが原因で非結核性抗酸菌「マイコバクテリウム・マリヌム」に感染したそうです。米国の研究チームが、イグアナからヒトにこの細菌が感染した初めての症例として報告。女の子はビーチでケーキを食べていた際に、ケーキを狙う野生のイグアナに指をかまれたといいます。5カ月後に痛みのあるこぶ(2cm程度)ができたため、除去して抗菌薬で治療したとのこと。CNNの記事です。

  • フランス、安楽死などを認める法案を作成へ 大統領が表明

    2023-04-05

    フランスで、安楽死や自殺ほう助といった終末期患者に対する「死への積極的援助」が合法化されるかもしれません。無作為に選ばれた市民184人で構成される委員会で、大多数が「死への積極的援助」を支持したそうです。これを受けてマクロン大統領は4月3日、夏の終わりまでにこの結論を盛り込んだ法案を作成すると表明したとのことです。法案の詳しい内容については明かされなかったものの、子どもへの適用は認めない考えだといいます。AP通信の記事です。

  • 新型コロナ予防には定期的な追加接種が必要か

    2023-04-05

    新型コロナウイルスに対する免疫維持のためには定期的な追加接種が必要かもしれません。米国の研究チームが、従来株向けのワクチン接種後にオミクロン株対応ワクチンを追加接種した8人を調査。300種類以上の抗体が検出されたそうです。その中にはオミクロン株に最適化した新しい抗体が六つあり、当時まだ出現していなかったBA.5を中和する抗体も一つ確認されたとのこと。追加接種が未知の変異株を中和する広域抗体を誘導する可能性があるといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 赤ちゃんの腸内細菌叢発達、母親の膣内細菌とは無関係か

    2023-03-31

    子どもの腸内細菌叢の発達は、出産時に母親の産道で受け継がれる細菌に大きな影響を受けるという説は誤りかもしれません。カナダの研究チームが600組以上の母子を調査したそうです。母親から出産前に膣内細菌を、生まれた赤ちゃんからは便をそれぞれ採取したといいます。その結果、経膣分娩か帝王切開かにかかわらず、母親の膣内細菌組成が生後10日や3カ月後の赤ちゃんの腸内細菌組成に大きな影響を与えることはないことが分かったそうです。EurekAlert!の記事です。

  • 化学療法と免疫療法の併用で、子宮体がんの進行リスクが低下

    2023-03-31

    子宮体がんの進行を抑制する方法が見つかったようです。米国の研究チームが、ステージ3または4の子宮体がん患者816人を対象に12カ月間の調査を実施。細胞がDNA複製時のエラーを修復する機能(ミスマッチ修復:MMR)が欠損している患者に対して、化学療法と免疫療法(ペムブロリズマブ:商品名キイトルーダ)を併用すると、化学療法単独の場合に比べてがんが進行するリスクが70%低下したといいます。MMRが正常な患者のリスクは46%低くなったとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 黄熱を治療する抗体の作製に成功/動物実験

    2023-03-30

    蚊が媒介する感染症で重症化すると半数が死亡する「黄熱」が治せるようになるかもしれません。米国の研究チームが、黄熱ワクチン接種者から取り出した37のモノクローナル抗体のうち2種類に着目。これらの抗体を研究室で作製し、黄熱ウイルスに感染させたアカゲザルとハムスターで調査を行ったといいます。どちらか一つの抗体を投与された動物は、血液からウイルスが検出されなかったそうです。どちらの抗体も安全性が示唆されたとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 屋内で犬や猫を飼う家庭の子どもは、食物アレルギーリスクが低い

    2023-03-30

    ペットの有無が子どもの食物アレルギーリスクに関連しているようです。日本の研究チームが、国内の子ども6万6215人のデータを分析。子どもが胎児期や乳児期のうちに屋内で犬や猫を飼っていた家庭では、子どもの食物アレルギー発症リスクが有意に低かったそうです。屋外犬の飼育では、こうした有意差は見られなかったといいます。屋内で犬を飼う家庭の子どもは、特に卵や牛乳、ナッツへのアレルギーを発症する可能性が低かったとのこと。EurekAlert!の記事です。

  • 両親がオスの赤ちゃんマウス誕生 卵子は皮膚細胞から作製

    2023-03-29

    大阪大学の研究チームが、オスの両親を持つ赤ちゃんマウスを誕生させたそうです。チームはオス(XX染色体)のマウスから皮膚細胞を採取してiPS細胞を作製。さらにiPS細胞培養中に起こる細胞分裂のエラーを利用し、卵子(XY染色体)を作り出したそうです。できた卵子と別のオスのマウスの精子を受精させてメスのマウスに移植したところ、赤ちゃんが生まれたといいます。ただし、移植した受精卵が赤ちゃんとして誕生する成功率は約1%だったとのこと。CNNの記事です。

  • 食事時間の制限は不要? 肥満患者のNAFLDを改善する食事療法

    2023-03-29

    肝細胞にトリグリセリド(中性脂肪)がたまる非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の人が、食べ物の摂取時間を制限する食事時間制限法(TRE)を実践しても効果は小さい可能性があるそうです。米中の研究チームが、NAFLDをもつ肥満患者88人を「カロリー制限群」と「カロリー制限に加えてTREを行う群(TRE群)」に分けて調査したとのこと。12カ月後に肝内トリグリセリドを調べたところ、カロリー制限群は7.9%減少、TRE群は6.9%の減少で、同程度の効果だったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • アルツハイマー病の初期サイン、「目」に現れる可能性

    2023-03-28

    目の検査で、認知障害の症状が現れる前にアルツハイマー病(AD)を診断できる可能性があるようです。米国の研究チームが、認知機能低下の度合いが異なる86人から網膜や脳の組織を採取して分析。ADや軽度認知障害を持つ人の網膜からは、正常な人に比べてADと関連があるとされるタンパク質アミロイドβが多く見つかったそうです。網膜周辺の細胞で起きている組織の萎縮や炎症を調べることで、認知機能の状態を予測できる可能性が示唆されたといいます。CNNの記事です。

  • マグネシウムに着目した新たな抗肥満薬で、マウスが痩せた

    2023-03-28

    糖分や脂肪を多く含む高カロリーの西洋式の食事を続けても、太る心配をしなくてよくなるかもしれません。米国の研究チームが、体内にマグネシウムが多く存在すると、ミトコンドリアが糖質や脂肪を使ってエネルギーを生産する速度が遅くなることを発見したそうです。そこで、ミトコンドリアに送られるマグネシウム量を制限する新薬「CPACC」を、西洋式の食事を長期間摂取したマウスに投与したところ、マウスの体重が減ったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • ミトコンドリア移植で、心停止ラットの生存率が改善

    2023-03-27

    ミトコンドリアを移植することで、心停止後の予後が改善する可能性があるようです。米国の研究チームが、10分間の心停止から蘇生したラット33匹を3群に分けて調査。72時間後生存率は、ドナーのラットから採取した非凍結のミトコンドリアを移植したラットが91%だったのに対し、対照群は55%だったといいます。凍結融解ミトコンドリアの移植では同様の効果は認められず、新鮮なミトコンドリアの機能が生存率改善に関与しているとみられるそうです。Medical Xpressの記事です。

  • ラッコ4匹がまれなトキソプラズマ原虫で死ぬ ヒトへの感染リスクに警鐘/米

    2023-03-27

    米カリフォルニア州の研究チームが、まれなトキソプラズマ原虫株が原因で2020~22年に同州沿岸のラッコ4匹が死んだと発表したそうです。ヒトへの感染例は確認されていませんが、魚介類や汚染された水を摂取することで感染が広がる可能性があり、専門家が注意を呼び掛けています。この種類のトキソプラズマ原虫が水生動物や同州沿岸で確認されたのは初めてだといいます。死んだ4匹のラッコは、脂肪組織に炎症がみられたそうです。CNNの記事です。

  • 音と光が出るヘッドセットで、アルツハイマー病を治療

    2023-03-24

    アルツハイマー病(AD)の進行を遅らせるための新たな取り組みです。米Cognito Therapeutics社とマサチューセッツ工科大学(MIT)が、音と光を発する特殊なヘッドセットを開発。脳の免疫細胞ミクログリアを活性化してADと深い関係があるとされるタンパク質アミロイドβの除去を進め、認知機能を改善する可能性が注目されている脳波のガンマ波を刺激するといいます。現在、軽~中等度のAD患者500人への臨床試験が行われており、結果は2025年前半に公表する予定だそうです。INSIDERの記事です。

  • 末期がんの成長を止める新薬、第1相試験で有望な結果

    2023-03-24

    ノルウェーの研究チームが18年の歳月をかけて、がん細胞だけを標的にする末期患者向けの新薬「ATX-101」を開発したそうです。末期がん患者20人に第1相試験を実施したところ、6週間後の時点で患者の70%が、がんの成長が止まる「安定」の状態になったといいます。患者の1人は17カ月間投薬を受け、2年以上安定した状態を保ったそうです。また、ATX-101は健康な細胞には影響を与えないため、がん治療に伴う脱毛の心配をする必要がなくなるとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • ベートーベンが抱えていた健康上の問題、ゲノム解析で判明

    2023-03-23

    作曲家ベートーベン(1770~1827年)の健康上の問題がゲノム解析によって明らかになったそうです。英国などの研究チームが、保管されていたベートーベンの毛髪を使って分析。ベートーベンは肝臓病の遺伝的素因を持っていたといいます。また、B型肝炎ウイルスに感染した形跡も見られたそうです。こうしたリスク因子と大量飲酒が原因で、肝硬変を発症した可能性が指摘されています。今回の解析では、聴力低下の原因は特定できなかったとのこと。BBCの記事です。

  • 腰痛に対する一般的な鎮痛薬、有効性は不確か

    2023-03-23

    原因が特定できない非特異的腰痛に対する鎮痛薬の使用には、慎重になったほうがいいようです。豪州などの研究チームが、1964~2021年に発表された98の臨床試験に関するデータを分析。参加者は計1万5134人、調べた薬の種類や組み合わせは69に上ったといいます。その結果、複数の非ステロイド性抗炎症薬や筋弛緩薬、プレガバリン、アセトアミノフェンなど計17の鎮痛薬について、急性腰痛への効果を示す証拠の信用性が低いことが分かったそうです。Medical Xpressの記事です。

  • 米国で真菌「カンジダ・アウリス」の症例が急増 多剤耐性の株も存在

    2023-03-22

    カンジダ・アウリスは、全身感染を起こした場合の致死率が30%という危険な真菌です。米国でこの真菌の症例が、3年間で3倍近くに増加しているそうです。カンジダ・アウリスは健康な人には無害です。しかし、病院や老人施設などでは集団感染や死亡例が発生する危険もあります。一般的に使われる3種類の抗真菌薬すべてに耐性を持つ株も存在するようです。2019年に476例だった米国の症例数は、20年に756例、21年には1471例に急増しているとのこと。AP通信の記事です。

  • 思春期の大麻使用、女性の生殖機能に有害な影響/マウス実験

    2023-03-22

    思春期に大麻成分「テトラヒドロカンナビノール(THC)」に暴露すると、卵胞や卵子の枯渇につながる可能性があるようです。米国の研究チームが、発育中のマウスに2週間にわたりTHCを投与して調査。その結果、健康な卵胞数が50%減少することが明らかになったそうです。2019年の調査では、米国の12~17歳の330万人が大麻を使用していると報告されています。女子の大麻使用が生殖機能に及ぼす長期的な影響について周知する必要があるとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 大麻を毎日使用すると、冠動脈疾患リスクが30%上昇

    2023-03-20

    大麻の使用は、心血管へ悪影響を与えることが分かったそうです。米国の研究チームが100万人以上のデータを分析。毎日大麻を使用すると答えた人(4736人)は一度も使ったことがないと答えた人(3万9678人)に比べて、冠動脈疾患(CAD)リスクが34%高かったそうです。大麻の使用頻度が月1回以下の場合、リスクに影響はなかったといいます。研究は、ゲノム情報を利用するメンデルランダム化解析を用いており、大麻とCADの直接的な因果関係が示唆されたとのこと。CNNの記事です。

  • マラリア媒介蚊の分布域、気候変動の影響で急速に拡大

    2023-03-20

    気候変動の影響で、マラリアを媒介する蚊の分布域が予想以上の速さで広がっているようです。米国の研究チームが、これまでに蓄積されたアフリカにおける蚊の分布域に関するデータを分析。22種類のハマダラカについて、1898~2016年のデータを評価したといいます。この期間内に世界の平均気温は少なくとも1.2度上昇しています。それに伴い、ハマダラカの分布域は1年に4.7kmずつ南方面に拡大し、毎年6.5mずつ標高も高くなっているとのことです。ScienceAlertの記事です。

  • 睡眠中のアイマスク、翌日の認知機能に驚くべきメリット

    2023-03-19

    アイマスクを使って睡眠中の光を遮断することで、翌日の注意力や記憶力が向上する可能性があるようです。英国などの研究チームが、18~35歳の参加者計122人を調査した結果です。睡眠中にアイマスクをすると、記憶力や反応速度を評価するテストでよい成績が出ることが明らかになったそうです。また脳活動の測定から、アイマスクの着用が、記憶力の向上に重要な役割を果たすとされる「徐波睡眠」の増加につながることも示されたといいます。ScienceAlertの記事です。

  • 血中カフェイン濃度高いと、肥満や糖尿病のリスクが低下する可能性

    2023-03-18

    ノンカロリーのカフェイン飲料を飲んで血中のカフェイン濃度を高めることは健康に良い影響を及ぼすようです。スウェーデンなどの研究チームが、遺伝的証拠から因果関係を明らかにする「メンデルランダム化解析」を用いて、主にヨーロッパ系の参加者1万人を調査。解析はカフェイン代謝に関連する二つの遺伝子変異に着目して行われ、遺伝子的に血中カフェイン濃度が高くなる人は、肥満や2型糖尿病のリスクが低いことが分かったといいます。EurekAlert!の記事です。

  • コーヒーにミルクを足すと、抗炎症効果が高まる可能性

    2023-03-17

    コーヒーにミルクを加えると、健康上のメリットが増大するようです。デンマークの研究チームが、炎症時の状態にした免疫細胞のマクロファージを使って効果を調べました。コーヒーに含まれるポリフェノール(カフェ酸:CA、クロロゲン酸:CGA)だけをマクロファージに浴びせた時よりも、ポリフェノールと牛乳のタンパク質に含まれるアミノ酸(システイン:Cys)を組み合せたものを浴びせた時の方が、抗炎症効果が高まることが分かったといいます。ScienceAlertの記事です。

  • 高用量の人工甘味料が、自己免疫疾患の治療に活用できる可能性

    2023-03-17

    人工甘味料「スクラロース」を自己免疫疾患の治療に活用できるかもしれません。英国の研究チームが、ヒトにおける1日の許容摂取量に相当するスクラロースをマウスに与えて調査したといいます。高用量スクラロース群は、がんや感染に対して免疫細胞のT細胞が活性化しにくかったそうです。T細胞は自己免疫疾患で中心的な役割を果たします。このことからチームは、スクラロースでT細胞の過剰活性を抑制できる可能性があると考えているようです。EurekAlert!の記事です。

  • 「モーツァルト効果」はうそ? てんかんへの好影響認められず

    2023-03-16

    モーツァルトの楽曲「ソナタKV448」を聴くとてんかんの症状が緩和するという説があります。本当なのでしょうか。オーストリアの研究チームが、このテーマに関する入手可能な全ての科学文献を調査。KV448がてんかんに有益な影響を及ぼすとの信頼性のある証拠は見つからなかったそうです。いわゆる「モーツァルト効果」神話は、複数の結果の一部だけが選択的に報告されていたり、サンプル数が少なかったりしたことが原因で生まれたものだといいます。Medical Xpressの記事です。

  • コロナ後遺症の一つに、人の顔が分からなくなる「失顔症」

    2023-03-16

    新型コロナにかかった後、人の顔が覚えられない相貌(そうぼう)失認(失顔症)になった女性(28)がいるそうです。カナダの研究チームの調査では、女性は知らない人の顔を覚えるのが困難なだけでなく、家族の顔も分からなかったとのこと。また、場所の位置関係の把握もできなくなっているといいます。こうした症状は視覚処理の障害から起きている可能性が高いそうです。コロナ後遺症患者54人の調査では、多くの人が失顔症の症状を報告したとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 細菌用mRNAワクチンが実現する可能性 動物実験で100%の有効性を確認

    2023-03-15

    不可能と考えられていた、細菌に有効なmRNAワクチンが実現する可能性があるようです。イスラエルの研究チームが、免疫系に細菌のタンパク質を認識させる画期的な方法を考え出し、細菌用のmRNAワクチンの開発に成功したといいます。致命的な病気を引き起こす細菌に感染させた動物での実験では、ワクチン非接種群は1週間以内に全て死んだ一方、ワクチン接種群は元気に生き残ったそうです。たった1回の接種で100%の有効性が確認されたとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 肺機能に関わる500以上の遺伝子を特定 COPDの新治療法開発にもつながる可能性

    2023-03-15

    肺疾患の新たな治療法の開発に道を開く研究成果です。英国の研究チームが、参加者58万869人のゲノム情報を解析したそうです。参加者には世界中のさまざまな人種が含まれ、過去最大規模のゲノム解析だといいます。その結果、肺機能に関係する559の新たな遺伝子が特定されたとのことです。この発見が、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や喘息などに対する新たな治療法や有効な既存薬の特定、個々の患者に適した薬剤の選択につながることが期待されています。BBCの記事です。

  • 多くの前立腺がん患者は手術や放射線治療を避けられる

    2023-03-13

    前立腺がんの手術や治療はほとんどの場合、実施時期を遅らせたり回避したりできるそうです。英国の研究チームが、前立腺のみでがんが確認された患者1600人を3群に分けて調査。15年後の前立腺がんによる死亡率は、血液検査などで積極的に経過観察を行って過剰な治療を防ぐ「監視療法」群が3.1%▽手術群が2.2%▽放射線治療群が2.9%――で有意差は認められなかったといいます。一方で転移率は監視療法群(約9%)の方が他の2群(約5%)より高かったとのこと。AP通信の記事です。

  • 米FDA、片頭痛を治療する新たな点鼻薬を承認

    2023-03-13

    米食品医薬品局(FDA)は、ファイザー社が開発した片頭痛に即効性のある点鼻スプレー薬「Zavegepant(商品名Zavzpret)」を承認したそうです。脳内の炎症に関与するカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)を阻害する薬です。使用からわずか15分で片頭痛の症状を緩和する効果があるといいます。臨床試験では、同薬10mgを使用した片頭痛患者の24%が2時間後には痛みが消えたと報告したそうです。主な副作用として、使用者の5人に1人に味覚の変化が確認されたとのこと。CNNの記事です。

  • 米FDA、乳がんマンモ検査に関する法律を改正へ 乳腺密度の情報を含めるよう要求

    2023-03-12

    乳がんを検出するにはマンモグラフィ検査だけでは不十分なようです。米食品医薬品局(FDA)は法律を改正し、検査施設がマンモの結果を患者に伝える際に、乳腺密度の情報も一緒に提供することを義務付けるとのこと。マンモ画像ではがんも乳腺も白く写るため、がんを見逃すリスクが高いそうです。検査施設は今後、乳腺密度に関する情報を患者に提供するとともに、高濃度乳腺患者に対して医療機関に相談するよう助言することが求められるといいます。CNNの記事です。

  • 抗菌薬の使用に注意 腸内細菌ががん治療薬の効果に影響を与える

    2023-03-11

    腸内細菌は免疫チェックポイント阻害薬の効果に影響を与えるそうです。米国のチームが、黒色腫(メラノーマ)マウスで調査。免疫チェックポイント阻害薬が消化器系の炎症を誘発し、腸内のリンパ節に変化を起こすことが判明したそうです。この変化によって腸内細菌は、腸以外に存在する腫瘍やその近くのリンパ節に移動し、免疫細胞の活性を促す働きをするといいます。腸内細菌を殺す抗菌薬の使用で、薬が効かなくなる可能性も示唆されたとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 阪大、オスのマウスの細胞から卵子を作製

    2023-03-10

    大阪大学の研究チームが、オスのマウスの細胞から卵子を作り出したと発表したそうです。チームはまず、オスマウスの皮膚から幹細胞を作成。この幹細胞はオス由来なのでXY染色体を持ちます。そこで、オスの幹細胞が卵子になるよう調整するため、Y染色体を削除し、X染色体を複製したそうです。この技術がヒトに適用されるまでの道のりは非常に長いといいますが、男性同士のカップルが自分たちの子どもを持つことが可能になる日が来るかもしれません。BBCの記事です。

  • 原発性骨腫瘍の治療に有望な新薬 マウス実験で生存率上昇を確認

    2023-03-10

    原発性骨腫瘍患者の生存率が高まる可能性があります。原発性骨腫瘍は子どもに多く発生し、急速に肺に転移するため5年生存率は42%といわれています。英国のチームが開発中の新薬「CADD522」を、人の骨腫瘍を移植したマウスで調査。新薬が腫瘍の転移に関連する遺伝子の働きを阻害することを突き止めました。新薬単独で治療したマウスは、未治療群に比べて無転移生存率が50%上昇。手術や化学療法との併用で、さらに生存率上昇が期待できるとのことです。BBCの記事です。

  • 妊娠前や妊娠中の母親の飲酒が、子どもの顔の作りに関連

    2023-03-08

    1週間にグラス1杯分のワイン(純アルコール量12g)でも、妊娠前や妊娠中の母親の飲酒は生まれた子どもの顔の形態に影響を及ぼすそうです。オランダの研究チームが、人工知能(AI)を用いて5000人以上の子どもの3D顔画像を分析。その結果、出生前のアルコールへの暴露が、9歳時点での顔の形態に関連することが分かったそうです。具体的には、鼻が上を向く、鼻が短くなる、あごが突き出る、下まぶたの向きが変わるなどの特徴が見られたといいます。EurekAlert!の記事です。

  • ストレスが認知機能低下につながる可能性

    2023-03-08

    ストレスが多い人は認知機能の低下が起きやすく、記憶力や集中力、学習能力に影響が出るようです。米国の研究チームが、黒人が多く住み、脳卒中の発症率が高いことで知られる米国南部で、45~98歳の参加者数千人を10年以上にわたり調査。その結果、ストレスが多いと申告した人は認知機能が低下する可能性が37%高いことが分かったそうです。黒人と白人で結果に差はなかったものの、全体的に黒人のほうが高ストレスを報告したといいます。CNNの記事です。

  • 腸内細菌によって産生される物質が、がん化学療法の効果を高める

    2023-03-07

    腸内細菌はがん治療に影響を及ぼすそうです。ドイツの研究チームが、化学療法を受ける膵管腺がん患者の血液を分析しました。その結果、化学療法がよく効く人は、3-インドール酢酸(3-IAA)と呼ばれる物質のレベルが高いことが分かったそうです。さらに、この物質は2種類の腸内細菌によって産生されることも明らかになったといいます。がんを持つマウスのエサに3-IAAを加えたところ、化学療法への反応がよくなったとのことです。Medical Xpressに紹介されています。

  • AMH値の低さと不妊に関連性はない

    2023-03-07

    抗ミュラー管ホルモン(AMH)値は卵巣の中に残っている卵子の数の目安になります。ただ、AMH値が低いからといって、不妊だと決めつけない方がいいようです。複数の研究が、AMH値と妊娠の可能性に関連性はないとの結果を示唆。豪州の専門機関なども「AMH検査は女性の受胎能力について助言するために単独で使われるべきではない」と言及しているそうです。オンラインで簡単に入手できるAMH検査キットが、人々に誤解を与えているとの指摘もあるようです。ABC NEWSの記事です。

  • スタチンを服用できない人のためのコレステロール低下薬

    2023-03-07

    筋肉痛などの副作用が理由でコレステロール低下薬「スタチン」を服用できない人がいます。そういった人への新たな選択肢が見つかったそうです。米国の研究チームが、スタチンの副作用に耐えられない高LDL(悪玉)コレステロール患者1万4000人を5年にわたり追跡調査。スタチンと組み合わせて使われるコレステロール低下薬「Nexletol(一般名ベムペド酸)」を単独で毎日服用した人は、プラセボ群に比べて主要な心血管疾患リスクが13%低くなったといいます。AP通信の記事です。

  • 糖質制限・高脂質のダイエットで心血管疾患リスクが倍増

    2023-03-07

    糖質を制限し高脂質な食事をとるケトジェニックダイエットは心臓発作や脳卒中のリスクを上昇させるようです。カナダのチームが、LCHF(低炭水化物・高脂質)を「1日の総カロリーの45%を脂質、25%を炭水化物から摂取する状態」とし、英国でLCHF食をとる305人と標準的な食事をとる1200人を比較。LCHF食群は、LDL(悪玉)コレステロールとアポリポタンパク質の値が高かったそうです。11.8年後には、LCHF食群は動脈閉塞などの心血管イベントリスクが倍増したとのこと。CNNの記事です。

  • 水道水から感染 鼻洗浄した人が「脳を食べるアメーバ」で死亡/米

    2023-03-05

    米フロリダ州当局が、水道水で鼻洗浄をした人が「脳を食べるアメーバ」と呼ばれるネグレリア・フォーレリに感染して死亡したと発表したそうです。このアメーバは、汚染された水が鼻から体内に入った場合のみ人に感染します。池や川で泳いで感染することが多く、患者はたいてい死亡します。当局は、煮沸していない水道水を鼻洗浄に使わないよう住民に注意を呼びかけたそうです。胃酸がアメーバを殺すため水道水を飲んでも問題ないとのこと。CNNの記事です。

  • 甘味料「エリスリトール」摂取で、心血管疾患リスク上昇の可能性

    2023-03-04

    砂糖の代わりに使われるカロリーゼロの甘味料「エリスリトール」が、心臓発作や脳卒中リスクを高めることが分かったそうです。米国のチームが、糖尿病などの心臓病リスク因子を持つ4000人近くの血液を分析。血中エリスリトールレベルが上位25%の人は、下位25%の人に比べて3年以内に心臓発作や脳卒中を発症するリスクが2倍高かったといいます。動物実験などで、エリスリトールが心臓発作や脳卒中を引き起こす血栓を誘発することも判明したとのこと。CNNの記事です。

  • 米国で、超多剤耐性赤痢菌の感染が増加

    2023-03-03

    米疾病対策センター(CDC)が、米国内で広範囲薬剤耐性(XDR)を持つ赤痢菌への感染が増加しているとして注意を呼びかけたようです。赤痢菌は重度の下痢を引き起こすグラム陰性菌。XDR赤痢菌は、一般的に推奨される抗菌薬すべてに耐性を持つそうです。米国で検査された赤痢菌のうちXDRの占める割合は2019年は1%でしたが、22年は5%にまで上昇したといいます。XDR赤痢菌向け抗菌薬としては、ホスホマイシンやメロペネムが選択肢になる可能性があるとのこと。CBS Newsの記事です。

  • 米FDAが60歳以上へのRSVワクチンを推奨 一部ギランバレー症候群のリスクも

    2023-03-03

    米食品医薬品局(FDA)の諮問委員会は、グラクソ・スミスクライン(GSK)社が60歳以上向けに開発したRSウイルス(RSV)ワクチンについて、安全かつ有効であると発表したそうです。FDAが高齢者向けRSVワクチン候補に推奨の立場を示したのはファイザー製に次いで2例目。治験ではRSVに関連する下気道疾患の85%以上を予防する効果があったといいます。ただし、一部の治験参加者がギラン・バレー症候群を発症しており、この点を懸念する声も上がっているとのこと。USA TODAYの記事です。

  • アスピリンの使用で卵巣がんリスク低下 遺伝的要因関係なく

    2023-03-01

    アスピリンを頻繁に使用すると、卵巣がんの遺伝的リスク因子をもつ人の卵巣がん発症リスクが抑制されるそうです。米国などの研究チームが、既存の8研究から非粘液性卵巣がん患者4476人と対照群6659人のデータを分析。 6カ月以上ほぼ毎日アスピリンを使用していると自己申告した人は、卵巣がんリスクが13%低かったそうです。たとえ卵巣がんの発症リスクが高いとされる遺伝子変異を持つ人であっても、この数字に影響はなかったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 「マールブルグ病」ワクチンの開発加速 赤道ギニアでの発生受け

    2023-03-01

    致死率が最大88%というマールブルグ病がアフリカ中部の赤道ギニアで確認されています(隣国ギニアでも疑い例)。エボラウイルスと同じフィロウイルス科のマールブルグウイルスに感染することで発症し、症状はエボラ出血熱に似ています。ワクチンや治療法はありません。世界保健機関(WHO)は緊急会議で28のワクチン候補を特定。二つの第1相試験が始まりましたが、現状では大量生産はできないとのこと。Medical Briefの記事です。最新情報では11人の死者が出ているようです。(写真:マールブルグウイルス=CDC提供)

  • 幹細胞治療で、心不全患者の発作リスクが低下

    2023-02-28

    幹細胞治療で、心不全患者の心臓発作や脳卒中のリスクを低減できる可能性があるようです。米国などの研究チームが、心筋が弱り薬物療法を受ける心不全患者565人を調査。健康なドナーの骨髄から採取した抗炎症作用のある間葉系前駆細胞を心臓に単回投与された人は、プラセボ群に比べて心臓発作や脳卒中のリスクが58%低くなったそうです。この効果は平均2.5年間持続したといいます。体内の炎症レベルが高い患者では、リスクが75%低下したとのこと。CNNの記事です。

  • 「コロナは中国の研究所から流出」米エネルギー省が見解

    2023-02-28

    米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が新型コロナの発生源について、「米エネルギー省が中国の研究所から偶発的に流出した可能性が最も高いと結論付けた」と報じました。同省がホワイトハウスに提出した機密報告書の内容だそうです。新型コロナの発生源をめぐっては、市場で動物から人間に感染したとする説もあり、米国の複数の情報機関の間でも見解が分かれているといいます。しかし、どちらの説も決定的な証拠は見つかっていないとのこと。USA TODAYの記事です。

  • 朝食抜くと免疫機能が損なわれる可能性

    2023-02-27

    朝食を抜くと免疫機能が低下するようです。米国の研究チームが、マウスを「朝食をとる群」と「朝食を抜く群(断食群)」に分けて調査。起床から4時間後、白血球の一種「単球」の血液中における数が断食群で大幅に減少したといいます。断食による脳のストレス反応で、血液中の単球が骨髄に移動して「冬眠」してしまうのだそうです。断食後に食事をすると、単球が一気に血液中に戻り、感染を防ぐ代わりに不要な炎症を起こしてしまうとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 英保健当局、鳥インフルに関する緊急時の対応計画を作成

    2023-02-27

    英保健当局は、鳥インフルエンザウイルスH5N1型がヒトのあいだで大流行するという最悪の事態を想定し、緊急時の対応計画を作成しているそうです。鳥インフルは感染した鳥に直接接触した場合にヒトにうつり、ヒトからヒトに感染するとの証拠は示されていません。しかしウイルスは絶えず進化します。ヒトにおける感染爆発に備えて、専門家は想定される感染者数や重症化の可能性、検査体制、危険な変異に関する情報を取りまとめているとのこと。BBCの記事です。

  • 鳥インフルエンザで11歳少女が死亡/カンボジア

    2023-02-24

    カンボジアで、2014年以来初めてとなる鳥インフルエンザウイルスH5N1型のヒトへの感染が確認されたそうです。患者は同国南東部のプレイベン州に住む11歳の少女です。39度の発熱に加えて、咳やのどの痛みの症状があったといいます。少女は首都プノンペンの病院に運ばれましたが、鳥インフルと診断されて間もなく死亡したとのことです。同国の保健当局は、少女の自宅近くで見つかった野鳥の死骸からウイルスを採取したと発表したそうです。AP通信の記事です。

  • 鼻炎薬の一般的な成分が痙攣や脳卒中を引き起こす可能性

    2023-02-24

    脳の血流が悪くなる可能性があるとして、プソイドエフェドリンを含有する鼻炎薬の安全性に関する再調査が行われるようです。一般的な鼻炎薬や風邪薬に含まれる成分で、鼻の血管に作用することで鼻づまりを改善します。しかし最近、フランスの規制当局がこの薬によるまれな脳への副作用について注意を呼びかけたといいます。英規制当局も、同薬使用に伴う可逆性後頭葉白質脳症(PRES)と可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)について調査を開始するとのこと。BBCの記事です。

  • 腸内細菌叢がカギ 多発性硬化症治療の新たな標的が判明

    2023-02-22

    多発性硬化症(MS)の原因となる慢性炎症を抑える方法が見つかったそうです。米国の研究チームが、腸などのバリア組織に存在する転写調節因子「芳香族炭化水素受容体(AhR)」に着目。MSマウスの実験で、免疫細胞T細胞のAhRの活性を阻害したところ、腸内細菌叢における胆汁酸などの代謝物産生に大変化が起こり、炎症が抑制されたそうです。その結果、マウスはMSから回復。AhRが腸内細菌の炎症促進作用を調整している可能性が示唆されたとのことです。Medical Xpressの記事です。

  • 幹細胞移植を受けたHIV患者、10年近く寛解状態 世界で3例目

    2023-02-22

    白血病治療のために幹細胞移植を受けたドイツの男性(53)が、エイズウイルス(HIV)感染から治癒したそうです。このような症例は世界で3例目。「デュッセルドルフの患者」と呼ばれるこの男性は2008年にHIV感染が判明し、10年に抗レトロウイルス療法を受けたといいます。翌年、男性は白血病と診断され、13年にHIV耐性の遺伝子変異をもつドナーから幹細胞の提供を受けたそうです。9年以上経過した現在も男性のHIV感染は寛解状態にあるとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 65歳以上の乳がん患者への放射線治療、生存率向上には効果なし

    2023-02-21

    65歳以上の乳がん患者は、ホルモン療法を受けていれば術後の放射線治療は不要かもしれません。英国の研究チームが、3cm以下のホルモン受容体陽性乳がんの65歳以上の患者1326人を調査しました。患者はみな手術とホルモン療法を受けていたそうです。術後に放射線治療を受けた人は、受けなかった人に比べて局所再発リスクが低かったといいます。しかし10年後の全生存率は、放射線治療群で80.7%、非放射線治療群で80.8%とほぼ同じだったとのこと。CNNの記事です。

  • 脳卒中で麻痺した手、新脊髄刺激療法で動かせるように

    2023-02-21

    22歳の時に脳卒中を発症し、後遺症で10年近く左半身不随(片麻痺)だった米国人女性が、新たな脊髄刺激療法で左手を動かせるようになったそうです。米国の研究チームが、首の脊髄の表面に金属電極を移植して特定の領域を刺激し、脊髄内の神経細胞を活性化させました。すると弱っていた筋肉の働きが強化され、女性は左の手や腕の動きをコントロールできるようになったそうです。数週間後には、装置がなくても左手が動くようになったとのこと。CNNの記事です。

  • 中国で19歳のアルツハイマー病患者見つかる 世界最年少症例で発症原因は謎

    2023-02-20

    10代の若者でもアルツハイマー病(AD)を発症することがあるそうです。中国の神経内科医が19歳の男性をADと診断。これまでに世界で報告されたAD患者としては最年少だといいます。この患者は17歳ごろから記憶力の低下がみられ、数年間で認知機能障害が悪化したそうです。この患者には、30歳未満のAD発症者のほとんどに見られる遺伝子変異が認められなかったといいます。また、認知機能低下につながる疾患や頭部外傷、家族のAD既往歴もないとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • コロナ感染後10カ月間は再感染・重症化のリスクが低い

    2023-02-20

    新型コロナウイルスの感染によってできる免疫には、予想以上の防御効果があるようです。米国の研究チームが、19カ国で実施された65研究を分析しました。その結果、コロナ感染から少なくとも10カ月間は、どの変異株に対しても良好な感染防御効果が発揮されることが分かったそうです。特に重症化や死亡のリスクについては約90%の抑制効果があるといいます。ただし、今回の調査には現在米国で主流のXBB系統に対するデータは含まれていないとのこと。CNNの記事です。

  • 耐性菌を生まない抗菌薬を発見 米陸軍開発の化合物

    2023-02-18

    耐性菌発生の心配がいらない革新的な「抗菌薬」が存在するそうです。それは、米陸軍が兵士の携帯電話充電用に開発した微生物燃料電池用の化合物。米国の研究チームがその化合物をマウスに投与したところ、治療不可能とされる細菌感染症が治ったそうです。また、検証した全ての細菌に有効な上、細菌はこの化合物に耐性を持つことができなかったといいます。この化合物は細菌の細胞膜に作用し、複数の細胞機能を同時に破壊できるとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 新たな光免疫療法 がん細胞と共有結合する抗体を開発

    2023-02-18

    より正確に腫瘍のみを攻撃する「次世代」の光免疫療法が実現するかもしれません。英国の研究チームが、特定の波長の紫外線(UV)を照射するとがん細胞と「共有結合」を形成する抗体を開発。共有結合は結合力が強いため、薬剤分子が永久に腫瘍に固定されるそうです。腫瘍近くに埋め込んだライトのスイッチを入れると、抗体ががん細胞に結合し攻撃を始めるといいます。最先端の免疫療法よりも、健康な細胞に治療の影響を与えずに済むとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • ピオグリタゾンが2型糖尿病患者の認知症発症リスクを抑制か

    2023-02-16

    2型糖尿病患者にとって、血糖降下薬「ピオグリタゾン」は認知症予防にも有効な可能性があるようです。韓国の研究チームが、同国で新たに2型糖尿病と診断された非認知症患者9万1218人を平均10年間追跡調査。ピオグリタゾンを服用した人は、そうでない人に比べて認知症の発症リスクが16%低いことが明らかに。既往歴がある人ほど効果が高く、虚血性心疾患の人は54%、脳卒中の人は43%、それぞれ服用者の方が認知症リスクが低かったそうです。Medical Xpressの記事です。

  • 開発中の男性用経口避妊薬で、精子の動きが一時的に停止/マウス実験

    2023-02-16

    非ホルモン性の男性用経口避妊薬(ピル)ができるかもしれません。米国の研究チームが、酵素「可溶性アデニリルシクラーゼ(sAC)」に着目。sACは、精子の泳ぎを活性化させるスイッチの役割を果たします。sACを阻害する化合物をマウスに投与したところ、30分~1時間で精子の動きが止まったといいます。そして最初の2時間は100%の避妊効果がみられたそうです。24時間後には精子の動きは普段通りに戻り、副作用も認められなかったとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 服用期間は2週間 即効性ある抗うつ薬候補に期待高まる

    2023-02-15

    うつ病治療が変革期を迎えているようです。米セージ・セラピューティクス社が、米バイオジェン社と共同でうつ病を短期間で改善する治療薬「zuranolone」を開発。臨床試験では、大うつ病性障害や産後うつの症状を改善する効果がみられたといいます。既存の抗うつ薬は長期間の服用が必要ですが、zuranoloneは1日1回の服用を2週間だけ続ければいいそうです。米食品医薬品局(FDA)は、同薬を承認するかどうかを今年8月5日までに決める予定とのことです。INSIDERの記事です。

  • 電子たばこによる健康リスク、紙巻きたばこと変わらず

    2023-02-15

    液体を加熱して蒸気を吸う「電子たばこ」は紙巻きたばこより健康被害が小さいとの考えは間違っているようです。米国の研究チームが、健康な成人72人から採取した口腔内の上皮細胞を調査。たばこ類を吸ったことがない人と比べたDNA損傷レベルは、紙巻きたばこを吸ったことがない電子たばこ愛用者が2.6倍、電子たばこを吸ったことがない紙巻きたばこ愛用者は2.2倍だったそうです。口腔上皮細胞のDNA損傷は慢性疾患リスクに関連するといいます。EurekAlert!の記事です。

  • 真っ赤な野菜「ビーツ」に運動能力を向上させる効果

    2023-02-14

    運動前にビートルート(ビーツ)を摂取すると、良い成績を残せるそうです。ビーツは硝酸塩を多く含有する真っ赤な色をした根菜です。硝酸塩が体内に取り込まれると血管が拡張し、エネルギー燃焼に使われる酸素が筋肉に迅速に運ばれ、疲れにくくなるといいます。大規模な統計的レビューでも、ビーツの摂取で長距離走やサイクリングのパフォーマンスが向上するとの結果が示されたとのこと。ビーツは運動の2~3時間前に取るのがいいようです。ScienceAlertの記事です。

  • 果糖がアルツハイマー病の発症に重要な役割を果たす可能性

    2023-02-14

    古代人が生き残るために必要だった脳内の反応が、現代のアルツハイマー病(AD)を理解するヒントになる――。米国のチームが、そんな研究成果を発表しました。チームによると、フルクトース(果糖)の働きで一部の脳領域の血流が抑制されると、飢餓に備えるための採食行動が促されるのだそうです。食べ過ぎなどで果糖の過剰生成が起き、脳血流が抑制されて脳代謝の低下が慢性的になると、ADの特徴である脳萎縮やニューロン喪失が生じるといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 血管内血栓回収療法、広範囲脳梗塞患者の予後も大幅に改善

    2023-02-13

    器材を使って血管内で治療を行う「血管内血栓回収療法」は、広範囲な脳梗塞を起こした患者にはリスクが大きいとして避けられてきました。しかし、米国のチームが世界の31医療施設で大動脈閉塞による広範囲脳梗塞を起こした患者352人を2群に分けて調査したところ、「常識」と異なる結果が出たそうです。通常と変わりない日常生活を送れる状態に改善した患者は、血栓回収療法を受けた人の20%、内科的な治療のみを受けた人の7%だったとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • キノコの成分に記憶力を高める効果 認知症の予防・治療に役立つ可能性

    2023-02-13

    古くから漢方薬として重宝されてきたキノコの「ヤマブシタケ」が、神経細胞の成長を促進するそうです。豪州の研究チームが、培養した脳細胞を用いて前臨床試験を実施。ヤマブシタケの抽出成分が、神経細胞の成長をコントロールする成長円錐を増大させ、神経細胞間の接続を促すことが分かったそうです。これが記憶力の向上につながるといいます。今回の発見は、アルツハイマー病などの認知機能障害の治療や予防に役立つ可能性があるとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 薬剤性難聴リスクのある新生児を迅速検査で特定/英

    2023-02-11

    一般的な抗菌薬「ゲンタマイシン」の投与によって、まれに聴力を失う新生児がいることを知っていますか。ゲンタマイシンが、音の振動を電気信号に変換する内耳の有毛細胞が傷つけてしまうのだそうです。英国民保健サービス(NHS)は、新たな遺伝子検査キットを使って薬剤性難聴リスクのある新生児を抗菌薬投与前に素早く特定する試みを開始。このキットで口腔内粘膜を検査すれば、わずか26分で難聴リスクの有無が判明するそうです。BBCの記事です。

  • 慢性的な便秘を改善 経口投与の振動カプセル

    2023-02-10

    薬剤以外の方法で慢性便秘症を改善できるそうです。イスラエルのVibrant Gastro社が、大腸を振動で刺激して排便を促す経口カプセル「Vibrant」を開発。昨年8月に米食品医薬品局(FDA)が承認し、このほど米国で本格的に医師の処方が可能になりました。1日1回寝る前に服用すると、腸内の特殊な神経細胞が刺激され、便を押し出す蠕動(ぜんどう)運動が起こるといいます。Vibrantは便と一緒に体外に排出されるそうです。治験では下痢の副作用も少なかったとのこと。CNNの記事です。

  • 臓器と引き換えに囚人の刑期を短縮? 米の法案が物議

    2023-02-10

    臓器提供に応じた受刑者の刑期短縮を可能にする法案が米マサチューセッツ州議会に提出され、物議を醸しています。法案には、受刑者が骨髄か臓器を提供することを条件に、刑期を60日~1年短縮するのを許可する内容が盛り込まれているといいます。しかしこのような措置は非倫理的であるだけでなく、臓器を売買したり報酬と交換したりすることを禁じる米連邦法に抵触する可能性もあります。なお、この法案は議会で否決される見通しとのこと。AP通信の記事です。

  • 中国の研究者が「コロナの新変異株検出されず」と発表 調査方法に疑問の声も

    2023-02-10

    中国の研究チームが、「ゼロコロナ政策」の撤廃から少なくとも最初の数週間は、懸念されていた新型コロナウイルスの新たな変異株は発生しなかったと発表しました。昨年11月14日~12月20日に北京で413の検体を解析。90%以上が既存のオミクロン株の亜型で、新たな変異株発生の証拠はなかったとしています。これに対し、調査の時期が早すぎることや検査数の少なさ、調査地が北京に限定されていることを指摘する専門家もいるようです。Medical Xpressの記事です。

  • ナイジェリアの政治家が臓器売買に関与か 英で裁判

    2023-02-09

    西アフリカのナイジェリアの有力な政治家が臓器の不当な入手を画策したとして、英ロンドンで裁判にかけられているそうです。政治家とその妻は、病気の娘のために腎臓のドナーを探していたとみられます。夫妻はナイジェリアの露天商の男性をロンドンに連れ出し、数千ポンドと引き換えに腎臓を提供させようとしたとされています。男性は仕事のためにロンドンに連れてこられたと信じていたそうです。臓器売買は英国でも犯罪です。AP通信の記事です。

  • 1日1~2杯のアルコール摂取は認知症リスクを低下させる

    2023-02-09

    適度な飲酒は認知症リスクを抑制する可能性があるようです。韓国の研究チームが、2009年と11年に同国で集められた40歳以上の400万人のデータを分析。酒を1日1杯 (純アルコール14g、缶ビール1本相当)程度飲む習慣があると答えた人は、飲酒しないと答えた人に比べて7~8年後に認知症を発症するリスクが21%低かったそうです。認知症の発症リスクは、飲酒量が1日2杯の人は17%低下したものの、3杯以上になると逆に上昇したとのこと。CNNの記事です。

  • アリが尿の臭いを嗅ぎ分けて、がんを検出/マウス実験

    2023-02-07

    アリを使って安価にがんを検出できるようになるかもしれません。フランスの研究チームが、マウスの尿の臭いから腫瘍の有無を識別できるようにアリ70匹を訓練したそうです。すると、アリは尿の臭いを嗅ぎ分けて、ヒトの乳がんを移植されたマウスか否かを正確に特定できるようになったといいます。腫瘍が小さいと尿の臭いはあまり変化しないそうですが、小さな腫瘍を持つマウスも大きな腫瘍を持つものと変わらない精度で検出できたとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 医師免許試験にも合格?「ChatGPT」は医療分野にどんな影響を与えるのか

    2023-02-07

    質問を入力すると自然な文章で回答する「ChatGPT」という対話型のAI(人工知能)が話題になっています。米国では、医療分野におけるChatGPTの有益や欠点を調べるため、タスクフォースが発足しているそうです。あるチームが、三つのステップから成る米国の医師免許試験のサンプル問題を解かせたところ、ChatGPTは専門的な訓練を受けることなく全ステップで合格または合格に近い成績を残したとのこと。病期の診断や論文執筆ができるとの報告もあるそうです。CNNの記事です。

  • シナモンが認知機能低下の抑制に効く?

    2023-02-06

    シナモンに認知機能の低下を抑える効果があるかもしれません。イランの研究チームが、シナモンと脳の関係を調べた、二つの臨床研究を含む40研究を分析。概してシナモンやその成分が記憶と認知機能に好影響を及ぼす可能性が示されたといいます。ただし、全ての人に効果があるわけではないようです。臨床研究のうち一つは前糖尿病段階にある60歳以下の成人を対象にしたもので、シナモンの効果は確認できなかったと結論づけられているそうです。Medical Xpressの記事です。

  • 豪州、うつとPTSDの治療にマジックマッシュルーム成分とMDMAの使用を許可

    2023-02-06

    豪州は、合成麻薬「MDMA」とマジックマッシュルームに含まれる幻覚成分「シロシビン」を世界で初めて医薬品として正式に認めることを決めたようです。7月から、認可を受けた精神科医が心的外傷後ストレス障害(PTSD)の治療にMDMAを、治療抵抗性うつ病の治療にシロシビンをそれぞれ処方することが許可される予定。これらを使用することの長期的な影響に関するデータが不足しているなどの理由から、この決定に慎重な姿勢を示す専門家もいるといいます。ABC Newsの記事です。

  • 高脂肪食の摂取、脳のカロリー摂取量調節能力を損なう可能性

    2023-02-04

    脂質の摂取は、やはり控えた方がいいようです。米国の研究チームが、高脂肪・高カロリーの食事を与え続けたラットを調べたところ、脳と胃腸間のシグナル伝達経路が阻害され、脳が本来持つカロリー摂取量調節能力が損なわれることが分かったそうです。そしてこの調節能力には、脳内のアストロサイト(星状膠細胞)が関与しているといいます。高脂肪食を10~14日間食べ続けたラットは、アストロサイトの反応が鈍くなったとのことです。ScienceAlertの記事です。

  • 超音波のトルネードで、脳の血栓を素早く破壊する装置

    2023-02-04

    米国の研究チームが、脳静脈が血栓で閉塞する「脳静脈洞血栓症(CVST)」を迅速に治療する装置を開発したそうです。この装置は超音波トランスデューサ(変換器)といい、カテーテルに内蔵して血管を通して血栓まで到達させ、そこで超音波のトルネード(らせん状の渦)を作り出して血栓を破壊するといいます。薬剤による血栓の溶解には平均29時間かかるとのことですが、試験管内の実験では、装置を使うと血栓を破壊するのに30分かからなかったそうです。Medgadgetの記事です。

  • 関節リウマチ治療薬で、造血システムが若返る/マウス実験

    2023-02-02

    既存の薬で、高齢者の血液を若返らせることができるかもしれません。米国の研究チームが、血液細胞を作り出す造血幹細胞が存在する骨髄を調査。年を取るにつれて骨髄でサイトカインの一種インターロイキン(IL)-1βが関与する炎症が起こり、造血幹細胞の機能が低下することが分かったそうです。そこでIL阻害薬で関節リウマチ治療薬の「アナキンラ」をマウスに投与したところ、加齢の影響を受けた造血幹細胞が若く健康な状態に戻ったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • オランダで狂牛病の牛1頭を確認

    2023-02-02

    オランダ政府が、同国の農場で死んだメス牛1頭が牛海綿状脳症(BSE)の検査で陽性だったと発表したそうです。BSEは狂牛病とも呼ばれるまれな牛の伝染病。人が感染牛を食べると、致命的な脳症を発症する可能性があります。今回感染が確認された牛は8歳で、肉骨粉などの飼料を介して感染する「定型BSE」ではなく、孤発的に発生する「非定型BSE」だったそうです。当局が、死んだ牛の子や同じ飼料を食べて育った牛の追跡調査を行っているとのこと。AP通信の記事です。

  • 肥満の人の脳萎縮、アルツハイマー病に類似

    2023-02-01

    肥満の人の脳は、アルツハイマー病(AD)患者と同様の変化(神経変性)が起こる可能性があるそうです。カナダの研究チームが1300人の脳を調査。AD患者と健康な人、肥満者と非肥満者をそれぞれ比較し、脳内で情報処理の中心を担う灰白質の萎縮パターンを解析したといいます。その結果、肥満者とAD患者の灰白質が同じようなパターンで薄くなることが明らかになったそうです。ただし、減量によってこのリスクを抑制できる可能性も示唆されたとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • カナダBC州、少量のコカインやヘロイン所持を合法化

    2023-02-01

    カナダのブリティッシュコロンビア州で、コカインやヘロインなどの中毒性が高い麻薬の所持が部分的に合法化されたそうです。これらの麻薬を成人が所持していた場合、2.5gまでであれば罪には問われず、代わりに薬物中毒治療に関する情報が提供されるといいます。同州ではオピオイドなどの麻薬の過剰摂取が社会問題になっています。今回の政策転換はその対策で、薬物依存が犯罪ではなく「健康問題」であるという認識を広めるためとのこと。CBS Newsの記事です。

  • ペットを長期間飼っている高齢者は記憶力が良い

    2023-01-31

    高齢者がペットを飼うと、脳の健康を維持できる可能性があるそうです。米国の研究チームが、50歳を超える米国人2万人の2010~16年のデータを分析。ペットを5年超にわたって飼っていると申告した65歳以上の高齢者は、ペットを飼っていない同年代の高齢者に比べて、言葉に関する短期記憶と長期記憶がはるかに優れていることが明らかになったそうです。ただし、65歳未満の参加者では、このような有意差は認められなかったといいます。ScienceAlertの記事です。

  • 米FDA、コロナ抗体薬「エバシェルド」の緊急使用許可を停止

    2023-01-31

    米食品医薬品局(FDA)が、英アストラゼネカ製の新型コロナウイルスの抗体薬「エバシェルド」について、緊急使用許可を停止したそうです。この薬はワクチンが効きにくい免疫不全者向けの予防薬です。米国では現在、エバシェルドが効かない変異型「XBB.1.5」「XBB」「BQ.1」「BQ.1.1」の感染者が全体の93%近くを占めているといいます。今後はこの薬が効かない変異型の感染者の占める割合が全体の90%以下になった場合に限り、使用が許可されるとのことです。CNNの記事です。

  • ピロリ菌感染で、メラノーマ患者の化学療法効果が低下する可能性

    2023-01-30

    世界の半数以上の人の胃に存在する「ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)」が、悪性黒色腫(メラノーマ)患者における化学療法の治療反応性に影響を及ぼすようです。カナダの研究チームが、化学療法を受けるメラノーマ患者100人を調査。血液によるピロリ菌抗体検査で陽性の人は、陰性の人に比べて免疫チェックポイント阻害薬治療の効果が得られない傾向が強かったそうです。ピロリ菌陽性の患者は、全生存率も有意に低かったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 米FDA、男性と性交渉する男性の献血規制を緩和へ

    2023-01-30

    米国の献血規制が大きく変わるようです。現在米国では、エイズウイルス(HIV)感染のリスクが高いとの理由で、男性と性交渉する男性による献血を「最後の性交渉から3カ月経過している場合」に制限しています。米食品医薬品局(FDA)は1月27日、現在の制限を廃止し、ドナーに性行動などに関する質問票に答えてもらうことでHIV感染リスクを評価するというガイドライン案を公表。男性同性愛者など1600人を対象に行われた研究に基づくものだといいます。AP通信の記事です。

  • 腸内細菌叢とその代謝物が、子宮内膜症の進行促進に関与か

    2023-01-28

    子宮内膜症の発症要因解明や治療につながる研究成果です。米国の研究チームが、腸内細菌叢を除去した子宮内膜症モデルマウスは、腸内細菌叢を持つモデルマウスに比べて子宮内膜症の病変が小さいことを発見。さらに、腸内細菌叢を除去したモデルマウスに子宮内膜症マウスの腸内細菌叢を移したところ、子宮内膜症病変が大きくなったそうです。腸内細菌叢由来の代謝物「キナ酸」が、子宮内膜症の進行に関与する可能性も示唆されたといいます。EurekAlert!の記事です。

  • 映画「アバター」の技術を運動障害疾患の研究に利用

    2023-01-28

    映画「アバター」などでは、人間の動きを記録してCGなどで再現するモーションキャプチャー技術が使われています。英国の研究チームがこの技術を使い、運動機能障害を生じる疾患の研究に活用できる人工知能(AI)システムを開発。フリードライヒ運動失調症(FA)やデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の患者を対象にした調査で、専門医より迅速かつ正確に疾患の進行を予測できることが示されたそうです。新薬開発時の治験に利用する計画もあるといいます。BBCの記事です。

  • 軟部肉腫に微生物叢が存在 予後に影響を与える可能性も

    2023-01-27

    筋肉や脂肪、神経などの軟部組織から発生する悪性腫瘍「軟部肉腫」には、微生物叢は存在しないと考えられてきました。しかし、米国の研究チームによる非転移性軟部肉腫の成人患者15人の調査で、それが誤りであることが分かったそうです。また、微生物叢の量が患者の予後に影響を及ぼす可能性も明らかに。軟部肉腫内に呼吸器疾患を引き起こすレスピロウイルスが多いと、腫瘍を攻撃するナチュラルキラー(NK)細胞の数が増えるのだそうです。Medical Xpressの記事です。

  • オミクロン株対応ワクチンの追加接種、「XBB」系統の発症抑制に有効

    2023-01-27

    新型コロナの最新ワクチンの追加接種には、オミクロン株の派生型「XBB」系統の発症を防ぐ効果があることが分かったそうです。米国ではこの系統の「XBB.1.5」が急拡大しています。米疾病対策センター(CDC)が新たな調査結果を公表しました。それによると、初期のワクチンを接種した上で、従来株とオミクロン株BA.4/BA.5に対応した最新の2価ワクチンを追加接種した場合、XBB系統による発症リスクが抑制されることが明らかになったといいます。USA Todayに紹介されています。

  • 新たに特定された自己炎症性疾患「VEXAS症候群」について知っておくべきこと

    2023-01-26

    最近新たに「VEXAS症候群」という自己免疫疾患が特定されました。その有病率が想定より高いことが分かり、専門家が懸念を示しています。この症候群はUBA1遺伝子変異によって血液異常が起こり、発疹や発熱、関節の腫れなどさまざまな症状が出ます。米国のチームが16万3096人のデータを分析したところ、50歳超の米国人の有病率(推定)は男性が4269人に1人、女性は2万6238に1人。診断から5年以内に約半数が死亡するといい、治療法は研究中とのこと。Healthlineの記事です。

  • HIVワクチン開発に大打撃 J&Jの治験打ち切りに

    2023-01-26

    米ジョンソン・エンド・ジョンソン社が開発中のヒト免疫不全ウイルス(HIV)ワクチンについて、有効性が示されなかったとして後期臨床試験が打ち切られたそうです。この治験は2019年に始まり、PrEP(予防的に抗HIV薬を服用する事)を拒否した男性同性愛者やトランジェンダーの3900人以上が参加したといいます。米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)の報告によると、今回の治験でワクチンの安全性は示されたものの、感染予防効果は認められなかったとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • コロナ感染、胎児の脳出血を誘発する可能性

    2023-01-24

    新型コロナウイルスは胎児の健康に深刻な影響を及ぼすようです。英国の研究チームが、2020年7月~22年4月に選択的人工妊娠中絶をされた661人の胎児の脳組織検体を調査。このうち26検体で脳出血が確認されたそうです。そしてこの26検体すべてから、新型コロナウイルスが検出されたといいます。脳出血の兆候がみられた検体のほとんどが、脳の発達にとって重要な時期とされる妊娠初期の終わりや妊娠中期の初めの胎児のものだったとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 米FDA、コロナワクチン接種「年1回」を検討

    2023-01-24

    米食品医薬品局(FDA)が、新型コロナワクチンの接種方法をインフルエンザワクチンのように原則年1回に簡略化することを検討しているそうです。米国では既に多くの国民がワクチン接種や感染によって既存のウイルスに対して十分な免疫を獲得しており、今後はその年に流行している変異株に対応したワクチンを接種する方法で対応できるといいます。ただし、免疫不全者や乳幼児など一部の人は、2回の接種が必要になる見込みとのことです。AP通信の記事です。

  • 手術前の化学療法で、結腸がんの再発リスクが低下

    2023-01-23

    大腸(結腸)がんの再発リスクを抑制する方法が見つかったかもしれません。英国の研究チームが、英国や北欧の結腸がん患者1053人を2群に分けて調査しました。化学療法について、「術前に6週間と術後に18週間」受けた人は、「術後のみ24週間」受けた人に比べて結腸がんが2年以内に再発するリスクが28%低かったそうです。結腸がんの治療は現在、術後に化学療法を行うのが標準的とのことですが、見直しが必要かもしれません。Health Europaの記事です。

  • イーライリリーのアルツハイマー病新薬ドナネマブ、米FDAが迅速承認を見送り

    2023-01-23

    米食品医薬品局(FDA)はイーライリリー社のアルツハイマー病(AD)新薬「ドナネマブ(Donanemab)」の迅速承認を見送る判断を下しました。薬を最低12カ月間使用した患者の数が少な過ぎたためだそうです。この薬はADの原因と考えられている脳内のタンパク質アミロイドβ(Aβ)を減らし、認知機能低下を遅らせる効果があるといいます。同社側は「Aβの蓄積が予想より早く消失したケースがあり、12カ月間使用しなくてもいい患者がいたため」と説明しているとのこと。CNNの記事です。

  • 米で新たな多剤耐性の淋菌に感染した患者2人を確認

    2023-01-20

    米国で、多くの抗菌薬が効かない淋菌が新たに見つかったそうです。米マサチューセッツ州保健当局がこの新たな菌株に感染した淋病患者2人を特定。2人とも抗菌薬セフトリアキソンの注射で回復したそうです。しかし2人が感染した菌株は、七つ中六つの抗菌薬にある程度の耐性の兆候を示したといいます。患者2人に直接的な関係は認められず、1人は最近の旅行歴がないことから、この菌株が既に州内で広がっている可能性があるとのことです。CBS Newsの記事です。

  • 脳にワイヤーを埋め込み電気刺激を与える処置で、トゥレット症候群の症状が大幅に緩和

    2023-01-20

    トゥレット症候群はチックを引き起こす神経疾患です。米国人の少年患者(17)に、パーキンソン病の治療に使われる外科的処置(DBS)が施され、効果があったそうです。少年は3年前から呼吸困難になるほど制御不能なチック症状に苦しんでいたといいます。米マウント・サイナイ・ウェスト病院が少年の脳にワイヤーを挿入し、神経の活動をコントロールするための電気刺激を与えられるようにしました。少年によると、処置以降チックが70%減少したとのこと。CBS Newsの記事です。

  • 有鉛ガス使用の小型機離着陸の空港近くに住む子ども、血中鉛レベル高く/米

    2023-01-19

    有鉛ガソリンを使う小型航空機が離着陸する空港の近くに住む子どもは、健康に悪影響があるようです。米国の研究チームが、カリフォルニア州のリードヒルビュー空港から2.4km以内に住む6歳未満の子ども1万4000人の血液サンプルを分析。住まいが空港に近いほど、血中鉛レベルの基準値として同州が定めている4.5μg/dLを超える可能性が高かったとのこと。空港から 0.5~1.5kmの距離に住む子どもに、鉛リスクの上昇がみられたといいます。NewScientistの記事です。

  • プロバイオティクス「枯草菌」で黄色ブドウ球菌減少

    2023-01-19

    生きた微生物「プロバイオティクス」を摂取すると、有益な腸内細菌叢に悪影響を与えることなく、さまざまな疾患を引き起こす「黄色ブドウ球菌」のコロニー形成を抑制できるそうです。米国立衛生研究所(NIH)が、体に黄色ブドウ球菌が定着している参加者115人を対象に、タイで第2相試験を実施。プロバイオティクスの「枯草菌」を1日1回、4週間続けて投与された人は、黄色ブドウ球菌が便中で96.8%、鼻腔内で65.4%減少したとのこと。ScienceDailyの記事です。

  • 6分間の激しい運動で、アルツハイマー病リスクが低下する可能性

    2023-01-18

    短時間の激しい運動は、アルツハイマー病など神経変性疾患の発症を抑制するかもしれません。ニュージーランドのチームが、18~56歳の男女計12人を対象に脳由来神経栄養因子(BDNF)を増やす方法を調査。BDNFは、神経細胞の生存や新たなネットワーク作り(神経可塑性)の促進に重要な働きをします。全力で6分間自転車をこぐ高強度の運動は、20時間の断食や90分間ゆっくり自転車をこぐ運動に比べてBDNFが4~5倍増えることが明らかになったそうです。ScienceDailyの記事です。

  • 腸内細菌叢の組成が新型コロナ死亡リスクと関連?

    2023-01-18

    腸内細菌叢は肺の健康にも影響を及ぼすようです。米国の研究チームが新型コロナ患者71人について、集中治療室(ICU)に入院する際に便を採取して腸内細菌叢の組成を分析しました。呼吸不全が進行して死亡した患者はコロナから回復した患者に比べて、プロテオバクテリア門の腸内細菌が多かったそうです。こうした予後不良の患者は、腸内細菌叢由来代謝物質で免疫に関わる二次胆汁酸やデスアミノチロシンが少ないことも分かったといいます。EurekAlert!の記事です。

  • コーヒーが肥満2型糖尿病患者のNAFLD重症化リスクを抑制

    2023-01-17

    肥満気味の2型糖尿病患者は、肝臓の健康のためにコーヒーを多く飲んだ方がいいかもしれません。ポルトガルの研究チームが、肥満気味の中年156人のコーヒー摂取量を調査。2型糖尿病を持つ98人については、尿中代謝物も分析して正確な摂取量を調べたそうです。太りすぎの2型糖尿病患者がコーヒーのカフェインやポリフェノールなどを多く摂取すると、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の重症化リスクが低下する可能性が示唆されたといいます。EurekAlert!の記事です。

  • 難病アラジール症候群の治療薬、ゼブラフィッシュで有望な結果

    2023-01-17

    難病の「アラジール症候群」が移植以外の方法で治せるようになるかもしれません。この疾患は遺伝子異常が原因で、胎児期に体を作るための「Notchシグナル伝達」が正常に起こりません。胆管がうまく成長しないことで肝損傷が起こるケースが多いそうです。米国の研究チームが、このNotch経路を標的とした治療薬「NoRA1」を開発。この疾患に似た遺伝子変異をもつゼブラフィッシュにNoRA1を投与したところ、肝損傷が回復し、生存率も3倍向上したといいます。ScienceAlertの記事です。

  • 簡単な点鼻スプレーで新型コロナを予防?

    2023-01-16

    点鼻薬を毎朝サッとスプレーするだけで、新型コロナを予防できるかもしれません。米国の研究チームが、新型コロナウイルスが細胞に侵入する際、ACE2受容体に結合することに着目。ACE2受容体を持つ「超分子フィラメント」のスプレーを設計しました。おとり役となるこのACE2受容体にウイルスが結合するため、肺細胞への感染が阻止される仕組みです。マウスの実験では、フィラメントは炎症を起こすことなく最大24時間肺の中に存在し続けたといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 中国、コロナ死者は約6万人と公表 WHOは情報公開の継続を要請

    2023-01-16

    中国政府は14日、12月8日~1月12日に同国で新型コロナによって6万人近くが死亡したと明らかにしたようです。発表によると、コロナ感染による呼吸不全で5503人が死亡し、基礎疾患との合併症による死者は5万4435人に上るそうです。この発表を受けて世界保健機関(WHO)は、感染状況の把握に役立つとして歓迎し、今後も詳細なデータを共有するよう中国に求めたといいます。なお、今回の発表には自宅で死亡した患者は含まれていないとのこと。AP通信の記事です。

  • コロナ後遺症 患者の多くが1年以内に回復

    2023-01-13

    新型コロナの軽症患者が後遺症に1年間以上苦しむことは少ないそうです。イスラエルの研究チームが、同国のコロナ軽症患者30万人と非感染者30万人のデータを比較しました。コロナ後遺症に関連する65の症状について調査したそうです。コロナ軽症患者は感染から30~360日後に、息苦しさや思考力低下をはじめとするいくつかの症状について発症リスクが高まるものの、そのほとんどが感染後1年以内に軽快することが示されたといいます。CNNの記事です。

  • アフリカのマラウイでコレラ死者750人 過去20年で最悪の感染状況

    2023-01-13

    アフリカ南東部のマラウイで昨年3月以来、コレラが拡大し続けているそうです。これまでに2万2759人の患者が確認され、死者は750人。最近は1日に約15人が死亡しており、過去20年で最悪の状況だといいます。コレラはコレラ菌に汚染された水や食品を通じて伝染します。同国の保健相は、安全な水やトイレ、衛生的なごみ処理場を確保できない施設に閉鎖を命じたそうです。屋台や市場などで調理済みの食品を売ることも禁止されたとのこと。AP通信の記事です。

  • 水分不足が早期老化や慢性疾患のリスクを高める

    2023-01-12

    健康に長生きするには、水分補給が重要なようです。米国立衛生研究所(NIH)が、45~66歳の米国人1万1000人を25年にわたり追跡調査しました。体内の水分量の指標で、数値が高いと水分を十分に摂取していない可能性がある血液中のナトリウム濃度に着目。参加者はみな正常範囲内の135~146mmol/Lでしたが、144mmol/Lを超える人は早期老化リスクが50%、早死リスクが20%高かったそうです。濃度が142mmol/Lを超えると、心不全や脳卒中などの慢性疾患リスクが上昇したとのこと。NBC Newsの記事です。

  • 睡眠不足で忘れたことはCOPD治療薬を使うと思い出せる?

    2023-01-12

    睡眠不足が原因で失われた記憶が取り戻せるかもしれません。睡眠不足で記憶障害が起こる時は、ある細胞シグナル伝達分子が減少しているそうです。オランダの研究チームが、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の一般的な治療薬「ロフルミラスト」が、その分子レベルを上昇させる効果があることに着目。物の置き場所を覚えた後に睡眠不足状態にされ、記憶が失われたマウスにロフルミラストを投与したところ、置き場所の記憶が回復することが示されたそうです。ScienceAlertの記事です。

  • 米規制当局、ガスコンロの禁止を検討 健康被害を懸念

    2023-01-11

    米国でガスを使ったコンロが使えなくなるかもしれません。米消費者製品安全委員会(CPSC)が、人体に有害な影響を及ぼす可能性があるとして、ガスコンロの使用禁止を検討していることを明言したそうです。昨年12月に発表された研究では、同国における小児喘息症例の13%が屋内でのガスコンロの使用に起因する可能性が示されたといいます。ガスコンロから放出される微小粒子状物質が、認知症やアルツハイマー病の発症率を高める恐れもあるとのこと。CBS Newsの記事です。

  • 次の感染症の脅威を見つけ出す 英でコロナ検査の検体を利用した新プロジェクト

    2023-01-11

    英国で、深刻な呼吸器疾患の原因となるウイルスを追跡するための新プロジェクトが始まるようです。同国の研究機関が政府などと協力し、新型コロナの検査で鼻や喉から採取された何百万もの検体の残りを使い、遺伝子情報を詳細に分析するそうです。インフルエンザウイルスやアデノウイルス、RSウイルスなど呼吸器疾患を引き起こす8~9種類のウイルスについて調べ、次の感染症の脅威を早い段階で見つけ出す戦略だといいます。BBCの記事です。

  • 子どもの肥満、投薬や手術も選択肢に 米で新ガイドライン公表

    2023-01-10

    米国小児科学会が15年ぶりに、小児肥満に関する新たなガイドラインを公表したそうです。肥満に苦しむ子どもに対して、早い段階から積極的に治療を行う必要性を指摘。食事制限や運動だけでなく、12歳以上には投薬、13歳以上には減量手術を検討するべきだと明記しているそうです。投薬や手術の対象とするべき年齢が設定されたのは初めてといいます。ガイドラインの著者は「これまでのような経過観察は効果がない」と述べているとのこと。AP通信の記事です。

  • 米FDA、アルツハイマー病治療薬「レカネマブ」を迅速承認 安全性に懸念の声も

    2023-01-10

    米食品医薬品局(FDA)は1月6日、製薬大手エーザイと米バイオジェンが開発したアルツハイマー病(AD)治療薬「レカネマブ」を迅速承認しました。この薬は早期AD患者の脳から異常なタンパク質のアミロイドβを除去することで、認知機能の低下を遅らせる可能性があるといいます。一方で、脳の腫れや出血などの深刻な有害事象との関連も指摘されています。なお、米国での卸売価格は患者1人当たり年2万6500ドル(約350万円)とのことです。CNNの記事です。

  • コロナ抗原検査で誤った結果が出る理由

    2023-01-06

    新型コロナの迅速抗原検査キットで、誤った結果が出ることがあるのはなぜなのでしょうか。まず、保管時や使用時の温度が不適切だと、結果が不正確になる可能性があるそうです。そして、検査前にコーヒーやコーラなどの酸性の飲み物を飲むと偽陽性になることがあるといいます。歯磨きなどは口腔のウイルスを一時的に除去するため偽陰性につながるとのこと。また、検査のタイミングはウイルスへの暴露から3~5日は待つ必要があるそうです。INSIDERの記事です。

  • CRISPR-Cas9で生きた腫瘍細胞をゲノム編集 がんを殺し予防もするワクチンを開発

    2023-01-06

    米国の研究チームがゲノム編集技術「CRISPR-Cas9」を使い、腫瘍細胞を直接殺すだけでなく、免疫系を訓練してがんの再発を防ぐ作用を持つワクチンを開発したそうです。チームは、不活化しない「生きた」腫瘍細胞の遺伝子を改変。改変した腫瘍細胞は、腫瘍を殺す物質を放出し、さらに免疫系が長期的に腫瘍を攻撃するようになる因子を発現するといいます。この改変した腫瘍細胞を膠芽腫マウスに投与したところ、安全性と有効性が確認できたといいます。EurekAlert!の記事です。

  • 免疫すり抜け、強力な感染力 オミクロン株派生型「XBB.1.5」が米で急拡大

    2023-01-05

    米国で、新型コロナウイルス新規感染者のうち、オミクロン株から派生した「XBB.1.5」感染者の占める割合が昨年12月の1カ月間で4%から41%に急増したそうです。専門家や世界保健機関(WHO)はこの急拡大に懸念を表明。少なくともすでに世界29カ国でXBB.1.5が確認されているといいます。免疫をすり抜ける能力や感染力が強い可能性が指摘されています。XBB.1.5に対するワクチンの効果は調査中で、重症化の割合が高いかどうかは現時点では不明とのこと。CNNの記事です。

  • 中国のコロナ死者数は「過少報告」 WHOが指摘

    2023-01-05

    中国で新型コロナウイルスの感染が拡大する中、世界保健機関(WHO)は中国当局が公表しているデータについて、実際の状況が反映されていないと考えているようです。中国は先月、呼吸器疾患で死亡した患者のみを「コロナによる死者」として計上するよう基準を変更。12月以降の死者はわずか22人としています。WHOはこの定義が狭すぎると指摘。死者数だけでなく、コロナによる入院者数や集中治療室(ICU)の患者数も過少報告されている可能性があるといいます。BBCの記事です。

  • 2022年医学重大ニュース<後編>

    2022-12-30

    USA Todayが2022年医学重大ニュースとして紹介した話題から、新薬に関するものをまとめました。米食品医薬品局(FDA)は10月、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の新薬を承認しました。この薬を巡っては、有効性を疑問視する声や高額な薬価への落胆の声が上がりました。1型糖尿病の発症を遅らせる初の薬も11月に承認されました。8歳以上の未発症者が対象です。このほか、RSVなど各ウイルス感染症に対するワクチンの開発も続けられており、23年には朗報がもたらされるかもしれません。

  • 2022年医学重大ニュース<前編>

    2022-12-29

    2022年の医学の重大ニュースをUSA Todayがまとめています。サクッと1分!でもほとんどのニュースを紹介しています。再読して1年を振り返ってください。1月、米国の研究チームがブタの心臓を男性患者に移植したことを発表。男性は3月に死亡し、原因はブタのウイルスだった可能性があると判明しましたが、異種移植の可能性が示されました。4月には国際チームが、ヒトゲノムの配列の完全解読を発表。幅広い分野での医学的な進歩につながることが期待されています。<つづく>

  • 細菌感染かウイルス感染かを迅速に識別する新たな血液検査

    2022-12-28

    米国の研究チームが、ウイルスと細菌のどちらに感染しているかを識別する血液検査を開発したそうです。チームは世界35カ国の感染症患者からの検体を使い、遺伝子発現データを分析。ウイルスと細菌では、感染した際に、免疫に関係する8遺伝子で発現の仕方が異なることが分かったといいます。開発した検査は30~45分でどちらの感染かを識別。感度、特異度ともに90%とのこと。深刻さを増す抗菌薬の乱用を防ぐ手立てになるかもしれません。Medical Xpressの記事です。

  • 手術中の病理迅速診断の精度を上げるAIツール

    2022-12-28

    米国とトルコの研究チームが、術中迅速病理診断の精度を向上させる人工知能(AI)を開発したそうです。組織をホルマリンで固定する通常の病理診断は正確ですが、時間かかります。そのため手術中は、組織を急速冷凍して観察する術中迅速病理診断が行われます。ただこの方法は、組織が傷つくなどして不正確なことがあるといいます。チームが開発したAIは術中迅速病理診断で使う画像を通常の病理検査で使う高品質な画像に変換できるそうです。Medical Xpressの記事です。

  • 慢性的な腹痛の治療標的を特定 オピオイドが不要になる可能性

    2022-12-27

    内臓の痛みの管理にオピオイドを使う必要がなくなるかもしれません。米国と豪州の研究チームが、2021年のノーベル医学生理学賞の主題として知られ、触覚や温度の受容体である「Piezo(ピエゾ)2」が腸にも存在することを確認。さらに、腸の痛覚に関連する主なイオンチャネルがピエゾ2の仲間であることも判明したそうです。ピエゾ2を標的にすることで、過敏性腸症候群などの胃腸障害にともなう慢性疼痛を治療できる可能性があるといいます。EurekAlert!の記事です。

  • 新たな変異株出現につながる可能性 中国でのコロナ急拡大に専門家が懸念

    2022-12-27

    新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない中国から、新たな変異株が出現する可能性があるとして、専門家が警戒しているようです。中国が公表している同国のワクチン接種率は高いのですが、使用している中国産ワクチンの効果がそもそも低い上に、高齢者の間ではブースター接種率が低いといいます。専門家は「集団免疫が確立していない環境」と指摘し、このような状況は新たな変異株発生の危険性を高めるとの懸念を示しています。AP通信の記事です。

  • カリフォルニア大学が過去の囚人実験を謝罪

    2022-12-23

    米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)が、囚人に対して行った非倫理的な実験について謝罪したといいます。1960年代と70年代に、同大学医学部の皮膚科医2人が、刑務所の医療施設で少なくとも2600人の男性囚人に対して、殺虫剤や除草剤を皮膚に塗布したり、静脈に注射したりしたといいます。UCSFはこれを認め謝罪。被害の程度などを把握するために、さらに分析が必要としています。AP通信の記事です。

  • ゲノム編集技術「CRISPR-Cas9」で拡張型心筋症の治療進歩か

    2022-12-23

    狙った遺伝子を改変するゲノム編集技術「CRISPR-Cas9」を用いて、一般的な遺伝性心疾患「拡張型心筋症(DCM)」を治療できるかもしれません。米国の研究チームが、DCMを引き起こす遺伝子変異を持つヒトの心筋細胞に、CRISPR-Cas9を使用。変異細胞は徐々にDCM固有の特徴を失っていったそうです。同様の遺伝子変異を持つ生後1週間のマウスにもCRISPR-Cas9を用いたところ、発症することなく平均寿命を全うしたといいます。Medical Xpressの記事です。

  • コロナ後遺症「ブレインフォグ」は既存薬で治療できる

    2022-12-22

    「新型コロナ後遺症」で頭がぼうっとする「ブレインフォグ」は、注意欠如・多動症(ADHD)や外傷性脳損傷(TBI)に使われる一般的な薬2種の併用で改善するかもしれません。米国の研究チームが、コロナ後遺症に悩む患者12人を対象にN-アセチルシステイン(NAC)600mgとグアンファシン1mgを就寝時に投与。1カ月後、グアンファシンは2mgに変更されたそうです。調査に最後まで参加した8人全員が、ブレインフォグの大幅な改善を報告したといいます。ScienceAlertの記事です。

  • 1日2杯以上のコーヒーで、重症高血圧患者の心疾患死亡率倍増

    2022-12-22

    重症高血圧の人はコーヒーを飲みすぎないほうがいいようです。日本の研究チームが、40~79歳の男女1万8600人を19年近く追跡調査。血圧が160/100mmHg以上の重症高血圧患者について、1日2杯以上コーヒーを飲む人は全く飲まない人に比べて、心血管疾患で死亡するリスクが2倍高くなることが分かったそうです。コーヒー1杯では、リスクが上昇することはなかったといいます。同じくカフェインを含む緑茶の摂取もリスクには関連しなかったとのこと。EurekAlert!の記事です。

  • 鼻水の色で分かるあなたの健康状態

    2022-12-21

    鼻水の色で健康状態を把握してみませんか。透明な鼻水は正常ですが、量が急増した場合はアレルギーや風邪の引き始めのサインだそうです。白い鼻水が出る場合はたいてい、感染やアレルギーなどで鼻腔が刺激され、腫れている状態だといいます。黄色や緑色の鼻水は、感染と戦っていることを意味するそうです。通常、赤色や茶色の鼻水は血液が原因とのこと。黒色は喫煙が原因で、ヘビースモーカーや肺疾患の人に多く見られるといいます。ScienceAlertの記事です。

  • 胎盤幹細胞で赤ちゃんの先天性心疾患を治療 世界初の試み

    2022-12-21

    英国で世界初の幹細胞技術を使って、生まれつき心臓の大動脈で逆流が生じる疾患を持つ赤ちゃんの命が救われたようです。この赤ちゃんは生後4日で心臓手術を受けたものの状態は改善せず、心機能が著しく低下。そこで、同国の研究チームがドナーの胎盤から採取した幹細胞を赤ちゃんの心臓に直接注入したところ、損傷した心筋が再生したそうです。この赤ちゃんは現在2歳になり、薬や機械の力を借りることなく元気に生活しているといいます。BBCの記事です。

  • 緑色の光で痛みが軽減 マウス実験で仕組みが明らかに

    2022-12-20

    緑色の光には鎮痛効果があるそうです。中国の研究チームがマウスの実験で、鎮痛に視細胞(錐体細胞と桿体細胞)が深く関わっていることを発見。マウスに緑色の光を浴びせて調べたところ、色を感知する錐体細胞を不活性化したマウスは鎮痛効果が全く得られず、明暗を感知する桿体細胞を不活性化したマウスは部分的な鎮痛効果しか得られなかったそうです。緑色の光を浴びると、視細胞が鎮痛に関わる脳細胞を刺激することも分かったといいます。ScienceAlertの記事です。

  • 中国でコロナ患者急増、今冬に感染拡大の波が3回訪れる可能性

    2022-12-20

    中国で新型コロナの感染者が急増しています。中国では今冬、感染拡大の波が3回訪れると予測されており、中国保健当局のトップは「現在第1波が訪れている」との見解を示したそうです。第1波は1月半ばまで続く見込み。第2波は1月21日から始まる旧正月休暇が引き金になり、第3波は人々が仕事に戻る2月末~3月半ばに訪れるとみられています。米国の研究機関によると、中国では2023年に100万人以上がコロナで死亡する可能性があるといいます。BBCの記事です。

  • 全く逆の働きをしていた? 情報伝達物質IL-37が炎症を促進

    2022-12-19

    アイルランドの研究チームが、これまで免疫応答を鎮める役割があると考えられてきた「インターロイキン37(IL-37)」が、実際には全く逆の働きをすることを確認したそうです。自己免疫疾患の一種で皮膚が炎症を起こす「乾癬」の発症には、皮膚のインターロイキン受容体が重要な役割を果たします。チームは、そこにIL-37が結合することを発見。IL-37が適切な方法で活性化されると、強力な炎症促進作用を発揮することが明らかになったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 救命救急室受診者の6%に誤った診断か 米政府機関が調査

    2022-12-19

    米国で年間1.3億人が受診するという救命救急室(ER)で、18人に1人(約6%)に対して誤った診断が下されている可能性があるようです。米政府機関である医療品質研究調査機構(AHRQ)が、2000年1月~21年9月に発表された300近くの研究を分析した結果です。ERでは毎年、740万件の誤診が起きていると推計されるそうです。260万人の患者が回避できたはずの損害を被り、別の37万人は誤診によって回復不能な障害を負ったり、死亡したりしているといいます。CNNの記事です。

  • 2年間の世界のコロナ死者数、実際は3倍の約1500万人か

    2022-12-18

    世界保健機関(WHO)が、新型コロナウイルス感染症による死者数に関する新たな調査結果を公表したようです。より正確な死者数を推定するため、WHOは「実際に生じた死者数」から「パンデミックが起きなかったと仮定した場合の予測死者数」を引いた「超過死亡数」を分析。2020年と21年の2年間で、コロナによって世界で1480万人の超過死亡が発生したとの結論が出たそうです。この数字は、以前報告されていた世界のコロナ死者数の約3倍に当たるとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • コロナ感染による嗅覚・味覚障害、抗体価の高い人がなりやすい

    2022-12-17

    新型コロナウイルスに感染すると、なぜ一部の人だけが嗅覚や味覚に異常を来すのでしょうか。米国の研究チームが、パンデミックの初期にコロナに感染し、回復した患者306人の血液サンプルを調査しました。コロナに対する抗体価が高かった人は、抗体価が平均以下だった人に比べて、嗅覚障害や味覚障害に苦しむ可能性が2倍高かったそうです。患者の免疫応答の強さが、嗅覚や味覚の異常に関連していることが示唆されたといいます。Medical Xpressの記事です。

  • CAR-T細胞療法、脳や脊髄のリンパ腫に有効な可能性

    2022-12-16

    患者自身のT細胞を改変した「CAR-T細胞」で、中枢神経(脳、脊髄)のリンパ腫を安全に治療できるかもしれません。米国の研究チームが、中枢神経系にのみリンパ腫がある患者9人にCAR-T細胞療法薬「アキシカブタゲンシロルユーセル(Axi-Cel)」を投与。腫瘍が、患者の78%で縮小または消失し、67%で完全に消失したといいます。これらの効果は10カ月間続いたそうです。また、脳脊髄液中のCAR-T細胞によって、免疫系が活性化されることも示されたといいます。EurekAlert!の記事です。

  • 人工甘味料が不安症を引き起こす可能性 マウス実験で孫の代まで影響することが判明

    2022-12-16

    低カロリーの食品や飲料に広く使われている人工甘味料「アスパルテーム」が、不安症を引き起こすかもしれません。米国の研究チームが、米食品医薬品局(FDA)が推奨する1日最大摂取量の15%に相当するアスパルテームを含む水を用意。マウスに飲ませたところ、情緒検査で不安を表す行動を多く取り、不安などに関わる脳の偏桃体に著しい変化が見つかったそうです。この影響は、アスパルテームを実際に摂取したマウスの孫の代まで引き継がれたとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • mRNAがんワクチンで、黒色腫患者の再発・死亡リスク低下

    2022-12-15

    米製薬大手のモデルナとメルクは12月13日、mRNA技術を使った個別化がんワクチンが後期第2相(2b)試験で有望な結果を示したと発表しました。対象はステージ3または4の悪性黒色腫(メラノーマ)で既に手術を受けた患者157人。モデルナ開発のワクチンとメルクのがん免疫治療薬キイトルーダを併用した人は、キイトルーダの単独使用者に比べて再発や死亡のリスクが44%低かったそう。重篤な有害事象の発生率は併用群で14.4%、単独使用群で10%だったとのこと。CNNの記事です。

  • 英国、新生児10万人を対象に全ゲノム解析実施へ

    2022-12-15

    英国の国民保健サービス(NHS)は2023年から、健康な新生児10万人に全ゲノムシーケンシング(WGS)を提供するプロジェクトを実施するそうです。治療可能な200近い遺伝子疾患のスクリーニングを行うといいます。このプロジェクトによって、これまで新生児の時点では見逃されてきた、疾患を持つ子どもを数百人特定できると推計されています。高齢になってから発症する一部のがんに関わる遺伝子変異も特定できますが、プロジェクトの対象ではないとのこと。BBCの記事です。

  • 腸内細菌叢組成の不均衡がパーキンソン病発病に関与か

    2022-12-14

    多くの種類の腸内細菌がパーキンソン病(PD)に関与しているそうです。米国の研究チームが、同国最南部に住むPD患者490人と対照群234人の便から直接採取した遺伝物質を調査。調べた257種類の腸内細菌のうち、84種類がPDに関連することが分かったそうです。PD患者では、このうち55種類が異常に増加し、29種類は激減するといいます。こうした広範囲にわたる腸内細菌叢の不均衡が、複数の経路を介してPDを誘発する可能性が示唆されたとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • アトピー性皮膚炎の新薬、治験で有望な結果

    2022-12-14

    アトピー性皮膚炎の新薬候補「rocatinlimab」の治験で有望な結果が得られたようです。米国の研究チームが中等~重度の患アトピー性皮膚炎患者274人に対して、後期第2相(2b)試験を実施しました。この薬は、免疫細胞の表面に発現した分子「OX40」を阻害するモノクローナル抗体です。開始から16週時点で、アトピーの重症度を表す評価指標「EASIスコア」が48~61%低下したといいます。症状の改善は、投薬中止から少なくとも20週間後まで維持されたとのこと。EurekAlert!の記事です。

  • もっと多くの乳がん患者が、乳房温存療法を選択できる可能性

    2022-12-13

    乳房に複数の腫瘍が見つかったからといって、必ずしも全乳房を切除(乳房全摘術)する必要はないようです。米国の研究チームが、片方の乳房に2~3個の腫瘍が見つかり、乳房全摘術の代わりに腫瘍部分の摘出術と放射線照射を受けた40~87歳の女性約200人を追跡調査。腫瘍は全て5cm未満だったそうです。その結果、手術から5年後の再発率はわずか3%で、腫瘍が一つしかない患者が腫瘍摘出術を受けた場合の割合と同等だったといいます。AP通信の記事です。

  • 「塩基編集」で遺伝子改変T細胞を作製 初治療の白血病患者が寛解/英

    2022-12-13

    血液がんの一種であるT細胞急性リンパ性白血病の英国の少女(13)に、「塩基編集」を使った治療が初めて実施されたそうです。塩基編集は、DNAを切らずに特定の塩基を編集して遺伝子を改変する新技術です。英国のチームがこの技術を使って、ドナーから提供されたT細胞を、がん化したT細胞を見つけ出して破壊するよう改変。改変T細胞を少女に投与したところ、がんが抑えられたため骨髄移植を実施し、治療から半年後も寛解が保たれているとのこと。BBCの記事です。

  • 抗パーキンソン病薬、若い1型糖尿病患者の心血管疾患リスクを抑制

    2022-12-10

    子どもの頃から1型糖尿病を持つ人は心血管疾患を発症しやすいことが知られています。米国の研究チームが、これを抑制する方法を見つけたようです。チームは12~21歳の1型糖尿病患者の男女34人を調査。パーキンソン病や2型糖尿病の治療に使われる「ブロモクリプチン」を4週間投与された人はプラセボ群に比べて、収縮期血圧と拡張期血圧が共に低下することが分かったそうです。また、大動脈硬化の改善も確認されたといいます。ScienceDailyの記事です。

  • 口腔細菌と脳膿瘍の関連が明らかに

    2022-12-10

    脳に膿がたまる「脳膿瘍」の予防策として、口腔ケアが重要かもしれません。英国の研究チームが、脳膿瘍で入院した患者87人の記録を調査。原因が特定できなかった患者が52人おり、それらの患者から採取した膿瘍には、原因が特定できた患者に比べて約3倍高い割合で口腔細菌が存在することが分かったそうです。また、咽頭炎や菌血症を引き起こすことがある口腔細菌「アンギノーサス群レンサ球菌」が見つかる割合も有意に高かったとのこと。Health Europaの記事です。

  • アルツハイマー病、軸索の膨張が原因か Aβは「関節的」に関与

    2022-12-09

    タンパク質のアミロイドβ(Aβ)沈着は、アルツハイマー病(AD)発症に間接的に関与しているのかもしれません。米国の研究チームがマウスの実験で、Aβ沈着周辺の神経細胞の軸索が細胞小器官のリソソームの凝集によって膨張したような状態になっており、それが認知機能の低下につながることを発見したそうです。さらに、タンパク質PLD3がリソソーム凝集に関連することも判明。Aβ沈着付近の膨張軸索で、特に高レベルのPLD3が発現することが分かったといいます。ScienceAlertの記事です。

  • スイスで、新種のダニ媒介性ウイルスを初検出

    2022-12-09

    中国で2017年に発見された「Alongshanウイルス(ALSV)」が、スイスで広まっているようです。 同国のチューリッヒ大学が、国内のマダニからALSVを初めて検出したそうです。ALSVはダニ媒介性脳炎ウイルス(TBEV)と同じフラビウイルス科で、発熱や頭痛といった感染した際の主な症状もTBEVに似ているとのこと。21年と22年にスイスの複数地域で採取された非常に多くのマダニからALSVの遺伝子配列が見つかっており、すでにTBEVよりまん延している可能性もあるといいます。Medical Xpressの記事です。

  • ロックダウンの影響で、ティーンエイジャーの脳に変化/米

    2022-12-08

    新型コロナの感染拡大防止のために行われたロックダウンによるストレスで、ティーンエイジャーの脳の加齢プロセスが通常より速いスピードで進んだ可能性があるようです。米国の研究チームが、パンデミック前に撮られた子ども81人のMRI脳画像とロックダウン解除後に撮られた子ども82人のMRI脳画像を分析しました。1年弱のロックダウンを経験したことで、3歳年を取ったのと同等の変化が脳で起きたことが確認されたといいます。ScienceAlertの記事です。

  • 冬に風邪をひきやすい生物学的理由が判明

    2022-12-08

    冬に風邪などが流行するのは、冷たい空気によって鼻で起こる免疫応答が半減することが一因のようです。米国の研究チームが、ヒト組織を使ってウイルスや細菌と戦うために鼻孔の細胞が無数に放出する細胞外小胞(EV)の働きを調査。EVはおとりの役割をし、表面にはたくさんの受容体があるといいます。鼻の中の温度が5度下がるだけで、放出されるEVが42%減り、受容体の数は最大70%減少。病原体を攻撃するEV内のマイクロRNAも半減したとのこと。CNNの記事です。

  • 睡眠中の人工照明による「光害」で、糖尿病リスク上昇

    2022-12-06

    都市部に住むだけで、糖尿病リスクが上昇するかもしれません。中国の研究チームが、中国の成人約10万人のデータを分析。屋外の夜間人工照明が多い地域に住む人は、人工照明が最も少ない地域の人に比べて糖尿病発症リスクが28%高かったそうです。中国の糖尿病症例の900万件以上が、こういった光害に起因するものである可能性が指摘されています。これまでの研究で、薄暗い人工光の中で一晩寝るだけで血糖値が上昇することが分かっているとのこと。CNNの記事です。

  • 家庭用空気清浄機で、COPD患者の心血管の健康が改善

    2022-12-06

    慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者は、自宅の室内空気汚染対策をしたほうがいいようです。米国の研究チームが、平均65歳のCOPD患者85人を6カ月間調査。高性能なHEPAフィルターとカーボンフィルターを搭載した家庭用空気清浄機を46人の患者に自宅で使ってもらったところ、全員が心血管の健康を示すいくつかの指標が改善したそうです。特に、心拍間の時間の変化を表す心拍変動(HRV)は25%増大したといいます。一般的に、健康な心臓はHRVが大きくなるとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 大麻の鎮痛効果、効き目への期待から生じる部分大きく

    2022-12-05

    大麻による鎮痛効果は、「思い込み」が影響している可能性があるそうです。スウェーデンの研究チームが、大麻を疼痛管理に使った20の研究を分析。大麻群とプラセボ群の間で痛みの軽減度合いに差は認められず、両群ともに大幅な痛みの改善が報告されたそうです。これは、効き目があると思い込むことでプラセボ(偽薬)でも効果が出る「プラセボ効果」によるもので、鎮痛作用は本物の大麻成分の効果の67%に相当する可能性があるとのこと。CNNの記事です。

  • 英でA群レンサ球菌感染症の重症化例報告が増加 子ども7人死亡

    2022-12-05

    英保健当局は、子どもの間でA群レンサ球菌(A群溶連菌)感染症が重症化する例が増えているとして、注意を呼びかけたようです。イングランドでは今年9月以降、この菌が肺や血液に侵入して重症化する侵襲性A群レンサ球菌感染症で子ども6人が死亡。ウェールズでも女児1人が死亡したそうです。高熱や発疹が出る猩紅(しょうこう)熱の患者数も高い水準で推移しているとのこと。A群レンサ球菌感染症は通常、春先から初夏にかけて流行します。BBCの記事です。

  • 尿中のギ酸レベルで、初期のアルツハイマー病を特定

    2022-12-04

    簡単かつ安価な尿検査で、アルツハイマー病を早期に発見できるようになるかもしれません。中国の研究チームが、さまざまな重症度のアルツハイマー病患者と正常な認知機能をもつ健康な人を合わせた計574人の尿や血液を分析。アルツハイマー病患者は健康な人に比べて、尿中のギ酸量が有意に多いことが分かったそうです。ギ酸量の増加は、自分だけが物忘れがあることに気づく段階「主観的認知機能低下(SCD)」の人にも見られたとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • HIVワクチン候補、第1相試験で有望な結果 広域中和抗体を誘導

    2022-12-03

    ヒト免疫不全ウイルス(HIV)ワクチンの開発が一歩前進したようです。米国とスウェーデンの研究チームが、18~50歳の健康な成人48人を対象に「eOD-GT8 60mer」と呼ばれるHIVワクチンの第1相試験を実施。このワクチンはウイルスのさまざまな遺伝子変異に応答することができる広域中和抗体の産生を誘導するといいます。8週間間隔で2回接種した36人のうち35人で、広域中和抗体が確認されたそうです。重篤な有害事象は認められず、安全性が示されたとのこと。CNNの記事です。

  • アルツハイマー病新薬レカネマブ、第3相試験で有効性確認 安全性に懸念も

    2022-12-02

    製薬大手エーザイなどが開発するアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」に関する第3相試験の結果が公表されたそうです。治験は早期アルツハイマー病患者1795人に行われました。投与開始から18カ月時点で、レカネマブ群はプラセボ群に比べて認知症状の悪化が27%抑制されたそうです。一方でリスクについても示されています。脳出血はレカネマブ群の17.3%、プラセボ群の9%で発生。脳浮腫はレカネマブ群の12.6%、プラセボ群の1.7%で認められたとのこと。CNNの記事です。

  • 米FDA、腸炎への糞便移植製品を初承認

    2022-12-02

    健康な人の便から作られるフェリング・ファーマ社の「Rebyota」が、医薬品グレードの糞便移植製品として初めて米食品医薬品局(FDA)に承認されたようです。Rebyotaの対象は、クロストリジウム・ディフィシルによる腸炎を再発し、抗菌薬治療を受けたことがある成人患者です。直腸から行う投与は、1回で完了するといいます。臨床試験では、Rebyota 群の70%で8週間後に症状が解消したのに対し、プラセボ群で症状が解消したのは58%だったとのことです。AP通信の記事です。

  • 変形性膝関節症、コルチコステロイド注射で悪化の可能性

    2022-12-01

    変形性膝関節症(膝OA)の治療によって、かえって状態が悪化する可能性があるようです。米国の研究チームが、X線またはMRIの画像を使って膝OAの進行を2年以上追跡したそうです。コルチコステロイド注射を受けた人は、ヒアルロン酸注射を受けた人や何も治療を受けなかった人に比べて膝軟骨の退行性変化が進んでいることが分かったといいます。ただし、画像上で悪くなっていても、患者が感じる痛みは悪化していない場合もあるとのことです。CNNの記事です。

  • アルツハイマー病新薬「レカネマブ」の治験で2件目の死亡例

    2022-12-01

    製薬大手エーザイのアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」の治験に参加した65歳の女性が死亡したそうです。脳卒中を発症した女性に血栓溶解薬tPAを投与したところ、脳内で大量出血が起きたといいます。この薬の治験参加者が死亡するのは2例目で、2人ともタンパク質アミロイドβ(Aβ)が血管壁に沈着することによって血管がもろくなる脳アミロイドアンギオパチー(CAA)があったそうです。CAA患者に対するAβ除去の危険性が指摘されています。Medical Xpressの記事です。

  • 尿路感染症の舌下錠ワクチン、動物実験で有望な結果

    2022-11-30

    尿路感染症(UTI)の治療に抗菌薬が必要なくなるかもしれません。米国の研究チームが、尿路感染症を引き起こす尿路病原性大腸菌(UPEC)に対するワクチンを開発したそうです。舌下錠で、成分が粘膜を透過するよう設計されているといいます。UPECに対する免疫応答が尿路で誘導されることが確認されたとのこと。マウスやウサギの実験では、抗菌薬と同等の有効性が認められたうえ、繰り返し使用しても胃腸障害の副作用は起きなかったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • サル痘の名称を「M痘」に変更へ WHOが発表

    2022-11-30

    世界保健機関(WHO)は11月28日、今年に入って欧米を中心に感染が拡大した「サル痘(monkeypox)」の名称を「M痘(mpox)」に変更することを推奨すると発表しました。混乱を避けるため、1年間は新旧両方の名称を併用する予定だそうです。サル痘の名称の由来は、このウイルスが最初にサルから見つかったためです。しかし自然宿主はまだ明らかになっていません。サル痘の名称は差別や偏見につながる懸念があることから、WHOが新たな名称を公募していたといいます。CNNの記事です。

  • 米FDA、血友病Bの遺伝子治療薬を承認 薬価は世界最高

    2022-11-29

    CSLベーリング社が開発した血友病Bのための遺伝子治療薬「Hemgenix」が、米食品医薬品局(FDA)に承認されたそうです。この薬は、ウイルスをベースにしたベクター(運び屋)が、血液凝固に関わるDNAを肝臓の標的細胞に送達するといいます。必要な価格は投与1回当たり350万ドル(約4億8600万円)で、医薬品としては世界最高額。しかし、血友病Bの既存薬も非常に高額なうえ定期的な治療が必要なのに対し、Hemgenixはたった1回の静脈点滴ですむそうです。ScienceAlertの記事です。

  • 街路樹が多く植えられた地域は住民の死亡率が低い 米国の調査で明らかに

    2022-11-29

    地域の緑を増やすことで、都市部の人の寿命を延ばすことができるようです。米農務省が率いる研究チームが、オレゴン州ポートランドで1990~2019年に実施された植樹活動のデータを使って分析。街路樹が多く植えられた地区の死亡率は低く、特に男性や65歳以上の高齢者における心血管疾患による死亡や、事故など以外の非偶発的な死亡が減少したといいます。また、樹木の高さが高い地区の人ほど、死亡率が低くなる傾向にあることも明らかになったとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 中国、コロナ新規感染者数が過去最多 一部地域で事実上のロックダウン

    2022-11-25

    ゼロコロナ政策が続く中国で11月23日、新型コロナの新規感染者が3万1527人確認されたそうです。2022年4月に記録された2万8000人を上回り、過去最多を更新。同国は数週間前に一部の規制を緩和していたそうです。しかしその後、北京や広州などの大都市を中心に感染が再拡大し、現在一部地域では飲食店や学校が閉鎖されるなど事実上のロックダウンになっているといいます。長引く厳しい規制が、経済や市民生活に大きな打撃を与えているとのこと。BBCの記事です。

  • 流産や中絶の後、次の妊娠まで6カ月待つ必要はない

    2022-11-25

    流産や中絶後に再び妊娠するまで6カ月間空けることを推奨する世界保健機関(WHO)のガイドラインは、見直される必要があるようです。豪州の研究チームがノルウェーで、流産後の出産4万9058件と中絶後の出産2万3707件を調査。流産から6カ月未満での妊娠は、6~11カ月後の妊娠と比べて胎児発育不全リスクが低いことが明らかに。また、流産や中絶から3カ月未満での妊娠は、有害な妊娠転帰(結果)のリスク上昇に関連しないことも分かったそうです。Medical Xpressの記事です。

  • 風土病とされてきた土壌中の真菌による肺感染症、米全土に広がり

    2022-11-24

    日本でも似たような事が起こるかもしれません。米国で、これまで一部地域の風土病とされていた土壌の真菌による感染症が全土で確認されるようになってきたそうです。同国の研究チームが、公的医療保険の請求データから、2007~16年の真菌性肺感染症の症例数を郡ごとに推計。3143郡のうちヒストプラズマ症は1806郡、ブラストミセス症は547郡、コクシジオイデス症は339郡でそれぞれ確認されており、これらの郡は全州に散らばっているといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 「善玉コレステロールで心臓病リスク予測」は見直す必要がある

    2022-11-24

    善玉コレステロールと呼ばれる「HDLコレステロール(HDL-C)」は、これまで考えられていたほど心臓病リスクの予測に有用ではないかもしれません。米国の研究チームが、45歳以上の成人数千人の10年にわたるデータを分析しました。HDL-Cレベルが低い白人は心臓発作リスクが高かったものの、黒人には同じことは当てはまらなったそうです。さらにどちらのグループでも、HDL-Cレベルが高いと心血管疾患リスクが低下するとの結果は見られなかったといいます。CNNの記事です。

  • 30年前の凍結胚が無事赤ちゃんに 米で「双子」誕生

    2022-11-23

    1992年4月22日に凍結された胚を使って、米オレゴン州の女性が「双子」の赤ちゃんを出産したそうです。この凍結胚は、別の匿名夫婦(夫は当時50代前半、妻は当時34歳)によって提供されたもの。無事に生まれた凍結胚の保存期間としては今回の30年が世界最長だといいます。2022年2月28日に融解した凍結胚五つのうち三つが移植可能で、3月2日に三つ全てを女性に移植。そして二つの胚が妊娠につながり、10月31日に無事に2人を出産したとのこと。CNNの記事です。

  • がんワクチンで、膠芽腫患者の生存期間が延長/第3相試験

    2022-11-23

    患者本人の免疫細胞(樹状細胞)を取り出し、脳腫瘍を標的にするように設計して作ったワクチン「DCVax-L」が、臨床試験で有望な結果が出たようです。英国などの研究チームが、標準治療を受ける成人の膠芽腫患者331人に第3相試験を実施。初発膠芽腫患者では、追加の化学療法と共にDCVax-L投与を受けた群の平均生存期間は19.3カ月で、対照群の16.5カ月を上回ったそうです。再発患者における平均生存期間は、DCVax-L群が13.2カ月で、対照群は7.8カ月だったとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 英国で2歳児が死亡 家庭で発生するカビの危険性と対策方法

    2022-11-22

    英国で2歳の男の子が、カビ(真菌)が原因の呼吸器疾患で死亡したそうです。カビによる健康被害を防ぐにはどうしたらよいのでしょうか。カビは湿った場所で繁殖し、その胞子はいたるところに存在しており、空気中に放出されているそうです。これを吸い込むと、喘息や感染症、アレルギーなどのリスクが高まるといいます。家庭でのカビの主な原因は結露だそうです。「換気をよくして湿度を下げる」「水滴をぬぐう」などの対策が有効とのこと。BBCの記事です。

  • 米FDA、初の1型糖尿病予防薬を承認 発症前の患者特定がカギに

    2022-11-22

    米食品医薬品局(FDA)が11月17日に、1型糖尿病の発症を遅らせる初の薬「Teplizumab(テプリズマブ)」を承認しました。米Provention Bio社が開発した薬で、インスリンを産生する膵(すい)臓の膵β細胞に対し、免疫細胞が誤って攻撃を与えることを抑制するといいます。膵β細胞を攻撃する自己抗体と血糖値異常が検出された8歳以上の未発症者を対象に静脈内投与するそうです。スクリーニング検査によって発症前段階の患者を早期に特定することが課題とのこと。CNNの記事です。

  • 新型コロナの治験めぐり、「FDAの監督は不十分」と専門家が非難

    2022-11-21

    新型コロナのワクチンや薬が猛スピードで開発された裏側で、米食品医薬品局(FDA)の監督が不十分だったと豪州のジャーナリストが指摘しています。153あったファイザーのワクチン治験施設のうち、FDAが承認前に査察したのは9施設のみ。モデルナ製ワクチンやコロナ治療薬レムデシビルの査察にも同様の少なさだったそうです。データ捏造などの問題が指摘された施設もあったのですが、その施設は調査さえ行われていないとの告発もあるといいます。Medical Xpressの記事です。

  • ハンセン病の原因菌「らい菌」活用で、肝臓を再生できる可能性

    2022-11-21

    ハンセン病を引き起こす「らい菌」の隠れた能力が、肝臓病の新しい治療法の開発につながるかもしれません。英国の研究チームは、アルマジロがらい菌に感染することに着目し、感染したアルマジロの肝臓を調査しました。すると、らい菌は細胞の健康な成長を促し、肝臓の大きさを2倍にする能力があることが分かったそうです。細胞のDNAを分析したところ、らい菌の作用で肝細胞が発達の初期段階に若返っていることが確認されたといいます。BBCの記事です。

  • ロシュ開発中のアルツハイマー病治療薬、第3相試験で効果認められず

    2022-11-20

    スイス製薬大手ロシュ社が、開発中のアルツハイマー病(AD)治療薬「ガンテネルマブ」について、早期AD患者における記憶障害の悪化などを抑制する効果は認められなかったとする治験(第3相)の結果を公表したそうです。ガンテネルマブは、AD患者の脳内に蓄積することで知られるタンパク質のアミロイドβ(Aβ)を除去するよう設計されています。しかし今回の治験結果によると、Aβの減少レベルは想定より低いものだったといいます。CNNの記事です。

  • アルツハイマー病治療薬アデュカヌマブ、承認時の証拠を問題視する声

    2022-11-20

    米食品医薬品局(FDA)が承認したアルツハイマー病治療薬「アデュカヌマブ」について、承認をいったん保留にするべきとの声が一部の研究者から上がっているようです。研究者たちは、疾患の原因がタンパク質アミロイドβ(Aβ)の沈着であるとする仮説に疑問を呈し、さらに承認時の証拠としてアミロイドPET検査の結果が使われたことを問題視。PET検査の結果は、Aβの減少ではなく、薬による脳損傷の増加を示している可能性があると指摘しています。Medical Xpressの記事です。

  • 「大麻はたばこより安全」は間違い

    2022-11-19

    大麻はたばこより安全だという考えは間違っているかもしれません。カナダの研究チームが、「大麻とたばこの両方を吸う人56人」と「25年以上たばこを吸うヘビースモーカー33人」の胸部CT画像を比較。大麻とたばこを吸う人の75%、たばこのみを吸う人の67%にそれぞれ肺気腫が見られたそうです。一見すると小さいように思うこの8%の差には大きな意味があり、大麻の使用がたばこのみの喫煙以上に肺にダメージを与える可能性が指摘されています。CNNの記事です。

  • 経膣分娩と帝王切開、生まれた子どものワクチン効果に差

    2022-11-19

    産道を通る時に母親の膣内の細菌を受け継ぐことは、赤ちゃんにとってメリットがあるそうです。英スコットランドとオランダの研究チームが、正期産で生まれた健康な赤ちゃん120人の腸内細菌叢を1歳まで追跡調査。経膣分娩児はビフィズス菌や無害な大腸菌を多くもつことが分かったそうです。こうした腸内細菌の影響で、経膣分娩児の肺炎球菌や髄膜炎菌のワクチンによる抗体レベルは、帝王切開児に比べて倍増する可能性が示唆されたとのこと。BBCの記事です。

  • コロナワクチン後の発熱と抗体価に関連性はあるのか 岡山大が調査

    2022-11-18

    新型コロナワクチン接種後に発熱のある人は、高い抗体価が得られるのでしょうか。岡山大学が、モデルナ製mRNAワクチンの3回目接種を受けた49人を調査。接種後に発熱した人は、そうでない人に比べてワクチン接種1週間後の抗体価が大幅に高かったそうです。しかし接種1カ月後になると、発熱の有無と高い抗体価の間に関連性は認められなかったといいます。発熱は、20~49歳の若年層やアレルギーの病歴がある人の間で多く見られたとのこと。EurekAlert!の記事です。

  • 前十字靱帯の断裂に手術は不要? リハビリのみで治癒も

    2022-11-18

    前十字靱帯(ACL)損傷が自然に治癒することはないとする「常識」が覆るかもしれません。豪州の研究チームが、ACLを断裂した18~35歳のプロスポーツ選手ではない一般の人のデータを分析。再建術を受けずにリハビリテーションのみを行った人の53%で、損傷から2年後にACLが治癒していることがMRI画像から明らかになったそうです。この人々は再建術を受けた人々に比べて、損傷から2年後の膝の痛みや機能、QOLに関する満足度も高かったとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • アルツハイマー病の研究者が主張 「症状が現れる前に診断すべき」

    2022-11-17

    症状が現れる前から、脳スキャンでアルツハイマー病(AD)を見つけることができるようです。スウェーデンの研究チームが、認知機能に問題のない1325人を調査。PET検査で、ADに関係すると考えられているタンパク質のアミロイドβ(Aβ)とタウが脳に見つかった人は、その後数年間でADを発症するリスクが20~40倍高かったそうです。チームは、Aβとタウの両方が脳に存在する場合、認知機能の低下がなくてもADと診断するべきだと考えているといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 後遺症のない髄芽腫治療のカギか マウス実験で酵素を特定

    2022-11-17

    小児悪性脳腫瘍「膠芽腫」の既存の治療法は、子どもの脳の発達を妨げるという後遺症が問題になっています。それを回避する方法が見つかったかもしれません。カナダの研究チームが、最も悪性度の高いMYC遺伝子増幅型の髄芽腫のモデルマウスで調査。「DHODH」と呼ばれる酵素の産生を阻害すると、腫瘍の増殖が止まり、健康な脳細胞や神経細胞は悪影響を受けないことが分かったといいます。臨床試験に到達するまでには数年かかる見込みとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 腸内細菌叢が健康状態を決める? 血中代謝物の組成に大きく影響

    2022-11-16

    人間の健康状態を反映するとされる「血中代謝物」の組成が、人によって違うのはなぜでしょうか。米国の研究チームが、1500人以上から検出された930の血中代謝物を分析しました。検出された代謝物の60%以上が、腸内細菌叢または遺伝的要因と関連していることが明らかになったそうです。そしてこのうち69%は、腸内細菌叢が単独で影響を及ぼしていることが分かったといいます。一方、遺伝的要因が単独で代謝物に関与する割合は15%だったとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • カギは未知のニューロンか 電気刺激で脊髄損傷患者が歩けるように

    2022-11-16

    歩行能力の改善に関わる未知のニューロンが特定されたようです。スイスの研究チームが、脊髄損傷による重度または完全麻痺がある患者9人を調査。週4~5回のペースで5カ月間にわたり脊髄硬膜外電気刺激とリハビリテーションを併用した治療を行ったところ、全員が歩行器具を使って歩けるようになったそうです。モデルマウスでこの理由を探ったところ、「SCVsx2::Hoxa10」と呼ばれるニューロンが歩行能力の改善に関与していることが分かったといいます。ScienceAlertの記事です。

  • 話せなくなった患者の脳波を読み取り、単語をスペリング

    2022-11-15

    米国の研究チームが、脳波を分析して文字に変換する神経機能代替装置を脳卒中で話せなくなった男性の脳に移植し、文字をつづらせることに成功したそうです。各アルファベットに対応する決められた単語があり、例えばアルファベットの「A」をつづりたい時は、男性が「Alpha」と言おうとすると装置が読み取るといいます。これを繰り返すことで単語や文章としてスペリングしたものがモニターに表示でき、1150以上の単語を読み取れたとのことです。ScienceAlertの記事です。

  • 世界初 ポンペ病を胎児の段階から治療

    2022-11-15

    ポンペ病は、必要な酵素が生まれつき不足することで筋力が低下し、ほとんどが生後1年以内で死に至るまれな遺伝性疾患です。米国とカナダの研究チームが女の子の患者に、胎児の段階から酵素を補充する治療を世界で初めて実施したそうです。酵素は、妊娠24週ごろから隔週で6回にわたり、母親の腹部に針を刺してへその緒に送られたといいます。生まれた後も治療は続いていますが、女の子は1歳4カ月現在も順調に成長しているとのこと。AP通信の記事です。

  • 実験室で作られた血液を最初の2人に投与 世界初の臨床試験

    2022-11-13

    献血協力者に頼らず、輸血用血液を確保できるようになるかもしれません。英国の研究チームが、献血された血液から赤血球になることができる幹細胞を採取し、大量の赤血球を作製したそうです。2人に対して世界初の臨床試験が始まっており、少なくとも4カ月の間隔をあけて5~10mlの「実験室の血液」と「通常の血液」を2回輸血するといいます。実験室で作られた赤血球のほうが、体内で長持ちすることが期待されているそうです。BBCに紹介されています。

  • 眼疾患治療薬「ベルテポルフィン」がコロナウイルスの複製を阻害

    2022-11-13

    目の病気である脈絡膜新生血管の治療薬「ベルテポルフィン」が新型コロナ治療に有効かもしれません。器官の大きさを制御する細胞内の「Hippoシグナル伝達経路」が活性化すると、ウイルスの複製が抑えられることを米国の研究チームが確認。この経路はタンパク質「YAP」の働きで不活性化するため、ヒト培養細胞をYAP阻害薬のベルテポルフィンで処理してコロナに感染させたところ、ウイルスが検出可能レベルを下回ることが分かったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 多発性硬化症患者を救う「薬の切り替え」

    2022-11-12

    副作用などが原因で多発性硬化症(MS)の再発予防薬「フィンゴリモド(商品名・イムセラ、ジレニア)」の服用を中止する場合、次にどの薬を選択すればいいのでしょうか。豪州の研究チームが、世界最大のMSデータベースで薬の有効性を調査。再発寛解型MS患者がフィンゴリモドから「オクレリズマブ」か「ナタリズマブ(商品名・タイサブリ)」に切り替えると、再発回数が抑制され、身体の機能障害も安定または改善することが分かったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • コロナmRNAワクチン後の心筋炎リスク、ファイザーとモデルナで比較

    2022-11-12

    新型コロナのmRNAワクチン接種後に起こる心筋炎・心膜炎リスクについての研究結果です。カナダの研究チームが、ブリティッシュコロンビア州でモデルナ製かファイザー製のワクチンを2回接種した18歳以上の人を調査。2回目接種から21日以内に心筋炎や心膜炎を発症した割合は、接種100万回当たりモデルナ製が35.6例、ファイザー製は12.6例だったといいます。モデルナ製のリスクが約3倍高いことが分かりましたが、発症は非常にまれなケースとのこと。EurekAlert!の記事です。

  • インフルワクチンに、成人の脳卒中リスク抑制する効果

    2022-11-11

    カナダの研究チームが9年間にわたる400万人以上のデータを分析し、インフルエンザワクチンを打つと脳卒中のリスクが低くなることを明らかにしたそうです。ワクチンを受けた人は、その後6カ月間の脳卒中発症リスクが有意に低下することが判明。これは、脳卒中リスクが高い人だけに限らず、全ての成人に当てはまったといいます。これまでの研究で、インフルワクチン接種は心臓病の人の心臓発作リスクを下げることが知られています。Medical Xpressに紹介されています。

  • さまざまなインフル株の感染を防ぐmRNAワクチン

    2022-11-11

    国際研究チームが、mRNA技術を使った新たなインフルエンザワクチンを開発したそうです。このワクチンは、ウイルス株間でほとんど変化が起きないとされる▽マトリックスタンパク質2(M2)▽ヘマグルチニン(HA)の茎部分▽核タンパク質▽ノイラミニダーゼ(NA)――の四つのタンパク質を標的としたものだといいます。マウスを使った感染の実験では、このワクチンがさまざまなインフル株に幅広く対応できる可能性が示されたとのことです。Medical Xpressの記事です。

  • 膵臓がんは、3年早く診断できる

    2022-11-10

    「体格指数(BMI)」と「糖化ヘモグロビン(HbA1c)値」を定期的に測定することで、膵(すい)臓がんを早期に発見できる可能性があるようです。英国の研究チームが、膵臓がん患者8777人と対照群3万4979人のデータを分析しました。膵臓がん患者には、正式な診断を受ける2年前から急激な体重減少が見られたそうです。HbA1c値の上昇は、診断の3年前から認められたといいます。糖尿病をもつ人の体重減少や、原因不明の高血糖症には特に注意が必要とのことです。EurekAlert!の記事です。

  • 「マジックマッシュルーム」の臨床試験 重度のうつ病治療に有望な結果

    2022-11-10

    マジックマッシュルームの幻覚成分「サイロシビン」が、うつ病の治療薬として使われるようになるかもしれません。英国の研究チームが、欧米10カ国から重度のうつ病患者233人を集め臨床試験を実施。サイロシビン25mgを含んだ錠剤を1錠投与し、心理療法を行うと、3週間後に3分の1の患者が寛解状態になったそうです。12週間経過した時点でも、5分の1の人に有意な改善が見られたといいます。ただし、副作用が認められた患者もいたとのこと。BBCの記事です。

  • パルスオキシメーターの精度に人種間格差 米FDAが会合

    2022-11-10

    パルスオキシメーターで測定した有色人種の血中の酸素濃度(酸素飽和濃度)が不正確であるとの研究結果が相次ぎ、米当局が調査に乗り出したそうです。肌の色が濃いと実際よりも高い値が出てしまうといいます。米食品医薬品局(FDA)は、この機器への懸念について話し合う専門家会議を招集。患者や医師への提言、精度を担保する方法を協議したとのことです。まずは医療従事者が、測定値が不正確である可能性を知ることが重要だといいます。AP通信の記事です。

  • ファイザー、RSVワクチンを年内にも承認申請へ

    2022-11-10

    ファイザー社が開発中のRSウイルス(RSV)ワクチンの臨床試験で、有望な結果が得られたそうです。同社は年末までに米食品医薬品局(FDA)に承認申請を提出する予定。このワクチンは妊婦向けで、母親の体内で作られた抗体が胎児に渡るよう設計されているそうです。生後間もない乳児をRSVから保護する効果があるといいます。臨床試験では、生後3カ月までのRSVによる重症化を82%、医療機関への受診を50%、それぞれ防ぐ効果が認められたとのこと。CNNの記事です。

  • わずか2時間でマウスに抗うつ効果をもたらす新薬

    2022-11-08

    安全で即効性のある抗うつ薬ができるかもしれません。中国の研究チームが、うつ症状を改善するためには、セロトニントランスポーター(SERT)と神経型一酸化窒素合成酵素(nNOS)の相互作用の遮断が有効であると考え、その作用を持つ新薬「ZZL-7」を開発。マウスに注入したところ、内側前頭前皮質のセロトニンレベルが上昇するという、うつ症状が軽減する現象が起こったそうです。薬の効果は2~3時間以内に現れ、副作用も少ない可能性があるとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • インフルとRSが融合した「ハイブリッドウイルス」

    2022-11-08

    実験室での研究中に、全く異なる二つのウイルスが融合した「ハイブリッドウイルス」が見つかったそうです。英国の研究チームが、A型インフルエンザウイルス(IAV)とRSウイルス(RSV)をヒト肺細胞に同時に感染させる研究を行っていたところ、RSVの表面タンパク質を得たIAVを発見。このハイブリッドウイルスはIAVに対する免疫系を回避し、広範囲のヒト細胞に感染できるそうです。ウイルスが肺深部に到達し、重症化につながる可能性もあるといいます。ScienceAlert記事です。

  • 鼻をほじる行為が認知症を誘発する可能性

    2022-11-07

    認知症リスクを抑えたければ、鼻をほじるなどといった鼻の内側を傷つける行為は極力控えた方がいいかもしれません。豪州の研究チームがマウスの調査で、細菌の肺炎クラミジアが、鼻の嗅神経から脳に直接侵入することを実証したそうです。この細菌の侵入に対し脳細胞は、タンパク質「アミロイドβ」を蓄積させるというアルツハイマー病の特徴となる反応を起こすといいます。チームは、ヒトにも同様の経路が存在するかを確認するとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 開発中のアルツハイマー病新薬「レカネマブ」 治験参加者1人死亡か

    2022-11-07

    製薬大手エーザイが開発中のアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」が原因で、治験参加者が死亡した可能性があると医療メディアStatが報じたそうです。同薬については、今年9月に第3相試験で有望な初期結果が得られていました。しかし、被験者の1人が脳出血で死亡していたことが分かったそうです。治験責任医師は、出血がレカネマブに関連するものだと結論付けたといいます。一方エーザイは、他の要因が影響した可能性にも言及したとのこと。CNNの記事です。

  • ドイツ、大麻の合法化計画を発表 近くEUに承認を求める方針

    2022-11-06

    ドイツ政府が、娯楽目的の大麻の所持や販売などを条件付きで解禁する計画案を公表したそうです。それによると、最大30gの大麻の購入や所持を合法化。認可を受けた店が、成人に娯楽目的の大麻を販売することも認められるそうです。私的な大麻草栽培も、3株まで許可されるといいます。今回の合法化は、闇市場対策にもなるようです。同国は近く欧州連合(EU)に対し、この計画案がEU法に沿ったものであるか承認を求めるとのことです。AP通信の記事です。

  • 甘い味? 中国で吸入型コロナワクチンの提供始まる

    2022-11-06

    中国上海市が、口から吸うタイプの新型コロナワクチンの接種を開始しました。このワクチンは、同国のカンシノ・バイオロジクスが開発したといいます。既存のコロナワクチンを接種済みの人を対象に、無料で提供されるそうです。短いノズルから霧状のワクチンをゆっくりと吸入し、5秒間息を止めるだけで完了するとのことです。接種した人からは「ミルクティーを飲んでいるようだ」「甘い味がした」との感想が出ていたといいます。AP通信の記事です。

  • 自閉症マウスの社会性が改善 高気圧酸素治療で

    2022-11-05

    自閉症の人の社会性を高める方法が見つかったかもしれません。イスラエルの研究チームが、気圧を高めた部屋で100%濃度の酸素を吸入させる「高気圧酸素治療」に着目。自閉症の遺伝子変異を持つマウスに対して、1時間の高気圧酸素治療を計40回実施したところ、自閉症に関連する脳内の神経炎症が軽減したそうです。さらに、マウスの社会的関心が高まり、初対面の相手と一緒に過ごすことを好むようになったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 患者が発する声からパーキンソン病と新型コロナを診断するアプリ

    2022-11-05

    患者の話し声をアプリで分析するだけで、パーキンソン病や新型コロナの重症化リスクを早期に特定できるかもしれません。豪州の研究チームが、人工知能(AI)を使って患者の音声記録を分析することで、この2疾患の特徴を識別するアプリを開発したとのこと。アプリはわずか10秒で音声を評価し、治療の要否を助言してくれるそうです。人間には聞き分けづらい声の震えやこわばり、話すスピードの遅さなどを分析し、疾患を検出するといいます。Medgadgetの記事です。

  • 35歳までに禁煙をすれば、死亡率に悪影響及ばず

    2022-11-04

    禁煙は35歳までに成功させたほうがいいようです。米国の研究チームが、1997~2018年にアンケートに答えた25~84歳の成人55万人のデータを分析。このうち 7.5万人が2019年末までに死亡したそうです。そして、35歳までに禁煙をした人の死亡率は、喫煙経験のない人の死亡率とほとんど変わらないことが示されたといいます。全死因死亡率は喫煙経験のない人と比べ、35~44歳で禁煙した人が21%高く、45~54歳で禁煙した人は47%高かったとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 双極性障害、統合失調症、統合失調感情障害に共通する遺伝子を特定

    2022-11-04

    長い間別のものとして考えられてきた複数の精神疾患が、症状だけでなく遺伝的にも共通点があることが分かったようです。米国の研究チームが、「双極性障害」「統合失調症」、それら両方の症状が混在する「統合失調感情障害」に共通する強力な危険因子として「AKAP11遺伝子」を特定したといいます。これら三つの疾患について、研究チームは「互いに境界があいまいなスペクトラム(連続体)の一部と考えられる」としています。AP通信の記事です。

  • 体内時計の「活動期」に食事を取ると、なぜ太りにくいのか

    2022-11-03

    概日リズム(体内時計)における活動期に食事を取ると太りにくいといいます。米国の研究チームがその理由を明らかにしたそうです。チームは、高脂質食を概日リズムの非活動期(昼間)に与えたマウスの方が、活動期(夜間)に与えたマウスよりも体重が増加することを確認。そして、活動期に脂肪細胞内でアミノ酸のクレアチンが増加し、熱産生レベルが高まることを発見しました。これが体重増加の抑制に関係していると考えられるそうです。Medical Xpressの記事です。

  • がんを直接攻撃しない新たなCAR-T細胞療法で、マウスのがんが縮小

    2022-11-03

    米国の研究チームが、がんを直接攻撃するのではない、新たなCAR-T細胞療法を開発したそうです。チームは、免疫細胞のマクロファージが、他の免疫細胞ががんを攻撃するのを妨害してしまうことに着目。マクロファージを破壊するCAR-T細胞を作製し、卵巣や肺、膵臓にがんのあるマウスを治療したところ、がんが縮小したそうです。マクロファージの減少やCAR-T細胞が放出するサイトカインによって、マウスのT細胞ががんを攻撃できるようになったとのこと。ScienceDailyの記事です。

  • 1日3時間以上ゲームをする子どもは認知能力が高い

    2022-11-02

    子どもの認知機能を高めたければ、テレビを見せるよりもゲームをさせる方がいいかもしれません。米国の研究チームが、9~10歳の2000人のデータを分析。1日3時間以上ゲームをする子どもは全くゲームをしない子どもに比べて、短期記憶や衝動抑制のテストの成績が良かったそうです。また脳の画像検査から、ゲームをする子どもの脳は、判断・行動に関わるワーキングメモリと注意力に関連する領域が活性化していることも分かったといいます。CNNの記事です。

  • 腸内細菌叢の乱れと臓器移植後の死亡率の関係が明らかに

    2022-11-02

    腸内細菌叢のバランスが乱れている患者は、臓器移植後の死亡率が高いそうです。オランダの研究チームが、腎臓や肝臓の移植手術を受けた患者1087人から採取した1370の糞便サンプルを分析。腸内細菌叢のバランスが乱れている人の移植後3年生存率が77%だったのに対し、多様性に富んだ腸内細菌叢を持つ人の3年生存率は96%だったそうです。また、移植後に使う免疫抑制薬が腸内細菌叢の乱れの主要因であることも明らかになったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • ジェルで包んだ放射性ヨウ素で、マウスの膵臓がんが消滅

    2022-10-31

    膵臓がんの画期的な治療法が見つかったかもしれません。米国の研究チームが、体内でジェル状になるエラスチン類似ポリペプチド(ELP)で放射性ヨウ素131を包み込んだ、薬効成分を徐々に放出するデポ剤を作製したとのこと。マウスの数種類の膵臓がんに注入したところ、既存の化学療法薬を併用したマウスの80%で、腫瘍が完全に消滅したそうです。ELPデポ剤は他の健康な組織を放射線で破壊せず、最終的には体内に吸収されるといいます。Medical Xpressの記事です。

  • オミクロン株の新系統、世界で続々確認 感染再拡大の恐れ

    2022-10-31

    新型コロナウイルスのオミクロン株について、新たな系統が世界で相次いで見つかっているようです。米国では、「BQ.1」「BQ.1.1」「BF.7」「BA.4.6」「BA.2.75」「BA.2.75.2」を確認。シンガポールなどでは「XBB」が急拡大しているそうです。現在、これらの新系統ウイルスは米国の新規感染者の1/3を占め、欧州でも感染者が増加しているといいます。新系統には既存の抗体医薬が効きにくいとの研究結果も出ており、今冬の流行再拡大が懸念されているとのこと。CNNの記事です。

  • 「がんワクチン、2030年までに入手可能に」独ビオンテック社

    2022-10-31

    患者一人一人に合わせたがんワクチンが一般的になる日はそう遠くないかもしれません。米ファイザー社と共同で新型コロナウイルスmRNAワクチンを開発した独ビオンテック創業者夫妻は、開発中のがんワクチンが2030年までに広く普及する可能性があると予測。mRNA技術を用いたこのワクチンの狙いは、がんを認識して攻撃するよう体を訓練することだそうです。がんの手術直後に、患者個人に合ったワクチンを提供するのが同社の最終目標だといいます。ScienceAlertの記事です。

  • 中世の黒死病生存者が子孫に受け継ぐ、感染症に有利な遺伝子変異

    2022-10-31

    14世紀に世界の人口の30~50%の命を奪った「黒死病(腺ペスト)」の大流行が、欧州人のゲノム進化に影響を与えたようです。米国の研究チームが、ロンドンとデンマークで黒死病大流行による死者のDNAを抽出。これを大流行の前と後に死亡した人のDNAと共に分析したところ、大流行を生き延びるのに関与したとみられる四つの遺伝子変異が特定されたそうです。この変異を持つ人は感染症に強い一方、自己免疫疾患リスクが高くなるといいます。nprの記事です。

  • 睡眠が5時間以下の人、複数の慢性疾患を患うリスク高く

    2022-10-26

    50代以降も健康に過ごしたければ、夜の睡眠時間を5時間より多く確保する必要があるそうです。英仏の研究チームが、英国の公務員8000人を対象に平日の平均睡眠時間を調査したといいます。さらに20年以上にわたり、糖尿病やがん、心臓病などの慢性疾患に関する追跡調査を行ったそうです。50歳時点で睡眠時間が5時間以下だった人は、7時間睡眠の人に比べて慢性疾患を複数抱えるリスクが30%高くなることが分かったとのことです。BBCに紹介されています。

  • 「厳しいしつけ」が遺伝子に影響を与え、うつ病リスクが上昇

    2022-10-26

    厳しすぎるしつけが、子どもの遺伝子の働きを変えてしまう可能性があるようです。ベルギーの研究チームが、平均14歳の男女44人を調査。21人が望ましいしつけを受け、23人は厳しすぎるしつけを受けていたそうです。厳しいしつけを受けた子どもは、多くがうつ病の初期兆候を示したうえ、遺伝子の読み取り方を変化させる「DNAメチル化」が多く認められたとのこと。メチル化の増加は、うつ病リスクに関連することで知られているといいます。EurekAlert!の記事です。

  • 縮毛矯正剤をよく使う女性、子宮がんリスク2倍以上高く

    2022-10-26

    縮毛矯正剤を使うと子宮がんリスクが上昇する可能性があるそうです。米国立衛生研究所(NIH)が、35~74歳の女性3万3497人を11年にわたり追跡調査。過去1年間で4回以上縮毛矯正剤を使ったと報告した人のうち、4.05%が70歳までに子宮がんを発症したそうです。一方、縮毛矯正剤を使ったことがないと報告した人の発症割合は1.64%だったといいます。染色剤やブリーチ剤、パーマ剤については子宮がんリスクとの関連性は見られなかったとのことです。EurekAlert!の記事です。

  • うつ病の早期治療で認知症リスク低下

    2022-10-26

    うつ病と認知症発症リスクの関連性についての研究成果です。中国の研究チームが、英国の中高年35万人のデータを分析。このうちうつ病患者は4万6280人で、研究期間中に認知症を発症したのは725人だったそうです。うつ病は認知症リスクを51%増加させることが分かり、うつ病の治療を受けた人は、受けていない人に比べて認知症発症リスクが30%低かったといいます。ただし慢性的な重症患者が治療を受けても、リスクは低下しなかったとのこと。EurekAlert!の記事です。

  • オミクロン対応ワクチンとインフルワクチン、同時に接種しても安全/米CDC

    2022-10-17

    米疾病対策センター(CDC)によると、新型コロナのmRNAワクチンの追加接種とインフルエンザワクチンは同時に接種しても安全性に問題はないそうです。同時接種をした場合は、倦怠感や頭痛、筋肉痛などの副反応が現れるリスクが8~11%高くなりますが、軽度ですぐに治まるとのことです。なお、臨床試験の結果から、オミクロン株対応のワクチンを追加接種した場合の副反応の発生頻度と症状は、従来のコロナワクチンとほぼ同じとみていいようです。INSIDERの記事です。

  • 大腸内視鏡検査、がん発症予防や死亡リスク減少の効果は?

    2022-10-14

    大腸内視鏡検査の有効性が過大評価されているかもしれません。ノルウェーの研究チームが、大腸内視鏡検査を受けたことがない55~64歳の男女8万4000人を対象に欧州で調査を実施したそうです。その結果、大腸内視鏡検査を受けるよう案内された人(このうち42%が実際に受検)は、そうでない人に比べて10年後の大腸がん発症リスクが18%低かったといいます。大腸がんによる死亡リスクについては、2群の間で有意差はみられなかったとのことです。CNNの記事です。

  • 新型コロナワクチン、3回目接種で得られる大きな保護効果

    2022-10-14

    新型コロナワクチンは、3回接種すると大きな効果が得られるようです。エストニアの研究チームが、ファイザー製コロナワクチンの3回目接種を受けた健康な成人111人を調査。3回目接種から6カ月後の抗体レベルは、2回目接種から6カ月後の抗体レベルに比べて、平均で6倍高かったそうです。また、3回目接種を受けた人の97%が、コロナ重症化を防ぐのに重要な役割を果たすとされるメモリーT細胞を持つことも明らかになったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 糖尿病治療薬メトホルミン、心房細動治療に有効か

    2022-10-14

    2型糖尿病患者に使われる血糖降下薬「メトホルミン」で、心房細動を治療できるかもしれません。米国の研究チームが、米食品医薬品局(FDA)に承認されている2800の薬剤について、コンピューター計算と、薬剤が標的にする遺伝子の分析などを行ったといいます。その結果、メトホルミンが心房細動に関連する30の遺伝子を標的とし、そのうち八つの遺伝子の発現に直接的な影響を及ぼすことが判明。最も有望な治療薬候補と考えられるそうです。ScienceDailyの記事です。

  • チアゾリジンジオン系糖尿病治療薬で、認知症リスク22%低下

    2022-10-14

    2型糖尿病の治療に使われる経口血糖降下薬「チアゾリジンジオン系薬剤(TZD)」を認知症予防に転用できる可能性があるようです。米国の研究チームが、60歳以上の2型糖尿病患者55万9106人を平均8年にわたり追跡調査。TZDを1年以上単独で服用した人は、別の血糖降下薬「メトホルミン」を単独で服用した人に比べて認知症発症リスクが22%低かったそうです。具体的には、アルツハイマー病リスクが11%、血管性認知症リスクが57%抑制されたといいます。Medical Xpressの記事です。

  • ヒトの脳組織をラットに移植 機能させることに成功

    2022-10-14

    米国の研究チームが、ヒトの皮膚組織から作った「ミニ脳(脳オルガノイド)」を生後2~3日のラットの脳に移植することに成功したそうです。脳オルガノイドはラットの神経回路に結合し、行動に影響を及ぼしたとのことです。また、自閉症スペクトラム障害や心臓障害が起こるまれな遺伝性疾患「ティモシー症候群」患者由来の脳オルガノイドを移植したラットから、患者の神経細胞がとても小さく、異常があることが確認されたといいます。AP通信の記事です。

  • 身長に関連する1万2000の遺伝子変異を特定 過去最大規模の調査で

    2022-10-14

    将来身長がどれくらい高くなるかをこれまで以上に正確に予測できるようになるかもしれません。豪州などの研究チームが、540万人の遺伝子データを対象にゲノムワイド関連解析を実施。身長に影響を及ぼす1万2000の遺伝子変異を特定したそうです。この1万2000の変異で、個人間における身長の違いの40%を説明できるといいます。今回の調査は、過去最大規模であることに加え、非欧州系の人が100万人以上含まれている点がポイントとのこと。EurekAlert!の記事です。

  • 鳥のさえずりを聞くと、不安や被害妄想が軽減

    2022-10-14

    鳥のさえずりが聞こえてきたら、立ち止まって耳を傾けるといいかもしれません。ドイツの研究チームが、参加者295人を対象にオンラインで調査を実施したそうです。参加者は鳥のさえずりか交通騒音を6分間聴き、その前後にメンタルヘルスを評価するアンケートに答えたといいます。鳥のさえずりを聴くと、参加者の不安や被害妄想が軽減することが示唆されたそうです。一方、交通騒音は抑うつ状態を悪化させることも分かったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 医師に関する専門用語、患者は意味が分かっていない

    2022-10-14

    医師が自己紹介で気軽に使う言葉であっても、患者には意味が伝わらないことがあるようです。米国の研究チームが、医師の専門分野や肩書を表す用語についての知識を調査。調査した14の専門分野のうち六つについて、半数以上の人が意味を正確に定義できなかったそうです。「腎臓専門医(Nephrologist)」の正解率は20%で最も低かったといいます。医学部生、研修医、指導医などの五つの肩書について、正確に序列を付けられたのはわずか12%だったとのこと。ScienceDailyの記事です。

  • ガンビアで子ども66人死亡 WHOがインド製咳止めシロップへの警告を発表

    2022-10-11

    西アフリカのガンビアで子ども66人が急性腎障害で死亡したそうです。世界保健機関(WHO)は、この件に関連する可能性があるとして、インドの製薬会社メイデン・ファーマシューティカルズの咳止めシロップ4製品に対する国際的な警報を出しました。調査の結果、このシロップが許容量を超えるジエチレングリコールとエチレングリコールに汚染されていることが判明。これらの物質は人体に有害で、腎障害を引き起こすことがあるといいます。BBCの記事です。

  • 栄養素は無関係? ベジタリアンがうつになりやすい理由

    2022-10-11

    ブラジルの研究チームによると、ベジタリアンはそうでない人に比べてうつ症状経験のリスクが2倍高いそうです。ただ、その原因は食事の栄養素ではないとのこと。では一体何が原因なのでしょうか。まず、うつ病の人は罪悪感を持ちやすく、食肉処理の需要を生み出していることに苦しんでベジタリアンになることが考えられるそうです。また、ベジタリアン食への固執が社会生活に悪影響を及ぼすことなども要因として指摘されています。ScienceAlertの記事です。

  • 妊娠中のアセトアミノフェン使用、子どもの睡眠と注意力に悪影響か

    2022-10-07

    妊婦も使用できるとされている解熱鎮痛剤のアセトアミノフェンが、生まれた子どもの発達に有害な影響を及ぼす可能性があるようです。米国の研究チームが、初産婦2400人と生まれた子どもを妊娠後期から産後3年まで追跡調査。睡眠に問題があると考えられる子どもは、母親が妊娠中にアセトアミノフェンを使用した群が22.7%で、非使用群は18.9%だったそうです。注意力に問題を抱える子どもは、妊娠中の同薬使用群が32.9%、非使用群は28.0%だったといいます。ScienceDailyの記事です。

  • 「可溶性アミロイドβ」の量がアルツハイマー病の発症を決める?

    2022-10-07

    タンパク質アミロイドβ(Aβ)の塊(プラーク)の蓄積は、アルツハイマー病(AD)の直接的な原因ではないかもしれません。米国などの研究チームが、ADリスクが高いとされる遺伝子変異を持つ患者を調査。Aβには可溶性のものがあり、そのレベルが高い人は、脳内にすでにプラークが蓄積していたとしても3年以内の認知症発症リスクが低かったそうです。脳内の可溶性Aβが270PG/ML以上あれば、プラーク量に関係なく正常な認知機能が維持されるといいます。EurekAlert!の記事です。

  • 「デジャヴ」はなぜ起こる? 心理学者が「空間レイアウト」で説明

    2022-10-07

    ふとした瞬間に「前にもこんなことがあった」と感じる「デジャヴ(既視感)」を経験したことはありますか。米国の研究チームが、バーチャルリアリティー(VR)を使ってデジャヴが起こるメカニズムを調査したそうです。参加者は、VRでさまざまな空間レイアウトの環境を体験したといいます。似たようなレイアウトの景色を見たことがあるにもかかわらず、はっきりと思い出せない場合に、デジャヴが起こりやすいことが分かったとのことです。ScienceAlertの記事です。

  • 犬と触れ合うことで社会性が向上? 脳の前頭前皮質の活性化を確認

    2022-10-07

    動物との触れ合いがもたらす効果が改めて示されたようです。スイスの研究チームが、赤外線神経画像技術を用いて健康な男女19人の社会的・感情的相互作用を調節する前頭前皮質を調査。本物の犬と触れ合うと、同じような重さや温度のライオンのぬいぐるみに触れた時と比べて前頭前皮質の活動が増加したといいます。その効果は犬をなでている時に最も高まり、犬と触れ合うたびにこの脳領域の活動が高まることも分かったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 新型コロナウイルス、脳内での標的は「アストロサイト」

    2022-10-05

    新型コロナウイルスは脳内で、栄養補給などさまざまな形で神経細胞をサポートする細胞「アストロサイト」を標的にしていることが分かったそうです。ブラジルの研究チームが、新型コロナで死亡した患者26人の脳組織を分析。ウイルスがアストロサイトに感染し、複製していた証拠を見つけました。別の調査では、コロナ感染によってアストロサイトのエネルギー代謝に変化が起こり、神経細胞の生存率が低下することが示唆されたといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 「スーパーエイジャー」の神経細胞は普通の人より大きい?

    2022-10-05

    老人になっても中年並みの記憶力を持つ「スーパーエイジャー」の脳の秘密が明らかになったようです。米国の研究チームが、80歳以上のスーパーエイジャー6人▽平均的な認知機能の高齢者7人▽スーパーエイジャーより20~30歳若い人6人▽初期アルツハイマー病(AD)患者5人――の死後脳を調査。スーパーエイジャー群は、他の3群に比べて記憶に関わる嗅内皮質の神経細胞が大きく、ADに関連するとされるタンパク質タウの変化がなかったといいます。ScienceDailyの記事です。

  • オキシトシン、心臓発作後の心筋細胞再生に有効か

    2022-10-05

    「愛情ホルモン」のオキシトシンに思いも寄らない効力があるかもしれません。米国の研究チームが、臓器再生能力が高いゼブラフィッシュの心臓を凍結によって損傷させて調査。オキシトシンが、心筋細胞を再生する心外膜前駆細胞(EpiPC)の生成を促すことが分かったそうです。ヒトiPS細胞を使った実験でも、オキシトシンによる同様の効果が確認されたといいます。オキシトシンを心臓発作後の治療に利用する可能性に期待が寄せられています。EurekAlert!の記事です。

  • 金属や揮発性化合物へ暴露する職業、ALS発症リスクと関連

    2022-10-05

    特定の職業環境が、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の発症リスクを高める可能性があるようです。米国の研究チームがALS患者381人と対照群272人について、仕事中に暴露する物質のデータを分析。ALS患者は、診断前の金属、粒子状物質、揮発性有機化合物、燃焼汚染物質への暴露レベルが高かったそうです。特に金属への暴露がALSリスクに最も強く関連していたとのこと。製造や溶接などの生産分野で働く人のALSリスクが高いことも分かったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 治療法を決めるがんの遺伝子変異量測定、黒人やアジア人で精度低く

    2022-10-04

    腫瘍遺伝子変異量(TMB)が高い人は、がん免疫治療薬が効きやすいといいますが、アジア人や黒人は誤って高めに測定される可能性があるようです。多くの医療機関で、腫瘍の遺伝子を分析して、遺伝子データベースと比較する方法が取られているといいます。米国の研究チームが、そこで起こるTMBの過大評価を調整する公式を作り、がん患者2800人を調査。アフリカ系の43.6%、アジア系の37%、ヨーロッパ系の21%がそれぞれ高TMB患者として誤分類されていたそうです。NewScientistの記事です。

  • 有効性は不確かなまま? 米FDAがALS治療薬を承認

    2022-10-04

    米バイオベンチャーのアミリックス・ファーマシューティカルズが開発する筋萎縮性側索硬化症(ALS)の経口治療薬「Relyvrio(レリブリオ)」が、米食品医薬品局(FDA)に承認されたそうです。同社によると、この薬はALSの進行を遅らせるのに有効。ALSの治療法は限られているため、患者らは早期の承認を求めていたようです。しかし今回の承認はわずか137人を対象とした第2相試験のデータに基づくものであることから、薬の有効性を疑問視する声もあるといいます。CNNの記事です。

  • 「凍結胚移植」による妊娠、高血圧関連の合併症リスク高く

    2022-09-29

    体外受精した胚をいったん全て凍結する「全胚凍結法」について、注意が必要な研究結果が報告されました。ノルウェーなどの研究チームが、北欧3カ国の妊婦450万人分のデータを分析。妊娠中に高血圧症を発症した人は、自然妊娠が4.3%だったの対し、凍結胚移植が7.4%、凍結しない新鮮胚移植が5.9%だったそうです。ただし、胚の凍結そのものではなく、凍結胚移植に伴う投薬方法が高血圧リスク上昇に影響している可能性も指摘されています。CNNの記事です。

  • 運動や減量より効果的? 「ヒラメ筋」を使って代謝を上げる

    2022-09-29

    座りっぱなしの生活でも、運動や減量よりも効果的に全身の代謝を上げる方法が見つかったそうです。米国の研究チームが、座った状態でつま先を床に付けたまま、適切な方法でかかとを上げ下げすると、ふくらはぎにある「ヒラメ筋」が数時間にわたりできるだけ多くのエネルギーを消費するようになることを発見。その際、筋肉運動のエネルギー源となるグリコーゲンの代わりに、血糖や脂肪が消費されることが分かったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • アルツハイマー病は「自己免疫疾患」 カナダのチームが新理論を提唱

    2022-09-29

    カナダの研究チームが、アルツハイマー病(AD)は脳疾患ではなく、脳内の「自己免疫疾患」であるとする新理論を提唱しているそうです。ADの原因については、タンパク質のアミロイドβ(Aβ)が凝集し、脳細胞を殺してしまうためだという説が有力です。しかしチームは、Aβが脳内で細菌などと戦う作用をしている可能性を指摘。Aβが細菌などと脳細胞を見分けることができず、誤って脳細胞を攻撃してしまうことがあると主張しています。Medical Xpressの記事です。

  • CAR-T細胞療法で、全身性エリテマトーデスが寛解

    2022-09-29

    血液がんの治療に使われる「CAR-T細胞療法」が、自己免疫疾患「全身性エリテマトーデス(SLE)」の治療で有望な結果を示したようです。ドイツの研究チームがSLE患者5人に対し、患者自身の免疫細胞を取り出して遺伝子改変し、それを再び本人に戻すCAR-T細胞療法を実施。1回の治療で、SLEを引き起こす「自己抗体を産生するB細胞」が一掃されたそうです。重大な副作用も起きなかったとのこと。その後、5人の患者は5~17カ月間寛解しているといいます。ScienceAlertの記事です。

  • アルツハイマー病新薬レカネマブ、治験で悪化抑制効果を確認

    2022-09-29

    製薬大手エーザイのアルツハイマー病(AD)新治療薬「レカネマブ」の治験で、認知機能低下を抑制する効果が示されたそうです。治験では、早期AD患者1800人にレカネマブかプラセボを2週間に1回投与して比較。投与18カ月後、レカネマブ群の方が認知症重症度のスコアの悪化が27%抑制されたといいます。ただ、両群間のスコア差が小さいこと、脳浮腫や出血などの副作用の発生率がレカネマブ群の方が高かったことなどに懸念の声も上がっているとのこと。NewScientistの記事です。

  • 個人に合った用量の選択も可能 経口薬「リンザゴリクス」が子宮筋腫に有効

    2022-09-29

    ホルモンのエストロゲンの産生を低下させる経口薬「リンザゴリクス」で、子宮筋腫が縮小するようです。米エール大学が、月経時大量出血のある子宮筋腫患者を対象に二つの大規模治験を実施。リンザゴリクス群は、用量や副作用緩和のための治療を受けているかどうかでさらに4群に分けられました。患者の出血は、4群全てで有意に減少したといいます。患者個人に合った用量を選択できる可能性が示されたとのこと。同大学のウェブサイトで紹介されています。

  • 中年期によく見る悪夢、認知症の初期兆候か

    2022-09-27

    中年期によく悪夢を見るようなら、認知症に気を付けた方がいいかもしれません。英国の研究チームが、米国の35~64歳の男女600人と79歳以上の高齢者2600人のデータを分析しました。調査開始時に認知症だった参加者はいなかったそうです。35~64歳の群で週1回の頻度で悪夢を見ると答えた人は、その後10年で認知機能が低下するリスクが4倍高くなることが分かったといいます。この傾向は、女性より男性のほうが強かったとのことです。Health Europaの記事です。

  • AIが睡眠中の呼吸パターンからパーキンソン病を早期診断

    2022-09-27

    寝室の壁にルーターのような装置を取り付けるだけで、パーキンソン病の早期診断や進行の追跡ができるようです。米マサチューセッツ工科大学(MIT)が、睡眠中の呼吸パターンからパーキンソン病を診断するAIシステムを開発。この装置は、従来の方法よりはるかに早い段階でパーキンソン病を診断することができるといいます。診断だけでなくパーキンソン病の進行を追跡することもできるため、治療薬を開発する際の臨床試験でも役に立ちそうです。Medgadgetの記事です。

  • 高血圧の新治療法に? 「呼吸筋トレーニング」に薬や運動と同程度の効果

    2022-09-27

    呼吸に使う横隔膜などの筋肉(呼吸筋)のトレーニングが、高血圧の新たな治療法になるかもしれません。米国の研究チームが、運動選手や歌手が呼吸筋を強化するのに使う器具「パワーブリーズ(POWERbreathe)」に着目。口にくわえて息を吸ったり吐いたりする、片手で持つことができる小さな器具です。これを使って1日数分間のトレーニングを6週間続けた人は、収縮期血圧が持続的に、服薬や有酸素運動と同程度の平均9 mmHg低下したそうです。Medical Xpressに紹介されています。

  • がん細胞を殺すウイルス、標準治療の効かない進行がんに有効か

    2022-09-27

    英国の研究チームが、がんを殺す遺伝子組換え単純ヘルペスウイルス「RP2」の第1相試験を実施しました。RP2は、がん細胞内で増殖して腫瘍を破壊したり、免疫系のブレーキを解除したり、免疫系の働きを促進する物質を産生したりするそうです。チームは標準治療の効果が得られなかった数種類の進行がん患者を調査。RP2を単独で使った患者9人のうち3人の腫瘍が縮小し、がん免疫治療薬を併用した患者30人のうち7人に効果が見られたとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 多発性硬化症に関連する数十の腸内細菌を新たに特定

    2022-09-21

    米国などの研究チームが、多発性硬化症(MS)と腸内細菌叢の関連を改めて明らかにしたようです。チームは、世界4カ国のMS患者576人の腸内細菌叢組成を新手法で解析。居住地による環境的な影響を排除するため、患者と一緒に暮らす家族の中で遺伝的には無関係な人を対照群として調査対象に加えたそうです。解析の結果、MSに関連する細菌を新たに数十種類特定。腸内細菌叢の操作や食事療法などの新たな治療につながる可能性があるとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 2型糖尿病新薬「チルゼパチド」、既存薬より速効性あり

    2022-09-21

    新たな2型糖尿病治療薬「チルゼパチド」は、有効性だけでなく即効性も優れているそうです。英国の研究チームが、3種類の2型糖尿病治療薬を使ってヘモグロビン値が目標値に下がるまでにかかる期間を調査しました。チルゼパチド群は、「セマグルチド」群に比べて4週間、「インスリンデグルデク(iDeg)」群に比べて12週間早く目標値に到達したそうです。チルゼパチド群は、セマグルチド群に比べて体重の減りも早かったといいます。Health Europaの記事です。

  • 高齢者の新型コロナ感染歴、アルツハイマー病リスクと関連か

    2022-09-21

    新型コロナにかかった高齢者は、1年以内にアルツハイマー病(AD)と診断されるリスクが高くなるようです。米国の研究チームが、65歳以上の600万人のデータを分析。過去1年以内にコロナの診断を受けた人のうち、新たにADと診断された人の割合は1000人に7人だったそうです。一方で、コロナにかかっていない人のこの割合は1000人に5人だったといいます。コロナ感染で起こる炎症が、既に脳内で起きていた変化を悪化させる可能性があるとのこと。CNNの記事です。

  • 新型コロナ死者数は「世界的大失敗の結果」 ランセット委員会が報告書公表

    2022-09-21

    英医学誌「ランセット」のCOVID-19委員会が、新型コロナの死者数について「重大な悲劇かつ世界的大失敗」とする報告書をまとめました。同委員会は、科学に基づく政策や国際協力、国際金融の観点から今回のパンデミックを分析。各国が公衆衛生上の基本対策を軽視し、主要国がパンデミックの制御に協力できなかったことなどを指摘しています。今回の経験を基に、国際的な協力や協調行動に加え、緊急事態への備えが必要であると強調しています。CNNの記事です。

  • 「1日4杯以上」がカギ 紅茶や緑茶で糖尿病リスク低下の可能性

    2022-09-21

    お茶をたくさん飲むと糖尿病リスクを抑制できるかもしれません。中国の研究チームが、お茶の消費量に着目し、8カ国の成人100万人以上を対象とした19の研究を分析。紅茶、緑茶、ウーロン茶のいずれかを1日4杯以上飲む人は、平均10年間で2型糖尿病を発症するリスクが17%低かったといいます。2型糖尿病のない成人5199人の調査では、お茶を飲むか飲まないかでは発症リスクに違いは見られなかったとのこと。飲む量がカギになるようです。CNNの記事です。

  • 関節リウマチ治療薬「リツキシマブ」が、重症筋無力症に有効か

    2022-09-21

    安価な関節リウマチ治療薬「リツキシマブ」で、筋力低下などが起こる自己免疫疾患「重症筋無力症」の悪化が防げるようです。スウェーデンの研究チームが、過去1年以内に筋無力症と診断された患者47人を調査。患者は標準治療に加えて、リツキシマブ500mgかプラセボを1回投与されたそうです。4カ月後、リツキシマブ群の71%で疾患がうまくコントロールされていたのに対し、プラセボ群で同様の効果が認められたのはわずか29%だったといいます。Health Europaの記事です。

  • フランスで「自殺ほう助」の合法化めぐる議論始まる

    2022-09-16

    フランスのマクロン大統領は9月13日、スイスで認められている「自殺ほう助」の合法化の可能性について議論を始めると発表しました。スイスでは、患者が致死量の薬物を自己投与するのを手助けすることが認められています。フランスは2016年、医師が末期患者に死亡時まで鎮静剤を投与することを合法化。世論調査によると、「安楽死」については国民の大多数が賛成しているといいます。政府は来年の法改正を目指し、協議を進める予定とのこと。AP通信の記事です。

  • 乳房インプラント関連のがんに注意 米FDAが警鐘

    2022-09-16

    乳房インプラントの健康リスクを知っておく必要があるようです。米食品医薬品局(FDA)が、公表済みの文献を調査。乳房インプラントの周りの被膜内にできた扁平上皮がんの症例を20件弱、リンパ腫の症例を30件弱見つけたそうです。FDAに寄せられる医療機器の有害事象報告でも、10件の扁平上皮がんと12件のリンパ腫が確認されたといいます。今回確認されたリンパ腫は、以前から知られている乳房インプラント関連のリンパ腫とは別の種類とのこと。CNNの記事です。

  • 淋病の原因菌を含むナイセリア属の細菌 気管支拡張症の悪化に関連

    2022-09-16

    淋病や髄膜炎を引き起こすナイセリア属の細菌が、肺疾患悪化の原因になることが分かったそうです。シンガポールなどの研究チームが、アジア人高齢者で気管支拡張症が悪化しやすい理由を解明するため、アジアと欧州の患者のデータを分析。気管支拡張症が悪化したアジア人には、ナイセリア属の細菌が多く存在していたそうです。特に口中の常在菌であるナイセリア・サブフラバが多い患者は、重症化や反復感染のリスクが高かったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 食事の時間が、夜勤者のメンタルヘルスに影響

    2022-09-16

    夜勤勤務のある人は心の健康を損ないやすいといいます。米国の研究チームが、夜間の食事を控えることに、その予防効果があることを確認したそうです。チームは参加者19人に2週間、夜勤に似た生活をさせて調査しました。日中と夜間に食事をした人は、ベースラインと比較してうつ気分が26%増加し、不安な気持ちは16%増加。日中のみ食事をした人に同様の変化は確認されなかったそうです。概日リズムが乱れた人ほど、症状が現れたとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • ウイルスが自然に死滅する医療用ガウンの素材

    2022-09-14

    付着したウイルスを自然に死滅させる医療用ガウンが流通するかもしれません。英国の研究チームが、二酸化チタンのナノ粒子を含むプラスチックシートに着目。この素材は蛍光灯が発するわずかな紫外線に反応し、活性酸素種と呼ばれる分子を放出するといいます。この分子がウイルスのタンパク質と反応し、ウイルスが死滅するそうです。この素材に新型コロナなどのウイルス粒子を100万個付着させたところ、2時間後には全滅したとのこと。BBCの記事です。

  • マヌカハニー、薬剤耐性菌による肺感染症に有効か

    2022-09-14

    予後不良の肺感染症を引き起こす薬剤耐性菌「マイコバクテリウム・アブセッサス(M.アブセッサス)」は、ハチミツの「マヌカハニー」で死滅させられるそうです。英国の研究チームが、嚢胞性線維症または気管支拡張症の患者16人から採取した組織を使って調査し、その効果が明らかになったとのこと。ヒト肺モデルの実験では、抗菌薬アミカシンと共にマヌカハニーを吸入した場合、アミカシンの量を8分の1に減らせることが分かったといいます。ScienceAlertの記事です。

  • 気管支拡張剤、「COPDではない」喫煙関連呼吸器症状に効果なく

    2022-09-14

    肺機能検査機器のスパイロメーターを使った呼吸機能検査で慢性閉塞性肺疾患(COPD)の基準を満たしていない患者には、気管支拡張剤を処方するべきではないようです。米国の研究チームが、喫煙歴と呼吸器症状があるものの、呼吸機能検査でCOPDの診断基準を満たしていない患者535人を12週間にわたり調査。患者は1日2回、気管支拡張剤かプラセボを吸入しました。調査終了後、投薬群とプラセボ群の間で症状の改善に有意差は見られなかったとのこと。ScienceDailyの記事です。

  • 下痢止め薬「ロペラミド」がASDの症状改善に有効か

    2022-09-14

    既存の下痢止め薬で、コミュニケーションや社会的交流の困難さなどといった自閉スペクトラム症(ASD)の中核症状を改善できるかもしれません。ノルウェーの研究チームが、コンピューターモデルを使って既存薬の中からASDの症状改善に有効な薬を調査。下痢止め薬「ロペラミド」が最も有望な候補薬であることが分かったそうです。この薬には、社会的行動にも影響を及ぼすとされる「μオピオイド受容体」を活性化する作用があるといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 今冬はインフルエンザ大流行の恐れ 米専門家が警鐘

    2022-09-09

    北半球とは季節が逆の豪州では今年、インフルエンザ患者が平均値の最大3倍に到達し、過去5年間で最悪の大流行を経験したそうです。感染のピークは通常より2カ月も早く訪れたといいます。このことから、米国の感染症の専門家が今冬のインフルエンザ流行に警鐘を鳴らしています。米政府は新型コロナウイルス感染の次の波が12月初めにピークを迎えると予測しており、コロナとインフルの同時流行に対する警戒感も高まっているとのこと。CNNの記事です。

  • 妊娠中の感染症罹患、子どもの自閉症リスク上昇と因果関係はない?

    2022-09-09

    妊娠中に母親が感染症にかかることと、生まれてくる子どもの自閉症リスクには因果関係がないかもしれません。スウェーデンの研究チームが、1987~2010年に生まれた子ども50万人のデータを分析。母親が妊娠中に感染症を患った子どもは自閉症リスクが高いという結果が出たものの、妊娠の前年に感染症にかかった場合も同様にリスクが高かったそうです。遺伝的変異や環境などの要因の方が自閉症リスクに強く影響している可能性があるとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 新たなマラリアワクチン、治験で最大80%の有効性を確認

    2022-09-09

    英オックスフォード大学が開発した新たなマラリアワクチン「R21」が、多くの子どもの命を救うかもしれません。チームは西アフリカのブルキナファソの子ども409人を対象に臨床試験を実施。R21に80%の有効性があることが示されたそうです。R21は安価な上、英製薬大手GSK社製の既存のワクチンより効果が高い可能性があるといいます。R21の提供開始は大規模治験終了後の来年になる見込みで、既に年間1億回分を製造する準備が整っているとのこと。BBCの記事です。

  • おでこ用体温計では黒人患者の発熱が検出できない可能性

    2022-09-09

    おでこで測る体温計は、黒人患者の発熱を見逃す可能性があるようです。米国の研究チームが、感染症にかかった黒人2031人と白人2344人で体温計の精度を調査。おでこで測るタイプは口で測るタイプに比べて、黒人患者の体温を全体的に低く測定したそう。おでこ用は、黒人患者が発熱していても23%は検出できない可能性が示されたといいます。別の研究では、血中酸素濃度を測るパルスオキシメーターでも同様の問題が起きることが指摘されています。CNNの記事です。

  • 膠芽腫の治療 脳細胞「アストロサイト」がカギか

    2022-09-07

    悪性脳腫瘍の一種、膠芽腫(グリオブラストーマ)の治療法につながる可能性があります。イスラエルの研究チームが、膠芽腫の周りに存在する脳細胞「アストロサイト」の役割に着目。動物モデルの実験で膠芽腫周辺のアストロサイトを除去したところ、数日以内に腫瘍が消失し、治療した全ての個体が生き残ったそうです。アストロサイトが腫瘍を免疫系から保護し、腫瘍の成長に必要なエネルギーを供給していることが分かったといいます。Health Europaの記事です。

  • 妊婦の常識「水銀の影響を抑えるために魚は控えめに」は誤り?

    2022-09-07

    「魚は水銀を含むので、妊婦は食べる量に注意が必要」は誤りかもしれません。英国の研究チームが、魚を食べる習慣のある島国セーシェルの妊婦と、魚をほとんど食べることがない英国の工業地域の妊婦のデータを分析。母親が魚を食べている場合、妊娠中の水銀レベルが子どもの成長に有害な影響を及ぼすことはないことが分かったそうです。一方で魚を食べていない場合は、母親の水銀レベルが子どもに悪影響を及ぼすことが示されたといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 4人死亡のアルゼンチンの「謎の肺炎」 原因はレジオネラ菌か

    2022-09-06

    アルゼンチン保健当局は、同国で発生している「謎の肺炎」について、レジオネラ菌感染によるレジオネラ症の可能性があると発表したようです。レジオネラ菌は通常、川や湖などに生息していますが、管理が不適切な給水設備や空調装置で見つかることもあります。菌はエアロゾルとして空気中に漂っており、これを吸い込むと感染して肺炎が起きます。致死率は約10%。今回は、9月5日現在で11人の患者が確認され、このうち4人が死亡したとのこと。BBCの記事です。

  • 世界初の吸入型コロナワクチンを承認 追加接種に使用/中国

    2022-09-06

    中国で、注射針を使わない吸入型の新型コロナワクチンが承認されたようです。このワクチンは、同国のカンシノ・バイオロジクス社が開発しました。同社の注射型コロナワクチンと同様の成分を含んでおり、1回の吸入で望ましい保護効果が得られるといいます。臨床試験では、この吸入型ワクチンは注射型ワクチンを接種済みの人に有効であることが示されたそうです。そのため、今回はブースター接種での使用が承認されたとのことです。BBCの記事です。

  • 新型コロナに似た「謎の肺炎」 9人発症、3人死亡/アルゼンチン

    2022-09-05

    アルゼンチン北西部トゥクマン州の医療機関で8月18日以降、9人が原因不明の肺炎を発症し、このうち3人が死亡したそうです。検査の結果、保健当局は新型コロナやインフルエンザの可能性を除外。原因究明のため、他の感染症の検査だけでなく水道水やエアコンも調査しているといいます。症状はコロナに非常に似ており、高熱、体の痛み、呼吸困難が報告されているそうです。今のところ濃厚接触者が発症したケースは確認されていないとのこと。BBCの記事です。

  • ダウン症の認知機能、新たなホルモン療法で改善

    2022-09-05

    ダウン症候群の人の認知機能は、テストステロンやエストロゲンの分泌を調節する「性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)」を投与することで改善できるかもしれません。スイスなどの研究チームが、20~50歳のダウン症の男性7人に対してGnRHを2時間おきに6カ月間投与。このうち6人で、認知機能に10~30%の改善が見られたそうです。特に視空間認知や立体描写、指示理解などの能力が高まったといいます。重大な副作用は認められなかったとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • ステロイド薬の使用、脳の構造や大きさに影響する可能性

    2022-09-02

    糖質コルチコイド(グルココルチコイド)を使った合成ステロイドは、ぜんそくや自己免疫疾患の炎症抑制などの薬です。これを長期間使用すると精神面に影響が出ることがあり、その理由が分かったようです。オランダの研究チームが、ステロイドを使用している人(注射か錠剤:222人、吸入型:557人)と使用していない人(2万4106人)のMRI脳画像を分析。ステロイド使用者は白質構造の完全性が損なわれており、灰白質が縮小していたといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 注射が不要に? 画期的な経口インスリン錠剤を開発

    2022-09-02

    1型糖尿病患者のインスリン注射が不要になるかもしれません。カナダの研究チームが、歯茎と頬の間に入れておくと、頬粘膜からインスリンが吸収される錠剤を開発。ラットの実験では、インスリンは胃にとどまることなく、ほぼ100%が肝臓に直接到達したそうです。錠剤は摂取から30分後には吸収され、効果は2~4時間持続するといいます。これまで開発された飲む錠剤はインスリンの多くが胃に蓄積してしまう上、吸収速度も遅かったとのこと。ScienceDailyの記事です。

  • 米FDA、最新のオミクロン株に対応した2価ワクチンを承認

    2022-09-02

    米食品医薬品局(FDA)は8月31日、新型コロナウイルスオミクロン株に対応するよう改良されたファイザー社とモデルナ社のワクチンを承認しました。この改良版は、従来株に加えて、感染力が高いとされるオミクロン株「BA.4」や「BA.5」にも対応する2価ワクチンだそうです。追加接種にのみ使用されるといいます。ファイザー製ワクチンは12歳以上、モデルナ製は18歳以上が対象で、前回接種から2カ月以上経過している必要があるとのこと。AP通信の記事です。

  • 血液型A型の人は、60歳未満の脳卒中リスクが高い?

    2022-09-02

    若くして脳卒中を発症するかどうかは、血液型から予測できるかもしれません。米国の研究チームが、遺伝子と虚血性脳卒中に関する48の研究データを分析。対象になったのは、脳卒中患者1万7000人と脳卒中既往歴のない対照群60万人だったといいます。血液型がA型の人は他の血液型の人に比べて、60歳未満で脳卒中を発症するリスクが18%高いことが分かったそうです。一方、O型の人は脳卒中の発症リスクが12%低かったとのこと。Medical Xpressに紹介されています。

  • 超加工食品、がんや早死にのリスクと関連

    2022-09-02

    ソーセージや炭酸飲料などの超加工食品を摂取することによる健康リスクが、二つの研究から明らかになったようです。米国の研究チームが、男女20万人の食事を最長28年間調査。超加工食品が、男性の大腸がんリスク上昇に関連していたそうです。また、イタリアの研究チームが2万2000人を対象に12年間行った研究では、超加工食品が男女ともに早死にのリスクを上昇させることが示されたといいます。特に心血管疾患による死亡が目立つとのこと。CNNの記事です。

  • 大気汚染の影響は、男性より女性の方が受けやすい

    2022-09-02

    排ガスへの暴露による健康被害は、男性より女性の方が深刻かもしれません。カナダの研究チームが、喫煙をしない健康な男女各5人をディーゼル排ガスに暴露させ、血液サンプルを分析しました。排ガスに暴露すると、男女ともに炎症や感染、心血管疾患に関連する血液成分に変化が確認されました。ただし、その変化は特に女性で顕著だったそうです。血漿中の90ものタンパク質レベルにおいて、男女間で明らかな違いが見られたといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 低下を続ける韓国の出生率 2021年は「0.81」で世界最低

    2022-08-30

    韓国政府は、同国における2021年の15~49歳の女性の年齢別出生率の合計(合計特殊出生率)が0.81だったと公表しました。これは世界最低の値です。韓国では18年に女性1人当たりが出産する子どもの数が1を下回り、6年連続で低下しているそうです。先進諸国の平均出生率は1.6。国が人口を維持するために必要な出生率は2.1だといいます。韓国では経済的圧力やキャリア形成に関連する要因が子どもを持つことの妨げになっていると指摘されています。BBCの記事です。

  • 天然痘治療薬テコビリマット、サル痘にも有効なことを確認

    2022-08-30

    天然痘の治療薬「テコビリマット」について、サル痘患者への有効性と安全性が示されたようです。米国の研究チームが、皮膚病変のあるサル痘患者25人にこの薬を飲ませました。患者は全員男性で、4人が発症後にサル痘ワクチンを接種していたといいます。投与開始から7日目には患者の40%で皮膚病変が治癒したそうです。そして、21日目までに患者の92%で皮膚病変が治癒し、痛みもなくなったといいます。ひどい副作用もなかったとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 「スタチン」の副作用で筋肉痛は起こらない?

    2022-08-30

    コレステロール値を下げ心血管疾患の予防に使われる薬剤「スタチン」は、副作用で筋肉痛を起こすことがあるといわれています。しかし、英国の研究チームがスタチンに関する23の研究を分析したところ、筋肉痛を報告した人の90%以上はスタチンが原因の筋肉痛ではないことが分かったそうです。服用開始から最初の1年間はスタチンに関連するとみられる筋肉痛や筋力低下が7%増加したものの、その後は有意な増加は確認されなかったといいます。CNNの記事です。

  • ブタ皮膚由来の角膜を移植、20人の視力が回復

    2022-08-30

    意外な物から作られた組織が、角膜移植におけるドナー不足を解決してくれるかもしれません。スウェーデンの研究チームが、ブタの皮膚から採取したコラーゲンを精製し、角膜の層を作製。これを2mmの切開部から既存の角膜に挿入するそうです。患者自身の組織を摘出する必要がなく、侵襲性が低いといいます。この方法で、角膜疾患のある患者20人が視力を取り戻しました。このうち盲目だった14人全員が、2年後も視力を維持していたとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 見た目がそっくりな赤の他人、DNAや生活習慣まで似ている?

    2022-08-26

    ドッペルゲンガーが似ているのは顔だけではないようです。スペインの研究チームが、見た目がそっくりな他人のペア16組を調べたところ、喫煙習慣、体重、教育レベルといった生活様式の特徴まで似ていることが明らかになったそうです。また、DNA解析によって、16組中9組は「超そっくり」とされるペアであることが判明。超そっくりのペアは、 3730の遺伝子において共通の変異が1万9277もあり、多くが体や顔の形質に関係するものだったとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • マウスの幹細胞から「成長する胚」を作製 移植用臓器への応用に期待

    2022-08-26

    イスラエルのバイオテクノロジー企業が、人工ヒト胚から移植用臓器を作る研究を進めているそうです。この企業は、まず、マウスの幹細胞から本物そっくりの胚を作製しました。そして、子宮の役割をする機械で胚を数日間育てたところ、心拍や血流などが確認できるまで成長したそうです。精子や卵子、子宮もない状態で、ここまで高度な人工胚が作られたのは初めてだといいます。現在この技術をヒト細胞で試す準備を進めているそうです。MIT Technology Reviewの記事です。

  • ロボットによる腎臓がん手術で、輸血や合併症が減少

    2022-08-26

    進行した腎臓がんにはロボットによる手術が安全かつ有効であることが示されたようです。米国の研究チームが、がんが下大静脈(IVC)に進展し、腎臓とIVCのがん切除術を受けた患者計1375人を登録した28の研究データを分析。輸血を必要としたのは、ロボット手術を受けた患者が18%で、標準開腹手術を受けた患者は64%だったそうです。また、出血などの合併症を経験したのは、ロボット手術を受けた患者が5%、開腹手術を受けた患者は36.7%だったといいます。ScienceDailyの記事です。

  • ファイザーの新型コロナ経口薬、中年層には効果なく 米医学誌に掲載

    2022-08-26

    ファイザー社の新型コロナ用経口薬「パキロビッド」は、高齢者にしか効果がないようです。イスラエルの研究チームが同国の患者10万9000人のデータを分析。この薬は40~64歳の患者にはメリットがないことが分かったそうです。一方65歳以上の患者には、入院が75%減少する効果があったといいます。チームはこの結果を米医学誌NEJMに発表しました。パキロビッドが50歳以上に有効だという報告は複数ありますが、専門の医学誌には掲載されていません。AP通信の記事です。

  • 自殺したいと思う人、口の中の細菌に特徴があることが判明

    2022-08-26

    心の健康と口の中の細菌の関係が明らかになったようです。米国の研究チームが、大学生500人の唾液を分析。2週間以内に自殺したいという思い(自殺念慮)を抱いたことがある人は、歯周病などの炎症性疾患に関連する細菌レベルが高かったそう。一方、脳の健康を促進する化合物を産生する細菌Alloprevotella ravaのレベルは低かったといいます。自殺念慮のある人は、この細菌の存在に影響を与える遺伝子変異を持つことも分かったそうです。Medical Xpressの記事です。

  • 桑の葉を摂取した後に米下院議員の妻が死亡

    2022-08-26

    米下院議員の61歳の妻が2021年12月、糖尿病や肥満の抑制に効果があるとされる「マグワ(ホワイトマルベリー)の葉」を摂取した後に死亡していたことが分かったそうです。死因は胃腸炎による脱水症で、マグワの葉を摂取したことによる副作用とみられます。この葉を含む栄養補助食品を摂取したのか、葉そのものを食べたりお茶にして飲んだりしたのかは不明だといいます。米国では過去10年間、マグワの葉による死亡例の報告はないとのこと。CBS Newsの記事です。

  • 川遊び後に子どもが「脳食いアメーバ」で死亡/米

    2022-08-23

    米中西部のネブラスカ州で、子ども1人が原発性アメーバ性髄膜脳炎で死亡したそうです。この脳炎は「脳食いアメーバ」フォーラーネグレリアを含んだ水が鼻から入ることによって起こる感染症。死亡した子どもは同州のエルクホーン川で泳いでいた際に感染したとみられています。米中西部でこの感染症が原因とみられる死者が確認されたのは今夏2例目。気候変動の影響で、このアメーバの生息地が北上している可能性が指摘されています。AP通信の記事です。

  • がんの治療薬候補が、脊髄損傷後の神経再生を促す可能性

    2022-08-23

    アストラゼネカ社ががん治療薬として開発中の「AZD1390」が、脊髄損傷の治療に有効かもしれません。この薬には、神経細胞のDNAが激しく損傷した際に、細胞分裂を止めたり細胞死を促したりするタンパク質の働きを阻害する効果があることを英国の研究チームが確認。そして、脊髄損傷動物モデルにAZD1390を経口投与したところ、神経の再生が促されたといいます。4週間で、損傷のない動物と見分けがつかないほど感覚や運動の機能が回復したとのこと。Neuroscience Newsの記事です。

  • 人工甘味料の摂取で、血糖値を正常に保つ能力が低下

    2022-08-23

    ゼロカロリーの人工甘味料を定期的に摂取すると、健康に悪影響があるようです。イスラエルの研究チームが、人工甘味料の摂取を制限している120人を対象に調査。人工甘味料のスクラロースとサッカリンを毎日少量ずつ2週間摂取した人は、プラセボ群に比べて7日後の腸内細菌叢の組成や機能が変化し、血糖値を正常に保つ耐糖能が損なわれたといいます。アスパルテームやステビアなどの甘味料では、耐糖能に影響はみられなかったとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • アルツハイマー病の記憶障害の改善が可能になる?

    2022-08-23

    新たなニューロンの生成を促すことで、アルツハイマー病による記憶障害を改善できるかもしれません。米国の研究チームが、アルツハイマー病マウスの神経幹細胞が生き残るよう遺伝子を操作し、ニューロンの新生を促進。マウスの空間認識と、何かと関連した記憶を評価する二つのテストで改善がみられたそうです。新たに形成されたニューロンが記憶を保存する神経回路に組み込まれ、記憶力の回復につながることが分かったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 脳への電気刺激で高齢者の記憶力が改善

    2022-08-23

    高齢者の物忘れが改善できるかもしれません。米国の研究チームが、65~88歳の高齢者150人を調査。対象者の中にアルツハイマー病と診断された人はいませんでしたが、ほとんどは年相応に記憶力が低下していたそうです。電極を埋め込んだシャワーキャップを使って20分間の経頭蓋交流電気刺激を4日連続で受けた人は、偽の刺激を受けた人に比べて、覚えた単語を思い出す能力が50~65%向上したといいます。治療の効果は1カ月持続したとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • がんによる死亡の半数は防ぐことができる

    2022-08-23

    飲酒や喫煙をはじめとする生活習慣を改善すれば、全世界のがんによる死亡の半数を防ぐことができるようです。米国の研究チームが、世界204カ国のデータから「23種類のがん」と「34のリスク要因」の関係を調査しました。その結果、2019年のがんによる死亡の44.4%が、予防可能なリスク要因に起因していることが分かったそうです。その代表として、気管や肺のがんが挙げられるといいます。予防可能ながんによる死亡は2010~19年で20.4%増加したとのこと。CNNの記事です。