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サクッと1分!世界の医療NEWS

世界の医療ニュースの中から、厳選した記事をギュッと凝縮して紹介します。
1日数本を1分で、サクッと読むことができます。日々の情報収集、話のネタ探しにお役立てください。

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    「定型業務」の従事者は認知症に要注意!

    2024-04-24

    複雑な思考を必要とする職業に就いている人は、高齢になっても脳の健康を維持できるかもしれません。ノルウェーの研究チームが、同国の男女7000人を30代から60代まで追跡調査しました。30~60代で精神的刺激の少ない定型業務に従事していた人は、複雑な思考を必要とする職業の人に比べて、70歳以降の軽度認知障害リスクが66%、認知症リスクが37%、それぞれ高くなることが分かったそうです。定型業務を行う職種にはハウスキーパーや用務員、建設作業員などが分類されます。複雑な思考を必要とする職業は教師や弁護士、医師、会計士などが該当するそうです。CNNの記事です。

  • New

    抗菌薬の軟膏がコロナやインフルの予防・治療に有効か

    2024-04-24

    市販の抗菌薬(抗生物質)の軟膏がウイルス性呼吸器感染症の予防または治療に有効な可能性があるようです。米国の研究チームが、一般的に使用される抗菌薬「ネオマイシン(フラジオマイシン)」をマウスの鼻腔内に投与したところ、新型コロナウイルスやA型インフルエンザウイルスに対する強力な防御反応が認められました。皮膚感染症などに使う市販の軟膏薬「ネオスポリン(ネオマイシンを含有)」を健康な人の鼻に塗ることでも、同様の防御反応が確認されたそうです。ハムスターの実験では、ネオマイシンがコロナの接触感染を抑制することも分かったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • マイクロプラスチック、さまざまな臓器に影響を与える可能性

    2024-04-23

    人は毎週、クレジットカード1枚分(5g)の微細なプラスチック粒子(マイクロプラスチック)を摂取しており、これがさまざまな臓器に広がっているようです。米国の研究チームが、人の平均的な摂取量に相当するマイクロプラスチックを加えた飲み水を4週間にわたり健康なマウスに与え、消化器系への影響を調査。マイクロプラスチックが腸から体内に侵入し、肝臓や腎臓、脳の組織にまで移動することが明らかになったそうです。さらに、マイクロプラスチックの影響を受けた組織において、代謝に関わる化学反応(代謝経路)の変化が起きてしまう可能性も示されたといいます。Medical Xpressの記事です。

  • トキソプラズマやボレリアが感染すると性格が変わる

    2024-04-23

    トキソプラズマ原虫とボレリア属の細菌の感染は、人の性格特性に直接的な影響を及ぼすそうです。チェコの研究チームが、女性4942人(平均43歳)と男性2820人(平均40歳)のデータを分析。トキソプラズマは猫のふん便や加熱不十分な肉などを介して感染します。参加者の女性の24%、男性の12%が感染していました。ボレリアはマダニが媒介し、ライム病を引き起こします。感染していたのは参加者の女性の41.6%、男性の30.7%でした。分析の結果、これらの感染が誠実性の低さなどに関連することが判明。また、それは感染による健康状態の悪化が理由で起きたわけではないといいます。PsyPostの記事です。

  • WHO、鳥インフルのヒトへの感染に大きな懸念

    2024-04-22

    世界保健機関(WHO)は18日、鳥インフルエンザH5N1型に対する監視と備えを強化するよう呼びかけたようです。米国で牛を介してヒトへの感染が起きたことを受けたものです。今のところ、ヒトからヒトへの感染は確認されていません。ただし、過去2年間で鳥インフル陽性になる哺乳類が増加しており、ウイルスがヒトに感染しやすく変異しつつあることが懸念されています。2003年以降、23カ国から889人の感染者が報告され、52%に当たる463人が死亡しているそうです。WHOは「ワクチンや治療薬、診断薬によって、すぐに対応できるようにしなくてはならない」と指摘しているとのこと。CNNの記事です。

  • 米で偽ボトックスの被害が増加 偽物を見極める方法は?

    2024-04-22

    米国では、資格を持たない施術者による偽造の「ボトックス注射」に対する警戒感が高まっているそうです。米疾病対策センター(CDC)は19日、11州で少なくとも22人がしわ取りのために偽造のボトックス注射を受け、その後、ボツリヌス毒素によるものとみられる健康被害を訴えたと発表しました。米食品医薬品局(FDA)によると、外箱やビンにロット番号「C3709C3」が含まれる▽外箱に有効成分が「Botulinum Toxin Type A」と書かれている▽外箱やビンに「150 units(単位)」との表示がある▽外箱に英語ではない言語が表記されている――場合は偽物の可能性があるといいます。NBC Newsの記事です。

  • 伝統的な日本の食生活 女性の認知機能低下を予防

    2024-04-19

    伝統的な日本食は、女性の認知機能低下を予防する可能性があるそうです。英国の研究チームが、40~89歳の日本人1636人に、口にした全ての物を3日間記録してもらい、その後2年にわたり追跡調査を実施。その結果、米や魚介類、大豆製品、キノコなどを中心とした伝統的な日本食を摂取していた女性は、西洋式の食事を摂取していた女性に比べて脳の萎縮が少ないことがMRIスキャン画像から明らかになったそうです。男性にはこうした違いが認められなかったといいます。日本食の食材に含まれるマグネシウムや植物性エストロゲンなどの栄養素は、女性の脳を特に強く保護する効果があるようです。The Conversationの記事です。

  • The 世界の仰天医療ニュースVol.1

    2024-04-19

    世界各国から奇妙な病気についての報告が上がっています。4カ月間も片頭痛に悩まされていた米国の52歳の男性がおり、脳にサナダムシの幼虫が寄生していることが分かったそうです。原因は、男性が生焼けのベーコンを好んで食べていたことのようです。せきやうつ、物忘れの症状が出た64歳の豪州の女性の脳からは、長さ8cmのニシキヘビに寄生する線虫が見つかったといいます。81歳のブラジル人女性は、56年間も胎児をお腹に持っていたことが判明。腹腔で妊娠したことで胎児が死亡し、石灰化したそうです。59歳の米国人男性は突然、人の顔が悪魔のように見えるようになったといいます。マイナビRESIDENTの記事です。

  • ジャンクフードは若者の脳に長期的なダメージを与える!?

    2024-04-19

    思春期に脂質や糖質が多い「ジャンクフード」を多く食べると、成人後の記憶力に悪影響があるかもしれません。米国の研究チームが、ラットを使って記憶力のテストを実施したそうです。ジャンクフードを食べて育った群は、対照群に比べて過去に見た物や場所を思い出せない傾向があったといいます。さらに脳の検査で、ジャンクフード群は、記憶に関連する神経伝達物質「アセチルコリン」によるシグナル伝達が低下していることも判明しました。チームは治療方法を探るため、アセチルコリンの放出を促す薬を記憶に関わる脳の海馬に直接投与したところ、ジャンクフード群の記憶障害が改善したといいます。Medical Xpressの記事です。

  • テトラサイクリン系抗菌薬が、免疫細胞のがん攻撃力を増強

    2024-04-18

    テトラサイクリン系抗菌薬は免疫系を活発にするそうです。既存の免疫チェックポイント阻害薬などのがん免疫療法は一部の患者にしか効果がないため、大阪大学の研究チームが新たな方法を探していたといいます。チームは、テトラサイクリン系抗菌薬を肺がん患者のがん組織に加えると、組織内の免疫細胞・Tリンパ球(T細胞)の「がん細胞傷害活性」が増強することを突き止めたそうです。この抗菌薬が、がん細胞が産生する免疫抑制物質「ガレクチン-1」の働きを阻害することで、Tリンパ球によるがんへの攻撃が活発になるといいます。Medical Xpressの記事です。

  • ハグをしよう! 痛みや不安の軽減に有効なことが明らかに

    2024-04-18

    ハグなどの身体的接触は、心身の健康によい影響を及ぼすようです。ドイツとオランダの研究チームが、計1万2966人を対象とした212の先行研究を分析したそうです。その結果、身体的接触が痛みやうつ、不安の軽減に役立つことが示されたとのことです。こうしたプラスの影響は、大人でも子どもでも確認されたといいます。身体的接触の種類については、ハグでもマッサージでも大きな違いは見られませんでしたが、頭や顔への接触がもっとも効果的だったそうです。また、短時間の接触を頻繁に行うと、より効果が高まることも明らかになったとのことです。Science Alertの記事です。

  • 米FDAの「迅速承認」で、効果不明なまま投薬される多数のがん患者

    2024-04-17

    米食品医薬品局(FDA)の「迅速承認プログラム」は、重篤な疾患に対する有望な薬を正式承認前にできるだけ早く患者に届けることを目的として実施されています。米国の研究チームが、こうした薬が実際に患者に恩恵をもたらしているのかどうかを調べたそうです。チームは2013~17年に迅速承認された46個のがん治療薬を5年間にわたって追跡調査。このうち厳密な検証試験で臨床的有益性が示されたのはわずか20個(43%)だったそうです。それにもかかわらず、29個(63%)が通常の承認に切り替えられたといいます。効果不明な薬を、そうとは知らずに投与されている患者が多くいるようです。AP通信の記事です。

  • 米カンザス州で、飼い猫2匹と獣医技師がまれな真菌感染症に

    2024-04-17

    米疾病対策センター(CDC)は10日、カンザス州の同じ家で飼われていた猫2匹に「スポロトリクス・シェンキィ」と呼ばれるまれな真菌が感染し、治療に当たった獣医技師も猫に引っかかれて感染したと発表したそうです。獣医技師は8カ月間も抗真菌薬を使って、ようやく回復したといいます。一匹目の猫は治療が遅れて状態が悪化したために安楽死させられ、もう一匹は抗真菌薬で回復したとのこと。この真菌はバラのとげなどから体内に入ることが多く、感染すると長引く皮膚病変を引き起こします。本来は伝染性ではありませんが、猫に感染すると他の動物への伝染リスクが高まるそうです。NBC Newsの記事です。

  • 「ふん便移植」がパーキンソン病の治療に有効な可能性

    2024-04-16

    健康な人の腸内細菌を移植する「ふん便移植(FMT)」で、パーキンソン病(PD)の症状が改善する可能性があるようです。ベルギーの研究チームが初期PD患者を集め、22人には健康なドナーのふん便を、24人にはプラセボをそれぞれ鼻から小腸に移植。1年後、ふん便移植を受けた人は、震えやバランス障害などの運動症状が、緩やかではあるものの有意に改善したといいます。こうした改善が顕著に認められたのはふん便移植から6カ月以降だったとのことです。また、PDの進行とともに現れることが多い便秘の症状についても、ふん便移植で抑制されたそうです。Science Alertの記事です。

  • 肝硬変の進行を抑制 腸内の毒素を吸着する「カーボンビーズ」

    2024-04-16

    腸内環境の悪さは、肝硬変などの深刻な病気につながるといいます。英国の研究チームが、それを改善する画期的な方法を見つけたそうです。チームは、腸内の悪玉菌が産生する毒素や代謝物を吸着することができる微小な「カーボンビーズ」を開発。これをラットやマウスに数週間にわたって毎日経口で与えたところ、肝硬変の進行を抑制するのに有効であることが分かったそうです。また、慢性肝不全の急性増悪(ACLF)による死亡率も低下したといいます。肝硬変患者28人に対する試験も実施し、このビーズが安全であることを確認したとのことです。Medical Xpressの記事です。

  • ボトックス注射の健康被害 米9州で19人に

    2024-04-16

    米国でボツリヌス毒素を使った「ボトックス注射」による健康被害が起きている問題で、米疾病対策センター(CDC)は15日、ボツリヌス症の症状を訴えた患者は九つの州で計19人に上ると発表したそうです。19人は25~59歳の女性。1人以外は美容目的で、不適格な個人からや非医療施設で注射を受けたといいます。偽造品や誤った処理をされた製品が使われたケースもあったそうです。CDCは、注射を受ける際に▽免許を持っているか▽訓練を受けたか▽承認された製品か▽製品の供給源は信頼できるか――を確認するよう呼び掛けています。CNNの記事です。

  • 偽造品ボトックス注射で健康被害 米5州で患者確認

    2024-04-15

    米疾病対策センター(CDC)は、ボツリヌス毒素を使った美容医療用「ボトックス注射」の偽造品について、注意喚起を行うそうです。イリノイ州とテネシー州では、偽造品を使ったボトックス注射が原因とみられる「ボツリヌス症」のような症状で、それぞれ2人が入院。患者は目のかすみや顔の垂れ下がり、呼吸困難などの症状を訴えているといいます。これまでに計5州で同様の症例が確認されているそうです。ボトックス注射は通常は安全ですが、米国で承認されていない偽造品が出回り、非医療施設が無許可で行っていることもあるといいます。NBC Newsの記事です。

  • クラミジアワクチンが実現か 第1相治験で有望な結果

    2024-04-15

    一般的な性感染症の「クラミジア感染症」に対するワクチンが実現するかもしれません。英国とデンマークの研究チームが、病原菌クラミジア(・トラコマチス)に感染していない平均年齢26歳の健康な男女を対象に、クラミジアワクチンの第1相試験を実施。安全に免疫応答が誘導されることが分かったそうです。クラミジアは女性の不妊の主な原因の一つで、男性は尿道炎や精巣上体炎などが起こります。また、目に感染すると結膜炎を起こし、視力低下の危険もあります。今回の治験では、ワクチンは腕への注射だけでなく、目薬でも投与したといいます。NBC Newsの記事です。

  • 新型コロナ感染を防ぐ5種類のお茶

    2024-04-12

    紅茶や緑茶を飲むと、新型コロナウイルスの感染が抑えられるかもしれません。米国の研究チームが市販の茶葉24種類を使って、これらを抽出したものを飲んだ場合のコロナ感染抑制に対する有効性を、実験室でシミュレーションしたそうです。最も効果が高かったのは紅茶で、わずか10秒で唾液中のウイルスを99.9%減少させることが示されたといいます。また、紅茶の他に、緑茶、ラズベリージンジャー、ユーカリミント、ミントメドレーがウイルスを96%以上減少させることが分かったとのこと。お茶の濃度を上げれば、うがいでも同様の効果が期待できるといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 「怒り」は紙に書いて捨てよう! 気持ちを鎮める効果を確認

    2024-04-12

    怒りを簡単に抑制する方法が見つかったようです。名古屋大学の研究チームが、実験の趣旨を知らない参加者を集め、まず社会問題についての意見を書いてもらったそうです。次に、それに対してわざと低い評価を付けた上で、「学のある人がこんなことを考えるなんて信じられない」などと侮辱したコメントを付けてフィードバックし、怒りを生じさせたといいます。そして参加者に、その時の怒りの感情を紙に書かせたそうです。この紙をゴミ箱に捨てたり、シュレッダーで処分したりした人は、怒りのレベルが侮辱される前の状態に戻ったそうです。一方、怒りの気持ちを書いた紙を捨てずに持ち続けた人は、怒りのレベルがわずかに低下しただけだったといいます。ScienceDailyの記事です。

  • モテの科学で、結婚も恋愛もうまくいく!?

    2024-04-12

    他人から「魅力的な人だな」と思われたくないですか。各国の研究チームが、「魅力」について科学的に解明しようと研究を続けています。フランスの研究チームによると、小麦粉や白米、砂糖などの精製炭水化物を頻繁に摂取すると、顔の魅力度が下がってしまうそうです。また、米国の研究チームは、低い声の人は、結婚など長期的な関係を築く相手として魅力的に思われることを発見したといいます。なお、これを実践する人はいないと思いますが、トキソプラズマ原虫が感染している人の顔は左右対称である傾向が高く、他人から魅力的だと思われることが多いそうです。マイナビRESIDENTの記事です。

  • 妊娠中のアセトアミノフェン、子のADHDや自閉症に関連せず

    2024-04-11

    妊娠中に解熱・鎮痛薬のアセトアミノフェンを服用すると、子どもの注意欠如・多動症(ADHD)や自閉症のリスクが上昇するという報告があります。米国の研究チームが、スウェーデンの子ども200万人を26年間追跡したデータを分析し、これを否定する研究成果を発表しました。チームは、兄弟姉妹のペアで、母親が一方の妊娠中にアセトアミノフェンを使用し、もう一方の妊娠中には使用しなかったケースに着目。アセトアミノフェンに関連する神経発達症リスクの上昇はみられなかったそうです。リスクに関連するのは、遺伝など他の要因である可能性が示されたといいます。NBC Newsの記事です。

  • 米の高名ながん研究所、2カ月で論文7本撤回の異例事態

    2024-04-11

    米ハーバード大学の「ダナファーバーがん研究所」の信頼が損なわれる事態が生じているそうです。問題の発端となったのは、英ウェールズの微生物学者が今年1月、自身のブログでダナファーバーの研究者が執筆した数十の論文に使われている画像に誤りや改ざんがある可能性を指摘したことでした。研究所は誤りを認め、この2カ月で医学誌「Journal of Immunology」と「Cancer Research」に掲載された計7本の論文を撤回したそうです。このうち6本の筆頭著者は、骨髄腫分野の第一人者で、この分野に多大な影響力を持つケネス・アンダーソン教授の研究だといいます。NBC Newsの記事です。

  • ALS薬「レリブリオ」販売中止 大規模治験で効果証明されず

    2024-04-10

    米アミリックス・ファーマシューティカルズ社は4日、筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬「Relyvrio(レリブリオ)」について、販売から撤退すると発表したそうです。第3相試験で有効性を証明できなかったためです。今後は、新規の患者が同薬を使用することはできなくなるといいます。3月に公表された結果では、48週間後の患者の呼吸や嚥下、会話能力を示す指数がプラセボを上回らず、QOL(生活の質)や全生存期間、呼吸機能にも有意な改善はみられなかったそうです。レリブリオは、2022年9月に米食品医薬品局(FDA)が小規模治験の結果をもとに承認しました。CNNの記事です。

  • コロナ後遺症、治療の標的は「炎症」か 患者の血中に関連タンパク質

    2024-04-10

    新型コロナウイルス感染症の後遺症(コロナ後遺症)に関する治療の鍵は、「炎症」かもしれません。英国の研究チームがコロナ重症患者650人を追跡調査。6カ月後、このうち426人がコロナ後遺症の症状を訴えたそうです。そして、こうした後遺症患者の血液中に、通常はウイルス感染直後にのみ認められる炎症関連タンパク質が継続的に存在していることが分かったそうです。さらに、胃腸症状のある患者で、腸と脳のコミュニケーション障害に関わることで知られるSCG3タンパク質が増加するなど、一部のタンパク質が特定の症状に関連している可能性も示されたといいます。BBCの記事です。

  • アマゾン先住民「ヤノマミ族」から高濃度の水銀検出

    2024-04-09

    アマゾンの先住民族「ヤノマミ族」が深刻な水銀汚染の被害にあっているようです。ブラジルの保健当局がヤノマミ族300人から採取した毛髪を分析したところ、84%から健康被害につながる可能性のある「1gあたり2μg」以上の水銀が検出されたといいます。周辺地域ではかねてより金の違法採掘が横行しているとのこと。違法採掘では金の抽出処理の過程で水銀が使われることが多く、これが河川などの汚染につながるそうです。この地域の魚からも高濃度の水銀が検出されており、汚染された魚を食べることで水銀が体内に取り込まれてしまうといいます。水銀は主に神経症状を引き起こします。AP通信の記事です。

  • サルと接触した男性が高致死率の「Bウイルス病」発症/香港

    2024-04-09

    香港で37歳の男性がマカク属のサルと接触してけがをし、致死率の高い「Bウイルス病」を発症したそうです。Bウイルスはマカク属のサルを自然宿主とし、唾液やふん尿に含まれています。男性は2月下旬に公園で野生のサルと接触し、1カ月後に発熱と意識レベル低下で病院を受診。それ以降、集中治療室で治療を受けているそうです。Bウイルスは1932年に初めてヒトへの感染が確認され、これまでの感染者数は世界でわずか50人。香港では初確認とのことです。治療せずにいると70%以上が死亡するものの、近年は抗ウイルス薬による早期の治療で生存率が向上しているといいます。Science Alertの記事です。

  • なぜ喘息発作が繰り返されるのか? 英チームが原因解明

    2024-04-08

    長引く喘息(ぜんそく)発作の詳細な原因が分かったようです。英国の研究チームがマウスとヒト肺組織を使って、喘息発作の際に起こる気管支収縮の過程を詳しく調査したそうです。気管支収縮は筋肉(平滑筋)が収縮することで気道が狭くなる現象です。調査の結果、気管支収縮によって気道の上皮層が損傷されることが明らかになったといいます。そのために、長期的な炎症や感染が起こり、発作が繰り返されるそうです。マウスの実験では、「ガドリニウム」と呼ばれる元素が上皮層の損傷を防ぐのに有効である可能性が判明。ただし、臨床試験の実施までには数年かかるといいます。BBCの記事です。

  • さようなら抗菌薬!? 有望な再発性尿路感染症向けワクチン

    2024-04-08

    スペインのImmunotek社が開発した尿路感染症(UTI)の再発を防ぐ舌下ワクチン「MV140」が、抗菌薬(抗生物質)の代替手段になるかもしれません。英国の研究チームが、UTIの再発に苦しむ18歳以上の男女89人を対象にMV140の長期的な安全性と有効性を調査。なお、MV140は3カ月間毎日、舌下にスプレーする薬だそうです。MV140を使い始めてから9年後の時点で、参加者のうち48人(54%)が一度もUTIの再発を報告しなかったといいます。再発した場合でも、水を飲めば治る程度の軽い症状で済むことが多かったそうです。目立った副反応も報告されなかったとのことです。Medical Xpressの記事です。

  • ブタの腎臓を移植した患者が退院 人工透析不要になり経過良好

    2024-04-05

    米マサチューセッツ州ボストンの米マサチューセッツ総合病院は3日、ブタの腎臓移植手術を受けた62歳の男性が退院したと発表したそうです。末期の腎臓病を患っていた男性は先月16日、拒絶反応が起きないよう遺伝子改変したブタの腎臓を移植する手術を受けました。治療目的で患者にブタの腎臓が移植されたのは世界初です。新しい腎臓は今のところ正常に機能しており、人工透析も不要になったそうです。男性は2018年に死亡したドナーからの死体腎移植を受けたといいます。しかし昨年から、腎臓がうまく機能しなくなったそうです。BBCの記事です。

  • アルツハイマー病の新治療法か? 新たな免疫療法が有望

    2024-04-05

    アルツハイマー病(AD)を引き起こすとされる脳内の「アミロイドβプラーク(細胞外沈着物)」を除去する新たな方法が見つかったようです。米国の研究チームが、脳内のゴミを除去する免疫細胞「ミクログリア」に着目。AD患者のミクログリアで発現し、ミクログリアの不活性化に関わる受容体「LILRB4」を標的にした自家製抗体をADマウスに投与したそうです。その結果、ミクログリアが活性化してプラークを除去できるようになったといいます。さらに、記憶がなくなることから起こるマウスのリスク行動も減少したといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 腸内フローラがあなたを放っておかない がん、認知症、パーキンソン病にも関係

    2024-04-05

    腸内細菌叢(腸内フローラ)の乱れは、さまざまな病気の発症や治療に影響を与えるようです。ある研究では、抗菌薬(抗生物質)の使用によって免疫チェックポイント阻害薬が効かなくなる可能性が明らかになったといいます。また抗菌薬の使用は、後の認知機能低下を引き起こすかもしれないとの報告も出ています。さらに、腸内細菌叢の不均衡が心筋梗塞などの心疾患を引き起こすことが明らかになったそうです。脳の神経伝達物質が減少することによって起こるパーキンソン病も腸内細菌叢と関係がありそうだという研究成果も発表されています。マイナビRESIDENTの記事です。

  • 広範囲のコロナウイルスに有効! 万能ワクチン実現か

    2024-04-04

    コロナウイルス全般に有効なユニバーサル(万能)ワクチンが実現するかもしれません。米国の研究チームがmRNAワクチンの技術を活用し、新型コロナウイルスやコウモリコロナウイルスなどに幅広く効果が期待できる3価ワクチンを開発。このワクチンをハムスターに接種したところ、試した全ての新型コロナオミクロン株系統を中和することができたそうです。さらに、コウモリの間で広がっており、将来ヒトでパンデミックを起こす危険性のあるコロナウイルスにも有効だったといいます。肺からウイルスが検出されない「完全な防御」が確認できたとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • シュガーレスガムがもたらす驚くべき健康のメリット

    2024-04-04

    米国の研究チームによると、過去24時間以内にシュガーレスガムをかんだ人は、そうでない人に比べて国が作成した食生活指針に従った食事を取る傾向にあるそうです。その結果、健康全般にも好影響が及ぶ可能性があるといいます。チームが、米国の全国健康栄養調査 (NHANES)から抽出したデータを分析して明らかになりました。シュガーレスガムをかむと、砂糖の摂取量、間食やカロリーの高い食事を取る量が減るといいます。また、口の病気が減ることから、糖尿病や心血管疾患などの慢性疾患、うつ病などの精神疾患にも効果があるかもしれないとのこと。Science Alertの記事です。

  • 米テキサス州で鳥インフルが乳牛からヒトに感染か

    2024-04-03

    鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)が感染した乳牛が見つかった米テキサス州で、ヒトへの感染が確認されたそうです。この患者は仕事上、H5N1の感染が疑われる牛と直接接触していたといいます。症状は目の充血だけで、抗ウイルス薬による治療で快方に向かっているとのこと。米疾病対策センター(CDC)は「感染動物との接触でうつることがあるが、ヒトからヒトへの感染は確認されていない」としています。また、感染動物の殺菌処理をしていない乳を飲んだり、生のチーズを食べたりしないよう注意を呼び掛けています。米国でH5N1の感染者が見つかったのは2例目だそうです。ABC Newsの記事です。

  • 腹部に石灰化した胎児 摘出後に81歳女性が死亡/ブラジル

    2024-04-03

    81歳のブラジル人女性が、「石児」と呼ばれる石灰化した胎児の摘出を行い、その後に死亡したそうです。腹痛を訴えた女性にCT検査を行ったところ、腹部のスキャン画像に胎児の姿が映し出されたといいます。女性には7人の子どもがいるそう。医師らは、女性が最後に妊娠した56年前から死亡した胎児を体内に持っていた可能性があるとみています。3月14日に胎児を摘出する手術が行われたものの、翌日死亡したそうです。石児は極めてまれな症例で、腹腔で妊娠が起きてしまったことで胎児が死亡し、大き過ぎて体内に吸収されない場合に起こることが多いといいます。Medical Briefの記事です。

  • 「違法な集団行動」 医学部定員増問題で韓国大統領が対立姿勢鮮明に

    2024-04-02

    韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は1日、医学部定員増を巡って政府と医療界が対立している問題で、医師不足を解消するために定員を2000人増やす必要があることを改めて国民に訴える談話を発表したそうです。尹氏は、医療界の対応を「社会に深刻な脅威をもたらす違法な集団行動」と厳しく批判。「この計画が医師の収入減につながることはない」とも述べたといいます。また、ストライキ中の医師らに職場復帰を促し、「対話のドアはオープンである」としたそうです。一方、大韓医師協会は「従来の方針を繰り返しただけ」と、「大きな失望」を表明したといいます。AP通信の記事です。

  • 脊髄損傷の治療に効果あり? 脂肪由来の幹細胞療法、第1相試験で有望な結果

    2024-04-02

    脂肪から採取した幹細胞で、脊髄損傷による運動機能障害やまひを改善できるかもしれません。米国の研究チームが、18~65歳の脊髄損傷患者10人を対象に実施した幹細胞療法の第1相試験の結果を報告。チームは、患者本人の脂肪から幹細胞を採取し、4週間かけて1億個に増殖させ、患者の腰椎に注入したそうです。その後、患者の状態を5段階の機能障害尺度を使って2年間で10回評価したところ、10人中7人において、尺度が少なくとも1段階改善したといいます。頭痛や筋骨格系の疼痛が副作用として報告されたものの、重篤な有害事象は認められなかったとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 長期記憶形成には神経細胞のDNA損傷が不可欠?

    2024-04-01

    長期記憶を形成するには、関係する神経細胞(ニューロン)のDNAの損傷が不可欠なことが明らかになったそうです。米国の研究チームが、エピソード記憶と呼ばれる個人的な経験に基づく長期記憶を形成するのに十分な衝撃をマウスに与え、記憶に関わる脳の海馬領域の神経細胞を分析。DNAが損傷し、その断片が核から放出されると、炎症に関わる「Toll様受容体9(TLR9)」シグナル伝達経路が強力に活性化されることが分かったそうです。活性化したTLR9経路を介してDNA損傷が修復され、長期記憶の形成につながるといいます。Medical Xpressの記事です。

  • ゆっくり話す人は、認知機能が低下しているかも

    2024-04-01

    高齢の人の脳の健康状態を知るには、「話すスピード」に注意を払うといいそうです。カナダの研究チームが、18~90歳の健康な成人125人に、ある場面について詳しく説明してもらい、その音声を人工知能(AI)で分析したといいます。認知機能を評価するテストの結果と照らし合わせたところ、加齢に伴う認知機能低下が日常会話のスピードに密接に関連していることが分かったそうです。「適切な言葉を思い出せない」と認知機能の低下を心配しますが、「話すスピードが遅い」ことの方が正確な指標になる可能性があるといいます。The Conversationの記事です。

  • がん予防だけじゃない! ブロッコリーは脳卒中にも有効か

    2024-03-29

    ブロッコリーやカリフラワーは、がん予防やコレステロール抑制に効果があることが知られています。それは、これらアブラナ科の野菜に含まれる「スルフォラファン(SFN)」という成分によるものだそうです。豪州の研究チームが新たに、SFNが脳卒中治療にも有効な可能性があることを突き止めたといます。植物に含まれる23の化合物を調査したところ、SFNには血小板の凝集を抑制し、血栓の形成を妨げる効果があることが判明。マウスを使った実験では、脳卒中治療に使われる血栓溶解(tPA)療法にSFNを組み合わせると、脳損傷を回避できる割合が20%から60%に上昇したとのことです。Science Alertの記事です。

  • 大“腸活”時代に新報! もう、あなたは腸を放っておけない

    2024-03-29

    腸内細菌叢(腸内フローラ)は、体質に影響を与えるようです。アイルランドの研究チームによると、新型コロナのパンデミック中に生まれた子どもは、食物アレルギーを発症しにくいそうです。ロックダウン(都市封鎖)で感染症にかかる機会が減り、抗菌薬・抗生物質があまり使われなかったのが理由のようです。また、新型コロナの後遺症の出やすさは、腸内細菌叢によって決まる可能性があるといいます。その他、人間の健康状態を反映するとされる「血中代謝物」の組成や脳の視床下部の活動にも腸内細菌叢が関係していることが分かってきたとのことです。マイナビRESIDENTの記事です。

  • 犬はPTSDのフラッシュバックの予兆を嗅ぎ取る

    2024-03-29

    犬の鋭い嗅覚は、心的外傷後ストレス障害(PTSD)によるフラッシュバックを予測できるそうです。人体からは、さまざまなにおいの分子「揮発性有機化合物(VOC)」が発せられています。カナダの研究チームは、人がトラウマを思い出している時の呼気を採取して、2匹の犬を訓練したといいます。2匹は「トラウマを思い出しているときの息」と「落ち着いているときの息」を嗅ぎ分けられるようになったそうです。1匹は74%、もう1匹は81%の精度でトラウマによるストレス関連VOCを検知できたとのこと。早い段階で犬が危険を察知することで、フラッシュバックを防げるようになるかもしれません。EurekAlert!の記事です。

  • 若い世代は脳が大きい! 認知症リスク低下の可能性も

    2024-03-28

    過去30年間で米国と欧州の認知症発生率は10年ごとに13%低下しているそうです。なぜ、世代が進むと認知症リスクが下がるのでしょうか。米国の研究チームが、1930~80年生まれの米国人3000人以上を対象に脳画像を分析。その結果、70年代生まれの人は、30年代生まれの人に比べて脳体積が6.6%大きかったそうです。神経細胞が集まっている灰白質の表面積や、記憶や学習に関わる海馬の大きさが若い世代の方が大きいといいます。研究者は「脳が大きいと加齢に伴う脳の衰えの影響を緩和する可能性がある」としています。Science Alertの記事です。

  • 世界の出生率、低下に歯止めかからず

    2024-03-28

    1人の女性が生涯に産む子どもの平均数を表す「出生率」は、今後も急激に下がり続けるようです。米国の研究チームの推計によると、1950年に4.84人、2021年に2.23人だった世界の出生率は、2100年までに1.59人に急落するそうです。さらに、2100年には世界の国々の97%で、人口を維持できる水準である「合計特殊出生率2.1人」を下回る見込みだといいます。特に高所得国における出生率の低下が顕著だそうです。2100年には世界の出生数に占める低所得国の割合は、21年の18%から35%に倍増する可能性があるとのことです。CNNの記事です。

  • 米国で鳥インフルが乳牛に感染 牛乳からウイルス検出

    2024-03-27

    米テキサス州とカンザス州の農場で採取された殺菌処理前の牛乳から、鳥インフルエンザウイルスが検出されたそうです。25日に米当局が発表しました。テキサス州では、鼻咽頭ぬぐい液の検査でも陽性を確認したとのことです。検出されたウイルスは人にまれに感染し、重篤な症状が出ることで知られる「鳥インフルエンザA(H5N1)」だといいます。テキサス州では、3週間前から乳牛の体調不良が急増。野鳥から乳牛にウイルスが感染した可能性が考えられるそうです。市場に出回る牛乳の安全性は確保されているといいます。専門家によると、これまでに48種の哺乳類で鳥インフルの感染が確認されているとのこと。AP通信の記事です。

  • 人の顔が悪魔のように見える 「相貌変形視」とは?

    2024-03-27

    突然、人の顔が歪んで見えるようになる「相貌変形視(PMO)」を知っていますか。米国の研究チームが、人の顔を直接見たときだけ歪みが生じるという59歳の患者の例を紹介しています。チームはこの患者に、目の前にいる被験者と、その被験者の顔写真を比較してもらい、顔がどう見えるのかを画像編集ソフトで再現。耳や鼻や口が後方に伸び、額や頬には深いしわが入って、まるで悪魔のように見えることが分かったといいます。PMOは脳の神経学的機能障害が関連しているとみられていますが、詳しい原因は分かっていません。統合失調症などの精神疾患と誤診され、誤った薬を処方されることもあるそうです。NBC Newsの記事です。

  • アルツハイマー病の根本原因は、脳細胞における脂肪蓄積?

    2024-03-26

    米国の研究チームが、アルツハイマー病(AD)の根本的な原因を見つけた可能性があると発表したようです。チームは、細胞小器官(オルガネラ)の一つで、脂質の貯蔵や分解などを担う「脂肪滴」と、脂質の代謝に関与する「APOE遺伝子」に着目。ADで死亡した患者の脳組織を分析したところ、ADの危険因子でAPOE遺伝子の一つの型である「APOE4遺伝子」を有する人の脳には、脂肪滴蓄積の促進に関連する酵素を持つ免疫細胞が多く存在していたそうです。複数の実験結果を勘案すると、AD関連タンパク質・アミロイドβの沈着が脂肪滴蓄積を引き起こし、AD発症につながる可能性があるといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 韓国研修医スト 医学部教授も集団で辞表提出 深まる政府との対立

    2024-03-26

    韓国の主要な大学病院の教授らが25日、政府が掲げる医学部定員増計画の撤回を求めて、一斉に辞表を提出したそうです。政府の計画に反発した研修医らがストライキを始めてから、5週間が経過しました。政府はストライキに参加している研修医らの免停手続きを進めていましたが、24日には尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が医師側と建設的な対話を進めるよう関係者に指示するなど、態度をやや軟化させていたといいます。教授らは、辞表提出後も法定労働時間の週52時間以内で勤務を続ける方針とのこと。医師側の代表者は「政府が計画を撤回、再検討するなら話し合う用意がある」としているそうです。AP通信の記事です。

  • 「中年太り」は脳神経細胞の変化が原因? 名古屋大などのチーム

    2024-03-25

    名古屋大学などの研究チームが、「中年太り」は脳の神経細胞が加齢によって変化することが原因であることを突き止めたそうです。チームは、脳の視床下部に存在し、栄養過多を検知して代謝を促したり食欲を調節したりするタンパク質「4型メラノコルチン受容体 (MC4R)」に着目。ラットを使って調べたところ、MC4Rが視床下部の神経細胞の「一次繊毛」という「アンテナ」に集中していることが分かったそうです。そしてこの繊毛は、加齢に伴って短くなることが判明。それに応じてMC4Rが減少し、結果的に増量につながるといいます。また、高脂肪食が繊毛の短縮を促進することも示されたそうです。Medical Xpressの記事です。

  • 思考だけでカーソル操作 脳インプラントの患者がチェスをプレー

    2024-03-25

    米実業家イーロン・マスク氏が創設したニューラリンクは、同社の小型チップを脳に埋め込む手術を受けた29歳の男性が、考えるだけでコンピューター画面を操作し、チェスを楽しむ様子の動画を配信したそうです。男性は8年前のダイビング中の事故で、肩から下がまひしているといいます。今年1月、脳インプラントの治験に参加。手術翌日には退院し、認知機能にも問題はなかったそうです。カーソルを動かすことを考える訓練からスタートし、そのうちに脳インプラントが意図を反映するようになったといいます。男性はゲームのほか、日本語やフランス語のレッスンも楽しんでいるとのことです。Medical Xpressの記事です。

  • 鼻が利く人だけが知っている「におい」の最新研究

    2024-03-23

    「におい」というのは不思議です。イスラエルの研究チームは、女性の涙をかぐと、男性の攻撃性が抑えられるという研究結果を発表しています。また、イスラエルの別の研究によると、人は同じような体臭の人と仲良くなりやすいことが分かったそうです。米国の研究チームは、記憶を思い出すことが困難なうつ病の人を対象に調査を実施。においを嗅ぐと、それに関連する過去の具体的な出来事を思い出せることが明らかに。気になる臭いの消臭方法の研究も行われています。ニンニクを食べた直後にヨーグルトを食べると効果が期待できるそうです。マイナビRESIDENTの記事です。

  • 大腸がんの増殖に関与する口腔内細菌

    2024-03-23

    口の中に常在する細菌「フソバクテリウム・ヌクレアタム」の特定のサブタイプが、大腸がんの進行を促進することが分かったそうです。米国の研究チームが、大腸がん患者200人の腫瘍を分析したところ、約半数でサブタイプの「FnaC2」が増殖していることを発見。FnaC2は口から胃を通過して腸に移動し、そこで増殖する特異な形質を持つことも明らかになったそうです。また、腫瘍と健康な組織の比較から、FnaC2が大腸がんの増殖に関与することも示されたとのこと。大腸がん患者は、健康な人に比べて便からFnaC2が多く検出されたといいます。Medical Xpressの記事です。

  • ブタの腎臓を62歳の男性患者に移植 米病院で世界初

    2024-03-22

    米マサチューセッツ州ボストンのマサチューセッツ総合病院は21日、重い腎臓病の62歳の男性患者にブタの腎臓を移植したと発表したそうです。ブタの腎臓が治療目的で患者に移植されるのは世界初。16日に行われた手術の後、男性は順調に回復しており、近く退院できる見込みだといいます。手術チームは、ブタの腎臓は少なくとも2年間は機能すると考えているようです。今回移植されたブタの腎臓は人体側の拒絶反応を抑えるため、害のある遺伝子を除去し、人体に適合させるためにヒトの遺伝子を加える処置を施してあるそうです。AP通信の記事です。

  • 世界中ではしかの感染が拡大 CDCが警報

    2024-03-22

    世界中ではしかの感染が広がっています。米疾病対策センター(CDC)は春夏の旅行シーズンを前に、はしかに関する警報を出したそうです。現在、アフリカ26カ国、ルーマニアやトルコなどヨーロッパ4カ国、中東8カ国、インドなどアジア7カ国、東南アジアのマレーシアとインドネシア――の計46カ国で多くの感染者が発生。CDCは、海外に行く乳児には、定期接種のスケジュール(通常は1歳)を前倒ししてワクチンを接種させるよう呼び掛けています。また、ワクチンを接種したかどうか不明な人には、旅行の6週間前に医師の診察を受けることを勧めています。CNNの記事です。

  • ピロリ菌だけではなかった! 胃がんリスクを高める細菌を特定

    2024-03-21

    ピロリ菌と同じくらい胃がんの発症に影響を及ぼす可能性のある細菌が明らかになったそうです。口の中に一般的に存在する「ストレプトコッカス・アンギノーサス菌(SA菌)」です。シンガポールなどの研究チームが2週間にわたり、マウスの胃にSA菌を入れ続けて調べたそうです。その結果、軽~中等度の胃炎が引き起こされたといいます。そして1年後には、多くの細胞が異常な前がん状態に変化したそうです。また、SA菌が胃粘膜の細胞に感染するためには、細菌の表面に特定のタンパク質が必要なことが分かり、胃がん治療の標的になる可能性も示されたとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 米外交官が苦しむ「ハバナ症候群」 患者の脳には損傷なし

    2024-03-21

    世界各国に駐在している米国の外交官らの中には、原因不明の頭痛やめまいなどに見舞われる「ハバナ症候群」の患者がいるそうです。米国立衛生研究所(NIH)の調査で、患者の脳には損傷を示す証拠がないことが分かったといいます。NIHは患者80人以上を2018年から調査。最新のMRIスキャンを使って、患者と同様の職に就いている健康な対照群と比較したところ、脳の体積、構造、白質に有意差はなかったそうです。ハバナ症候群は16年にキューバで最初に報告されました。現在は否定的な見解が優勢とのことですが、当初は敵国による何らかの攻撃の可能性があると考えられていたようです。AP通信の記事です。

  • 膠芽腫に対する2種類のCAR-T療法、初期の治験で有望な結果

    2024-03-19

    患者自身の免疫細胞・T細胞を遺伝子改変し、がんへの攻撃力を高める「CAR-T細胞療法(キメラ抗原受容体T細胞療法)」で、悪性度の高い脳腫瘍「膠芽腫」を治療できる可能性があるようです。米国の研究チームが、CAR-T療法と抗体分子を組み合わせた治療法を開発。この抗体分子は、がん攻撃に参加させるために周辺のT細胞を引き寄せることができるといいます。また、米国の別のチームは、タンパク質「EGFR」など膠芽腫に関わる二つのタンパク質を標的とするCAR-T療法を生み出したそうです。どちらの治療法も、小規模な治験で腫瘍の縮小が認められたといいます。ABC Newsの記事です。

  • 換気をすれば良いわけではない 感染症対策は湿度にも注意

    2024-03-19

    新型コロナなどの呼吸器感染症対策として推奨されてきた「換気」は、過度に行うと逆効果になるかもしれません。米国の研究チームが、ウイルスを殺す作用があることで知られ、空気中を漂う「過酸化水素(H2O2)」に着目。室内の湿度が15%から50%に上がると空気中の微小水滴のH2O2濃度は3.5倍になり、その後50~95%の濃度は横ばいであることが分かったといいます。米疾病対策センター(CDC)は1時間に5回の換気を推奨しています。しかし研究者は、空気を乾燥させてしまうと指摘。換気だけを意識するのではなく、加湿器で湿度を保った上で行うことを勧めています。Medical Xpressの記事です。

  • 米FDA、初の非アルコール性脂肪肝炎「NASH」治療薬を承認

    2024-03-18

    米食品医薬品局(FDA)は、マドリガル・ファーマシューティカルズ社が開発した非アルコール性脂肪肝炎(NASH)向け経口薬「resmetirom(商品名:Rezdiffra)」を迅速承認したそうです。NASHの治療薬の承認は初めてだといいます。NASHは飲酒を原因とせず、肝臓に中性脂肪がたまって炎症が起こる疾患で、肝硬変や肝がんに進行するリスクがあります。同薬には、代謝に関わる甲状腺ホルモンの受容体を活性化し、肝臓内の脂肪を減少させる効果があるそうです。臨床試験では、同薬100mgを毎日服用した人の30%で、炎症による肝線維化が悪化することなくNASH消失が認められたといいます。CNNの記事です。

  • 片頭痛の米男性の脳にサナダムシの幼虫 生焼けベーコンが原因か

    2024-03-18

    片頭痛の悪化で受診した52歳の米国人男性が、豚に寄生するサナダムシの幼虫によって脳に嚢(のう)胞が形成される「神経嚢虫症」と診断されたようです。男性は生焼けのベーコンを好んで食べる習慣があったといいます。これによりサナダムシが男性の腸に寄生し、不十分な手洗いで糞便に含まれる卵が口から入り、神経嚢虫症を発症した可能性があるそうです。男性は4カ月にわたる頭痛に悩まされ、薬が効かなくなったといいます。CT画像から脳に多数の嚢胞があることが判明し、嚢虫症の抗体検査で陽性反応が出たとのこと。抗寄生虫薬と抗炎症薬が効き、男性の症状は改善したそうです。NBC Newsの記事です。

  • 髄芽腫の治療法開発に道 「ジャンクRNA」を標的にした有望な新治療薬

    2024-03-15

    タンパク質生成に関わらないため、機能を持たないジャンク(がらくた)と考えられていた「ノンコーディングRNA」が、小児悪性脳腫瘍「髄芽腫」の新治療法の鍵になる可能性があるそうです。米国の研究チームが、長鎖ノンコーディングRNA「lnc-HLX-2-7」が発がん遺伝子の発現に関与することを発見。これを標的とするRNAベースの静脈内投与薬を開発したそうです。最も治療が難しい「グループ3髄芽腫」のマウスにこの薬剤を投与したところ、腫瘍の成長が40~50%抑制されたといいます。既存の化学療法(シスプラチン)と組み合わせると、さらに効果が高まったとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • コロナ流行中に生まれた子どもはアレルギー発生率が低い 理由は腸内細菌?

    2024-03-15

    新型コロナのパンデミック中に生まれた子どもは、腸内細菌の関係でアレルギーを発症しにくいそうです。アイルランドの研究チームが、パンデミック中(開始後3カ月以内)に生まれた乳児351人とパンデミック前に生まれた乳児を比較。1歳までに食物アレルギーを発症したのは、「パンデミック中」が5%だったのに対し、「パンデミック前」は22.8%だったそうです。便を比較したところ、「パンデミック中」の方が、有益な腸内細菌が多いことが分かったといいます。ロックダウン(都市封鎖)で乳児の感染症の発生率が減り、抗菌薬の使用が激減したことが原因と考えられるそうです。Medical Briefの記事です。

  • 異常事態にもほどがある 韓国・研修医スト問題

    2024-03-15

    韓国で研修医らがストライキを起こし、医療現場に異常な事態が発生しているようです。発端は、医学部の入学者数を増員するという韓国政府の発表でした。これに反対したソウルの5大病院の研修医が、2月19日に一斉に退職届を提出。翌日から職場を離れてストに入ったといいます。全国的に同様の動きが広がり、国内の研修医のほとんどがストに参加しているそうです。この動きを支持する上級医師らが大規模デモを行ったり、政府がスト参加者の医師免許を停止する措置を始めたりして、両社の対立は激化しているとのこと。患者に深刻な影響が出ているようです。マイナビRESIDENTの記事です。

  • 脳に埋め込んだ装置で、ALS患者が考えるだけでコンピューターを操作

    2024-03-14

    脳と外部のコンピューターをつなぐ「ブレイン・コンピューター・インターフェイス(BCI)」の臨床試験で、筋萎縮性側索硬化症(ALS)で指先の運動機能を失った男性が、体調や痛みに関する情報を画面上で選択して送信するプログラムを使いこなせるようになったそうです。臨床試験は米シンクロン社が行っているものです。男性の脳に埋め込んだBCIは、脳の電気信号を検出することができるステント(金属製の筒)で、開頭せずに頸静脈から挿入できるといいます。男性が画面のある場所をクリックしたいなどと考えると、BCIがその信号を読み取ってコンピューターに伝えるそうです。CNNの記事です。

  • 携帯電話での通話は脳腫瘍のリスクを高めない

    2024-03-14

    携帯電話から出る電磁波が、脳腫瘍のリスクを高めるという説があるそうです。本当なのでしょうか。スウェーデンと英国などの研究チームが、2007~13年にかけて世界5カ国(英国、デンマーク、スウェーデン、フィンランド、オランダ)で25万人を対象に携帯電話の使用に関するアンケート調査を実施(COSMOS研究)。その後、参加者を追跡調査したところ、携帯電話による総通話時間が最も長い群であっても、脳腫瘍の発生リスクが高まることはないと分かったそうです。アンケート調査の15年前から携帯電話を使用していた人でも、リスクは上昇しなかったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 韓国政府「大変遺憾」 研修医ストに教授ら合流の可能性

    2024-03-13

    韓国政府の医学部増員計画に反発して、研修医がストライキを起こしている問題の続報です。韓国政府は12日、大学病院の教授らが研修医のストライキに合流する可能性を示唆したことを受けて、「大変遺憾」と非難したそうです。現在、ストライキを行っている研修医の数は1万2千人にまで増加。政府は、ストを続ける研修医に対して、医師免許停止手続きを開始しています。こうした状況を受け、教授らは11日、政府が来週初めまでに妥当な打開策を打ち出さなければ、一斉に辞職願を提出すると表明したといいます。AP通信の記事です。

  • 血管内のマイクロプラスチック、心血管リスク上昇に関連

    2024-03-13

    ヒトは食事や呼吸によって、微小なプラスチック片(マイクロプラスチック)を体内に取り込んでいるといいます。このことが、心血管の健康に悪影響を及ぼしているかもしれません。イタリアの研究チームが、動脈血栓症のため血管内から「プラーク」を摘出する手術を受けた患者257人を調査。プラークは、LDLコレステロールが血管の内皮細胞の下にたまってできたかたまりです。摘出したプラークから、ポリエチレン(PE)やポリ塩化ビニル(PVC)が検出された人は、そうでない人に比べて34カ月以内に脳卒中や非致死性の心臓発作を発症するリスクや、全死因死亡リスクが4.5倍高くなったといいます。ScienceAlertの記事です。

  • ジカウイルスのワクチン株、膠芽腫治療の救世主に?

    2024-03-12

    悪性度が非常に高い脳腫瘍「膠芽腫」の新たな治療法が開発されるかもしれません。シンガポールの研究チームが、ジカ熱のワクチン用に開発された「ジカウイルス弱毒生ワクチン(ZIKV-LAV)株」に着目。生体外でZIKV-LAV株をヒト膠芽腫細胞に感染させたところ、腫瘍細胞の65~90%が死滅することが明らかになったそうです。ZIKV-LAV株は脳内の血管細胞の9~20%に感染したものの、健康な細胞を殺すことはなかったといいます。また、ZIKV-LAV株は健康な細胞ではうまく増殖できず、がん細胞で良く増殖するそうです。Medical Xpressの記事です。

  • 追跡調査で「効果なし」 ALS薬「レリブリオ」販売中止か

    2024-03-12

    米アミリックス・ファーマシューティカルズ社は8日、同社が開発した筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬「Relyvrio(レリブリオ)」の販売を自主的に中止する可能性があると発表したようです。レリブリオは、2022年9月に米食品医薬品局(FDA)が承認しました。しかし、小規模な中間段階の研究結果しかなく、有効性については当時から疑問の声が上がっていたといいます。そして今回、ALS患者600人以上を対象とした追跡調査の結果、レリブリオがALSの進行を遅らせることはなく、筋力を改善することもないことが判明したそうです。AP通信の記事です。

  • 減量薬「ウゴービ」適応拡大、心血管疾患リスク抑制の治療

    2024-03-11

    米食品医薬品局(FDA)は8日、人気の肥満症治療薬「ウゴービ(一般名セマグルチド)」について、心血管疾患リスク抑制の治療に対する適応拡大を承認したそうです。心臓発作や脳卒中などのリスクを減らす作用があると認められた肥満症治療薬は、ウゴービが初めてだといいます。この薬を販売するデンマークの製薬大手ノボノルディスクが、心血管疾患既往歴のある1万7000人を対象に行った臨床試験では、ウゴービが心血管イベントを20%抑制するとの結果が示されたとのことです。一方で、既往歴のない人への有効性については、さらなる研究が必要だといいます。CNNの記事です。

  • HIV感染の乳児へART、4人が治療休止から1年以上寛解を維持

    2024-03-11

    出生前にエイズウイルス(HIV)が母子感染した乳児に対して、複数の薬剤を組み合わせる「抗レトロウイルス療法(ART)」が有効かもしれません。米国立衛生研究所(NIH)が資金提供した研究で、研究チームはHIVが感染している乳児に、生後すぐにARTを集中的に行い、日常的な投薬をせずに寛解を保てるのかを調査。参加した子どもたちのうち4人が、治療を休止してから1年以上寛解を維持したといいます。最終的には全員からHIVが再検出されたのですが、将来的に、こうした子どもたちが人生の一時期だけARTを受ければいいようになる可能性が示されました。ABC Newsの記事です。

  • 「精製炭水化物」を取ると、顔の魅力度が低くなる⁉

    2024-03-08

    小麦粉や白米、砂糖などの精製された炭水化物の摂取量が、顔の魅力に影響を及ぼすようです。フランスの研究チームが、成人男女104人に「精製炭水化物を使った血糖値が上がりやすい朝食」か「そうでない朝食」を食べてもらい、2時間後に写真を撮影。そして、別途集めた参加者に撮影した異性の写真を見せ、顔の魅力度を評価させたといいます。その結果、精製炭水化物を使った朝食を取った人は、顔の魅力度が低くなることが男女ともに示されたそうです。食生活に関するアンケートから、精製炭水化物を習慣的に摂取する人も、低評価を受けたといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 欧州でオウム病が急増し5人死亡 WHOが注意呼びかけ

    2024-03-08

    世界保健機関(WHO)が、昨年から今年にかけて欧州で「オウム病」患者が増えているとして注意を呼びかけたそうです。オウム病は、クラミジア属の細菌が感染することによって発症する呼吸疾患です。感染した鳥の排泄物や分泌物を介してヒトうつります。症状は頭痛、筋肉痛、せき、発熱、悪寒などで、抗菌薬で治療することができ、死に至ることはまれだといいます。欧州では昨年から患者が急増し、スウェーデンで感染者39人、デンマークで23人(うち4人死亡)、オランダで21人(うち1人死亡)、ドイツで19人、オーストリア18人――が確認されているといいます。CNNの記事です。

  • いまさら聞けない(←いつも誰が決めてる?)近年話題のCAR-T細胞療法とは

    2024-03-08

    がん治療の新たな選択肢として注目されている「CAR-T細胞療法」。現在は血液がんの治療として使われていますが、固形がんを含むさまざまながんの治療に有効であることが明らかになっています。イタリアの研究チームは、小児神経芽腫の痕跡が消失したことを報告しています。また、米国の研究チームが、がんを直接攻撃しない新しいCAR-T細胞療法を開発し、マウスの実験で、卵巣や肺、すい臓のがんを縮小させることに成功したといいます。さらに、若返りや老化防止に効果があるという驚きの報告も出ています。マイナビRESIDENTの記事です。

  • 最初期に急増するタンパク質を特定 アルツハイマー病早期診断の鍵か

    2024-03-07

    神経細胞間のつなぎ目「シナプス」の主要なタンパク質である「PSD-95」が、アルツハイマー病(AD)の早期診断や治療の鍵になる可能性があるようです。米国の研究チームが、培養した神経細胞や、ADの一般的な兆候が現れる前の若いマウスを使って調査。PSD-95の増加が、AD初期の患者に見られる脳内の過剰興奮やてんかん発作を起こりやすくすることが示されたそうです。PSD-95を阻害したマウスは、過剰興奮やてんかん発作の回数が減ったといいます。また、PSD-95の増加が最初期ADのバイオマーカーになるとのことです。Medical Xpressの記事です。

  • 新型コロナワクチンを217回接種したドイツ人男性

    2024-03-07

    2年5カ月の間に新型コロナウイルスワクチンを217回も接種した人がいるそうです。62歳のドイツ人男性で、個人的に購入して接種したといいます。この男性の存在を知った同国の研究チームが、男性の血液や唾液を分析したそうです。度重なる接種で免疫系が過剰に刺激され、特定の細胞が疲弊することが懸念されますが、男性にはそのような痕跡は見つからなかったそうです。また、男性が新型コロナに感染した形跡もなかったとのことです。言うまでもないことですが、研究者は「過剰接種は推奨されるものではない」としています。BBCの記事です。

  • オランダ人男性が心臓移植後39年生存 ギネス記録を更新

    2024-03-06

    心筋症のため17歳の時に心臓移植手術を受けたオランダ人男性が、現在57歳になっているそうです。男性が心臓を移植されたのは1987年6月。当時はオランダで心臓移植手術が行われていなかったため、英国で手術を受けたそうです。それから39年100日生き延びたとして、ギネス記録に認定されたといいます。これまでの世界記録は、カナダ人が持つ34年359日だったといいます。男性の主治医によると、心臓移植を受けた患者の平均余命は16年だそうです。男性は心臓の薬による副作用の影響で近年は動作が緩慢になっているものの、現在も健康に日常生活を送っているとのことです。CNNの記事です。

  • 飲酒量が減る?人気の肥満症治療薬に思わぬ副次的効果か

    2024-03-06

    ウゴービやオゼンピックの商品名で知られ、肥満症治療の効果で注目されている持続性GLP-1受容体作動薬「セマグルチド」が、アルコール依存の低減に有効だとの事例が多数報告されているようです。その中の一人、米バージニア州に住む38歳の女性は、減量のためにセマグルチドを服用し始めたそうです。7カ月で約20kg減量し、アルコール摂取量は75%減ったそうです。女性は、薬を服用している間はアルコールへの欲求が減ったと話しているとのことです。現在米国の研究チームなどが、セマグルチドが飲酒欲求を減らすのに有効かどうかを調べる臨床試験を複数行っているといいます。CBS Newsの記事です。

  • 韓国研修医スト 政府が職場離脱続ける医師の免停手続きを開始

    2024-03-05

    韓国政府の医学部増員計画に反発して研修医がストライキを起こしている問題で、韓国政府は4日、ストライキ終了を求める命令に従わなかった数千人の医師免許を停止する手続きに入ったそうです。政府は2月、医学部入学者数を現在の3058 人から2000人増員することを発表したといいます。これに反対した約9000人の研修医が、2週間にわたり職場を離脱しているとのことです。政府は繰り返し職場復帰を求めてきましたが、それに応じた研修医はわずかだったそうです。ストを続けた研修医には少なくとも3カ月の免停処分が科される見通しです。免停が実際に発効するまでには数週間かかるといいます。AP通信の記事です。

  • コロナ感染者の5日間隔離を廃止 米CDCがガイドライン見直し

    2024-03-05

    米疾病対策センター(CDC)は、新型コロナウイルス感染者の隔離に関するガイドラインの見直しを決めたそうです。これまでCDCは、新型コロナ感染者に対して5日間の自宅待機を推奨。しかし今後は、一般的な呼吸器系ウイルスと同様の扱いに変更するといいます。具体的には、症状が改善し、解熱剤なしで24時間以上発熱がなかった場合は日常生活の再開が可能になります。その後5日間は、マスクの着用や手洗い、人との距離の確保、換気をするなどして感染を広げない行動を求めるといいます。この見直しについては、公衆衛生の専門家から「新しいデータに基づいていない」などの批判が上がっているそうです。nprの記事です。

  • 韓国・研修医ストで医師らが支持のデモ 政府の「法的措置」に反対

    2024-03-04

    韓国政府による大学医学部の定員拡大方針に反発して、9000人近い研修医が辞表を提出してストライキを起こしている問題で、研修医への支持を表明する医師らが3日、大規模なデモをソウル市内で行ったそうです。政府が、ストを続ける研修医に対する医師免許の停止措置について言及したことがきっかけだといいます。また警察は、研修医のストを扇動・教唆したとして、大韓医師協会の幹部5人を捜査しているとのことです。なお、医師らの行動は国民の支持を得ておらず、国民の多数が「定員拡大」に賛成しているそうです。AP通信の記事です。

  • RSVワクチンとギラン・バレー症候群に関連? 米保健当局が調査

    2024-03-04

    米国で昨年承認された60歳以上向けの2種類のRSウイルス(RSV)ワクチンが、「ギラン・バレー症候群(GBS)」をまれに引き起こす可能性があると指摘されているようです。GBSは、免疫システムが自分の末梢神経を障害し、手足のまひなどが起こる疾患です。米国では、すでに950万人がRSVワクチンを接種。その中で、20件以上のGBSが確認されているそうです。割合は非常に低いものの、想定より多い報告数だといいます。これを受けて米保健当局は、RSVワクチンがGBSと関連があるのかを詳しく調査中とのことです。AP通信の記事です。

  • 大麻の使用、心血管疾患リスク上昇に関連

    2024-03-01

    大麻は摂取の方法に関わらず、心臓病や脳卒中のリスクを高める可能性があるようです。米国の研究チームが、18~74歳の成人43万人分のデータを分析。毎日大麻を使用する人は、全く使用しない人に比べて心臓発作リスクが25%、脳卒中リスクが42%高くなることが分かったといいます。大麻の使用量が多いほど、有害な影響を与えるリスクも上昇したそうです。喫煙による摂取だけでなく、食用大麻や蒸気による摂取も同様とのこと。大麻による心血管への影響は、タバコとそれほど変わらないということも示されたといいます。CBS Newsの記事です。

  • VIAGRA(バイアグラ)——味方か敵か、敵か味方か。意外な効果がいま明らかに

    2024-03-01

    勃起不全(ED)治療薬として有名な「バイアグラ(一般名シルデナフィル)」は元々、狭心症や高血圧の治療薬として開発が進められていたことが知られています。ED改善は、その中での思わぬ効果だったそうです。今、バイアグラなどのED治療薬について、新たな「思わぬ効果」が報告されています。アルツハイマー病の発症リスクの抑制や、化学療法耐性の食道がんの治療に有効だというのです。一方で、ED治療薬は深刻な眼疾患を招いたり、大動脈瘤悪化の可能性があったりすることが指摘されています。マイナビRESIDENTの記事です。

  • 病院の民営化は医療の質を低下させる?

    2024-03-01

    公立の病院を民営化すると、医療の質は向上するのか――。その問いに対する一つの答えが出たようです。英国の研究チームが、高所得国を対象に公営から私営になった医療機関の質を評価した13の研究を分析。病院の民営化は、概して医療の質を低下させることが分かったといいます。民営化が患者の病状に好影響を及ぼすことを明確に示した研究はなかったといいます。それどころか、民営化した病院では、清掃スタッフの減少や院内感染の増加などがみられたとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • NYの医科大に理事長が10億ドルを寄付 授業料無償化へ

    2024-02-29

    有名投資家の未亡人(93)が、自身が理事長を務める米ニューヨーク市のアルバート・アインシュタイン医科大学に10億ドル(約1500億円)を寄付したそうです。これを受け大学は、全学生の授業料を無償化する予定だといいます。同大は米ニューヨーク市の低所得地域にあるそうです。現在の同大の授業料は年間6万3000ドルで、多くの学生は返済に何十年もかかるような借金を抱えて卒業するとのことです。今回の無償化が、移民など多様な志願者の呼び込みにつながることが期待されるといいます。なお、寄付金の運用により、同大の授業料無償化は永続するとみられています。AP通信の記事です。

  • 生物学的年齢も若くなる! 断食模倣食「FMD」の驚くべき効果

    2024-02-29

    1カ月に連続5日間だけ食事を制限して、体を断食時と似た状態にするダイエット法「断食模倣食(FMD)」は、健康に有益なようです。米国の研究チームが、18~70歳の男女を対象に2件の臨床試験を実施。FMDを実践する人、通常の食事を取る人、地中海食を取る人に分けて比較したそうです。FMD実践者は、食事制限の5日間は野菜中心のスープなどを食べ、その生活を3~4カ月継続。その結果、FMD実践者は、その他のグループと比べて、免疫系の加齢や糖尿病、脂肪肝の兆候が低減したそうです。また、生物学的年齢も実年齢より平均2.5歳若くなったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 「チョウセンゴミシ」の成分、大腸がんに有効な可能性

    2024-02-28

    日本や韓国、中国などに自生する「チョウセンゴミシ(朝鮮五味子)」の果実の成分が、大腸がんに有効なことが分かったそうです。果実に含まれるポリフェノールの一種「シサンドリンB(SchB)」は肝臓がん、乳がん、卵巣がん、胃がん、胆のうがんに対して抗がん作用があることが知られているといいます。チームが大腸がんについて調査したところ、さまざまなステージの大腸がんに抗がん効果を発揮することが判明。特に、末期の大腸がんに高い有効性が確認されたといいます。その上、正常な細胞に対する毒性は非常に低かったとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • アルツハイマー病、症状出現までの脳変化が明らかに

    2024-02-28

    アルツハイマー病(AD)患者の脳には、どのような流れで変化が起こるのでしょうか。中国の研究チームが、ADと診断された中高年648人と認知的に健康な中高年648人について、脳脊髄液や脳画像の20年間にわたる定期検査の記録を比較したそうです。AD患者は、診断の18年前の時点で髄液中のAD関連タンパク質アミロイドβのレベルが高かったといいます。それに続いて、神経細胞におけるタウタンパク質の異常な蓄積が起こり、神経細胞の伝達不良が出現したとのことです。その数年後に、脳萎縮と認知機能低下が認められたといいます。AP通信の記事です。

  • 韓国の研修医スト、復職しなければ医師免許停止と政府が警告

    2024-02-27

    韓国政府は26日、医学部増員計画に反発して研修医約9000人が起こしているストライキについて、4日以内に復職しなければ医師免許停止などの法的措置を講じると警告したようです。29日までに復職すれば、処分は求めない方針。ストの影響で、手術や治療の中止が多発しているそうです。政府は公立医療施設の診療時間を延長するなどして医療の安定を図っていますが、急患がたらい回しの末に死亡する事例も起きているといいます。スト参加者は「計画している数の新入生を大学は受け入れられない」「この計画では慢性的な医師不足を解消できない」と主張しているとのこと。AP通信の記事です。

  • 「乳房切除」で、乳がん発症リスクが80%低減か

    2024-02-27

    乳がんのリスクが高い女性に対して、リスク低減乳房切除(RRM)を推奨することを検討するべきかもしれません。カナダの研究チームが、乳がんリスクを高めるとされるBRCA1またはBRCA2遺伝子の変異を持つがん患者ではない1600人を6年にわたり追跡調査したそうです。このうち半数がRRMを受けたといいます。調査終了時点で乳がんを発症したのは、RRMを受けた群が20人、受けなかった群は100人。RRMが乳がん発症リスクを80%抑制することが示されたそうです。また、RRMを受けてから15年以内に乳がんで死亡する確率は1%未満だったとのことです。Medical Xpressの記事です。

  • ドイツが娯楽目的の大麻使用・栽培を合法化 4月から

    2024-02-26

    ドイツで早ければ4月から、公共の場での大麻の使用が合法化される見込みです。ドイツ連邦議会が23日、娯楽目的での大麻使用・栽培を認める法案を可決。闇市場の取り締まりや汚染された大麻から使用者を守ることが目的だといいます。法案によると、18歳以上の成人は公共の場で25g、自宅では50gまで大麻の所持が可能になります。1世帯あたり3株まで大麻栽培も認められます。大麻の購入に関しては厳しいルールを設ける予定で、非営利の会員制「大麻クラブ」に所属するメンバーのみが入手できるといいます。一方で、医療関係者などは強く反対しているようです。BBCの記事です。

  • ダメ! 皮膚に刺さない血糖値測定機器 米FDAが警告

    2024-02-26

    米食品医薬品局(FDA)は、皮膚に刺さずに血糖値を測定するスマートウォッチやスマートリングを使用しないよう警告を発したそうです。こうした機器をFDAは承認しておらず、血糖値の不正確な測定や命を脅かす誤った糖尿病管理につながる恐れがあるとしています。FDAは消費者に対し、「非侵襲的技術」は血糖値を直接検査するものではないため、購入しないよう呼びかけたといいます。また、医療機関に対しては、未承認の機器を使うことのリスクを患者と話すよう求めたそうです。なお、FDAはこうした機器が原因で起きた有害事象の情報収集を行っているといいます。CNNの記事です。

  • これでも吸う? たばこが免疫系に与える悪影響が明らかに

    2024-02-22

    喫煙が健康に与える深刻な影響が、また一つ明らかになりました。フランスの研究チームが、20~69歳の健康な男女1000人の血液検体を細菌やウイルスに暴露させ、免疫応答を評価したそうです。その結果、生活習慣や食生活、遺伝的性質など136の条件のうち、喫煙が免疫応答に最も悪影響を及ぼすことが分かったとのこと。禁煙をすると免疫応答はある程度改善するものの、完全に回復するには数年かかったといいます。特に、リンパ球のT細胞やB細胞が関与し特定の病原体に対する強力な「適応免疫」への影響が長く続いたそうです。CNNの記事です。

  • イーロン・マスクも大注目の「脳インプラント」のいまに迫る!

    2024-02-22

    米起業家イーロン・マスク氏のニューラリンク社が1月、脳インプラントの臨床試験を開始したと発表しました。マスク氏はまず、視力回復▽筋肉を動かせない人による電子機器の操作▽首を骨折した人の脳の信号を脊髄に送達――を実現したいと考えているようです。同社が手がけるもの以外にも、脳インプラントの研究は進んでいます。話すことができなくなった人が脳波で文字を入力したり、念ずることでアバターが発話したり。まひの男性が100m歩けるようになったとの研究発表や、強迫性障害とてんかんを改善した女性がいるとの報告もあります。マイナビRESIDENTの記事です。

  • 単純ヘルペスウイルス1型の感染で認知症リスクが倍増か

    2024-02-22

    口唇ヘルペスの原因「単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)」の感染歴が、認知症発症の危険因子である可能性が示されたそうです。スウェーデンの研究チームが、70歳の認知症ではない1002人を15年にわたって追跡調査した結果です。対象者の82%がHSV-1抗体を保有していた(感染歴があった)そうです。そして、HSV-1抗体を持つ人は、そうでない人に比べて追跡期間中に認知症を発症するリスクが2倍高かったといいます。こうした関連性は、認知症の危険因子とされるAPOE4遺伝子や年齢に関係なく認められたとのこと。Science Alertの記事です。

  • ナイアシンの取り過ぎに注意! 心臓発作や脳卒中と関連

    2024-02-21

    「ナイアシン(ビタミンB3)」は代謝やエネルギー産生、DNAの修復・合成などに関わる重要な物質です。しかし、取り過ぎには注意が必要なようです。米国の研究チームが、心臓病患者 3163人のデータを分析。ナイアシンが過剰な場合に分解産物「4PY」が作られ、血中にこれが見つかると心臓発作や脳卒中のリスクが高まることが明らかになったそうです。マウスに4PYを注入して調べたところ、血管の炎症が増加することも示されたといいます。ナイアシンはシリアルやパン、魚や肉などに多く含まれており、米国人の4人に1人が推奨量より多く摂取しているそうです。NBC Newsの記事です。

  • 若返り・老化防止にも「CAR-T細胞」が有効⁉

    2024-02-21

    血液がんの治療で注目を集めている「キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞」が、若さの維持にも有効な可能性があるそうです。米国の研究チームが、体に蓄積して有害な炎症を引き起こす老化細胞に着目。白血球の一種であるT細胞に遺伝子改変を行い、老化細胞を除去できるCAR-T細胞を作製しといいます。これをマウスに投与したところ、肥満や糖尿病など老化に関連する疾患が抑制されたのだそうです。そして、高齢マウスは若返り、若いマウスは老化スピードが遅くなったといいます。CAR-T細胞をたった一回投与するだけで、その効果は生涯にわたって続いたとのことです。Science Dailyの記事です。

  • 韓国の研修医が一斉に退職届 政府の医学部増員方針に反発

    2024-02-20

    韓国政府が医師不足の対応策として、来年度以降の医学部入学定員を2000人増やすという方針を示し、医師側から医療の質の低下につながるとして大反発が起きているそうです。韓国の5大病院に勤務する研修医らが19日、一斉に退職届を提出したといいます。20日からは、各自の持ち場を離れる予定だとのことです。他の病院でも数百人の研修医が退職届を提出しており、一部で手術や治療に遅れが生じているそうです。政府は研修医に勤務の継続を要求しているといいます。政府は急患に対応するため、状況に応じて軍医を投入する用意をしているとのことです。AP通信の記事です。

  • 「匂い」がうつ病患者の記憶を呼び起こすきっかけに

    2024-02-20

    うつ病の人は記憶を思い出すのが困難であることが知られています。うつ病の人が過去の具体的な出来事を思い出すのに、「匂い」が役立つかもしれません。米国の研究チームが、成人うつ病患者32人を対象に調査を実施。24種類の匂いを嗅がせ、それらに関連する過去の記憶を呼び起こしてもらったそうです。すると参加者の68%が、匂いに応じて過去の具体的な出来事を思い出すことができたといいます。参加者にそれぞれの匂いを表す言葉を説明してみたところ、52%が過去の出来事を思い出したものの、匂いを嗅いだ場合よりも不鮮明だったとのこと。NBC Newsの記事です。

  • 米FDA、治療困難な「転移性メラノーマ」の細胞療法を初承認

    2024-02-19

    米食品医薬品局(FDA)が2月16日、米バイオテクノロジー企業Iovance Biotherapeuticsが開発した転移性の悪性黒色腫(メラノーマ)に対する初の細胞療法「Amtagvi」を承認したそうです。AmtagviはTIL(腫瘍浸潤リンパ球)療法と呼ばれるもので、患者自身の免疫細胞・T細胞(TIL)を利用し、がんを破壊します。1回の治療で少なくとも数年間効果が続くといいます。メラノーマ患者73人を対象とした臨床試験では、Amtagviの効果があった人(客観的奏効率)は31.5%だったそうです。このうち43.5%で、12カ月が経過した時点まで腫瘍の進行や死亡が発生することなく効果が持続したといいます。CNNの記事です。

  • 喘息治療薬「ゾレア」の使用を食物アレルギー患者に拡大/米FDA

    2024-02-19

    喘息治療薬「ゾレア(一般名:オマリズマブ)」が、食物アレルギー患者のアレルギー反応を減らす目的での使用について、米食品医薬品局(FDA)から2月16日に承認されたそうです。対象は1歳以上の患者で、2~4週間に1回、注射で投与。ピーナッツアレルギー患者を対象とした臨床試験では、ゾレアを投与された群の68%がティースプーン半量のピーナッツタンパク質に耐えられるようになったのに対し、プラセボ群は6%だったといいます。ナッツや牛乳、卵、小麦についても同様の結果が出たそうです。ただし、ゾレアでの治療自体がアナフィラキシーを起こすことがあり注意が必要とのこと。AP通信の記事です。

  • 【食べるだけで!】うつに効果あり/なし/逆効果の食品【食べるだけで…】

    2024-02-16

    多くの人がうつ症状に苦しんでいます。症状の抑制に効果がある食品や、逆に症状を進行させる食品の研究が進んでいます。キウイやヨーグルトはうつ治療に効果があり、ビタミンB6サプリメントは気持ちを落ち着かせるそうです。一方で、インスタント食品やスナック菓子、炭酸飲料などの超加工食品は、特に女性のうつ病リスクを高めるといいます。揚げ物もリスクを高め、特にフライドポテトが悪いそうです。そして、うつ予防に効果があると考えられていたオメガ3サプリは、実は効果がないことが分かったといいます。マイナビRESIDENTの記事です。

  • 感染症後の長引くせきは「我慢」が一番の薬

    2024-02-16

    呼吸器感染症後に長引くせきは、ほとんどの場合、時間がたてば改善するそうです。カナダの研究チームが、感染症後のせきに関する重要ポイントをまとめています。まず、こうしたせきは、呼吸器感染症を患った成人の11~25%が経験するそうです。ただし、8週間を超えて続くせきは注意が必要で、嚥下困難や過度の息切れ、喀血などの症状、肺炎の再発歴や長期にわたる喫煙歴がある場合は追加の検査や評価をしなくてはならないとしています。また、長引くせきに使われている吸入薬や経口薬は、ほとんど効果がなく副作用もあることを知っておくべきだとのこと。EurekAlert!の記事です。

  • うつ病の人は体温が高い 体の冷却が症状軽減の鍵?

    2024-02-16

    うつ病と体温には奇妙な関連性があるそうです。米国の研究チームが、世界106カ国の2万880人から7カ月にわたって収集したデータを分析。うつ症状(自己申告)が深刻になるほど、平均体温が高くなることが明らかになったそうです。ただし、うつ病が体温を上昇させるのか、体温上昇がうつ病の原因になるのかは不明とのこと。また、サウナなどがうつ症状を軽くするという研究報告があるそうです。これは、発汗による自己冷却で体温が下がることが理由の可能性があるそうです。冷水を浴びるよりもサウナなどの方が体温が下がり、その状態が長く続くといいます。Science Alertの記事です。

  • 雷が鳴ったら頭を濡らした方がいい 落雷ダメージを軽減

    2024-02-15

    雷が頭に落ちたとき、頭皮が雨水で濡れていると生存率が高くなるそうです。ドイツの研究チームが、ヒトの頭皮、頭蓋骨、脳の頭部モデルを作製して実験を行ったといいます。この「頭部」はヒトの組織の電気伝導性(電気の通りやすさ)が再現されているとのこと。チームは、乾燥した状態の「頭部」と人工の雨水で濡らした「頭部」に、雷を模した電流を流したそうです。雨水で濡れている頭部の方が、濡れていない頭部に比べて落雷による傷(穿孔)や深刻な損傷部位が少なかったといいます。さらに、頭部が濡れているほうが、脳に届く電流強度も低かったとのことです。Medical Xpressの記事です。

  • 南アジア系は心臓病リスクが高い 血管再生の幹細胞が原因か

    2024-02-15

    南アジアの人は、白人に比べて若いうちから心血管疾患を患うリスクが高いそうです。カナダなどの研究チームがその理由を明らかにしたようです。チームは、南アジア系だと自認する成人60人と欧州系の白人60人の血液細胞を比較。参加者はみな、心血管疾患か糖尿病のどちらかを患っている上、心臓病の危険因子を一つ以上持っていました。その結果、南アジア人は、白人に比べて血管の修復や再生に必要な幹細胞が非常に少ないことが示されたといいます。南アジアはインド、スリランカ、ネパール、パキスタン、バングラデシュ、ブータン、モルディブで構成される地域です。CBCの記事です。

  • バイデン大統領に記憶力低下の指摘 認知機能に問題はない?

    2024-02-14

    11月の米大統領選で再選を目指すバイデン大統領(81)の認知力に、注目が集まっているようです。きっかけは、バイデン氏が機密文書を自宅に持ち出した問題についての報告書です。検察当局は訴追しないと結論付け、「(バイデン氏は)高齢で記憶力が乏しい」と指摘したそうです。ただ、複数の医師によると、過去の日付や時系列を忘れただけでは、認知機能や意思決定などのレベルの判断はできないといいます。その瞬間の記憶力や認知力に影響を与える要因は多岐にわたり、特にプレッシャーがかかる状況ではこうした能力が損なわれることがあるそうです。ABC Newsの記事です。

  • 米オレゴン州で8年ぶりにペスト患者発生 飼い猫から感染か

    2024-02-14

    米オレゴン州デシューツ郡で、8年ぶりにペスト患者が確認されたそうです。ペストは通常、ペスト菌を持つネズミなどからノミを介してヒトに感染します。家庭のペットも同様のルートで感染することがあり、そのペットの飛沫などからヒトに感染することもあるそうです。特に猫はネズミを追いかける習性がある上、体質的にペスト菌を除去するのが難しいといいます。今回の患者については、飼い猫から感染した可能性が指摘されています。患者はリンパ節が腫れる「腺ペスト」から始まり、血液まで感染が拡大したそうです。幸い抗菌薬がよく効いているといいます。NBC Newsの記事です。

  • アレルギーの主犯格か 新たな「メモリーB細胞」を発見

    2024-02-13

    アレルギー治療の新たな標的が見つかったかもしれません。カナダとデンマークの研究チームが、新たなタイプの免疫細胞「2型メモリーB細胞(MBC2)」を発見したそうです。チームは、花粉などのアレルゲンから蛍光分子の一種(四量体)を作製したり、舌下免疫療法臨床試験の検体を活用したりすることで、MBC2とアレルギー反応を引き起こすIgE抗体が直接関連することを明らかにしたそうです。MBC2がアレルギーであることを記憶し、アレルゲンに遭遇するとIgE抗体を多く産生するといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 世界共通? 「声の低い人」は威厳があって魅力的

    2024-02-13

    低い声で話すと、他人に良い印象を与えられるそうです。米国の研究チームが、男女2人ずつに同じ文章を読んでもらい、その音声記録を編集して、それぞれについて声の高さが「高い」「平均的」「低い」の3パターンを作成したといいます。これを世界22カ国の男女計3100人に聞かせたそうです。そして、長期的な関係を築く相手として魅力に感じる声を尋ねたところ、男女ともに「低い声」と答えたといいます。また、低い声の男性は、他の男性に怖く威厳がある印象を与えることも分かったとのことです。Science Dailyの記事です。

  • 衝撃!身近に潜む健康リスク5連発!

    2024-02-09

    私たちの身の回りには、たくさんの健康リスクが潜んでいるようです。豪州の首都圏では、薪ストーブの影響で年間63人が死亡している可能性があるそうです。また、シンガポールの研究チームが、現在の「たばこ規制」がなければ、副流煙などで2万人以上が心臓発作を起こしていたとの推計を発表しています。健康への影響は今のところ分かってはいませんが、ペットボトル飲料水には大量の微小なプラスチック片が入っているといいます。そして、飲食物に残る殺虫剤は精子濃度を低下させるとの報告もあります。マイナビRESIDENTの記事です。

  • 抗凝固薬、原因不明の脳卒中患者の再発予防に効果低く

    2024-02-09

    原因不明の脳卒中患者が再度脳卒中を起こすのを防ぐために、抗凝固薬が使われることがよくあるといいます。米国の研究チームが、これを「やめるべき」とする研究結果を発表したようです。チームは、原因不明の脳卒中を起こし「心房心臓病(atrial cardiopathy)」の兆候がある患者1015人を調査しました。標準治療である「アスピリン」を使用した群と、それよりもリスクがある抗凝固薬「アピキサバン」を使用した群との脳卒中再発率は共に4.4%だったそうです。心房心臓病は心房細動(AF)に似ているため、AF向けの抗凝固薬が使われることが多いといいます。Medical Xpressの記事です。

  • バイアグラが男性のアルツハイマー病リスク抑制か

    2024-02-09

    バイアグラなどの勃起不全(ED)治療薬を使用している男性は、アルツハイマー病(AD)を発症するリスクが18%低くなることが分かったそうです。英国の研究チームが、ED患者26万人の処方データを分析し、5年間の追跡調査を実施。その結果、1万人年あたりのAD発生数は、ED治療薬を処方されていた群が8.1人だったのに対し、こうした薬を処方されていない群は9.7人だったそうです。AD発症リスクが一番低かったのは、ED治療薬を最も多く処方されていた群だったといいます。研究者は、血流の増加の影響や、薬が神経細胞に直接作用した可能性があるとみています。BBCの記事です。

  • ウイルス感染に伴う神経損傷、過剰な免疫応答が原因か

    2024-02-08

    ジカウイルスや新型コロナウイルスなどに感染すると、神経損傷が起きやすいことが知られています。カナダの研究チームが、これはウイルスそのものが原因ではなく、免疫系に問題があることを突き止めたそうです。チームは、ジカウイルスに感染させたマウスを使って調査を実施。その結果、免疫細胞・T細胞の中の「NKG2D+CD8+T細胞」が、ジカウイルスに感染していない細胞を大量に死滅させていることが明らかになったといいます。この攻撃的な免疫応答が脳内で起こると、神経疾患につながる可能性があるとのことです。Medical Xpressの記事です。

  • 楽器の演奏や合唱の経験がある人は認知能力が高い

    2024-02-08

    楽器の演奏や合唱などの音楽経験は、後の認知機能にどのような影響を及ぼすのでしょうか。英国の研究チームが、主に女性の中高年に音楽経験に関するアンケートと認知テストを実施。楽器の演奏経験がある人は、そうでない人に比べて記憶力と実行機能(計画を立てて目的を達成する能力)が優れていたそうです。特に今も楽器を演奏している人は、最も高い認知能力を示したといいます。合唱の経験者は、実行機能のみ優れていたとのこと。なお、音楽鑑賞と認知機能の間に関連性は見いだせず、「モーツァルト効果」は誤りのようです。The Conversationの記事です。

  • 永久凍土に眠るゾンビウイルス、専門家が「覚醒」への備えを呼び掛け

    2024-02-07

    フランスの研究チームが、北極圏の永久凍土に眠る数十万年前の「ゾンビウイルス」を複数見つけたそうです。これらのウイルスは培養細胞に感染できることが分かり、研究者は次のパンデミックを引き起こすかもしれないと警戒を呼び掛けています。チームは、シベリアの異なる7カ所で採取した永久凍土を調査し、ゾンビウイルスを発見。温暖化や採掘作業の影響で、こうしたウイルスが現代に蘇る可能性があるといいます。北極ではそのような場合に備えて、隔離施設の整備や専門家の派遣が計画されているとのことです。Medical Briefの記事です。

  • トリプルネガティブ乳がんの増殖を抑制、新薬が前臨床試験で有望な結果

    2024-02-07

    がん細胞の増殖を促すタンパク質「CDK9」を阻害する経口新薬「CDDD11-8」が、予後不良で知られる「トリプルネガティブ乳がん(TNBC)」に対する前臨床試験で有望な結果を示したようです。豪州の研究チームが、TNBC患者から採取した組織を使って調査をしました。その結果、CDDD11-8がTNBCの増殖を効果的に抑制することが示されたそうです。その上、この薬は乳房組織の正常な細胞には影響を及ばさないことも明らかになったといいます。CDDD11-8は当初、急性骨髄性白血病向けに開発されたのだそうです。Medical Xpressの記事です。

  • 脳インプラントで、てんかんと強迫性障害の治療に成功

    2024-02-06

    てんかんと強迫性障害(OCD)に苦しんでいた34歳の女性が幸せを取り戻したそうです。米国の研究チームが、この女性のてんかん発作を治療するために32mmの小型装置を脳に埋め込む手術を実施。その際、OCDの症状が出た時に起こる、脳内の特定の信号に反応するプログラムもこの装置に追加したそうです。手術から8カ月後、女性が10代から悩まされ続けていたOCDによる1日8~9時間の執拗な手洗いや施錠の確認などの「儀式行為」が徐々に減り始め、現在は通常の生活を送れるようになったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 大気汚染物質NO2とPM2.5、連携して肺を損傷

    2024-02-06

    大気汚染物質の「二酸化窒素(NO2)」や「微小粒子状物質(PM2.5)」が、健康な人の肺にどのようにダメージを与えるかが明らかになったようです。英国の研究チームが、肺の複数の細胞を使い、ガス交換や肺胞の構造維持の役割を担う肺深部の「肺胞上皮」を体外で再現。これをNO2やPM2.5に暴露させ、肺への影響を調査したそうです。NO2とPM2.5に同時に暴露させた場合と別々に暴露させた場合を調べたところ、NO2とPM2.5が連携して肺の深部の重要な細胞に損傷を与える可能性が示されたとのことです。The Conversationの記事です。

  • 世界のがん患者、2050年には77%増の3500万人/WHO発表

    2024-02-05

    2022年にがんと診断された患者は世界に2000万人おり、50年には77%増の3500万人に達する可能性があるそうです。世界保健機関(WHO)が、世界185カ国、36種類のがんを対象にした調査結果を公表しました。22年に最も患者数が多かったのは肺がんで、全体の12.4%に当たる250万人だったそうです。患者数は、女性の乳がん、大腸がん、前立腺がん、胃がんが肺がんに続くといいます。死者数も肺がんが最も多く、全体の19%にあたる180万人だったとのこと。がんの治療や検査について、先進国と発展途上国で深刻な格差が生じていることも指摘されています。CNNの記事です。

  • ある視覚症状が、アルツハイマー病の強力な予測因子と判明

    2024-02-05

    距離感がなくなったり物体が認識できなくなったりするなど、視空間認知に支障をきたす「後部皮質萎縮症(PCA)」が、アルツハイマー病(AD)と密接に関連していることが分かったそうです。米国などの研究チームが、PCA患者1092人のデータを分析。患者の94%で明らかにADに関連する脳の変化が確認され、PCAがADの強力な予測因子であることが示されたといいます。PCA患者は、視空間情報の処理に関与する脳の後部に、ADに関連するとされるタンパク質タウの病変が多く存在することも判明。研究者は、これが治療のヒントになる可能性があるとしています。ScienceAlertの記事です。

  • キウイフルーツ、気分や活力の向上に即効性あり

    2024-02-02

    メンタルヘルスの向上には、ビタミンCが豊富なことで知られるキウイフルーツが有効かもしれません。ビタミンCの不足は、うつ病の増加や認知障害と関連しているそうです。ニュージーランドの研究チームが、ビタミンC不足の成人155人に8週間の調査を実施。キウイフルーツを1日2個ずつ毎日食べると、4日以内に気分や活力が向上することが分かったそうです。この効果は14~16日後にピークに達するといいます。ビタミンCサプリメントの摂取も有効ではあったものの、キウイフルーツの方が効果が高かったとのこと。Neuroscience Newsの記事です。

  • 認知症薬「アデュヘルム」の販売・研究打ち切り

    2024-02-02

    米製薬大手バイオジェンは、2021年に米食品医薬品局(FDA)の迅速承認を得たアルツハイマー病(AD)治療薬「アデュヘルム(一般名アデュカヌマブ)」の販売を中止するそうです。正式承認のために必要な追加の研究も打ち切るといいます。同薬は有効性を示す証拠に乏しく、商業化に苦戦していたそうです。同社は今後、日本のエーザイと共同開発し、すでにFDAの正式承認を得ているAD治療薬「レケンビ(一般名レカネマブ)」などに注力するといいます。アデュヘルムは世界で約2500人が使用しており、11月までは継続使用できるとのこと。AP通信の記事です。

  • マスク氏の企業、人の脳に機器埋め込む臨床試験開始

    2024-02-01

    米国の起業家のイーロン・マスク氏が率いるニューラリンク社が、手術で人の脳に小型の装置を埋め込み、コンピューターに直接つなぐ臨床試験を開始したそうです。マスク氏は詳細を明らかにしていませんが、患者の経過は良好だとしています。同社は、脳卒中などで体が不自由な患者の自律性を回復させることを目標に、「ブレーン・マシン・インターフェース(BMI)」を開発しているそうです。BMIは脳に埋め込んだ装置が神経活動を読み取ることで、患者が頭の中で考えるだけでコンピューターやスマートフォンを操作できる技術です。ABC Newsの記事です。

  • 2022年の米の梅毒患者20.7万人を超える 1950年以来最多

    2024-02-01

    米疾病対策センター(CDC)は、米国における2022年の性感染症に関する報告書を公表しました。22年に報告された梅毒の全患者数は 20万7000人を超え、前年より17%増加したそうです。梅毒患者数は1950年以来最多を記録したとのこと。梅毒は異性愛者の患者も増えているといいます。異性愛者には通常あまり検査が行われないため、気づかないうちに感染が広がっている可能性が指摘されています。胎盤を通して梅毒が母子感染する先天梅毒も増えているとのこと。一方、淋病は前年より9%減少し、クラミジアは横ばいだったそうです。AP通信の記事です。

  • 犬を飼う高齢者は認知症リスクが40%低い

    2024-01-31

    ペットは高齢者の認知症リスクにどのように影響するのでしょうか。東京都健康長寿医療センターが、 国内の65~84歳(平均年齢74.2歳)の男女1万1194人を対象に4年間にわたる調査を実施したそうです。犬を飼っている人は、そうでない人に比べて認知症を発症するリスクが40%低いことが分かったといいます。犬の散歩で身体活動や社会的交流が増えることが、高齢者に好影響を及ぼす可能性があるとのこと。そのためか、猫を飼っている人については、認知症リスクが低くなるとの結果は示されなかったといいます。Asian Scientist Magazineの記事です。

  • 医療行為が原因で発症したアルツハイマー病

    2024-01-31

    死亡した人の下垂体から作った「ヒト成長ホルモン(c-hGH)」の投与が原因で、アルツハイマー病(AD)を発症した可能性のある人が見つかったそうです。英国の研究チームが、c-hGH関連とみられるAD患者5人を調査。患者はみな、子どもの時にAD関連タンパク質(アミロイドβ)に汚染されたc-hGHの投与を受けており、38~55歳で神経症状が始まったそうです。c-hGHは1980年代に使用が中止されています。研究者はこの発表について、同じ経路でのAD患者が新たに出ることはなく、ADが感染性であるという意味でもないとしています。BBCの記事です。

  • 妊婦の新型コロナワクチン接種は新生児を呼吸困難から守る

    2024-01-30

    妊娠中の新型コロナウイルスワクチンの接種は、生まれたての子どもの呼吸困難リスクを抑制する効果があるようです。米国の研究チームが、妊娠中に新型コロナ陽性になった女性を追跡し、生まれた子ども199人を調査したそうです。チームは、母親が新型コロナに感染すると、胎児が炎症を起こしやすくなることを発見したといいます。ワクチン未接種だった母親の子どもは、母親がコロナ感染前にワクチン接種済みだった子どもに比べて出生時に呼吸困難を起こすリスクが3倍高いことが分かったとのことです。ABC Newsの記事です。

  • 世界初の部分心臓移植を受けた乳児、1年後の今も元気に成長

    2024-01-30

    2022年に世界初の部分心臓移植を受けた乳児が順調に成長しているそうです。米国の研究チームが22年、本来二つある心臓出口の血管が一つしかない先天性心疾患「総動脈幹症」を持つ生後18日の乳児に、生体ドナーの乳児の心臓弁と血管を移植。1年以上経過した現在、心臓が大きくなるのに伴い、移植した組織も成長しているそうです。この方法は心臓全体の移植に比べて拒絶反応のリスクが低いだけでなく、子どもが大きくなるにつれて移植組織も成長するため、何度も手術をする必要がなくなるといいます。ScienceAlertの記事です。

  • 「コロナ後遺症」と「慢性疲労症候群」に強い関連性

    2024-01-29

    新型コロナウイルス感染後に続く「後遺症」は、感染症などを契機に突然激しい倦怠感などに襲われる「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)」の一つとして捉えることができるようです。ニュージーランドの研究チームが、コロナ感染から1年たった後も後遺症に苦しんでいる患者6人と、平均16年間ME/CFSに苦しんでいる患者9人の免疫細胞のタンパク質を分析したそうです。その結果、両群のデータは非常に似通っており、この2疾患が密接に関連していることが示されたといいます。研究者は、免疫反応や炎症経路を標的にした治療が有効な可能性があるとしています。Medical Xpressの記事です。

  • 皮膚感染症「ブルーリ潰瘍」、有袋類ポッサムから蚊が媒介

    2024-01-29

    豪州の一部で近年、細菌による皮膚感染症「ブルーリ潰瘍」の患者が急増しているそうです。原因菌のM. ulceransが作る毒素によって皮膚に潰瘍ができ、治療が遅れると進行して体が変形してしまう病気です。豪州の研究チームが不明だった感染経路について、蚊の媒介によって感染した有袋類ポッサムからヒトにうつることを明らかにしたといいます。チームは、2016~21年にビクトリア州メルボルンで捕獲した蚊6万5000匹のゲノム解析を実施。その結果、2種類の蚊から見つかった細菌の遺伝子構造が、この地域でブルーリ潰瘍を発症した人のものと完全に一致したとのことです。ABC News(AUS)の記事です。

  • 遺伝性難聴の子ども、遺伝子治療で聴力が改善

    2024-01-26

    遺伝子治療で、生まれつき難聴の子どもが聞こえるようになったそうです。中国の研究チームが、オトフェリン遺伝子(OTOF)の変異による遺伝性難聴の子ども6人に遺伝子治療を実施。子どもたちは、内耳の有毛細胞で音の振動を電気信号に変換するために必要なタンパク質オトフェリンが作られない病気を持つそうです。手術は1回で、正常に機能する遺伝子のコピーを内耳に送り込んだといいます。5人は、完全に聞こえない状態から日常会話ができるレベルにまで聴力が改善したとのことです。AP通信の記事です。

  • 欧州ではしか感染が前年の45倍に WHOが警鐘

    2024-01-26

    欧州で昨年、麻疹(はしか)感染者が前年の45倍近くに急増し、世界保健機関(WHO)が警鐘を鳴らしたそうです。2022年は941人だった欧州の感染者が、23年には4万2200人に増加したといいます。これは、新型コロナ禍ではしかワクチンを受ける子どもが減少したことによるものだとみられています。19年 に96%だった欧州のはしかワクチン初回接種率は、22年には93%に低下。はしかのまん延を防ぐには、社会全体で子どもの95%が2回のワクチン接種を完了する必要があるといいます。BBCの記事です。

  • コロナやインフルによる心血管の合併症に注意

    2024-01-25

    米国で、新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスのまん延にともない、合併症として心血管疾患が増える可能性があると専門家が警鐘を鳴らしています。米国の心臓を専門とする医師が、呼吸器感染症が心血管に影響を及ぼす二つの経路を指摘。まず、発熱や脱水で心拍数が上昇するうえに、炎症によってできた血栓が心臓発作を引き起こす可能性があるそうです。もう一つの経路は心筋炎で、不整脈や心不全につながることもあるといいます。専門家は、胸痛や息切れがひどくなった場合は、基礎疾患や危険因子に関係なくすぐに受診する必要があるとしています。ABC Newsの記事です。

  • がん治療のCAR-T細胞療法に、がん発生のリスク?

    2024-01-25

    米食品医薬品局(FDA)は、白血病などの治療に使われる「キメラ抗原受容体T細胞療法(CAR-T療法)」が、逆にがんリスクを高める可能性があるとして、最も強い警告である「枠囲み警告」を製品情報に記載するよう複数の製薬会社に求めたそうです。今回の決定は、過去にCAR-T療法を受けた患者25人が血液がんを発症したとの報告などに基づくもの。ただ総合的には、CAR-T療法によるメリットの方がこうした潜在的リスクを上回るといいます。CAR-T療法は患者自身のT細胞を遺伝子改変して体内に注入するもので、主に血液がんの治療法として注目されています。NBC Newsの記事です。

  • 世界初のマラリアワクチン定期接種、カメルーンで開始

    2024-01-24

    アフリカ中部のカメルーンで、世界初となるマラリアワクチンの子どもへの定期接種プログラムが始まるそうです。ワクチンは、グラクソ・スミスクライン(GKS)社が開発した「Mosquirix(モスキリックス)」。アフリカでは年間約60万人がマラリアで死亡しており、そのほとんどが幼い子どもだそうです。このワクチンは4回の接種が必要で有効性はわずか30%。効果も数カ月で薄まるとのこと。しかしそれでも、重症化や入院が劇的に減る可能性があるといいます。AP通信の記事です。

  • 「飲み過ぎ」による脂肪肝、数週間の禁酒で正常な肝臓に

    2024-01-24

    禁酒の効果を侮ってはいけないようです。アルコールを飲み過ぎると肝臓に脂肪がたまり、悪化すると肝硬変に進行します。しかし脂肪肝については、2~3週間禁酒すると正常な状態に戻るそうです。また、飲酒量が多く肝臓がひどく損傷している場合でも、数年間禁酒をすれば肝不全の悪化や死を防げる可能性があるといいます。ただし、大量に飲酒していた人が突然禁酒すると、アルコール離脱症状が現れる危険性があるので、注意が必要とのことです。The Conversationの記事です。

  • コロナ後に円形脱毛症が急増 韓国の調査で判明

    2024-01-23

    韓国で、新型コロナのパンデミック後に自己免疫性の脱毛症が増加しているそうです。韓国の研究チームが、2020年10月~21年9月のデータを使い、コロナ患者25万9369人と同数のコロナ感染歴がない人を比較。その結果、コロナ感染歴がある人は、感染歴がない人に比べて円形脱毛症の発生率が82%高いことが明らかになったといいます。コロナ感染歴がある人の円形脱毛症発生率や有病率は、コロナ以前の数値と比べてもかなり高かったとのことです。研究者は、円形脱毛症とウイルス感染に関連があるとみているようです。Medical Briefの記事です。

  • メラノーマ向けがんワクチン、ついに実現か

    2024-01-23

    患者自身の腫瘍細胞を使ってがんへの免疫を高めるメラノーマ向けがんワクチンが実現するかもしれません。米国のバイオテクノロジー企業が、腫瘍溶解物粒子のみを搭載した個別化ワクチン(TLPOワクチン)を開発。進行性メラノーマ(悪性黒色腫)患者数百人を対象に第2相試験を行ったそうです。その結果、TLPOワクチンのみを接種した患者の3年生存率は95%で、無病生存率は64%だったといいます。主な副反応は接種部位の痛みなどだったとのことです。今年中に500人規模の第3相試験が開始される予定だといいます。ABC Newsの記事です。

  • 妊娠中のアセトアミノフェン、子どもの注意力に悪影響か

    2024-01-22

    安全性が高いとされ、解熱や鎮痛のために妊婦にも使われる「アセトアミノフェン」。米国の研究チームによって、生まれた子どもの注意力に悪影響を及ぼす可能性があることが分かったそうです。チームは、300人以上の子どもを母親の妊娠中から追跡調査。妊娠中に6回、母親にアセトアミノフェンの使用量や時期を確認して記録したそうです。その結果、特に妊娠中期に使用量が増えると、子どもが2~4歳時点で、注意力の問題や注意欠陥・多動症(ADHD)のような行動が多く報告されることが明らかになったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 白血病の免疫療法薬、化学療法の効かない小児にも有効

    2024-01-22

    B細胞性急性リンパ性白血病(B-ALL)に対する免疫療法薬「ブリナツモマブ」は、小児患者にも有効な可能性があるようです。英ロンドンの病院が、化学療法が効かず副作用もひどかった11歳のB-ALLの男児にブリナツモマブを使用。数カ月にわたる治療が完了した現在、がんは消滅しているそうです。同薬の静脈内投与に必要な機器一式はリュックで持ち運びが可能なため、患者は治療期間中も日常生活を送れるといいます。この薬は、がん細胞を免疫細胞のT細胞とくっつけて破壊する仕組みで、健康な細胞は影響を受けないとのこと。BBCの記事です。

  • 皮膚がんを検出するAI 米FDAが医療機器として初承認

    2024-01-19

    米食品医薬品局(FDA)は、ほくろと皮膚がんを見分ける際に医師の助けとなる医療機器を承認したそうです。米医療機器メーカーDermaSensor社が開発した同じく「DermaSensor」という名のこの機器は、4000以上の良性または悪性皮膚病変のデータで訓練した人工知能(AI)アルゴリズムを搭載。医師が疑わしいと判断した皮膚病変にDermaSensorを押し当てると、専門家による検査が必要かどうかが即座に評価されるそうです。悪性黒色腫(メラノーマ)をはじめ、基底細胞がんや扁平上皮がんの検出に有効だといいます。CBS Newsの記事です。

  • 米で50歳未満の大腸がん増加 生活習慣の変化が原因?

    2024-01-19

    米国で、若いうちに大腸がんと診断される人が増えているようです。米国がん協会(ACS)の調査で判明しました。かつて、大腸がんは50歳未満のがんによる死亡原因の第4位だったそうです。しかし近年は、この順位が男性で1位、女性で2位に上昇しているといいます。若い世代の大腸がんが増えている理由は不確かです。ただ、食事や抗菌薬の使用などの生活習慣の変化が、腸内細菌叢に影響を与えていることが要因として指摘されています。CBS Newsの記事です。

  • 果汁100%ジュースは控えめに! 体重増加に関連

    2024-01-18

    砂糖が加えられていない「果汁100%ジュース」を1日1杯(約240ml)以上飲むと、体重増加につながるようです。カナダの研究チームが、既存の42研究を分析。子どもにおいては、果汁100%ジュースを1日1杯多く飲むごとに、体格指数(BMI)値が0.03高くなることが分かったといいます。大人も、こうしたジュースを毎日飲むと体重増加に関連することが示されたそうです。特に11歳未満の子どもは影響を受けやすいといいます。米国小児科学会(AAP)と米疾病対策センター(CDC)は1歳未満は飲むべきではないとしているそうです。CBS Newsの記事です。

  • 子どもにはコロナやインフルよりRSウイルスが危険

    2024-01-18

    子どもにとっては、新型コロナやインフルエンザよりRSウイルス(RSV)感染症の方が危険かもしれません。スウェーデンの研究チームが、2021年8月~22年9月に同国の救急外来を受診した子ども2596人(新型コロナオミクロン株陽性者: 896人、インフルエンザA/B陽性者:426人、RSV陽性者:1274人)を調査。入院率はRSVが81.7%、オミクロン株が31.5%、インフルエンザが27.7%だったそうです。また、集中治療室(ICU)への入院率はRSVが2.9%で最も高く、インフルエンザは0.9%、オミクロン株は0.7%だったとのこと。ABC Newsの記事です。

  • カフェインは「どうしても」の時にだけ取った方がいい

    2024-01-17

    寝不足による注意力低下をカフェインで改善したければ、普段はカフェイン摂取を控えめにした方がいいようです。フランスの研究チームが、18~55歳の睡眠障害の既往歴のない健康な参加者37人を調査したそうです。注意力の変化を評価する精神運動覚醒検査(PVT)を行ったところ、徹夜時にカフェインを取ると、みな注意力が改善したといいます。ただし、1日3杯以上のコーヒーに相当する量(300mg)のカフェインを普段から摂取している人は、普段のカフェイン摂取量が少ない人に比べて注意力の改善度合いが鈍かったとのことです。PsyPostの記事です。

  • 薪ストーブは健康に悪い 豪州首都圏で年間63人が死亡か

    2024-01-17

    豪州で、薪ストーブの使用を早急に禁止するべきとの声が高まっているようです。同国の研究チームが、オーストラリア首都特別地域(ACT)内の三つの研究所で、健康に悪影響を及ぼすことで知られる空気中の微小粒子状物質(PM2.5)量を測定。PM2.5は呼吸器系疾患の悪化や心臓発作、脳卒中、がんなどのリスクを高めるといわれています。分析の結果、厳冬の年にはACT内で年間最大43~63人が、薪ストーブの煙が原因で死亡している可能性が示されたそうです。薪は不完全燃焼を起こしやすく、その煙は特に人体に有害だといいます。ABC News(AUS)の記事です。

  • RSウイルス予防の注射、乳児の入院を80%抑制

    2024-01-16

    RSウイルス(RSV)の感染や重症化を予防するモノクローナル抗体製剤「nirsevimab(ニルセビマブ)」について、乳児に対する有効性が実世界環境でも明らかになったようです。英国などの研究チームが、英国、ドイツ、フランスの生後1歳までの健康な乳児計8058人を、RSV流行期前または流行期中にニルセビマブの筋肉注射を1回受ける群(4037人)と受けない群(4031人)に分けて調査。RSV感染症の重症化で入院したのは、注射を受けた群が11人(0.3%)だったのに対し、受けなかった群が60人(1.5%)だったそうです。ニルセビマブの有効性は83.2%であることが示されたといいます。Medical Briefの記事です。

  • シンガポールの「たばこ規制」で心臓発作が減少

    2024-01-16

    シンガポールでは2013年に、住居区域の廊下や階段などの共用部分における喫煙が法律で禁止されました。非喫煙者が副流煙にさらされるのを防ぐことを目的としたこの規制は、市民にどのような健康上の恩恵をもたらしたのでしょうか。同国の研究チームが、心臓発作の月間症例数を分析した結果を発表しました。13年の規制以前、心臓発作の発生率は毎月100万人当たり0.9件ずつ増えていたそうです。しかし規制以降は、毎月0.6件と緩やかな増加にとどまったといいます。13年の規制で、2万1000件(93%は65歳以上)の心臓発作が抑制されたと推定されるとのこと。Asian Scientist Magazineの記事です。

  • 新型コロナ、感染リスクを最も高めるのは患者との接触時間

    2024-01-15

    新型コロナウイルスの感染は、感染者と過ごした時間の長さが最大の危険因子で、その時間が長くなるほどリスクが高まることが分かったそうです。英国の研究チームが、イングランドとウェールズで2021年4月~22年2月にスマートフォンアプリで追跡した700万件のコロナ関連接触データを分析。ブルートゥース(近距離無線通信)の信号強度からアプリが算出した「近さ」「時間」「感染力」のスコアを基に評価したといいます。最大の危険因子は時間で、感染例の大部分は1時間から数日間の接触があったとのことです。Medical Xpressの記事です。

  • 米の精神疾患ガイドライン、作成メンバーの医師に業界から金銭

    2024-01-15

    精神疾患の診断・治療のバイブルともいわれる、米国精神医学会(APA)のガイドライン最新版「DSM-5-TR精神疾患の診断・統計マニュアル」について、その独立性に疑問が投げかけられているようです。米国の研究チームが、DSM-5-TRの刊行に関与した米国を拠点にする医師92人を対象に、企業との金銭的なつながりを調査したそうです。このうち55人(60%)が、業界から飲食や旅行、コンサルティング代などの支払いを受けていたことが明らかになったといいます。その金額は、合計で1424万ドルに上るとのことです。Medical Xpressの記事です。

  • ペットボトル飲料水に混入 大量の微小なプラスチック片

    2024-01-12

    ペットボトル入り飲料水には、想定されていた以上のプラスチック片(マイクロプラスチックやナノプラスチック)が混入しているようです。米国の研究チームが一般的なペットボトル飲料水を調査したところ、1L当たり平均24万個ものプラスチック片が検出されたそうです。このうち90%は1μm未満のナノプラスチックだったといいます。健康への影響は不明ですが、プラスチック片が血液に入り込んで器官に運ばれたり、プラスチック片に付着する微生物や結合する化学物質が何らかの害を及ぼしたりする可能性があるとの指摘が出ています。CBS Newsの記事です。

  • 古代遊牧民から広がった多発性硬化症のリスクを高める遺伝子

    2024-01-12

    英国や北欧の人は、南欧の人と比べて多発性硬化症(MS)を発症しやすいそうです。人口10万人当たりの症例数は約2倍だといいます。英国などの研究チームが、その理由を解明したそうです。チームは、古代人の歯や骨からDNAを抽出し、現代の英国人のものと比較。約5000年前、遊牧民であるヤムナ文化の人々の大移動によって、MSリスクを高める遺伝子が欧州の西部や北部に流入したことが分かったといいます。この遺伝子は、当時は家畜由来の伝染病から身を守るために有益でしたが、ライフスタイルなどの変化によって役割が変わったとのこと。BBCの記事です。

  • RSウイルスは神経細胞にも感染できる

    2024-01-11

    RSウイルス(RSV)は呼吸器のみに感染すると考えられてきましたが、米国の研究チームが神経細胞にも感染することを発見したそうです。チームは、幹細胞とラットの胚から培養した末梢神経を使って調査し、RSVが感染できることを明らかにしたといいます。また、RSVによって、免疫細胞が仲間を呼び寄せるために使うタンパク質「ケモカイン」の放出が誘発され、激しい炎症が起こることも判明したそうです。これが神経損傷につながることもあるといいます。さらに、末梢神経を介してRSVが中枢神経の脊髄に侵入する可能性も示されたとのことです。EurekAlert!の記事です。

  • 抗HIV薬の併用が多発性硬化症を予防する

    2024-01-11

    多発性硬化症(MS)の患者がエイズウイルス(HIV)に対する抗レトロウイルス療法(ART)を受けたところ、MSの症状がなくなったり病気の進行が抑制されたりする事例が報告されているそうです。スウェーデンなどの研究チームが、HIV陽性者2万9000人を平均10年にわたって追跡調査し、この真偽を確かめたといいます。追跡期間中にMSを発症したのは14人で、一般集団から予想される人数より47%少なかったそうです。ARTを受けた人に限定すると、MS症例数は予想より45%少なかったといいます。ARTは複数の抗ウイルス薬を併用する治療法です。The Conversationの記事です。

  • VR訓練は「脳に電気刺激」で効果向上

    2024-01-10

    電流で脳を刺激しながら仮想現実(VR)で技術を訓練すると、現実世界でその技術をうまく実践できるようになるそうです。米国の研究チームが、手術支援ロボットを使った実験で明らかにしました。チームは参加者に、手術支援ロボットを使って三つの小さな穴に外科用針を通す操作を行わせました。最初に、参加者全員の小脳を後頭部に付けた電極で刺激。その後のVRの練習は、半数に小脳への電気刺激を与えながら実施させたそうです。実際のロボットを使った操作の実践で、VRでの練習時に電気刺激を受けた参加者の方が技術習得がうまくいっていることが分かったといいます。EurekAlert!の記事です。

  • 小児突然死、けいれん発作が関連か

    2024-01-10

    1歳以上の小児に起こる原因不明の突然死(SUDC)には「けいれん発作」が関係している可能性があるそうです。米国の研究チームが、睡眠中にSUDCで死亡した小児7人について、寝室に取り付けた「見守りカメラ」の録画映像を分析した結果、明らかになったといいます。死亡した小児のうち5人は、けいれん発作とみられる症状を呈した直後に死亡していたことが判明したそうです。別の1人も、けいれん発作を起こした可能性が認められたといいます。また、複数の子どもに感染症の兆候が見られたといい、研究者はSUDCには熱性けいれんが関連している可能性もあると指摘しています。AP通信の記事です。

  • 糖尿病・肥満症薬セマグルチドの「自殺念慮リスク」は間違い

    2024-01-09

    糖尿病治療薬「オゼンピック」や肥満症治療薬「ウゴービ」の商品名で知られる「セマグルチド」などのGLP-1受動態作動薬は、自傷行為や自殺念慮のリスクを高める可能性が指摘されています。しかし、米国の研究チームの研究で、これが間違いであることが分かったそうです。チームは、2017~22年に糖尿病または肥満症を治療する薬を処方された患者180万人以上のデータを分析。セマグルチドを使用した人は他の薬を使用した人に比べて、6カ月の追跡期間中に、初発または再発の自殺念慮をもつリスクが49~73%低かったといいます。AP通信の記事です。

  • 人類の新たな武器になるか? 多剤耐性菌に対する抗菌薬を開発

    2024-01-09

    米国の研究チームが、世界のICUにおける院内感染の20%を引き起こすグラム陰性菌「カルバペネム耐性アシネトバクター・バウマニ(CRAB)」に有効な抗菌薬を開発したそうです。グラム陰性菌の外膜を構成する分子「リポ多糖(LPS)」は、細胞質で作られて外膜に移動します。チームが開発した抗菌薬「zosurabalpin」は、LPSの移動を阻むことでアシネトバクター・バウマニの増殖を阻害し、殺すという新しいタイプだそうです。臨床検体やマウスの実験では、薬の有効性が示されたそうです。現在、第1相試験が行われているといいます。CNNの記事です。

  • 2023年 医療・医学の重大ニュース<後編>

    2023-12-29

    2023年の医療・医学に関する重大ニュースの続きです。米メリーランド大学が9月、世界で2例目となるブタの心臓移植を実施し、移植を受けた男性が6週間後に死亡しました。今年のノーベル生理学・医学賞は、コロナワクチンの開発に貢献したとして、mRNAの研究者2人に授与されました。20年にノーベル化学賞を受賞したゲノム編集技術「CRISPR/Cas9」を使った遺伝子治療が英米で初承認され、話題に。また、肥満症治療薬が大きな注目を集めました。大阪大学のチームによる、両親がオスの赤ちゃんマウスを誕生させたという発表は、衝撃を持って受け止められました。マイナビRESIDENTで詳細な記事が読めます。

  • 2023年 医療・医学の重大ニュース<前編>

    2023-12-28

    2023年も医療・医学に関するさまざまなニュースが配信されました。2回に分けて、重大ニュースを振り返ります。今年5月、WHOが新型コロナの「緊急事態宣言」を解除し、3年以上続いたコロナとの戦いは大きな節目を迎えました。そして、米NIHが7月、「コロナ後遺症」の治療に向けた試験を開始すると発表。米FDAによる、アルツハイマー病治療薬「レカネマブ」や世界初のRSウイルスワクチンの承認も大きな話題になりました。感染症については、米国内で20年ぶりに国内感染が報告されたマラリアや、日米で報告数が急増した先天梅毒などが話題になりました。マイナビRESIDENTで詳細な記事が読めます。

  • 患者の意見を重視することが診断精度を上げる

    2023-12-27

    英国の研究チームの報告によると、医師は患者の意見を軽視している傾向があるようです。チームは1000人以上の患者と臨床医を調査したそうです。診断が難しい「全身性エリテマトーデスに伴う神経精神症状」について、診断に使われる13種類の根拠の価値を医師が評価。重要な根拠トップ3の中に「患者の自己評価」を入れた医師は4%にも満たなかったといいます。また、676人(46%)の患者は「自分の病気について一度も、またはほとんど自分の評価を聞かれたことがない」と回答。患者の実体験に基づく見解に医師が耳を傾ければ、診断精度向上など多くの利点につながる可能性があるとのこと。SciTechDailyの記事です。

  • たばこを吸うと脳が小さくなる 認知症発症にも影響か

    2023-12-27

    喫煙は心臓や肺の健康に悪影響を与えるだけでなく、脳を小さくしてしまうことが分かったそうです。米国の研究チームが、英国バイオバンクから抽出した神経学的疾患を持たない3万2094人の画像データなどを分析した結果です。日常的に喫煙をしていたことがある人は、非喫煙者に比べて脳の総容量、灰白質量、白質量が有意に少なかったそうです。特に、認知機能に関連する灰白質の減少が顕著だったといいます。また、たばこの消費量が多いほど、脳への影響が大きいことも明らかになったとのことです。これらのことから研究者は、喫煙をやめると認知症発症リスクを抑制できる可能性があるとしています。PsyPostの記事です。

  • 100万分の1の奇跡 別の子宮から生まれた双子

    2023-12-26

    米アラバマ大学バーミンガム病院で、生まれつき子宮が二つある32歳の女性が、それぞれの子宮で妊娠した双子を無事に出産したそうです。二つの子宮をもつ女性の割合は約0.3%とされており、両方の子宮で妊娠する確率は「100万分の1」程度だといいます。双子のうち1人目は、12月19日の現地時間の午後7時45分ごろに経膣分娩で誕生。2人目は、それから10時間後に帝王切開で生まれたそうです。2人は誕生日が別々の「二卵性双生児」に当たるといいます。BBCの記事です。

  • 女性の涙の匂いで男性の攻撃性が低下

    2023-12-26

    女性の涙には、男性の攻撃性を抑制する物質が含まれているようです。イスラエルの研究チームが、対戦相手に対して攻撃的になるよう設計された2人用ゲームを男性にやらせて調査をしたそうです。男性はゲーム中に「女性の感情的な涙」か「生理食塩水」のどちらかをかがされたといいます。涙の匂いをかいだ人は、ゲーム中に相手にリベンジを企てる攻撃的な行動が40%減ったそうです。脳画像からも、攻撃性に関連する2領域の活性低下が確認されたとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • フランスにある「認知症の人だけが暮らす村」

    2023-12-25

    フランス南西部に、村全体が大きな介護施設になっている「アルツハイマー村」があるそうです。この村は2020年にオープンし、約120人の住人はみな認知症患者で、それと同数の医療従事者がいるといいます。敷地内にはレストランや店、劇場もあるとのこと。住人には可能な限り自由が与えられ、ゆったりと日常生活を送れるよう設計されているそうです。介護施設に入居すると認知機能の低下が加速することがありますが、この村ではそのような現象は確認されていないといいます。患者の家族の罪悪感や不安も激減するとのことです。BBCの記事です。

  • 精度80% 数年以内に死亡する可能性をAIが予測

    2023-12-25

    デンマークの研究チームが、人生を予測する人工知能(AI)を開発したそうです。チームは、600万人のデンマーク人に関する2008~16年の教育や健康、職業などに関するデータを使い、機械学習アルゴリズムモデル「life2vec」を訓練したといいます。その結果、life2vecは個人がどのように考え、どのように行動するのかをはじめ、数年以内に死亡する可能性があるかどうかも予測できるようになったそうです。さらに、life2vecで10万人のデータを分析したところ、4年後に死亡している可能性を78%の精度で予測できたとのことです。CNNの記事です。

  • 異常に病気を心配する人は死亡・自殺率が高い

    2023-12-22

    ささいな体の不調に対して、自分が重篤な病気にかかっているのではないかと異常に心配する「病気不安症(心気症)」の皮肉なパラドックスが明らかになったようです。スウェーデンの研究チームが、1997~2020年のデータから、病気不安症を持つ4100人と対照群4万1000人を調査した結果です。1000人年(人年法)当たりの死亡率は、病気不安症群で8.5だったのに対し、対照群は5.5だったそうです。また対照群に比べ、病気不安症群は死亡年齢の中央値が5歳若いだけでなく、自殺率も4倍だったといいます。AP通信の記事です。

  • 皮膚炎のステロイド塗り薬で骨粗しょう症リスク上昇か

    2023-12-22

    皮膚炎に使うステロイド外用薬が、骨の健康に悪影響を及ぼす可能性があるそうです。台湾の研究チームが、骨粗しょう症患者12万9682人と対照群 51万8728人、また、主要骨粗しょう症性骨折(MOF)患者3万4999人と対照群13万9996人を調査。5年後の「骨粗しょう症」と「MOF」のリスクは、ステロイド外用薬の局所使用をしていない人と比べ▽低用量使用群:骨粗しょう症が1.22倍、MOFが1.12倍▽中用量使用群:同1.26倍、同1.19倍▽高用量使用群:同1.34倍、同1.29倍――だったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 飲食物からも暴露 殺虫剤が精子濃度を低下させる

    2023-12-21

    殺虫剤への暴露が精子濃度を低下させるそうです。米国などの研究チームが25の研究を分析して明らかにしたといいます。調査対象となったのは世界4大陸(アジア、北米、南米、ヨーロッパ)の成人男性計1774人で、みな殺虫剤として一般的に使われる「リン酸エステル」や「N-メチルカルバメート」に暴露していたとのことです。そして、これらの物質への暴露が増えると、精子濃度が低くなることが示されたそうです。殺虫剤への暴露は、主に汚染された食べ物や水を介して起こり、研究者は「公衆衛生上の懸念」と指摘しています。ScienceAlertの記事です。

  • うつ病治療の鍵はヨーグルトに含まれる乳酸菌?

    2023-12-21

    ヨーグルトなどの発酵食品に含まれる「ラクトバチルス属」の乳酸菌で、メンタルヘルスを改善できるかもしれません。米国の研究チームが、抗菌薬を使わない特別な方法で腸内にこの乳酸菌を持つマウスと持たないマウスを作製し、調べたそうです。その結果、ラクトバチルスによって、うつを抑制する役割があるサイトカイン「インターフェロン・ガンマ」のレベルが維持されることが分かったそうです。うつ病の新しい治療法として、健康に良い影響を及ぼす微生物「プロバイオティクス」のサプリメントが開発されるかもしれません。Medical Xpressの記事です。

  • 疑っている人もびっくり ヴィーガン食の驚くべき効果

    2023-12-20

    動物性食品を厳しく制限する「ヴィーガン食」は健康に良いのでしょうか。米国の研究チームが、健康な一卵性の双子22組を「ヴィーガン食を摂取する群」と「適量の肉を取り入れた健康食を摂取する群」に分けて調査したそうです。8週間後、両群ともに心血管の健康状態を示すデータが良くなったものの、ヴィーガン群の方がより良くなっていることが明らかになったといいます。ヴィーガン群は減量が進み、空腹時インスリン値や悪玉(LDL)コレステロール値もより大きく低下したとのことです。ScienceAlertの記事です。

  • メラノーマのmRNAワクチン 3年間の調査で有望な結果

    2023-12-20

    米モデルナと米メルクは、開発中の個別化mRNAワクチン「mRNA-4157/V940」が、「悪性黒色腫(メラノーマ)」患者に対して有望な結果を示していると発表したようです。両社は、ステージ3~4のメラノーマを切除したけれども再発リスクの高い患者を対象に、3年間の追跡調査を実施。メルクのがん免疫治療薬「キイトルーダ」とmRNAワクチンを併用した患者は、キイトルーダのみを使用した患者に比べて再発または死亡のリスクが49%、遠隔転移または死亡のリスクが62%、それぞれ低かったといいます。CNNの記事です。

  • 腎臓病の治療薬、治験第2相で有望な結果 尿中アルブミンが70%減

    2023-12-19

    米国の研究チームが、腎臓病の治療薬「BI690517」について、第2相試験の有望な結果を発表したそうです。この薬は、アルドステロンと呼ばれる腎臓病の進行を早めるホルモンの産生を阻害します。チームは、標準治療の「アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬」か「アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)」の満量投与を4週間以上受けた慢性腎臓病患者714人を調査。BI690517のみを投与された人の50%、BI690517とSGLT2阻害薬「エンパグリフロジン」を併用した人の70%で、尿中アルブミンがそれぞれ有意に減少したとのことです。Medical Xpressの記事です。

  • スポーツをする人は注意 パーキンソン病リスクを上昇させる「あの行為」

    2023-12-19

    パーキンソン病(PD)の発症リスクを上昇させる二つの危険因子が明らかになったそうです。米国の研究チームが、米国最南部(ディープサウス)出身のPD患者808人と神経学的に健康な対照群415人を調査したといいます。その結果、サッカーなどのスポーツで(無害なようにみえる程度に)繰り返し頭を打っていると、後にPDを発症するリスクが倍増することが分かったそうです。さらに、PD患者の23%が、除草剤や殺虫剤などの有害な化学物質に暴露していたとも判明したとのこと。研究者は、これら二つの危険因子は回避可能だとしています。Medical Xpressの記事です。

  • 2023年の撤回論文数は1万本超 年間記録を更新

    2023-12-18

    2023年に撤回された論文は1万本を超え、年間記録を更新したそうです。そのうち8000本以上は、ロンドンを拠点とするオープンアクセス出版社「ヒンダウィ」のジャーナルに掲載されたものだといいます。ほとんどが、ゲスト編集者が監修する「特集号」の論文とのことです。また、Nature誌の分析によると、論文撤回率は過去10年で3倍に増加し、22年には0.2%を超えたといいます。過去20年間に10万本以上の論文を発表した国の中では、サウジアラビア、パキスタン、ロシア、中国、エジプトの順に撤回率が高いとのことです。Natureの記事です。

  • 肥満治療薬「ゼップバウンド」、使い続けないとリバウンド

    2023-12-18

    米イーライリリー社の肥満症治療薬「ゼップバウンド(一般名:チルゼパチド)」の減量効果を維持するには、薬を使い続ける必要があるようです。米国の研究チームが、ゼップバウンドを9カ月間使用した肥満または太り過ぎの成人670人を追跡調査。半数には薬を継続させ、残りの半数にはプラセボを投与したそうです。次の1年が経過した時点で、薬を使った群は体重の平均6%が追加で減少したのに対し、プラセボ群はリバウンドがみられたとのこと。プラセボ群で少なくとも減量した体重の80%を維持できたのは17%だったそうです。CNNの記事です。

  • 要注意! 米でげっ歯類から危険な新ウイルス見つかる

    2023-12-15

    米アーカンソー州で、「オザークウイルス」と呼ばれる新たなウイルスが発見されたそうです。このウイルスはハンタウイルスの一種です。米国の研究チームが同州オザーク高原で、げっ歯類「アラゲコットンラット」を捕獲し、採取した338検体を調査。26検体がオザークウイルス陽性だったそうです。ハンタウイルスの中にはヒトに感染するものもあり、心肺症候群が起きると致死率は30~40%に上ります。専門家はオザークウイルスに対する警戒を強める必要があるとしています。Medical Xpressの記事です。

  • 処方箋なしで購入可の緊急避妊薬 米で使用者が倍増

    2023-12-15

    米疾病対策センター(CDC)は、「プランB」の名で知られる「モーニングアフターピル(緊急避妊薬)」が2006年に処方箋なしで買えるようになって以降、これを使用する女性が2倍になったと発表しました。性交渉の経験がある15~44歳の女性のうち緊急避妊薬を使用したことがあると答えたのは、06~10年の調査では10.8%だったのに対し、15~19年は26.6%に増加したそうです。一方、性交渉を経験したことがあるティーンエイジャーの割合は、男女共に減少したといいます。CBS Newsの記事です。

  • 喘息治療薬ベンラリズマブ、ステロイドの使用量を抑制

    2023-12-14

    喘息患者向けの吸入ステロイド薬は、骨粗しょう症や糖尿病、白内障などの深刻な副作用を伴うことで知られています。英国などの研究チームが、吸入ステロイドの量を減らす方法を見つけたそうです。チームは、高用量の吸入ステロイドを使用する重症喘息患者208人を対象に調査を実施。喘息治療用に開発された生物学的製剤「Benralizumab(ベンラリズマブ)」を使用すると、92%の患者がステロイドの使用量を安全に減らすことができたそうです。さらに、60%以上の患者がステロイドの使用をやめることができたといいます。ScienceDailyの記事です。

  • 脊椎で新たな幹細胞を発見 がん転移の犯人か

    2023-12-14

    乳がんや肺がんが、他の骨よりも脊椎に転移しやすいのはなぜなのでしょうか。米国の研究チームが、腫瘍細胞を引き寄せてしまう新しい幹細胞が脊椎に存在することを発見したそうです。チームは新たに見つかったこの細胞を「脊椎骨格幹細胞(vSSC)」と呼んでいます。vSSCを四肢の骨を形成する幹細胞と比較したところ、vSSCが高レベルで産生するタンパク質が見つかったそうです。このタンパク質を欠損させたマウスは、脊椎へのがん転移が少なくなったとのこと。このタンパク質が、がん細胞を集めてしまうようです。Medical Briefの記事です。

  • アフリカ5カ国で「炭疽」流行し20人死亡 感染拡大の懸念

    2023-12-13

    世界保健機関(WHO)が、アフリカのケニア、マラウイ、ウガンダ、ザンビア、ジンバブエで炭疽菌感染が拡大していると発表しました。今年になって確認された死者は計20人。このうち13人はウガンダで報告されているといいます。感染疑いのある患者は計1166人で、684人がザンビアで報告されているとのこと。WHOはザンビアから周辺国へ拡大するリスクが高いと懸念しているそうです。炭疽菌は主に汚染された動物に接触することでヒトに感染します。皮膚や消化器、呼吸器に異常が出て、治療を行わない場合の死亡率は約20%だそうです。AP通信の記事です。

  • ネコを飼う子どもは注意! 統合失調症リスクが倍増か

    2023-12-13

    ネコを飼っている家庭は、子どものメンタルヘルスへの長期的な影響の可能性を知ったほうがいいようです。豪州の研究チームが、1980~2023年に11カ国で行われた17の研究を分析。ネコを飼っていると、統合失調症関連障害のリスクが2.24倍になることが推定されたそうです。なお、特に幼い時にネコに接触していると、このリスクに関連することを示す研究もあるといいます。ネコに寄生するトキソプラズマ原虫が、こうしたリスクの原因である可能性が指摘されています。トキソプラズマは猫の糞に含まれていることがあります。Medical Xpressの記事です。

  • 毎年受けなくてOKかも 乳がんサバイバーのマンモ検査

    2023-12-12

    乳がん手術を受けた後は、どのくらいの頻度でマンモグラフィ検査を受けるべきなのでしょうか。英国の研究チームが、乳がん手術を無事に終えた50歳以上の女性5200人を追跡調査。初めの3年間は全員が年1回、マンモグラフィ検査を受けたそうです。その後、半数は毎年検査を受け、残りの半数は乳房切除術を受けた患者が3年に1回、腫瘤摘出術を受けた患者は2年に1回と頻度を減らして、それぞれ受検したといいます。6年後、両群ともに95%の人が再発せず、98%が生存していたそうです。AP通信の記事です。

  • イブプロフェン、他の片頭痛薬より効果低いことが明らかに

    2023-12-12

    片頭痛の時にイブプロフェンを使う人は多いと思います。しかし、もっと効果の高い薬があるようです。米国の研究チームが、片頭痛に関する477万7524回分の服薬データを分析した結果を発表しました。27万8006人が6年間にわたってスマホアプリで自己申告したものです。その結果、イブプロフェンに比べて、トリプタン系は4.8倍▽麦角系は3.02倍▽制吐薬は2.67倍――有効であることが判明。特にトリプタンの一種であるエレトリプタンは、イブプロフェンの6.1倍の効果が認められたといいます。Medical Briefの記事です。

  • 米FDA、英に続き「鎌状赤血球症」のCRISPR遺伝子療法を承認

    2023-12-11

    米食品医薬品局(FDA)は8日、遺伝性血液疾患「鎌状赤血球症」に対する2種類の遺伝子療法を承認したそうです。正常な形の赤血球が作られるように血液幹細胞の遺伝子を編集する治療法です。一つは米Vertex Pharmaceuticals社とスイスのCRISPR Therapeutics社が共同開発した「Casgevy(キャスジェビー)」。ゲノム編集技術CRISPRに基づいた治療法で、11月に英国が世界に先駆けて初承認しています。もう一つは、米Bluebird Bio社の遺伝子療法「Lyfgenia(リフジェニア)」です。これらの治療には2回の入院が必要で、1回は4~6週間入院生活が続くといいます。AP通信の記事です。

  • STOP! 1日4時間超のスマホ使用

    2023-12-11

    スマートフォンの使い過ぎは、若者のメンタルヘルスに悪影響を及ぼす可能性があるそうです。韓国の研究チームが、同国の思春期の若者5万人以上を対象に、スマホの使用時間とさまざまな健康状態のデータを分析したといいます。2020年は対象者の85.7%が2時間以上、スマホを使っていたそうです。分析の結果、スマホの使用時間が1日4時間を超える人は、ストレス、自殺念慮、薬物使用のリスクが高いことが分かったといいます。一方で、スマホの使用時間が1日1~2時間の人は、全く使わない人に比べてこうした問題を抱えるリスクが低かったとのことです。Medical Xpressの記事です。

  • アレルギー薬が、肺がんに対する免疫療法の効果を高める

    2023-12-08

    アレルギーや喘息の治療に広く使われている抗インターロイキン(IL)-4受容体抗体「デュピルマブ」が、非小細胞肺がん(NSCLC)の治療に役立つ可能性があるようです。米国の研究チームが、治療抵抗性NSCLC患者6人を対象に調査を実施したといいます。免疫チェックポイント阻害薬での免疫療法にデュピルマブの投与(3回)を組み合わせたところ、免疫チェックポイント阻害薬だけでは増殖を続けていた1人の患者のがんが、ほぼ完全に消滅したそうです。17カ後の現在も、がんはきちんと抑制されているとのことです。Science Dailyの記事です。

  • 血液検査で「内臓年齢」が測定できる

    2023-12-08

    米国の研究チームが、数千種類のタンパク質レベルを測定することで、臓器の老化速度や、どの臓器がいつ機能しなくなるのかを知ることができる血液検査を開発したそうです。調べられるのは、脳、心臓、肝臓、肺、腸、腎臓、脂肪、血管(動脈)、免疫組織、筋肉、膵臓の11個だといいます。この検査を主に中高年数千人に実施したところ、50歳以上の18.4%で、老化が平均より有意に早い臓器が一つ以上あることが示されたとのこと。こうした人は、15年以内に病気を発症したり、死亡したりするリスクが高かったといいます。BBCの記事です。

  • 粘度の高い鼻水は細菌の感染力を高める

    2023-12-07

    細菌は鼻水などの粘液を利用して、感染力を高めている可能性があるようです。米国の研究チームが、ブタの合成胃粘液やウシから採取した頸管粘液を使って、反すう動物やヒトの胃腸に存在する枯草菌の動きを観察したそうです。そして、その結果を、さまざまな濃度の水溶性ポリマー内における枯草菌の動きと比較したといいます。すると、粘液の粘度が高まれば高まるほど、細菌の集団運動が活発になることが分かったそうです。細菌の感染力は、集団運動が活発になると高まるといいます。EurekAlert!の記事です。

  • 多発性硬化症の五つの前触れが明らかに

    2023-12-07

    多発性硬化症(MS)の前触れとみられる五つの症状が明らかになったそうです。フランスの研究チームが、MS患者2万174人▽非MS患者5万4790人▽自己免疫疾患のクローン病か全身性エリテマトーデス(SLE)の患者3万7814人――の医療記録を分析。うつ、性機能障害、便秘、ぼうこう炎、ぼうこう炎以外の尿路感染症の五つの症状が、5年後にMSと診断されるリスクに関連していることが分かったそうです。ただし、これらの症状はクローン病やSLEの前駆期にも見られたといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 有害な免疫細胞だけを狙え 乾癬や白斑の治療法を変える発見か

    2023-12-06

    自己免疫性皮膚疾患である乾癬や白斑を治す画期的な方法が見つかったかもしれません。豪州の研究チームが、疾患の原因となる免疫細胞「組織常在性記憶T細胞(TRM)」に着目し、動物モデルで調査。TRMは「敵」と戦った後も、戦う能力を維持したままその場にとどまる免疫細胞です。さまざまな種類がある皮膚のTRMには、それぞれに特有の制御方法があることが判明。現在の自己免疫性皮膚疾患の治療は、全ての免疫細胞に影響を与えてしまうため、長期の治療ができないそうです。特定のTRMを標的にできれば、治療効果が改善する可能性があります。Medical Xpressの記事です。

  • 「いびき」だけではない。注意すべき睡眠時無呼吸の5兆候

    2023-12-06

    睡眠中に10秒以上の呼吸停止が起こる「閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)」は、高血圧や心臓病、2型糖尿病、うつ病、早期死亡のリスクを高めます。その兆候として「いびき」が知られていますが、それだけではないようです。まず、「寝汗」をかく人は注意が必要。そして、就寝中に2回以上トイレに起きる「夜間頻尿」、睡眠中の「歯ぎしり」もOSAの兆候として挙げられるそうです。起床時に、毎朝または頻繁に「頭痛」がする人も多いといいます。うつや倦怠感、不眠症など一見「メンタルヘルス不調」にみえる症状も、実はOSAが原因の可能性もあるとのこと。CNNの記事です。

  • ウガンダの70歳女性が男女の双子を出産

    2023-12-05

    アフリカ東部ウガンダの首都カンパラにある病院で11月29日、70歳の女性が帝王切開で双子の男女を出産したそうです。女性はこの病院で体外受精(IVF)治療を受けて、双子を妊娠したといいます。女性は2020年にも同じ病院でIVFによって女児を出産したそうです。女性の健康状態は良好で、現在は病院内を歩き回ることもできるといいます。治療技術の飛躍的な進歩によって、近年はIVFの成功率が上昇しています。インドでは2019年、73歳の女性がIVFで授かった双子の女児を出産して話題になったとのことです。AP通信の記事です。

  • 要注意! 鳥インフルでフラミンゴ220羽死ぬ

    2023-12-05

    アルゼンチン北西部のカタマルカ州で、フラミンゴ220羽が鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)の感染によって死んでいるのが見つかったようです。2022年以降、渡り鳥を介してH5N1型は世界80カ国以上に拡散。継続的な変異も確認されており、専門家は哺乳類への広がりを注視しているといいます。H5N1型はヒトに感染しにくいと考えられているものの、21年12月以降、世界で11人の感染者が見つかっています。また、アザラシや養殖のミンク、猫や犬などさまざまな哺乳類への感染が確認されているとのこと。CNNの記事です。

  • 脳卒中で失われた機能を取り戻せるかもしれない

    2023-12-04

    スウェーデンなどの研究チームが、脳卒中のマウスやラットの実験で、失われた脳機能を改善させることに成功したそうです。チームは、脳神経細胞のネットワークにおいて情報伝達を制御する「代謝型グルタミン酸受容体5(mGluR5)」に着目。脳卒中発症から2日後の動物に、mGluR5を阻害する物質の投与を始めたところ、触覚や位置覚などの体性感覚機能障害が改善したそうです。治療を数週間続けると永続的な改善も認められたといいます。また、数匹を一緒に、遊び道具などがあるケージに入れて「リハビリ」を行うと、治療効果がさらに高まったとのこと。Science Dailyの記事です。

  • 1日2回飲むと痩せる薬、副作用の訴え多く治験打ち切り

    2023-12-04

    米製薬大手ファイザーは、飲む肥満症治療薬として注目されていた「danuglipron(ダヌグリプロン)」の1日2回服用型の臨床試験を中止すると発表したそうです。この薬は、効果の高さから関心が高まっている注射薬「ウゴービ(一般名セマグルチド)」や「ゼップバウンド(一般名チルゼパチド)」と同じGLP-1受容体作動薬です。ダヌクリプロンは試験の中期段階で、被験者の50%以上が服用を中断。副作用として73%が吐き気、47%が嘔吐を報告したといいます。今後は同薬の1日1回服用型に重点を置く予定で、初期試験の結果は来年初頭に明らかにする見込みとのこと。AP通信の記事です。

  • 大麻はオピオイド使用を抑えられない…?

    2023-12-01

    大麻の合法化や治療薬としての使用が世界的に進んでいます。オピオイド中毒を抑えるために大麻を利用しようとしている国もあります。しかし豪州のチームが、この流れは早計であるとの研究結果を発表しました。チームは2001~22年、強力なオピオイド「ヘロイン」の中毒者615人を追跡調査。対象者の多くが大麻も使用していたといいます。統計的手法で、経時的な個人の薬物使用の変化を分析したところ、大麻はオピオイドの使用を減らすための長期的な戦略として有効ではないことが示されたそうです。EurekAlert!の記事です。

  • PrEPはHIV感染を抑える 実世界データが証明

    2023-12-01

    エイズウイルス(HIV)に対する曝露前予防内服(PrEP)の非常に高い有効性が、実世界においても示されたようです。PrEPは、HIV感染のリスクのある人がHIV治療薬を1日1回、またはリスク行為の前後に飲んで感染を予防する方法です。英保健安全保障庁(UKHSA)が2017年10月~20年7月、イングランドの157のクリニックで調査。計2万4000人がPrEPを服用したといいます。日常生活で起こり得る飲み忘れや飲み間違いを考慮に入れても、PrEPがHIVへの感染を86%抑制することが明らかになったそうです。なお、臨床試験では99%の有効性が示されていたとのこと。BBCの記事です。

  • 「Zoom疲れ」はあります!

    2023-12-01

    ウェブ会議システム「Zoom」などを使った「オンライン会議」に出席すると心や体が疲れてしまう人はいませんか。米国の研究チームが、体にストレスの兆候が表れる人が多いことを確認したそうです。大学生35人を「オンラインで講義を受ける群」と「対面で講義に参加する群」に分けて、脳波と心臓の状態を調査。オンライン講義を受けた人のほうが、疲れを報告する傾向にあったそうです。実際に脳波計は、オンライン講義中に脳活動が若干鈍くなることを示したといいます。さらに、心拍数も上下することが確認されたとのこと。CBS Newsの記事です。

  • 誠実で外交的な人は認知症リスクが低い?

    2023-12-01

    人の性格は認知症リスクに関連するようです。米国のチームが既存8研究のデータについて、性格特性の主要5因子(開放性、誠実性、外向性、協調性、神経症傾向)や主観的幸福度(肯定的・否定的な感情、生活満足度)などを分析。対象者は4万4000人以上で、1703人が認知症を発症したそうです。後ろ向きの特性(神経症傾向や否定的な感情)のスコアが高く、前向きな特性(誠実さや外向性、肯定的な感情)のスコアが低い人ほど、認知テストで認知症と診断されるリスクが高かったといいます。ただし、特性と実際の脳組織病変との間に関連は認められなかったとのこと。ScienceDailyの記事です。

  • アルツハイマー病のイライラや不安は脳の炎症が原因か

    2023-11-30

    アルツハイマー病(AD)患者によく見られる怒りっぽさや興奮、不安、抑うつなどの精神神経症状は、脳内の神経炎症に起因するようです。米国の研究チームが高齢者109人について、神経炎症、ADに関連するタンパク質のアミロイドβとタウのレベルを脳画像から測定し、精神神経症状の重症度と比較。その結果、脳の免疫細胞である「ミクログリア」の活性が、さまざまな精神症状に最も強く関連していることが分かったといいます。アミロイドβやタウのレベルも関連がありますが、神経炎症による影響が大きいと考えられるそうです。Medical Xpressの記事です。

  • 健康で長生きしたければ、あるアミノ酸を控えるといい?

    2023-11-30

    卵や乳製品、大豆、肉などに含まれる必須アミノ酸「イソロイシン」の摂取を控えれば、寿命が延びるかもしれません。米国のチームが生後6カ月(ヒトの30歳に相当)のマウスについて、①20種類のアミノ酸を含む餌②20種類のアミノ酸の量を2/3に減らした餌③イソロイシンの量を2/3に減らした餌――を与えた3群で比較したといいます。その結果、①に比べて③のマウスの生存期間はオスが33%、メスが7%、それぞれ延びたそうです。さらに③のマウスは、筋力や持久力、血糖値、脱毛などの健康に関するスコアも良好だったといいます。ScienceAlertの記事です。

  • 生まれたての赤ちゃんは、母親の母語に反応する

    2023-11-29

    胎児がお腹の中で聞いた声や音は、脳の神経発達に影響を与えている可能性があるそうです。イタリアなどの研究チームが、新生児33人とその母親を調査しました。母親はみなフランス語が母語だったそうです。寝ている新生児に、同じ絵本をさまざまな言語で読んだ音声を聞かせ、脳波を測ったといいます。その結果、フランス語で絵本を読んでいる音声を聞かせると、他の言語に比べて言語知覚や言語処理に関連する脳活動が増加したそうです。また、脳の神経反応についても、フランス語を聞いている時がもっとも強かったとのことです。Medical Xpressの記事です。

  • 本物の医師と同じレベルの医学文書を作成する生成AI

    2023-11-29

    人工知能(AI)は症例記録まで書けてしまうそうです。米国の研究チームが、生成AI「ChatGPT」に似た機能をもつ「GatorTronGPT」に820億の医学用語を含む2770億語を学習させ、医師が書いたような文章を作成できるよう訓練したといいます。そして、本物の医師が書いた症例記録とこのAIが書いた症例記録を医師2人に評価してもらったそうです。その結果、人間とAIのどちらが書いた文章かを正確に特定できる確率は、たった49%だったといいます。AIが医療従事者の文書作成作業をサポートしてくれる時代が来るかもしれません。Medical Xpressの記事です。

  • 腰痛の軽減に役立つ正しい枕の選び方

    2023-11-28

    背中や腰の痛みを軽減するには、どのような枕を選ぶといいのでしょうか。英国の専門家がポイントを解説しています。まず、首と背骨の自然なカーブを適切にサポートする枕を選ぶことが重要だそうです。頭の形にフィットする低反発枕や、高さ・硬さを調節できる枕が良いとのこと。特に腰痛がひどい場合には、横向きで寝る時に膝の間に抱き枕を挟むことも有効だといいます。古くなった枕はサポート力がなくなるため、数年に一度、新しいものに交換するのがおすすめだそうです。基本的にうつぶせ寝は避けたほうがいいとのこと。BBC Science Focusの記事です。

  • 新たな変異株か? 米で奇妙な「眼梅毒」のクラスター発生

    2023-11-28

    米疾病対策センター(CDC)は、梅毒の原因菌である梅毒トレポネーマの新たな変異株が発生している可能性があるとの報告書を発表したそうです。2022年3~5月にかけて40~60歳の女性5人が梅毒の症状が目に現れる珍しい「眼梅毒」を発症し、医療機関を受診。女性たちはみな、同じ1人の男性を性交渉のパートナーとして挙げたといいます。この男性を調べたところ、症状のない潜伏梅毒だったそうです。ある1人と性交渉したことで眼梅毒のクラスター(感染者集団)が起こったという記録はなく、CDCは細菌の突然変異を懸念しているようです。Science Alertの記事です。

  • 中国で何が起きているのか 子どもの肺炎が急増

    2023-11-27

    中国北部で10月以降、子どもの呼吸器疾患や肺炎が急増しているそうです。世界保健機関(WHO)が中国に詳細なデータの提供を公式に求め、同国当局からは「通常とは異なる、または新規の病原体は検出されていない」との報告があったといいます。中国によると、新型コロナ対策の規制解除を背景に、細菌やRSウイルス、インフルエンザウイルスなどによる感染症の子どもの入院が増加しているとのこと。他国の専門家の反応は分かれており、中国の説明に理解を示す人もいれば、「新たな病気」を疑う人もいるようです。AP通信の記事です。

  • 麻酔薬ケタミン、PTSDやうつ症状に即効?

    2023-11-27

    投与からたった1日で心的外傷後ストレス障害(PTSD)やうつ病の症状が軽減する治療薬があるそうです。米国の研究チームが、中等~重度のPTSD患者259人が参加した六つの研究のデータを分析した結果です。麻酔薬「ケタミン」を注射で投与された人は、1日後と1週間後の両方の時点で症状が25%軽減したことが分かったそうです。ただし、4週間にわたり複数回投与を受けると、症状の軽減は12%にとどまったといいます。うつ症状の緩和にも、わずかながら有意な効果が認められたとのことです。The Conversationの記事です。

  • 体に刺すと柔らかくなる針 痛み少なく高い安全性

    2023-11-22

    薬剤を点滴で静脈内に投与するとき、現在はステンレスやプラスチックなどの硬い素材で出来た針を使っています。そのため、組織損傷や炎症を引き起こすことがあるといいます。韓国の研究チームが、患者の体に刺すと体温で柔らかくなる針を開発。この針は液体金属のガリウムで構成され、超軟性のシリコンで包んでいるそうです。組織を傷つけるリスクも針を刺した部位の痛みも軽減できるといいます。さらに、一度使うと柔らかい状態が維持されるため、針刺し事故や針の再利用を防ぐこともできるとのことです。Science Dailyの記事です。

  • 深く眠れないと急激に高まる認知症リスク 鍵は「徐波睡眠」

    2023-11-22

    睡眠周期の中で最も深い段階の「徐波睡眠」が、認知症リスクと関連しているそうです。徐波睡眠は脳波と心拍数、血圧が低下した最もくつろいだ状態で、1サイクル90分の睡眠の中で20~40分続くといいます。豪州などの研究チームが、平均5年の間隔をあけて睡眠検査を受けた非認知症の346人を17年にわたり調査。徐波睡眠は60歳以降に減少する傾向にあり、割合が年間1%減るだけで認知症発症リスクが27%高まる可能性が示されたといいます。アルツハイマー病に限ると、リスクは32%上昇したとのこと。Science Alertの記事です。

  • 「説得力のある」医療デマを作る生成AIの脅威

    2023-11-21

    文章や画像を自動作成する「生成AI」が医療分野の偽情報を拡散させる危険があるとして、専門科が早急な対応の必要性を訴えています。豪州の研究チームが、米新興企業オープンAI社の生成AI「GPT Playground」を使って、電子たばこやワクチンに関するデマを作成したそうです。その結果、たった65分で、誤解を招くデマのブログ記事が102本も生成されたといいます。さらにAIアバター技術などを使うと、専門家がワクチンに関するデマを広めている「説得力のある」フェイク動画が5分以内に完成したとのことです。Medical Xpressの記事です。

  • 高級な赤ワインほど頭痛を引き起こす?

    2023-11-21

    赤ワインを飲むと頭が痛くなりませんか? 米国の研究チームがその理由を解明したかもしれません。チームは赤ぶどうに含まれるポリフェノール(フラバノール)の一種「ケルセチン」に着目。アルコールを摂取すると体内で有害物質のアセトアルデヒドが発生し、頭痛などの原因になります。ケルセチンはアセトアルデヒドを分解する酵素「ALDH2」の働きを間接的に阻害することが明らかになったそうです。日光をたくさん浴びた赤ぶどうほどケルセチンを多く含むといい、高級な赤ワインの方が頭痛が起きやすくなる可能性があるとのこと。BBCの記事です。

  • 胎児は生まれる前から母親の腸内細菌に親しんでいる

    2023-11-20

    細胞から分泌される「細胞外小胞(EV)」と呼ばれるナノ粒子が、母親の腸内細菌叢と胎児をつなぐ鍵になるようです。EVにはタンパク質やDNA、RNAなどが含まれます。フィンランドなどの研究チームが、帝王切開で出産した母親25人を調査。母親の便から検出された腸内細菌由来のEVが、羊水に存在することが分かったそうです。EVは感染症を引き起こさないため、胎児が出生前に母親の腸内細菌に慣れ親しむことができるといいます。EVの羊水への移動が、胎児の免疫系の発達に重要な役割を果たす可能性があるとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 2022年の麻疹による死者、世界で40%増加

    2023-11-20

    世界保健機関(WHO)と米疾病対策センター(CDC)は、2022年に世界の麻疹(はしか)の症例数や死者が急増したと発表しました。21年にはしかの大流行が起きたのは22カ国だったのに対し、22年は37カ国に増加。22年の感染者は20%近く増の900万人で、死者は40%以上増の13万6000人だったそうです。新型コロナのパンデミック以降、はしかワクチンの接種率が世界的に低下していることが影響したとみられています。特に低所得国のワクチン接種率は66%にとどまっているとのことです。AP通信の記事です。

  • 「孤独や孤立」は「差し迫った健康上の脅威」/WHO

    2023-11-17

    心身の健康に大きな悪影響を与える孤独や孤立が急増し、世界的に社会問題になっています。世界保健機関(WHO)は15日、この「差し迫った健康上の脅威」に対処するため、「社会的つながりを育む委員会」を新設すると発表しました。委員会は向こう3年間、人々の社会的つながりが深まるよう支援していく予定。社会的なつながりの欠如はメンタルヘルスへの影響はもちろん、早死に、免疫機能の低下、心血管疾患、脳卒中や認知症のリスク上昇との関係が指摘されています。CNNの記事です。

  • CRISPR遺伝子治療 英が世界に先駆け初承認

    2023-11-17

    英医薬品医療製品規制庁(MHRA)は、ゲノム編集技術「CRISPR」を使った治療法を世界で初めて承認したそうです。承認された「Casgevy(旧exa-cel)」は遺伝性血液疾患の「鎌状赤血球症」と「サラセミア」向けの治療法です。対象となるのは12歳以上の患者だといいます。患者本人の骨髄から取り出した幹細胞をゲノム編集し、その細胞を体に戻すことで、永久的な治療効果が期待できるそうです。Casgevyは現在、米食品医薬品局(FDA)でも審査されているとのことです。AP通信の記事です。

     

  • パキロビッド使用のコロナ患者、予想以上のリバウンド率

    2023-11-16

    新型コロナウイルス感染症治療薬「パキロビッド」を服用すると、感染後一度陰性になったにもかかわらず、再度陽性になる「リバウンド(再陽性)」現象が起きる可能性が予想以上に高いようです。米国の研究チームが、コロナ患者142人について調査を行ったそうです。その結果、パキロビッドを5日間服用した患者のうち、20.8%がリバウンドを経験したことが分かったといいます。一方、パキロビッドを服用しなかった患者でリバウンドを経験したのはわずか1.8%だったことが明らかになったそうです。ScienceDailyの記事です。

  • CAR-T細胞療法がヒトヘルペスウイルスを再活性化させる?

    2023-11-16

    患者自身のT細胞を遺伝子改変して体内に注入する「CAR-T細胞療法(キメラ抗原受容体T細胞療法)」で、子どもの頃に感染して潜伏していた「ヒトヘルペスウイルス6型 (HHV-6)」が再活性化する可能性があるそうです。米国の研究チームが、B細胞リンパ腫や白血病の治療でCAR-T細胞療法を受けた患者のデータを分析。患者の体に注入する前のCAR-T細胞からはHHV-6の転写産物は検出されなかったにもかかわらず、注入後の検体からはHHV-6が増殖したCAR-T細胞が見つかったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • トキソプラズマ感染が高齢者の心身の衰えに影響か

    2023-11-15

    生肉やネコの排泄物などからヒトに感染する寄生虫(原虫)「トキソプラズマ」が、加齢によって心身が衰える状態「フレイル」の一因かもしれません。米国などの研究チームが、65歳を超える高齢者601人の血液を分析したそうです。その結果、トキソプラズマに感染したことがある人の中で、この寄生虫への抗体価が高かった人は、フレイルの兆候を示す傾向が強いことが分かったそうです。トキソプラズマへの激しい免疫応答とフレイルに何らかの関係がある可能性が示されたといいます。Science Alertの記事です。

  • 実は「高血圧」ではないかもしれません

    2023-11-15

    血圧を測る際に、「両足が床につく椅子に座って背もたれにもたれ、測定する腕を心臓の高さにする」を守っているでしょうか。これは米国心臓協会(AHA)と米国心臓病学会(ACC)のガイドラインが定めた姿勢です。米国の研究チームが成人150人を調査。高さが固定された診察台で血圧を測ると、ガイドラインに従って測定した場合に比べて平均で収縮期血圧が7mmHg、拡張期血圧が4.5mmHg高くなったそうです。不正確な測定値で、高血圧に誤分類される人が多くいる可能性があるとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 疑っています? 塩分を控えることの降圧効果

    2023-11-14

    ティースプーン1杯分の塩分を控えるだけで、ほとんどの人の血圧が下がるかもしれません。米国の研究チームが、50~70代の中高年213人を調査。1週間にわたって1日のナトリウム摂取量を500mg(米国心臓協会は1500mg未満を推奨)に抑えると、通常の食事を取った場合に比べて収縮期血圧(上の血圧)が6mmHg低くなったそうです。全体として、塩分を控えた人の72%で収縮期血圧の低下がみられたといいます。この効果は、高血圧症の有無や服薬の有無と関係なく認められたとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 肺移植を待つ男性の命を救ったのは「豊胸インプラント」

    2023-11-14

    薬剤耐性菌が肺に感染して重症化し、肺移植が必要になった男性(34)が、豊胸技術によって死の淵から生還したそうです。男性は重度の感染症のために、すぐには肺移植を受けられませんでした。米国の研究チームは、まず男性の両肺を切除。肺機能は機械で代替できるものの、肺移植が行われるまでの間、胸部に生じた空洞を何かで埋める必要がありました。そこでチームは豊胸に使われるインプラントを一時的にこの空洞に留置。2日後にはインプラントを取り除き、無事にドナーの肺を移植したそうです。ScienceAlertの記事です。

  • 減量薬「ウゴービ」が心血管疾患のリスクを低減か

    2023-11-13

    ノボ ノルディスク社の人気の肥満治療薬「Wegovy(ウゴービ)」(一般名セマグルチド)が、重篤な心血管疾患のリスクを下げる可能性があるそうです。米国の研究チームが、41カ国から心血管疾患の既往がある非糖尿病患者1万7500 人を集め、平均3年間の調査を実施。患者はみな45歳以上で、BMIは27以上だったそうです。通常の心血管疾患治療薬に加えてウゴービを週1回投与された人は、プラセボを追加された人に比べて心臓発作や脳卒中、心血管死のリスクが20%低くなったといいます。AP通信の記事です。

  • 幼児期の記憶を持ち続けることは可能

    2023-11-13

    ほとんどの人は幼児期のことを覚えていません。この「幼児期健忘」は予防できる可能性があるそうです。母親が妊娠中に感染症にかかったときに起こる免疫応答が、子どもの自閉症に関連することが知られています。アイルランドの研究チームが、妊娠中のマウスでこの免疫応答を誘発したところ、子マウスの記憶細胞がこれに影響を受け、幼児期健忘が防げることが明らかになったそうです。なお、幼児期の記憶は大人になっても保持されている可能性があることも分かったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 世界初の眼球移植 視力が戻る可能性も

    2023-11-13

    米ニューヨーク大学が、高圧電線事故で顔の左半分を大きく損傷した男性に、眼球と顔面の一部を移植していたことを発表したそうです。手術は5月27日に行われました。眼球全体を移植するのは世界初の試みだといいます。手術から5カ月経過した時点では左目に視力はないものの、角膜は正常で、網膜に血液が流れていることも確認されているそうです。神経の成長には時間がかかるため、移植した目の視神経が男性の脳と接続して、視力が戻る可能性も残されているといいます。USA TODAYの記事です。

  • 米FDAが新たな肥満治療薬を承認

    2023-11-10

    米食品医薬品局(FDA)は8日、米製薬大手イーライ・リリーの「Zepbound(ゼップバウンド)」(一般名・チルゼパチド)を肥満治療薬として承認したと発表しました。糖尿病治療薬として承認されている「Mounjaro(マンジャロ)」の新バージョンです。近年はマンジャロが肥満治療に適応外使用される例が増えていたそうです。同薬は肥満患者の体重を19~27kg減らす可能性があるといいます。その効果は、ノボノルディスク社の肥満治療薬ウゴービ(一般名・セマグルチド)を上回るとのこと。AP通信の記事です。

  • ワサビを食べると認知機能が改善する

    2023-11-09

    ワサビの成分「6-メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネート(6-MSITC)」が、高齢の人の記憶力向上に役立つようです。東北大学などの研究チームが、60歳以上の健康な72人を対象に12週間の調査を実施。1日1回ワサビの錠剤を飲んだ人は、プラセボ群に比べて認知機能テストで、過去の出来事を思い出す「エピソード記憶」と情報を一時的に保つ「ワーキングメモリ」が向上したそうです。論理的思考や注意力、処理速度の分野では有意な改善は見られなかったといいます。Science Alertの記事です。

  • 米国で、新生児の梅毒が10年で10倍に

    2023-11-09

    米疾病対策センター(CDC)が、胎盤を通して梅毒が母子感染する「先天梅毒」が2012~22年で10倍に急増したとして、医療機関に緊急措置を求めたそうです。先天梅毒は死産や乳児死亡、失明や難聴などが生じる可能性があります。22年は3761人の報告があり、200人以上が死亡。妊娠中に陽性だった場合、抗菌薬で治療すれば10人中9人の先天梅毒を防げるそうです。しかし22年は、先天梅毒児の半数以上の母親が検査で陽性だったのに、適切な治療を受けていなかったとのこと。ABC Newsの記事です。

  • いつまでも若く、長生きしたい人が守るべき八つのこと

    2023-11-08

    米国の研究チームが成人6500人を対象に、米国心臓協会(AHA)の「健康促進のための8項目(Life’s Essential 8)」を使って、心血管の健康状態を評価したそうです。その結果、心血管の健康状態がよいと評価された人は、生物学的年齢が実年齢より6歳若いことが明らかになったといいます。「健康促進のための8項目」とは、健康な食生活▽適度な身体活動▽禁煙▽よい睡眠▽体重の管理▽コレステロール値の管理▽血糖値の管理▽血圧の管理――が含まれるそうです。CBS Newsの記事です。

  • なぜ、パーキンソン病患者が6kmの散歩を楽しめるように?

    2023-11-08

    パーキンソン病(PD)の影響で歩行困難だった63歳の男性が、6kmの散歩を楽しめるまでに改善したようです。スイスとフランスの研究チームが、脊髄に固定する電気刺激装置を開発したとのことです。この装置で神経を刺激することで脚の筋肉に電気信号が送られ、スムーズな歩行が可能になるといいます。男性はPD患者として初めてこの装置を埋め込む手術を受け、数週間のリハビリで歩けるようになったそうです。次は、別の6人がこの装置を試す予定とのことです。BBCの記事です。

  • 2050年には死者が12倍に 動物からうつる感染症の恐怖

    2023-11-07

    動物からヒトにうつる感染症が、これまで以上に広がる可能性があるようです。米国の研究チームが、1963~2019年に起きた▽フィロウイルス(エボラウイルスやマールブルグウイルス)▽ SARSコロナウイルス(SARS-CoV-1)▽ニパウイルス▽マチュポウイルス――の3150の流行について分析。毎年、動物から人への感染拡大が5%、その死者が9%、それぞれ増えていることが分かったそうです。気候変動や森林伐採の影響で、2050年には死者が20年の12倍になる恐れがあるといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 過去20年で最大の上昇 2022年の米国の乳児死亡率

    2023-11-07

    米疾病対策センター(CDC)が、米国における2022年の1歳未満の乳児死亡率が1000人当たり5.6人となり、前年から3%上昇したと発表したそうです。過去20年で最大の上昇率だといいます。白人やネイティブ・アメリカンの子ども▽男児▽妊娠37週以下で生まれた乳児――の死亡率が特に高くなったとのこと。死亡の原因としては、細菌性髄膜炎と母体の合併症が急増したといいます。パンデミック明けの昨秋は、RSウイルス感染症やインフルエンザが大流行し、その影響もあるとのことです。AP通信の記事です。

  • 知っていますか? 喫煙がなぜ肺がんを引き起こすのか

    2023-11-06

    喫煙が肺がんを引き起こすメカニズムの一端が明らかになったようです。カナダの研究チームが、1万2000以上のがんゲノムを分析した結果です。喫煙によって、特定のタンパク質の産生を止めるよう指示を出す「ストップゲイン変異」が起きてしまう可能性があるのだそうです。異常細胞(がん)の成長は、がん抑制遺伝子が作るタンパク質によって阻害されるといいます。しかし、喫煙はがん抑制遺伝子でストップゲイン変異を引き起こしてしまい、がんが発生しやすくなるとのことです。Medical Xpressの記事です。

  • CRISPR遺伝子治療を米FDAが初承認か 対象は鎌状赤血球症

    2023-11-06

    ゲノム編集技術「CRISPR」を用いた遺伝子療法が、米食品医薬品局(FDA)に初めて承認されるかもしれません。米 Vertex Pharmaceuticals社とスイス CRISPR Therapeutics社が、鎌状赤血球症に対する遺伝子療法「exa-cel」を開発。慢性貧血を特徴とし死に至ることもある遺伝性疾患です。exa-celは、患者自身の幹細胞を改変したものを一度投与するだけで完了するそうです。FDAは長期的な安全性などに関する独立諮問委員会の見解を参考にしながら、12月8日までに承認の判断をするといいます。CNNの記事です。

  • ブタの心臓移植 2例目の患者が死亡

    2023-11-02

    米メリーランド大学は1日、遺伝子操作したブタの心臓を移植する手術を受けた58歳の男性が術後6週間で死亡したと発表しました。ブタの心臓のヒトへの移植は世界で2例目で、男性は9月20日に手術を受けました。初めの1カ月は順調に回復しましたが、最近になって拒絶反応の兆候が出始め、10月30日に死亡したそうです。昨年同様の手術を受けた1例目の患者の心臓からは、死後の調査でブタウイルスの痕跡が見つかったため、今回は移植前に念入りな検査が行われていたといいます。NBC Newsの記事です。

  • 良い人は、よく眠る…?

    2023-11-02

    慈悲深い人はよく眠るようです。フィンランドの研究チームが、3~18歳の3596人のデータを分析しました。その結果、慈悲深さを調べる評価で高レベルだった人は、睡眠不足や睡眠障害が少ないことが判明。このような人は11年たった後も睡眠問題が少なかったといいます。ただし、慈悲深さが睡眠問題と直接関連しているのではないようです。参加者のうつ症状を考慮に入れて調べたところ、慈悲深さでうつ症状が減り、それによって睡眠問題が抑えられる可能性が示されたといいます。PsyPostの記事です。

  • 新発見! 耳と認知症リスクの深い関係

    2023-11-01

    聴力低下が認知症リスクに関連することは、これまでの研究で明らかになっています。韓国の研究チームが、耳と認知症の新たな関係を明らかにしたそうです。研究チームは、同国の40~80歳の234万7610人を調査。その結果、平衡感覚をつかさどる内耳の「前庭」の機能低下も認知症に影響を及ぼす可能性があることが分かったそうです。調査した人のうち認知症と診断されたのは、聴力低下も前庭機能低下もない人の5.9%、聴力低下がある人の11.4%、前庭機能低下がある人の12.7%だったそうです。Medical Xpressの記事です。

  • リモート会議で眠くなる? 仕事への情熱が足りないからです

    2023-11-01

    オンラインで行うリモート会議で眠くなることはありませんか。フィンランドの研究チームが、その理由を明らかにしたそうです。チームは、知識労働者44人が400近くの会議に参加した際の心拍変動を分析。仕事に熱心に取り組んでいる人は、対面会議でもリモート会議でも活動的な状態を保っていたといいます。一方、仕事への関与度合いが小さく、あまり熱心ではない人は、リモート会議を退屈に感じていることが判明。特にカメラがオフになっていると、刺激不足になるとのことです。ScienceDailyの記事です。

  • マスクは結局、新型コロナの感染対策として有効なのか?

    2023-10-31

    マスクは新型コロナの感染対策として「非常に役に立つものである」と、米バージニア工科大学の専門家が話しています。マスクはウイルスを運ぶ微小粒子と同じ大きさの物をブロックするため、人が吸い込むウイルス量が抑制されるそうです。この専門家は、マスクの表面に付着したウイルスに触れることで感染するとの説も否定しています。ウイルスを付着させたマスクからヒトの皮膚に、感染力のあるウイルスは移らないことが実験から明らかになっているそうです。CBS Newsの記事です。

  • 妊娠中のフェンタニル使用で、赤ちゃんに共通の異常発生

    2023-10-31

    合成オピオイド「フェンタニル」を母親が妊娠中に使用すると、生まれた赤ちゃんの顔や筋骨格に共通の異常が出る可能性があるそうです。米国の研究チームが、生後すぐに哺乳困難を起こした赤ちゃんに「小頭症」「低身長」「独特な顔面」などの共通の特徴があることを発見。同じ特徴を持つ赤ちゃん10人を調査したところ、母親は全員妊娠中にフェンタニルを使用していたといいます。フェンタニルは胎盤を通過して先天異常を発生させるリスクがあることが知られています。Medical Xpressの記事です。

  • 太極拳で、パーキンソン病の進行が抑制される可能性

    2023-10-30

    中国武術の一つ「太極拳」が、パーキンソン病(PD)の運動症状と非運動症状の両方の進行抑制に有効なようです。中国の研究チームが、PD患者を2群に分けて5年以上追跡調査。143人は1時間の太極拳レッスンを週2回受け、対照群の187人は標準治療のみを継続したそうです。太極拳群は、動きやバランスをはじめとする症状の進行が総じて緩やかで、治療薬の投薬量が増えた人も対照群より少なかったといいます。ジスキネジアやジストニアなどの合併症状も抑制されたとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • プロバイオティクスで高血圧の治療が可能になる?

    2023-10-30

    プロバイオティクスで、高血圧を治療できるようになるかもしれません。米国の研究チームが注目したのは「ACE2」という、血圧を上昇させるホルモン「アンジオテンシンⅡ」を分解するタンパク質です。遺伝子操作でACE2を産生できる善玉菌「ラクトバチルス・パラカゼイ」を作り、ACE2を産生できなくした高血圧ラットに投与したそうです。その結果、腸内のアンジオテンシンⅡが減少し、血圧が下がったといいます。ただし、血圧降下の効果がみられたのはメスのラットだけだったとのこと。ScienceDailyの記事です。

  • 有酸素運動、ED改善にバイアグラと同程度の効果

    2023-10-29

    有酸素運動によって、勃起不全(ED)を克服できるかもしれません。米国の研究チームが、EDと運動に関する11の研究から計1100人のデータを分析。30~60分の有酸素運動を週3~5回行った600人と、500人の対照群を比べたそうです。その結果、有酸素運動はED治療薬であるバイアグラやシアリスと同程度の効果があることが判明。EDの重症度が高いほど、運動による大幅な改善が見られたといいます。また、テストステロンの投与は運動や薬よりも効果がないことも分かったようです。Medical Xpressの記事です。

  • 週2食以上の赤肉で、2型糖尿病リスク高まる可能性

    2023-10-28

    米国の研究チームが、赤肉(牛・豚・羊などの赤色の肉)を週に2食(未加工の場合は85gが1食分)以上食べると、2型糖尿病のリスクが高まる可能性があるとの研究成果を発表したそうです。チームは、21万6695人を数十年間にわたって追跡して得られた、健康状態や食事内容のデータを分析。赤肉の摂取量が最も多い群は、最も少ない群に比べて2型糖尿病の発症リスクが62%高いことが分かったといいます。赤肉にはインスリンの感受性や生成機能を低下させる成分が含まれているとのこと。CNNの記事です。

  • ヒト胚研究の14日ルールを「28日」に 英で議論

    2023-10-27

    英国の科学者の多くが、ヒト胚を受精後14日以降培養してはならないとする「14日ルール」を「28日」に緩和するよう求めているようです。14日ルールが撤廃されれば、不妊や流産、先天性異常に関する研究の飛躍的進歩につながる可能性があるといいます。現在は研究が許可されていないため14日を過ぎた後に何が起こるのかは正確には分かっていないそうです。しかし、28日目までに心臓が作られて動き始めるといいます。中枢神経は機能していないので痛みは感じないとのこと。BBCの記事です。

  • ガザ地区で深刻な水不足、腸管感染症のまん延リスク高まる

    2023-10-27

    10月7日にイスラム組織ハマスがイスラエルを攻撃した後、イスラエルは報復としてパレスチナ自治区ガザ地区への水や電気の供給をストップしているそうです。その結果、ガザでは深刻な水不足が発生。安全な水の確保が難しくなった住民は、飲料水や料理に汚水を使うことを余儀なくされているそうです。こうした環境で、赤痢やコレラなどの腸管感染症のまん延リスクが上昇。コレラの場合、特に子どもは大人よりも脱水症状を早く起こす可能性があり、死亡リスクも高いといいます。NBC Newsの記事です。

  • ホットヨガで、うつ病患者の症状が大幅に軽減

    2023-10-26

    40度の環境でヨガを行う「ホットヨガ」が、うつ病の治療に有効かもしれません。米国の研究チームが、中等~重度の成人うつ病患者を対象に8週間の調査を実施。参加者のうち33人が90分間のホットヨガクラスを平均10.3回受講し、別の32人はヨガをしなかったそうです。その結果、うつ症状が50%以上改善したのは、ヨガをした群が59.3%だったのに対し、ヨガをしなかった群は6.3%だったといいます。さらに、ヨガをした群の44%は寛解状態を達成したとのことです。Medical Xpressの記事です。

  • 米生殖医学会、不妊の定義を改訂へ 同性カップルにも拡大

    2023-10-26

    米生殖医学会(ASRM)の実務委員会は不妊の定義を改訂するそうです。新たな定義には、全ての人が生殖医療に平等にアクセスする権利を持つとの考えを反映。異性カップルに対する定義(治療などをしても1年以内に妊娠できない35歳未満の女性、または半年以内に妊娠できない35歳以上の女性)という従来の定義に加えて、「パートナーの有無にかかわらず、妊娠のために医学的介入が必要な全ての人」も対象になるそうです。シングルの人や同性カップルが念頭に置かれているとのこと。CNNの記事です。

  • ウイルスの変異を予測するAI ワクチンへの活用に期待

    2023-10-25

    このAIがあれば、新型コロナウイルスの変異も正確に予測できたそうです。英オックスフォード大学と米ハーバード大学が、ウイルスの変異の仕方を予測する人工知能(AI)ツール「EVEscape」を開発したといいます。ウイルスの進化のモデルに、ウイルスの構造的な情報などを組み合わせたとのこと。EVEscapeは、ウイルスの変異が進むに連れてどの抗体治療が効かなくなるかの予見もできるそうです。流行が見込まれる変異株に対する予防策やワクチン開発への活用が期待されています。BBCの記事です。

  • 1日1杯コーヒーを多く飲むと、体重増加が抑制される

    2023-10-25

    さまざまな疾患リスクの低減など、コーヒーが健康に良い影響を与えることはよく知られています。では、加齢と共に毎年少しずつ増加する体重の変化も防げるのでしょうか。米国の研究チームが、過去に行われた三つの大規模な研究のデータを分析。コーヒーを1日1杯多く飲んだ人は、コーヒーの摂取量を増やさなかった人に比べて体重の増加が4年間で予想より0.12kg少ないことが判明しました。しかしスプーン1杯分の砂糖を加えると、体重は予想より0.09 kg増えたとのこと。The Conversationの記事です。

  • 「話し方」から2型糖尿病を診断できるAI

    2023-10-23

    数行のフレーズを話してスマートフォンのアプリに記録するだけで、2型糖尿病の診断ができるようになるかもしれません。カナダのKlick Labs社が、糖尿病患者と糖尿病ではない人の計267人に1日6回、2週間にわたってアプリに特定のフレーズを録音してもらったそうです。このうち1万8465の録音データから高低や強弱など14種類の声の特徴を抽出し、2型糖尿病を検出する人工知能(AI)を開発。AIによる2型糖尿病の診断の精度は、女性で89%、男性で86%だったとのことです。ScienceAlertの記事です。

  • ブタの心臓の移植から1カ月 リハビリに励む患者男性

    2023-10-23

    米メリーランド大学が遺伝子操作したブタの心臓を58歳の男性に移植してから1カ月が経過しました。大学は、男性が回復に向けて懸命にリハビリに励む様子を撮影し、その映像を公開しました。今のところ拒絶反応の兆候はなく、心臓は自力で機能しているそうです。男性はすでに立てるようになっており、現在は歩くのに必要な体力の回復に努めているとのことです。ブタの心臓をヒトに移植したのは今回で2例目。1例目の男性は移植から2か月後に死亡しています。AP通信の記事です。

  • なぜ、睡眠不足が続くと心血管疾患につながるのか

    2023-10-20

    慢性的な睡眠不足は心血管疾患の発症リスクを高めるといわれています。そのメカニズムが明らかになったようです。米国の研究チームが、普段7~8時間の睡眠をとる健康な女性35人を調査。参加者は初めの6週間はいつも通り睡眠を取り、次の6週間は普段より1時間半遅く寝たそうです。血管内皮細胞を取って調べたところ、睡眠が短くなると炎症の原因となる酸化ストレスが増大することが判明。これを除去するための抗酸化応答もうまく機能しなかったとのことです。Medical Xpressの記事です。

  • 目覚ましの「スヌーズ機能」が健康に与える影響とは

    2023-10-20

    寝過ごし防止のために使う、目覚まし時計のスヌーズ機能。これを使っている間の睡眠は、質が低くて健康に悪いような気がしませんか。スウェーデンの研究チームが、スヌーズ機能を習慣的に使っている成人31人を調査したそうです。機能を30分間使うと睡眠が6分ほど減るものの、ストレスホルモンレベルや朝の疲労感、睡眠の質に影響はなかったそうです。むしろスヌーズ機能を使ったほうが、すぐに起きるよりも起床後の認知機能が向上した人もいたといいます。CBS Newsの記事です。

  • 米アマゾン、処方薬をドローン配送 注文から1時間で自宅に

    2023-10-19

    米国の一部地域で、急性疾患にも素早く対応できる医薬品の宅配サービスが導入されるようです。ネット通販大手「アマゾン」は、ドローンを使った処方薬の自宅配送をテキサス州カレッジステーションで開始すると発表したそうです。このサービスを使えば、注文から1時間以内に、ドローンが処方薬を自宅の玄関先まで届けてくれるといいます。対象となる医薬品は500種類以上で、一般的なインフルエンザや肺炎の薬も含まれるそうです。規制薬物は対象外とのこと。AP通信の記事です。

  • 女性は要注意!脳卒中の見過ごされやすい7兆候

    2023-10-19

    女性の脳卒中には見過ごされやすいサインがあるそうです。一般的に脳卒中の後遺症を防ぐには、「BE FAST」に対する注意が鍵になるといわれています。バランス(Balance)感覚の喪失、目(Eye)の見え方の変化、顔(Face)のゆがみ、腕(Arm)のまひ、言葉(Speech)の障害、発症の時間(Time)――といった症状などの頭文字を取った合言葉です。これに加えて女性の場合は、激しい頭痛▽脱力感▽倦怠感▽息切れや胸痛▽吐き気や嘔吐▽ブレインフォグ(頭の中のもや)▽しゃっくり――もサインになるといいます。CNNの記事です。

  • 歯肉炎は、離れた場所の健康な組織にも炎症を引き起こす

    2023-10-18

    歯周病の初期段階である限局性歯肉炎は、口腔内の離れた健康な組織にも炎症を引き起こす可能性があるそうです。米国などの研究チームが、18~35歳の健康な成人21人を調査。一部の歯をアクリル製のカバーで覆い、それ以外の歯は歯磨きで清潔を保ったといいます。しばらくすると、カバーをした部分で歯肉炎が発生し、それと同様の炎症が反対側の歯磨きで清潔にしていた組織でも起きたそうです。炎症の激しさや発生のタイミングには、個人差があったとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • しこりだけではない! 乳がんの危険がある5兆候

    2023-10-18

    「しこり」以外の乳がんの兆候を知っていますか。まず、乳頭が陥没したり垂れ下がったりする場合は注意が必要だといいます。その他、腕を上げると乳房にしわが寄る▽乳房の一部で感覚がなくなる▽乳房の皮膚が厚くなる▽乳頭から分泌物が出る――が乳がんのサインとして挙げられるそうです。米国で成人1000人以上に対して行った調査では、93%がしこりを乳がんの兆候として認識していた一方で、他の五つの兆候について知っていたのは31~51%だったとのことです。CNNの記事です。

  • 血液脳関門の問題を解決 薬剤を脳組織に直送する装置

    2023-10-17

    米国の医療技術会社CraniUSが、血液脳関門(BBB:Blood Brain Barrier)の問題を解決する装置「NeuroPASS」を開発したそうです。脳に薬剤を送っても、血液脳関門によってその効果の95%以上が阻害されてしまうといいます。この装置は、頭蓋骨に埋め込むタイプで、カテーテルを通して薬剤を脳組織に直送することができるそうです。充電もワイヤレスで行え、薬剤の注入管理や補充も可能だといいます。ブタを使った実験では、有望な結果が示されているとのこと。Medgadgetの記事です。

  • 米FDA、縮毛矯正製品の禁止を提唱へ がんリスク上昇の恐れ

    2023-10-17

    米食品医薬品局(FDA)は、髪をストレートにするための縮毛矯正剤やリラクサーを一部禁止するよう提唱することを決めたようです。対象となるのは「ホルムアルデヒド」やホルムアルデヒドを発する「メチレン」などを含むストレートヘアにするための製品だといいます。専門家の間では、以前からこうした製品が子宮がんや卵巣がん、乳がんなどのホルモン関連がんのリスクを上昇させると考えられていたとのことです。実際にそれを裏付ける研究報告も出ているそうです。CNNの記事です。

  • 遺伝子編集したブタの腎臓を移植 サルが2年以上生存

    2023-10-16

    深刻な臓器提供者(ドナー)不足を動物の臓器で解消しようとする異種移植の取り組みが進んでいます。米eGenesis社が、ブタの腎臓を20匹以上のサルに移植する実験を実施したそうです。ブタには、拒絶反応のリスクを減らすために七つのヒト遺伝子を組み込むなどの遺伝子編集を施したといいます。その結果、サルを長生きさせる3種類の遺伝子編集の組み合せが明らかになったそうです。免疫抑制剤を使用して、移植から2年以上生存したサルもいたとのことです。CNNの記事です。

  • 新型コロナに感染しても乳幼児が軽症で済む理由

    2023-10-16

    新型コロナウイルスに感染しても、子どもの方が大人よりも軽症で済みます。その理由が明らかになったようです。米国の研究チームが、乳幼児81人(感染者54人)の鼻腔ぬぐい液と血液を定期的に採取し、母親や大人の感染者と比較。乳幼児がコロナに感染すると鼻腔内の炎症性サイトカインレベルが上昇し、ウイルスが排除されやすくなることが分かったそうです。大人の患者は血液中でこのサイトカインが増加し、重症化や死亡リスクの上昇につながるといいます。USA TODAYの記事です。

  • オメガ3脂肪酸、魚を食べてもサプリを飲んでも効果は同じ?

    2023-10-13

    オメガ3脂肪酸は、心臓の健康維持や認知症リスクの低下、関節リウマチの改善に効果があることが分かっています。その効果は摂取方法によって異なるのでしょうか。主なオメガ3脂肪酸は魚介由来のDHAとEPA、植物由来のALAの3種類。このうちDHAとEPAについては、魚を食べてもサプリを飲んでも体内で増加するDHAやEPAの量が同じだったという研究報告があるそうです。ただ、関節リウマチに効果のある量を食事から取るのは難しく、サプリメントの使用が勧められています。The Conversationの記事です。

  • ガムを飲み込んだら、健康にどんな害があるのか

    2023-10-13

    チューインガムを誤って飲み込んでしまうと、7年間胃の中にとどまる――。これは迷信だそうです。英オックスフォード大学の専門家によると、ガムを誤飲してもそのまま排泄されるので心配ないといいます。1日3個以上飲み込まない限り、人体に有害な影響を及ぼすことはないそうです。ただし、クローン病など消化管に異常がある場合や手術で胃が小さくなっている場合などは注意が必要とのこと。消化管が狭くなっていると、ガムが詰まって異常が生じる恐れがあるといいます。CNNの記事です。

  • 第6の味覚を発見? 北欧のお菓子の「塩化アンモニウム味」

    2023-10-12

    甘味、塩味、苦味、酸味、うま味に続く「第6の味覚」が見つかったかもしれません。米国の研究チームが、北欧のお菓子「サルミアッキ」などの味付けに使われ、舌に触れると苦味と塩味と少しの酸味を感じる「塩化アンモニウム」に着目。培養ヒト細胞を塩化アンモニウムにさらしたところ、酸味を感知するOTOP1受容体が反応することが分かったそうです。舌の受容体が反応する新たな経路が特定されたため、これが新しい味覚として加えられる可能性があるといいます。ScienceAlertの記事です。

  • うつや不安は「多発性硬化症」の前触れの可能性

    2023-10-12

    精神疾患は、自己免疫疾患の一種「多発性硬化症(MS)」の初期兆候の可能性があるそうです。カナダの研究チームが、MS患者6863人とMSではない3万1865人のデータを比較。一般的なMSの症状が医学的に確認されるまでの5年間を対象期間とし、患者のメンタルヘルスの状態を調査したそうです。その結果、うつ病や不安障害などの精神疾患を経験する割合は、MS患者が28.0%、MSではない人が14.9%だったといいます。MSの発症時期に近づくほど精神疾患リスクが高まったとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • カンボジアで2人が鳥インフルで死亡 今年3例目

    2023-10-11

    カンボジアで今週、鳥インフルエンザH5N1の感染によって2人が死亡したそうです。1人は南東部のプレイベン州に住む2歳の女の子で、咳や高熱などの症状が悪化したため首都の小児病院に運ばれたものの、死亡しました。女の子の村や自宅では9月下旬から、複数のニワトリが死んでいたといいます。女の子は庭で遊んでいた際に感染したようです。もう1人は隣のスバイリエン州に住む50歳の男性とのこと。同国内では今年、計3人が鳥インフルで死亡しています。ABC Newsの記事です。

  • 夜間に光多く浴びる人、精神疾患リスク高く

    2023-10-11

    夜間に光を浴び過ぎると、メンタルヘルスに悪影響があるようです。豪州の研究チームが、英国バイオバンクの8万6772人のデータを分析したといいます。その結果、夜に光を多く浴びる人は、うつ病リスクが30%上昇することが分かったそうです。逆に、昼間に光を多く浴びる人のうつ病リスクは20%低くなったといいます。自傷行為、精神症、双極性障害、全般性不安障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)のリスクについても、同様のパターンが見られたとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 減量で注目のGLP-1受容体作動薬に注意 消化器障害のリスクが上昇

    2023-10-10

    血糖値を下げるホルモン「GLP-1」を補う減量薬(GLP-1受容体作動薬)は、さまざまな消化器障害を起こすようです。カナダの研究チームが、糖尿病でない肥満患者5411人のデータを分析。この薬を使った人は別の減量薬を使った人に比べて、膵炎や胃不全まひ、腸閉塞などの消化器障害を起こすリスクが高かったそうです。例えば腸閉塞の発症率については、GLP-1薬「サクセンダ」使用者が0.8%だったのに対し、非GLP-1薬「コントレイブ」使用者は0.17%だったといいます。Science Alertの記事です。

  • 新型コロナだけじゃない? 呼吸器感染症の後の長引く「後遺症」

    2023-10-10

    新型コロナの後遺症と同じように、風邪やインフルエンザ、肺炎などにかかった後に何らかの症状が長引く人がいるそうです。英国の研究チームが、2021年1~2月に同国の成人1万171人から集めたアンケートデータを分析。新型コロナの検査で陰性だった急性呼吸器感染症患者の中には、感染から少なくとも4週間は咳や腹痛、下痢などの症状が長引く人がいることが分かったといいます。以前に同じ感染症にかかったことがあると、症状が重くなる傾向があるとのこと。CBS Newsの記事です。

  • メントールで、アルツハイマー病マウスの認知機能が改善

    2023-10-06

    メントールがアルツハイマー病(AD)の治療に役立つかもしれません。スペインの研究チームがADマウスで調査。メントールの香りを短時間嗅がせる治療を6カ月間行ったところ、認知機能や記憶力の低下が抑制されたそうです。ADの症状には炎症反応が関係していると考えられます。メントールによって、炎症反応に関わるタンパク質「インターロイキン-1β」が正常値まで下がる可能性があるとのこと。同様の実験で、若い健康なマウスの認知機能も改善されたといいます。ScienceAlertの記事です。

  • 善玉コレステロール値、「高い方が健康」ではない

    2023-10-06

    善玉コレステロール(HDLコレステロール)の値が高い方が健康状態は良いと思っていませんか? それは間違っているようです。米国の研究チームが、平均年齢70歳の認知症ではない18万4000人を約13年間追跡調査。参加者はHDL値に応じて3群に分けられたそうです。HDL値が最も高い群(65mg/dL以上)は、値が標準的な群に比べて認知症を発症するリスクが15%高くなることが分かったといいます。HDL値が最も低い群(11~41mg/dL)のリスクも標準的な群に比べて7%高くなったとのこと。NBC Newsの記事です。

  • 注射が不要に? 薬剤を頬の内側から吸収させる「吸着カップ」

    2023-10-05

    スイスの研究チームが、ペプチドなどの大きな分子から成る薬剤を、頬内側の粘膜から吸収させることができる吸着カップを開発したそうです。大きな分子の薬剤は、糖尿病や前立腺がんなどの疾患の治療に用いられ、注射以外の投与方法はないといいます。このカップは真空状態を作り出すことで、薬剤が高密度な頬の組織を浸透しやすくするそうです。薬剤の浸透を促す物質の助けも借りるといいます。イヌやヒトの実験では有望な結果が示されているとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 五輪控えたパリで「トコジラミ」の目撃情報が増加

    2023-10-05

    フランスのパリなどの都市で、トコジラミの目撃報告がここ数週間で増加しているそうです。パリは2024年のオリンピックの開催予定地であり、期間中の健康と安全が保たれるのか疑問の声が上がっているようです。トコジラミは人の移動に伴って広がるため、毎年夏の終わりに目撃数が急増するといいます。その数は年々増えており、最近は映画館や電車での目撃情報が、SNSなどで拡散されているそうです。トコジラミにかまれたときの基本的な症状は激しいかゆみです。BBCの記事です。

  • 妊娠糖尿病の治療に2型糖尿病治療薬「メトホルミン」が有効な可能性

    2023-10-04

    母親と赤ちゃんの健康リスクを高める恐れがある「妊娠糖尿病」の安全かつ効果的な治療法が見つかったようです。アイルランドの研究チームが、妊娠糖尿病の妊婦535人を対象に調査を実施した結果です。2型糖尿病の治療に使われる「メトホルミン」を投与された群は、プラセボ群に比べてインスリンが必要になる可能性が25%低かったそうです。メトホルミン群の早産リスクが高まることはなかったといいます。また、巨大児が生まれるリスクも低くなったとのことです。Medical Xpressの記事です。

  • プロバイオティクスを与えられた早産児が死亡 米FDAが医療機関に警告

    2023-10-04

    健康に良い影響を与える生きた微生物「プロバイオティクス」の液体製品を与えられた早産児が、敗血症を起こして死亡したそうです。Infinant Health社が病院向けに製造している「Evivo」という製品で、MCTオイルを含有するタイプだそうです。ゲノム解析の結果、敗血症を引き起こした細菌がEvivoに含まれているものと一致することが分かったといいます。これを受けて米食品医薬品局(FDA)は、早産児に対するプロバイオティクスの使用について、医療機関に警告を出したとのことです。CNNの記事です。

  • mRNA研究者にノーベル生理学・医学賞 コロナワクチン開発に貢献

    2023-10-03

    2023年のノーベル生理学・医学賞は、ハンガリー出身のカタリン・カリコ氏と米国出身のドリュー・ワイスマン氏が受賞しました。両氏は米ペンシルベニア大学で、遺伝物質「メッセンジャーRNA(mRNA)」に関する技術を研究。mRNAに対する炎症反応がワクチン開発の障壁になっていましたが、2人はmRNAの一部の化学物質を置き換えることでそれが抑制できることを発見したといいます。15年以上前に発表されたこの研究成果が、新型コロナのmRNAワクチンの実現に大きく貢献しました。nprの記事です。

  • ノーベル賞受賞のmRNA技術 がんなどへの幅広い活用に期待

    2023-10-03

    2023年のノーベル生理学・医学賞を受賞した「mRNA技術」は、新型コロナウイルスワクチン以外では何に活用できるのでしょうか。多くの研究者が、季節性インフルエンザや狂犬病、ジカウイルスなどを標的としたmRNAワクチン開発に取り組んでいるといいます。ワクチンが効かないマラリアやAIDS(後天性免疫不全症候群)のmRNAワクチンの研究も進められているそうです。さらに、がん患者の腫瘍から採取したタンパク質を使った個別化mRNA療法の試験も始まっているといいます。Medical Xpressの記事です。

  • AIを使った安全な脳手術、2年以内に実現する可能性

    2023-10-02

    英国の研究チームが脳内の小さな腫瘍や脳深部の重要な構造を正確に示す人工知能(AI)を開発し、これを活用した脳手術が2年以内に実現する可能性があるそうです。脳の手術は、中心部にある下垂体を傷つけないように進めることが極めて重要だといいます。AIに下垂体腫瘍摘出術のビデオを200本以上分析させたところ、たった10カ月で外科医が10年かけて獲得する経験レベルに到達。手術時にこのAIを使うと、次に行うべき手順や何が起きるのかを知ることができるそうです。BBCの記事です。

  • ニンニク食べた後の不快な臭いはヨーグルトで消せる?

    2023-10-02

    ニンニクを食べた後の臭いを消すよい方法はあるのでしょうか。米国の研究チームが、ヨーグルトの「乳脂肪」と「乳タンパク質」が有効なことを発見したそうです。スライスした生のニンニクが入った瓶にヨーグルトを加えたところ、臭いの元である硫黄ガスが99%減ったそうです。揚げたニンニクを使った実験でも、硫黄ガスは94%減少。乳タンパク質が特に重要な役割を果たすようです。これまでに、りんごやミントの酸、牛乳の脂肪が有効なことが分かっています。Science Alertの記事です。

  • カフェイン摂取が睡眠パターンや脳内血流に与える影響

    2023-09-29

    米国の研究チームが慢性的なカフェイン摂取の影響を明らかにしたそうです。数週~数カ月間、毎日カフェインを摂取したマウスは昼寝をしなくなり、入眠のタイミングが遅くなったといいます。一方で、ぐっすりと長く眠るようになったとのこと。人間は生活リズムを変えられないために、カフェイン摂取が睡眠不足につながるようです。またカフェイン摂取は睡眠時の脳内血流を増加させ、神経変性疾患に関連する老廃物の排出を助ける可能性があるといいます。Medical Xpressの記事です。

  • ブラジルの猛毒グモ「バナナ・スパイダー」の毒成分を活用したED治療薬

    2023-09-29

    「バナナ・スパイダー」と呼ばれる南米原産の猛毒グモが、「勃起不全(ED)」の治療に役立つかもしれないそうです。ブラジルの研究チームが、このクモにかまれた後に「持続勃起症」が起こることに着目。クモ毒の成分に似た合成分子を使い、ED向け塗り薬を開発したそうです。この分子は、勃起現象に重要な役割を果たす一酸化窒素の放出を促進。薬を男性器に直接塗り込むことで、数分で効果が得られるといいます。現在、第2相試験が行われているとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 減量効果で注目の糖尿病治療薬「オゼンピック」、副作用に腸閉塞を追加

    2023-09-29

    ノボノルディスク社の糖尿病治療薬「オゼンピック(一般名セマグルチド)」は使用後に腸閉塞を発症することがあるとして、製品情報に説明が追加されたそうです。米食品医薬品局(FDA)には、オゼンピックなどのセマグルチド製剤使用後の胃腸障害について8571件の報告が寄せられているといいます。また、製剤使用後に腸閉塞が発生した例は33件で、そのうち2人は死亡しているとのこと。オゼンピックはGLP-1受容体作動薬で、その減量効果にも注目が集まっています。CBS Newsの記事です。

  • 治療抵抗性うつ病にDBSが有効 治療効果の把握も可能に

    2023-09-28

    重度の治療抵抗性うつ病には、脳内に電極を埋め込んで電気刺激を与える「脳深部刺激療法(DBS)」が有効であることが分かり、治療効果の把握もできるようになったそうです。米国の研究チームが、DBSを受ける患者10人を6カ月間調査。患者の90%に症状の有意な改善が見られ、70%がうつ病の基準を満たさないまでに改善したといいます。また、患者の脳活動の記録を人工知能(AI)で分析したことで、回復過程であることを示す特徴的な脳活動のパターンを特定できたそうです。SciTechDailyの記事です。

  • コロナ後遺症の人、血中コルチゾール値が低いことが判明

    2023-09-27

    新型コロナ罹患後の後遺症(コロナ後遺症)のある人は、血液に特徴があることが分かったそうです。米国の研究チームが268人の血液を調査。後遺症のある人はそうでない人に比べて、免疫抑制や抗炎症作用のあるホルモン「コルチゾール」のレベルが有意に低かったといいます。コルチゾールレベルの低下によって、倦怠感が出る可能性があるとのこと。また、コロナ後遺症の人は、免疫細胞のT細胞やB細胞の動きが通常と異なることも明らかになったといいます。NBC Newsの記事です。

  • 米で「人食いバクテリア」の感染が増加 CDCが勧告発表

    2023-09-27

    深刻な壊死性筋膜炎を引き起こし、「人食いバクテリア」と知られる細菌ビブリオ・バルニフィカスの感染例が増加しているとして、米疾病対策センター(CDC)が勧告を発表したそうです。この細菌はこれまで、米国ではメキシコ湾岸の暖かい海水に生息していました。しかし地球温暖化の影響で、北東部のコネチカット州でも感染者が出ているといいます。汚染された水や魚介類を介して傷口から体内に侵入し、米国では感染者の5人に1人が死亡しているそうです。CBS Newsの記事です。

  • 食道炎のない胃食道逆流症、がんリスクに関連せず

    2023-09-26

    胃食道逆流症が食道がんリスクを高めるとの考えは間違っているようです。スウェーデンなどの研究チームが、内視鏡検査で食道炎が見つからなかった胃食道逆流症(非びらん性胃食道逆流症)患者28万5811人を最長で31年間にわたり追跡調査。このうち食道(腺)がんを発症したのは228人で、発症率は一般集団と変わらなかったそうです。一方、びらん性食道炎がある胃食道逆流症(逆流性食道炎)患者は、食道がん発症率が明らかに高くなったといいます。Medical Briefの記事です。

  • 超加工食品を多く摂取する女性、うつ病リスク高く

    2023-09-26

    インスタント食品やチップス、炭酸飲料などの「超加工食品」を取りすぎると、心の健康を損なう可能性があるようです。米国の研究チームが、42~62歳の女性3万1000人以上を対象に調査を実施。参加者のほとんどが白人だったそうです。超加工食品の摂取量が最も多い(1日9食分)群は、最も少ない(1日4食分以下)群に比べてうつ病を発症するリスクが50%高かったといいます。特に、人工甘味料がリスクに悪影響を及ぼす可能性が示されたとのことです。NBC Newsの記事です。

  • ネガティブな思考を抑えると、メンタルヘルスが改善する

    2023-09-25

    「負の感情を抑えるのは心の健康に良くない」との考えは間違っているようです。英国の研究チームが世界16カ国の120人を調査。チームは参加者に、2年以内に実際に起こりそうなさまざまな状況を想像してもらいました。ネガティブな出来事について考えると不安な気持ちになります。しかし、そのようなことを考えるのをやめる訓練を受けることで、出来事に対するイメージを不鮮明にすることができたそうです。その上、メンタルヘルスも改善したといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 米でブタの心臓を人間に移植 世界で2例目の手術を実施

    2023-09-25

    米メリーランド大学は22日、ブタの心臓を58歳の男性に移植したと発表したそうです。男性は末期の心臓病患者で、末梢血管疾患や内出血をともなう合併症があるため、通常の心臓移植には不適格だったといいます。心臓は拒絶反応を抑えるための遺伝子操作を加えたブタのものです。移植後、男性は自発呼吸をしており、心臓は補助装置なしで正常に機能しているそうです。同大学は2022年に同様の移植を世界で初めて実施。その際は、患者は2カ月後に死亡しています。CNNの記事です。

  • 早産児を人工子宮でケア? 治験に向けて米FDAが会合

    2023-09-23

    米食品医薬品局(FDA)の諮問委員会が、早産児を「人工子宮」で育てることの議論を進めているそうです。19、20日に行われた会合では、妊娠28週以前に生まれた早産児の臨床試験の実施に向けて、必要なデータや規制、倫理的配慮などについて話し合ったといいます。人工子宮は人間の子宮のように、酸素や栄養素、ホルモンを赤ちゃんに供給でき、肺や脳の最終段階の発育を助けるそうです。既にヒツジなど複数の動物実験で、良好な結果が示されているとのことです。CNNの記事です。

  • CRISPRを搭載した細菌で、腸内の腫瘍を検出

    2023-09-22

    米国の研究チームが、腫瘍の存在を知らせる細菌を開発したそうです。この細菌は、がんから放出されるDNAのかけらを素早く認識するCRISPRシステムを搭載。ベースとなる細菌には、周囲の環境からDNAを取り込むことに長けている「アシネトバクター・ベイリー」が使用されたそうです。腸に投与した細菌が腫瘍関連DNAを取り込むと、蛍光タンパク質や抗菌薬耐性をもたらす遺伝子が発現。便を抗菌薬を含む培地で培養することで腫瘍の存在が分かる仕組みだといいます。Medgadgetの記事です。

  • 高血圧の適切な治療で7600万人の命が救われる WHO公表

    2023-09-21

    WHO(世界保健機関)が高血圧の世界的な影響について、初の報告書を公表したそうです。血圧が140/90mmHg以上の状態を高血圧と分類。全世界の成人の1/3が影響を受けているといいます。高血圧は脳卒中、心臓発作、心不全、腎臓損傷などを引き起こします。安価で手軽な薬でコントロールできるにもかかわらず、高血圧をきちんと管理できているのは患者の1/5ほどだそうです。適切な治療を受ける患者が増えれば、2023~50年で7600万人の死亡を防げる可能性があるといいます。CNNの記事です。

  • 難病の赤ちゃんの延命治療 継続か中止かを裁判所が判断へ/英

    2023-09-21

    まれな遺伝子疾患「ミトコンドリア病」に苦しむ英国人の女の子(生後6カ月)について、延命治療を続けるかどうかを裁判所(高等法院)が決めることになるようです。女の子を治療する英ノッティンガムの病院が、高等法院に対して延命治療の中止を申請。病院によると、女の子は瀕死の状態だそうです。これ以上治療法はなく、痛みや苦しみをともなう延命治療は患者の最善の利益ではないといいます。一方、女の子の両親は治療の継続を希望しているとのこと。BBCの記事です。

  • 仕事上のストレスで男性の心臓病リスクが上昇

    2023-09-20

    ストレスフルな職場環境は、特に男性の健康に悪影響を及ぼすようです。カナダの研究チームが、心臓病のない平均45歳の事務系労働者約6500人(男性3118人、女性3347人)を18年間追跡調査。「仕事の重圧」か「労力と報酬の不均衡」のどちらかを経験している男性は、いずれも経験していない男性に比べて心臓病リスクが49%高かったそうです。両方を経験している男性の同リスクは2倍に上昇したといいます。女性に関してはこれらの関係が立証できなかったとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 朝に運動すると痩せやすい?

    2023-09-20

    痩せたい人は午前7~9時に運動するといいかもしれません。香港の研究チームが、20歳以上の5200人について運動、食事、生活習慣のデータを分析。朝に中~高強度の運動をする人は、昼間や夕方に運動をする人に比べて体格指数(BMI)が低いことが示されたそうです。ただし、朝に運動していた人は平均年齢が10歳以上高く、このことが調査結果に影響を及ぼしている可能性があるといいます。さらに人種や生活環境など他の要因も考慮に入れる必要があるとのこと。NBC Newsの記事です。

  • 仕事ばかりで遊ばないと、人はダメになる

    2023-09-19

    楽しみより仕事での成功を優先していると、幸せになれないようです。英国の研究チームが、インド、トルコ、英国で計180人を調査。参加者は9日間日記をつけ、さまざまな価値観に従って行動した際の自身への影響を記録したそうです。国籍に関係なく、生きる最大の目的を快楽とする「快楽主義」や自分独自の道を行く「自主独往(どくおう)」に従って行動すると、幸福感が増したといいます。「成功」や「適合・準拠」は幸福感に影響を与えなかったとのこと。Science Dailyの記事です。

  • 心肺蘇生を患者が覚えている? 心停止後も脳は機能か

    2023-09-19

    臨死体験の謎に迫る研究です。心臓が止まった後も、脳はしばらく静かに活動を続けている可能性があるそうです。米国の研究チームが、病院で心停止に至り心肺蘇生法(CPR)を受けた患者567人を調査。このうち28人は蘇生に成功し、インタビューに答えられるまで回復したそうです。何人かはCPR時の胸部圧迫や皮膚に貼られた電極などを覚えていると報告したとのこと。またCPR時の脳波は、生存者の40%で正常に近い数値が最大で1時間も維持されていたといいます。Science Alertの記事です。

  • 厳しい残暑 体を冷やすのに有効な四つの科学的な方法

    2023-09-15

    厳しい残暑に対処するよい方法はあるのでしょうか。英国の研究チームが次の四つを推奨しています。暑さを感じた時は、顔ではなくまず手を冷やすとよいそうです。冷たい水に手を15~20分入れると効果的だといいます。シャワーを浴びるなら、冷水は皮膚への血流を遮断してしまうため非効率なので、ぬるま湯がいいそうです。ノンカフェインの温かい飲み物を飲むのも有効。うちわなどで全身に弱い風を当てて、汗を蒸発させるのも効果的とのことです。BBC Science Focusの記事です。

  • 新発見 認知症は免疫細胞ミクログリアの細胞死が一因か

    2023-09-15

    アルツハイマー病や血管性認知症の原因解明につながる新たなヒントが見つかったようです。米国の研究チームが、死亡した認知症患者の脳組織を分析。神経伝達を円滑にするためにニューロン(神経細胞)の軸索に巻き付くミエリン(髄鞘)が加齢などで損傷を受けると、免疫細胞のミクログリアが除去します。この時、そこに含まれる鉄を取り込みすぎることでミクログリアが変性し、細胞死してしまうそうです。これが認知症に関与している可能性があるとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 腸内細菌が産生する代謝物が、大腸がん治療の鍵になる?

    2023-09-14

    食物繊維を消化する際に腸内細菌によって代謝物として産生される「酪酸」と「プロピオン酸」が、大腸がんに対する免疫応答を促進するようです。カナダの研究チームが、マウスやヒトのがん細胞を使って調査。その結果、この二つの代謝物によってがん細胞の表面にある分子が活性化され、免疫細胞のT細胞が大腸がんを検出しやすくなることが分かったそうです。さらに代謝物はがん細胞の遺伝子発現も変化させ、免疫系の注意を引き付けるといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 市販の鼻炎薬フェニレフリン、錠剤では効果なし/米FDA諮問委

    2023-09-14

    米食品医薬品局(FDA)の諮問委員会は、風邪やアレルギー性鼻炎の市販薬に含まれる「フェニレフリン」について、錠剤で服用しても効果はないと認めたそうです。同薬は鼻粘膜の血管の腫れを一時的に抑えることで、鼻づまりを改善するとされています。委員会では、16人の委員が満場一致でフェニレフリン錠剤の有効性について「ノー」を投票したそうです。なお、研究で一時的な効果があることが示されている点鼻スプレー薬については、議論されなかったとのこと。CNNの記事です。

  • インターネットを定期的に使う高齢者、認知症リスクが1/2に

    2023-09-13

    インターネットの定期的な利用は、脳の健康を保つのに役立つ可能性があるそうです。米国の研究チームが、調査開始時に50~65歳だった認知症ではない1万8154人を平均8年間追跡したデータを分析しました。その結果、定期的にインターネットを利用すると答えた人の認知症発症リスクは、そうでない人のリスクの57%だったことが分かったといいます。認知症を発症するリスクが最も低かったのは、1日に6分~2時間インターネットを使う人だったとのことです。PsyPostの記事です。

  • ヒトとブタのキメラ胚 ブタの体内で成長させ腎臓の発達を確認

    2023-09-13

    中国の研究チームが、異種動物の体内でヒトの細胞を持つ固形臓器を成長させることに初めて成功したそうです。チームは、ヒトとブタの細胞が混在する「キメラ胚」を作製し、これを雌ブタに移植。25または28日後に五つのキメラ胚を取り出し、腎臓の発達状況を分析したそうです。すると、腎臓は正常に発達しており、ヒト細胞を50~60%含んでいることが明らかになったとのことです。腎臓では尿細管や尿管芽細胞が形成されていたといいます。ScienceDailyに紹介されています。

  • 米国で、14歳の少年が激辛チップスを食べた後に死亡

    2023-09-12

    米マサチューセッツ州の14歳の少年が、世界一辛い唐辛子を使ったチップスを食べた数時間後に死亡したそうです。少年はチップスを食べた直後に胃痛を訴え、その後、意識を失って呼吸が停止したといいます。激辛製品は大脳動脈狭窄や食道損傷など深刻な合併症を引き起こすことがあるそうです。SNSではこのチップスに挑戦する姿を投稿する企画「ワンチップチャレンジ」が行われていました。少年の死因は未特定ですが、製品は自主回収されているとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • セマグルチドが1型糖尿病にも効果か インスリン不要になる患者も

    2023-09-12

    2型糖尿病や肥満の治療に使われるノボノルディスク社の「セマグルチド」は、1型糖尿病にも有効かもしれません。米国の研究チームが、3カ月以内に1型糖尿病と診断された患者10人を対象に調査を行いました。患者はみな基礎インスリンと追加インスリンを使用していたといいます。この10人にセマグルチドを週1回、3カ月間投与したところ、全員が追加インスリンをやめられたそうです。6カ月後には、7人が基礎インスリンも不要になったとのことです。CNNの記事です。

  • 電子タバコを吸うと免疫細胞「好中球」の動きが止まる

    2023-09-11

    液体を熱して蒸気を吸う電子タバコを使うと、免疫系のなかで最初に防御反応を示す免疫細胞の好中球が適切に機能しなくなるようです。英国の研究チームが、タバコや電子タバコ製品を吸ったことがない健康な人の血液から好中球を採取。これを少量のノンフレーバーの電子タバコの蒸気に暴露させたそうです。電子タバコにニコチンが含まれているかどうかに関わらず、好中球はその場に立ち往生してしまい、敵に向かっていくことができなくなったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 無精子症患者の精巣から精子を数秒で見つけ出すAI

    2023-09-11

    豪州の研究チームが、精巣で精子を作る能力が低下した「非閉塞性無精子症(NOA)」の男性不妊患者から素早く健康な精子を見つけ出すAI(SpermSearch)を開発したそうです。NOAの場合、患者の精巣から精細管と呼ばれる組織を取り出し、顕微鏡を使って健康な精子を見つけます。通常、専門家の手で6~7時間かかるそうです。しかしSpermSearchは、コンピューターに組織の画像を読ませると、数秒後には健康な精子を特定できるといいます。チームはSpermSearchの治験の準備を進めているそうです。BBCの記事です。

  • 尿路感染症の再発、膀胱細胞のエピゲノムによる免疫系の反応の高まりが原因か

    2023-09-08

    尿路感染症(UTI)はなぜ再発することが多いのでしょうか。米国の研究チームが、大腸菌によってUTIを発症させたマウスを調査。重度のUTIを患ったマウスの膀胱細胞では、次のUTIの発生に対して積極的に反応するよう免疫系に指示を出してしまう変化が起こるそうです。これは、DNA塩基配列の変化を伴わずに遺伝子発現に影響を及ぼす「エピゲノム」によるものだといいます。衛生状態に関係なくUTIは繰り返されますが、一定期間感染がなければ元に戻る可能性があるそうです。nprの記事です。

  • 目の動きを追跡するタブレットツールで、ASDを短時間で正確に診断

    2023-09-08

    米国の研究チームが、生後16~30カ月の子どもの自閉スペクトラム症(ASD)を専門家と同じくらい正確に診断するタブレットツールを開発したそうです。対象者に子ども同士が社会的交流をしている様子のビデオを見せ、このツールがその際の目の動きを追跡して測定します。ビデオからどんな情報を得ているのかを知ることで、ASDを診断できるといいます。ASDの診断は高度な訓練を受けた専門家が何時間もかけて行うそうですが、ツールはわずか30分で結果を出すとのこと。NBC Newsの記事です。

  • 砂糖入り炭酸飲料がうつリスク上昇に関連

    2023-09-07

    甘い炭酸飲料を飲むと、メンタルヘルスに悪影響が及ぶようです。韓国の研究チームが、同国で平均年齢39.5歳の8万7115人に調査を実施。砂糖入り炭酸飲料の消費量が増えるのに比例して、うつのリスクも上昇することが分かったといいます。砂糖入り炭酸飲料を1日1缶飲むだけで憂うつな気分になる可能性があるそうです。当初、インスリン抵抗性や血糖値などの代謝が関連すると考えられていましたが、それだけでは説明がつかないことが示唆されたとのこと。PsyPostの記事です。

  • 過去30年で50歳未満のがん患者が急増 人口増加は未考慮

    2023-09-07

    米中英などの研究チームが、50歳未満のがん症例数が過去30年間で急増しているとの研究結果を発表したそうです。チームは世界200カ国以上の情報が集められた疾病データを分析。2019年の50歳未満のがん症例数は326万件で、1990年と比べて79%増加したといいます。消化器系、皮膚、乳房のがんが多かったそうです。若い世代のがんの早期発見や予防に力を入れる必要がありますが、今回の調査には総人口が40%増えたことが考慮されておらず、深読みは禁物とのことです。BBCの記事です。

  • ハダカデバネズミの「長寿遺伝子」を移植 マウスの寿命が延長

    2023-09-06

    加齢に伴う病気が少なく長寿な「ハダカデバネズミ」の遺伝子を活用することで、長生きが実現するかもしれません。ハダカデバネズミはヒトやマウスに比べて、体内の高分子量ヒアルロン酸(HMW-HA)の量が多いといいます。米国の研究チームが、HMW-HA産生に関わるハダカデバネズミの遺伝子を移植したマウスを作製。自然発生がんや化学的に誘発した皮膚がんへの防御力が高くなったほか、通常のマウスに比べて健康状態が全般的に改善し、平均寿命が4.4%延びたといいます。Science Dailyの記事です。

  • 鳥インフル 中国で分離のウイルスがヒトに感染しやすく変異か

    2023-09-06

    中国の養鶏場で流行している鳥インフルエンザウイルス(H3N8型)が、ヒトの間で感染が広がりやすく変異している危険性があるようです。中国と英国の研究チームが、このウイルスに感染した人から分離したウイルス株の特徴を分析。その結果、ヒトの気管支や肺の上皮細胞で効率的に複製されることが分かったそうです。マウスやフェレットを使った実験では、この株が重篤な症状を引き起こすうえ、飛沫を介して空気感染する可能性が示されたといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 難病末期の10代女性、医療の継続巡りNHSと法廷闘争/英

    2023-09-05

    英国に住むミトコンドリア病を患う女性患者(19)とその家族が、治療方針を巡って英国民保健サービス(NHS)と法廷で闘っているそうです。この女性は、カナダで行われている同疾患のヌクレオシド療法の治験に参加することを希望。しかし担当医は、女性はすでに限りなく死に近い状態であり、終末期医療に進むべきだと考えているようです。裁判所は、女性に医療の継続について自ら決める能力はないと判断。今後の治療については法廷の審理で決まるといいます。BBCの記事です。

  • 化学療法耐性の頭頸部がん、原因遺伝子特定で治療可能に?

    2023-09-05

    化学療法(抗がん剤)が効かない頭頸部がんへの対処法が見つかったかもしれません。英国の研究チームは、「NEK2遺伝子」と「INHBA遺伝子」が原因で頭頸部扁平上皮細胞がん(HNSCC)に化学療法への抵抗性(耐性)が起こることを発見したそうです。そして、これらの遺伝子を標的にする真菌毒素「シロデスミンA」や細菌由来の「カルフィルゾミブ」を使うと、耐性がん細胞に対するシスプラチンなどの抗がん剤の反応が30倍になることを突き止めたといいます。EurekAlert!の記事です。

  • 多発性硬化症の治療薬がアルツハイマー病に有効な可能性

    2023-09-04

    再発型多発性硬化症の治療に使われる経口薬「ponesimod(ポネシモド)」が、アルツハイマー病(AD)の治療に有効な可能性があるそうです。米国の研究チームがADモデルマウスで調査。ポネシモドを投与すると、ADの特徴である神経炎症が抑制されるだけでなく、神経に有害なタンパク質アミロイドが除去される可能性も示唆されたといいます。ADが進行しているマウスの注意力や、一時的な記憶機能「ワーキングメモリー」が改善することも明らかになったとのことです。Medical Xpressの記事です。

  • 大麻使用者、血中や尿中の鉛・カドミウムレベル高く

    2023-09-04

    大麻草は土壌から重金属をよく吸い取るため、大麻製品を使うとそれらが体内に吸収される危険性があるようです。米国のチームが7200人のデータを分析。過去30日以内に大麻を使用した人は、大麻もタバコも使っていない人に比べて血中の鉛レベルが27%高く、カドミウムレベルは22%高かったといいます。尿の調査でも同様の結果が出たとのこと。鉛は神経系や造血系、腎臓などに障害を与え、カドミウムはイタイイタイ病の原因や発がん性物質として知られます。NBC Newsの記事です。

  • 「大麻がメンタルヘルスや痛みを改善」は誤り?

    2023-09-01

    カナダの研究チームが、大麻に関する100以上の研究を分析し、結果を発表しました。不安やうつなどの症状緩和に大麻は有害で、臨床転機を悪化させるだけでなく、精神疾患発症のリスクを高めるそうです。また、つわりを抑えるための使用は、低出生体重児のリスクを上昇させるようです。さらに、大麻は認知機能に悪影響を及ぼすため、若年層の使用はリスクが高いといいます。けいれん性疾患や慢性疼痛などの分野も、効果があるのは特定の人だけとのこと。CNNの記事です。

  • 深刻な頭頸部がんの発見遅れ 誤診で抗菌薬を処方される患者多数/米

    2023-09-01

    頸部に腫れなどの症状がある場合、臨床実践ガイドラインではがんの可能性を疑うことが推奨されているといいます。しかし、実際には抗菌薬が処方されることが多いようです。米国の研究チームが、頭頸部がん(HNC)患者7811人のデータを分析。このうち15.6%がHNCと診断される3カ月以内に抗菌薬を処方されており、結果的に診断までにかかる時間が21.1%長くなっていたそうです。プライマリ・ケアの医師にNHC診断のガイドラインが普及していないことが一因のようです。Medical Xpressの記事です。

  • 一般的に推奨されているがん検査、寿命の延長に効果なし

    2023-08-31

    がん検診を定期的に受けると、通常より長生きできるのでしょうか。ノルウェーなどの研究チームが、6種類のがん検診を受けた210万人のデータを分析。その結果、寿命の延長に効果があったのは、大腸がんを調べるためのS状結腸鏡検査だけだったそうです。この検査で寿命が3カ月延びる可能性があるといいます。乳がんのマンモ検査、大腸内視鏡検査、便潜血検査、前立腺特異抗原(PSA)検査、喫煙者へのCT検査は、寿命延長の効果はなかったとのことです。CNNの記事です。

  • 小児がん患者への医療用大麻使用の是非 不明点多く評価できず

    2023-08-31

    医療用大麻は小児がん患者の症状軽減に有効なのでしょうか。カナダの研究チームが19の研究から1927人のデータを分析したのですが、投与量や安全性、効果を示すデータが不足しており、総合的な評価はできなかったそうです。大麻の成分が化学療法による吐き気や嘔吐を抑えるのに有効との研究がある一方で、眠気やめまい、口の渇きなどの有害事象が出るという報告もあったとのこと。研究者は、厳密な調査で効果を評価する必要があると指摘しています。Medical Xpressの記事です。

  • 横紋筋肉腫を筋肉に変える 革新的治療の鍵となるタンパク質を特定

    2023-08-30

    横紋筋肉腫(RMS)は、体の軟らかい組織の、本来は筋肉になる細胞から悪性腫瘍が発生する小児がんです。米国の研究チームが、RMS細胞を筋肉に変えるという革新的な治療法の可能性を開いたそうです。鍵となるのはタンパク質「NF-Y」。ゲノム編集技術を使ってNF-Yを阻害すると、RMS細胞ががんの性質を完全に失い、筋肉に変化することが分かったそうです。RMS細胞から変化した細胞は全エネルギーを「収縮」に使うようになり、増殖することができなくなるとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 豪州女性の脳から、ニシキヘビに寄生する生きた8cmの線虫

    2023-08-30

    豪州で、64歳の女性の脳から生きた線虫が見つかったそうです。女性は2021年に胃の症状や乾いたせきなどの症状が出て、22年にうつや物忘れの症状が出たために脳の検査(MRI)を受けたといいます。そして、同国のチームが女性の脳から8cmの線虫を除去。豪州原産で、カーペットニシキヘビに寄生するO. robertsiだったそうです。この線虫のヒトへの感染報告は初めてだといいます。女性が食べた野草に、ヘビがふんと一緒に排出した線虫の卵が付いていたようです。ABC News(AUS)の記事です。

  • 低中所得国の子どもの死亡、ほとんどが予防可能

    2023-08-29

    5歳未満の子どもの死亡は99%が低中所得国で起きており、その82%が防げるものだったことが分かったそうです。子どもの健康を監視する国際チームが低侵襲な生体組織検査を使って、サハラ以南のアフリカと東南アジアの7カ国で生後1~59カ月の子ども632人の死因を調査。死因は多い順に、栄養失調(16.5%)、HIV(11.9%)、マラリア(11.2%)、先天性の異常(10.1%)、呼吸器感染症(8.4%)、下痢(7.2%)だったといいます。また、死亡者の87%から何らかの感染性病原体が見つかったとのことです。Medical Briefの記事です。

  • 断続的断食で、アルツハイマー病の進行が抑制される可能性

    2023-08-29

    食事法で概日リズムの乱れを改善すれば、アルツハイマー病(AD)の進行を遅らせることができるかもしれません。米国の研究チームがADマウスを使って調査。食べ物を摂取する時間を決める「断続的断食」に基づいて、マウスが餌を食べられる時間を1日6時間に制限すると、記憶力が著しく改善したそうです。食事の時間を制限したマウスは、ADに関連するとされるタンパク質アミロイドβが脳に蓄積しにくいうえ、よい睡眠を取れることも示されたといいます。ScienceAlertの記事です。

  • 話せなかった脳卒中とALSの女性、脳インプラントで会話できるように

    2023-08-28

    脳インプラントを使って言葉を取り戻す技術が進化しているようです。米国の研究チームが、脳卒中でほぼ完全な麻痺状態になった女性の脳に253の電極を移植。人工知能(AI)に「音素」を認識させ、女性が考えている内容をアバターに話させる技術を開発したそうです。女性は周囲の人と同じくらいの速さで会話することが可能になったといいます。また、米国の別のチームが筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性患者に行った同様の研究でも、有望な結果が得られたとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 新型コロナウイルスが脳に与えるダメージ 従来株とオミクロンはBBBに影響

    2023-08-28

    新型コロナウイルスが脳細胞に与えるダメージの詳細が分かってきたようです。英国の研究チームが、各変異株による4種類の脳細胞への影響を調査。中国の武漢市で最初に広がった従来株は血液脳関門(BBB)を形成する周皮細胞と内皮細胞、免疫応答や脳細胞の各機能を助けるミクログリアにダメージを与え、オミクロン株は周皮細胞と内皮細胞を破壊したといいます。3Dモデルの実験では、この2株が血液脳関門の完全性を損なう可能性が示されたとのことです。Medical Xpressの記事です。

  • 前立腺がん PSA検査よりMRI検査の方が正確に検出

    2023-08-26

    前立腺がんは、採血でPSA値を調べるよりMRI検査の方が正確に検出できる可能性があるそうです。英国の研究チームが、50~75歳の男性303人にMRI検査とPSA検査の両方を実施しました。その結果、48人がMRIで前立腺がん陽性となり、そのうち25人が追加の検査で実際にがんと診断されたそうです。MRIでがんが見つかった人の半数以上が、PSA検査では正常とされる数値だったといいます。PSA検査だけでは見逃される前立腺がんをMRIで発見できる可能性が示されました。BBCの記事です。

  • iPS細胞がもつ「記憶」の消去に成功 再生医療が進歩する可能性

    2023-08-25

    皮膚細胞や血液細胞などの体細胞から作られるiPS細胞(人工多能性幹細胞)はさまざまな種類の細胞に変化することが知られています。しかし、元の細胞の痕跡を「記憶」し続けていることがあるそうです。豪州の研究チームが、胚(受精卵)の発達プロセスを模倣することで、記憶が十分に消去されたiPS細胞を作る方法を発見。胚から作るES細胞(胚性幹細胞)のように機能させることができるといいます。iPS細胞を治療に活用する可能性が高まるとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 逆流性食道炎治療薬PPIの長期使用、認知症リスク上昇に関連

    2023-08-24

    胃酸の分泌を抑える効果があり逆流性食道炎の治療などに使われる「プロトンポンプ阻害薬(PPI)」について、新たな注意点が明らかになったようです。米国の研究チームが、非認知症の5712人(45~64歳)のデータを分析。PPIを使用していた人は約1500人(26%)いたそうです。4.4年を超えてPPIを使用した人は、一度も使用したことがない人に比べて認知症の発症リスクが33%高くなることが分かったといいます。使用期間が4.4年以下であればリスクは上昇しなかったとのこと。CNNの記事です。

  • 神経膠腫の発生に、エピゲノムが関与している可能性

    2023-08-24

    DNAの塩基配列の変化ではなく、化学反応などで遺伝子の働きが変化する「エピゲノム」が原因で、悪性脳腫瘍「神経膠腫(グリオーマ)」が発生する可能性があるそうです。米国の研究チームがヒトのグリオーマにおいて、エピゲノムによって働きが変化するとみられる二つの遺伝子を特定したとのこと。一つはがん誘発遺伝子で、もう一つはがん抑制遺伝子だそうです。動物実験では、これらの遺伝子のエピゲノムによって脳腫瘍の形成が促進されたといいます。EurekAlert!の記事です。

  • プロバイオティクスで、マウスの多発性硬化症を治療

    2023-08-23

    生きた善玉菌「プロバイオティクス」を使って、自己免疫疾患の一種「多発性硬化症(MS)」を治療できるかもしれません。米国の研究チームが、免疫細胞の応答に関与する「樹状細胞」の活性を調節できる特別なプロバイオティクスを開発したといいます。これをMSマウスの腸に投与したところ、脳の重要な領域で自己免疫応答が抑制されたそうです。人間でも同様の効果が得られれば、既存の治療法より正確で、副作用が少なくなる可能性があるとのことです。ScienceAlertの記事です。

  • 米FDA、妊婦向けRSVワクチンを承認 生まれた乳児を保護

    2023-08-23

    米食品医薬品局(FDA)は21日、ファイザー社が開発した初の妊婦向けRSウイルス(RSV)ワクチン「Abrysvo」を承認したそうです。RSVは下気道感染症を引き起こす一般的なウイルスで、乳児の入院の主な原因の一つ。母親が妊娠後期にワクチンを接種することで、生まれた乳児を生後6カ月までRSV感染から保護できるといいます。18カ国の女性7400人に対する臨床試験では、乳児のRSV感染による重症化を生後3カ月で82%、生後6カ月で70%、それぞれ予防する効果があったとのこと。nprの記事です。

  • 米国人の多くが、大麻吸引はタバコより安全と認識

    2023-08-22

    多くの人が大麻を吸うことのリスクを理解していないそうです。米国の研究チームが2017年、20年、21年に平均50歳の5000人に大麻とタバコに対する考え方を調査。大麻への肯定的な認識が年々高まっており、21年には44%以上がタバコより大麻の方が安全と答えたといいます。しかしこれまでの研究で、大麻の煙を吸うことが呼吸器症状を引き起こすほか、肝臓や神経の損傷、貧血、がんなどに関連する血中・尿中の毒素レベルを高めることが分かっているそうです。CNNの記事です。

  • 一定の条件を満たす再発低リスク乳がん患者、放射線治療不要か

    2023-08-22

    乳がん患者の中には、放射線治療が不要な人もいるようです。カナダの研究チームが、ステージ1のルミナルA型乳がんを患う55歳以上の女性500人を追跡調査。対象者は、リンパ節や他の場所にがんの転移はなし▽腫瘍の大きさは2cm以下▽がんのグレードは1または2▽がんの増殖能力を示すKi67は13.25%未満(15%超は再発可能性が高い)――だったといいます。こうした条件を満たす患者は、手術とホルモン療法だけで効果的に治療できることが示されたとのことです。CBCの記事です。

  • ブルーライトカット眼鏡、着用しても効果なし?

    2023-08-21

    豪州の研究チームが、スマートフォンやパソコンのブルーライトを避けるために専用の眼鏡をかけても特に効果はないとの研究結果を発表したそうです。チームはブルーライトに関する17の研究を分析。ブルーライトカット眼鏡を使っても、眼精疲労や睡眠の質に違いは生じないことが分かったそうです。ブルーライト用レンズが網膜を保護するという証拠も示されなかったといいます。ただし、分析した研究の調査期間は1日~5週間と短かったとのこと。BBC Science Focusの記事です。

  • 統合失調症の治療、長年誤った神経細胞を標的にしていた可能性

    2023-08-21

    統合失調症の治療は「ドーパミンD2受容体」を標的にすることが有効とされていますが、この考えは間違っているかもしれません。米国の研究チームが、マウスを使って4種類の抗精神病薬の効果と脳への作用を調査した結果です。効果がある薬には、「ドーパミンD1受容体」を発現する中型有棘神経細胞の過活動を正常化する作用があることが分かったそうです。統合失調症に関連するのは、D2受容体ではなくD1受容体である可能性が示唆されたといいます。ScienceAlertの記事です。

  • グルテンが脳の炎症を誘発する可能性 マウスの実験で確認

    2023-08-18

    ニュージーランドの研究チームがマウスの実験で、小麦などに含まれるグルテンが脳の視床下部の炎症を引き起こすことを発見したそうです。視床下部は内分泌や自律機能の調節を行う部位です。マウスの標準的な食事にグルテンを加えると、高脂肪食を取るのと同じくらい脳内の免疫細胞ミクログリアや神経細胞の活動を制御するアストロサイトが増加し、炎症状態になったといいます。高脂肪食にグルテンを加えると、これらの細胞はさらに増えたとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • ブタの腎臓が人体で1カ月以上正常に機能 異種移植実現に一歩前進

    2023-08-18

    米国の研究チームが、人体に適応しやすいように遺伝子操作したブタの腎臓を脳死状態の男性に移植したところ、1カ月以上にわたって正常に機能し続けているそうです。ブタの臓器が人体内で正常に働いた期間としては過去最長だといいます。またチームは、移植された臓器に対する拒絶反応を抑えるため、免疫抑制剤に加えて新たな方法も試しています。免疫細胞が訓練を受ける臓器であるブタの胸腺を、腎臓に付着させた状態で移植したのだそうです。AP通信の記事です。

  • 1日わずか4000歩で、死亡リスクが低減する可能性

    2023-08-17

    健康を維持するためには1日1万歩程度の歩行が必要だといわれています。しかし、この考えは間違っているかもしれません。ポーランドの研究チームが、6カ国で行われた健康と歩数に関する17の研究から計22.7万人のデータを分析。1日4000歩程度歩くだけで、全死因死亡リスクが低下することが明らかになったそうです。1日の歩数が1000歩増えるごとに、死亡リスクは15%下がったといいます。年齢が若いほうが、死亡リスクの下がり幅が大きかったとのこと。NBC Newsの記事です。

  • ドイツ、娯楽用大麻の所持や栽培を合法化へ 年内成立目指す

    2023-08-17

    ドイツ政府は16日、大麻の規制を緩和する法案を承認したそうです。法案によると、18歳以上の成人は娯楽目的で25gまでの大麻を所持することが可能になり、大麻草を3株まで栽培することも認められます。大麻を購入・栽培するには、「大麻クラブ」と呼ばれる非営利団体に所属する必要があるそうです。議会を通過すれば、法案は年内にも成立する見通しとのことです。政府は、粗悪品の取引や薬物関連犯罪の抑止につながることを期待しているといいます。AP通信の記事です。

  • イチゴを毎日食べると、認知機能や心血管に好影響

    2023-08-15

    高齢者は健康のために毎日の食事にイチゴを加えるといいようです。米国の研究チームが、66~78歳の健康な男女35人を対象に調査を実施。8週間にわたりイチゴのフリーズドライパウダー26gを毎日摂取すると、認知処理スピードが5.2%速くなることが分かったといいます。さらに収縮期血圧は3.6%低下し、総抗酸化能は10.2%上昇したとのこと。以前からイチゴには脳や心血管の健康を促進する効果があると考えられており、今回の研究でそれが実証されたといいます。SciTechDailyの記事です。

  • 口腔内の細菌が腸疾患「クローン病」に関連する可能性

    2023-08-14

    炎症性腸疾患の一つ「クローン病」の発症に重要な役割を果たすのは、腸内細菌叢だけではないようです。複数の研究が、クローン病患者と健康な人では口腔内の細菌に違いがあることを示唆しているそうです。クローン病患者の腸内で多く見つかる数種類の細菌が、口腔内にも存在することが分かっているといいます。また、通常は口腔内に住み、歯周病などに関連する細菌「ベイロネラ・パルブラ」が、クローン病患者の腸で数多く確認されているとのこと。The Conversationの記事です。

  • 慢性的に3日以上排便がない人、認知機能の低下リスク高く

    2023-08-13

    慢性的な便秘は脳に悪影響を及ぼすようです。米国の研究チームが、成人11.2万人を調査した結果です。今回の研究では、3日以上排便がないことを「便秘」と定義したそうです。慢性的な便秘の人は、1日1回排便がある人に比べて認知機能が衰えており、その程度は3歳老化することに相当するといいます。1日2回以上排便がある人にも同様のリスクが見られたそうです。こうした結果には、腸内細菌叢の善玉菌の減少が関連している可能性があるとのこと。CNNの記事です。

  • 心臓の健康を保つために、週末だけでも適度な運動を

    2023-08-12

    運動の健康への効果は、行うタイミングによって違いがあるのでしょうか。米国の研究チームが、英国の健康な中年9万人を対象に1週間の活動量を記録したデータを分析。ウオーキングなどの中強度運動を週に150分以上行う人は、座りがちな生活を送る人に比べて6年以内に脳卒中や心臓発作などを発症するリスクが低かったそうです。運動の半分以上を週末にまとめて行う人と毎日少しずつ分散して運動する人で、結果に違いは見られなかったといいます。The Conversationの記事です。

  • 免疫細胞「マクロファージ」が心房細動の発生に関与か

    2023-08-11

    困難といわれている心房細動(AFib)の再発予防が可能になるかもしれません。米国の研究チームが、免疫細胞のマクロファージがAFibの発症に関与していることを発見。チームは、AFib患者の心房組織でマクロファージが他の細胞よりも増殖しており、活動的であることを突き止めました。また、マクロファージの SPP1遺伝子がAFibの発生に関係していることも判明。さらにマウスの実験で、マクロファージを阻害するとAFibが抑制されることも示されたといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 不規則な睡眠が腸内細菌に影響? 毎日同じ時間に寝るべき理由

    2023-08-10

    平日と休日で寝る時間が変わることで心身に不調をきたす「ソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ぼけ)」を知っていますか。英国の研究チームが、参加者1000人を対象に調査を実施。就寝から起床までの中間点が、1週間の中で90分ずれるだけで、腸内で見つかる細菌の種類に違いが生じることが分かったそうです。睡眠の質が悪いと炭水化物や糖分の多い食べ物を強く欲するようになり、これが腸内細菌叢の組成に悪影響を及ぼす可能性があるといいます。BBCの記事です。

  • オリーブオイルの摂取が、認知症による死亡リスクを低下する可能性

    2023-08-09

    毎日オリーブオイルを摂取すると、脳の健康に良い影響があるかもしれません。米国の研究チームが、女性6万600人と男性3万2000人を対象に28年間の調査を実施したそうです。調査開始時、参加者の平均年齢は56歳だったとのことです。食事の全体的な質に関係なく、1日にテーブルスプーン半杯以上のオリーブオイルを摂取する人は、ほとんどまたは全くオリーブオイルを摂取しない人に比べて認知症で死亡するリスクが28%低いことが分かったといいます。CNNの記事です。

  • 野良猫にかまれた英国男性に、新種の細菌が感染

    2023-08-08

    英国で48歳の男性が新種の細菌感染症にかかったそうです。男性は野良猫に手をかまれ、8時間後に患部が腫れあがったために救急外来を受診。傷口の手当と破傷風ワクチンの接種を受け、抗菌薬が処方されたそうです。ところが翌日も患部が赤く腫れあがっていたため、傷口周辺の損傷組織の除去手術を受け、複数の抗菌薬が追加されたといいます。その結果、傷は完治したそうです。調査したところ、グロビカテラ属の未知の細菌が原因だと判明したとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 「うつや不安でがんリスク上昇」に異論

    2023-08-08

    うつや不安が、がん発症リスクに関連するという説は本当なのでしょうか。オランダの研究チームが同国、英国、ノルウェー、カナダの成人30万人以上のデータを分析。26年の追跡調査で、「うつ」「不安」と「全がん」「乳がん」「前立腺がん」「大腸がん」「アルコール関連がん」の間に関連がないこと明らかになったそうです。肺がんや喫煙関連がんはリスクが6%上昇するものの、これには、がん発症につながる不健康な行動が影響しているようです。Medical Xpressの記事です。

  • 米FDA、産後うつ治療薬を承認 初の経口薬

    2023-08-07

    米食品医薬品局(FDA)は4日、米セージ・セラピューティクスとバイオジェンが開発した産後うつを緩和する経口の抗うつ薬「zuranolone(ズラノロン)」を承認したそうです。米国で産後うつ向けの経口薬が承認されたのは初。患者は1日1回、2週間続けて薬を飲むそうです。重症の患者に対する治験では、服用後3日以内に効果が表れたといいます。眠気やめまい、下痢などが主な副作用とのこと。これまでの薬は医療施設で60時間の点滴を受ける必要があったといいます。CNNの記事です。

  • 米CDC、乳幼児向けRSウイルス予防薬にゴーサイン

    2023-08-07

    米疾病対策センター(CDC)は3日、RSウイルス(RSV)感染症の予防薬「Nirsevimab(ニルセビマブ)」について、RSVの流行期を初めて迎える生後8カ月未満の全ての乳児が注射を受けることを推奨したそうです。この薬はアストラゼネカとサノフィが開発したヒトモノクローナル抗体製剤で、米食品医薬品局(FDA)の承認を先月得ています。今秋予定の実際の投与開始に当たり、1回495ドルという高い価格や、技術的にワクチンではないことから運用面でハードルが存在するとのこと。nprの記事です。

  • 2人に1人が75歳までに精神疾患を経験

    2023-08-06

    精神疾患はこれまで考えられてきたよりも身近な存在のようです。オーストラリアと米国の共同研究チームが、世界29カ国の成人15万人を20年にわたり追跡調査。半数の人が、75歳までになんらかの精神疾患を経験していたことが明らかになったといいます。最も多かったのは、うつ病と不安障害。精神疾患を発症した年齢は15歳が最多で、半数以上が19歳までに発症することが分かったそうです。若者のメンタルヘルスケアの重要性が指摘されています。ABC News(AUS)の記事です。

  • AI活用でマンモ検査の精度と効率アップ 医師の負担軽減

    2023-08-05

    人工知能(AI)が、マンモグラフィ検査の精度と効率を格段に高めるかもしれません。スウェーデンの研究チームの調査で、経験豊富な放射線科医が、マンモグラフィ検査のスキャン画像を基に女性8万人を診断。AIの画像分析を活用した医師は、医師2人で診断に当たった場合に比べて、乳がんを20%多く検出できることが分かったそうです。さらに、AIを使うと、医師の作業負荷が44%減少し、時間短縮を期待できるとのこと。CNNの記事です。

     

  • ハンセン病が米セントラルフロリダの風土病に? 全米の報告数の20%占める

    2023-08-04

    らい菌が感染することで皮膚や神経に病変が生じるハンセン病が、米フロリダ州の風土病になりつつあるそうです。米疾病対策センター(CDC)によると、2020年に新たに確認されたハンセン病患者は全米で159人。その20%が同州中央部のセントラルフロリダ地域からの報告で、それは州全体の報告数の81%を占めます。らい菌は感染力が弱く、90%の人は免疫が抑え込むそうです。発症しても治療薬で治せるのですが、後遺症や合併症を防ぐために早期診断が重要とのこと。CBS Newsの記事です。

  • 前臨床試験で各種固形がんへの効果を確認 がん細胞のみを殺す新化学療法

    2023-08-04

    DNAの複製に不可欠なタンパク質「増殖細胞核抗原(PCNA)」を標的にした固形がんの治療薬が、前臨床試験で有望な結果を示したようです。米国の研究チームが、がん細胞内のPCNAのみを標的にするよう設計した経口薬「AOH1996」を開発したそうです。70以上のがん細胞株を使って調査したところ、この薬ががん細胞のみを特異的に破壊できることが確認されたといいます。AOH1996を使うと、がん細胞が他の抗がん剤に反応しやすくなることも明らかになったとのことです。Medical Xpressの記事です。

  • 順大が開発のアルツハイマー病ワクチン、マウス実験で有望な結果

    2023-08-03

    順天堂大学の研究チームが、アルツハイマー病(AD)の進行を抑える可能性のあるワクチンを開発したと米心臓協会(AHA)の会合で発表したそうです。老化細胞に発現するSAGPタンパク質を標的にしたもの。ADの症状を持つマウスに投与したところ、アミロイドプラークの蓄積や炎症関連分子の発現が抑制され、挙動や認知力が改善したそうです。SAGPが脳内の免疫細胞ミクログリアの近くで多く発現することも新たに分かったといい、これも治療法の開発に役立ちそうです。ScienceAlertの記事です。

  • 認知機能の発達度合い低い子ども、昼寝が増える傾向に

    2023-08-03

    昼寝は各子どもの認知的ニーズが反映されているため、好きなだけさせた方がいいようです。英国の研究チームが、生後8カ月~3歳の子ども463人を調査。当時は2020年の新型コロナのロックダウン中で子どもたちは家におり、それぞれが必要とするだけの昼寝をしていたといいます。調査の結果、睡眠中に情報整理を効率的に行っている子どもは、昼寝が少ない回数で済むことが判明。反対に、語彙力や認知スキルが未熟な子どもは、標準より昼寝を多くする必要があるとのことです。EurekAlert!の記事です。

  • コロナ後遺症に苦しむ人に朗報? 米NIHが治療に向けた試験開始

    2023-08-02

    米国立衛生研究所(NIH)が、「新型コロナ後遺症」の治療法を探る研究を開始したそうです。コロナ感染後に10~30%の人が、何らかの原因不明の後遺症を経験するといいます。NIHは、知られている200以上の症状別に臨床試験を行う予定。最初は、本来感染初期に使うコロナ治療薬「パキロビッド」を25日間投与した場合の後遺症への有効性を調査するそうです。「ブレインフォグ」や睡眠障害、POTS(体位性頻脈)についての研究開始も決まっているといいます。AP通信の記事です。

  • 筋肉増強サプリがアルツハイマー病に効く?

    2023-08-02

    筋肉作りに良いとされる「β-ヒドロキシβ-メチル酪酸(HMB)」サプリメントが、認知症に有効な可能性があるようです。米国の研究チームが、アルツハイマー病(AD)モデルマウスにHMBサプリを経口で投与。HMBが学習や記憶に関連する脳領域の健康維持に役立つことが分かったそうです。さらに、ADに関与するとされる脳内のプラーク蓄積が抑制されることも判明。詳細な分析で、脳のシグナル伝達に関与するPPARα受容体にHMBが作用することが示されたといいます。ScienceAlertの記事です。

  • マジックマッシュルームが、拒食症の治療に有効な可能性

    2023-08-01

    マジックマッシュルームに含まれる「サイロシビン」で、神経性痩せ症(拒食症)に関連する体重や食への異常なこだわりを軽減できる可能性があるようです。米国の研究チームが、拒食症の部分寛解状態にある女性患者10人を対象に第1相試験を実施しました。サイロシビンによる治療を始めてから3カ月経過時点までに、特に患者の体重に関する不安が有意に軽減することが示されたそうです。この治療法の安全性と良好な忍容性も確認されたといいます。Medical Xpressの記事です。

  • ダニにかまれると肉アレルギーに 米でアルファガル症候群が急増

    2023-08-01

    マダニが原因の「アルファガル(α-gal)症候群(AGS)」に、最大45万人の米国人が罹患していると米疾病対策センター(CDC)が発表したそうです。マダニにかまれ、唾液に含まれる糖分子(糖鎖) α-galが体内に入ることでアレルギー体質になります。α-galは牛や豚の赤身肉、一部の薬剤などにも存在するので、それらを摂取すると2~6時間後にアレルギー反応が現れるといいます。主な症状はじんましんや吐き気などで、アナフィラキシーが起こることもあるそうです。CBS Newsの記事です。

  • 認知症高齢者、オピオイドの使用で死亡リスクが最大11倍に

    2023-07-31

    認知症患者に対する鎮痛薬「オピオイド」の使用は慎重に行うべきかもしれません。デンマークの研究チームが、65歳以上の認知症患者7.5万人のデータを分析。180日以内の死亡率は、オピオイドを使用しない患者が6.4%だったのに対し、オピオイドを処方された患者は33%だったそうです。また、強力なオピオイドを使った場合、180日以内の認知症患者の死亡リスクは6倍に上昇。最も深刻なのは14日以内の死亡リスクで、11倍になることが分かったといいます。CNNの記事です。

  • 自己免疫疾患患者の半数以上がうつや不安の症状を経験

    2023-07-31

    自己免疫疾患患者はメンタルヘルスに問題を抱えることが非常に多いようです。英国の研究チームが、全身性自己免疫性リウマチ疾患(SARD)患者1853人を調査。その結果、55%がうつ、57%が不安、89%が深刻な倦怠感を経験していたことが明らかになったといいます。これは健康な対照群と比べてかなり高い割合だったとのことです。また、チームは289人の医師の調査も実施しており、医師が患者のメンタル不調に気付いている割合が非常に低いことも分かったそうです。EurekAlert!の記事です。

  • 「月経カップ」は途上国女性の健康を守るゲームチェンジャーか

    2023-07-28

    生理用品を入手しにくい発展途上国の女性の健康を守るために、医療用シリコン製の「月経カップ」が大きな役割を担うかもしれません。米国の研究チームが、ケニアの女子中等学校の生徒436人を追跡調査。月経カップを支給された人は、そうでない人に比べて細菌性膣炎になる可能性が26%低く、膣内細菌叢の組成が最適な状態である可能性が37%高かったそうです。さらに、月経カップを使用すると、性感染症のリスクが低くなることも示唆されたといいます。EurekAlert!の記事です。

  • 目薬タイプの遺伝子療法で、難病DEBの盲目少年の視力が回復

    2023-07-28

    表皮と真皮を結合するコラーゲンに異常が生じ、皮膚や角膜に水疱ができるまれな遺伝子疾患「栄養障害型表皮水疱症(DEB)」のキューバの少年(10代)の視力回復に成功したそうです。米国のチームが、角膜病変を除去した上で、DEBの皮膚治療に使われる遺伝子療法の点眼薬を開発して投与。単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)ベクターを用いてコラーゲンの遺伝子を導入する方法です。その結果、病変は再発せず、失明状態だった視力がほぼ完璧に回復したとのこと。AP通信の記事です。

  • がん細胞表面の複数の標的を認識する優れたT細胞を発見

    2023-07-27

    がんサバイバーから、通常より優れた細胞傷害性T細胞(Tc細胞)が見つかったそうです。英国の研究チームが、腫瘍浸潤リンパ球輸注療法(TIL療法)を受ける末期の固形がん患者で、がんが消滅した人を調査。Tc細胞は通常、がん細胞表面の一つの標的を認識して攻撃を仕掛けます。しかし、これらの患者には、複数の異なる標的を同時に認識するTc細胞が存在していたそうです。このTc細胞は、がん治癒後1年以上たっても強いがん攻撃能力があったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 体温上昇でウイルスに対する抵抗力が向上 腸内細菌叢が関与

    2023-07-27

    発熱がウイルス感染の重症化を抑制するメカニズムが明らかになったようです。東京大学などのチームが、マウスにインフルエンザや新型コロナのウイルスを感染させて調査。36℃の高い外気温で1週間飼育したマウスは、低い外気温で飼育したマウスに比べて生存率が高かったといいます。体温がより高く(38度以上に)上昇し、腸内細菌叢が活性化して代謝物の二次胆汁酸が増加したためだそうです。二次胆汁酸はウイルス増殖や炎症反応の抑制に関わります。Medical Xpressの記事です。

  • 大麻の使用が人体に与える影響 遺伝子発現に変化か

    2023-07-25

    大麻の使用は遺伝子の発現に変化をもたらすようです。米国の研究チームが発見したのは、遺伝子発現の調節がDNA塩基配列の変化ではなく、メチル化などを通して行われる「エピジェネティクス」と呼ばれるもの。18~30歳の1000人について、15年後と20年後の血液を解析し、大麻使用に関連するDNAメチル化マーカーを調べた結果です。 15年、20年時点の両方で、最近の大麻使用に関連するマーカーと、長期の大麻使用に関連するマーカーが特定されたとのこと。Science Alertの記事です。

  • アトピー性皮膚炎治療の注射薬で、COPD患者の増悪リスクが低下

    2023-07-25

    アトピー性皮膚炎の治療薬として知られる「デュピルマブ」が、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療を飛躍的に前進させるかもしれません。米国などの研究チームが、2型炎症が示唆されるCOPD患者939人を対象に調査を実施したといいます。デュピルマブを2週間ごとに皮下投与された人は、プラセボ群に比べて中等~重度の急性増悪の発生が1/3少なくなることが分かったそうです。さらにデュピルマブ群のほとんどで、肺活量が倍増することも明らかになったとのこと。Medical Briefの記事です。

  • 誤診のリスクを低減するために患者がするべき三つの質問

    2023-07-24

    米国では、1年間に79万5000人が誤診によって障害を負ったり、死亡したりするそうです。米国の研究チームの報告によると、脳卒中、敗血症、肺炎、静脈血栓塞栓症、肺がんの5疾患が誤診の38.7%を占めます。誤診のリスクを下げるため、患者は医師に①不調の原因として何が考えられるか②他にどんな可能性があるか③検査結果はいつ出て、自分は何をしたらいいか――を聞くとよいそうです。特に②は、型にはまらない考え方をしてもらうために重要とのこと。INSIDERの記事です。

  • 新型コロナの「無症状」感染に関連する遺伝子変異を特定

    2023-07-24

    全身の細胞の表面に存在するタンパク質「ヒト白血球抗原(HLA)」に特別な遺伝子変異があると、新型コロナウイルスに感染しても症状が出ない可能性が高いようです。米国の研究チームが、骨髄ドナーのデータベースから1500人のHLAを分析。参加者はみな白人で、コロナワクチン未接種者だったそうです。HLAに「HLA-B*15:01」と呼ばれる変異を2コピー保有している人は、この変異を持たない人に比べて、コロナ陽性でも無症状である可能性が8倍以上高かったといいます。NBC Newsの記事です。

  • エスプレッソでアルツハイマー病を予防? タンパク質タウの凝集を防ぐ可能性

    2023-07-21

    アルツハイマー病(AD)に関連するとされるタンパク質タウの凝集を防ぐ飲み物があるようです。イタリアの研究チームが、市販のコーヒー豆から抽出したエスプレッソ液やその成分を、ADの原因の一つとされるタウ線維と共に実験室で40時間培養。エスプレッソ抽出液やカフェイン、イソフラボンの一種であるゲニステインの濃度が高くなるほど、タウ線維が短くなり、凝集が抑制されたといいます。中でもエスプレッソ抽出液がもっとも効果的だったとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 母乳に含まれる糖分が、乳児の脳の神経細胞接続を促進

    2023-07-21

    母乳に含まれる糖分子「ミオイノシトール」が脳の発達に重要な役割を果たすようです。米国の研究チームが米シンシナティ、メキシコ市、中国・上海市の3都市で母乳サンプルを分析。ミオイノシトールが授乳初期には全ての母乳に高濃度で含まれており、その後徐々に減少することが分かったそうです。そして、培養したヒト神経細胞や脳組織を使った実験で、ミオイノシトールがシナプスを増やし、神経細胞の接続を促進することが判明したといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 補聴器の使用で、高齢者の認知機能低下が抑制される可能性

    2023-07-20

    補聴器を使って耳の聞こえを改善することで、高齢者の認知機能低下を抑えられるかもしれません。米国の研究チームが、平均年齢77歳の高齢者977人に3年間の調査を実施。高血圧や糖尿病の影響で認知症リスクが高いとみなされた人について、専門家による助言とともに補聴器を使用すると、健康に関する講習を受けただけの人に比べて認知機能の低下が48%遅くなることが分かったそうです。一方で、健康な人はこのような違いは認められなかったといいます。CBCの記事です。

  • ポーランドで猫が鳥インフルに感染 29匹の陽性を確認

    2023-07-20

    世界保健機関(WHO)は、ポーランドで猫29匹がH5N1型鳥インフルエンザに感染したと報告したそうです。一つの国の広いエリアで、これほどの数の猫が鳥インフルに感染したことが確認されたのは初めてとのこと。感染が確認された猫の一部は呼吸困難や血の混じった下痢、神経症状などの重篤な症状を発症し、急速に悪化して死んだといいます。感染の原因は現時点では不明だそうです。感染した猫に接触した人もいますが、症状が出たという報告はないようです。ScienceAlertの記事です。

  • アルツハイマー病治療薬ドナネマブ、レカネマブより効果高い可能性

    2023-07-19

    米イーライリリー社の新たなアルツハイマー病(AD)治療薬「Donanemab(ドナネマブ)」の臨床試験の結果が報告されたそうです。この薬はADに関連するタンパク質アミロイドβを除去するモノクローナル抗体です。1700人を対象に行った臨床試験では、ADの進行を35%遅らせることが判明。米食品医薬品局(FDA)が最近承認した同様のAD新薬レカネマブは、ADの進行を27%抑制するといわれています。AD初期段階でドナネマブを使用すると、より効果が高まることも示されたとのこと。nprの記事です。

  • 米FDA、乳幼児をRSウイルスから守る抗体製剤を承認

    2023-07-19

    米食品医薬品局(FDA)は17日、RSウイルス(RSV)感染を予防する乳幼児向けのヒトモノクローナル抗体製剤「Nirsevimab(ニルセビマブ)」を承認したそうです。開発は英アストラゼネカと仏サノフィ社で、全ての乳幼児が利用可能なRSV抗体薬の承認は初。臨床試験では、同薬がプラセボ群と比べてRSVで受診するリスクを70%、入院するリスクを78%それぞれ抑制することが示されたそうです。対象は生後24カ月までの乳幼児で、注射で1回投与すると4~6カ月効果が持続するとのこと。CNNの記事です。

  • WHO、人工甘味料アスパルテームは「発がん性の可能性あり」と発表

    2023-07-18

    世界保健機関(WHO)傘下の国際がん研究機関(IARC)は、低カロリーをうたう飲料などに一般的に使われる人工甘味料「アスパルテーム」について、「ヒトに対して発がん性がある可能性がある」との見解を示したそうです。ただし、一般的な量を摂取する分には過度な心配は不要だといいます。アスパルテームは、発がん性があるかどうかの「証拠の強さ」を示す分類で、ガソリンによる排気ガスなどと同じ「2B」(4段階の上から3番目)に指定されたとのことです。CBS Newsの記事です。

  • 米FDA、処方箋なしで買える経口避妊薬を初承認

    2023-07-18

    米国の女性は近々、目薬と同じくらい簡単に経口避妊薬を購入できるようになるようです。米食品医薬品局(FDA)は13日、経口避妊薬「Opill(オーピル)」を処方箋なしで買える市販薬として承認しました。購入に年齢制限はなく、販売が開始されるのは来年初めになる見通しだそうです。オーピルは黄体ホルモン「プロゲスチン」のみを配合した薬です。エストロゲンとプロゲスチンが配合されている一般的な経口避妊薬に比べて副作用のリスクが低いといいます。AP通信の記事です。

  • オメガ3脂肪酸、ALS患者の死亡リスク低下に関連

    2023-07-16

    クルミなどに含まれるオメガ3脂肪酸の一種「アルファリノレン酸(ALA)」が、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の進行を抑制する可能性があるそうです。米国の研究チームが、ALS患者449人を対象に18カ月の調査を実施。血中ALAレベルが最も高い群に属していた人は、最も低い群の人に比べて調査期間中に死亡するリスクが50%低かったそうです。オメガ3脂肪酸の一種「EPA」とオメガ6脂肪酸の一種「リノール酸」も死亡リスク低下に関連していたといいます。Medical Xpressの記事です。

  • EU当局、減量薬による自殺念慮リスクを調査

    2023-07-15

    減量薬として広く使われている「オゼンピック」や「サクセンダ」などのGLP-1受容体作動薬ついて、自傷や自殺念慮のリスクが懸念されているようです。アイスランド当局が、このいずれかの薬を使用した人による自殺念慮や自傷念慮の症例を3件報告したそうです。欧州医薬品庁(EMA)は他のGLP-1受容体作動薬にも範囲を広げ、同じような可能性が考えられる150のケースについて現在調査を進めているといいます。調査は11月まで続く見込みとのことです。CNNの記事です。

  • 新型コロナ、ヒトと野生のシカの間で感染を繰り返す

    2023-07-14

    新型コロナウイルスが野生のシカとヒトの間で感染を繰り返すことがあるようです。米農務省の動植物検疫局(APHIS)が、米国で2021年11月~22年4月に野生のオジロジカから採取した8830検体を分析。ヒトで流行したコロナ変異株がシカに伝染し、ヒトの間でその変異株の流行が収まった後もシカの間で残っていることが分かったそうです。ヒトからシカに伝染したウイルスが変異し、それがシカからヒトにうつって広がったケースも少なくとも3件確認されたとのこと。CBS Newsの記事です。

  • 米CDC、犬の輸入ルール厳格化を提言 狂犬病対策で

    2023-07-14

    米疾病対策センター(CDC)は約70年ぶりに、犬の輸入に関する規定の改定を提言したそうです。狂犬病の再流入を防ぐことが目的。狂犬病は、米国では2007年に根絶していますが、今も世界100カ国以上でまん延しています。毎年約5万9000人が死亡し、ほとんどが犬にかまれた子どもだといいます。提言によると、狂犬病ハイリスク国から犬を持ち込む場合、出発地政府公認の獣医師の署名などがあるワクチン接種証明書が必要で、米国到着後に再接種を求めるとのこと。CNNの記事です。

  • パーキンソン病患者の「誰かに見られているような錯覚」は要注意

    2023-07-13

    実際には誰もいないのに誰かが近くにいる気配を感じたら、それはパーキンソン病(PD)の症状悪化の予兆かもしれません。スイスの研究チームが、60~70歳のPD患者75人を対象に5年間の調査を実施。PD初期に誰かがいるような錯覚を経験した人は、前頭葉がつかさどる注意力や問題解決、感情調節などに関連する認知機能の低下が速いことが分かったそうです。こうした錯覚がPD初期に起こる人には、特有の脳波パターンがあることも明らかになったといいます。ScienceAlertの記事です。

  • 糞便移植で、メラノーマ患者の免疫療法への反応が高まる可能性

    2023-07-13

    免疫療法の効果を向上させるには、糞便移植(FMT)で患者の腸内環境を整えると良いそうです。カナダの研究チームが、今回は悪性黒色腫(メラノーマ)患者20人を対象に第1相試験を実施しました。健康なドナーから採取した糞便の経口カプセルを免疫療法開始の1週間前に投与したところ、65%で治療への反応が確認されたそうです。メラノーマ患者で免疫療法の効果が得られるは通常40~50%だといいます。FMTと免疫療法の併用の安全性も示されたとのことです。ScienceDailyの記事です。

  • アルツハイマー病新薬「レカネマブ」に期待しすぎは禁物の理由

    2023-07-12

    米食品医薬品局(FDA)が6日にエーザイのアルツハイマー病(AD)新薬「レカネマブ」を正式承認しました。軽度認知障害(MCI)または初期段階の患者の病気の進行を遅らせる薬です。ただ、有効性に疑問を持つ専門家がいるようです。第3相試験では、同薬がプラセボ群に比べてADの進行を27%遅らせることが判明。しかしこれは、患者や家族が効果に気付かない可能性があるほどわずかな違いだといいます。なお専門家は「ADを治せるわけではない」との指摘もしています。NBC Newsの記事です。

  • 短い睡眠は、運動による脳へのメリットを台無しにする

    2023-07-12

    運動には認知機能の低下を抑える効果があるといわれています。しかし6~8時間の十分な睡眠を取らないと逆効果になるようです。英国の研究チームが、認知機能に問題がない50歳以上の中高年9000人に対し10年以上にわたる調査を実施。50、60代のときに身体活動レベルが高く、1日の平均睡眠時間が6時間未満だった人は、10年後に認知機能の低下が速く進むことが分かったそうです。その認知機能レベルは、運動をしなかった人と同程度だったといいます。CNNの記事です。

  • 不健康な歯はいらない? 歯周病の程度と歯の数が海馬の萎縮に関連

    2023-07-11

    不健康な状態で歯を残しておくと、認知機能に悪影響があるようです。東北大学の研究チームが、記憶力が正常な55歳以上の日本人172人を4年間調査。アルツハイマー病の初期には記憶をつかさどる脳の海馬の左側(左海馬)が萎縮するといいます。調査の結果、軽度歯周病の人は、残っている歯が少ないほど左海馬の萎縮速度が速いことが分かったそうです。一方で重度歯周病の人は、残っている歯が多いほど左海馬の萎縮速度が速まったとのことです。Science Alertの記事です。

  • 病原体情報を集約したポータルサイト開設 次のパンデミックに備え

    2023-07-11

    欧州バイオインフォマティクス研究所(EBI)が、研究者や医師、政策立案者などが病原体に関する広範囲の生体分子データにオンラインでアクセスできる「病原体ポータル(Pathogens Portal)」を開設したそうです。将来のパンデミックに備えるのが目的で、20万種類以上の病原体のデータを掲載。塩基配列やゲノムデータはもちろん、世界中のあちこちに散らばっているさまざまな種類のデータを集約し、誰もが迅速かつ容易にアクセスできるようにすることを目指すといいます。EurekAlert!の記事です。

  • ピロリ菌感染による胃がんリスク 特定の遺伝子変異で増大

    2023-07-07

    ピロリ菌感染による胃がんリスクは特定の遺伝子変異によって高まるそうです。理化学研究所(理研)などの研究チームが今年3月、胃がん患者1.2万人と非がん患者 4.4万人のDNAサンプルを分析した結果を米医学誌NEJMに発表しています。チームは胃がんリスク上昇に関連する九つの遺伝子変異を発見。胃がん発症リスクは、ピロリ菌感染に加えて、この中の特定の四つの遺伝子変異のいずれかを持つ人が約45%。ピロリ菌感染のみの人のリスクは約14%だったとのこと。SciTechDailyの記事です。

  • BMIで「過体重」に分類される人、死亡リスク上昇せず

    2023-07-07

    国際的にはBMI(体格指数)25以上を過体重、30以上を肥満と定義するそうです。米国の研究チームが、1999~2018年の同国の成人55万4332人のデータを分析したところ、過体重は死亡リスク上昇にほとんど関連しないことが分かったそうです。高齢者はBMIが22.5~34.9であれば全死因死亡率が有意に上昇することはなく、若者はBMIが22.5~27.4であれば死亡率に影響はなかったそうです。チームは「BMIだけで臨床的な判断をすることへの懸念が高まっている」としています。Medical Xpressの記事です。

  • 一晩寝ないことで、抗うつ効果を得られる人がいる可能性

    2023-07-06

    睡眠不足がうつ病患者の気分の落ち込みを改善するケースがあるようです。米国の研究チームが、健康な38人と大うつ病性障害(MDD)患者30人に眠らせない(睡眠剥奪)実験を実施。その結果、一晩まったく睡眠を取らなかったMDD患者のうち43%で、気分の落ち込みが改善したことが分かったそうです。機能的磁気共鳴画像(fMRI)を使って脳内を分析したところ、気分が向上した人は、情動や感情の処理に関わる扁桃体と前帯状皮質の接続が有意に増加していたとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 米FDA、脱毛症治療薬を承認 脱毛範囲が20%以下に回復する患者も

    2023-07-06

    米ファイザー社が開発した円形脱毛症の経口治療薬「リットフーロ(一般名:リトレシチニブ)」が、米食品医薬品局(FDA)に承認されたそうです。対象は12歳以上。頭部の半分以上に脱毛がある患者700人を対象に行った臨床試験では、1日50mgのリットフーロを6カ月間服用した人の23%が脱毛の範囲が20%以下になったといいます。プラセボ群で脱毛の範囲が20%以下になったのは1.6%だったそうです。脱毛の初期段階で薬を服用すると、より効果が高まるとのことです。ScienceAlertの記事です。

  • 増える「睡眠離婚」 本当に1人の方がよく眠れる?

    2023-07-05

    パートナーと別々のベッドや寝室で寝る「睡眠離婚」は、本当に睡眠の質を改善するのでしょうか。米国の研究チームが、同国の成人1250人を調査。回答者の1.4%が1年以上パートナーと別々に寝ていることが分かったそうです。パートナーと別々に寝ることで睡眠の質が向上したと答えたのは52.9%だったといいます。一方、睡眠離婚を試した人のうち25.7%が再びパートナーと一緒に寝ることを選択し、それによって睡眠時間が増加したと答えたとのことです。ScienceAlertの記事です。

  • 腸内細菌が目に影響? プロバイオティクスでドライアイ改善か

    2023-07-05

    腸内細菌が目の健康にも影響を及ぼす可能性があるようです。米国の研究チームが、ドライアイマウスの腸内の善玉菌を抗菌薬で一掃して調査。ヒト由来のプロバイオティクス「リモシラクトバチルス・ロイテリ菌DSM17938株」を5日間経口投与されたマウスは、生理食塩水を投与されたマウスに比べて角膜の表面が健康な状態で、損傷も少なかったそうです。また、DSM17938投与群の目の組織には、涙の必須成分であるムチンを作る杯細胞が多く存在していたといいます。EurekAlert!の記事です。

  • コロナ禍に若者の1型糖尿病が急増

    2023-07-04

    新型コロナウイルスの感染拡大以降、1型糖尿病と診断される子どもや10代の若者が増えているそうです。カナダの研究チームが、世界各国のデータを分析。パンデミック1年目の子どもの1型糖尿病発症率は、パンデミック前に比べて14%上昇したことが分かったそうです。2年目には発症率がパンデミック前より27%高くなったといいます。コロナ感染や、子どもが本来日常生活で感染する細菌に暴露しなかったことなどが原因の可能性があるとのことです。BBCの記事です。

  • オピオイド、急性の腰や首の痛みには役に立たない可能性

    2023-07-04

    腰や首の痛みに対するオピオイドの使用は有害になるかもしれません。豪州の研究チームが、急性の腰痛や頸部痛で受診した350人を対象に調査を実施。オピオイド系「オキシコドン・ナロキソン錠剤」を短期間服用した人の6週間後の疼痛緩和レベルは、プラセボ群と同等だったそうです。また12カ月後には、プラセボ群の転帰のほうが若干良好だったといいます。オピオイド群は、12カ月後の時点でオピオイド乱用リスクが有意に上昇したとのことです。ABC News(AUS)の記事です。

  • 豪でMDMAやマジックマッシュルームの医療目的での使用が可能に

    2023-07-03

    豪州で7月1日から、うつ病や心的外傷後ストレス障害(PTSD)に苦しむ患者に対して医師が特定の幻覚剤を処方することが許可されたそうです。世界で初めてのことです。豪州の精神科医は「エクスタシー」として知られる合成麻薬「MDMA」をPTSD患者に、マジックマッシュルームに含まれる幻覚成分「サイロシビン」を難治性うつ病患者にそれぞれ処方することが可能になったといいます。価格は患者1人あたり6600米ドル(約95万5000円)に上る見込みとのこと。AP通信の記事です。

  • 米CDCが高齢者向けRSVワクチン推奨 今秋から接種開始

    2023-07-03

    米疾病対策センター(CDC)は6月29日、二つの高齢者向けRSウイルス(RSV)ワクチンについて接種を支持することを表明しました。GSK社とファイザー社がそれぞれ開発したワクチンで、CDCの決定は米食品医薬品局(FDA)の承認とCDCの予防接種諮問委員会の勧告を受けたものです。今秋以降、医療従事者と話し合った上で60歳以上のワクチン接種が可能になります。高齢者向けRSVワクチンは、米モデルナやデンマークのババリアン・ノルディックも治験を進めているとのこと。CNNの記事です。

  • 朝のコーヒーで「目が覚める」のはプラセボ効果かも

    2023-06-30

    朝コーヒーを飲むと覚醒するのは、カフェインの効果ではないそうです。ポルトガルの研究チームが、1日1杯以上コーヒーを飲む人を対象に機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を使って脳の活動を分析。コーヒーを飲んだ後のほうが、カフェインを単独で摂取した後に比べて行動への準備がより整った状態になり、外部刺激にも敏感になることが分かったといいます。コーヒーの匂いや味、心理的期待などが覚醒を引き起こす要因になる可能性があるとのことです。EurekAlert!の記事です。

  • BMIはもう古い?肥満指標に関する考え方に変化の兆し

    2023-06-30

    長年肥満の定義に使われてきたBMI(体格指数)は、健康状態を予測する尺度としては不十分なようです。米国医師会(AMA)が、臨床現場でBMIを重要視するのをやめるよう呼びかける新たな指針を採用したそうです。体重と身長から求めるBMIは、集団レベルでは体脂肪率と関連があることは分かっていますが、個人の体脂肪率を予測するには正確性に欠けるといいます。体重増加の健康リスクを評価する指標として、体脂肪指数や相対脂肪量などが提案されています。The Conversationの記事です。

  • 食事時間の制限が減量に有効 カロリー制限と同等の効果か

    2023-06-29

    カロリー制限と同じくらい有効なダイエット法があるようです。米国の研究チームが、18~65歳の肥満患者90人を対象に調査。食事を取る時間を制限する「断続的断食」を行う群と摂取カロリーを制限する群は減量効果が同等で、両群ともに1年後には体重が4%減少したそうです。また、胴囲や脂肪量の減少も同等だったといいます。断続的断食群は、前半の半年間は正午~午後8時、後半の半年間は午前10時~午後8時に食事の時間を制限したとのこと。The Conversationの記事です。

  • 自閉症や知的障害の人が安楽死を選択 オランダの資料から判明

    2023-06-29

    自閉症や知的障害による苦しみを理由に安楽死を選択する人がいるそうです。オランダ政府が、2012~21年に同国で安楽死を選択した6万人のうち900人に関する資料を公表。これを英国の研究チームが分析したといいます。その結果、39人に自閉症や知的障害があり、このうち18人は50歳未満であることが分かったそうです。30人が苦痛の原因として「孤独」を挙げ、8人が苦しみの唯一の原因は自閉症や知的障害から来るものだと答えたとのこと。AP通信の記事です。

  • 米国内で5人がマラリアに感染 20年ぶりの事態にCDCが警鐘

    2023-06-28

    米国で、海外滞在歴のない人のマラリア感染が20年ぶりに確認され、米疾病対策センター(CDC)が注意を呼び掛けたそうです。米国内での感染例が最後に報告されたのは2003年だといいます。この2カ月の間にフロリダ州で4例、テキサス州で1例の計5例の国内感染が発生。5人の患者は治療を受け、現在は回復に向かっているとのことです。マラリアは蚊が媒介し、死に至ることもある感染症です。妊婦が感染すると胎児に伝染することがあります。NBC Newsの記事です。

  • 減量薬「Wegovy」の錠剤、治験で有望な結果

    2023-06-28

    デンマークのノボノルディスク社が開発した肥満症治療剤「Wegovy(ウゴービ:一般名セマグルチド)」の投与が経口でできるようになりそうです。同薬は現在、週1回皮下注射で投与されています。16カ月にわたって実施された二つの臨床試験の結果によると、高用量のウゴービ錠剤を毎日服用することで、皮下注射に匹敵する減量効果が得られることが判明。2型糖尿病の人にも有効だったといいます。副作用として、胃腸関連のトラブルが認められたとのこと。CBS Newsの記事です。

  • ウガンダで感染症後に水頭症を発症する新生児が多発、原因菌を特定

    2023-06-27

    東アフリカのウガンダで、新生児が感染症を患った後に水頭症を発症するケースが多発しており、米国の研究チームが原因の細菌を突き止めたそうです。チームが感染による敗血症や水頭症を発症したウガンダの新生児を調査し、無害とされていた細菌「Paenibacillus thiaminolyticus(パエニバシラス・チアミノリティカス)」が、感染症を引き起こすことが分かったといいます。感染症の治療から数週間後に水頭症が発生した際も、この細菌はまだ体内に残っていたそうです。Medical Xpressの記事です。

  • うつ病の新たなサブタイプが明らかに SSRIが効かない可能性

    2023-06-27

    認知機能に問題がある大うつ病性障害(MDD)のサブタイプが明らかになったそうです。そして、この患者には一般的な抗うつ薬は効果がない可能性があるといいます。米国などの研究チームが成人MDD患者712人を調査。このうち27%の人が、注意力や自制心を評価する認知課題をうまく処理できないことが分かったそうです。このタイプの人がうつ病の標準的な治療薬である選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)を使用しても、うつ病が寛解する割合は低かったとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 米FDA、筋ジストロフィーの遺伝子治療を迅速承認 4~5歳が対象

    2023-06-26

    米食品医薬品局(FDA)は、米Sarepta Therapeutics社のデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)に対する遺伝子治療薬「Elevidys(エレビジス)」を迅速承認したようです。対象は科学的根拠のある4~5歳の小児患者に限定。同薬の投与は単回で完了するそうです。価格は1回320万ドル(約4億5880万円)の見込みで、世界で2番目に高額な医薬品だといいます。エレビジスの販売を継続するには、現在進行中の治験で同薬が患者の身体機能や運動機能を改善することを示す必要があるとのこと。CNNの記事です。

  • イーライリリーの経口減量薬、中期臨床試験で有望な結果

    2023-06-26

    米イーライリリー社が開発する肥満治療のための経口薬「orforglipron(オルフォルグリプロン)」が、すでに承認済みの他の減量薬(セマグルチド)に匹敵する効果を示したそうです。米国の研究チームが、平均体重108.7kgの太り過ぎか肥満の患者272人を調査。最高用量のオルフォルグリプロンを毎日服用した人は、36週時点で体重が平均14.7%減少したそうです。一方、プラセボ群の体重減少はわずか2.3%だったといいます。副作用として、吐き気や便秘などが認められたとのこと。CNNの記事です。

  • 宇宙にいると感染症にかかりやすくなるのはなぜか

    2023-06-23

    宇宙飛行士は宇宙滞在中に感染症にかかりやすくなるそうです。カナダの研究チームが、宇宙ステーションに4年半~6年半いた宇宙飛行士14人を調査し、その理由を明らかにしたといいます。宇宙に到着すると数日で、白血球における247の遺伝子発現が通常の1/3に減ることが分かったそうです。こうした変化は、宇宙の無重力によって体液が上半身に集まってしまうことに起因するといいます。ただ、地球に帰還後1カ月ほどで通常の状態に戻るとのこと。ABC News(AUS)の記事です。

  • 昼寝の習慣が、脳の若さを保つ?

    2023-06-23

    昼寝の習慣は、加齢に伴う脳の萎縮を遅らせるかもしれません。米英などの研究チームが、40~69歳の37万8932人のデータを分析。因果関係を検討できるメンデルランダム化解析で遺伝的に昼寝をする素因があるとされた人は、平均で脳全体が15.8㎤大きいことが分かったそうです。これは脳が2.6~6.5歳若いことに相当するといいます。ただし、記憶をつかさどる海馬の大きさ、反応時間、視覚処理という脳の若さを測るその他の指標に違いはなかったとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 不妊治療で出産した女性、20%がその後に自然妊娠

    2023-06-22

    不妊治療で授かった赤ちゃんを出産した後に、自然妊娠するのは珍しいことではないようです。英国の研究チームが、11の研究から世界中の5000人を超える女性のデータを分析。データは1980~2021年のものだといいます。分析の結果、少なくとも5人に1人が、体外受精(IVF)などの不妊治療で妊娠した赤ちゃんを出産した後、たいてい3年以内に自然妊娠していたことが分かったそうです。不妊治療の種類の違いなどを考慮しても、結果は同じとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 高齢者のアスピリン使用、貧血リスク高める可能性

    2023-06-22

    血栓を防ぐために高齢者にアスピリンを処方する際は、患者の血中ヘモグロビン濃度に注意を払った方がいいようです。豪州などの研究チームが、65歳以上の高齢者1万8000人を対象に5年間、調査を実施したそうです。その結果、低用量(100mg)のアスピリンを毎日服用した人は、プラセボ群に比べて血液検査で貧血と診断されるリスクが20%高かったといいます。また、アスピリン群の24%が5年以内に貧血を発症すると推計されたとのことです。CNNの記事です。

  • 「C3aペプチド」点鼻で、脳卒中マウスの運動機能が回復

    2023-06-21

    免疫系や脳の発達に重要な役割を果たすとされる補体「C3aペプチド」を含む点鼻薬が、脳卒中の後遺症治療に有効な可能性があるそうです。スウェーデンの研究チームが、虚血性脳卒中を起こさせたマウスで調査。1週間後にC3aの点鼻を始めたマウスは、プラセボ群に比べて速やかに全面的な運動機能が回復したそうです。MRI検査でC3aが神経細胞の接続を増やすことが判明。脳卒中後すぐに治療できなくても、この点鼻薬の使用で回復が期待できるとのことです。ScienceAlertの記事です。

  • 肥満によって損なわれた脳の栄養素への反応、減量しても戻らず

    2023-06-21

    なぜ、減量してもリバウンドしてしまうのでしょうか。米国の研究チームが、痩せている(BMI25以下の)28人と肥満(BMI30以上)の30人の胃にグルコースか脂肪を直接注入し、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を使って脳活動を評価。痩せている人は栄養素の感知に関連する脳活動の変化が起こるのに、肥満の人にはほとんど起きなかったといいます。肥満の人に減量プログラムを行い、10%の減量に成功した人に同じ検査を実施。栄養素を感知する反応は戻らなかったそうです。SciTechDailyの記事です。

  • 棺の中で「生き返った」女性に、2度目の死亡宣告

    2023-06-20

    南米エクアドルで、6月9日に死亡宣告を受けた76歳の女性が、通夜の最中に棺を叩いて生きていることを知らせ、助け出されるという出来事があったそうです。女性はその後、病院に運ばれて入院していましたが、16日に脳卒中で死亡したといいます。同国保健省は、誤った死亡宣告がされた原因を調査するよう指示したそうです。女性には、体が硬くなったり意識を失ったりする「カタレプシー」(強硬症)があったとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 男性ホルモン「テストステロン」の補充で、心臓発作のリスク上昇せず

    2023-06-20

    男性ホルモン「テストステロン」の補充療法は心臓発作や脳卒中の発症リスクを高めるのでしょうか。米国の研究チームが、心臓病リスクが高く、低テストステロンによる症状がある45~80歳の男性5246人に2年間の治療と3年間の追跡調査を実施。心臓発作や脳卒中を発症した割合は、毎日テストステロンジェルを塗布した群とプラセボ群でほぼ同じだったといいます。ただし、注射投与などの場合は結果が異なる可能性を指摘する専門家もいるとのこと。USA TODAYの記事です。

  • 2種類のがん治療薬の治験が一時中断 参加者計6人の死亡受け

    2023-06-19

    米国で行われている急性骨髄性白血病(AML)と卵巣がんの新たな治療薬の治験が、死亡者が出たために中断したそうです。米2seventy bio社が、AMLに対するCAR-T細胞療法の第1相試験を実施。しかし、高用量の薬剤を投与された最初の子どもが死亡したことを受けて、治験を中断したとのことです。また、米Mersana社が行っている卵巣がん治療の抗体医薬「upifitamab rilsodotin(UpRi)」の第3相試験でも、参加者5人が出血で死亡。米食品医薬品局(FDA)は、この治験への追加登録を保留にしたといいます。CNNの記事です。

  • ヒトの「人工胚」の作製に世界で初めて成功 米英チーム

    2023-06-19

    米英の研究チームが、ヒトのES細胞(胚性幹細胞)から胚のような構造体(人工胚)をつくることに初めて成功したそうです。この人工胚を使えば、遺伝性疾患や流産の原因を理解するのに役立つ可能性があるといいます。一方、このような人工胚の取り扱いを巡り、法的そして倫理的な問題が浮上しています。ヒト胚については受精後14日を超えて研究室で培養してはいけないとのルールがあるものの、人工胚に関するルールは多くの国で未整備とのこと。CNNの記事です。

  • 子宮内膜症に細菌「フソバクテリウム」の感染が関与か

    2023-06-16

    子宮内膜症の発症に、細菌の感染が関与している可能性があるそうです。名古屋大学などの研究チームが、女性155人の子宮内膜組織を分析。子宮内膜症がある女性の64%から、歯周病などに関与するフソバクテリウム属の細菌が検出されたといいます。一方、子宮内膜症がない女性のうち、この細菌が検出されたのはわずか7%だったそうです。フソバクテリウム感染マウスを使った実験では、抗菌薬の投与で子宮内膜症の病変が小さくなることが示されたといいます。natureの記事です。

  • ポーランドで妊婦が死亡 厳しい人工妊娠中絶規制に市民が抗議

    2023-06-16

    ポーランドで妊娠5カ月の妊婦が、破水した後に病院で適切な処置を受けられず、敗血症で死亡したそうです。この病院は非常に保守的な地域にあり、中絶は行っていなかったといいます。ポーランドでは現在、レイプや近親相姦、妊婦の命や健康が脅かされる場合にのみ中絶が認められているそうです。女性の死を受け、中絶を規制する法律に対して抗議デモが起こりました。政府は今回のようなケースは女性に中絶の権利があると強調したとのことです。AP通信の記事です。

  • 植物ベースの食生活は心臓に好影響 コレステロール値低下で

    2023-06-15

    高い悪玉コレステロール(LDL)値は心筋梗塞や脳卒中の原因になります。植物性食品中心の食生活を送ると、コレステロール低下薬「スタチン」の1/3ほどの効果が得られるようです。デンマークの研究チームが、食生活と心臓の健康に関する1982年以降の30の治験を分析。参加者は合計で2400人に上るそうです。ベジタリアンやビーガンの食事が、LDLを10%▽総コレステロールを7%▽LDLの主なタンパク質であるアポリポタンパク質Bを14%――減らすことが分かったといいます。BBCの記事です。

  • ミエリンの劣化がアルツハイマー病に関連している可能性

    2023-06-15

    神経細胞の突起(神経線維)を覆う「ミエリン(髄鞘)」の加齢に伴う劣化が、アルツハイマー病(AD)に関連するタンパク質アミロイドβ(Aβ)の蓄積を加速させるようです。ドイツの研究チームがADマウスの調査で、劣化したミエリンによって神経線維にストレスが加わり、Aβの産生が増えることを突き止めたそうです。また、Aβの除去を担う免疫細胞ミクログリアが、劣化したミエリンの除去で手いっぱいになり、適切に働かない可能性があるといいます。SciTechDailyの記事です。

  • 少量の飲酒で心血管疾患リスク低下 理由はストレスの減少か

    2023-06-14

    少量のアルコールはストレスを軽減し、心血管疾患リスクの抑制につながる可能性があるようです。米国の研究チームが、数千人分のデータを分析。週に1~14杯アルコールを摂取する人は、アルコール摂取量が週1杯未満の人に比べて心臓発作や脳卒中を発症するリスクが低かったそうです。さらに参加者の脳スキャンを分析したところ、軽~中程度のアルコール摂取が不安や恐怖の感情に関わる偏桃体のストレス応答を減らす可能性が示唆されたといいます。CNNの記事です。

  • 食生活の改善による体重減少で、脳の老化が減速する?

    2023-06-14

    野菜が豊富で加工食品が少なめの食生活を送ると、脳年齢に驚くべき効果がもたらされるようです。イスラエルなどの研究チームが、肥満患者102人を調査。参加者は「地中海式食事」「地中海式食事とポリフェノール」「ガイドラインに基づいた健康的な食事」のいずれかを取り続けたそうです。18カ月後、参加者の体重は平均2.3kg減少。体重が1%減るごとに、スキャン画像から推定する脳年齢が9カ月若く見えることが明らかになったといいます。ScienceAlertの記事です。

  • 糖尿病治療薬「メトホルミン」、コロナ後遺症の発症リスク抑制か

    2023-06-13

    2型糖尿病の治療に一般的に使われている安価な経口薬「メトホルミン」で、新型コロナウイルス感染後の後遺症を防ぐことができるかもしれません。米国の研究チームが、太り過ぎまたは肥満の患者1126人を対象に第3相試験を実施。コロナ陽性判定後にメトホルミンを飲んだ人は、プラセボ群に比べて10カ月後にコロナ後遺症と診断されるリスクが40%低かったそうです。すでに発症している後遺症に有効かどうかは未確認だといいます。ScienceAlertの記事です。

  • 母乳を長く飲んだ子ども、試験で高得点を取る傾向に

    2023-06-13

    母乳育児の期間が、子どの学業成績に影響を及ぼす可能性があるようです。英国の研究チームが、同国の乳児5000人を追跡調査しました。そして、英国で義務教育終了時に受ける全国統一試験「GCSE」の数学と英語の成績を比べたそうです。その結果、乳児期に母乳を1年以上飲んだ子どもは、母乳をまったく飲まなかった子どもに比べて高得点で合格する可能性が39%高かったといいます。また、英語で不合格になる可能性は25%低かったとのとこと。CNNの記事です。

  • 医療用大麻、トゥレット症患者のチック症状軽減に効果

    2023-06-12

    チック症状が1年以上続く「トゥレット症候群」に対する医療用大麻の効果について、初めて厳密な検証が行われたそうです。豪州の研究チームが、重度のトゥレット症候群の成人患者22人を対象に調査を実施。THC(テトラヒドロカンナビノール)とCBD(カンナビジオール)を含有する医療用大麻オイルを6週間経口投与すると、音声チックや運動チックが有意に減少することが分かったそうです。強迫症などの関連する他症状も改善したとのことです。Medical Xpressの記事です。

  • 健康に長生きする秘訣は「タウリン」か 動物実験で確認

    2023-06-12

    加齢に伴い体内で減少するアミノ酸に似た物質「タウリン」を補うと、健康寿命を延長できる可能性があるようです。米国などの研究チームが、複数の動物実験を実施。中年マウスにタウリンのサプリメントを摂取させると、寿命の中央値が10~12%延長することが分かったそうです。また、中年のアカゲザルに6カ月間タウリンを摂取させたところ、骨密度や血糖値などに顕著な改善がみられたといいます。タウリンは特に貝類や軟体動物に多く含まれます。ScienceAlertの記事です。

  • 心停止後臓器提供、移植の成功率は脳死後臓器提供とほぼ同じ

    2023-06-09

    回復不可能な脳損傷がある患者の生命維持装置を止め、心臓が停止した後の「心停止後臓器提供(DCD)」による心臓移植は、従来の脳死ドナーからの心臓移植と同じくらい成功するようです。米国の研究チームが、心臓移植を受けた患者180人を調査。6カ月後生存率は、DCDの心臓を移植された人は94%、脳死患者の心臓を移植された人が90%とほぼ同じだったそうです。DCDでは、ドナーから摘出した心臓は灌流装置につながれ、移植まで保存されるといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 「ゲノム編集ベビー」を誕生させた中国人科学者のいま

    2023-06-09

    5年ほど前に「ゲノム編集ベビー」を誕生させたという中国人科学者の賀建奎氏が研究生活に戻り、ゲノム編集技術CRISPRを使ったデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の治療法開発に取り組んでいるそうです。賀氏は、遺伝子改変技術を使ってHIVに感染しない双子の女の赤ちゃんを誕生させたとして、中国で実刑判決を受けました。賀氏は双子について「平和な生活を送っている」とし、遺伝子編集による悪影響の有無についてはコメントを避けているそうです。nprの記事です。

  • 入院中の子どもに寄り添う「ファシリティドッグ」の効果/静岡こども病院

    2023-06-08

    臨床経験のある看護師のハンドラーとペアで医療チームの一員として病院に常勤し、患者に寄り添い治療のサポートをする犬「ファシリティドッグ(hospital facility dogs:HFDs)」をご存じですか。静岡県立こども病院でHFDsプログラムを手掛けるNPO法人が、病院スタッフにアンケートを実施。回答者431人の73%が、HFDsは終末期の緩和ケアに有益だと「常に感じる」「非常によく感じる」と答えたといいます。また、子どもの表情が豊かになりおしゃべりになることも観察されたそうです。EurekAlert!の記事です。

  • 髄膜炎菌5価ワクチンの効果を確認 アフリカでの流行撲滅に期待

    2023-06-08

    アフリカから髄膜炎の流行が撲滅できるかもしれません。髄膜炎菌に対する5価ワクチン「NmCV-5」が、第3相試験で有望な結果を示したようです。ガンビアなどの研究チームが、同国とマリで2~29歳の健康な1800人を調査。NmCV-5ワクチンの単回接種で、28日後には既存の4価ワクチンより強力な免疫応答が誘導されたそうです。アフリカで流行の可能性があり、4価ワクチンには含まれない髄膜炎菌X型にもNmCV-5は有効だといいます。安全性も確認されたとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 人工甘味料スクラロース、DNAを損傷する可能性 専門家が警鐘

    2023-06-07

    炭酸飲料やガムなどに広く使われている人工甘味料「スクラロース」について、危険性を指摘する研究結果が報告されたようです。米国の研究チームが、ヒトの血液細胞や腸壁組織を使って調査を実施。スクラロースやスクラロースが体内で代謝された際に産生される「スクラロース-6-アセテート」によって、DNA損傷が生じる可能性があることが明らかになったそうです。これらの物質が腸の内壁にダメージを与えることも確認されたといいます。ScienceAlertの記事です。

  • 毛包幹細胞のmiRNAを増やすことで、発毛が促進/マウス実験

    2023-06-07

    加齢によって失われた髪の毛を取り戻すことはできるのでしょうか。米国の研究チームが、年を取ると髪が生えにくくなるのは毛包幹細胞が硬くなるためであることを発見したそうです。さらにチームは、細胞を柔らかくする作用のあるマイクロ(mi)RNA「miR-205」に着目。マウスを遺伝子操作して毛包幹細胞でのmiR-205の産生を増やしたところ、若いマウスと高齢マウスの両方で発毛が促進されたといいます。次は、局所でも同様の効果が得られるか確認する予定とのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 米国で昨冬、子どもの脳膿瘍が増加 コロナ前の最高値より高い水準続く

    2023-06-06

    米国で昨年の冬、鼻や耳などで起きた細菌感染が脳に回って膿がたまってしまう「脳膿瘍」の子どもが急増したそうです。米疾病対策センター(CDC)が最新のデータを公表。冬にかけて子どものウイルス性呼吸器感染症が急増した後、2022年12月には小児脳膿瘍の症例が102件となり、月間最多記録を更新したそうです。新型コロナのパンデミック前の中間値と比べて200%の増加だといいます。その後は減少傾向にあるものの、コロナ前の最高値より高い水準にあるとのこと。CNNの記事です。

  • 経口薬オシメルチニブで、特定の肺がん患者の死亡リスク半減

    2023-06-06

    英アストラゼネカ社が開発した非小細胞肺がん切除後の補助療法薬「オシメルチニブ(商品名タグリッソ)」は、患者の全生存期間を延長できるようです。米国の研究チームが、EGFR遺伝子変異のある早期(ステージ1b~3a)非小細胞肺がん患者680人を対象に調査を実施。腫瘍の摘出手術後、オシメルチニブを毎日服用した人はプラセボ群に比べて死亡リスクが51%低下したといいます。5年後に生存していたのは薬の服用患者が88%、プラセボ群が78%だったとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 鳥インフルの変異に懸念 人へのリスクは低いものの注視が必要

    2023-06-05

    世界中で猛威を振るう鳥インフルエンザが、急速に変異しているようです。米国の研究チームが、鳥インフルが欧州から北米に広がる過程でどのように進化したかを分析。ウイルスが北米に到達した時点で、病原性が高まっていたそうです。フェレットの実験では、新たな変異株が予想以上に脳内で増殖することも判明。ヒトへのリスクはまだ低いものの、哺乳動物間での伝染の可能性も確認されており、家禽へのワクチン接種を求める声が高まっているとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 新たな血液検査でさまざまな種類のがんを検出 英の試験で有望な結果

    2023-06-05

    米グレイル社が開発した50種類以上のがんを検出できる血液検査「Galleri」が、英国で使われるようになるかもしれません。Galleriは、がんから漏れる遺伝コードの断片の変化を調べるものです。英国民保健サービス(NHS)が、がんと疑われる症状があって診療所を受診した5000人を調査。従来の検査でがんと診断された人のうち2/3を検出できたそうです。このうち85%は、がんの発生源も正確に特定できたといいます。NHSは現在、無症状者を対象にした調査を行っているとのこと。BBCの記事です。

  • 筋ジストロフィー治験で死亡 原因はウイルスベクターへの過剰反応

    2023-06-02

    デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)を対象とする遺伝子治療の初期臨床試験に参加した米国在住の男性(27)が昨年死亡し、調査を行っていた同国の研究チームが結果を公表したそうです。治療は、ゲノム編集技術CRISPRを用いて「ジストロフィン」というタンパク質を増やすもの。CRISPRを体内に送り届けるための「アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター」に対し、男性の免疫系が通常に比べて過剰に反応しすぎたことが死亡の原因とみられるとのことです。AP通信の記事です。

  • カナダ、たばこ1本1本に健康被害の警告文を表示 世界初の取り組み

    2023-06-02

    「たばこはがんの原因」「たばこは性的不能の原因」「たばこは臓器にダメージを与える」「一服一服に毒が含まれている」――。たばこ1本1本に、こんな健康被害に関する警告文を表示することが、カナダで義務付けられるそうです。このような取り組みは世界初だといいます。規制は今年8月1日に施行され、その後段階的に警告文付き製品が販売される見通しとのこと。カナダは、2035年までに喫煙率を5%未満に下げることを目指しているそうです。CBCの記事です。

  • 危険な多剤耐性菌に有効な抗菌薬、AIを活用して発見

    2023-06-01

    人工知能(AI)を活用することで、スーパーバグと呼ばれる超多剤耐性菌を殺す抗菌薬候補が見つかったそうです。カナダと米国の研究チームがAIを使い、医療施設などで広がる強力な多剤耐性菌「アシネトバクター・バウマニ(AB)」に効く薬剤を6000以上の物質から選別。最終的に「RS102895(abaucinと命名)」と呼ばれる化合物が、ABの増殖を抑える可能性があることが分かったそうです。この薬剤はABにのみ作用し、腸内細菌や皮膚の常在菌などを殺すことはないといいます。CNNの記事です。

  • マルチビタミンサプリ、加齢による記憶力の低下を防ぐ可能性

    2023-06-01

    ビタミンA、B、Cや亜鉛を含有するマルチビタミンサプリメントに、認知機能の低下を防ぐ効果があるかもしれません。米国の研究チームが、高齢者3562人を対象に調査を実施。米国で一般的に使われるマルチビタミンサプリ「セントラムシルバー」を3年間毎日飲んだ人は、プラセボ群に比べてオンラインで実施した記憶力テストで好成績を残したそうです。サプリを飲んだ人は、記憶力が3.1歳分若くなるとの推計が示されたといいます。NBC Newsの記事です。

  • 中国の専門家トップ、コロナの「武漢研究所漏出説」を否定せず

    2023-05-31

    新型コロナウイルスの発生源について、昨年まで中国疾病予防コントロールセンターのトップを務めた高福氏がBBCのインタビューに応じたそうです。高氏は、コロナが中国武漢の研究所から漏出したとする説をめぐり「全てのことを疑いの目で見る。それが科学だ。何事も排除すべきではない」として、否定しなかったといいます。一方で、中国政府は研究所漏出説を否定しています。高氏は研究所が「専門家による二重の調査を受けた」とも述べたそうです。BBCの記事です。

  • 米で今春、ヒトメタニューモウイルスの感染者が急増

    2023-05-31

    米疾病対策センター(CDC)によると、呼吸器感染症を引き起こすヒトメタニューモウイルス(HMPV)の症例が2023年春に急増したそうです。3月半ばのピーク時には、検査検体の11%近くがHMPV陽性だったといいます。これは、新型コロナのパンデミック以前の平均値より36%高い数字とのこと。HMPVはインフルエンザやRSウイルスと同じくらい危険でありふれた呼吸器感染症ウイルスだそうです。ワクチンや治療薬はなく、感染症に弱い人は重症化や死亡のリスクもあるとのこと。CNNの記事です。

  • がん患者の喫煙、倦怠感や痛みなど症状の重さに関連

    2023-05-30

    がんの診断を受けた後も喫煙を続けると、転帰に悪影響があるようです。米国の研究チームが、がん既往歴のある成人1409人のデータを分析。現在喫煙している人は、過去に喫煙していた人や喫煙経験のない人に比べて倦怠感や痛み、情緒面の問題を抱えるリスクが高かったそうです。紙巻きたばこだけでなく、電子たばこでも同様の結果だったといいます。なお、症状が重い患者は負担から逃れるために喫煙を続ける傾向があるという説は間違いのようです。Medical Xpressの記事です。

  • 幼い子どもの受動喫煙、近視リスク高める可能性

    2023-05-30

    子どもの受動喫煙は近視のリスクを高めるそうです。香港の研究チームが、6~8歳の子ども1万2630人を調査。調査対象者の32.4%が受動喫煙の状態だったといいます。分析の結果、副流煙への暴露が、近視の原因となる屈折力の強さや眼軸長(眼球の奥行きの長さ)の伸長に関連することが明らかになったそうです。副流煙に暴露する子どもは近視を発症する可能性が高く、そのオッズ比は中等度近視で1.3、強度近視で2.64だったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • イーロン・マスク氏の脳インプラント、治験の許可を取得

    2023-05-29

    米起業家イーロン・マスク氏らが設立したニューラリンク社は、開発する脳インプラント装置のヒトを対象にした臨床試験が米食品医薬品局(FDA)に許可されたと発表しました。コイン大の物を頭蓋骨に埋め込み、そこから極細の線を脳に入れる装置だといいます。神経系をコンピュータに接続し、脳損傷などが原因で失われた機能を取り戻させるそうです。視力回復や、筋肉を動かせない人が電子機器を操作できるようにすることなどを目指すとのこと。AP通信の記事です。

  • まひで歩行不能の男性、脳と脊椎のインプラントで歩けるように

    2023-05-29

    10年以上前のバイク事故でまひが残り歩けなくなった男性(40)が、スイスの研究チームが開発した脳と脊髄を再接続する装置によって、スムーズに歩けるようになったそうです。脳に埋め込んだ装置が「歩きたい」という信号を受信。次にこの信号が、リュック型の処理装置に無線で伝わるそうです。そして処理装置から脊椎インプラントに命令が伝達され、筋肉が刺激される仕組みだといいます。日によるものの、男性は100m以上の歩行が可能になったとのこと。CNNの記事です。

  • メキシコで手術受けた米国人 真菌性髄膜炎で2人が死亡、200人以上に感染リスク

    2023-05-28

    米国に隣接するメキシコの都市マタモロスで手術を受けた米国人2人が、真菌性髄膜炎の疑いで死亡したそうです。関連するとみられる二つのクリニックが閉鎖され、米疾病対策センター(CDC)はこれらのクリニックで最近手術を受けた224人に連絡を取り、髄膜炎検査を受けるよう呼びかけているとのことです。米国では近年、メキシコをはじめとする他国で医療を受ける「メディカルツーリズム(医療観光)」の人気が高まっているといいます。AP通信の記事です。

  • 乳幼児突然死症候群、セロトニン受容体の変異が関連か

    2023-05-27

    乳幼児突然死症候群(SIDS)の危険因子の一つが明らかになったようです。米国の研究チームが、SIDSで死亡した乳児58人と別の原因で死亡した乳児12人の脳組織を比較。SIDSで死亡した乳児は、呼吸などの調節に重要な役割を果たす脳内のセロトニン関連受容体が変異している傾向があったそうです。乳児は通常、睡眠時に酸素が不足すると、呼吸を促す反応を自然に示すといいます。しかしこの変異型をもつ乳児では、この反応が起きない可能性があるとのこと。NBC Newsの記事です。

  • 食べ物の画像を繰り返し見ると、食欲が満たされる可能性

    2023-05-26

    食欲を抑えたい人は、食べたい物の画像を何度も見るといいようです。デンマークの研究チームが、1000人以上を対象にオンラインで調査を実施。参加者にM&M’s(チョコレート菓子)の画像を複数回見せた後、実際に1~10個の間でいくつM&M’sを食べたいか尋ねたそうです。オレンジ色のM&M’sの画像を30回見た人は、3回見た人に比べて食べたいと申告したM&M’sの個数が少なかったといいます。見せる菓子の色や風味を毎回変えても、結果は同じだったとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • HPVワクチン接種は1回でOK? 3年間は有効性持続との最新研究

    2023-05-26

    子宮頸がんを予防するヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンについて、複数回接種から単回接種に変更するべきとの声が上がっているそうです。世界保健機関(WHO)は2022年、HPVワクチンについて原則として単回接種を推奨すると決定。接種が1回で済めば手間やコスト面でメリットが大きく、ワクチンのさらなる普及が期待できるためです。最新の研究でも、HPVワクチンの単回接種で少なくとも3年間は高い有効性が持続することが示されたといいます。CNNの記事です。

  • 腸から血液に漏れ出す細菌由来の毒素が、体重増加を促進

    2023-05-25

    腸内細菌由来の毒素「エンドトキシン」が、脂肪細胞の代謝機能を低下させて体重増加を促すことが分かったそうです。英国などの研究チームが、肥満の156人の脂肪細胞を分析。エンドトキシンが血中に流出すると、健康的な体重の維持に重要な役割を果たす「白色脂肪細胞の褐色化」が減少することが明らかになったといいます。脂質を貯蓄する白色脂肪細胞は、一定の条件下で褐色化し、脂肪を燃焼する褐色脂肪「様」細胞に転換することが知られています。ScienceAlertの記事です。

  • 睡眠時無呼吸の成人患者、コロナ後遺症のリスク高い可能性

    2023-05-25

    米国の研究チームが、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)と新型コロナウイルス感染後の後遺症の関連を分析する研究を進めているそうです。180万人近くのデータを分析した調査では、成人OSA患者のコロナ後遺症発症リスクが最大で75%高くなることが分かったそうです。また、33万人を対象にした別の調査では、このリスクが12%上昇していたことが判明。OSAは炎症の増加や睡眠の乱れ引き起こし、感染症の発症傾向の増大や免疫機能の低下につながる可能性があるとのこと。CNNの記事です。

  • 「粘液栓」が多いCOPD患者の高い死亡率

    2023-05-24

    慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療法が変わるかもしれません。米国の研究チームが、粘液の塊である「粘液栓」を標的にすれば、死亡率を改善できるかもしれないという研究結果を発表しました。チームは、軽~重度のCOPD患者4000人以上について、初診時に撮影した胸部CT画像を分析したそうです。死亡率は、CT画像で粘液栓が認められなかった患者が34%、粘液栓が存在する肺の区域が1~2カ所だった患者が46.7%、3カ所以上の患者は54.1%だったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • うつ症状のある人、創造力を悪意ある目的で使う傾向

    2023-05-24

    他人をいじめたり、挑発的なメッセージをSNSに投稿したり、創造力を負の方向に使う「悪意のある創造性」。オーストリアの研究チームが、259人を対象に調査を実施し、潜在性うつ症状(軽度のうつ)と悪意のある創造性に関連性があることが明らかになったといいます。うつの程度を示すスコアが高い人ほど、悪意のある創造性を発揮することが多かったとのことです。うつ病と悪意のある創造性は、一方が他方を助長する関係にある可能性があるそうです。PsyPostの記事です。

  • 妊婦に接種する乳児向けRSVワクチン、米で承認へ前進

    2023-05-23

    米食品医薬品局(FDA)の諮問委員会は、米ファイザー社が開発した初の乳児向けRSウイルス(RSV)ワクチンの承認を推奨する立場を示したそうです。FDAは通常、委員会の意見に従うとのことです。このワクチンは、妊婦に接種することで出生後の乳児がRSV感染で重症化するのを防ぎます。専門家14人による投票では、満場一致でワクチンの有効性を支持。一方、ワクチンの安全性については、早産のリスクがあるなどとして14人中4人が「不支持」だったとのことです。nprの記事です。

  • 人工甘味料は減量に効果なし WHOが新ガイドライン

    2023-05-22

    低カロリーやカロリーゼロの人工甘味料を減量目的で口にするのはやめた方がいいようです。世界保健機関(WHO)が新たなガイドラインを公表。エビデンス(科学的根拠)の系統的レビューを行ったところ、人工甘味料が成人や子どもの体脂肪減少に長期的な効果をもたらすことはないとの結果が示唆されたそうです。それどころか、こうした甘味料を長期間摂取すると、2型糖尿病や心血管疾患、成人における死亡のリスクが上昇する可能性があるといいます。CBS Newsの記事です。

  • EBウイルスと多発性硬化症の関連を示す新たな証拠

    2023-05-19

    ヘルペスウイルスの一種「エプスタイン・バールウイルス(EBV)」は、多発性硬化症(MS)と関連があることが指摘されています。スウェーデンの研究チームが、メカニズムの一端を明らかにしたそうです。チームはMS患者700人と健康な対照群700人の血液を分析。EBVのタンパク質EBNA1に結合する抗体が、誤って脳や脊髄に存在するタンパク質CRYABにも結合してしまうことが分かったそうです。これにより神経系がダメージを受け、MSの症状が起こる可能性があるとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 手軽な尿検査でがんの存在や転移の有無を判定

    2023-05-19

    米マサチューセッツ工科大学(MIT)が、さまざまな種類のがんの存在や転移の有無を識別する新たな尿検査を開発しているそうです。尿検査に先立ち、患者にはナノ粒子を投与するといいます。このナノ粒子は、腫瘍が過剰に産生する酵素に出くわすと、血液中にその酵素特有のDNA断片を放出するよう設計されているそうです。その後、このDNA断片は尿として体外に排出され、特別な試験紙を使った検査でがんの存在や転移の有無を把握できるといいます。Medgadgetの記事です。

  • ウイルス療法と免疫療法の併用で、膠芽腫再発患者の寿命が延長

    2023-05-18

    脳腫瘍の一種「膠芽腫」の再発患者に対する新たな治療法が、臨床試験で有望な結果を示したようです。カナダなどの研究チームが膠芽腫再発患者49人に併用療法を実施。チームはまず、がん細胞のみを破壊する「腫瘍溶解性ウイルス」を腫瘍に注入。その後、免疫チェックポイント阻害薬「抗PD-1抗体」を3週間ごとに静脈内投与したそうです。すると、平均生存期間が既存の治療法より半年ほど延長したといいます。腫瘍が完全に消失した患者もいたとのこと。SciTechDailyの記事です。

  • あらゆるインフル株に効くmRNA「万能ワクチン」の治験がスタート

    2023-05-18

    米国立衛生研究所(NIH)が、mRNA技術を活用したインフルエンザワクチンの初期の治験の参加者登録を開始したそうです。米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)が開発した「ユニバーサルワクチン」で、幅広い株に対する長期間の効果が期待されており、ワクチンを毎年打つ必要がなくなる可能性があるといいます。治験には健康な18~49歳が最大50人参加予定で、安全性や免疫反応が起こるかどうかを確認します。既存の4価ワクチンとの比較も行われるとのこと。NBC Newsの記事です。

  • 米FDA承認の抗菌薬レカルブリオ、「有効性の証拠が不足」とBMJが指摘

    2023-05-17

    英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)」が、米メルクの非常に高額な抗菌薬「レカルブリオ」について、法的に必要とされる「実質的証拠」がないまま米食品医薬品局(FDA)に承認されたと指摘したそうです。この薬の三つの臨床試験では、いずれも有効性を裏付ける実質的証拠が示されていないといいます。それにもかかわらず、FDAは薬の成分や動物実験の結果などを根拠に「規制の柔軟性」を適用し、承認に踏み切ったとのことです。EurekAlert!の記事です。

  • ChatGPTは医師よりも質の高い医学的アドバイスができる

    2023-05-17

    対話型人工知能(AI)の「ChatGPT」は、患者への医学的な助言を医師よりも上手に行えるそうです。米国の研究チームが、実際にソーシャルメディアに投稿された健康に関する195の質問について、医師とChatGPTの文書による回答を比較したそうです。その結果、医療分野の専門家は、79%の確率でChatGPTの回答を好んだといいます。「質が高い」または「親身である」と評価された回答は、医師によるものよりもChatGPTによるもののほうが圧倒的に多かったとのことです。Medical Xpressの記事です。

  • 皮膚用パッチで、幼児のピーナッツアレルギーが改善する可能性

    2023-05-16

    ピーナッツアレルギーを治療する皮膚用パッチ「Viaskin Peanut」が、後期臨床試験で有望な結果を示したようです。仏DBV Technologies社などが、診断を受けた1~3歳の幼児362人を調査しました。ピーナッツタンパク質250㎍(ピーナッツ1粒の1/1000相当)を含有するViaskinを1年間、毎日背中に貼った子どもの2/3が主要目標を達成。プラセボ群は1/3だったといいます。アレルギーの程度が軽い子は3~4個分、重い子は1個分のピーナッツタンパク質を摂取できるようになったとのこと。CNNの記事です。

  • 米FDA、更年期のホットフラッシュを軽減する非ホルモン性新薬を承認

    2023-05-16

    アステラス製薬が開発した更年期障害治療薬「Veozah」が、米食品医薬品局(FDA)に承認されたそうです。Veozahは、閉経にともなうホットフラッシュ(ほてり)などを改善する経口薬。1日1回の服用で、中~重度の発汗や紅潮などが緩和されるといいます。同薬はホルモン製剤ではなく、体温調節に関連する脳の神経接続を標的にしているそうです。ホルモン製剤による副作用の心配がない一方で、服用に伴い肝臓がダメージを受ける可能性があるとのこと。AP通信の記事です。

  • RSウイルス感染の抗体医薬ニルセビマブ、乳児の重症化リスクを83%低減

    2023-05-15

    仏製薬大手サノフィ社などが開発した抗RSウイルス(RSV)モノクローナル抗体製剤「nirsevimab(ニルセビマブ)」が、臨床試験で有望な結果を示したようです。同社は2022~23年のRSV流行期における実世界データを分析。1歳未満の乳児8000人以上が調査の対象になったといいます。この薬の注射を1回受けた乳児は、そうでない乳児に比べてRSV関連で入院するリスクが83%低かったそうです。この薬はワクチンと同じ目的で使われ、EU、英国、カナダで承認されているとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 新開発のハイドロゲルで、マウスの膠芽腫が完全に消滅

    2023-05-15

    最も治療が難しい脳腫瘍の一つである膠芽腫の新たな治療法が見つかったかもしれません。米国の研究チームが、卵巣がんや乳がん、肺がんなどの治療に使われる化学療法薬「パクリタキセル」と免疫療法薬「抗CD47抗体」を組み合わせたハイドロゲルを開発。膠芽腫マウスの腫瘍を切除した後、その部分にこのゲルを注入したといいます。すると腫瘍の痕跡は消え、再発も起きなかったそうです。驚くべきことに、マウスの生存率は100%だったとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 個別化mRNAワクチン、膵臓がんに対する免疫応答を誘導

    2023-05-12

    独ビオンテック社が開発する膵臓がん向けのmRNAワクチンが、初期の臨床試験で有望な結果を示したそうです。米国などの研究チームが膵臓がん患者16人から腫瘍を摘出し、その組織と血液を解析して個別にカスタマイズしたmRNAワクチンを作製。患者は投与後に化学療法も受けたといいます。16人中8人で腫瘍に対するT細胞の免疫応答が誘導され、この8人は全員再発しなかったそうです。脾臓を摘出していると、ワクチンの効果が出ない可能性があるとのこと。CNNの記事です。

  • 新型コロナ患者の死因は人工呼吸器関連肺炎が多い?

    2023-05-12

    新型コロナによる死亡原因の多くは、免疫が暴走するサイトカインストームによる臓器不全だと考えられています。しかし、米国のチームが集中治療室(ICU)の患者585人を調査し、それに疑問を呈する報告をしたようです。患者は皆、肺炎や呼吸器不全を患っており、190人がコロナに感染していたといいます。データを分析したところ、コロナ患者は細菌性の人工呼吸器関連肺炎(VAP)を発症することが多く、VAPから回復できない人は死亡リスクが上昇したとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 英国で初 「3人の親」を持つ赤ちゃんが誕生

    2023-05-11

    母から子に難病ミトコンドリア病が遺伝するのを防ぐために「核移植」を行い、遺伝的に3人の親を持つ子どもが英国で初めて誕生していたそうです。まず、異常なミトコンドリアを持つ母親の受精卵や卵子から核を取り出します。それを、正常なミトコンドリアを持つ提供者の受精卵や卵から核を除去した上で移植するのです。提供者から子どもに受け継がれるDNAの割合は1%未満とのこと。英国では2015年に、世界で初めて核移植が合法化されています。Medical Xpressの記事です。

  • 乳がんのマンモ検査、40歳から開始を推奨へ/米専門委員会

    2023-05-11

    米予防医学専門委員会が、乳がん検診に関する新たな指針を作成したそうです。委員会はこれまで、50~74歳の女性に2年に1回のマンモグラフィ検査を強く推奨してきました。しかし今回、検査開始の推奨年齢を40歳に引き下げることが望ましいとする勧告案を示したそうです。一方で、約半数の女性は「高濃度乳腺」で、マンモ検査だけでは不十分な可能性があるといいます。別種の検査の追加が有効かどうか研究を進める必要があるとのことです。AP通信の記事です。

  • 日常的なネット利用、認知症リスク低下に関連する可能性

    2023-05-10

    インターネットを適度に使う人は、認知症になりにくいようです。米国の研究チームが、50~64.9歳の認知症ではない1.8万人を8年にわたり調査。ネットを日常的に使う人はそうでない人に比べて、認知症発症リスクが半減することが分かったそうです。一方で、1日のネット利用時間が長過ぎる人は、逆にリスクが高まる可能性があるといいます。ただし、今回の結果だけではネット利用と認知症の因果関係は立証できず、さらなる研究が必要とのこと。USA TODAYの記事です。

  • 抗体医薬ゾルベツキシマブ、化学療法と併用で胃がん進行リスク抑制に有効

    2023-05-10

    胃がん患者の寿命が延長できるかもしれません。ドイツなどの研究チームが世界20カ国で、膜タンパク質「CLDN18.2」を標的とする抗体医薬「Zolbetuximab(ゾルベツキシマブ)」の臨床試験を実施。CLDN18.2陽性の進行性胃がん患者計565人が参加しました。ゾルベツキシマブと化学療法を併用した患者はプラセボと化学療法を併用した患者に比べて、がんの進行や死亡のリスクが25%低くなったそうです。主な有害事象としては、吐き気や食欲減退などがみられたといいます。Medical Xpressの記事です。

  • お腹の中の赤ちゃんの脳血管奇形手術に初成功

    2023-05-09

    生後すぐに脳損傷や心不全などを引き起こす可能性があるまれな脳血管奇形「ガレン静脈奇形(VOGM)」をもった胎児が、子宮内で手術を受けて元気に生まれたそうです。米国の研究チームが、母親の腹壁から針を挿入しカテーテルを注意深く誘導。金属コイルで胎児の脳内静脈を塞ぎ、激し過ぎる血流を抑える処置を行ったそうです。2日後、母親はこの赤ちゃんを無事に出産。生後約2カ月がたった現在も、赤ちゃんは順調に成長しているといいます。CNNの記事です。

  • イーライリリー社が発表、アルツハイマー病新薬に症状進行抑制の効果

    2023-05-09

    米イーライリリーは、開発しているアルツハイマー病(AD)治療薬「donanemab (ドナネマブ)」について、症状の進行を遅らせる効果が認められたと発表したそうです。同社は早期症候性AD患者1700人に18カ月間の治験を実施。ADに関連する脳内のタンパク質タウのレベルが中程度の患者において、同薬が認知機能の低下を35%遅らせることが確認されたそうです。治験開始から1年時点では、同薬投与群の47%、プラセボ群の29%で認知機能の低下が抑制されたといいます。CNNの記事です。

  • WHO、新型コロナ「緊急事態宣言」を解除

    2023-05-08

    3年以上続いた世界の新型コロナウイルスとの戦いは、大きな節目を迎えました。世界保健機関(WHO)は5日、2020年1月30日に宣言した新型コロナに関する「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を解除すると発表しました。ただし、パンデミックが完全に収束し、新型コロナが脅威でなくなったというわけではないそうです。WHOは、いまだに毎週数千人の患者が死亡していることに言及。依然として新たな変異株が出現する可能性もあるといいます。AP通信の記事です。

  • 米FDA、世界初のRSウイルスワクチンを承認 高齢者が対象

    2023-05-08

    米食品医薬品局(FDA)は3日、世界初のRSウイルス(RSV)ワクチン「Arexvy」を承認しました。英グラクソ・スミスクライン(GSK)製で、対象は60歳以上の高齢者です。2.5万人の高齢者を対象にした臨床試験では、このワクチンによるRSVの肺への感染予防効果が83%であることが示されたといいます。米疾病対策センター(CDC)が推奨をすれば、今秋にも接種が始まる見込みだそうです。FDAは現在、米ファイザー社が開発する同様のRSVワクチンについても審査中とのこと。AP通信の記事です。

  • フライドポテトの食べ過ぎが、うつ病に関連する可能性

    2023-05-02

    揚げ物の摂取が心の健康に悪影響を及ぼす可能性があるようです。中国の研究チームが、参加者14万728人を11.3年間調査。揚げ物を頻繁に食べる人は、揚げ物を食べない人に比べて不安リスクが12%、うつ病リスクが7%それぞれ高かったといいます。特にリスク上昇と関連していたのはフライドポテトだそうです。ゼブラフィッシュの実験で、食品を高温で加熱する際に生じる「アクリルアミド」という物質が不安やうつ病の原因になる可能性が示されたとのこと。CNNの記事です。

  • 2型糖尿病治療薬「チルゼパチド」、年内に肥満治療薬として承認の可能性

    2023-05-02

    米製薬大手イーライリリーの2型糖尿病治療薬「チルゼパチド」が、肥満治療薬として年内に米食品医薬品局(FDA)に承認されるかもしれません。同社は新たな治験結果を公表。それによると、チルゼパチドが肥満と糖尿病の両方を患う患者の体重を最大15.7%減少させることが分かったそうです。以前公表された別の治験では、糖尿病のない肥満患者に高用量のチルゼパチドを投与すると、72週時点で体重が21%減少することも明らかになっているといいます。nprの記事です。

  • 米ネバダ州で、子どものまれな脳感染症患者が3倍に

    2023-05-01

    米ネバダ州南部で昨年、子どもの「脳膿瘍」が急増したようです。脳膿瘍とは、細菌などの感染で脳内に膿がたまった状態。初期症状として発熱や頭痛が起こるといいます。同州では例年平均4~5人程度だった子どもの脳膿瘍患者が、2022年は18人に急増。米国の他の地域でも同様の増加が報告されているそうです。急増の原因は分かっていませんが、新型コロナ感染対策で子どもたちが必要な免疫を獲得できなかったことなどが考えられるといいます。CNNの記事です。

  • 簡単な内視鏡手術で、2型糖尿病患者のインスリン療法が不要に?

    2023-05-01

    2型糖尿病患者がインスリンを使わずに血糖を管理できる方法が見つかったかもしれません。オランダの研究チームが、2型糖尿病患者14人を対象に内視鏡手術で十二指腸に電気パルスを照射。手術は1時間で終了し、患者はその日のうちに退院したそうです。1年後、12人(86%)がインスリンを使わずに糖尿病治療薬「セマグルチド」のみで血糖管理がうまくいっていたといいます。通常、この薬のみで血糖管理できるのは患者のわずか20%ほどとのこと。EurekAlert!の記事です。

  • 麻酔薬ケタミン、境界性パーソナリティ障害患者のうつ病治療に有効か

    2023-04-28

    境界性パーソナリティ障害(BPD)の患者がうつ病を併発すると、うつ病が重篤で治療が難しいことが多いそうです。抗うつ作用があることで知られる麻酔薬「ケタミン」が、そんな患者の治療に有望な可能性があるといいます。カナダの研究チームが、「BPDとうつ病を併発する患者50人」と「うつ病のみを患う患者50人」に静脈内ケタミンを4回投与。両群ともにうつ症状が有意に同程度改善したそうです。併発群では、BPD症状にも改善がみられたといいます。PsyPostの記事です。

  • 米FDA、糞便移植の経口薬を承認 危険な細菌による感染症の再発リスクを低減

    2023-04-28

    米食品医薬品局(FDA)は、腸炎を引き起こし死に至ることもあるクロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)を繰り返す患者に対して、糞便移植を簡単に実現することができる経口薬「Vowst」を承認したそうです。この種の経口薬が承認されるのは初。米Seres Therapeutics社が健康なドナーの糞便から作ったVowstは、抗菌薬治療を終えた18歳以上の再発性CDI高リスク患者が対象です。この薬を1日4錠3日間連続で服用すると、CDI再発リスクが低下するとのことです。AP通信の記事です。

  • 新型コロナ、ワクチン副反応や後遺症で耳鳴り? 米専門家が調査

    2023-04-27

    新型コロナウイルスワクチン接種後に耳鳴りを訴える人がいるようです。副反応の可能性はあるのでしょうか。米疾病対策センター(CDC)には4月14日時点で、ワクチン接種後に耳鳴りが起きたとの報告が1万6500件寄せられているそうです。コロナ後遺症の一つとして耳鳴りを報告する患者もいるといいます。現時点でCDCは耳鳴りについて、ワクチンや後遺症との関連を否定しています。一方、専門家がこの件に関するデータの分析を進めているそうです。USA TODAYの記事です。

  • 増加するHPV関連の中咽頭がん、主な原因はオーラルセックス

    2023-04-27

    ヒトパピローマウイルス(HPV)感染が関連する中咽頭がんが、欧米で男女共に急増しているそうです。このがんの主要な危険因子はオーラルセックス。生涯でオーラルセックスをする相手が6人以上いる人は、オーラルセックスをしない人に比べて中咽頭がん発症リスクが8.5倍になるそうです。英国では成人の80%がオーラルセックス経験者であるとの調査結果も出ており、がん予防のために男子も含めてHPVワクチンを普及させることが重要だといいます。The Conversationの記事です。

  • 代理出産や精子・卵子提供で生まれたことをいつ本人に伝えるべきか

    2023-04-27

    代理出産や精子・卵子提供で生まれた子どもには、早いうちにその事実を伝えた方がいいようです。英国の研究チームが、代理出産で生まれた子ども22人▽卵子提供で生まれた子ども17人▽精子提供で生まれた子ども26人――を20年にわたり追跡調査。7歳までに自分の出自について知らされた子どもは、若年成人期に母親と良好な関係にあることが明らかになったそうです。そして、その母親たちも不安やうつ病を抱えるリスクが低かったといいます。CNNの記事です。

  • 睡眠薬の使用が、アルツハイマー病の予防につながる可能性

    2023-04-26

    薬で睡眠を促すことで、アルツハイマー病に関連するタンパク質であるアミロイドβや異常な(リン酸化した)タウの蓄積を抑えられるかもしれません。米国の研究チームが、認知機能障害と睡眠障害がない中高年38人を調査したそうです。不眠症の一般的な治療薬「スボレキサント」を2日間使用した人はプラセボ群に比べて、脳の周りを循環する脳脊髄液中のアミロイドβ濃度が10~20%低下。薬を高用量服用した人は、リン酸化したタウも減少したとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • コロナ重症化リスク高い人の「隔離政策」、有効性に疑問符/英

    2023-04-26

    英ウェールズでは、新型コロナの重症化リスクが高い人に対して「隔離政策」を取っていました。感染予防のために外部との接触を避けて家にいることを推奨したこの政策が、実は意味がなかった可能性があるそうです。英国の研究チームが、隔離対象になった11.7万人を対象外の一般集団300万人と比較。隔離群は検査を受ける機会が多かった点を考慮する必要がありますが、隔離群の方が死亡や医療機関の利用が多く、感染率も高かったといいます。BBCの記事です。

  • 「クランベリージュースが尿路感染症に効く」は本当だった

    2023-04-25

    古くから尿路感染症(UTI)に良いとされてきたクランベリーについて、一部の人で実際の効果が確認されたようです。豪州の研究チームが、クランベリー製品に関する50以上の研究結果を分析。参加者は合わせて9000人近くに上るといいます。クランベリーのジュースやサプリメントを摂取すると、UTIの再発リスクが一部の女性で25%、子どもで50%、それぞれ低下することが分かったそうです。ただし、高齢者や妊婦には同様の効果はみられなかったとのこと。ABC News(AUS)の記事です。

  • アルゼンチンでデング熱が大流行 死者は40人以上

    2023-04-24

    アルゼンチンでは、チリやボリビアとの国境に近い北西部を中心に、蚊が媒介する「デング熱」の記録的な大流行が起きているようです。これまでに約6万人が感染し、40人以上が死亡したといいます。感染拡大を抑えるため、放射線でDNAにダメージを与えて子孫ができないようにしたオスの蚊を準備しており、数千匹を放つ予定だそうです。保健当局は、蚊帳や虫よけ剤の使用、蚊の繁殖場所になる水の容器を取り除くなどの対策を呼び掛けているとのこと。BBCの記事です。

  • HPVが引き起こす複数のがん 米国で認知度が低下

    2023-04-24

    性感染症ウイルスである「ヒトパピローマウイルス(HPV)」は子宮頸部だけでなく、肛門や咽頭、陰茎、膣などのがんを引き起こします。米国の研究チームが年間2000~3000人の成人を対象に行った調査で、この認知度が下がっていることが分かったそうです。HPVについて聞いたことがある人のうち、子宮頸がんとの関連を知っていた人の割合は、2014年(77.6%)から20年(70.2%)の間に7.4%低下。咽頭がんや肛門がんとの関連につい知っていたのはわずか30%だったとのこと。NBC Newsの記事です。

  • 緑内障の新たな治療法 遺伝子治療で眼圧上昇を改善

    2023-04-23

    緑内障の主要な危険因子は眼圧上昇です。目の中で血液のような役割をする房水が、静脈への排水口(シュレム管)の目詰まりなどによって流れなくなるために起こります。アイルランドの研究チームが動物モデルや提供されたヒトの目を使って遺伝子治療の実験を実施。タンパク質を分解する酵素「MMP-3」の産生を促す遺伝物質を運ぶウイルスベクターを作り、これを1回投与したところ房水の流れがよくなり、眼圧上昇が改善されたといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 白髪の原因は色素幹細胞の「立ち往生」

    2023-04-22

    白髪が発生するメカニズムが明らかになったようです。米国の研究チームが、色素のメラニンを作るメラノサイト(色素細胞)に着目し、マウスで細胞の老化プロセスを調べました。本来は毛包(毛穴)の周りをあちこち移動しているメラノサイト幹細胞が、年を取るにつれて「立ち往生」して動けなくなり、成熟したメラノサイトに成長できないために色素が作れなくなることが分かったそうです。同じことが人間の毛髪でも起きている可能性があるとのこと。BBCの記事です。

  • T細胞コロナワクチン、マウス実験で有望な結果

    2023-04-21

    米国の研究チームが、T細胞に焦点を当てた新たな新型コロナウイルスワクチン(T細胞ワクチン)を開発したそうです。このワクチンはT細胞による幅広い免疫応答が誘導されるよう設計されています。これをマウスに投与して致死量のコロナウイルスに感染させたところ、87.5%が生き残ったといいます。T細胞ワクチンは将来の変異株にも有効で、効果が今より長く続く可能性があるとのこと。抗体を誘導するmRNAワクチンよりも高い効果が期待できるそうです。EurekAlert!の記事です。

  • PM2.5にさらされると、肺がんリスクが上昇する可能性

    2023-04-21

    大気汚染が肺がんの主な原因であることが、英国などのチームの研究で改めて明らかになりました。肺がん患者3万2957人の調査で、多量の大気汚染物質PM2.5に暴露すると、細胞の成長や増殖に関わる上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子に変異のある肺がんの発症リスクが高まることが判明。別の調査では、高レベルのPM2.5に3年間さらされるだけで発症リスクが上昇することも分かったそうです。PM2.5は、がんの原因となる遺伝子変異を持つ細胞を「目覚めさせる」とのこと。ScienceAlertの記事です。

  • がんの「進化する無限の能力」が明らかに

    2023-04-20

    がんには想像を超えた生存能力が備わっているようです。英国の研究チームが、肺がん患者400人を9年間追跡調査。初期の腫瘍において侵攻性の高いがん細胞が最終的に全身に広がることや、遺伝子の「混乱」レベルが高い腫瘍が手術後に別の場所で再発しやすいことなどが分かったといいます。また、がんは進行とともに進化し、高い適応能力を持つことが明らかに。末期がんの治療は極めて困難で、予防や早期発見の重要性が指摘されています。BBCの記事です。

  • 多遺伝子リスクスコアで、アルツハイマー病に関連する腸内細菌属を特定

    2023-04-20

    個人がある疾患にかかるリスクを多数の遺伝子変異から評価する「多遺伝子リスクスコア(PRS)」を使って、米国の研究チームがアルツハイマー病(AD)に関連する腸内細菌を特定したそうです。チームは、まずAD患者1278人と対照群1293人を調査した上で、別のAD患者799人と対照群778人にも同様の調査を実施。二つの結果を分析したところ、119の腸内細菌属のうち、コリンセラ属をはじめとする4種類の菌属がAD発症リスクに関連することが示されたといいます。Medical Xpressの記事です。

  • ステロイド薬の使用が記憶障害に関連 げっ歯類で確認

    2023-04-18

    英国の研究チームがげっ歯類の調査で、ステロイド薬を長期間使用すると記憶障害が起こることを明らかにしたようです。ステロイド薬「メチルプレドニゾロン」を5日間投与するだけで、記憶や学習に関与する脳の海馬の活動が減少し、記憶課題の成績が悪くなったそうです。神経細胞間の接合部であるシナプスは増強される時間帯が決まっており、長期間のステロイド使用によって海馬におけるその概日リズムが乱れる可能性があるとのことです。Medical Xpressの記事です。

  • mRNAワクチンと免疫療法薬の併用で、メラノーマ再発リスク低下

    2023-04-18

    米モデルナ社が開発するmRNAがんワクチンと米メルク社の免疫療法薬キイトルーダを併用すると、皮膚がんの一種「悪性黒色腫(メラノーマ)」の再発リスクが低減できるかもしれません。両社が、メラノーマの切除手術を受けた患者157人を2群に分けて行った治験(第2b相)の新たなデータを公表。18カ月後の時点で再発が起きなかったのは、がんワクチンとキイトルーダを併用した人の78.6%、キイトルーダのみを使用した人の62.2%だったといいます。CNNの記事です。

  • 日光を浴びることができない難病の経口薬、治験で有望な結果

    2023-04-17

    日光を浴びると激痛が走ったり皮膚が腫れ上がったりする難病、赤芽球性プロトポルフィリン症(EPP)やX連鎖性プロトポルフィリン症(XLP)に対する経口薬「dersimelagon」の初期臨床試験の結果が公表されました。米国の研究チームが、EPPまたはXLPの成人患者102人を16週間調査。この薬を毎日飲んだ人はプラセボ群に比べ、日光下で前駆症状(前触れの症状)が現れずに活動できる時間が平均で1日1時間増えたそうです。吐き気や頭痛などの副作用はあったとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • ノロウイルスワクチン実現に前進 ロタウイルスワクチンを活用

    2023-04-17

    食中毒を引き起こすノロウイルスのワクチンが実現するかもしれません。米国の研究チームが、胃腸炎を引き起こすロタウイルスの生ワクチンを活用して開発。ロタのゲノムにノロの外表面を作るタンパク質遺伝子を挿入し、改変したロタを作製したそうです。これを免疫不全子マウス11匹に投与したところ、全てのマウスの腸で強力な抗体反応がみられたそうです。さらに、この抗体がヒト胃腸オルガノイドの実験でノロとロタの両方を中和したといいます。ScienceDailyの記事です。

  • 経口避妊薬、ホルモンの用量を大幅に減らしても十分な有効性

    2023-04-15

    経口避妊薬(ピル)のホルモンによる副作用を低減できるかもしれません。フィリピンなどの研究チームが、正常な月経周期を持つ20~34歳の健康な女性23人を対象に下垂体と卵巣のホルモン値を調査。構築した数理モデルを用いて、ピルの最適な用量や服用タイミングを予測したといいます。その結果、ホルモンの用量をエストロゲン単独なら92%、プロゲステロン単独なら43%、それぞれ減らしても避妊効果は十分に得られることが示唆されたとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • ガーナ、新たな子ども向けマラリアワクチンを世界で最初に承認

    2023-04-14

    西アフリカのガーナ保健当局は13日、英オックスフォード大学が開発する新たなマラリアワクチンを一足早く承認したそうです。マラリアによる死亡リスクが高い生後5カ月~3歳の乳幼児が対象。ワクチンの治験の最終結果はまだ公表されておらず、世界保健機関(WHO)が現在審査中だといいます。ただ、初期の臨床試験では80%の有効性が示されており、すでにWHOが承認している世界初のマラリアワクチン「Mosquirix」よりはるかに高い効果が期待されています。AP通信の記事です。

  • 米で性感染症が増加 古くからある抗菌薬を予防薬として推奨へ

    2023-04-14

    米国で性感染症(STD)の増加が問題になっています。そんな中、米疾病対策センター(CDC)が、50年以上前からある安価な抗菌薬「ドキシサイクリン」をSTD予防薬として推奨する見通しだそうです。米国の研究チームが、ゲイやバイセクシャルの男性、トランスジェンダーの女性計500人を調査。避妊具なしの性交後72時間以内にこの薬を服用した人は服用しなかった人に比べて、感染リスクが▽クラミジアは90%▽梅毒は80%▽淋病は50%――それぞれ低くなったといいます。USA TODAYの記事です。

  • 老化を肯定的にとらえると、認知機能が改善する可能性

    2023-04-13

    軽度認知障害(MCI)の人が正常な認知機能を取り戻すことがあるそうです。なぜなのでしょうか。米国の研究チームが、65歳以上の高齢者1716人を調査しました。老化に対して肯定的な考えを持つMCI患者は、否定的な考えを持つMCI患者に比べて正常な認知機能を取り戻す可能性が30%高いことが分かったそうです。元々正常な認知機能をもつ高齢者も、老化に肯定的な考えの人は、そうでない人に比べて12年以内にMCIを発症するリスクが低かったといいます。EurekAlert!の記事です。

  • mRNAを含むナノ粒子で、ピーナッツアレルギーを抑制できる可能性

    2023-04-12

    mRNAの技術は、ピーナッツアレルギーの予防や治療にも使える可能性があるようです。米国の研究チームが、ピーナッツに含まれる複数のタンパク質に関するmRNAを搭載したナノ粒子を開発。肝臓には過剰なアレルギー反応を起こさないように免疫システムを訓練する細胞があり、ナノ粒子はその細胞に結合する糖を持っているといいます。これをマウスに投与したところ、アレルギー反応が減少し、ピーナッツへの耐性を強化する物質の産生が増加したとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 中国でH3N8型鳥インフルによる初の死者

    2023-04-12

    中国広東省に住む56歳の女性がH3N8型鳥インフルエンザウイルスに感染し、死亡したそうです。H3N8のヒトへの感染報告は3例目で、いずれも中国で発生。患者が死亡したのは初めてだといいます。女性は2月22日に体調を崩し、その後重度の肺炎で入院。3月16日に死亡したようです。女性には複数の基礎疾患があり、家禽との接触歴があったといいます。世界保健機関(WHO)は、ヒトからヒトへの感染が拡大するリスクは低いとの見解を示したとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 米東海岸で患者が増加 温暖化で北上する危険な細菌の感染発生地域

    2023-04-11

    ビブリオ・バルニフィカスは暖かい海に生息し、加熱が不十分な魚介類や傷口から感染する危険な細菌です。この感染者が米東海岸で増加しているようです。英国などの研究チームが、米疾病対策センター(CDC)のデータを使って分析。ここ30年間で年間感染者数が10人から80人に増えたそうです。2100年までに200人に達する可能性があるといいます。さらに温暖化の影響で、感染発生地域は年々北上。数十年以内にニューヨークに到達すると予測されています。ScienceAlertの記事です。(写真:ビブリオ・バルニフィカス=CDC提供)

  • 自殺は満月の週に増加する

    2023-04-11

    自殺のリスクが高まる時期や時間帯があるようです。米国の研究チームがインディアナ州にある検視局のデータを使って、2012~16年に起きた自殺について調査。満月の週に自殺による死亡が有意に増加することが分かったそうです。特に55歳以上で顕著に増加したといいます。月明かりによる概日リズム(体内時計)の乱れが自殺の増加に関連している可能性があるようです。午後3~4時の時間帯や夏が終わる9月にも自殺が多かったとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • ブロッコリーを食べると腸の健康が促進される可能性

    2023-04-10

    有益な物質を体内に通し、害をもたらす物をブロックする小腸の細胞は、健康維持に重要な役割を果たします。米国の研究チームが、ブロッコリーに含まれる分子「アリール炭化水素受容体(AHR)リガンド」が、小腸細胞の働きを高める「AHRの活性化」に影響を与えることを発見。ブロッコリーを含まないエサを食べたマウスは、ブロッコリーを15%含むエサを食べたマウスに比べてAHR活性が低く、小腸の不健康につながるさまざまな要素が見られたといいます。EurekAlert!の記事です。

  • 厳しいしつけを受けた子どもはメンタル問題抱えるリスクが高い

    2023-04-10

    厳しいしつけは子どもの心の健康に悪影響を及ぼすようです。英国の研究チームが、アイルランドの子ども7507人を調査した結果を発表しました。頻繁に大声で怒鳴る、罰として部屋に閉じ込める、親の気分次第で対応が変わるなどは「非友好的な」育児スタイルとされます。そういった育児を3歳時点で受けていた子どもは、精神的な不調に関する評価スコアが9歳まで上昇し続ける「高リスク群」に分類される可能性が1.5倍高かったといいます。ScienceDailyの記事です。

  • トルコで「胃ボトックス」治療を受けた60人以上に麻痺症状

    2023-04-09

    ボツリヌス毒素による麻痺性疾患「ボツリヌス症」が、欧州で今年3月下旬までに67件報告されているそうです。このうち63件の詳細が分かっており、全ての患者がトルコにある二つの個人病院のいずれかで、減量のために胃壁にA型ボツリヌス毒素を注入する「胃ボトックス」を受けていました。トルコ当局によると、治療に使われた製品自体は認可済みですが、胃ボトックスへの使用は承認されていないといいます。今のところ死者はいないとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • インドでアデノウイルスが大流行 150人以上の子どもが死亡か

    2023-04-08

    インド東部の西ベンガル州で、前例がないほど深刻なアデノウイルスの感染爆発が起きたようです。同州では今年1~3月に1.2万人以上の子どもがアデノウイルスに感染。政府の統計によると死者は19人ですが、実際には150人以上が死亡したとする専門家もいるそうです。患者から検出されたウイルスのほとんどは、3型、7型、組換え型株7/3型のいずれかだったといいます。専門家は「ワクチン開発を真剣に検討する必要がある」と指摘しています。Asian Scientistの記事です。

  • 睡眠5時間未満での運転、ほろ酔いでの運転と同じくらい危険

    2023-04-07

    前夜の睡眠時間が5時間未満のときは、車の運転をしないほうがいいようです。豪州の研究チームが、睡眠と運転に関する61の研究を分析。24時間以内にとった睡眠が4~5時間未満の状態で運転すると、衝突事故を起こすリスクが倍増することが分かったそうです。これは、ほろ酔い状態(血中アルコール濃度0.05%)で運転した場合の衝突事故リスクと同程度だといいます。睡眠が0~4時間の場合、このリスクは最大15倍になる可能性があるとのこと。The Conversationの記事です。

  • CAR-T細胞療法、小児神経芽腫にも有効な可能性

    2023-04-07

    患者本人の免疫細胞T細胞に遺伝子改変を行い、がん細胞への攻撃力を高める「CAR-T細胞療法」が固形がんにも有効かもしれません。イタリアの研究チームが、再発性または難治性神経芽腫の子ども27人を対象にCAR-T細胞療法を実施。6週間後、このうち9人からがんの痕跡が完全に消えたといいます。3年間の調査終了時には、11人が生存していたそうです。CAR-T細胞療法による一般的な副作用は見られたものの、そのほとんどが軽度だったとのこと。AP通信の記事です。

  • デングウイルスがヒトに感染するために取る驚くべき手段

    2023-04-06

    デング熱を引き起こすデングウイルスは、感染するために巧妙な手段を用いているようです。デング熱は蚊が媒介し、世界中で毎年約4億人の患者が出ているといわれてます。米国の研究チームが、デングウイルスに感染した蚊の唾液から「sfRNA」と呼ばれる分子を発見。この分子はデングウイルスによって産生されるもので、ヒトの免疫応答を鈍らせるのだそうです。蚊がヒトを刺した時に唾液と一緒にsfRNAが注入されると、感染が成立しやすくなるとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 女の子の手に謎のこぶ イグアナにかまれたことが原因と判明

    2023-04-05

    米カリフォルニア州に住む4歳の女の子が、コスタリカに旅行中にイグアナにかまれたことが原因で非結核性抗酸菌「マイコバクテリウム・マリヌム」に感染したそうです。米国の研究チームが、イグアナからヒトにこの細菌が感染した初めての症例として報告。女の子はビーチでケーキを食べていた際に、ケーキを狙う野生のイグアナに指をかまれたといいます。5カ月後に痛みのあるこぶ(2cm程度)ができたため、除去して抗菌薬で治療したとのこと。CNNの記事です。

  • フランス、安楽死などを認める法案を作成へ 大統領が表明

    2023-04-05

    フランスで、安楽死や自殺ほう助といった終末期患者に対する「死への積極的援助」が合法化されるかもしれません。無作為に選ばれた市民184人で構成される委員会で、大多数が「死への積極的援助」を支持したそうです。これを受けてマクロン大統領は4月3日、夏の終わりまでにこの結論を盛り込んだ法案を作成すると表明したとのことです。法案の詳しい内容については明かされなかったものの、子どもへの適用は認めない考えだといいます。AP通信の記事です。

  • 新型コロナ予防には定期的な追加接種が必要か

    2023-04-05

    新型コロナウイルスに対する免疫維持のためには定期的な追加接種が必要かもしれません。米国の研究チームが、従来株向けのワクチン接種後にオミクロン株対応ワクチンを追加接種した8人を調査。300種類以上の抗体が検出されたそうです。その中にはオミクロン株に最適化した新しい抗体が六つあり、当時まだ出現していなかったBA.5を中和する抗体も一つ確認されたとのこと。追加接種が未知の変異株を中和する広域抗体を誘導する可能性があるといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 赤ちゃんの腸内細菌叢発達、母親の膣内細菌とは無関係か

    2023-03-31

    子どもの腸内細菌叢の発達は、出産時に母親の産道で受け継がれる細菌に大きな影響を受けるという説は誤りかもしれません。カナダの研究チームが600組以上の母子を調査したそうです。母親から出産前に膣内細菌を、生まれた赤ちゃんからは便をそれぞれ採取したといいます。その結果、経膣分娩か帝王切開かにかかわらず、母親の膣内細菌組成が生後10日や3カ月後の赤ちゃんの腸内細菌組成に大きな影響を与えることはないことが分かったそうです。EurekAlert!の記事です。

  • 化学療法と免疫療法の併用で、子宮体がんの進行リスクが低下

    2023-03-31

    子宮体がんの進行を抑制する方法が見つかったようです。米国の研究チームが、ステージ3または4の子宮体がん患者816人を対象に12カ月間の調査を実施。細胞がDNA複製時のエラーを修復する機能(ミスマッチ修復:MMR)が欠損している患者に対して、化学療法と免疫療法(ペムブロリズマブ:商品名キイトルーダ)を併用すると、化学療法単独の場合に比べてがんが進行するリスクが70%低下したといいます。MMRが正常な患者のリスクは46%低くなったとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 黄熱を治療する抗体の作製に成功/動物実験

    2023-03-30

    蚊が媒介する感染症で重症化すると半数が死亡する「黄熱」が治せるようになるかもしれません。米国の研究チームが、黄熱ワクチン接種者から取り出した37のモノクローナル抗体のうち2種類に着目。これらの抗体を研究室で作製し、黄熱ウイルスに感染させたアカゲザルとハムスターで調査を行ったといいます。どちらか一つの抗体を投与された動物は、血液からウイルスが検出されなかったそうです。どちらの抗体も安全性が示唆されたとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 屋内で犬や猫を飼う家庭の子どもは、食物アレルギーリスクが低い

    2023-03-30

    ペットの有無が子どもの食物アレルギーリスクに関連しているようです。日本の研究チームが、国内の子ども6万6215人のデータを分析。子どもが胎児期や乳児期のうちに屋内で犬や猫を飼っていた家庭では、子どもの食物アレルギー発症リスクが有意に低かったそうです。屋外犬の飼育では、こうした有意差は見られなかったといいます。屋内で犬を飼う家庭の子どもは、特に卵や牛乳、ナッツへのアレルギーを発症する可能性が低かったとのこと。EurekAlert!の記事です。

  • 両親がオスの赤ちゃんマウス誕生 卵子は皮膚細胞から作製

    2023-03-29

    大阪大学の研究チームが、オスの両親を持つ赤ちゃんマウスを誕生させたそうです。チームはオス(XY染色体)のマウスから皮膚細胞を採取してiPS細胞を作製。さらにiPS細胞培養中に起こる細胞分裂のエラーを利用し、卵子(XX染色体)を作り出したそうです。できた卵子と別のオスのマウスの精子を受精させてメスのマウスに移植したところ、赤ちゃんが生まれたといいます。ただし、移植した受精卵が赤ちゃんとして誕生する成功率は約1%だったとのこと。CNNの記事です。

  • 食事時間の制限は不要? 肥満患者のNAFLDを改善する食事療法

    2023-03-29

    肝細胞にトリグリセリド(中性脂肪)がたまる非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の人が、食べ物の摂取時間を制限する食事時間制限法(TRE)を実践しても効果は小さい可能性があるそうです。米中の研究チームが、NAFLDをもつ肥満患者88人を「カロリー制限群」と「カロリー制限に加えてTREを行う群(TRE群)」に分けて調査したとのこと。12カ月後に肝内トリグリセリドを調べたところ、カロリー制限群は7.9%減少、TRE群は6.9%の減少で、同程度の効果だったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • アルツハイマー病の初期サイン、「目」に現れる可能性

    2023-03-28

    目の検査で、認知障害の症状が現れる前にアルツハイマー病(AD)を診断できる可能性があるようです。米国の研究チームが、認知機能低下の度合いが異なる86人から網膜や脳の組織を採取して分析。ADや軽度認知障害を持つ人の網膜からは、正常な人に比べてADと関連があるとされるタンパク質アミロイドβが多く見つかったそうです。網膜周辺の細胞で起きている組織の萎縮や炎症を調べることで、認知機能の状態を予測できる可能性が示唆されたといいます。CNNの記事です。

  • マグネシウムに着目した新たな抗肥満薬で、マウスが痩せた

    2023-03-28

    糖分や脂肪を多く含む高カロリーの西洋式の食事を続けても、太る心配をしなくてよくなるかもしれません。米国の研究チームが、体内にマグネシウムが多く存在すると、ミトコンドリアが糖質や脂肪を使ってエネルギーを生産する速度が遅くなることを発見したそうです。そこで、ミトコンドリアに送られるマグネシウム量を制限する新薬「CPACC」を、西洋式の食事を長期間摂取したマウスに投与したところ、マウスの体重が減ったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • ミトコンドリア移植で、心停止ラットの生存率が改善

    2023-03-27

    ミトコンドリアを移植することで、心停止後の予後が改善する可能性があるようです。米国の研究チームが、10分間の心停止から蘇生したラット33匹を3群に分けて調査。72時間後生存率は、ドナーのラットから採取した非凍結のミトコンドリアを移植したラットが91%だったのに対し、対照群は55%だったといいます。凍結融解ミトコンドリアの移植では同様の効果は認められず、新鮮なミトコンドリアの機能が生存率改善に関与しているとみられるそうです。Medical Xpressの記事です。

  • ラッコ4匹がまれなトキソプラズマ原虫で死ぬ ヒトへの感染リスクに警鐘/米

    2023-03-27

    米カリフォルニア州の研究チームが、まれなトキソプラズマ原虫株が原因で2020~22年に同州沿岸のラッコ4匹が死んだと発表したそうです。ヒトへの感染例は確認されていませんが、魚介類や汚染された水を摂取することで感染が広がる可能性があり、専門家が注意を呼び掛けています。この種類のトキソプラズマ原虫が水生動物や同州沿岸で確認されたのは初めてだといいます。死んだ4匹のラッコは、脂肪組織に炎症がみられたそうです。CNNの記事です。

  • 音と光が出るヘッドセットで、アルツハイマー病を治療

    2023-03-24

    アルツハイマー病(AD)の進行を遅らせるための新たな取り組みです。米Cognito Therapeutics社とマサチューセッツ工科大学(MIT)が、音と光を発する特殊なヘッドセットを開発。脳の免疫細胞ミクログリアを活性化してADと深い関係があるとされるタンパク質アミロイドβの除去を進め、認知機能を改善する可能性が注目されている脳波のガンマ波を刺激するといいます。現在、軽~中等度のAD患者500人への臨床試験が行われており、結果は2025年前半に公表する予定だそうです。INSIDERの記事です。

  • 末期がんの成長を止める新薬、第1相試験で有望な結果

    2023-03-24

    ノルウェーの研究チームが18年の歳月をかけて、がん細胞だけを標的にする末期患者向けの新薬「ATX-101」を開発したそうです。末期がん患者20人に第1相試験を実施したところ、6週間後の時点で患者の70%が、がんの成長が止まる「安定」の状態になったといいます。患者の1人は17カ月間投薬を受け、2年以上安定した状態を保ったそうです。また、ATX-101は健康な細胞には影響を与えないため、がん治療に伴う脱毛の心配をする必要がなくなるとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • ベートーベンが抱えていた健康上の問題、ゲノム解析で判明

    2023-03-23

    作曲家ベートーベン(1770~1827年)の健康上の問題がゲノム解析によって明らかになったそうです。英国などの研究チームが、保管されていたベートーベンの毛髪を使って分析。ベートーベンは肝臓病の遺伝的素因を持っていたといいます。また、B型肝炎ウイルスに感染した形跡も見られたそうです。こうしたリスク因子と大量飲酒が原因で、肝硬変を発症した可能性が指摘されています。今回の解析では、聴力低下の原因は特定できなかったとのこと。BBCの記事です。

  • 腰痛に対する一般的な鎮痛薬、有効性は不確か

    2023-03-23

    原因が特定できない非特異的腰痛に対する鎮痛薬の使用には、慎重になったほうがいいようです。豪州などの研究チームが、1964~2021年に発表された98の臨床試験に関するデータを分析。参加者は計1万5134人、調べた薬の種類や組み合わせは69に上ったといいます。その結果、複数の非ステロイド性抗炎症薬や筋弛緩薬、プレガバリン、アセトアミノフェンなど計17の鎮痛薬について、急性腰痛への効果を示す証拠の信用性が低いことが分かったそうです。Medical Xpressの記事です。

  • 米国で真菌「カンジダ・アウリス」の症例が急増 多剤耐性の株も存在

    2023-03-22

    カンジダ・アウリスは、全身感染を起こした場合の致死率が30%という危険な真菌です。米国でこの真菌の症例が、3年間で3倍近くに増加しているそうです。カンジダ・アウリスは健康な人には無害です。しかし、病院や老人施設などでは集団感染や死亡例が発生する危険もあります。一般的に使われる3種類の抗真菌薬すべてに耐性を持つ株も存在するようです。2019年に476例だった米国の症例数は、20年に756例、21年には1471例に急増しているとのこと。AP通信の記事です。

  • 思春期の大麻使用、女性の生殖機能に有害な影響/マウス実験

    2023-03-22

    思春期に大麻成分「テトラヒドロカンナビノール(THC)」に暴露すると、卵胞や卵子の枯渇につながる可能性があるようです。米国の研究チームが、発育中のマウスに2週間にわたりTHCを投与して調査。その結果、健康な卵胞数が50%減少することが明らかになったそうです。2019年の調査では、米国の12~17歳の330万人が大麻を使用していると報告されています。女子の大麻使用が生殖機能に及ぼす長期的な影響について周知する必要があるとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 大麻を毎日使用すると、冠動脈疾患リスクが30%上昇

    2023-03-20

    大麻の使用は、心血管へ悪影響を与えることが分かったそうです。米国の研究チームが100万人以上のデータを分析。毎日大麻を使用すると答えた人(4736人)は一度も使ったことがないと答えた人(3万9678人)に比べて、冠動脈疾患(CAD)リスクが34%高かったそうです。大麻の使用頻度が月1回以下の場合、リスクに影響はなかったといいます。研究は、ゲノム情報を利用するメンデルランダム化解析を用いており、大麻とCADの直接的な因果関係が示唆されたとのこと。CNNの記事です。

  • マラリア媒介蚊の分布域、気候変動の影響で急速に拡大

    2023-03-20

    気候変動の影響で、マラリアを媒介する蚊の分布域が予想以上の速さで広がっているようです。米国の研究チームが、これまでに蓄積されたアフリカにおける蚊の分布域に関するデータを分析。22種類のハマダラカについて、1898~2016年のデータを評価したといいます。この期間内に世界の平均気温は少なくとも1.2度上昇しています。それに伴い、ハマダラカの分布域は1年に4.7kmずつ南方面に拡大し、毎年6.5mずつ標高も高くなっているとのことです。ScienceAlertの記事です。

  • 睡眠中のアイマスク、翌日の認知機能に驚くべきメリット

    2023-03-19

    アイマスクを使って睡眠中の光を遮断することで、翌日の注意力や記憶力が向上する可能性があるようです。英国などの研究チームが、18~35歳の参加者計122人を調査した結果です。睡眠中にアイマスクをすると、記憶力や反応速度を評価するテストでよい成績が出ることが明らかになったそうです。また脳活動の測定から、アイマスクの着用が、記憶力の向上に重要な役割を果たすとされる「徐波睡眠」の増加につながることも示されたといいます。ScienceAlertの記事です。

  • 血中カフェイン濃度高いと、肥満や糖尿病のリスクが低下する可能性

    2023-03-18

    ノンカロリーのカフェイン飲料を飲んで血中のカフェイン濃度を高めることは健康に良い影響を及ぼすようです。スウェーデンなどの研究チームが、遺伝的証拠から因果関係を明らかにする「メンデルランダム化解析」を用いて、主にヨーロッパ系の参加者1万人を調査。解析はカフェイン代謝に関連する二つの遺伝子変異に着目して行われ、遺伝子的に血中カフェイン濃度が高くなる人は、肥満や2型糖尿病のリスクが低いことが分かったといいます。EurekAlert!の記事です。

  • コーヒーにミルクを足すと、抗炎症効果が高まる可能性

    2023-03-17

    コーヒーにミルクを加えると、健康上のメリットが増大するようです。デンマークの研究チームが、炎症時の状態にした免疫細胞のマクロファージを使って効果を調べました。コーヒーに含まれるポリフェノール(カフェ酸:CA、クロロゲン酸:CGA)だけをマクロファージに浴びせた時よりも、ポリフェノールと牛乳のタンパク質に含まれるアミノ酸(システイン:Cys)を組み合せたものを浴びせた時の方が、抗炎症効果が高まることが分かったといいます。ScienceAlertの記事です。

  • 高用量の人工甘味料が、自己免疫疾患の治療に活用できる可能性

    2023-03-17

    人工甘味料「スクラロース」を自己免疫疾患の治療に活用できるかもしれません。英国の研究チームが、ヒトにおける1日の許容摂取量に相当するスクラロースをマウスに与えて調査したといいます。高用量スクラロース群は、がんや感染に対して免疫細胞のT細胞が活性化しにくかったそうです。T細胞は自己免疫疾患で中心的な役割を果たします。このことからチームは、スクラロースでT細胞の過剰活性を抑制できる可能性があると考えているようです。EurekAlert!の記事です。

  • 「モーツァルト効果」はうそ? てんかんへの好影響認められず

    2023-03-16

    モーツァルトの楽曲「ソナタKV448」を聴くとてんかんの症状が緩和するという説があります。本当なのでしょうか。オーストリアの研究チームが、このテーマに関する入手可能な全ての科学文献を調査。KV448がてんかんに有益な影響を及ぼすとの信頼性のある証拠は見つからなかったそうです。いわゆる「モーツァルト効果」神話は、複数の結果の一部だけが選択的に報告されていたり、サンプル数が少なかったりしたことが原因で生まれたものだといいます。Medical Xpressの記事です。

  • コロナ後遺症の一つに、人の顔が分からなくなる「失顔症」

    2023-03-16

    新型コロナにかかった後、人の顔が覚えられない相貌(そうぼう)失認(失顔症)になった女性(28)がいるそうです。カナダの研究チームの調査では、女性は知らない人の顔を覚えるのが困難なだけでなく、家族の顔も分からなかったとのこと。また、場所の位置関係の把握もできなくなっているといいます。こうした症状は視覚処理の障害から起きている可能性が高いそうです。コロナ後遺症患者54人の調査では、多くの人が失顔症の症状を報告したとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 細菌用mRNAワクチンが実現する可能性 動物実験で100%の有効性を確認

    2023-03-15

    不可能と考えられていた、細菌に有効なmRNAワクチンが実現する可能性があるようです。イスラエルの研究チームが、免疫系に細菌のタンパク質を認識させる画期的な方法を考え出し、細菌用のmRNAワクチンの開発に成功したといいます。致命的な病気を引き起こす細菌に感染させた動物での実験では、ワクチン非接種群は1週間以内に全て死んだ一方、ワクチン接種群は元気に生き残ったそうです。たった1回の接種で100%の有効性が確認されたとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 肺機能に関わる500以上の遺伝子を特定 COPDの新治療法開発にもつながる可能性

    2023-03-15

    肺疾患の新たな治療法の開発に道を開く研究成果です。英国の研究チームが、参加者58万869人のゲノム情報を解析したそうです。参加者には世界中のさまざまな人種が含まれ、過去最大規模のゲノム解析だといいます。その結果、肺機能に関係する559の新たな遺伝子が特定されたとのことです。この発見が、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や喘息などに対する新たな治療法や有効な既存薬の特定、個々の患者に適した薬剤の選択につながることが期待されています。BBCの記事です。

  • 多くの前立腺がん患者は手術や放射線治療を避けられる

    2023-03-13

    前立腺がんの手術や治療はほとんどの場合、実施時期を遅らせたり回避したりできるそうです。英国の研究チームが、前立腺のみでがんが確認された患者1600人を3群に分けて調査。15年後の前立腺がんによる死亡率は、血液検査などで積極的に経過観察を行って過剰な治療を防ぐ「監視療法」群が3.1%▽手術群が2.2%▽放射線治療群が2.9%――で有意差は認められなかったといいます。一方で転移率は監視療法群(約9%)の方が他の2群(約5%)より高かったとのこと。AP通信の記事です。

  • 米FDA、片頭痛を治療する新たな点鼻薬を承認

    2023-03-13

    米食品医薬品局(FDA)は、ファイザー社が開発した片頭痛に即効性のある点鼻スプレー薬「Zavegepant(商品名Zavzpret)」を承認したそうです。脳内の炎症に関与するカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)を阻害する薬です。使用からわずか15分で片頭痛の症状を緩和する効果があるといいます。臨床試験では、同薬10mgを使用した片頭痛患者の24%が2時間後には痛みが消えたと報告したそうです。主な副作用として、使用者の5人に1人に味覚の変化が確認されたとのこと。CNNの記事です。

  • 米FDA、乳がんマンモ検査に関する法律を改正へ 乳腺密度の情報を含めるよう要求

    2023-03-12

    乳がんを検出するにはマンモグラフィ検査だけでは不十分なようです。米食品医薬品局(FDA)は法律を改正し、検査施設がマンモの結果を患者に伝える際に、乳腺密度の情報も一緒に提供することを義務付けるとのこと。マンモ画像ではがんも乳腺も白く写るため、がんを見逃すリスクが高いそうです。検査施設は今後、乳腺密度に関する情報を患者に提供するとともに、高濃度乳腺患者に対して医療機関に相談するよう助言することが求められるといいます。CNNの記事です。

  • 抗菌薬の使用に注意 腸内細菌ががん治療薬の効果に影響を与える

    2023-03-11

    腸内細菌は免疫チェックポイント阻害薬の効果に影響を与えるそうです。米国のチームが、黒色腫(メラノーマ)マウスで調査。免疫チェックポイント阻害薬が消化器系の炎症を誘発し、腸内のリンパ節に変化を起こすことが判明したそうです。この変化によって腸内細菌は、腸以外に存在する腫瘍やその近くのリンパ節に移動し、免疫細胞の活性を促す働きをするといいます。腸内細菌を殺す抗菌薬の使用で、薬が効かなくなる可能性も示唆されたとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 阪大、オスのマウスの細胞から卵子を作製

    2023-03-10

    大阪大学の研究チームが、オスのマウスの細胞から卵子を作り出したと発表したそうです。チームはまず、オスマウスの皮膚から幹細胞を作成。この幹細胞はオス由来なのでXY染色体を持ちます。そこで、オスの幹細胞が卵子になるよう調整するため、Y染色体を削除し、X染色体を複製したそうです。この技術がヒトに適用されるまでの道のりは非常に長いといいますが、男性同士のカップルが自分たちの子どもを持つことが可能になる日が来るかもしれません。BBCの記事です。

  • 原発性骨腫瘍の治療に有望な新薬 マウス実験で生存率上昇を確認

    2023-03-10

    原発性骨腫瘍患者の生存率が高まる可能性があります。原発性骨腫瘍は子どもに多く発生し、急速に肺に転移するため5年生存率は42%といわれています。英国のチームが開発中の新薬「CADD522」を、人の骨腫瘍を移植したマウスで調査。新薬が腫瘍の転移に関連する遺伝子の働きを阻害することを突き止めました。新薬単独で治療したマウスは、未治療群に比べて無転移生存率が50%上昇。手術や化学療法との併用で、さらに生存率上昇が期待できるとのことです。BBCの記事です。

  • 妊娠前や妊娠中の母親の飲酒が、子どもの顔の作りに関連

    2023-03-08

    1週間にグラス1杯分のワイン(純アルコール量12g)でも、妊娠前や妊娠中の母親の飲酒は生まれた子どもの顔の形態に影響を及ぼすそうです。オランダの研究チームが、人工知能(AI)を用いて5000人以上の子どもの3D顔画像を分析。その結果、出生前のアルコールへの暴露が、9歳時点での顔の形態に関連することが分かったそうです。具体的には、鼻が上を向く、鼻が短くなる、あごが突き出る、下まぶたの向きが変わるなどの特徴が見られたといいます。EurekAlert!の記事です。

  • ストレスが認知機能低下につながる可能性

    2023-03-08

    ストレスが多い人は認知機能の低下が起きやすく、記憶力や集中力、学習能力に影響が出るようです。米国の研究チームが、黒人が多く住み、脳卒中の発症率が高いことで知られる米国南部で、45~98歳の参加者数千人を10年以上にわたり調査。その結果、ストレスが多いと申告した人は認知機能が低下する可能性が37%高いことが分かったそうです。黒人と白人で結果に差はなかったものの、全体的に黒人のほうが高ストレスを報告したといいます。CNNの記事です。

  • 腸内細菌によって産生される物質が、がん化学療法の効果を高める

    2023-03-07

    腸内細菌はがん治療に影響を及ぼすそうです。ドイツの研究チームが、化学療法を受ける膵管腺がん患者の血液を分析しました。その結果、化学療法がよく効く人は、3-インドール酢酸(3-IAA)と呼ばれる物質のレベルが高いことが分かったそうです。さらに、この物質は2種類の腸内細菌によって産生されることも明らかになったといいます。がんを持つマウスのエサに3-IAAを加えたところ、化学療法への反応がよくなったとのことです。Medical Xpressに紹介されています。

  • AMH値の低さと不妊に関連性はない

    2023-03-07

    抗ミュラー管ホルモン(AMH)値は卵巣の中に残っている卵子の数の目安になります。ただ、AMH値が低いからといって、不妊だと決めつけない方がいいようです。複数の研究が、AMH値と妊娠の可能性に関連性はないとの結果を示唆。豪州の専門機関なども「AMH検査は女性の受胎能力について助言するために単独で使われるべきではない」と言及しているそうです。オンラインで簡単に入手できるAMH検査キットが、人々に誤解を与えているとの指摘もあるようです。ABC NEWSの記事です。

  • スタチンを服用できない人のためのコレステロール低下薬

    2023-03-07

    筋肉痛などの副作用が理由でコレステロール低下薬「スタチン」を服用できない人がいます。そういった人への新たな選択肢が見つかったそうです。米国の研究チームが、スタチンの副作用に耐えられない高LDL(悪玉)コレステロール患者1万4000人を5年にわたり追跡調査。スタチンと組み合わせて使われるコレステロール低下薬「Nexletol(一般名ベムペド酸)」を単独で毎日服用した人は、プラセボ群に比べて主要な心血管疾患リスクが13%低くなったといいます。AP通信の記事です。

  • 糖質制限・高脂質のダイエットで心血管疾患リスクが倍増

    2023-03-07

    糖質を制限し高脂質な食事をとるケトジェニックダイエットは心臓発作や脳卒中のリスクを上昇させるようです。カナダのチームが、LCHF(低炭水化物・高脂質)を「1日の総カロリーの45%を脂質、25%を炭水化物から摂取する状態」とし、英国でLCHF食をとる305人と標準的な食事をとる1200人を比較。LCHF食群は、LDL(悪玉)コレステロールとアポリポタンパク質の値が高かったそうです。11.8年後には、LCHF食群は動脈閉塞などの心血管イベントリスクが倍増したとのこと。CNNの記事です。

  • 水道水から感染 鼻洗浄した人が「脳を食べるアメーバ」で死亡/米

    2023-03-05

    米フロリダ州当局が、水道水で鼻洗浄をした人が「脳を食べるアメーバ」と呼ばれるネグレリア・フォーレリに感染して死亡したと発表したそうです。このアメーバは、汚染された水が鼻から体内に入った場合のみ人に感染します。池や川で泳いで感染することが多く、患者はたいてい死亡します。当局は、煮沸していない水道水を鼻洗浄に使わないよう住民に注意を呼びかけたそうです。胃酸がアメーバを殺すため水道水を飲んでも問題ないとのこと。CNNの記事です。

  • 甘味料「エリスリトール」摂取で、心血管疾患リスク上昇の可能性

    2023-03-04

    砂糖の代わりに使われるカロリーゼロの甘味料「エリスリトール」が、心臓発作や脳卒中リスクを高めることが分かったそうです。米国のチームが、糖尿病などの心臓病リスク因子を持つ4000人近くの血液を分析。血中エリスリトールレベルが上位25%の人は、下位25%の人に比べて3年以内に心臓発作や脳卒中を発症するリスクが2倍高かったといいます。動物実験などで、エリスリトールが心臓発作や脳卒中を引き起こす血栓を誘発することも判明したとのこと。CNNの記事です。

  • 米国で、超多剤耐性赤痢菌の感染が増加

    2023-03-03

    米疾病対策センター(CDC)が、米国内で広範囲薬剤耐性(XDR)を持つ赤痢菌への感染が増加しているとして注意を呼びかけたようです。赤痢菌は重度の下痢を引き起こすグラム陰性菌。XDR赤痢菌は、一般的に推奨される抗菌薬すべてに耐性を持つそうです。米国で検査された赤痢菌のうちXDRの占める割合は2019年は1%でしたが、22年は5%にまで上昇したといいます。XDR赤痢菌向け抗菌薬としては、ホスホマイシンやメロペネムが選択肢になる可能性があるとのこと。CBS Newsの記事です。

  • 米FDAが60歳以上へのRSVワクチンを推奨 一部ギランバレー症候群のリスクも

    2023-03-03

    米食品医薬品局(FDA)の諮問委員会は、グラクソ・スミスクライン(GSK)社が60歳以上向けに開発したRSウイルス(RSV)ワクチンについて、安全かつ有効であると発表したそうです。FDAが高齢者向けRSVワクチン候補に推奨の立場を示したのはファイザー製に次いで2例目。治験ではRSVに関連する下気道疾患の85%以上を予防する効果があったといいます。ただし、一部の治験参加者がギラン・バレー症候群を発症しており、この点を懸念する声も上がっているとのこと。USA TODAYの記事です。

  • アスピリンの使用で卵巣がんリスク低下 遺伝的要因関係なく

    2023-03-01

    アスピリンを頻繁に使用すると、卵巣がんの遺伝的リスク因子をもつ人の卵巣がん発症リスクが抑制されるそうです。米国などの研究チームが、既存の8研究から非粘液性卵巣がん患者4476人と対照群6659人のデータを分析。 6カ月以上ほぼ毎日アスピリンを使用していると自己申告した人は、卵巣がんリスクが13%低かったそうです。たとえ卵巣がんの発症リスクが高いとされる遺伝子変異を持つ人であっても、この数字に影響はなかったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 「マールブルグ病」ワクチンの開発加速 赤道ギニアでの発生受け

    2023-03-01

    致死率が最大88%というマールブルグ病がアフリカ中部の赤道ギニアで確認されています(隣国ギニアでも疑い例)。エボラウイルスと同じフィロウイルス科のマールブルグウイルスに感染することで発症し、症状はエボラ出血熱に似ています。ワクチンや治療法はありません。世界保健機関(WHO)は緊急会議で28のワクチン候補を特定。二つの第1相試験が始まりましたが、現状では大量生産はできないとのこと。Medical Briefの記事です。最新情報では11人の死者が出ているようです。(写真:マールブルグウイルス=CDC提供)

  • 幹細胞治療で、心不全患者の発作リスクが低下

    2023-02-28

    幹細胞治療で、心不全患者の心臓発作や脳卒中のリスクを低減できる可能性があるようです。米国などの研究チームが、心筋が弱り薬物療法を受ける心不全患者565人を調査。健康なドナーの骨髄から採取した抗炎症作用のある間葉系前駆細胞を心臓に単回投与された人は、プラセボ群に比べて心臓発作や脳卒中のリスクが58%低くなったそうです。この効果は平均2.5年間持続したといいます。体内の炎症レベルが高い患者では、リスクが75%低下したとのこと。CNNの記事です。

  • 「コロナは中国の研究所から流出」米エネルギー省が見解

    2023-02-28

    米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が新型コロナの発生源について、「米エネルギー省が中国の研究所から偶発的に流出した可能性が最も高いと結論付けた」と報じました。同省がホワイトハウスに提出した機密報告書の内容だそうです。新型コロナの発生源をめぐっては、市場で動物から人間に感染したとする説もあり、米国の複数の情報機関の間でも見解が分かれているといいます。しかし、どちらの説も決定的な証拠は見つかっていないとのこと。USA TODAYの記事です。

  • 朝食抜くと免疫機能が損なわれる可能性

    2023-02-27

    朝食を抜くと免疫機能が低下するようです。米国の研究チームが、マウスを「朝食をとる群」と「朝食を抜く群(断食群)」に分けて調査。起床から4時間後、白血球の一種「単球」の血液中における数が断食群で大幅に減少したといいます。断食による脳のストレス反応で、血液中の単球が骨髄に移動して「冬眠」してしまうのだそうです。断食後に食事をすると、単球が一気に血液中に戻り、感染を防ぐ代わりに不要な炎症を起こしてしまうとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 英保健当局、鳥インフルに関する緊急時の対応計画を作成

    2023-02-27

    英保健当局は、鳥インフルエンザウイルスH5N1型がヒトのあいだで大流行するという最悪の事態を想定し、緊急時の対応計画を作成しているそうです。鳥インフルは感染した鳥に直接接触した場合にヒトにうつり、ヒトからヒトに感染するとの証拠は示されていません。しかしウイルスは絶えず進化します。ヒトにおける感染爆発に備えて、専門家は想定される感染者数や重症化の可能性、検査体制、危険な変異に関する情報を取りまとめているとのこと。BBCの記事です。

  • 鳥インフルエンザで11歳少女が死亡/カンボジア

    2023-02-24

    カンボジアで、2014年以来初めてとなる鳥インフルエンザウイルスH5N1型のヒトへの感染が確認されたそうです。患者は同国南東部のプレイベン州に住む11歳の少女です。39度の発熱に加えて、咳やのどの痛みの症状があったといいます。少女は首都プノンペンの病院に運ばれましたが、鳥インフルと診断されて間もなく死亡したとのことです。同国の保健当局は、少女の自宅近くで見つかった野鳥の死骸からウイルスを採取したと発表したそうです。AP通信の記事です。

  • 鼻炎薬の一般的な成分が痙攣や脳卒中を引き起こす可能性

    2023-02-24

    脳の血流が悪くなる可能性があるとして、プソイドエフェドリンを含有する鼻炎薬の安全性に関する再調査が行われるようです。一般的な鼻炎薬や風邪薬に含まれる成分で、鼻の血管に作用することで鼻づまりを改善します。しかし最近、フランスの規制当局がこの薬によるまれな脳への副作用について注意を呼びかけたといいます。英規制当局も、同薬使用に伴う可逆性後頭葉白質脳症(PRES)と可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)について調査を開始するとのこと。BBCの記事です。

  • 腸内細菌叢がカギ 多発性硬化症治療の新たな標的が判明

    2023-02-22

    多発性硬化症(MS)の原因となる慢性炎症を抑える方法が見つかったそうです。米国の研究チームが、腸などのバリア組織に存在する転写調節因子「芳香族炭化水素受容体(AhR)」に着目。MSマウスの実験で、免疫細胞T細胞のAhRの活性を阻害したところ、腸内細菌叢における胆汁酸などの代謝物産生に大変化が起こり、炎症が抑制されたそうです。その結果、マウスはMSから回復。AhRが腸内細菌の炎症促進作用を調整している可能性が示唆されたとのことです。Medical Xpressの記事です。

  • 幹細胞移植を受けたHIV患者、10年近く寛解状態 世界で3例目

    2023-02-22

    白血病治療のために幹細胞移植を受けたドイツの男性(53)が、エイズウイルス(HIV)感染から治癒したそうです。このような症例は世界で3例目。「デュッセルドルフの患者」と呼ばれるこの男性は2008年にHIV感染が判明し、10年に抗レトロウイルス療法を受けたといいます。翌年、男性は白血病と診断され、13年にHIV耐性の遺伝子変異をもつドナーから幹細胞の提供を受けたそうです。9年以上経過した現在も男性のHIV感染は寛解状態にあるとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 65歳以上の乳がん患者への放射線治療、生存率向上には効果なし

    2023-02-21

    65歳以上の乳がん患者は、ホルモン療法を受けていれば術後の放射線治療は不要かもしれません。英国の研究チームが、3cm以下のホルモン受容体陽性乳がんの65歳以上の患者1326人を調査しました。患者はみな手術とホルモン療法を受けていたそうです。術後に放射線治療を受けた人は、受けなかった人に比べて局所再発リスクが低かったといいます。しかし10年後の全生存率は、放射線治療群で80.7%、非放射線治療群で80.8%とほぼ同じだったとのこと。CNNの記事です。

  • 脳卒中で麻痺した手、新脊髄刺激療法で動かせるように

    2023-02-21

    22歳の時に脳卒中を発症し、後遺症で10年近く左半身不随(片麻痺)だった米国人女性が、新たな脊髄刺激療法で左手を動かせるようになったそうです。米国の研究チームが、首の脊髄の表面に金属電極を移植して特定の領域を刺激し、脊髄内の神経細胞を活性化させました。すると弱っていた筋肉の働きが強化され、女性は左の手や腕の動きをコントロールできるようになったそうです。数週間後には、装置がなくても左手が動くようになったとのこと。CNNの記事です。

  • 中国で19歳のアルツハイマー病患者見つかる 世界最年少症例で発症原因は謎

    2023-02-20

    10代の若者でもアルツハイマー病(AD)を発症することがあるそうです。中国の神経内科医が19歳の男性をADと診断。これまでに世界で報告されたAD患者としては最年少だといいます。この患者は17歳ごろから記憶力の低下がみられ、数年間で認知機能障害が悪化したそうです。この患者には、30歳未満のAD発症者のほとんどに見られる遺伝子変異が認められなかったといいます。また、認知機能低下につながる疾患や頭部外傷、家族のAD既往歴もないとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • コロナ感染後10カ月間は再感染・重症化のリスクが低い

    2023-02-20

    新型コロナウイルスの感染によってできる免疫には、予想以上の防御効果があるようです。米国の研究チームが、19カ国で実施された65研究を分析しました。その結果、コロナ感染から少なくとも10カ月間は、どの変異株に対しても良好な感染防御効果が発揮されることが分かったそうです。特に重症化や死亡のリスクについては約90%の抑制効果があるといいます。ただし、今回の調査には現在米国で主流のXBB系統に対するデータは含まれていないとのこと。CNNの記事です。

  • 耐性菌を生まない抗菌薬を発見 米陸軍開発の化合物

    2023-02-18

    耐性菌発生の心配がいらない革新的な「抗菌薬」が存在するそうです。それは、米陸軍が兵士の携帯電話充電用に開発した微生物燃料電池用の化合物。米国の研究チームがその化合物をマウスに投与したところ、治療不可能とされる細菌感染症が治ったそうです。また、検証した全ての細菌に有効な上、細菌はこの化合物に耐性を持つことができなかったといいます。この化合物は細菌の細胞膜に作用し、複数の細胞機能を同時に破壊できるとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 新たな光免疫療法 がん細胞と共有結合する抗体を開発

    2023-02-18

    より正確に腫瘍のみを攻撃する「次世代」の光免疫療法が実現するかもしれません。英国の研究チームが、特定の波長の紫外線(UV)を照射するとがん細胞と「共有結合」を形成する抗体を開発。共有結合は結合力が強いため、薬剤分子が永久に腫瘍に固定されるそうです。腫瘍近くに埋め込んだライトのスイッチを入れると、抗体ががん細胞に結合し攻撃を始めるといいます。最先端の免疫療法よりも、健康な細胞に治療の影響を与えずに済むとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • ピオグリタゾンが2型糖尿病患者の認知症発症リスクを抑制か

    2023-02-16

    2型糖尿病患者にとって、血糖降下薬「ピオグリタゾン」は認知症予防にも有効な可能性があるようです。韓国の研究チームが、同国で新たに2型糖尿病と診断された非認知症患者9万1218人を平均10年間追跡調査。ピオグリタゾンを服用した人は、そうでない人に比べて認知症の発症リスクが16%低いことが明らかに。既往歴がある人ほど効果が高く、虚血性心疾患の人は54%、脳卒中の人は43%、それぞれ服用者の方が認知症リスクが低かったそうです。Medical Xpressの記事です。

  • 開発中の男性用経口避妊薬で、精子の動きが一時的に停止/マウス実験

    2023-02-16

    非ホルモン性の男性用経口避妊薬(ピル)ができるかもしれません。米国の研究チームが、酵素「可溶性アデニリルシクラーゼ(sAC)」に着目。sACは、精子の泳ぎを活性化させるスイッチの役割を果たします。sACを阻害する化合物をマウスに投与したところ、30分~1時間で精子の動きが止まったといいます。そして最初の2時間は100%の避妊効果がみられたそうです。24時間後には精子の動きは普段通りに戻り、副作用も認められなかったとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 服用期間は2週間 即効性ある抗うつ薬候補に期待高まる

    2023-02-15

    うつ病治療が変革期を迎えているようです。米セージ・セラピューティクス社が、米バイオジェン社と共同でうつ病を短期間で改善する治療薬「zuranolone」を開発。臨床試験では、大うつ病性障害や産後うつの症状を改善する効果がみられたといいます。既存の抗うつ薬は長期間の服用が必要ですが、zuranoloneは1日1回の服用を2週間だけ続ければいいそうです。米食品医薬品局(FDA)は、同薬を承認するかどうかを今年8月5日までに決める予定とのことです。INSIDERの記事です。

  • 電子たばこによる健康リスク、紙巻きたばこと変わらず

    2023-02-15

    液体を加熱して蒸気を吸う「電子たばこ」は紙巻きたばこより健康被害が小さいとの考えは間違っているようです。米国の研究チームが、健康な成人72人から採取した口腔内の上皮細胞を調査。たばこ類を吸ったことがない人と比べたDNA損傷レベルは、紙巻きたばこを吸ったことがない電子たばこ愛用者が2.6倍、電子たばこを吸ったことがない紙巻きたばこ愛用者は2.2倍だったそうです。口腔上皮細胞のDNA損傷は慢性疾患リスクに関連するといいます。EurekAlert!の記事です。

  • 真っ赤な野菜「ビーツ」に運動能力を向上させる効果

    2023-02-14

    運動前にビートルート(ビーツ)を摂取すると、良い成績を残せるそうです。ビーツは硝酸塩を多く含有する真っ赤な色をした根菜です。硝酸塩が体内に取り込まれると血管が拡張し、エネルギー燃焼に使われる酸素が筋肉に迅速に運ばれ、疲れにくくなるといいます。大規模な統計的レビューでも、ビーツの摂取で長距離走やサイクリングのパフォーマンスが向上するとの結果が示されたとのこと。ビーツは運動の2~3時間前に取るのがいいようです。ScienceAlertの記事です。

  • 果糖がアルツハイマー病の発症に重要な役割を果たす可能性

    2023-02-14

    古代人が生き残るために必要だった脳内の反応が、現代のアルツハイマー病(AD)を理解するヒントになる――。米国のチームが、そんな研究成果を発表しました。チームによると、フルクトース(果糖)の働きで一部の脳領域の血流が抑制されると、飢餓に備えるための採食行動が促されるのだそうです。食べ過ぎなどで果糖の過剰生成が起き、脳血流が抑制されて脳代謝の低下が慢性的になると、ADの特徴である脳萎縮やニューロン喪失が生じるといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 血管内血栓回収療法、広範囲脳梗塞患者の予後も大幅に改善

    2023-02-13

    器材を使って血管内で治療を行う「血管内血栓回収療法」は、広範囲な脳梗塞を起こした患者にはリスクが大きいとして避けられてきました。しかし、米国のチームが世界の31医療施設で大動脈閉塞による広範囲脳梗塞を起こした患者352人を2群に分けて調査したところ、「常識」と異なる結果が出たそうです。通常と変わりない日常生活を送れる状態に改善した患者は、血栓回収療法を受けた人の20%、内科的な治療のみを受けた人の7%だったとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • キノコの成分に記憶力を高める効果 認知症の予防・治療に役立つ可能性

    2023-02-13

    古くから漢方薬として重宝されてきたキノコの「ヤマブシタケ」が、神経細胞の成長を促進するそうです。豪州の研究チームが、培養した脳細胞を用いて前臨床試験を実施。ヤマブシタケの抽出成分が、神経細胞の成長をコントロールする成長円錐を増大させ、神経細胞間の接続を促すことが分かったそうです。これが記憶力の向上につながるといいます。今回の発見は、アルツハイマー病などの認知機能障害の治療や予防に役立つ可能性があるとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 薬剤性難聴リスクのある新生児を迅速検査で特定/英

    2023-02-11

    一般的な抗菌薬「ゲンタマイシン」の投与によって、まれに聴力を失う新生児がいることを知っていますか。ゲンタマイシンが、音の振動を電気信号に変換する内耳の有毛細胞が傷つけてしまうのだそうです。英国民保健サービス(NHS)は、新たな遺伝子検査キットを使って薬剤性難聴リスクのある新生児を抗菌薬投与前に素早く特定する試みを開始。このキットで口腔内粘膜を検査すれば、わずか26分で難聴リスクの有無が判明するそうです。BBCの記事です。

  • 慢性的な便秘を改善 経口投与の振動カプセル

    2023-02-10

    薬剤以外の方法で慢性便秘症を改善できるそうです。イスラエルのVibrant Gastro社が、大腸を振動で刺激して排便を促す経口カプセル「Vibrant」を開発。昨年8月に米食品医薬品局(FDA)が承認し、このほど米国で本格的に医師の処方が可能になりました。1日1回寝る前に服用すると、腸内の特殊な神経細胞が刺激され、便を押し出す蠕動(ぜんどう)運動が起こるといいます。Vibrantは便と一緒に体外に排出されるそうです。治験では下痢の副作用も少なかったとのこと。CNNの記事です。

  • 臓器と引き換えに囚人の刑期を短縮? 米の法案が物議

    2023-02-10

    臓器提供に応じた受刑者の刑期短縮を可能にする法案が米マサチューセッツ州議会に提出され、物議を醸しています。法案には、受刑者が骨髄か臓器を提供することを条件に、刑期を60日~1年短縮するのを許可する内容が盛り込まれているといいます。しかしこのような措置は非倫理的であるだけでなく、臓器を売買したり報酬と交換したりすることを禁じる米連邦法に抵触する可能性もあります。なお、この法案は議会で否決される見通しとのこと。AP通信の記事です。

  • 中国の研究者が「コロナの新変異株検出されず」と発表 調査方法に疑問の声も

    2023-02-10

    中国の研究チームが、「ゼロコロナ政策」の撤廃から少なくとも最初の数週間は、懸念されていた新型コロナウイルスの新たな変異株は発生しなかったと発表しました。昨年11月14日~12月20日に北京で413の検体を解析。90%以上が既存のオミクロン株の亜型で、新たな変異株発生の証拠はなかったとしています。これに対し、調査の時期が早すぎることや検査数の少なさ、調査地が北京に限定されていることを指摘する専門家もいるようです。Medical Xpressの記事です。

  • ナイジェリアの政治家が臓器売買に関与か 英で裁判

    2023-02-09

    西アフリカのナイジェリアの有力な政治家が臓器の不当な入手を画策したとして、英ロンドンで裁判にかけられているそうです。政治家とその妻は、病気の娘のために腎臓のドナーを探していたとみられます。夫妻はナイジェリアの露天商の男性をロンドンに連れ出し、数千ポンドと引き換えに腎臓を提供させようとしたとされています。男性は仕事のためにロンドンに連れてこられたと信じていたそうです。臓器売買は英国でも犯罪です。AP通信の記事です。

  • 1日1~2杯のアルコール摂取は認知症リスクを低下させる

    2023-02-09

    適度な飲酒は認知症リスクを抑制する可能性があるようです。韓国の研究チームが、2009年と11年に同国で集められた40歳以上の400万人のデータを分析。酒を1日1杯 (純アルコール14g、缶ビール1本相当)程度飲む習慣があると答えた人は、飲酒しないと答えた人に比べて7~8年後に認知症を発症するリスクが21%低かったそうです。認知症の発症リスクは、飲酒量が1日2杯の人は17%低下したものの、3杯以上になると逆に上昇したとのこと。CNNの記事です。

  • アリが尿の臭いを嗅ぎ分けて、がんを検出/マウス実験

    2023-02-07

    アリを使って安価にがんを検出できるようになるかもしれません。フランスの研究チームが、マウスの尿の臭いから腫瘍の有無を識別できるようにアリ70匹を訓練したそうです。すると、アリは尿の臭いを嗅ぎ分けて、ヒトの乳がんを移植されたマウスか否かを正確に特定できるようになったといいます。腫瘍が小さいと尿の臭いはあまり変化しないそうですが、小さな腫瘍を持つマウスも大きな腫瘍を持つものと変わらない精度で検出できたとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 医師免許試験にも合格?「ChatGPT」は医療分野にどんな影響を与えるのか

    2023-02-07

    質問を入力すると自然な文章で回答する「ChatGPT」という対話型のAI(人工知能)が話題になっています。米国では、医療分野におけるChatGPTの有益や欠点を調べるため、タスクフォースが発足しているそうです。あるチームが、三つのステップから成る米国の医師免許試験のサンプル問題を解かせたところ、ChatGPTは専門的な訓練を受けることなく全ステップで合格または合格に近い成績を残したとのこと。病期の診断や論文執筆ができるとの報告もあるそうです。CNNの記事です。

  • シナモンが認知機能低下の抑制に効く?

    2023-02-06

    シナモンに認知機能の低下を抑える効果があるかもしれません。イランの研究チームが、シナモンと脳の関係を調べた、二つの臨床研究を含む40研究を分析。概してシナモンやその成分が記憶と認知機能に好影響を及ぼす可能性が示されたといいます。ただし、全ての人に効果があるわけではないようです。臨床研究のうち一つは前糖尿病段階にある60歳以下の成人を対象にしたもので、シナモンの効果は確認できなかったと結論づけられているそうです。Medical Xpressの記事です。

  • 豪州、うつとPTSDの治療にマジックマッシュルーム成分とMDMAの使用を許可

    2023-02-06

    豪州は、合成麻薬「MDMA」とマジックマッシュルームに含まれる幻覚成分「シロシビン」を世界で初めて医薬品として正式に認めることを決めたようです。7月から、認可を受けた精神科医が心的外傷後ストレス障害(PTSD)の治療にMDMAを、治療抵抗性うつ病の治療にシロシビンをそれぞれ処方することが許可される予定。これらを使用することの長期的な影響に関するデータが不足しているなどの理由から、この決定に慎重な姿勢を示す専門家もいるといいます。ABC Newsの記事です。

  • 高脂肪食の摂取、脳のカロリー摂取量調節能力を損なう可能性

    2023-02-04

    脂質の摂取は、やはり控えた方がいいようです。米国の研究チームが、高脂肪・高カロリーの食事を与え続けたラットを調べたところ、脳と胃腸間のシグナル伝達経路が阻害され、脳が本来持つカロリー摂取量調節能力が損なわれることが分かったそうです。そしてこの調節能力には、脳内のアストロサイト(星状膠細胞)が関与しているといいます。高脂肪食を10~14日間食べ続けたラットは、アストロサイトの反応が鈍くなったとのことです。ScienceAlertの記事です。

  • 超音波のトルネードで、脳の血栓を素早く破壊する装置

    2023-02-04

    米国の研究チームが、脳静脈が血栓で閉塞する「脳静脈洞血栓症(CVST)」を迅速に治療する装置を開発したそうです。この装置は超音波トランスデューサ(変換器)といい、カテーテルに内蔵して血管を通して血栓まで到達させ、そこで超音波のトルネード(らせん状の渦)を作り出して血栓を破壊するといいます。薬剤による血栓の溶解には平均29時間かかるとのことですが、試験管内の実験では、装置を使うと血栓を破壊するのに30分かからなかったそうです。Medgadgetの記事です。

  • 関節リウマチ治療薬で、造血システムが若返る/マウス実験

    2023-02-02

    既存の薬で、高齢者の血液を若返らせることができるかもしれません。米国の研究チームが、血液細胞を作り出す造血幹細胞が存在する骨髄を調査。年を取るにつれて骨髄でサイトカインの一種インターロイキン(IL)-1βが関与する炎症が起こり、造血幹細胞の機能が低下することが分かったそうです。そこでIL阻害薬で関節リウマチ治療薬の「アナキンラ」をマウスに投与したところ、加齢の影響を受けた造血幹細胞が若く健康な状態に戻ったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • オランダで狂牛病の牛1頭を確認

    2023-02-02

    オランダ政府が、同国の農場で死んだメス牛1頭が牛海綿状脳症(BSE)の検査で陽性だったと発表したそうです。BSEは狂牛病とも呼ばれるまれな牛の伝染病。人が感染牛を食べると、致命的な脳症を発症する可能性があります。今回感染が確認された牛は8歳で、肉骨粉などの飼料を介して感染する「定型BSE」ではなく、孤発的に発生する「非定型BSE」だったそうです。当局が、死んだ牛の子や同じ飼料を食べて育った牛の追跡調査を行っているとのこと。AP通信の記事です。

  • 肥満の人の脳萎縮、アルツハイマー病に類似

    2023-02-01

    肥満の人の脳は、アルツハイマー病(AD)患者と同様の変化(神経変性)が起こる可能性があるそうです。カナダの研究チームが1300人の脳を調査。AD患者と健康な人、肥満者と非肥満者をそれぞれ比較し、脳内で情報処理の中心を担う灰白質の萎縮パターンを解析したといいます。その結果、肥満者とAD患者の灰白質が同じようなパターンで薄くなることが明らかになったそうです。ただし、減量によってこのリスクを抑制できる可能性も示唆されたとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • カナダBC州、少量のコカインやヘロイン所持を合法化

    2023-02-01

    カナダのブリティッシュコロンビア州で、コカインやヘロインなどの中毒性が高い麻薬の所持が部分的に合法化されたそうです。これらの麻薬を成人が所持していた場合、2.5gまでであれば罪には問われず、代わりに薬物中毒治療に関する情報が提供されるといいます。同州ではオピオイドなどの麻薬の過剰摂取が社会問題になっています。今回の政策転換はその対策で、薬物依存が犯罪ではなく「健康問題」であるという認識を広めるためとのこと。CBS Newsの記事です。

  • ペットを長期間飼っている高齢者は記憶力が良い

    2023-01-31

    高齢者がペットを飼うと、脳の健康を維持できる可能性があるそうです。米国の研究チームが、50歳を超える米国人2万人の2010~16年のデータを分析。ペットを5年超にわたって飼っていると申告した65歳以上の高齢者は、ペットを飼っていない同年代の高齢者に比べて、言葉に関する短期記憶と長期記憶がはるかに優れていることが明らかになったそうです。ただし、65歳未満の参加者では、このような有意差は認められなかったといいます。ScienceAlertの記事です。

  • 米FDA、コロナ抗体薬「エバシェルド」の緊急使用許可を停止

    2023-01-31

    米食品医薬品局(FDA)が、英アストラゼネカ製の新型コロナウイルスの抗体薬「エバシェルド」について、緊急使用許可を停止したそうです。この薬はワクチンが効きにくい免疫不全者向けの予防薬です。米国では現在、エバシェルドが効かない変異型「XBB.1.5」「XBB」「BQ.1」「BQ.1.1」の感染者が全体の93%近くを占めているといいます。今後はこの薬が効かない変異型の感染者の占める割合が全体の90%以下になった場合に限り、使用が許可されるとのことです。CNNの記事です。

  • ピロリ菌感染で、メラノーマ患者の化学療法効果が低下する可能性

    2023-01-30

    世界の半数以上の人の胃に存在する「ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)」が、悪性黒色腫(メラノーマ)患者における化学療法の治療反応性に影響を及ぼすようです。カナダの研究チームが、化学療法を受けるメラノーマ患者100人を調査。血液によるピロリ菌抗体検査で陽性の人は、陰性の人に比べて免疫チェックポイント阻害薬治療の効果が得られない傾向が強かったそうです。ピロリ菌陽性の患者は、全生存率も有意に低かったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 米FDA、男性と性交渉する男性の献血規制を緩和へ

    2023-01-30

    米国の献血規制が大きく変わるようです。現在米国では、エイズウイルス(HIV)感染のリスクが高いとの理由で、男性と性交渉する男性による献血を「最後の性交渉から3カ月経過している場合」に制限しています。米食品医薬品局(FDA)は1月27日、現在の制限を廃止し、ドナーに性行動などに関する質問票に答えてもらうことでHIV感染リスクを評価するというガイドライン案を公表。男性同性愛者など1600人を対象に行われた研究に基づくものだといいます。AP通信の記事です。

  • 腸内細菌叢とその代謝物が、子宮内膜症の進行促進に関与か

    2023-01-28

    子宮内膜症の発症要因解明や治療につながる研究成果です。米国の研究チームが、腸内細菌叢を除去した子宮内膜症モデルマウスは、腸内細菌叢を持つモデルマウスに比べて子宮内膜症の病変が小さいことを発見。さらに、腸内細菌叢を除去したモデルマウスに子宮内膜症マウスの腸内細菌叢を移したところ、子宮内膜症病変が大きくなったそうです。腸内細菌叢由来の代謝物「キナ酸」が、子宮内膜症の進行に関与する可能性も示唆されたといいます。EurekAlert!の記事です。

  • 映画「アバター」の技術を運動障害疾患の研究に利用

    2023-01-28

    映画「アバター」などでは、人間の動きを記録してCGなどで再現するモーションキャプチャー技術が使われています。英国の研究チームがこの技術を使い、運動機能障害を生じる疾患の研究に活用できる人工知能(AI)システムを開発。フリードライヒ運動失調症(FA)やデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の患者を対象にした調査で、専門医より迅速かつ正確に疾患の進行を予測できることが示されたそうです。新薬開発時の治験に利用する計画もあるといいます。BBCの記事です。

  • 軟部肉腫に微生物叢が存在 予後に影響を与える可能性も

    2023-01-27

    筋肉や脂肪、神経などの軟部組織から発生する悪性腫瘍「軟部肉腫」には、微生物叢は存在しないと考えられてきました。しかし、米国の研究チームによる非転移性軟部肉腫の成人患者15人の調査で、それが誤りであることが分かったそうです。また、微生物叢の量が患者の予後に影響を及ぼす可能性も明らかに。軟部肉腫内に呼吸器疾患を引き起こすレスピロウイルスが多いと、腫瘍を攻撃するナチュラルキラー(NK)細胞の数が増えるのだそうです。Medical Xpressの記事です。

  • オミクロン株対応ワクチンの追加接種、「XBB」系統の発症抑制に有効

    2023-01-27

    新型コロナの最新ワクチンの追加接種には、オミクロン株の派生型「XBB」系統の発症を防ぐ効果があることが分かったそうです。米国ではこの系統の「XBB.1.5」が急拡大しています。米疾病対策センター(CDC)が新たな調査結果を公表しました。それによると、初期のワクチンを接種した上で、従来株とオミクロン株BA.4/BA.5に対応した最新の2価ワクチンを追加接種した場合、XBB系統による発症リスクが抑制されることが明らかになったといいます。USA Todayに紹介されています。

  • 新たに特定された自己炎症性疾患「VEXAS症候群」について知っておくべきこと

    2023-01-26

    最近新たに「VEXAS症候群」という自己免疫疾患が特定されました。その有病率が想定より高いことが分かり、専門家が懸念を示しています。この症候群はUBA1遺伝子変異によって血液異常が起こり、発疹や発熱、関節の腫れなどさまざまな症状が出ます。米国のチームが16万3096人のデータを分析したところ、50歳超の米国人の有病率(推定)は男性が4269人に1人、女性は2万6238に1人。診断から5年以内に約半数が死亡するといい、治療法は研究中とのこと。Healthlineの記事です。

  • HIVワクチン開発に大打撃 J&Jの治験打ち切りに

    2023-01-26

    米ジョンソン・エンド・ジョンソン社が開発中のヒト免疫不全ウイルス(HIV)ワクチンについて、有効性が示されなかったとして後期臨床試験が打ち切られたそうです。この治験は2019年に始まり、PrEP(予防的に抗HIV薬を服用する事)を拒否した男性同性愛者やトランジェンダーの3900人以上が参加したといいます。米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)の報告によると、今回の治験でワクチンの安全性は示されたものの、感染予防効果は認められなかったとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • コロナ感染、胎児の脳出血を誘発する可能性

    2023-01-24

    新型コロナウイルスは胎児の健康に深刻な影響を及ぼすようです。英国の研究チームが、2020年7月~22年4月に選択的人工妊娠中絶をされた661人の胎児の脳組織検体を調査。このうち26検体で脳出血が確認されたそうです。そしてこの26検体すべてから、新型コロナウイルスが検出されたといいます。脳出血の兆候がみられた検体のほとんどが、脳の発達にとって重要な時期とされる妊娠初期の終わりや妊娠中期の初めの胎児のものだったとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 米FDA、コロナワクチン接種「年1回」を検討

    2023-01-24

    米食品医薬品局(FDA)が、新型コロナワクチンの接種方法をインフルエンザワクチンのように原則年1回に簡略化することを検討しているそうです。米国では既に多くの国民がワクチン接種や感染によって既存のウイルスに対して十分な免疫を獲得しており、今後はその年に流行している変異株に対応したワクチンを接種する方法で対応できるといいます。ただし、免疫不全者や乳幼児など一部の人は、2回の接種が必要になる見込みとのことです。AP通信の記事です。

  • 手術前の化学療法で、結腸がんの再発リスクが低下

    2023-01-23

    大腸(結腸)がんの再発リスクを抑制する方法が見つかったかもしれません。英国の研究チームが、英国や北欧の結腸がん患者1053人を2群に分けて調査しました。化学療法について、「術前に6週間と術後に18週間」受けた人は、「術後のみ24週間」受けた人に比べて結腸がんが2年以内に再発するリスクが28%低かったそうです。結腸がんの治療は現在、術後に化学療法を行うのが標準的とのことですが、見直しが必要かもしれません。Health Europaの記事です。

  • イーライリリーのアルツハイマー病新薬ドナネマブ、米FDAが迅速承認を見送り

    2023-01-23

    米食品医薬品局(FDA)はイーライリリー社のアルツハイマー病(AD)新薬「ドナネマブ(Donanemab)」の迅速承認を見送る判断を下しました。薬を最低12カ月間使用した患者の数が少な過ぎたためだそうです。この薬はADの原因と考えられている脳内のタンパク質アミロイドβ(Aβ)を減らし、認知機能低下を遅らせる効果があるといいます。同社側は「Aβの蓄積が予想より早く消失したケースがあり、12カ月間使用しなくてもいい患者がいたため」と説明しているとのこと。CNNの記事です。

  • 米で新たな多剤耐性の淋菌に感染した患者2人を確認

    2023-01-20

    米国で、多くの抗菌薬が効かない淋菌が新たに見つかったそうです。米マサチューセッツ州保健当局がこの新たな菌株に感染した淋病患者2人を特定。2人とも抗菌薬セフトリアキソンの注射で回復したそうです。しかし2人が感染した菌株は、七つ中六つの抗菌薬にある程度の耐性の兆候を示したといいます。患者2人に直接的な関係は認められず、1人は最近の旅行歴がないことから、この菌株が既に州内で広がっている可能性があるとのことです。CBS Newsの記事です。

  • 脳にワイヤーを埋め込み電気刺激を与える処置で、トゥレット症候群の症状が大幅に緩和

    2023-01-20

    トゥレット症候群はチックを引き起こす神経疾患です。米国人の少年患者(17)に、パーキンソン病の治療に使われる外科的処置(DBS)が施され、効果があったそうです。少年は3年前から呼吸困難になるほど制御不能なチック症状に苦しんでいたといいます。米マウント・サイナイ・ウェスト病院が少年の脳にワイヤーを挿入し、神経の活動をコントロールするための電気刺激を与えられるようにしました。少年によると、処置以降チックが70%減少したとのこと。CBS Newsの記事です。

  • 有鉛ガス使用の小型機離着陸の空港近くに住む子ども、血中鉛レベル高く/米

    2023-01-19

    有鉛ガソリンを使う小型航空機が離着陸する空港の近くに住む子どもは、健康に悪影響があるようです。米国の研究チームが、カリフォルニア州のリードヒルビュー空港から2.4km以内に住む6歳未満の子ども1万4000人の血液サンプルを分析。住まいが空港に近いほど、血中鉛レベルの基準値として同州が定めている4.5μg/dLを超える可能性が高かったとのこと。空港から 0.5~1.5kmの距離に住む子どもに、鉛リスクの上昇がみられたといいます。NewScientistの記事です。

  • プロバイオティクス「枯草菌」で黄色ブドウ球菌減少

    2023-01-19

    生きた微生物「プロバイオティクス」を摂取すると、有益な腸内細菌叢に悪影響を与えることなく、さまざまな疾患を引き起こす「黄色ブドウ球菌」のコロニー形成を抑制できるそうです。米国立衛生研究所(NIH)が、体に黄色ブドウ球菌が定着している参加者115人を対象に、タイで第2相試験を実施。プロバイオティクスの「枯草菌」を1日1回、4週間続けて投与された人は、黄色ブドウ球菌が便中で96.8%、鼻腔内で65.4%減少したとのこと。ScienceDailyの記事です。

  • 6分間の激しい運動で、アルツハイマー病リスクが低下する可能性

    2023-01-18

    短時間の激しい運動は、アルツハイマー病など神経変性疾患の発症を抑制するかもしれません。ニュージーランドのチームが、18~56歳の男女計12人を対象に脳由来神経栄養因子(BDNF)を増やす方法を調査。BDNFは、神経細胞の生存や新たなネットワーク作り(神経可塑性)の促進に重要な働きをします。全力で6分間自転車をこぐ高強度の運動は、20時間の断食や90分間ゆっくり自転車をこぐ運動に比べてBDNFが4~5倍増えることが明らかになったそうです。ScienceDailyの記事です。

  • 腸内細菌叢の組成が新型コロナ死亡リスクと関連?

    2023-01-18

    腸内細菌叢は肺の健康にも影響を及ぼすようです。米国の研究チームが新型コロナ患者71人について、集中治療室(ICU)に入院する際に便を採取して腸内細菌叢の組成を分析しました。呼吸不全が進行して死亡した患者はコロナから回復した患者に比べて、プロテオバクテリア門の腸内細菌が多かったそうです。こうした予後不良の患者は、腸内細菌叢由来代謝物質で免疫に関わる二次胆汁酸やデスアミノチロシンが少ないことも分かったといいます。EurekAlert!の記事です。

  • コーヒーが肥満2型糖尿病患者のNAFLD重症化リスクを抑制

    2023-01-17

    肥満気味の2型糖尿病患者は、肝臓の健康のためにコーヒーを多く飲んだ方がいいかもしれません。ポルトガルの研究チームが、肥満気味の中年156人のコーヒー摂取量を調査。2型糖尿病を持つ98人については、尿中代謝物も分析して正確な摂取量を調べたそうです。太りすぎの2型糖尿病患者がコーヒーのカフェインやポリフェノールなどを多く摂取すると、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の重症化リスクが低下する可能性が示唆されたといいます。EurekAlert!の記事です。

  • 難病アラジール症候群の治療薬、ゼブラフィッシュで有望な結果

    2023-01-17

    難病の「アラジール症候群」が移植以外の方法で治せるようになるかもしれません。この疾患は遺伝子異常が原因で、胎児期に体を作るための「Notchシグナル伝達」が正常に起こりません。胆管がうまく成長しないことで肝損傷が起こるケースが多いそうです。米国の研究チームが、このNotch経路を標的とした治療薬「NoRA1」を開発。この疾患に似た遺伝子変異をもつゼブラフィッシュにNoRA1を投与したところ、肝損傷が回復し、生存率も3倍向上したといいます。ScienceAlertの記事です。

  • 簡単な点鼻スプレーで新型コロナを予防?

    2023-01-16

    点鼻薬を毎朝サッとスプレーするだけで、新型コロナを予防できるかもしれません。米国の研究チームが、新型コロナウイルスが細胞に侵入する際、ACE2受容体に結合することに着目。ACE2受容体を持つ「超分子フィラメント」のスプレーを設計しました。おとり役となるこのACE2受容体にウイルスが結合するため、肺細胞への感染が阻止される仕組みです。マウスの実験では、フィラメントは炎症を起こすことなく最大24時間肺の中に存在し続けたといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 中国、コロナ死者は約6万人と公表 WHOは情報公開の継続を要請

    2023-01-16

    中国政府は14日、12月8日~1月12日に同国で新型コロナによって6万人近くが死亡したと明らかにしたようです。発表によると、コロナ感染による呼吸不全で5503人が死亡し、基礎疾患との合併症による死者は5万4435人に上るそうです。この発表を受けて世界保健機関(WHO)は、感染状況の把握に役立つとして歓迎し、今後も詳細なデータを共有するよう中国に求めたといいます。なお、今回の発表には自宅で死亡した患者は含まれていないとのこと。AP通信の記事です。

  • コロナ後遺症 患者の多くが1年以内に回復

    2023-01-13

    新型コロナの軽症患者が後遺症に1年間以上苦しむことは少ないそうです。イスラエルの研究チームが、同国のコロナ軽症患者30万人と非感染者30万人のデータを比較しました。コロナ後遺症に関連する65の症状について調査したそうです。コロナ軽症患者は感染から30~360日後に、息苦しさや思考力低下をはじめとするいくつかの症状について発症リスクが高まるものの、そのほとんどが感染後1年以内に軽快することが示されたといいます。CNNの記事です。

  • アフリカのマラウイでコレラ死者750人 過去20年で最悪の感染状況

    2023-01-13

    アフリカ南東部のマラウイで昨年3月以来、コレラが拡大し続けているそうです。これまでに2万2759人の患者が確認され、死者は750人。最近は1日に約15人が死亡しており、過去20年で最悪の状況だといいます。コレラはコレラ菌に汚染された水や食品を通じて伝染します。同国の保健相は、安全な水やトイレ、衛生的なごみ処理場を確保できない施設に閉鎖を命じたそうです。屋台や市場などで調理済みの食品を売ることも禁止されたとのこと。AP通信の記事です。

  • 水分不足が早期老化や慢性疾患のリスクを高める

    2023-01-12

    健康に長生きするには、水分補給が重要なようです。米国立衛生研究所(NIH)が、45~66歳の米国人1万1000人を25年にわたり追跡調査しました。体内の水分量の指標で、数値が高いと水分を十分に摂取していない可能性がある血液中のナトリウム濃度に着目。参加者はみな正常範囲内の135~146mmol/Lでしたが、144mmol/Lを超える人は早期老化リスクが50%、早死リスクが20%高かったそうです。濃度が142mmol/Lを超えると、心不全や脳卒中などの慢性疾患リスクが上昇したとのこと。NBC Newsの記事です。

  • 睡眠不足で忘れたことはCOPD治療薬を使うと思い出せる?

    2023-01-12

    睡眠不足が原因で失われた記憶が取り戻せるかもしれません。睡眠不足で記憶障害が起こる時は、ある細胞シグナル伝達分子が減少しているそうです。オランダの研究チームが、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の一般的な治療薬「ロフルミラスト」が、その分子レベルを上昇させる効果があることに着目。物の置き場所を覚えた後に睡眠不足状態にされ、記憶が失われたマウスにロフルミラストを投与したところ、置き場所の記憶が回復することが示されたそうです。ScienceAlertの記事です。

  • 米規制当局、ガスコンロの禁止を検討 健康被害を懸念

    2023-01-11

    米国でガスを使ったコンロが使えなくなるかもしれません。米消費者製品安全委員会(CPSC)が、人体に有害な影響を及ぼす可能性があるとして、ガスコンロの使用禁止を検討していることを明言したそうです。昨年12月に発表された研究では、同国における小児喘息症例の13%が屋内でのガスコンロの使用に起因する可能性が示されたといいます。ガスコンロから放出される微小粒子状物質が、認知症やアルツハイマー病の発症率を高める恐れもあるとのこと。CBS Newsの記事です。

  • 次の感染症の脅威を見つけ出す 英でコロナ検査の検体を利用した新プロジェクト

    2023-01-11

    英国で、深刻な呼吸器疾患の原因となるウイルスを追跡するための新プロジェクトが始まるようです。同国の研究機関が政府などと協力し、新型コロナの検査で鼻や喉から採取された何百万もの検体の残りを使い、遺伝子情報を詳細に分析するそうです。インフルエンザウイルスやアデノウイルス、RSウイルスなど呼吸器疾患を引き起こす8~9種類のウイルスについて調べ、次の感染症の脅威を早い段階で見つけ出す戦略だといいます。BBCの記事です。

  • 子どもの肥満、投薬や手術も選択肢に 米で新ガイドライン公表

    2023-01-10

    米国小児科学会が15年ぶりに、小児肥満に関する新たなガイドラインを公表したそうです。肥満に苦しむ子どもに対して、早い段階から積極的に治療を行う必要性を指摘。食事制限や運動だけでなく、12歳以上には投薬、13歳以上には減量手術を検討するべきだと明記しているそうです。投薬や手術の対象とするべき年齢が設定されたのは初めてといいます。ガイドラインの著者は「これまでのような経過観察は効果がない」と述べているとのこと。AP通信の記事です。

  • 米FDA、アルツハイマー病治療薬「レカネマブ」を迅速承認 安全性に懸念の声も

    2023-01-10

    米食品医薬品局(FDA)は1月6日、製薬大手エーザイと米バイオジェンが開発したアルツハイマー病(AD)治療薬「レカネマブ」を迅速承認しました。この薬は早期AD患者の脳から異常なタンパク質のアミロイドβを除去することで、認知機能の低下を遅らせる可能性があるといいます。一方で、脳の腫れや出血などの深刻な有害事象との関連も指摘されています。なお、米国での卸売価格は患者1人当たり年2万6500ドル(約350万円)とのことです。CNNの記事です。

  • コロナ抗原検査で誤った結果が出る理由

    2023-01-06

    新型コロナの迅速抗原検査キットで、誤った結果が出ることがあるのはなぜなのでしょうか。まず、保管時や使用時の温度が不適切だと、結果が不正確になる可能性があるそうです。そして、検査前にコーヒーやコーラなどの酸性の飲み物を飲むと偽陽性になることがあるといいます。歯磨きなどは口腔のウイルスを一時的に除去するため偽陰性につながるとのこと。また、検査のタイミングはウイルスへの暴露から3~5日は待つ必要があるそうです。INSIDERの記事です。

  • CRISPR-Cas9で生きた腫瘍細胞をゲノム編集 がんを殺し予防もするワクチンを開発

    2023-01-06

    米国の研究チームがゲノム編集技術「CRISPR-Cas9」を使い、腫瘍細胞を直接殺すだけでなく、免疫系を訓練してがんの再発を防ぐ作用を持つワクチンを開発したそうです。チームは、不活化しない「生きた」腫瘍細胞の遺伝子を改変。改変した腫瘍細胞は、腫瘍を殺す物質を放出し、さらに免疫系が長期的に腫瘍を攻撃するようになる因子を発現するといいます。この改変した腫瘍細胞を膠芽腫マウスに投与したところ、安全性と有効性が確認できたといいます。EurekAlert!の記事です。

  • 免疫すり抜け、強力な感染力 オミクロン株派生型「XBB.1.5」が米で急拡大

    2023-01-05

    米国で、新型コロナウイルス新規感染者のうち、オミクロン株から派生した「XBB.1.5」感染者の占める割合が昨年12月の1カ月間で4%から41%に急増したそうです。専門家や世界保健機関(WHO)はこの急拡大に懸念を表明。少なくともすでに世界29カ国でXBB.1.5が確認されているといいます。免疫をすり抜ける能力や感染力が強い可能性が指摘されています。XBB.1.5に対するワクチンの効果は調査中で、重症化の割合が高いかどうかは現時点では不明とのこと。CNNの記事です。

  • 中国のコロナ死者数は「過少報告」 WHOが指摘

    2023-01-05

    中国で新型コロナウイルスの感染が拡大する中、世界保健機関(WHO)は中国当局が公表しているデータについて、実際の状況が反映されていないと考えているようです。中国は先月、呼吸器疾患で死亡した患者のみを「コロナによる死者」として計上するよう基準を変更。12月以降の死者はわずか22人としています。WHOはこの定義が狭すぎると指摘。死者数だけでなく、コロナによる入院者数や集中治療室(ICU)の患者数も過少報告されている可能性があるといいます。BBCの記事です。

  • 2022年医学重大ニュース<後編>

    2022-12-30

    USA Todayが2022年医学重大ニュースとして紹介した話題から、新薬に関するものをまとめました。米食品医薬品局(FDA)は10月、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の新薬を承認しました。この薬を巡っては、有効性を疑問視する声や高額な薬価への落胆の声が上がりました。1型糖尿病の発症を遅らせる初の薬も11月に承認されました。8歳以上の未発症者が対象です。このほか、RSVなど各ウイルス感染症に対するワクチンの開発も続けられており、23年には朗報がもたらされるかもしれません。

  • 2022年医学重大ニュース<前編>

    2022-12-29

    2022年の医学の重大ニュースをUSA Todayがまとめています。サクッと1分!でもほとんどのニュースを紹介しています。再読して1年を振り返ってください。1月、米国の研究チームがブタの心臓を男性患者に移植したことを発表。男性は3月に死亡し、原因はブタのウイルスだった可能性があると判明しましたが、異種移植の可能性が示されました。4月には国際チームが、ヒトゲノムの配列の完全解読を発表。幅広い分野での医学的な進歩につながることが期待されています。<つづく>

  • 細菌感染かウイルス感染かを迅速に識別する新たな血液検査

    2022-12-28

    米国の研究チームが、ウイルスと細菌のどちらに感染しているかを識別する血液検査を開発したそうです。チームは世界35カ国の感染症患者からの検体を使い、遺伝子発現データを分析。ウイルスと細菌では、感染した際に、免疫に関係する8遺伝子で発現の仕方が異なることが分かったといいます。開発した検査は30~45分でどちらの感染かを識別。感度、特異度ともに90%とのこと。深刻さを増す抗菌薬の乱用を防ぐ手立てになるかもしれません。Medical Xpressの記事です。

  • 手術中の病理迅速診断の精度を上げるAIツール

    2022-12-28

    米国とトルコの研究チームが、術中迅速病理診断の精度を向上させる人工知能(AI)を開発したそうです。組織をホルマリンで固定する通常の病理診断は正確ですが、時間かかります。そのため手術中は、組織を急速冷凍して観察する術中迅速病理診断が行われます。ただこの方法は、組織が傷つくなどして不正確なことがあるといいます。チームが開発したAIは術中迅速病理診断で使う画像を通常の病理検査で使う高品質な画像に変換できるそうです。Medical Xpressの記事です。

  • 慢性的な腹痛の治療標的を特定 オピオイドが不要になる可能性

    2022-12-27

    内臓の痛みの管理にオピオイドを使う必要がなくなるかもしれません。米国と豪州の研究チームが、2021年のノーベル医学生理学賞の主題として知られ、触覚や温度の受容体である「Piezo(ピエゾ)2」が腸にも存在することを確認。さらに、腸の痛覚に関連する主なイオンチャネルがピエゾ2の仲間であることも判明したそうです。ピエゾ2を標的にすることで、過敏性腸症候群などの胃腸障害にともなう慢性疼痛を治療できる可能性があるといいます。EurekAlert!の記事です。

  • 新たな変異株出現につながる可能性 中国でのコロナ急拡大に専門家が懸念

    2022-12-27

    新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない中国から、新たな変異株が出現する可能性があるとして、専門家が警戒しているようです。中国が公表している同国のワクチン接種率は高いのですが、使用している中国産ワクチンの効果がそもそも低い上に、高齢者の間ではブースター接種率が低いといいます。専門家は「集団免疫が確立していない環境」と指摘し、このような状況は新たな変異株発生の危険性を高めるとの懸念を示しています。AP通信の記事です。

  • カリフォルニア大学が過去の囚人実験を謝罪

    2022-12-23

    米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)が、囚人に対して行った非倫理的な実験について謝罪したといいます。1960年代と70年代に、同大学医学部の皮膚科医2人が、刑務所の医療施設で少なくとも2600人の男性囚人に対して、殺虫剤や除草剤を皮膚に塗布したり、静脈に注射したりしたといいます。UCSFはこれを認め謝罪。被害の程度などを把握するために、さらに分析が必要としています。AP通信の記事です。

  • ゲノム編集技術「CRISPR-Cas9」で拡張型心筋症の治療進歩か

    2022-12-23

    狙った遺伝子を改変するゲノム編集技術「CRISPR-Cas9」を用いて、一般的な遺伝性心疾患「拡張型心筋症(DCM)」を治療できるかもしれません。米国の研究チームが、DCMを引き起こす遺伝子変異を持つヒトの心筋細胞に、CRISPR-Cas9を使用。変異細胞は徐々にDCM固有の特徴を失っていったそうです。同様の遺伝子変異を持つ生後1週間のマウスにもCRISPR-Cas9を用いたところ、発症することなく平均寿命を全うしたといいます。Medical Xpressの記事です。

  • コロナ後遺症「ブレインフォグ」は既存薬で治療できる

    2022-12-22

    「新型コロナ後遺症」で頭がぼうっとする「ブレインフォグ」は、注意欠如・多動症(ADHD)や外傷性脳損傷(TBI)に使われる一般的な薬2種の併用で改善するかもしれません。米国の研究チームが、コロナ後遺症に悩む患者12人を対象にN-アセチルシステイン(NAC)600mgとグアンファシン1mgを就寝時に投与。1カ月後、グアンファシンは2mgに変更されたそうです。調査に最後まで参加した8人全員が、ブレインフォグの大幅な改善を報告したといいます。ScienceAlertの記事です。

  • 1日2杯以上のコーヒーで、重症高血圧患者の心疾患死亡率倍増

    2022-12-22

    重症高血圧の人はコーヒーを飲みすぎないほうがいいようです。日本の研究チームが、40~79歳の男女1万8600人を19年近く追跡調査。血圧が160/100mmHg以上の重症高血圧患者について、1日2杯以上コーヒーを飲む人は全く飲まない人に比べて、心血管疾患で死亡するリスクが2倍高くなることが分かったそうです。コーヒー1杯では、リスクが上昇することはなかったといいます。同じくカフェインを含む緑茶の摂取もリスクには関連しなかったとのこと。EurekAlert!の記事です。

  • 鼻水の色で分かるあなたの健康状態

    2022-12-21

    鼻水の色で健康状態を把握してみませんか。透明な鼻水は正常ですが、量が急増した場合はアレルギーや風邪の引き始めのサインだそうです。白い鼻水が出る場合はたいてい、感染やアレルギーなどで鼻腔が刺激され、腫れている状態だといいます。黄色や緑色の鼻水は、感染と戦っていることを意味するそうです。通常、赤色や茶色の鼻水は血液が原因とのこと。黒色は喫煙が原因で、ヘビースモーカーや肺疾患の人に多く見られるといいます。ScienceAlertの記事です。

  • 胎盤幹細胞で赤ちゃんの先天性心疾患を治療 世界初の試み

    2022-12-21

    英国で世界初の幹細胞技術を使って、生まれつき心臓の大動脈で逆流が生じる疾患を持つ赤ちゃんの命が救われたようです。この赤ちゃんは生後4日で心臓手術を受けたものの状態は改善せず、心機能が著しく低下。そこで、同国の研究チームがドナーの胎盤から採取した幹細胞を赤ちゃんの心臓に直接注入したところ、損傷した心筋が再生したそうです。この赤ちゃんは現在2歳になり、薬や機械の力を借りることなく元気に生活しているといいます。BBCの記事です。

  • 緑色の光で痛みが軽減 マウス実験で仕組みが明らかに

    2022-12-20

    緑色の光には鎮痛効果があるそうです。中国の研究チームがマウスの実験で、鎮痛に視細胞(錐体細胞と桿体細胞)が深く関わっていることを発見。マウスに緑色の光を浴びせて調べたところ、色を感知する錐体細胞を不活性化したマウスは鎮痛効果が全く得られず、明暗を感知する桿体細胞を不活性化したマウスは部分的な鎮痛効果しか得られなかったそうです。緑色の光を浴びると、視細胞が鎮痛に関わる脳細胞を刺激することも分かったといいます。ScienceAlertの記事です。

  • 中国でコロナ患者急増、今冬に感染拡大の波が3回訪れる可能性

    2022-12-20

    中国で新型コロナの感染者が急増しています。中国では今冬、感染拡大の波が3回訪れると予測されており、中国保健当局のトップは「現在第1波が訪れている」との見解を示したそうです。第1波は1月半ばまで続く見込み。第2波は1月21日から始まる旧正月休暇が引き金になり、第3波は人々が仕事に戻る2月末~3月半ばに訪れるとみられています。米国の研究機関によると、中国では2023年に100万人以上がコロナで死亡する可能性があるといいます。BBCの記事です。

  • 全く逆の働きをしていた? 情報伝達物質IL-37が炎症を促進

    2022-12-19

    アイルランドの研究チームが、これまで免疫応答を鎮める役割があると考えられてきた「インターロイキン37(IL-37)」が、実際には全く逆の働きをすることを確認したそうです。自己免疫疾患の一種で皮膚が炎症を起こす「乾癬」の発症には、皮膚のインターロイキン受容体が重要な役割を果たします。チームは、そこにIL-37が結合することを発見。IL-37が適切な方法で活性化されると、強力な炎症促進作用を発揮することが明らかになったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 救命救急室受診者の6%に誤った診断か 米政府機関が調査

    2022-12-19

    米国で年間1.3億人が受診するという救命救急室(ER)で、18人に1人(約6%)に対して誤った診断が下されている可能性があるようです。米政府機関である医療品質研究調査機構(AHRQ)が、2000年1月~21年9月に発表された300近くの研究を分析した結果です。ERでは毎年、740万件の誤診が起きていると推計されるそうです。260万人の患者が回避できたはずの損害を被り、別の37万人は誤診によって回復不能な障害を負ったり、死亡したりしているといいます。CNNの記事です。

  • 2年間の世界のコロナ死者数、実際は3倍の約1500万人か

    2022-12-18

    世界保健機関(WHO)が、新型コロナウイルス感染症による死者数に関する新たな調査結果を公表したようです。より正確な死者数を推定するため、WHOは「実際に生じた死者数」から「パンデミックが起きなかったと仮定した場合の予測死者数」を引いた「超過死亡数」を分析。2020年と21年の2年間で、コロナによって世界で1480万人の超過死亡が発生したとの結論が出たそうです。この数字は、以前報告されていた世界のコロナ死者数の約3倍に当たるとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • コロナ感染による嗅覚・味覚障害、抗体価の高い人がなりやすい

    2022-12-17

    新型コロナウイルスに感染すると、なぜ一部の人だけが嗅覚や味覚に異常を来すのでしょうか。米国の研究チームが、パンデミックの初期にコロナに感染し、回復した患者306人の血液サンプルを調査しました。コロナに対する抗体価が高かった人は、抗体価が平均以下だった人に比べて、嗅覚障害や味覚障害に苦しむ可能性が2倍高かったそうです。患者の免疫応答の強さが、嗅覚や味覚の異常に関連していることが示唆されたといいます。Medical Xpressの記事です。

  • CAR-T細胞療法、脳や脊髄のリンパ腫に有効な可能性

    2022-12-16

    患者自身のT細胞を改変した「CAR-T細胞」で、中枢神経(脳、脊髄)のリンパ腫を安全に治療できるかもしれません。米国の研究チームが、中枢神経系にのみリンパ腫がある患者9人にCAR-T細胞療法薬「アキシカブタゲンシロルユーセル(Axi-Cel)」を投与。腫瘍が、患者の78%で縮小または消失し、67%で完全に消失したといいます。これらの効果は10カ月間続いたそうです。また、脳脊髄液中のCAR-T細胞によって、免疫系が活性化されることも示されたといいます。EurekAlert!の記事です。

  • 人工甘味料が不安症を引き起こす可能性 マウス実験で孫の代まで影響することが判明

    2022-12-16

    低カロリーの食品や飲料に広く使われている人工甘味料「アスパルテーム」が、不安症を引き起こすかもしれません。米国の研究チームが、米食品医薬品局(FDA)が推奨する1日最大摂取量の15%に相当するアスパルテームを含む水を用意。マウスに飲ませたところ、情緒検査で不安を表す行動を多く取り、不安などに関わる脳の偏桃体に著しい変化が見つかったそうです。この影響は、アスパルテームを実際に摂取したマウスの孫の代まで引き継がれたとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • mRNAがんワクチンで、黒色腫患者の再発・死亡リスク低下

    2022-12-15

    米製薬大手のモデルナとメルクは12月13日、mRNA技術を使った個別化がんワクチンが後期第2相(2b)試験で有望な結果を示したと発表しました。対象はステージ3または4の悪性黒色腫(メラノーマ)で既に手術を受けた患者157人。モデルナ開発のワクチンとメルクのがん免疫治療薬キイトルーダを併用した人は、キイトルーダの単独使用者に比べて再発や死亡のリスクが44%低かったそう。重篤な有害事象の発生率は併用群で14.4%、単独使用群で10%だったとのこと。CNNの記事です。

  • 英国、新生児10万人を対象に全ゲノム解析実施へ

    2022-12-15

    英国の国民保健サービス(NHS)は2023年から、健康な新生児10万人に全ゲノムシーケンシング(WGS)を提供するプロジェクトを実施するそうです。治療可能な200近い遺伝子疾患のスクリーニングを行うといいます。このプロジェクトによって、これまで新生児の時点では見逃されてきた、疾患を持つ子どもを数百人特定できると推計されています。高齢になってから発症する一部のがんに関わる遺伝子変異も特定できますが、プロジェクトの対象ではないとのこと。BBCの記事です。

  • 腸内細菌叢組成の不均衡がパーキンソン病発病に関与か

    2022-12-14

    多くの種類の腸内細菌がパーキンソン病(PD)に関与しているそうです。米国の研究チームが、同国最南部に住むPD患者490人と対照群234人の便から直接採取した遺伝物質を調査。調べた257種類の腸内細菌のうち、84種類がPDに関連することが分かったそうです。PD患者では、このうち55種類が異常に増加し、29種類は激減するといいます。こうした広範囲にわたる腸内細菌叢の不均衡が、複数の経路を介してPDを誘発する可能性が示唆されたとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • アトピー性皮膚炎の新薬、治験で有望な結果

    2022-12-14

    アトピー性皮膚炎の新薬候補「rocatinlimab」の治験で有望な結果が得られたようです。米国の研究チームが中等~重度の患アトピー性皮膚炎患者274人に対して、後期第2相(2b)試験を実施しました。この薬は、免疫細胞の表面に発現した分子「OX40」を阻害するモノクローナル抗体です。開始から16週時点で、アトピーの重症度を表す評価指標「EASIスコア」が48~61%低下したといいます。症状の改善は、投薬中止から少なくとも20週間後まで維持されたとのこと。EurekAlert!の記事です。

  • もっと多くの乳がん患者が、乳房温存療法を選択できる可能性

    2022-12-13

    乳房に複数の腫瘍が見つかったからといって、必ずしも全乳房を切除(乳房全摘術)する必要はないようです。米国の研究チームが、片方の乳房に2~3個の腫瘍が見つかり、乳房全摘術の代わりに腫瘍部分の摘出術と放射線照射を受けた40~87歳の女性約200人を追跡調査。腫瘍は全て5cm未満だったそうです。その結果、手術から5年後の再発率はわずか3%で、腫瘍が一つしかない患者が腫瘍摘出術を受けた場合の割合と同等だったといいます。AP通信の記事です。

  • 「塩基編集」で遺伝子改変T細胞を作製 初治療の白血病患者が寛解/英

    2022-12-13

    血液がんの一種であるT細胞急性リンパ性白血病の英国の少女(13)に、「塩基編集」を使った治療が初めて実施されたそうです。塩基編集は、DNAを切らずに特定の塩基を編集して遺伝子を改変する新技術です。英国のチームがこの技術を使って、ドナーから提供されたT細胞を、がん化したT細胞を見つけ出して破壊するよう改変。改変T細胞を少女に投与したところ、がんが抑えられたため骨髄移植を実施し、治療から半年後も寛解が保たれているとのこと。BBCの記事です。

  • 抗パーキンソン病薬、若い1型糖尿病患者の心血管疾患リスクを抑制

    2022-12-10

    子どもの頃から1型糖尿病を持つ人は心血管疾患を発症しやすいことが知られています。米国の研究チームが、これを抑制する方法を見つけたようです。チームは12~21歳の1型糖尿病患者の男女34人を調査。パーキンソン病や2型糖尿病の治療に使われる「ブロモクリプチン」を4週間投与された人はプラセボ群に比べて、収縮期血圧と拡張期血圧が共に低下することが分かったそうです。また、大動脈硬化の改善も確認されたといいます。ScienceDailyの記事です。

  • 口腔細菌と脳膿瘍の関連が明らかに

    2022-12-10

    脳に膿がたまる「脳膿瘍」の予防策として、口腔ケアが重要かもしれません。英国の研究チームが、脳膿瘍で入院した患者87人の記録を調査。原因が特定できなかった患者が52人おり、それらの患者から採取した膿瘍には、原因が特定できた患者に比べて約3倍高い割合で口腔細菌が存在することが分かったそうです。また、咽頭炎や菌血症を引き起こすことがある口腔細菌「アンギノーサス群レンサ球菌」が見つかる割合も有意に高かったとのこと。Health Europaの記事です。

  • アルツハイマー病、軸索の膨張が原因か Aβは「関節的」に関与

    2022-12-09

    タンパク質のアミロイドβ(Aβ)沈着は、アルツハイマー病(AD)発症に間接的に関与しているのかもしれません。米国の研究チームがマウスの実験で、Aβ沈着周辺の神経細胞の軸索が細胞小器官のリソソームの凝集によって膨張したような状態になっており、それが認知機能の低下につながることを発見したそうです。さらに、タンパク質PLD3がリソソーム凝集に関連することも判明。Aβ沈着付近の膨張軸索で、特に高レベルのPLD3が発現することが分かったといいます。ScienceAlertの記事です。

  • スイスで、新種のダニ媒介性ウイルスを初検出

    2022-12-09

    中国で2017年に発見された「Alongshanウイルス(ALSV)」が、スイスで広まっているようです。 同国のチューリッヒ大学が、国内のマダニからALSVを初めて検出したそうです。ALSVはダニ媒介性脳炎ウイルス(TBEV)と同じフラビウイルス科で、発熱や頭痛といった感染した際の主な症状もTBEVに似ているとのこと。21年と22年にスイスの複数地域で採取された非常に多くのマダニからALSVの遺伝子配列が見つかっており、すでにTBEVよりまん延している可能性もあるといいます。Medical Xpressの記事です。

  • ロックダウンの影響で、ティーンエイジャーの脳に変化/米

    2022-12-08

    新型コロナの感染拡大防止のために行われたロックダウンによるストレスで、ティーンエイジャーの脳の加齢プロセスが通常より速いスピードで進んだ可能性があるようです。米国の研究チームが、パンデミック前に撮られた子ども81人のMRI脳画像とロックダウン解除後に撮られた子ども82人のMRI脳画像を分析しました。1年弱のロックダウンを経験したことで、3歳年を取ったのと同等の変化が脳で起きたことが確認されたといいます。ScienceAlertの記事です。

  • 冬に風邪をひきやすい生物学的理由が判明

    2022-12-08

    冬に風邪などが流行するのは、冷たい空気によって鼻で起こる免疫応答が半減することが一因のようです。米国の研究チームが、ヒト組織を使ってウイルスや細菌と戦うために鼻孔の細胞が無数に放出する細胞外小胞(EV)の働きを調査。EVはおとりの役割をし、表面にはたくさんの受容体があるといいます。鼻の中の温度が5度下がるだけで、放出されるEVが42%減り、受容体の数は最大70%減少。病原体を攻撃するEV内のマイクロRNAも半減したとのこと。CNNの記事です。

  • 睡眠中の人工照明による「光害」で、糖尿病リスク上昇

    2022-12-06

    都市部に住むだけで、糖尿病リスクが上昇するかもしれません。中国の研究チームが、中国の成人約10万人のデータを分析。屋外の夜間人工照明が多い地域に住む人は、人工照明が最も少ない地域の人に比べて糖尿病発症リスクが28%高かったそうです。中国の糖尿病症例の900万件以上が、こういった光害に起因するものである可能性が指摘されています。これまでの研究で、薄暗い人工光の中で一晩寝るだけで血糖値が上昇することが分かっているとのこと。CNNの記事です。

  • 家庭用空気清浄機で、COPD患者の心血管の健康が改善

    2022-12-06

    慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者は、自宅の室内空気汚染対策をしたほうがいいようです。米国の研究チームが、平均65歳のCOPD患者85人を6カ月間調査。高性能なHEPAフィルターとカーボンフィルターを搭載した家庭用空気清浄機を46人の患者に自宅で使ってもらったところ、全員が心血管の健康を示すいくつかの指標が改善したそうです。特に、心拍間の時間の変化を表す心拍変動(HRV)は25%増大したといいます。一般的に、健康な心臓はHRVが大きくなるとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 大麻の鎮痛効果、効き目への期待から生じる部分大きく

    2022-12-05

    大麻による鎮痛効果は、「思い込み」が影響している可能性があるそうです。スウェーデンの研究チームが、大麻を疼痛管理に使った20の研究を分析。大麻群とプラセボ群の間で痛みの軽減度合いに差は認められず、両群ともに大幅な痛みの改善が報告されたそうです。これは、効き目があると思い込むことでプラセボ(偽薬)でも効果が出る「プラセボ効果」によるもので、鎮痛作用は本物の大麻成分の効果の67%に相当する可能性があるとのこと。CNNの記事です。

  • 英でA群レンサ球菌感染症の重症化例報告が増加 子ども7人死亡

    2022-12-05

    英保健当局は、子どもの間でA群レンサ球菌(A群溶連菌)感染症が重症化する例が増えているとして、注意を呼びかけたようです。イングランドでは今年9月以降、この菌が肺や血液に侵入して重症化する侵襲性A群レンサ球菌感染症で子ども6人が死亡。ウェールズでも女児1人が死亡したそうです。高熱や発疹が出る猩紅(しょうこう)熱の患者数も高い水準で推移しているとのこと。A群レンサ球菌感染症は通常、春先から初夏にかけて流行します。BBCの記事です。

  • 尿中のギ酸レベルで、初期のアルツハイマー病を特定

    2022-12-04

    簡単かつ安価な尿検査で、アルツハイマー病を早期に発見できるようになるかもしれません。中国の研究チームが、さまざまな重症度のアルツハイマー病患者と正常な認知機能をもつ健康な人を合わせた計574人の尿や血液を分析。アルツハイマー病患者は健康な人に比べて、尿中のギ酸量が有意に多いことが分かったそうです。ギ酸量の増加は、自分だけが物忘れがあることに気づく段階「主観的認知機能低下(SCD)」の人にも見られたとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • HIVワクチン候補、第1相試験で有望な結果 広域中和抗体を誘導

    2022-12-03

    ヒト免疫不全ウイルス(HIV)ワクチンの開発が一歩前進したようです。米国とスウェーデンの研究チームが、18~50歳の健康な成人48人を対象に「eOD-GT8 60mer」と呼ばれるHIVワクチンの第1相試験を実施。このワクチンはウイルスのさまざまな遺伝子変異に応答することができる広域中和抗体の産生を誘導するといいます。8週間間隔で2回接種した36人のうち35人で、広域中和抗体が確認されたそうです。重篤な有害事象は認められず、安全性が示されたとのこと。CNNの記事です。

  • アルツハイマー病新薬レカネマブ、第3相試験で有効性確認 安全性に懸念も

    2022-12-02

    製薬大手エーザイなどが開発するアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」に関する第3相試験の結果が公表されたそうです。治験は早期アルツハイマー病患者1795人に行われました。投与開始から18カ月時点で、レカネマブ群はプラセボ群に比べて認知症状の悪化が27%抑制されたそうです。一方でリスクについても示されています。脳出血はレカネマブ群の17.3%、プラセボ群の9%で発生。脳浮腫はレカネマブ群の12.6%、プラセボ群の1.7%で認められたとのこと。CNNの記事です。

  • 米FDA、腸炎への糞便移植製品を初承認

    2022-12-02

    健康な人の便から作られるフェリング・ファーマ社の「Rebyota」が、医薬品グレードの糞便移植製品として初めて米食品医薬品局(FDA)に承認されたようです。Rebyotaの対象は、クロストリジウム・ディフィシルによる腸炎を再発し、抗菌薬治療を受けたことがある成人患者です。直腸から行う投与は、1回で完了するといいます。臨床試験では、Rebyota 群の70%で8週間後に症状が解消したのに対し、プラセボ群で症状が解消したのは58%だったとのことです。AP通信の記事です。

  • 変形性膝関節症、コルチコステロイド注射で悪化の可能性

    2022-12-01

    変形性膝関節症(膝OA)の治療によって、かえって状態が悪化する可能性があるようです。米国の研究チームが、X線またはMRIの画像を使って膝OAの進行を2年以上追跡したそうです。コルチコステロイド注射を受けた人は、ヒアルロン酸注射を受けた人や何も治療を受けなかった人に比べて膝軟骨の退行性変化が進んでいることが分かったといいます。ただし、画像上で悪くなっていても、患者が感じる痛みは悪化していない場合もあるとのことです。CNNの記事です。

  • アルツハイマー病新薬「レカネマブ」の治験で2件目の死亡例

    2022-12-01

    製薬大手エーザイのアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」の治験に参加した65歳の女性が死亡したそうです。脳卒中を発症した女性に血栓溶解薬tPAを投与したところ、脳内で大量出血が起きたといいます。この薬の治験参加者が死亡するのは2例目で、2人ともタンパク質アミロイドβ(Aβ)が血管壁に沈着することによって血管がもろくなる脳アミロイドアンギオパチー(CAA)があったそうです。CAA患者に対するAβ除去の危険性が指摘されています。Medical Xpressの記事です。

  • 尿路感染症の舌下錠ワクチン、動物実験で有望な結果

    2022-11-30

    尿路感染症(UTI)の治療に抗菌薬が必要なくなるかもしれません。米国の研究チームが、尿路感染症を引き起こす尿路病原性大腸菌(UPEC)に対するワクチンを開発したそうです。舌下錠で、成分が粘膜を透過するよう設計されているといいます。UPECに対する免疫応答が尿路で誘導されることが確認されたとのこと。マウスやウサギの実験では、抗菌薬と同等の有効性が認められたうえ、繰り返し使用しても胃腸障害の副作用は起きなかったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • サル痘の名称を「M痘」に変更へ WHOが発表

    2022-11-30

    世界保健機関(WHO)は11月28日、今年に入って欧米を中心に感染が拡大した「サル痘(monkeypox)」の名称を「M痘(mpox)」に変更することを推奨すると発表しました。混乱を避けるため、1年間は新旧両方の名称を併用する予定だそうです。サル痘の名称の由来は、このウイルスが最初にサルから見つかったためです。しかし自然宿主はまだ明らかになっていません。サル痘の名称は差別や偏見につながる懸念があることから、WHOが新たな名称を公募していたといいます。CNNの記事です。

  • 米FDA、血友病Bの遺伝子治療薬を承認 薬価は世界最高

    2022-11-29

    CSLベーリング社が開発した血友病Bのための遺伝子治療薬「Hemgenix」が、米食品医薬品局(FDA)に承認されたそうです。この薬は、ウイルスをベースにしたベクター(運び屋)が、血液凝固に関わるDNAを肝臓の標的細胞に送達するといいます。必要な価格は投与1回当たり350万ドル(約4億8600万円)で、医薬品としては世界最高額。しかし、血友病Bの既存薬も非常に高額なうえ定期的な治療が必要なのに対し、Hemgenixはたった1回の静脈点滴ですむそうです。ScienceAlertの記事です。

  • 街路樹が多く植えられた地域は住民の死亡率が低い 米国の調査で明らかに

    2022-11-29

    地域の緑を増やすことで、都市部の人の寿命を延ばすことができるようです。米農務省が率いる研究チームが、オレゴン州ポートランドで1990~2019年に実施された植樹活動のデータを使って分析。街路樹が多く植えられた地区の死亡率は低く、特に男性や65歳以上の高齢者における心血管疾患による死亡や、事故など以外の非偶発的な死亡が減少したといいます。また、樹木の高さが高い地区の人ほど、死亡率が低くなる傾向にあることも明らかになったとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 中国、コロナ新規感染者数が過去最多 一部地域で事実上のロックダウン

    2022-11-25

    ゼロコロナ政策が続く中国で11月23日、新型コロナの新規感染者が3万1527人確認されたそうです。2022年4月に記録された2万8000人を上回り、過去最多を更新。同国は数週間前に一部の規制を緩和していたそうです。しかしその後、北京や広州などの大都市を中心に感染が再拡大し、現在一部地域では飲食店や学校が閉鎖されるなど事実上のロックダウンになっているといいます。長引く厳しい規制が、経済や市民生活に大きな打撃を与えているとのこと。BBCの記事です。

  • 流産や中絶の後、次の妊娠まで6カ月待つ必要はない

    2022-11-25

    流産や中絶後に再び妊娠するまで6カ月間空けることを推奨する世界保健機関(WHO)のガイドラインは、見直される必要があるようです。豪州の研究チームがノルウェーで、流産後の出産4万9058件と中絶後の出産2万3707件を調査。流産から6カ月未満での妊娠は、6~11カ月後の妊娠と比べて胎児発育不全リスクが低いことが明らかに。また、流産や中絶から3カ月未満での妊娠は、有害な妊娠転帰(結果)のリスク上昇に関連しないことも分かったそうです。Medical Xpressの記事です。

  • 風土病とされてきた土壌中の真菌による肺感染症、米全土に広がり

    2022-11-24

    日本でも似たような事が起こるかもしれません。米国で、これまで一部地域の風土病とされていた土壌の真菌による感染症が全土で確認されるようになってきたそうです。同国の研究チームが、公的医療保険の請求データから、2007~16年の真菌性肺感染症の症例数を郡ごとに推計。3143郡のうちヒストプラズマ症は1806郡、ブラストミセス症は547郡、コクシジオイデス症は339郡でそれぞれ確認されており、これらの郡は全州に散らばっているといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 「善玉コレステロールで心臓病リスク予測」は見直す必要がある

    2022-11-24

    善玉コレステロールと呼ばれる「HDLコレステロール(HDL-C)」は、これまで考えられていたほど心臓病リスクの予測に有用ではないかもしれません。米国の研究チームが、45歳以上の成人数千人の10年にわたるデータを分析しました。HDL-Cレベルが低い白人は心臓発作リスクが高かったものの、黒人には同じことは当てはまらなったそうです。さらにどちらのグループでも、HDL-Cレベルが高いと心血管疾患リスクが低下するとの結果は見られなかったといいます。CNNの記事です。

  • 30年前の凍結胚が無事赤ちゃんに 米で「双子」誕生

    2022-11-23

    1992年4月22日に凍結された胚を使って、米オレゴン州の女性が「双子」の赤ちゃんを出産したそうです。この凍結胚は、別の匿名夫婦(夫は当時50代前半、妻は当時34歳)によって提供されたもの。無事に生まれた凍結胚の保存期間としては今回の30年が世界最長だといいます。2022年2月28日に融解した凍結胚五つのうち三つが移植可能で、3月2日に三つ全てを女性に移植。そして二つの胚が妊娠につながり、10月31日に無事に2人を出産したとのこと。CNNの記事です。

  • がんワクチンで、膠芽腫患者の生存期間が延長/第3相試験

    2022-11-23

    患者本人の免疫細胞(樹状細胞)を取り出し、脳腫瘍を標的にするように設計して作ったワクチン「DCVax-L」が、臨床試験で有望な結果が出たようです。英国などの研究チームが、標準治療を受ける成人の膠芽腫患者331人に第3相試験を実施。初発膠芽腫患者では、追加の化学療法と共にDCVax-L投与を受けた群の平均生存期間は19.3カ月で、対照群の16.5カ月を上回ったそうです。再発患者における平均生存期間は、DCVax-L群が13.2カ月で、対照群は7.8カ月だったとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 英国で2歳児が死亡 家庭で発生するカビの危険性と対策方法

    2022-11-22

    英国で2歳の男の子が、カビ(真菌)が原因の呼吸器疾患で死亡したそうです。カビによる健康被害を防ぐにはどうしたらよいのでしょうか。カビは湿った場所で繁殖し、その胞子はいたるところに存在しており、空気中に放出されているそうです。これを吸い込むと、喘息や感染症、アレルギーなどのリスクが高まるといいます。家庭でのカビの主な原因は結露だそうです。「換気をよくして湿度を下げる」「水滴をぬぐう」などの対策が有効とのこと。BBCの記事です。

  • 米FDA、初の1型糖尿病予防薬を承認 発症前の患者特定がカギに

    2022-11-22

    米食品医薬品局(FDA)が11月17日に、1型糖尿病の発症を遅らせる初の薬「Teplizumab(テプリズマブ)」を承認しました。米Provention Bio社が開発した薬で、インスリンを産生する膵(すい)臓の膵β細胞に対し、免疫細胞が誤って攻撃を与えることを抑制するといいます。膵β細胞を攻撃する自己抗体と血糖値異常が検出された8歳以上の未発症者を対象に静脈内投与するそうです。スクリーニング検査によって発症前段階の患者を早期に特定することが課題とのこと。CNNの記事です。

  • 新型コロナの治験めぐり、「FDAの監督は不十分」と専門家が非難

    2022-11-21

    新型コロナのワクチンや薬が猛スピードで開発された裏側で、米食品医薬品局(FDA)の監督が不十分だったと豪州のジャーナリストが指摘しています。153あったファイザーのワクチン治験施設のうち、FDAが承認前に査察したのは9施設のみ。モデルナ製ワクチンやコロナ治療薬レムデシビルの査察にも同様の少なさだったそうです。データ捏造などの問題が指摘された施設もあったのですが、その施設は調査さえ行われていないとの告発もあるといいます。Medical Xpressの記事です。

  • ハンセン病の原因菌「らい菌」活用で、肝臓を再生できる可能性

    2022-11-21

    ハンセン病を引き起こす「らい菌」の隠れた能力が、肝臓病の新しい治療法の開発につながるかもしれません。英国の研究チームは、アルマジロがらい菌に感染することに着目し、感染したアルマジロの肝臓を調査しました。すると、らい菌は細胞の健康な成長を促し、肝臓の大きさを2倍にする能力があることが分かったそうです。細胞のDNAを分析したところ、らい菌の作用で肝細胞が発達の初期段階に若返っていることが確認されたといいます。BBCの記事です。

  • ロシュ開発中のアルツハイマー病治療薬、第3相試験で効果認められず

    2022-11-20

    スイス製薬大手ロシュ社が、開発中のアルツハイマー病(AD)治療薬「ガンテネルマブ」について、早期AD患者における記憶障害の悪化などを抑制する効果は認められなかったとする治験(第3相)の結果を公表したそうです。ガンテネルマブは、AD患者の脳内に蓄積することで知られるタンパク質のアミロイドβ(Aβ)を除去するよう設計されています。しかし今回の治験結果によると、Aβの減少レベルは想定より低いものだったといいます。CNNの記事です。

  • アルツハイマー病治療薬アデュカヌマブ、承認時の証拠を問題視する声

    2022-11-20

    米食品医薬品局(FDA)が承認したアルツハイマー病治療薬「アデュカヌマブ」について、承認をいったん保留にするべきとの声が一部の研究者から上がっているようです。研究者たちは、疾患の原因がタンパク質アミロイドβ(Aβ)の沈着であるとする仮説に疑問を呈し、さらに承認時の証拠としてアミロイドPET検査の結果が使われたことを問題視。PET検査の結果は、Aβの減少ではなく、薬による脳損傷の増加を示している可能性があると指摘しています。Medical Xpressの記事です。

  • 「大麻はたばこより安全」は間違い

    2022-11-19

    大麻はたばこより安全だという考えは間違っているかもしれません。カナダの研究チームが、「大麻とたばこの両方を吸う人56人」と「25年以上たばこを吸うヘビースモーカー33人」の胸部CT画像を比較。大麻とたばこを吸う人の75%、たばこのみを吸う人の67%にそれぞれ肺気腫が見られたそうです。一見すると小さいように思うこの8%の差には大きな意味があり、大麻の使用がたばこのみの喫煙以上に肺にダメージを与える可能性が指摘されています。CNNの記事です。

  • 経膣分娩と帝王切開、生まれた子どものワクチン効果に差

    2022-11-19

    産道を通る時に母親の膣内の細菌を受け継ぐことは、赤ちゃんにとってメリットがあるそうです。英スコットランドとオランダの研究チームが、正期産で生まれた健康な赤ちゃん120人の腸内細菌叢を1歳まで追跡調査。経膣分娩児はビフィズス菌や無害な大腸菌を多くもつことが分かったそうです。こうした腸内細菌の影響で、経膣分娩児の肺炎球菌や髄膜炎菌のワクチンによる抗体レベルは、帝王切開児に比べて倍増する可能性が示唆されたとのこと。BBCの記事です。

  • コロナワクチン後の発熱と抗体価に関連性はあるのか 岡山大が調査

    2022-11-18

    新型コロナワクチン接種後に発熱のある人は、高い抗体価が得られるのでしょうか。岡山大学が、モデルナ製mRNAワクチンの3回目接種を受けた49人を調査。接種後に発熱した人は、そうでない人に比べてワクチン接種1週間後の抗体価が大幅に高かったそうです。しかし接種1カ月後になると、発熱の有無と高い抗体価の間に関連性は認められなかったといいます。発熱は、20~49歳の若年層やアレルギーの病歴がある人の間で多く見られたとのこと。EurekAlert!の記事です。

  • 前十字靱帯の断裂に手術は不要? リハビリのみで治癒も

    2022-11-18

    前十字靱帯(ACL)損傷が自然に治癒することはないとする「常識」が覆るかもしれません。豪州の研究チームが、ACLを断裂した18~35歳のプロスポーツ選手ではない一般の人のデータを分析。再建術を受けずにリハビリテーションのみを行った人の53%で、損傷から2年後にACLが治癒していることがMRI画像から明らかになったそうです。この人々は再建術を受けた人々に比べて、損傷から2年後の膝の痛みや機能、QOLに関する満足度も高かったとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • アルツハイマー病の研究者が主張 「症状が現れる前に診断すべき」

    2022-11-17

    症状が現れる前から、脳スキャンでアルツハイマー病(AD)を見つけることができるようです。スウェーデンの研究チームが、認知機能に問題のない1325人を調査。PET検査で、ADに関係すると考えられているタンパク質のアミロイドβ(Aβ)とタウが脳に見つかった人は、その後数年間でADを発症するリスクが20~40倍高かったそうです。チームは、Aβとタウの両方が脳に存在する場合、認知機能の低下がなくてもADと診断するべきだと考えているといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 後遺症のない髄芽腫治療のカギか マウス実験で酵素を特定

    2022-11-17

    小児悪性脳腫瘍「膠芽腫」の既存の治療法は、子どもの脳の発達を妨げるという後遺症が問題になっています。それを回避する方法が見つかったかもしれません。カナダの研究チームが、最も悪性度の高いMYC遺伝子増幅型の髄芽腫のモデルマウスで調査。「DHODH」と呼ばれる酵素の産生を阻害すると、腫瘍の増殖が止まり、健康な脳細胞や神経細胞は悪影響を受けないことが分かったといいます。臨床試験に到達するまでには数年かかる見込みとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 腸内細菌叢が健康状態を決める? 血中代謝物の組成に大きく影響

    2022-11-16

    人間の健康状態を反映するとされる「血中代謝物」の組成が、人によって違うのはなぜでしょうか。米国の研究チームが、1500人以上から検出された930の血中代謝物を分析しました。検出された代謝物の60%以上が、腸内細菌叢または遺伝的要因と関連していることが明らかになったそうです。そしてこのうち69%は、腸内細菌叢が単独で影響を及ぼしていることが分かったといいます。一方、遺伝的要因が単独で代謝物に関与する割合は15%だったとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • カギは未知のニューロンか 電気刺激で脊髄損傷患者が歩けるように

    2022-11-16

    歩行能力の改善に関わる未知のニューロンが特定されたようです。スイスの研究チームが、脊髄損傷による重度または完全麻痺がある患者9人を調査。週4~5回のペースで5カ月間にわたり脊髄硬膜外電気刺激とリハビリテーションを併用した治療を行ったところ、全員が歩行器具を使って歩けるようになったそうです。モデルマウスでこの理由を探ったところ、「SCVsx2::Hoxa10」と呼ばれるニューロンが歩行能力の改善に関与していることが分かったといいます。ScienceAlertの記事です。

  • 話せなくなった患者の脳波を読み取り、単語をスペリング

    2022-11-15

    米国の研究チームが、脳波を分析して文字に変換する神経機能代替装置を脳卒中で話せなくなった男性の脳に移植し、文字をつづらせることに成功したそうです。各アルファベットに対応する決められた単語があり、例えばアルファベットの「A」をつづりたい時は、男性が「Alpha」と言おうとすると装置が読み取るといいます。これを繰り返すことで単語や文章としてスペリングしたものがモニターに表示でき、1150以上の単語を読み取れたとのことです。ScienceAlertの記事です。

  • 世界初 ポンペ病を胎児の段階から治療

    2022-11-15

    ポンペ病は、必要な酵素が生まれつき不足することで筋力が低下し、ほとんどが生後1年以内で死に至るまれな遺伝性疾患です。米国とカナダの研究チームが女の子の患者に、胎児の段階から酵素を補充する治療を世界で初めて実施したそうです。酵素は、妊娠24週ごろから隔週で6回にわたり、母親の腹部に針を刺してへその緒に送られたといいます。生まれた後も治療は続いていますが、女の子は1歳4カ月現在も順調に成長しているとのこと。AP通信の記事です。

  • 実験室で作られた血液を最初の2人に投与 世界初の臨床試験

    2022-11-13

    献血協力者に頼らず、輸血用血液を確保できるようになるかもしれません。英国の研究チームが、献血された血液から赤血球になることができる幹細胞を採取し、大量の赤血球を作製したそうです。2人に対して世界初の臨床試験が始まっており、少なくとも4カ月の間隔をあけて5~10mlの「実験室の血液」と「通常の血液」を2回輸血するといいます。実験室で作られた赤血球のほうが、体内で長持ちすることが期待されているそうです。BBCに紹介されています。

  • 眼疾患治療薬「ベルテポルフィン」がコロナウイルスの複製を阻害

    2022-11-13

    目の病気である脈絡膜新生血管の治療薬「ベルテポルフィン」が新型コロナ治療に有効かもしれません。器官の大きさを制御する細胞内の「Hippoシグナル伝達経路」が活性化すると、ウイルスの複製が抑えられることを米国の研究チームが確認。この経路はタンパク質「YAP」の働きで不活性化するため、ヒト培養細胞をYAP阻害薬のベルテポルフィンで処理してコロナに感染させたところ、ウイルスが検出可能レベルを下回ることが分かったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 多発性硬化症患者を救う「薬の切り替え」

    2022-11-12

    副作用などが原因で多発性硬化症(MS)の再発予防薬「フィンゴリモド(商品名・イムセラ、ジレニア)」の服用を中止する場合、次にどの薬を選択すればいいのでしょうか。豪州の研究チームが、世界最大のMSデータベースで薬の有効性を調査。再発寛解型MS患者がフィンゴリモドから「オクレリズマブ」か「ナタリズマブ(商品名・タイサブリ)」に切り替えると、再発回数が抑制され、身体の機能障害も安定または改善することが分かったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • コロナmRNAワクチン後の心筋炎リスク、ファイザーとモデルナで比較

    2022-11-12

    新型コロナのmRNAワクチン接種後に起こる心筋炎・心膜炎リスクについての研究結果です。カナダの研究チームが、ブリティッシュコロンビア州でモデルナ製かファイザー製のワクチンを2回接種した18歳以上の人を調査。2回目接種から21日以内に心筋炎や心膜炎を発症した割合は、接種100万回当たりモデルナ製が35.6例、ファイザー製は12.6例だったといいます。モデルナ製のリスクが約3倍高いことが分かりましたが、発症は非常にまれなケースとのこと。EurekAlert!の記事です。

  • インフルワクチンに、成人の脳卒中リスク抑制する効果

    2022-11-11

    カナダの研究チームが9年間にわたる400万人以上のデータを分析し、インフルエンザワクチンを打つと脳卒中のリスクが低くなることを明らかにしたそうです。ワクチンを受けた人は、その後6カ月間の脳卒中発症リスクが有意に低下することが判明。これは、脳卒中リスクが高い人だけに限らず、全ての成人に当てはまったといいます。これまでの研究で、インフルワクチン接種は心臓病の人の心臓発作リスクを下げることが知られています。Medical Xpressに紹介されています。

  • さまざまなインフル株の感染を防ぐmRNAワクチン

    2022-11-11

    国際研究チームが、mRNA技術を使った新たなインフルエンザワクチンを開発したそうです。このワクチンは、ウイルス株間でほとんど変化が起きないとされる▽マトリックスタンパク質2(M2)▽ヘマグルチニン(HA)の茎部分▽核タンパク質▽ノイラミニダーゼ(NA)――の四つのタンパク質を標的としたものだといいます。マウスを使った感染の実験では、このワクチンがさまざまなインフル株に幅広く対応できる可能性が示されたとのことです。Medical Xpressの記事です。

  • 膵臓がんは、3年早く診断できる

    2022-11-10

    「体格指数(BMI)」と「糖化ヘモグロビン(HbA1c)値」を定期的に測定することで、膵(すい)臓がんを早期に発見できる可能性があるようです。英国の研究チームが、膵臓がん患者8777人と対照群3万4979人のデータを分析しました。膵臓がん患者には、正式な診断を受ける2年前から急激な体重減少が見られたそうです。HbA1c値の上昇は、診断の3年前から認められたといいます。糖尿病をもつ人の体重減少や、原因不明の高血糖症には特に注意が必要とのことです。EurekAlert!の記事です。

  • 「マジックマッシュルーム」の臨床試験 重度のうつ病治療に有望な結果

    2022-11-10

    マジックマッシュルームの幻覚成分「サイロシビン」が、うつ病の治療薬として使われるようになるかもしれません。英国の研究チームが、欧米10カ国から重度のうつ病患者233人を集め臨床試験を実施。サイロシビン25mgを含んだ錠剤を1錠投与し、心理療法を行うと、3週間後に3分の1の患者が寛解状態になったそうです。12週間経過した時点でも、5分の1の人に有意な改善が見られたといいます。ただし、副作用が認められた患者もいたとのこと。BBCの記事です。

  • パルスオキシメーターの精度に人種間格差 米FDAが会合

    2022-11-10

    パルスオキシメーターで測定した有色人種の血中の酸素濃度(酸素飽和濃度)が不正確であるとの研究結果が相次ぎ、米当局が調査に乗り出したそうです。肌の色が濃いと実際よりも高い値が出てしまうといいます。米食品医薬品局(FDA)は、この機器への懸念について話し合う専門家会議を招集。患者や医師への提言、精度を担保する方法を協議したとのことです。まずは医療従事者が、測定値が不正確である可能性を知ることが重要だといいます。AP通信の記事です。

  • ファイザー、RSVワクチンを年内にも承認申請へ

    2022-11-10

    ファイザー社が開発中のRSウイルス(RSV)ワクチンの臨床試験で、有望な結果が得られたそうです。同社は年末までに米食品医薬品局(FDA)に承認申請を提出する予定。このワクチンは妊婦向けで、母親の体内で作られた抗体が胎児に渡るよう設計されているそうです。生後間もない乳児をRSVから保護する効果があるといいます。臨床試験では、生後3カ月までのRSVによる重症化を82%、医療機関への受診を50%、それぞれ防ぐ効果が認められたとのこと。CNNの記事です。

  • わずか2時間でマウスに抗うつ効果をもたらす新薬

    2022-11-08

    安全で即効性のある抗うつ薬ができるかもしれません。中国の研究チームが、うつ症状を改善するためには、セロトニントランスポーター(SERT)と神経型一酸化窒素合成酵素(nNOS)の相互作用の遮断が有効であると考え、その作用を持つ新薬「ZZL-7」を開発。マウスに注入したところ、内側前頭前皮質のセロトニンレベルが上昇するという、うつ症状が軽減する現象が起こったそうです。薬の効果は2~3時間以内に現れ、副作用も少ない可能性があるとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • インフルとRSが融合した「ハイブリッドウイルス」

    2022-11-08

    実験室での研究中に、全く異なる二つのウイルスが融合した「ハイブリッドウイルス」が見つかったそうです。英国の研究チームが、A型インフルエンザウイルス(IAV)とRSウイルス(RSV)をヒト肺細胞に同時に感染させる研究を行っていたところ、RSVの表面タンパク質を得たIAVを発見。このハイブリッドウイルスはIAVに対する免疫系を回避し、広範囲のヒト細胞に感染できるそうです。ウイルスが肺深部に到達し、重症化につながる可能性もあるといいます。ScienceAlert記事です。

  • 鼻をほじる行為が認知症を誘発する可能性

    2022-11-07

    認知症リスクを抑えたければ、鼻をほじるなどといった鼻の内側を傷つける行為は極力控えた方がいいかもしれません。豪州の研究チームがマウスの調査で、細菌の肺炎クラミジアが、鼻の嗅神経から脳に直接侵入することを実証したそうです。この細菌の侵入に対し脳細胞は、タンパク質「アミロイドβ」を蓄積させるというアルツハイマー病の特徴となる反応を起こすといいます。チームは、ヒトにも同様の経路が存在するかを確認するとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 開発中のアルツハイマー病新薬「レカネマブ」 治験参加者1人死亡か

    2022-11-07

    製薬大手エーザイが開発中のアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」が原因で、治験参加者が死亡した可能性があると医療メディアStatが報じたそうです。同薬については、今年9月に第3相試験で有望な初期結果が得られていました。しかし、被験者の1人が脳出血で死亡していたことが分かったそうです。治験責任医師は、出血がレカネマブに関連するものだと結論付けたといいます。一方エーザイは、他の要因が影響した可能性にも言及したとのこと。CNNの記事です。

  • ドイツ、大麻の合法化計画を発表 近くEUに承認を求める方針

    2022-11-06

    ドイツ政府が、娯楽目的の大麻の所持や販売などを条件付きで解禁する計画案を公表したそうです。それによると、最大30gの大麻の購入や所持を合法化。認可を受けた店が、成人に娯楽目的の大麻を販売することも認められるそうです。私的な大麻草栽培も、3株まで許可されるといいます。今回の合法化は、闇市場対策にもなるようです。同国は近く欧州連合(EU)に対し、この計画案がEU法に沿ったものであるか承認を求めるとのことです。AP通信の記事です。

  • 甘い味? 中国で吸入型コロナワクチンの提供始まる

    2022-11-06

    中国上海市が、口から吸うタイプの新型コロナワクチンの接種を開始しました。このワクチンは、同国のカンシノ・バイオロジクスが開発したといいます。既存のコロナワクチンを接種済みの人を対象に、無料で提供されるそうです。短いノズルから霧状のワクチンをゆっくりと吸入し、5秒間息を止めるだけで完了するとのことです。接種した人からは「ミルクティーを飲んでいるようだ」「甘い味がした」との感想が出ていたといいます。AP通信の記事です。

  • 自閉症マウスの社会性が改善 高気圧酸素治療で

    2022-11-05

    自閉症の人の社会性を高める方法が見つかったかもしれません。イスラエルの研究チームが、気圧を高めた部屋で100%濃度の酸素を吸入させる「高気圧酸素治療」に着目。自閉症の遺伝子変異を持つマウスに対して、1時間の高気圧酸素治療を計40回実施したところ、自閉症に関連する脳内の神経炎症が軽減したそうです。さらに、マウスの社会的関心が高まり、初対面の相手と一緒に過ごすことを好むようになったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 患者が発する声からパーキンソン病と新型コロナを診断するアプリ

    2022-11-05

    患者の話し声をアプリで分析するだけで、パーキンソン病や新型コロナの重症化リスクを早期に特定できるかもしれません。豪州の研究チームが、人工知能(AI)を使って患者の音声記録を分析することで、この2疾患の特徴を識別するアプリを開発したとのこと。アプリはわずか10秒で音声を評価し、治療の要否を助言してくれるそうです。人間には聞き分けづらい声の震えやこわばり、話すスピードの遅さなどを分析し、疾患を検出するといいます。Medgadgetの記事です。

  • 35歳までに禁煙をすれば、死亡率に悪影響及ばず

    2022-11-04

    禁煙は35歳までに成功させたほうがいいようです。米国の研究チームが、1997~2018年にアンケートに答えた25~84歳の成人55万人のデータを分析。このうち 7.5万人が2019年末までに死亡したそうです。そして、35歳までに禁煙をした人の死亡率は、喫煙経験のない人の死亡率とほとんど変わらないことが示されたといいます。全死因死亡率は喫煙経験のない人と比べ、35~44歳で禁煙した人が21%高く、45~54歳で禁煙した人は47%高かったとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 双極性障害、統合失調症、統合失調感情障害に共通する遺伝子を特定

    2022-11-04

    長い間別のものとして考えられてきた複数の精神疾患が、症状だけでなく遺伝的にも共通点があることが分かったようです。米国の研究チームが、「双極性障害」「統合失調症」、それら両方の症状が混在する「統合失調感情障害」に共通する強力な危険因子として「AKAP11遺伝子」を特定したといいます。これら三つの疾患について、研究チームは「互いに境界があいまいなスペクトラム(連続体)の一部と考えられる」としています。AP通信の記事です。

  • 体内時計の「活動期」に食事を取ると、なぜ太りにくいのか

    2022-11-03

    概日リズム(体内時計)における活動期に食事を取ると太りにくいといいます。米国の研究チームがその理由を明らかにしたそうです。チームは、高脂質食を概日リズムの非活動期(昼間)に与えたマウスの方が、活動期(夜間)に与えたマウスよりも体重が増加することを確認。そして、活動期に脂肪細胞内でアミノ酸のクレアチンが増加し、熱産生レベルが高まることを発見しました。これが体重増加の抑制に関係していると考えられるそうです。Medical Xpressの記事です。

  • がんを直接攻撃しない新たなCAR-T細胞療法で、マウスのがんが縮小

    2022-11-03

    米国の研究チームが、がんを直接攻撃するのではない、新たなCAR-T細胞療法を開発したそうです。チームは、免疫細胞のマクロファージが、他の免疫細胞ががんを攻撃するのを妨害してしまうことに着目。マクロファージを破壊するCAR-T細胞を作製し、卵巣や肺、膵臓にがんのあるマウスを治療したところ、がんが縮小したそうです。マクロファージの減少やCAR-T細胞が放出するサイトカインによって、マウスのT細胞ががんを攻撃できるようになったとのこと。ScienceDailyの記事です。

  • 1日3時間以上ゲームをする子どもは認知能力が高い

    2022-11-02

    子どもの認知機能を高めたければ、テレビを見せるよりもゲームをさせる方がいいかもしれません。米国の研究チームが、9~10歳の2000人のデータを分析。1日3時間以上ゲームをする子どもは全くゲームをしない子どもに比べて、短期記憶や衝動抑制のテストの成績が良かったそうです。また脳の画像検査から、ゲームをする子どもの脳は、判断・行動に関わるワーキングメモリと注意力に関連する領域が活性化していることも分かったといいます。CNNの記事です。

  • 腸内細菌叢の乱れと臓器移植後の死亡率の関係が明らかに

    2022-11-02

    腸内細菌叢のバランスが乱れている患者は、臓器移植後の死亡率が高いそうです。オランダの研究チームが、腎臓や肝臓の移植手術を受けた患者1087人から採取した1370の糞便サンプルを分析。腸内細菌叢のバランスが乱れている人の移植後3年生存率が77%だったのに対し、多様性に富んだ腸内細菌叢を持つ人の3年生存率は96%だったそうです。また、移植後に使う免疫抑制薬が腸内細菌叢の乱れの主要因であることも明らかになったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • ジェルで包んだ放射性ヨウ素で、マウスの膵臓がんが消滅

    2022-10-31

    膵臓がんの画期的な治療法が見つかったかもしれません。米国の研究チームが、体内でジェル状になるエラスチン類似ポリペプチド(ELP)で放射性ヨウ素131を包み込んだ、薬効成分を徐々に放出するデポ剤を作製したとのこと。マウスの数種類の膵臓がんに注入したところ、既存の化学療法薬を併用したマウスの80%で、腫瘍が完全に消滅したそうです。ELPデポ剤は他の健康な組織を放射線で破壊せず、最終的には体内に吸収されるといいます。Medical Xpressの記事です。

  • オミクロン株の新系統、世界で続々確認 感染再拡大の恐れ

    2022-10-31

    新型コロナウイルスのオミクロン株について、新たな系統が世界で相次いで見つかっているようです。米国では、「BQ.1」「BQ.1.1」「BF.7」「BA.4.6」「BA.2.75」「BA.2.75.2」を確認。シンガポールなどでは「XBB」が急拡大しているそうです。現在、これらの新系統ウイルスは米国の新規感染者の1/3を占め、欧州でも感染者が増加しているといいます。新系統には既存の抗体医薬が効きにくいとの研究結果も出ており、今冬の流行再拡大が懸念されているとのこと。CNNの記事です。

  • 「がんワクチン、2030年までに入手可能に」独ビオンテック社

    2022-10-31

    患者一人一人に合わせたがんワクチンが一般的になる日はそう遠くないかもしれません。米ファイザー社と共同で新型コロナウイルスmRNAワクチンを開発した独ビオンテック創業者夫妻は、開発中のがんワクチンが2030年までに広く普及する可能性があると予測。mRNA技術を用いたこのワクチンの狙いは、がんを認識して攻撃するよう体を訓練することだそうです。がんの手術直後に、患者個人に合ったワクチンを提供するのが同社の最終目標だといいます。ScienceAlertの記事です。

  • 中世の黒死病生存者が子孫に受け継ぐ、感染症に有利な遺伝子変異

    2022-10-31

    14世紀に世界の人口の30~50%の命を奪った「黒死病(腺ペスト)」の大流行が、欧州人のゲノム進化に影響を与えたようです。米国の研究チームが、ロンドンとデンマークで黒死病大流行による死者のDNAを抽出。これを大流行の前と後に死亡した人のDNAと共に分析したところ、大流行を生き延びるのに関与したとみられる四つの遺伝子変異が特定されたそうです。この変異を持つ人は感染症に強い一方、自己免疫疾患リスクが高くなるといいます。nprの記事です。

  • 睡眠が5時間以下の人、複数の慢性疾患を患うリスク高く

    2022-10-26

    50代以降も健康に過ごしたければ、夜の睡眠時間を5時間より多く確保する必要があるそうです。英仏の研究チームが、英国の公務員8000人を対象に平日の平均睡眠時間を調査したといいます。さらに20年以上にわたり、糖尿病やがん、心臓病などの慢性疾患に関する追跡調査を行ったそうです。50歳時点で睡眠時間が5時間以下だった人は、7時間睡眠の人に比べて慢性疾患を複数抱えるリスクが30%高くなることが分かったとのことです。BBCに紹介されています。

  • 「厳しいしつけ」が遺伝子に影響を与え、うつ病リスクが上昇

    2022-10-26

    厳しすぎるしつけが、子どもの遺伝子の働きを変えてしまう可能性があるようです。ベルギーの研究チームが、平均14歳の男女44人を調査。21人が望ましいしつけを受け、23人は厳しすぎるしつけを受けていたそうです。厳しいしつけを受けた子どもは、多くがうつ病の初期兆候を示したうえ、遺伝子の読み取り方を変化させる「DNAメチル化」が多く認められたとのこと。メチル化の増加は、うつ病リスクに関連することで知られているといいます。EurekAlert!の記事です。

  • 縮毛矯正剤をよく使う女性、子宮がんリスク2倍以上高く

    2022-10-26

    縮毛矯正剤を使うと子宮がんリスクが上昇する可能性があるそうです。米国立衛生研究所(NIH)が、35~74歳の女性3万3497人を11年にわたり追跡調査。過去1年間で4回以上縮毛矯正剤を使ったと報告した人のうち、4.05%が70歳までに子宮がんを発症したそうです。一方、縮毛矯正剤を使ったことがないと報告した人の発症割合は1.64%だったといいます。染色剤やブリーチ剤、パーマ剤については子宮がんリスクとの関連性は見られなかったとのことです。EurekAlert!の記事です。

  • うつ病の早期治療で認知症リスク低下

    2022-10-26

    うつ病と認知症発症リスクの関連性についての研究成果です。中国の研究チームが、英国の中高年35万人のデータを分析。このうちうつ病患者は4万6280人で、研究期間中に認知症を発症したのは725人だったそうです。うつ病は認知症リスクを51%増加させることが分かり、うつ病の治療を受けた人は、受けていない人に比べて認知症発症リスクが30%低かったといいます。ただし慢性的な重症患者が治療を受けても、リスクは低下しなかったとのこと。EurekAlert!の記事です。

  • オミクロン対応ワクチンとインフルワクチン、同時に接種しても安全/米CDC

    2022-10-17

    米疾病対策センター(CDC)によると、新型コロナのmRNAワクチンの追加接種とインフルエンザワクチンは同時に接種しても安全性に問題はないそうです。同時接種をした場合は、倦怠感や頭痛、筋肉痛などの副反応が現れるリスクが8~11%高くなりますが、軽度ですぐに治まるとのことです。なお、臨床試験の結果から、オミクロン株対応のワクチンを追加接種した場合の副反応の発生頻度と症状は、従来のコロナワクチンとほぼ同じとみていいようです。INSIDERの記事です。

  • 大腸内視鏡検査、がん発症予防や死亡リスク減少の効果は?

    2022-10-14

    大腸内視鏡検査の有効性が過大評価されているかもしれません。ノルウェーの研究チームが、大腸内視鏡検査を受けたことがない55~64歳の男女8万4000人を対象に欧州で調査を実施したそうです。その結果、大腸内視鏡検査を受けるよう案内された人(このうち42%が実際に受検)は、そうでない人に比べて10年後の大腸がん発症リスクが18%低かったといいます。大腸がんによる死亡リスクについては、2群の間で有意差はみられなかったとのことです。CNNの記事です。

  • 新型コロナワクチン、3回目接種で得られる大きな保護効果

    2022-10-14

    新型コロナワクチンは、3回接種すると大きな効果が得られるようです。エストニアの研究チームが、ファイザー製コロナワクチンの3回目接種を受けた健康な成人111人を調査。3回目接種から6カ月後の抗体レベルは、2回目接種から6カ月後の抗体レベルに比べて、平均で6倍高かったそうです。また、3回目接種を受けた人の97%が、コロナ重症化を防ぐのに重要な役割を果たすとされるメモリーT細胞を持つことも明らかになったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 糖尿病治療薬メトホルミン、心房細動治療に有効か

    2022-10-14

    2型糖尿病患者に使われる血糖降下薬「メトホルミン」で、心房細動を治療できるかもしれません。米国の研究チームが、米食品医薬品局(FDA)に承認されている2800の薬剤について、コンピューター計算と、薬剤が標的にする遺伝子の分析などを行ったといいます。その結果、メトホルミンが心房細動に関連する30の遺伝子を標的とし、そのうち八つの遺伝子の発現に直接的な影響を及ぼすことが判明。最も有望な治療薬候補と考えられるそうです。ScienceDailyの記事です。

  • チアゾリジンジオン系糖尿病治療薬で、認知症リスク22%低下

    2022-10-14

    2型糖尿病の治療に使われる経口血糖降下薬「チアゾリジンジオン系薬剤(TZD)」を認知症予防に転用できる可能性があるようです。米国の研究チームが、60歳以上の2型糖尿病患者55万9106人を平均8年にわたり追跡調査。TZDを1年以上単独で服用した人は、別の血糖降下薬「メトホルミン」を単独で服用した人に比べて認知症発症リスクが22%低かったそうです。具体的には、アルツハイマー病リスクが11%、血管性認知症リスクが57%抑制されたといいます。Medical Xpressの記事です。

  • ヒトの脳組織をラットに移植 機能させることに成功

    2022-10-14

    米国の研究チームが、ヒトの皮膚組織から作った「ミニ脳(脳オルガノイド)」を生後2~3日のラットの脳に移植することに成功したそうです。脳オルガノイドはラットの神経回路に結合し、行動に影響を及ぼしたとのことです。また、自閉症スペクトラム障害や心臓障害が起こるまれな遺伝性疾患「ティモシー症候群」患者由来の脳オルガノイドを移植したラットから、患者の神経細胞がとても小さく、異常があることが確認されたといいます。AP通信の記事です。

  • 身長に関連する1万2000の遺伝子変異を特定 過去最大規模の調査で

    2022-10-14

    将来身長がどれくらい高くなるかをこれまで以上に正確に予測できるようになるかもしれません。豪州などの研究チームが、540万人の遺伝子データを対象にゲノムワイド関連解析を実施。身長に影響を及ぼす1万2000の遺伝子変異を特定したそうです。この1万2000の変異で、個人間における身長の違いの40%を説明できるといいます。今回の調査は、過去最大規模であることに加え、非欧州系の人が100万人以上含まれている点がポイントとのこと。EurekAlert!の記事です。

  • 鳥のさえずりを聞くと、不安や被害妄想が軽減

    2022-10-14

    鳥のさえずりが聞こえてきたら、立ち止まって耳を傾けるといいかもしれません。ドイツの研究チームが、参加者295人を対象にオンラインで調査を実施したそうです。参加者は鳥のさえずりか交通騒音を6分間聴き、その前後にメンタルヘルスを評価するアンケートに答えたといいます。鳥のさえずりを聴くと、参加者の不安や被害妄想が軽減することが示唆されたそうです。一方、交通騒音は抑うつ状態を悪化させることも分かったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 医師に関する専門用語、患者は意味が分かっていない

    2022-10-14

    医師が自己紹介で気軽に使う言葉であっても、患者には意味が伝わらないことがあるようです。米国の研究チームが、医師の専門分野や肩書を表す用語についての知識を調査。調査した14の専門分野のうち六つについて、半数以上の人が意味を正確に定義できなかったそうです。「腎臓専門医(Nephrologist)」の正解率は20%で最も低かったといいます。医学部生、研修医、指導医などの五つの肩書について、正確に序列を付けられたのはわずか12%だったとのこと。ScienceDailyの記事です。

  • ガンビアで子ども66人死亡 WHOがインド製咳止めシロップへの警告を発表

    2022-10-11

    西アフリカのガンビアで子ども66人が急性腎障害で死亡したそうです。世界保健機関(WHO)は、この件に関連する可能性があるとして、インドの製薬会社メイデン・ファーマシューティカルズの咳止めシロップ4製品に対する国際的な警報を出しました。調査の結果、このシロップが許容量を超えるジエチレングリコールとエチレングリコールに汚染されていることが判明。これらの物質は人体に有害で、腎障害を引き起こすことがあるといいます。BBCの記事です。

  • 栄養素は無関係? ベジタリアンがうつになりやすい理由

    2022-10-11

    ブラジルの研究チームによると、ベジタリアンはそうでない人に比べてうつ症状経験のリスクが2倍高いそうです。ただ、その原因は食事の栄養素ではないとのこと。では一体何が原因なのでしょうか。まず、うつ病の人は罪悪感を持ちやすく、食肉処理の需要を生み出していることに苦しんでベジタリアンになることが考えられるそうです。また、ベジタリアン食への固執が社会生活に悪影響を及ぼすことなども要因として指摘されています。ScienceAlertの記事です。

  • 妊娠中のアセトアミノフェン使用、子どもの睡眠と注意力に悪影響か

    2022-10-07

    妊婦も使用できるとされている解熱鎮痛剤のアセトアミノフェンが、生まれた子どもの発達に有害な影響を及ぼす可能性があるようです。米国の研究チームが、初産婦2400人と生まれた子どもを妊娠後期から産後3年まで追跡調査。睡眠に問題があると考えられる子どもは、母親が妊娠中にアセトアミノフェンを使用した群が22.7%で、非使用群は18.9%だったそうです。注意力に問題を抱える子どもは、妊娠中の同薬使用群が32.9%、非使用群は28.0%だったといいます。ScienceDailyの記事です。

  • 「可溶性アミロイドβ」の量がアルツハイマー病の発症を決める?

    2022-10-07

    タンパク質アミロイドβ(Aβ)の塊(プラーク)の蓄積は、アルツハイマー病(AD)の直接的な原因ではないかもしれません。米国などの研究チームが、ADリスクが高いとされる遺伝子変異を持つ患者を調査。Aβには可溶性のものがあり、そのレベルが高い人は、脳内にすでにプラークが蓄積していたとしても3年以内の認知症発症リスクが低かったそうです。脳内の可溶性Aβが270PG/ML以上あれば、プラーク量に関係なく正常な認知機能が維持されるといいます。EurekAlert!の記事です。

  • 「デジャヴ」はなぜ起こる? 心理学者が「空間レイアウト」で説明

    2022-10-07

    ふとした瞬間に「前にもこんなことがあった」と感じる「デジャヴ(既視感)」を経験したことはありますか。米国の研究チームが、バーチャルリアリティー(VR)を使ってデジャヴが起こるメカニズムを調査したそうです。参加者は、VRでさまざまな空間レイアウトの環境を体験したといいます。似たようなレイアウトの景色を見たことがあるにもかかわらず、はっきりと思い出せない場合に、デジャヴが起こりやすいことが分かったとのことです。ScienceAlertの記事です。

  • 犬と触れ合うことで社会性が向上? 脳の前頭前皮質の活性化を確認

    2022-10-07

    動物との触れ合いがもたらす効果が改めて示されたようです。スイスの研究チームが、赤外線神経画像技術を用いて健康な男女19人の社会的・感情的相互作用を調節する前頭前皮質を調査。本物の犬と触れ合うと、同じような重さや温度のライオンのぬいぐるみに触れた時と比べて前頭前皮質の活動が増加したといいます。その効果は犬をなでている時に最も高まり、犬と触れ合うたびにこの脳領域の活動が高まることも分かったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 新型コロナウイルス、脳内での標的は「アストロサイト」

    2022-10-05

    新型コロナウイルスは脳内で、栄養補給などさまざまな形で神経細胞をサポートする細胞「アストロサイト」を標的にしていることが分かったそうです。ブラジルの研究チームが、新型コロナで死亡した患者26人の脳組織を分析。ウイルスがアストロサイトに感染し、複製していた証拠を見つけました。別の調査では、コロナ感染によってアストロサイトのエネルギー代謝に変化が起こり、神経細胞の生存率が低下することが示唆されたといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 「スーパーエイジャー」の神経細胞は普通の人より大きい?

    2022-10-05

    老人になっても中年並みの記憶力を持つ「スーパーエイジャー」の脳の秘密が明らかになったようです。米国の研究チームが、80歳以上のスーパーエイジャー6人▽平均的な認知機能の高齢者7人▽スーパーエイジャーより20~30歳若い人6人▽初期アルツハイマー病(AD)患者5人――の死後脳を調査。スーパーエイジャー群は、他の3群に比べて記憶に関わる嗅内皮質の神経細胞が大きく、ADに関連するとされるタンパク質タウの変化がなかったといいます。ScienceDailyの記事です。

  • オキシトシン、心臓発作後の心筋細胞再生に有効か

    2022-10-05

    「愛情ホルモン」のオキシトシンに思いも寄らない効力があるかもしれません。米国の研究チームが、臓器再生能力が高いゼブラフィッシュの心臓を凍結によって損傷させて調査。オキシトシンが、心筋細胞を再生する心外膜前駆細胞(EpiPC)の生成を促すことが分かったそうです。ヒトiPS細胞を使った実験でも、オキシトシンによる同様の効果が確認されたといいます。オキシトシンを心臓発作後の治療に利用する可能性に期待が寄せられています。EurekAlert!の記事です。

  • 金属や揮発性化合物へ暴露する職業、ALS発症リスクと関連

    2022-10-05

    特定の職業環境が、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の発症リスクを高める可能性があるようです。米国の研究チームがALS患者381人と対照群272人について、仕事中に暴露する物質のデータを分析。ALS患者は、診断前の金属、粒子状物質、揮発性有機化合物、燃焼汚染物質への暴露レベルが高かったそうです。特に金属への暴露がALSリスクに最も強く関連していたとのこと。製造や溶接などの生産分野で働く人のALSリスクが高いことも分かったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 治療法を決めるがんの遺伝子変異量測定、黒人やアジア人で精度低く

    2022-10-04

    腫瘍遺伝子変異量(TMB)が高い人は、がん免疫治療薬が効きやすいといいますが、アジア人や黒人は誤って高めに測定される可能性があるようです。多くの医療機関で、腫瘍の遺伝子を分析して、遺伝子データベースと比較する方法が取られているといいます。米国の研究チームが、そこで起こるTMBの過大評価を調整する公式を作り、がん患者2800人を調査。アフリカ系の43.6%、アジア系の37%、ヨーロッパ系の21%がそれぞれ高TMB患者として誤分類されていたそうです。NewScientistの記事です。

  • 有効性は不確かなまま? 米FDAがALS治療薬を承認

    2022-10-04

    米バイオベンチャーのアミリックス・ファーマシューティカルズが開発する筋萎縮性側索硬化症(ALS)の経口治療薬「Relyvrio(レリブリオ)」が、米食品医薬品局(FDA)に承認されたそうです。同社によると、この薬はALSの進行を遅らせるのに有効。ALSの治療法は限られているため、患者らは早期の承認を求めていたようです。しかし今回の承認はわずか137人を対象とした第2相試験のデータに基づくものであることから、薬の有効性を疑問視する声もあるといいます。CNNの記事です。

  • 「凍結胚移植」による妊娠、高血圧関連の合併症リスク高く

    2022-09-29

    体外受精した胚をいったん全て凍結する「全胚凍結法」について、注意が必要な研究結果が報告されました。ノルウェーなどの研究チームが、北欧3カ国の妊婦450万人分のデータを分析。妊娠中に高血圧症を発症した人は、自然妊娠が4.3%だったの対し、凍結胚移植が7.4%、凍結しない新鮮胚移植が5.9%だったそうです。ただし、胚の凍結そのものではなく、凍結胚移植に伴う投薬方法が高血圧リスク上昇に影響している可能性も指摘されています。CNNの記事です。

  • 運動や減量より効果的? 「ヒラメ筋」を使って代謝を上げる

    2022-09-29

    座りっぱなしの生活でも、運動や減量よりも効果的に全身の代謝を上げる方法が見つかったそうです。米国の研究チームが、座った状態でつま先を床に付けたまま、適切な方法でかかとを上げ下げすると、ふくらはぎにある「ヒラメ筋」が数時間にわたりできるだけ多くのエネルギーを消費するようになることを発見。その際、筋肉運動のエネルギー源となるグリコーゲンの代わりに、血糖や脂肪が消費されることが分かったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • アルツハイマー病は「自己免疫疾患」 カナダのチームが新理論を提唱

    2022-09-29

    カナダの研究チームが、アルツハイマー病(AD)は脳疾患ではなく、脳内の「自己免疫疾患」であるとする新理論を提唱しているそうです。ADの原因については、タンパク質のアミロイドβ(Aβ)が凝集し、脳細胞を殺してしまうためだという説が有力です。しかしチームは、Aβが脳内で細菌などと戦う作用をしている可能性を指摘。Aβが細菌などと脳細胞を見分けることができず、誤って脳細胞を攻撃してしまうことがあると主張しています。Medical Xpressの記事です。

  • CAR-T細胞療法で、全身性エリテマトーデスが寛解

    2022-09-29

    血液がんの治療に使われる「CAR-T細胞療法」が、自己免疫疾患「全身性エリテマトーデス(SLE)」の治療で有望な結果を示したようです。ドイツの研究チームがSLE患者5人に対し、患者自身の免疫細胞を取り出して遺伝子改変し、それを再び本人に戻すCAR-T細胞療法を実施。1回の治療で、SLEを引き起こす「自己抗体を産生するB細胞」が一掃されたそうです。重大な副作用も起きなかったとのこと。その後、5人の患者は5~17カ月間寛解しているといいます。ScienceAlertの記事です。

  • アルツハイマー病新薬レカネマブ、治験で悪化抑制効果を確認

    2022-09-29

    製薬大手エーザイのアルツハイマー病(AD)新治療薬「レカネマブ」の治験で、認知機能低下を抑制する効果が示されたそうです。治験では、早期AD患者1800人にレカネマブかプラセボを2週間に1回投与して比較。投与18カ月後、レカネマブ群の方が認知症重症度のスコアの悪化が27%抑制されたといいます。ただ、両群間のスコア差が小さいこと、脳浮腫や出血などの副作用の発生率がレカネマブ群の方が高かったことなどに懸念の声も上がっているとのこと。NewScientistの記事です。

  • 個人に合った用量の選択も可能 経口薬「リンザゴリクス」が子宮筋腫に有効

    2022-09-29

    ホルモンのエストロゲンの産生を低下させる経口薬「リンザゴリクス」で、子宮筋腫が縮小するようです。米エール大学が、月経時大量出血のある子宮筋腫患者を対象に二つの大規模治験を実施。リンザゴリクス群は、用量や副作用緩和のための治療を受けているかどうかでさらに4群に分けられました。患者の出血は、4群全てで有意に減少したといいます。患者個人に合った用量を選択できる可能性が示されたとのこと。同大学のウェブサイトで紹介されています。

  • 中年期によく見る悪夢、認知症の初期兆候か

    2022-09-27

    中年期によく悪夢を見るようなら、認知症に気を付けた方がいいかもしれません。英国の研究チームが、米国の35~64歳の男女600人と79歳以上の高齢者2600人のデータを分析しました。調査開始時に認知症だった参加者はいなかったそうです。35~64歳の群で週1回の頻度で悪夢を見ると答えた人は、その後10年で認知機能が低下するリスクが4倍高くなることが分かったといいます。この傾向は、女性より男性のほうが強かったとのことです。Health Europaの記事です。

  • AIが睡眠中の呼吸パターンからパーキンソン病を早期診断

    2022-09-27

    寝室の壁にルーターのような装置を取り付けるだけで、パーキンソン病の早期診断や進行の追跡ができるようです。米マサチューセッツ工科大学(MIT)が、睡眠中の呼吸パターンからパーキンソン病を診断するAIシステムを開発。この装置は、従来の方法よりはるかに早い段階でパーキンソン病を診断することができるといいます。診断だけでなくパーキンソン病の進行を追跡することもできるため、治療薬を開発する際の臨床試験でも役に立ちそうです。Medgadgetの記事です。

  • 高血圧の新治療法に? 「呼吸筋トレーニング」に薬や運動と同程度の効果

    2022-09-27

    呼吸に使う横隔膜などの筋肉(呼吸筋)のトレーニングが、高血圧の新たな治療法になるかもしれません。米国の研究チームが、運動選手や歌手が呼吸筋を強化するのに使う器具「パワーブリーズ(POWERbreathe)」に着目。口にくわえて息を吸ったり吐いたりする、片手で持つことができる小さな器具です。これを使って1日数分間のトレーニングを6週間続けた人は、収縮期血圧が持続的に、服薬や有酸素運動と同程度の平均9 mmHg低下したそうです。Medical Xpressに紹介されています。

  • がん細胞を殺すウイルス、標準治療の効かない進行がんに有効か

    2022-09-27

    英国の研究チームが、がんを殺す遺伝子組換え単純ヘルペスウイルス「RP2」の第1相試験を実施しました。RP2は、がん細胞内で増殖して腫瘍を破壊したり、免疫系のブレーキを解除したり、免疫系の働きを促進する物質を産生したりするそうです。チームは標準治療の効果が得られなかった数種類の進行がん患者を調査。RP2を単独で使った患者9人のうち3人の腫瘍が縮小し、がん免疫治療薬を併用した患者30人のうち7人に効果が見られたとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 多発性硬化症に関連する数十の腸内細菌を新たに特定

    2022-09-21

    米国などの研究チームが、多発性硬化症(MS)と腸内細菌叢の関連を改めて明らかにしたようです。チームは、世界4カ国のMS患者576人の腸内細菌叢組成を新手法で解析。居住地による環境的な影響を排除するため、患者と一緒に暮らす家族の中で遺伝的には無関係な人を対照群として調査対象に加えたそうです。解析の結果、MSに関連する細菌を新たに数十種類特定。腸内細菌叢の操作や食事療法などの新たな治療につながる可能性があるとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 2型糖尿病新薬「チルゼパチド」、既存薬より速効性あり

    2022-09-21

    新たな2型糖尿病治療薬「チルゼパチド」は、有効性だけでなく即効性も優れているそうです。英国の研究チームが、3種類の2型糖尿病治療薬を使ってヘモグロビン値が目標値に下がるまでにかかる期間を調査しました。チルゼパチド群は、「セマグルチド」群に比べて4週間、「インスリンデグルデク(iDeg)」群に比べて12週間早く目標値に到達したそうです。チルゼパチド群は、セマグルチド群に比べて体重の減りも早かったといいます。Health Europaの記事です。

  • 高齢者の新型コロナ感染歴、アルツハイマー病リスクと関連か

    2022-09-21

    新型コロナにかかった高齢者は、1年以内にアルツハイマー病(AD)と診断されるリスクが高くなるようです。米国の研究チームが、65歳以上の600万人のデータを分析。過去1年以内にコロナの診断を受けた人のうち、新たにADと診断された人の割合は1000人に7人だったそうです。一方で、コロナにかかっていない人のこの割合は1000人に5人だったといいます。コロナ感染で起こる炎症が、既に脳内で起きていた変化を悪化させる可能性があるとのこと。CNNの記事です。

  • 新型コロナ死者数は「世界的大失敗の結果」 ランセット委員会が報告書公表

    2022-09-21

    英医学誌「ランセット」のCOVID-19委員会が、新型コロナの死者数について「重大な悲劇かつ世界的大失敗」とする報告書をまとめました。同委員会は、科学に基づく政策や国際協力、国際金融の観点から今回のパンデミックを分析。各国が公衆衛生上の基本対策を軽視し、主要国がパンデミックの制御に協力できなかったことなどを指摘しています。今回の経験を基に、国際的な協力や協調行動に加え、緊急事態への備えが必要であると強調しています。CNNの記事です。

  • 「1日4杯以上」がカギ 紅茶や緑茶で糖尿病リスク低下の可能性

    2022-09-21

    お茶をたくさん飲むと糖尿病リスクを抑制できるかもしれません。中国の研究チームが、お茶の消費量に着目し、8カ国の成人100万人以上を対象とした19の研究を分析。紅茶、緑茶、ウーロン茶のいずれかを1日4杯以上飲む人は、平均10年間で2型糖尿病を発症するリスクが17%低かったといいます。2型糖尿病のない成人5199人の調査では、お茶を飲むか飲まないかでは発症リスクに違いは見られなかったとのこと。飲む量がカギになるようです。CNNの記事です。

  • 関節リウマチ治療薬「リツキシマブ」が、重症筋無力症に有効か

    2022-09-21

    安価な関節リウマチ治療薬「リツキシマブ」で、筋力低下などが起こる自己免疫疾患「重症筋無力症」の悪化が防げるようです。スウェーデンの研究チームが、過去1年以内に筋無力症と診断された患者47人を調査。患者は標準治療に加えて、リツキシマブ500mgかプラセボを1回投与されたそうです。4カ月後、リツキシマブ群の71%で疾患がうまくコントロールされていたのに対し、プラセボ群で同様の効果が認められたのはわずか29%だったといいます。Health Europaの記事です。

  • フランスで「自殺ほう助」の合法化めぐる議論始まる

    2022-09-16

    フランスのマクロン大統領は9月13日、スイスで認められている「自殺ほう助」の合法化の可能性について議論を始めると発表しました。スイスでは、患者が致死量の薬物を自己投与するのを手助けすることが認められています。フランスは2016年、医師が末期患者に死亡時まで鎮静剤を投与することを合法化。世論調査によると、「安楽死」については国民の大多数が賛成しているといいます。政府は来年の法改正を目指し、協議を進める予定とのこと。AP通信の記事です。

  • 乳房インプラント関連のがんに注意 米FDAが警鐘

    2022-09-16

    乳房インプラントの健康リスクを知っておく必要があるようです。米食品医薬品局(FDA)が、公表済みの文献を調査。乳房インプラントの周りの被膜内にできた扁平上皮がんの症例を20件弱、リンパ腫の症例を30件弱見つけたそうです。FDAに寄せられる医療機器の有害事象報告でも、10件の扁平上皮がんと12件のリンパ腫が確認されたといいます。今回確認されたリンパ腫は、以前から知られている乳房インプラント関連のリンパ腫とは別の種類とのこと。CNNの記事です。

  • 淋病の原因菌を含むナイセリア属の細菌 気管支拡張症の悪化に関連

    2022-09-16

    淋病や髄膜炎を引き起こすナイセリア属の細菌が、肺疾患悪化の原因になることが分かったそうです。シンガポールなどの研究チームが、アジア人高齢者で気管支拡張症が悪化しやすい理由を解明するため、アジアと欧州の患者のデータを分析。気管支拡張症が悪化したアジア人には、ナイセリア属の細菌が多く存在していたそうです。特に口中の常在菌であるナイセリア・サブフラバが多い患者は、重症化や反復感染のリスクが高かったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 食事の時間が、夜勤者のメンタルヘルスに影響

    2022-09-16

    夜勤勤務のある人は心の健康を損ないやすいといいます。米国の研究チームが、夜間の食事を控えることに、その予防効果があることを確認したそうです。チームは参加者19人に2週間、夜勤に似た生活をさせて調査しました。日中と夜間に食事をした人は、ベースラインと比較してうつ気分が26%増加し、不安な気持ちは16%増加。日中のみ食事をした人に同様の変化は確認されなかったそうです。概日リズムが乱れた人ほど、症状が現れたとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • ウイルスが自然に死滅する医療用ガウンの素材

    2022-09-14

    付着したウイルスを自然に死滅させる医療用ガウンが流通するかもしれません。英国の研究チームが、二酸化チタンのナノ粒子を含むプラスチックシートに着目。この素材は蛍光灯が発するわずかな紫外線に反応し、活性酸素種と呼ばれる分子を放出するといいます。この分子がウイルスのタンパク質と反応し、ウイルスが死滅するそうです。この素材に新型コロナなどのウイルス粒子を100万個付着させたところ、2時間後には全滅したとのこと。BBCの記事です。

  • マヌカハニー、薬剤耐性菌による肺感染症に有効か

    2022-09-14

    予後不良の肺感染症を引き起こす薬剤耐性菌「マイコバクテリウム・アブセッサス(M.アブセッサス)」は、ハチミツの「マヌカハニー」で死滅させられるそうです。英国の研究チームが、嚢胞性線維症または気管支拡張症の患者16人から採取した組織を使って調査し、その効果が明らかになったとのこと。ヒト肺モデルの実験では、抗菌薬アミカシンと共にマヌカハニーを吸入した場合、アミカシンの量を8分の1に減らせることが分かったといいます。ScienceAlertの記事です。

  • 気管支拡張剤、「COPDではない」喫煙関連呼吸器症状に効果なく

    2022-09-14

    肺機能検査機器のスパイロメーターを使った呼吸機能検査で慢性閉塞性肺疾患(COPD)の基準を満たしていない患者には、気管支拡張剤を処方するべきではないようです。米国の研究チームが、喫煙歴と呼吸器症状があるものの、呼吸機能検査でCOPDの診断基準を満たしていない患者535人を12週間にわたり調査。患者は1日2回、気管支拡張剤かプラセボを吸入しました。調査終了後、投薬群とプラセボ群の間で症状の改善に有意差は見られなかったとのこと。ScienceDailyの記事です。

  • 下痢止め薬「ロペラミド」がASDの症状改善に有効か

    2022-09-14

    既存の下痢止め薬で、コミュニケーションや社会的交流の困難さなどといった自閉スペクトラム症(ASD)の中核症状を改善できるかもしれません。ノルウェーの研究チームが、コンピューターモデルを使って既存薬の中からASDの症状改善に有効な薬を調査。下痢止め薬「ロペラミド」が最も有望な候補薬であることが分かったそうです。この薬には、社会的行動にも影響を及ぼすとされる「μオピオイド受容体」を活性化する作用があるといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 今冬はインフルエンザ大流行の恐れ 米専門家が警鐘

    2022-09-09

    北半球とは季節が逆の豪州では今年、インフルエンザ患者が平均値の最大3倍に到達し、過去5年間で最悪の大流行を経験したそうです。感染のピークは通常より2カ月も早く訪れたといいます。このことから、米国の感染症の専門家が今冬のインフルエンザ流行に警鐘を鳴らしています。米政府は新型コロナウイルス感染の次の波が12月初めにピークを迎えると予測しており、コロナとインフルの同時流行に対する警戒感も高まっているとのこと。CNNの記事です。

  • 妊娠中の感染症罹患、子どもの自閉症リスク上昇と因果関係はない?

    2022-09-09

    妊娠中に母親が感染症にかかることと、生まれてくる子どもの自閉症リスクには因果関係がないかもしれません。スウェーデンの研究チームが、1987~2010年に生まれた子ども50万人のデータを分析。母親が妊娠中に感染症を患った子どもは自閉症リスクが高いという結果が出たものの、妊娠の前年に感染症にかかった場合も同様にリスクが高かったそうです。遺伝的変異や環境などの要因の方が自閉症リスクに強く影響している可能性があるとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 新たなマラリアワクチン、治験で最大80%の有効性を確認

    2022-09-09

    英オックスフォード大学が開発した新たなマラリアワクチン「R21」が、多くの子どもの命を救うかもしれません。チームは西アフリカのブルキナファソの子ども409人を対象に臨床試験を実施。R21に80%の有効性があることが示されたそうです。R21は安価な上、英製薬大手GSK社製の既存のワクチンより効果が高い可能性があるといいます。R21の提供開始は大規模治験終了後の来年になる見込みで、既に年間1億回分を製造する準備が整っているとのこと。BBCの記事です。

  • おでこ用体温計では黒人患者の発熱が検出できない可能性

    2022-09-09

    おでこで測る体温計は、黒人患者の発熱を見逃す可能性があるようです。米国の研究チームが、感染症にかかった黒人2031人と白人2344人で体温計の精度を調査。おでこで測るタイプは口で測るタイプに比べて、黒人患者の体温を全体的に低く測定したそう。おでこ用は、黒人患者が発熱していても23%は検出できない可能性が示されたといいます。別の研究では、血中酸素濃度を測るパルスオキシメーターでも同様の問題が起きることが指摘されています。CNNの記事です。

  • 膠芽腫の治療 脳細胞「アストロサイト」がカギか

    2022-09-07

    悪性脳腫瘍の一種、膠芽腫(グリオブラストーマ)の治療法につながる可能性があります。イスラエルの研究チームが、膠芽腫の周りに存在する脳細胞「アストロサイト」の役割に着目。動物モデルの実験で膠芽腫周辺のアストロサイトを除去したところ、数日以内に腫瘍が消失し、治療した全ての個体が生き残ったそうです。アストロサイトが腫瘍を免疫系から保護し、腫瘍の成長に必要なエネルギーを供給していることが分かったといいます。Health Europaの記事です。

  • 妊婦の常識「水銀の影響を抑えるために魚は控えめに」は誤り?

    2022-09-07

    「魚は水銀を含むので、妊婦は食べる量に注意が必要」は誤りかもしれません。英国の研究チームが、魚を食べる習慣のある島国セーシェルの妊婦と、魚をほとんど食べることがない英国の工業地域の妊婦のデータを分析。母親が魚を食べている場合、妊娠中の水銀レベルが子どもの成長に有害な影響を及ぼすことはないことが分かったそうです。一方で魚を食べていない場合は、母親の水銀レベルが子どもに悪影響を及ぼすことが示されたといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 4人死亡のアルゼンチンの「謎の肺炎」 原因はレジオネラ菌か

    2022-09-06

    アルゼンチン保健当局は、同国で発生している「謎の肺炎」について、レジオネラ菌感染によるレジオネラ症の可能性があると発表したようです。レジオネラ菌は通常、川や湖などに生息していますが、管理が不適切な給水設備や空調装置で見つかることもあります。菌はエアロゾルとして空気中に漂っており、これを吸い込むと感染して肺炎が起きます。致死率は約10%。今回は、9月5日現在で11人の患者が確認され、このうち4人が死亡したとのこと。BBCの記事です。

  • 世界初の吸入型コロナワクチンを承認 追加接種に使用/中国

    2022-09-06

    中国で、注射針を使わない吸入型の新型コロナワクチンが承認されたようです。このワクチンは、同国のカンシノ・バイオロジクス社が開発しました。同社の注射型コロナワクチンと同様の成分を含んでおり、1回の吸入で望ましい保護効果が得られるといいます。臨床試験では、この吸入型ワクチンは注射型ワクチンを接種済みの人に有効であることが示されたそうです。そのため、今回はブースター接種での使用が承認されたとのことです。BBCの記事です。

  • 新型コロナに似た「謎の肺炎」 9人発症、3人死亡/アルゼンチン

    2022-09-05

    アルゼンチン北西部トゥクマン州の医療機関で8月18日以降、9人が原因不明の肺炎を発症し、このうち3人が死亡したそうです。検査の結果、保健当局は新型コロナやインフルエンザの可能性を除外。原因究明のため、他の感染症の検査だけでなく水道水やエアコンも調査しているといいます。症状はコロナに非常に似ており、高熱、体の痛み、呼吸困難が報告されているそうです。今のところ濃厚接触者が発症したケースは確認されていないとのこと。BBCの記事です。

  • ダウン症の認知機能、新たなホルモン療法で改善

    2022-09-05

    ダウン症候群の人の認知機能は、テストステロンやエストロゲンの分泌を調節する「性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)」を投与することで改善できるかもしれません。スイスなどの研究チームが、20~50歳のダウン症の男性7人に対してGnRHを2時間おきに6カ月間投与。このうち6人で、認知機能に10~30%の改善が見られたそうです。特に視空間認知や立体描写、指示理解などの能力が高まったといいます。重大な副作用は認められなかったとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • ステロイド薬の使用、脳の構造や大きさに影響する可能性

    2022-09-02

    糖質コルチコイド(グルココルチコイド)を使った合成ステロイドは、ぜんそくや自己免疫疾患の炎症抑制などの薬です。これを長期間使用すると精神面に影響が出ることがあり、その理由が分かったようです。オランダの研究チームが、ステロイドを使用している人(注射か錠剤:222人、吸入型:557人)と使用していない人(2万4106人)のMRI脳画像を分析。ステロイド使用者は白質構造の完全性が損なわれており、灰白質が縮小していたといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 注射が不要に? 画期的な経口インスリン錠剤を開発

    2022-09-02

    1型糖尿病患者のインスリン注射が不要になるかもしれません。カナダの研究チームが、歯茎と頬の間に入れておくと、頬粘膜からインスリンが吸収される錠剤を開発。ラットの実験では、インスリンは胃にとどまることなく、ほぼ100%が肝臓に直接到達したそうです。錠剤は摂取から30分後には吸収され、効果は2~4時間持続するといいます。これまで開発された飲む錠剤はインスリンの多くが胃に蓄積してしまう上、吸収速度も遅かったとのこと。ScienceDailyの記事です。

  • 米FDA、最新のオミクロン株に対応した2価ワクチンを承認

    2022-09-02

    米食品医薬品局(FDA)は8月31日、新型コロナウイルスオミクロン株に対応するよう改良されたファイザー社とモデルナ社のワクチンを承認しました。この改良版は、従来株に加えて、感染力が高いとされるオミクロン株「BA.4」や「BA.5」にも対応する2価ワクチンだそうです。追加接種にのみ使用されるといいます。ファイザー製ワクチンは12歳以上、モデルナ製は18歳以上が対象で、前回接種から2カ月以上経過している必要があるとのこと。AP通信の記事です。

  • 血液型A型の人は、60歳未満の脳卒中リスクが高い?

    2022-09-02

    若くして脳卒中を発症するかどうかは、血液型から予測できるかもしれません。米国の研究チームが、遺伝子と虚血性脳卒中に関する48の研究データを分析。対象になったのは、脳卒中患者1万7000人と脳卒中既往歴のない対照群60万人だったといいます。血液型がA型の人は他の血液型の人に比べて、60歳未満で脳卒中を発症するリスクが18%高いことが分かったそうです。一方、O型の人は脳卒中の発症リスクが12%低かったとのこと。Medical Xpressに紹介されています。

  • 超加工食品、がんや早死にのリスクと関連

    2022-09-02

    ソーセージや炭酸飲料などの超加工食品を摂取することによる健康リスクが、二つの研究から明らかになったようです。米国の研究チームが、男女20万人の食事を最長28年間調査。超加工食品が、男性の大腸がんリスク上昇に関連していたそうです。また、イタリアの研究チームが2万2000人を対象に12年間行った研究では、超加工食品が男女ともに早死にのリスクを上昇させることが示されたといいます。特に心血管疾患による死亡が目立つとのこと。CNNの記事です。

  • 大気汚染の影響は、男性より女性の方が受けやすい

    2022-09-02

    排ガスへの暴露による健康被害は、男性より女性の方が深刻かもしれません。カナダの研究チームが、喫煙をしない健康な男女各5人をディーゼル排ガスに暴露させ、血液サンプルを分析しました。排ガスに暴露すると、男女ともに炎症や感染、心血管疾患に関連する血液成分に変化が確認されました。ただし、その変化は特に女性で顕著だったそうです。血漿中の90ものタンパク質レベルにおいて、男女間で明らかな違いが見られたといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 低下を続ける韓国の出生率 2021年は「0.81」で世界最低

    2022-08-30

    韓国政府は、同国における2021年の15~49歳の女性の年齢別出生率の合計(合計特殊出生率)が0.81だったと公表しました。これは世界最低の値です。韓国では18年に女性1人当たりが出産する子どもの数が1を下回り、6年連続で低下しているそうです。先進諸国の平均出生率は1.6。国が人口を維持するために必要な出生率は2.1だといいます。韓国では経済的圧力やキャリア形成に関連する要因が子どもを持つことの妨げになっていると指摘されています。BBCの記事です。

  • 天然痘治療薬テコビリマット、サル痘にも有効なことを確認

    2022-08-30

    天然痘の治療薬「テコビリマット」について、サル痘患者への有効性と安全性が示されたようです。米国の研究チームが、皮膚病変のあるサル痘患者25人にこの薬を飲ませました。患者は全員男性で、4人が発症後にサル痘ワクチンを接種していたといいます。投与開始から7日目には患者の40%で皮膚病変が治癒したそうです。そして、21日目までに患者の92%で皮膚病変が治癒し、痛みもなくなったといいます。ひどい副作用もなかったとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 「スタチン」の副作用で筋肉痛は起こらない?

    2022-08-30

    コレステロール値を下げ心血管疾患の予防に使われる薬剤「スタチン」は、副作用で筋肉痛を起こすことがあるといわれています。しかし、英国の研究チームがスタチンに関する23の研究を分析したところ、筋肉痛を報告した人の90%以上はスタチンが原因の筋肉痛ではないことが分かったそうです。服用開始から最初の1年間はスタチンに関連するとみられる筋肉痛や筋力低下が7%増加したものの、その後は有意な増加は確認されなかったといいます。CNNの記事です。

  • ブタ皮膚由来の角膜を移植、20人の視力が回復

    2022-08-30

    意外な物から作られた組織が、角膜移植におけるドナー不足を解決してくれるかもしれません。スウェーデンの研究チームが、ブタの皮膚から採取したコラーゲンを精製し、角膜の層を作製。これを2mmの切開部から既存の角膜に挿入するそうです。患者自身の組織を摘出する必要がなく、侵襲性が低いといいます。この方法で、角膜疾患のある患者20人が視力を取り戻しました。このうち盲目だった14人全員が、2年後も視力を維持していたとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 見た目がそっくりな赤の他人、DNAや生活習慣まで似ている?

    2022-08-26

    ドッペルゲンガーが似ているのは顔だけではないようです。スペインの研究チームが、見た目がそっくりな他人のペア16組を調べたところ、喫煙習慣、体重、教育レベルといった生活様式の特徴まで似ていることが明らかになったそうです。また、DNA解析によって、16組中9組は「超そっくり」とされるペアであることが判明。超そっくりのペアは、 3730の遺伝子において共通の変異が1万9277もあり、多くが体や顔の形質に関係するものだったとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • マウスの幹細胞から「成長する胚」を作製 移植用臓器への応用に期待

    2022-08-26

    イスラエルのバイオテクノロジー企業が、人工ヒト胚から移植用臓器を作る研究を進めているそうです。この企業は、まず、マウスの幹細胞から本物そっくりの胚を作製しました。そして、子宮の役割をする機械で胚を数日間育てたところ、心拍や血流などが確認できるまで成長したそうです。精子や卵子、子宮もない状態で、ここまで高度な人工胚が作られたのは初めてだといいます。現在この技術をヒト細胞で試す準備を進めているそうです。MIT Technology Reviewの記事です。

  • ロボットによる腎臓がん手術で、輸血や合併症が減少

    2022-08-26

    進行した腎臓がんにはロボットによる手術が安全かつ有効であることが示されたようです。米国の研究チームが、がんが下大静脈(IVC)に進展し、腎臓とIVCのがん切除術を受けた患者計1375人を登録した28の研究データを分析。輸血を必要としたのは、ロボット手術を受けた患者が18%で、標準開腹手術を受けた患者は64%だったそうです。また、出血などの合併症を経験したのは、ロボット手術を受けた患者が5%、開腹手術を受けた患者は36.7%だったといいます。ScienceDailyの記事です。

  • ファイザーの新型コロナ経口薬、中年層には効果なく 米医学誌に掲載

    2022-08-26

    ファイザー社の新型コロナ用経口薬「パキロビッド」は、高齢者にしか効果がないようです。イスラエルの研究チームが同国の患者10万9000人のデータを分析。この薬は40~64歳の患者にはメリットがないことが分かったそうです。一方65歳以上の患者には、入院が75%減少する効果があったといいます。チームはこの結果を米医学誌NEJMに発表しました。パキロビッドが50歳以上に有効だという報告は複数ありますが、専門の医学誌には掲載されていません。AP通信の記事です。

  • 自殺したいと思う人、口の中の細菌に特徴があることが判明

    2022-08-26

    心の健康と口の中の細菌の関係が明らかになったようです。米国の研究チームが、大学生500人の唾液を分析。2週間以内に自殺したいという思い(自殺念慮)を抱いたことがある人は、歯周病などの炎症性疾患に関連する細菌レベルが高かったそう。一方、脳の健康を促進する化合物を産生する細菌Alloprevotella ravaのレベルは低かったといいます。自殺念慮のある人は、この細菌の存在に影響を与える遺伝子変異を持つことも分かったそうです。Medical Xpressの記事です。

  • 桑の葉を摂取した後に米下院議員の妻が死亡

    2022-08-26

    米下院議員の61歳の妻が2021年12月、糖尿病や肥満の抑制に効果があるとされる「マグワ(ホワイトマルベリー)の葉」を摂取した後に死亡していたことが分かったそうです。死因は胃腸炎による脱水症で、マグワの葉を摂取したことによる副作用とみられます。この葉を含む栄養補助食品を摂取したのか、葉そのものを食べたりお茶にして飲んだりしたのかは不明だといいます。米国では過去10年間、マグワの葉による死亡例の報告はないとのこと。CBS Newsの記事です。

  • 川遊び後に子どもが「脳食いアメーバ」で死亡/米

    2022-08-23

    米中西部のネブラスカ州で、子ども1人が原発性アメーバ性髄膜脳炎で死亡したそうです。この脳炎は「脳食いアメーバ」フォーラーネグレリアを含んだ水が鼻から入ることによって起こる感染症。死亡した子どもは同州のエルクホーン川で泳いでいた際に感染したとみられています。米中西部でこの感染症が原因とみられる死者が確認されたのは今夏2例目。気候変動の影響で、このアメーバの生息地が北上している可能性が指摘されています。AP通信の記事です。

  • がんの治療薬候補が、脊髄損傷後の神経再生を促す可能性

    2022-08-23

    アストラゼネカ社ががん治療薬として開発中の「AZD1390」が、脊髄損傷の治療に有効かもしれません。この薬には、神経細胞のDNAが激しく損傷した際に、細胞分裂を止めたり細胞死を促したりするタンパク質の働きを阻害する効果があることを英国の研究チームが確認。そして、脊髄損傷動物モデルにAZD1390を経口投与したところ、神経の再生が促されたといいます。4週間で、損傷のない動物と見分けがつかないほど感覚や運動の機能が回復したとのこと。Neuroscience Newsの記事です。

  • 人工甘味料の摂取で、血糖値を正常に保つ能力が低下

    2022-08-23

    ゼロカロリーの人工甘味料を定期的に摂取すると、健康に悪影響があるようです。イスラエルの研究チームが、人工甘味料の摂取を制限している120人を対象に調査。人工甘味料のスクラロースとサッカリンを毎日少量ずつ2週間摂取した人は、プラセボ群に比べて7日後の腸内細菌叢の組成や機能が変化し、血糖値を正常に保つ耐糖能が損なわれたといいます。アスパルテームやステビアなどの甘味料では、耐糖能に影響はみられなかったとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • アルツハイマー病の記憶障害の改善が可能になる?

    2022-08-23

    新たなニューロンの生成を促すことで、アルツハイマー病による記憶障害を改善できるかもしれません。米国の研究チームが、アルツハイマー病マウスの神経幹細胞が生き残るよう遺伝子を操作し、ニューロンの新生を促進。マウスの空間認識と、何かと関連した記憶を評価する二つのテストで改善がみられたそうです。新たに形成されたニューロンが記憶を保存する神経回路に組み込まれ、記憶力の回復につながることが分かったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 脳への電気刺激で高齢者の記憶力が改善

    2022-08-23

    高齢者の物忘れが改善できるかもしれません。米国の研究チームが、65~88歳の高齢者150人を調査。対象者の中にアルツハイマー病と診断された人はいませんでしたが、ほとんどは年相応に記憶力が低下していたそうです。電極を埋め込んだシャワーキャップを使って20分間の経頭蓋交流電気刺激を4日連続で受けた人は、偽の刺激を受けた人に比べて、覚えた単語を思い出す能力が50~65%向上したといいます。治療の効果は1カ月持続したとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • がんによる死亡の半数は防ぐことができる

    2022-08-23

    飲酒や喫煙をはじめとする生活習慣を改善すれば、全世界のがんによる死亡の半数を防ぐことができるようです。米国の研究チームが、世界204カ国のデータから「23種類のがん」と「34のリスク要因」の関係を調査しました。その結果、2019年のがんによる死亡の44.4%が、予防可能なリスク要因に起因していることが分かったそうです。その代表として、気管や肺のがんが挙げられるといいます。予防可能ながんによる死亡は2010~19年で20.4%増加したとのこと。CNNの記事です。

  • パキスタンのポリオワクチン接種会場で、警察官2人が撃たれて死亡

    2022-08-19

    パキスタン北西部のポリオワクチン接種会場で、男2人による銃撃事件が起きたようです。警備の警察官2人が死亡。ワクチン接種の担当者2人にけがはなかったといいます。同国ではポリオワクチン関係者が反ワクチン過激派からたびたび標的にされており、ワクチンはイスラム教徒を不妊にするための欧米の陰謀だと主張する過激派もいるとのこと。野生株ポリオウイルスが常在しているのは、パキスタンとアフガニスタンの2国だけだそうです。BBCの記事です。

  • サル痘、飼い主からペットの犬に感染/イタリア

    2022-08-19

    サル痘はペットにも感染する可能性があるそうです。フランスの研究チームが、イタリアでグレーハウンドという種類の犬がサル痘に感染した事例を発表しました。飼い主は男性同士のカップルです。2人は別のパートナーと性交渉をした後にサル痘を発症。続いて犬にも症状が現れ、サル痘と診断されたそうです。男性2人はこの犬と一緒に寝ていたといいます。これを受け、米疾病対策センター(CDC)はペットへの感染に注意を呼びかけています。AP通信の記事です。

  • 出産予定日より早く生まれた子どもはADHDリスクが高い

    2022-08-19

    早産(妊娠37週未満)児は注意欠如・多動症(ADHD)のリスクが高いことが知られています。しかし、出産予定日より少し早めに生まれた子どももリスクが高いことが分かったようです。米国の研究チームが、1998~2000年に生まれた1400人のデータを分析。子どもたちが9歳の時点で、教師にADHDに関連する症状の評価をしてもらいました。妊娠37~38週で生まれた子どもは、39~41週で生まれた子どもに比べて多動や不注意を示すスコアが有意に高かったとのこと。ScienceDailyの記事です。

  • 「サザエさん症候群」を克服するための三つの方法

    2022-08-19

    日曜日の夕方ぐらいから憂鬱になる「サザエさん症候群」を経験したことがある人は多いでしょう。これを防ぐには、週末に入る前にやるべきことをすべて終わらせ、月曜日にやることを残さないようにするといいそうです。また、新しく始まる週に楽しみな予定を入れることも効果的だといいます。なぜサザエさん症候群に襲われるのかが分からなければ、自分の考えや気持ちを書き出す時間を20分とると、その原因が判明するかもしれません。The conversationの記事です。

  • 慢性的な頭痛に、はり治療が有効?

    2022-08-17

    慢性的な頭痛を軽減するには、はり治療が有効かもしれません。中国の研究チームが、月に15日以上頭痛が起こる「慢性緊張型頭痛」と診断された患者218人に週2~3回、計20回のはり治療を実施しました。そして、全ての治療が終了した後、6カ月にわたる追跡調査を行ったといいます。その結果、通常のはり治療を受けた人の68%、はりを浅めに打つ治療を受けた人の50%が、1カ月のうち頭痛を感じる日数が50%以上減少したと報告したそうです。SciTechDailyの記事です。

  • 腸内細菌がアルツハイマー病の発症に関与

    2022-08-17

    腸内細菌由来の神経毒が、アルツハイマー病(AD)の発症に関与することが明らかになったそうです。米国の研究チームが、ヒトの消化管に多く存在し、通常は病気を起こさない細菌「バクテロイデス・フラジリス」が生成するリポ多糖「BF-LPS」に着目。消化管から流れ出したBF-LPSが、血液脳関門を通過して脳に到達し、ADにつながる神経細胞の萎縮や破壊を引き起こすことが分かったそう。この流れは、食物繊維を多く摂取することで阻害できるといいます。EurekAlert!の記事です。

  • オミクロン株対応の2価ワクチン、英国で世界初承認

    2022-08-17

    新型コロナウイルスの従来株とオミクロン株「BA.1」の両方に対応するモデルナ社の2価ワクチンが、英国で承認されました。このワクチンが承認されるのは世界初です。437人を対象にした臨床試験で、その安全性と有効性が確認されたといいます。現在英国で主流のオミクロン株「BA.4」と「BA.5」への有効性も示されたとのことです。このワクチンは、今秋始まる医療従事者や50歳以上の成人などを対象にした追加接種で使用される予定だそうです。BBCの記事です。

  • 中国で動物由来の新たなウイルスを確認 35人が感染

    2022-08-17

    中国で、新種のウイルスによる感染症が発生したそうです。このウイルスはトガリネズミが自然宿主とみられ、「ランヤ(狼牙)ヘニパウイルス(LayV)」と名付けられました。これまでのところ35人の患者が確認されており、主な症状として発熱やせき、頭痛などが報告されています。血液細胞の異常、肝臓や腎臓の機能障害を起こした患者もいたようです。現時点ではヒトからヒトへの感染を示す証拠はないものの、結論を出せる段階ではないとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • コロナ感染拡大以降、小児の「脳の細菌感染」が増加

    2022-08-09

    新型コロナが、子どもの「脳の感染症」に関連しているかもしれません。米国の研究チームが109の小児病院を調査。その結果、43%がパンデミック開始から最初の2年間で脳膿瘍をはじめとする脳の細菌感染症が増加したと報告したそうです。コロナ感染によって免疫能が低下し、口や鼻にいる細菌が脳に侵入する可能性が指摘されています。コロナ禍で、通常診療やワクチンの定期接種が受けられなかったことも原因として考えられるといいます。Medical Xpressの記事です。

  • コロナ感染で起こる脳出血 脳卒中やアルツハイマー病リスクも

    2022-08-09

    新型コロナウイルスへの感染が、中枢神経(脳、脊髄)に長期的な影響を及ぼすことが示唆されたようです。米国の研究チームが、高齢者や基礎疾患のある人がコロナに感染した場合、中枢神経の病気がどのように発生するかなどを調査。抑うつ障害や糖尿病などがある人は、微小脳出血が見つかることが多かったそうです。呼吸器系を調節する脳領域で出血や血栓が起こると、アルツハイマー病や脳卒中などにつながる可能性もあるといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 気候変動で感染症が深刻化

    2022-08-09

    温暖化や山火事、洪水などの気候変動が、感染症の発生や拡大に重大な影響を及ぼすようです。米国の研究チームが、ヒトに病気を引き起こす病原体375種に関する資料を分析。このうち58%が過去に天候の影響で深刻化していたことが分かったそうです。これまでに気候変動が関与していると実証された感染症の流行は 3213件に上るといいます。気候変動がどのようにして感染症の大流行をもたらすかについて、1006もの経路が特定されたそうです。ScienceAlertの記事です。

  • マダニ媒介のライム病 米仏の企業によるワクチン開発進む

    2022-08-09

    米ファイザー社と仏ヴァルネヴァ社が、ライム病のワクチン「VLA15」の開発を進めています。ライム病はマダニが媒介する感染症で、インフルエンザ様症状から始まり、心臓や神経などの症状が出て、重症化したり後遺症が残ったりすることがあります。VLA15は小規模治験で良好な結果が出ており、今後の治験では5歳以上の参加者を少なくとも6000人登録するといいます。AP通信の記事です。厚生労働省によると、日本でも1986年以降、計数百人の患者が報告されています。

  • 米政府、サル痘感染拡大で「緊急事態宣言」

    2022-08-08

    米政府は7月4日、感染が拡大するサル痘への対応レベルを引き上げる決定を下しました。ワクチンの供給不足に批判の声が上がる中、政府はサル痘に対する公衆衛生上の緊急事態を宣言。宣言が出されたことで、緊急用の基金をはじめとする資源をサル痘対応のために使えるようになるといいます。当局は国民に対し、サル痘を深刻に受け止めるよう呼びかけたそうです。同国で4日までに確認されたサル痘感染者は7100人を超えているとのこと。AP通信の記事です。

  • ニキビと戦うマクロファージを皮脂成分が「共犯者」に誘導

    2022-08-08

    ニキビができるメカニズムが明らかになったようです。米国の研究チームが、参加者6人の背中から採取したニキビのある皮膚を分析。ニキビの原因であるアクネ菌を最初に攻撃するのは免疫細胞のマクロファージですが、マクロファージが皮脂成分の「スクワレン」を取り込むと、泡状の「Trem2マクロファージ」になることを発見しました。こうなると、アクネ菌を攻撃する能力を失い、逆にニキビの発生に加担することが分かったといいます。MedicalBriefの記事です。

  • ゲノム編集技術CRISPRを治療に使う際のリスク

    2022-08-05

    白血病の遺伝子治療などへの応用が試みられているゲノム編集技術「CRISPR」が、かえってがんの発生を促進してしまうかもしれません。イスラエルの研究チームがCRISPRを用いて、がん細胞を攻撃するように、免疫細胞のT細胞の染色体を改変し、その影響を調査。9%超のT細胞で、改変の際に切断された部分が修復せず、染色体のかなりの部分が失われることが分かったそうです。このことが、長期的にはがんの発生につながる可能性があるといいます。Medical Xpressの記事です。

  • よくあるウイルスがアルツハイマー病を引き起こす?

    2022-08-05

    アルツハイマー病(AD)発症の一つの経路が明らかになったようです。米英の研究チームが、脳に似せたヒト組織の3次元培養モデルで調査。休眠中の単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)を持っている神経細胞が水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)に感染すると、初期のADが引き起こされる可能性が示されたそうです。VZV感染によってHSV-1が再活性化し、ADの原因と考えられているタンパク質のタウやアミロイドβの蓄積につながって、神経細胞の機能が失われるといいます。EurekAlert!の記事です。

  • 米NY州の下水からポリオウイルス検出 7月に確認された患者以外にも感染者がいる可能性

    2022-08-05

    米ニューヨーク州ロックランド群で7月、約10年ぶりにポリオ患者が確認された件の続報です。米疾病対策センター(CDC)は、ロックランド群で6月上旬に採取した下水から、ポリオウイルスが検出されたと発表しました。このことは、7月に見つかった患者以外にも感染者が存在する可能性を示しているといいます。ただし、現時点ではウイルスが広まっているとする十分な情報はなく、追加の症例も確認されていないといいます。AP通信の記事です。

  • 未熟なバナナを毎日食べると、遺伝性がんの発症リスクが低下する可能性

    2022-08-05

    未熟な青いバナナなどに含まれる「レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)」を摂取すると、遺伝性がんの発症リスクが半減するそうです。英国の研究チームが、がんリスクが高いとされる遺伝性疾患「リンチ症候群」患者1000人を対象に調査を実施。2年間、レジスタントスターチの粉末を毎日摂取した人は、10年の追跡期間中に大腸以外のがんを発症するリスクが60%以上低下したといいます。特に上部消化管がんへの効果が顕著だったとのこと。EurekAlert!の記事です。

  • 死後1時間経過したブタの臓器を部分的に復活させることに成功

    2022-08-05

    米エール大学のチームが、死後時間の経過した臓器の機能を一部復活させることに成功したそうです。チームはブタ100頭の心臓を止め、1時間後に「OrganEx」というシステムにつなぎました。全身に酸素を運ぶ人工血液と、細胞死を阻止する13の化合物を投与し、体液を規則正しく循環させるシステムです。6時間後、心臓や肝臓、腎臓などで細胞がよみがえり、機能が部分的に復活。この技術を用いれば、移植できる臓器の数を増やせるかもしれません。BBCの記事です。

  • タウリンに老化防止効果? 毎日摂取で抗酸化酵素レベル上昇

    2022-08-05

    栄養ドリンクの成分として知られる「タウリン」には、老化と共に衰える抗酸化防御機構を強化する効果があるようです。ブラジルの研究チームが55〜70歳の女性24人を調査。1日1.5gのタウリンを16週間摂取した人は、抗酸化酵素「スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)」レベルが20%上昇したそうです。一方、プラセボ群の同レベルは3.5%低下したといいます。抗酸化力が高まると、心血管疾患や糖尿病などのリスクを抑制できる可能性があります。EurekAlert!の記事です。

  • インドでコロナワクチン接種の注射器を30人に使い回し

    2022-08-02

    インド中央部にあるマディヤ・プラデーシュ州の学校で行われた新型コロナのワクチン接種で、1本の注射器が生徒30人に使い回されていたことが明らかになったそうです。接種を担当した人物はメディアに対し、注射器は保健局から1本しか支給されておらず、その指示に従っただけだと主張したといいます。州保健局はこの人物による過失事件として届出を行い、ワクチン接種に必要な器具を用意する担当者に聞き取り調査を開始したとのこと。BBCの記事です。

  • 米ミシシッピ州の土壌から、致死率高い「類鼻疽菌」を検出

    2022-08-02

    米ミシシッピ州の住民2人が、主に熱帯国に生息する類鼻疽(るいびそ)菌に感染したそうです。患者は敗血症で入院しましたが、回復しているとのこと。2人の自宅周辺の土壌から類鼻疽菌が検出されました。米国州内の土壌から見つかるのは初めてだといいます。この菌は汚染された土や水からヒトに感染し、肺炎や敗血症などさまざまな病気を引き起こします。糖尿病や慢性腎臓病などを持つ人は重症化リスクが高く、死亡率も高いとのこと。CBS Newsの記事です。

  • サル痘、アフリカ以外で初の死者

    2022-08-02

    サル痘による死者の報告が相次いでいます。アフリカ以外で死者が確認されるのは初めてだといいます。最初の報告はブラジルからで、同国保健省が7月29日、感染した41歳の男性が死亡したと発表。男性はリンパ腫と免疫不全を抱えていたそうです。30日にはスペイン保健省が、2人の死亡を報告しました。患者の1人は脳炎を発症したといいます。なお、スペイン保健省によると、詳しいデータがある患者3750人のうち、入院したのは3.2%とのこと。BBCの記事です。

  • 4人目のHIV寛解を確認 白血病治療の幹細胞移植後に

    2022-08-02

    米カリフォルニア州の研究チームが、エイズウイルス(HIV)感染者の66歳の男性が寛解したと発表しました。HIVの寛解が確認されたのは4例目で、これまでの患者の中で最高齢です。男性は1988年にHIV感染の診断を受け、31年間HIVと共に生きてきました。その後、白血病を発症したため、2019年に幹細胞移植を受けました。この時のドナーがHIVに耐性がある遺伝子変異を持っていたそうです。男性は、HIVと白血病のいずれも寛解状態が確認されたとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 米国で子ども2人のサル痘感染を確認

    2022-07-29

    米国で子どもへのサル痘感染が初めて確認されたようです。患者は2人で、いずれも家庭内感染の可能性が濃厚といいます。サル痘患者の多くは男性と性交渉する男性です。しかし、皮膚と皮膚の密接な接触があれば、誰もが感染し得るそうです。子どもの場合、抱っこや食べ物を食べさせる行為、日用品の共有で感染する可能性があるといいます。患者は2人とも抗ウイルス薬「テコビリマット」による治療を受けており、容体は良好とのことです。CNNの記事です。

  • アルツハイマー病の原因をアミロイドβとした重要論文に捏造疑惑

    2022-07-29

    2006年に科学誌Natureに掲載されたアルツハイマー病の重要論文に、改ざんした画像が使われた可能性があるそうです。米ヴァンダービルト大学の研究者が捏造を疑い、科学誌Scienceが調査を実施。いくつかの画像の改ざんを示唆する証拠が見つかったといいます。この論文はタンパク質「アミロイドβ」をアルツハイマー病の原因として挙げた重要な研究で、2200以上の他論文に引用されているそうです。改ざんが事実であれば、これらの論文にも影響は必至とのこと。CNNの記事です。

  • サル痘に感染するのは男性と性交渉する男性だけではない

    2022-07-29

    サル痘に感染する可能性があるのは、男性と性交渉する男性だけではありません。米国で、これまでに報告されているリスク因子に全く該当しない30代男性がサル痘に感染していることが判明。この男性は2回目の受診でサル痘感染が分かったのですが、最初は頭にブツブツができていたことから毛包の感染症と誤診されたそうです。同国では感染者の99%が男性と性交渉する男性であるため、それ以外の人たちの感染が見逃される恐れがあるそうです。CNNの記事です。

  • 注射1回で完了か 血友病B患者の出血リスクを抑制する遺伝子治療

    2022-07-29

    血友病Bの患者は、出血を止めるために必要なタンパク質「血液凝固第IX因子(FIX)」を定期的に注射で補充する必要があります。英国の研究チームが、それを不要にするアデノ随伴ウイルス(AAV)遺伝子治療「FLT180a」を開発したそうです。FLT180a は1回の注射でFIXが長期的に発現するよう設計されているとのこと。18歳以上の中等~重度の男性患者10人を対象にした治験では、過剰な出血が抑制され、定期的な補充療法が不要になることが確認されたといいます。Health Europaの記事です。

  • 謎の小児肝炎、原因は二つの一般的なウイルス

    2022-07-27

    世界で1000件以上の症例が報告されている謎の小児肝炎について、英国の研究チームが原因を突き止めたようです。チームによると、通常は風邪や胃腸炎の原因となる「アデノウイルス」と、感染しても病気にならない「アデノ随伴ウイルス2型」の二つが深刻な肝炎を引き起こしたと考えられるとのこと。コロナ禍での行動制限により、子どもたちがこれらのウイルスに暴露されず、免疫を作る機会を逃したことが影響している可能性があるそうです。BBCの記事です。

  • 新型コロナ「BA.5」の再感染の割合、「BA.2」と比べ倍増

    2022-07-27

    新型コロナウイルス感染の新たな主流となっているオミクロン株の「BA.5」は、再感染を引き起こす可能性が高いそうです。米国の遺伝子解析会社Helix社が、2021年3月以降に検査でコロナ陽性になった30万人分のデータを分析しました。「BA.2」が主流だった今年5月にコロナに再感染した人の割合は3.6%だったのに対し、「BA.5」が主流になった7月のこの割合は6.4%だったといいます。7月現在、前回の感染から再感染までの平均期間は約9カ月とのことです。CNNの記事です。

  • サル痘、WHOが「緊急事態」を宣言

    2022-07-26

    世界保健機関(WHO)は、世界74カ国で1万6500人以上の感染が確認されているサル痘について「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言しました。現在、ポリオと新型コロナにもこの宣言が出されています。過去には、新型インフル(2009~10年)、エボラ出血熱(14~16年、19~20年)、ジカ熱(16年)の流行時にこの宣言が出されました。サル痘感染者の多くは男性と性交渉する男性で、特に複数のパートナーがいる人に感染が集中しているとのこと。CNNの記事です。

  • 低用量ピルが、物体の配置に関する記憶力を向上させる

    2022-07-26

    ホルモン剤の避妊薬(低用量ピル)を使用する若い女性は、特定の認知能力が高くなるかもしれません。米国の研究チームが18~27歳の女性59人を調査。低用量ピルを使用している人はそうでない人に比べて、物体の配置を記憶する課題で、新たに現れた物を特定する能力が有意に高かったそうです。一方、空間認識能力を評価する課題では有意差はみられなかったといいます。薬の種類による効果の違いについては比較されていないとのことです。PsyPostの記事です。

  • 致死率90%のマールブルグ病、ガーナで初発生し2人死亡

    2022-07-22

    世界保健機関(WHO)は7月17日、西アフリカのガーナでマールブルグウイルスによる感染症の患者が初発生したと発表しました。患者2人が確認され、下痢や発熱、嘔吐などの症状が現れ、いずれも死亡。90人以上の濃厚接触者が監視下にあるといいます。このウイルスはエボラウイルスと同じ科に属し、致死率は最大88%に達するそうです。オオコウモリからヒトに感染し、感染者の体液などに触れることでヒトからヒトへうつります。治療薬はありません。CNNの記事です。

  • ビタミンB6サプリ、不安やうつ病を改善する可能性

    2022-07-22

    高用量のビタミンB6サプリメントが気分障害の予防や治療に有効かもしれません。英国の研究チームが、300人以上の若年成人を対象に調査を実施。推奨摂取量の50倍近い量のビタミンB6サプリを1日1回食事と一緒に1カ月間摂取した人は、不安感やうつ状態が改善したそうです。ビタミンB6には、神経細胞の興奮を抑制する神経伝達物質GABA(γ-アミノ酪酸)の産生を促す役割があり、ビタミンB6サプリを摂取した人はGABAレベルが上昇していたといいます。EurekAlert!の記事です。

  • 食物アレルギーある人はコロナ感染リスクが低い

    2022-07-22

    食物アレルギーの人は新型コロナ感染に対して、ある利点があるそうです。米国立衛生研究所(NIH)が、4000人以上を対象に調査を実施。その結果、食物アレルギーがある人は、コロナに感染するリスクが50%低いことが明らかになったそうです。食物アレルギーには、免疫反応の一つの型である「2型炎症」が関与しているといいます。この2型炎症が、ウイルスが細胞に侵入する際に取り付く「ACE2受容体」の発現を少なくしている可能性があるそうです。ScienceAlertの記事です。

  • 1回の注射でエイズが治る? 体内のB細胞の遺伝子を改変する新技術

    2022-07-22

    たった1回の注射でエイズを治療できる日が来るかもしれません。イスラエルと米国の研究チームが、遺伝子改変技術CRISPRを使い、体内にある免疫細胞・B細胞を操作する方法を開発。ウイルス(アデノ随伴ウイルス:AAV)を用いてCRISPRシステムを送り、エイズウイルス(HIV)に対する中和抗体を産生できるようにB細胞の遺伝子を改変するといいます。この治療を受けたすべての動物モデルにおいて、血液からHIVに対する抗体が大量に検出されたとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 米NY州で9年ぶりにポリオ確認 経口生ワクチン由来株が原因

    2022-07-22

    米ニューヨーク州ロックランド群の若年成人がポリオと診断されたようです。この患者はポリオワクチン未接種で、1カ月ほど前に脱力や麻痺の症状が始まったそう。同国でポリオが確認されたのは2013年以来だといいます。ウイルスの型から、米国外で経口生ポリオワクチンの接種を受けた別の誰かに由来することが判明。弱毒化したウイルスが変異し、有害な株が発生することがあります。米国では2000年以降、経口生ワクチンは使用されていません。CNNの記事です。

  • セロトニンの減少はうつ病リスクに影響しない?

    2022-07-22

    うつ病の原因に関する定説が覆るかもしれません。英国の研究チームが、セロトニンとうつ病の関連を調査した過去の研究を再検討しました。対象者は数千人に上ったといいます。分析の結果、「セロトニンの働きや濃度の低下がうつ病の原因になる」との仮説を支持する証拠は見つからなかったそうです。抗うつ薬として一般に使われている「選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)」の役割に疑問を投げかける結果になったとのことです。Health Europaの記事です。

  • オキシトシンの経鼻スプレー、男性が感情読み取る能力高めず

    2022-07-19

    オキシトシンは、感情を調整したり他人への信頼感を高めたりし、「愛情ホルモン」などと呼ばれます。オキシトシンの経鼻スプレーは人間関係の改善に役立つとされていますが、本当でしょうか。英国の研究チームが、平均19歳の健康な男性104人を調査。感情を読み取るためのトレーニングを受けた人は、悲しみや怒りの表情を認識する能力が高まったそうです。一方、オキシトシンを経鼻投与した人には、同様の効果は一切なかったといいます。EurekAlert!の記事です。

  • エボラやサル痘などの人獣共通感染症 アフリカで過去10年間に60%増加

    2022-07-19

    世界保健機関(WHO)は、エボラ出血熱やサル痘、コロナウイルス感染症など、動物からヒトにうつる感染症がアフリカで急増していることに懸念を示したそうです。2012~22年は、前の10年間に比べて人獣共通感染症が63%増加。特に2019~20年にその数は急増し、アフリカにおける重大な公衆衛生事象の半数を占めました。急速な都市化による野生動物の生息地の減少などが影響しているようです。世界中に人獣共通感染症が広がる危険性があるとのこと。AP通信の記事です。

  • 米国のサル痘報告数は過小評価か 封じ込めは手遅れとの指摘も

    2022-07-19

    米国では疑い例を含むサル痘患者が7月15日時点で1814人に達しました。米国立アレルギー・感染症研究所長のファウチ氏はこの数値について「過小評価の可能性が高い」とし、サル痘を深刻に受け止める必要性に言及。米食品医薬品局(FDA)元長官のゴットリーブ氏は「封じ込めは手遅れかもしれない」と指摘しています。両氏は検査体制拡大の重要性を強調。米疾病対策センター(CDC)は、1週間の検査能力を6000件から8万件に増やす予定だといいます。CNNの記事です。

  • 骨髄移植のドナーの痛みを軽減する新手術法

    2022-07-19

    骨髄移植のドナーの術中・術後の痛みを緩和する新たな方法が見つかったそうです。米国の研究チームが、「腰方形筋ブロック(QLB)」と呼ばれる局所麻酔技術を骨髄採取の手術に応用したといいます。そして、この技術を使って骨髄を採取したドナー13人と、既存の方法で骨髄を採取したドナー19人のデータを比較しました。その結果、QLBを行うと、疼痛管理のためにオピオイドが必要な人の割合が84%から23%に減少することが明らかになったそうです。Medical Xpressの記事です。

  • パルスオキシメーター、有色人種の測定値は不正確 解決策は?

    2022-07-15

    治療方針の判断に重要な役割を果たすパルスオキシメーターは、血液の色から血中の酸素濃度を測定しているため、肌の色の濃い人は実際より高い値が出てしまうという問題があるそうです。米国の研究チームの調査では、実際は血中酸素濃度が88%未満なのに、機器には92~96%と表示されるケースが、黒人患者は白人患者に比べて3倍多かったそうです。皮膚の色素であるメラニンの影響を排除するよう調整することで、誤差を防げるといいます。CNNの記事です。

  • ブタの心臓を脳死患者2人に移植 さまざまな検査を実施/米

    2022-07-15

    米国では、ブタの臓器で人間の命を救うための試みが続けられているようです。米ニューヨーク大学ランゴーン医療センターが、遺伝子操作したブタの心臓を脳死患者2人に移植。移植前には、動物特有のウイルスがブタの心臓に存在していることがないよう、特別な方法でチェックしたそうです。また、心臓移植から生命維持装置が外されるまでの3日間、頻繁な生検など、脳死患者に対してだからこそ行える検査が実施されたといいます。AP通信の記事です。

  • 致死率高いニパウイルスに対するmRNAワクチン、第1相試験を開始

    2022-07-15

    ニパウイルス感染症は、バングラデシュやインドなどを中心に毎年アジアで感染者が報告されています。主に動物を介してヒトにうつり、脳炎症状を引き起こして40~75%を死に至らしめます。米国立衛生研究所(NIH)とモデルナ社がmRNAワクチンを共同開発し、第1相試験を開始したそうです。18~60歳の健康な成人40人が対象で、25、50、100㎍のいずれかの容量のワクチンを原則4週間間隔で2回接種。その後52週間にわたり追跡調査を行うとのこと。EurekAlert!の記事です。

  • 新型コロナのパンデミック初期の治療法が、超多剤耐性菌感染症を増やした可能性/米

    2022-07-15

    新型コロナウイルス感染拡大の初期に行われた治療法が、深刻な問題を引き起こした可能性があるようです。米疾病対策センター(CDC)は、2020年3~10月に新型コロナ入院患者の80%に抗菌薬が投与され、そのことによって「超多剤耐性菌(スーパーバグ)」の院内感染や死亡が15%増加したと報告しているといいます。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)やカルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)などのスーパーバグが入院患者から検出されたそうです。AP通信の記事です。

  • 化粧品などに使われる成分、妊婦が暴露すると早産リスク高める可能性

    2022-07-13

    食品包装や化粧品などに使われるフタル酸エステル類への暴露が、早産リスクと関連していることが分かったようです。米国立衛生研究所(NIH)が、1983~2018年に出産した妊婦6045人の尿中フタル酸エステル代謝物濃度と出産時期のデータを分析。11のフタル酸エステルのうち4種類に暴露した妊婦は、早産リスクが14~16%高かったそうです。フタル酸エステル代謝物レベルを50%抑えることで、早産が平均12%減少するとの試算もあるといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 赤ちゃんと同じように物理の法則を理解するAI

    2022-07-13

    英ディープマインド社が、人間の赤ちゃんと同じように考えることができる人工知能(AI)を開発したそうです。このAIは「PLATO」という名で、物理的概念を習得するといいます。同社はビデオを使って、生後数カ月の赤ちゃんが物体に対して持つような基礎知識をPLATOに学ばせました。その後、PLATOに物理法則上あり得ない現象をみせたところ、驚いたような反応を示したそう。物理法則に反するおかしな現象が起きたことをPLATOが認識したためだといいます。ScienceAlertの記事です。

  • 断続的な断食を習慣にする人はコロナ重症化リスクが低い

    2022-07-11

    水だけを飲むという断食を定期的に行っている人は、新型コロナによる重症化リスクが低いとの研究結果が出たようです。米国の研究チームが、ワクチンが普及する前にコロナ陽性になった205人を調査。少なくとも月1回、定期的に断食をすると報告した人が73人おり、その人たちはコロナによる入院や死亡のリスクが低かったといいます。ただ今回の調査は、宗教上の理由から平均40年間も断食を習慣にしている人たちが対象だったそうです。Medical Xpressの記事です。

  • 目への電気刺激で、うつ病や認知症が改善/マウス実験

    2022-07-11

    網膜の病気の治療法として研究が進む経角膜電気刺激(TES)が、神経精神疾患の治療に有効かもしれません。TESは黒目に電極を置いて電気刺激を与える方法です。香港のチームがTESをうつ病モデルのマウスに使ったところ、抗うつ薬と似た効果が現れ、ストレスホルモンが減少。海馬の脳細胞の成長に関与する遺伝子の発現も誘導されました。また、TESがアルツハイマー病マウスの記憶力を大幅に改善し、海馬のアミロイドβ沈着を減少させたといいます。Neuroscience Newsの記事です。

  • 空腹が怒りやいら立ちに関連 科学的な調査で初めて明らかに

    2022-07-11

    「お腹がすくとイライラする」というのは本当なのでしょうか。英豪の研究チームが、成人64人を対象に21日間にわたる調査を実施。参加者は1日5回、スマホアプリで空腹度や精神状態を報告したといいます。その結果、空腹が怒りやいら立ちなどの負の感情を引き起こし、喜びの感情を低減させることが分かったそうです。「日々の空腹度の変動」だけでなく、「3週間の平均の空腹度」も負の感情を引き起こす原因になるとのことです。Neuroscience Newsの記事です。

  • 小児ADHDを治療するためのゲームアプリ

    2022-07-11

    注意欠如・多動症(ADHD)の治療に用いるゲームの話題です。米食品医薬品局(FDA)は2020年、米Akilli社が開発した「EndeavorRx」を小児ADHD治療用ゲームとして初承認。EndeavorRxは宇宙人が宇宙を飛び回って物を集めるゲームで、注意機能に重要な役割を果たす脳領域を改善するよう設計されているそうです。使用者の中には、学校に行く準備がスムーズにできるようになったり、成績が上昇したりする子もいるといいます。米国では医師が必要と判断した子どものみ使用できます。BBCの記事です。

  • A型肝炎ウイルスの複製メカニズムが明らかに 治療薬開発につながる成果

    2022-07-08

    対処療法しかないA型肝炎に対する経口治療薬を、米国の研究チームが開発しているそうです。A型肝炎ウイルス(HAV)の複製には、ヒトの細胞が持つ「TENT4」と呼ばれる酵素が使われるといいます。HAVがTENT4を使うためには、HAVのRNAとヒトのタンパク質「ZCCHC14」との結合が必要であることが分かったそうです。チームは、HAVがTENT4を使えなくするために、A型肝炎マウスにTENT4を標的とする経口化合物「RG7834」を投与。すると、HAVの複製が止まったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 小耳症の新たな治療法 患者自身の細胞から作製した耳を移植

    2022-07-08

    生まれつき耳の形が不完全で小さい小耳症。患者の耳を再建するための新方法が見つかったかもしれません。米国の研究チームが、小耳症患者の正常な方の耳を3Dスキャンして設計図を作り、患者から採取した耳軟骨細胞を適切な大きさに成長させて本人に移植したそうです。移植された耳は時間とともに自然な見た目や感触に変化すると考えられています。今回の移植は、患者11人の登録が予定されている臨床試験の一環として実施されたそうです。ScienceAlertの記事です。

  • コロナ感染によって作られる抗体が脳血管にダメージを与える可能性

    2022-07-08

    新型コロナによって引き起こされる神経症状の原因が明らかになったようです。米国の研究チームが、感染後に突然死亡した患者9人の脳組織を調査。ウイルス自体は脳から検出されなかったそうです。一方で、コロナ感染に応答して作られる抗体が、脳血管内皮細胞を攻撃し、血管に損傷を与えて炎症を引き起こす可能性があることが判明しました。この細胞は、有害物質が血管から脳内に入り込むのを防ぐ血液脳関門の形成に不可欠だといいます。ScienceDailyの記事です。

  • フリーズドライ体細胞からクローンマウスを作製/山梨大

    2022-07-08

    食品に使われるフリーズドライ(凍結乾燥)技術が、生物多様性の維持に役立つかもしれません。山梨大の研究チームが、マウスから採取した体細胞を凍結乾燥させ、マイナス30度で最長9カ月間保存。この体細胞から取り出した遺伝情報を用いて、クローンを作り出すことに初めて成功したそうです。現時点ではクローンが生まれる成功率は0.02%と非常に低いものの、液体窒素に替わる遺伝資源の保存方法として期待が寄せられているといいます。ScienceAlertの記事です。

  • ビタミンDサプリの過剰摂取 健康被害の報告が増加

    2022-07-08

    ビタミンDサプリメントの過剰摂取による健康被害が増えているようです。英国の研究チームが、5万MGのビタミンD (1日の必要量は600MG)を含む多数のサプリを毎日摂取していた中年男性の症例に着目。サプリを飲み始めて1カ月後、男性に嘔吐やこむら返りなどさまざまな症状が現れ、体重は12.7KGも減少していたそう。症状は3カ月間も続いたといいます。男性の血中ビタミンDレベルは必要量の7倍もあり、カルシウムレベルも極端に高かったとのこと。SciTechDailyの記事です。

  • 二日酔いを予防する新たなサプリ、その効果は?

    2022-07-08

    スウェーデンのMyrkl社の二日酔いを予防するプロバイオティクスサプリメントの販売が英国で始まったそうです。このサプリは飲酒前に飲む錠剤で、アルコールを分解するとされる腸に有益な「枯草菌」と「有胞子性乳酸菌」を含有。健康で若い白人成人24人を対象に調査を行い14人から得られた結果では、事前にこのサプリを摂取した人は、飲酒から1時間以内の血中アルコール量がプラセボ群より70%少ないことが分かったといいます。ScienceAlertの記事です。

  • 鎮痛剤が不要に? 神経を冷却する埋め込み型装置で痛みを緩和

    2022-07-05

    痛みを和らげるためにオピオイドなどの薬を使う必要がなくなるかもしれません。米国の研究チームが、神経を冷却することで麻痺させ、痛みを緩和する埋め込み型の装置を開発。わずか幅5mmほどのこの装置は柔軟性があり、縫合せずに神経に巻き付けることができるそうです。神経が冷えすぎないように監視するセンサーも付いているといいます。使用後は、自然に体内に吸収されるそうです。動物実験で装置の有効性が実証されているとのこと。EurekAlert!の記事です。

  • 大麻使用者、救急外来受診と入院のリスク高く/カナダ

    2022-07-05

    娯楽目的の大麻使用が合法化されているカナダで、大麻使用者の健康リスクが明らかになったようです。同国の研究チームが、「1年以内に大麻を使用した」と報告した4800人と、「大麻を使用したことがない」または「1年以上前に1度だけ大麻を使用した」と報告した1万人を比較。1年以内に大麻を使用した人は、対照群に比べて救急外来受診と入院のリスクが22%高かったといいます。受診や入院の主な理由は、外傷と呼吸器関連だったとのこと。ScienceDailyの記事です。

  • 北朝鮮、新型コロナ流入は韓国との国境付近の不審物が原因と主張

    2022-07-05

    北朝鮮の国営メディアが、新型コロナウイルスの流入は韓国からの飛来物が原因だと示唆する報道をしているそうです。韓国当局は「あり得ない」と強く否定したといいます。国営メディアは、4月上旬に韓国との国境付近で不審物に触れた18歳の兵士と5歳の子どもがコロナ陽性になり、それ以降、北朝鮮でコロナが急速に拡大したと報道。韓国の活動家は何年もの間、国境を越えて風船を飛ばし、ビラ配布や人道支援を行っているそうです。BBCの記事です。

  • インフルの「万能ワクチン」を開発 A型の亜型に幅広く有効

    2022-07-05

    144種類の亜型があるA型インフルエンザウイルスに対する「万能ワクチン」ができるかもしれません。米ジョージア州立大学が、A型ウイルスの比較的変化しにくい二つの部分(タンパク質)に着目。ワクチンは、これらのタンパク質を遺伝子的に結び付けて開発したそうです。成体及び高齢マウスを使った実験では、この新たなワクチンがA型ウイルスの複数の亜型(H1N1、H5N1、H9N2、H3N2、H7N9)に対して有効であることが確認されたといいます。Medical Xpressの記事です。

  • インフルワクチンがアルツハイマー病リスクを抑制か

    2022-06-30

    高齢者がインフルエンザワクチンを1回でも接種すると、その後の4年間のうちにアルツハイマー病(AD)を発症するリスクが40%低下するという研究成果が発表されました。米国の研究チームが、65歳以上の高齢者を4年間追跡。インフルワクチン接種者と非接種者それぞれ93万5887人を調べました。調査期間中にADを発症したのは、ワクチン接種者が5.1%だったのに対し、非接種者は8.5%でした。毎年接種した人が、最も発症リスクが低かったとのことです。Medical Xpressの記事です。

  • MRI画像からアルツハイマー病を正確に診断する新技術

    2022-06-30

    機械学習を使った新技術で、早期のアルツハイマー病(AD)患者を正確に診断できるようになるかもしれません。英国の研究チームが、115の脳領域における660の構造的特徴を評価することで、ADを診断するアルゴリズムを開発。診断には、一般的な装置で撮影されたMRI画像が使われるそうです。このアルゴリズム単独で、ADの有無を98%の確率で予測できるといいます。また、ADの初期と後期については79%の確率で判別することも可能だそうです。SciTechDailyの記事です。

  • ヒトも気が合う相手を嗅ぎ分ける? 友達同士は体臭が似ていることが明らかに

    2022-06-30

    見知らぬ人と友達になれるかどうかは、体臭から予測できるようです。イスラエルの研究チームが、仲のよい友人同士のペアと無作為に選ばれたペアの体臭を、におい測定装置と人の嗅覚によって比較。友人同士の方が、においが互いに似ていることが分かったそうです。また、面識のない人たちに言葉を使わず交流してもらったところ、相手に好感を抱く場合、におい測定装置で互いに「においが似ている」と判定されることが多かったそうです。ScienceDailyの記事です。

  • 断食が神経損傷からの回復力を高める/マウスで確認

    2022-06-30

    断食による腸内細菌の活動の変化が、神経損傷からの回復力を高めるそうです。坐骨神経を損傷したマウスの実験では、1日置きに断食したマウスは毎日好きなだけ食べたマウスに比べて、神経細胞の情報伝達部分である「軸索」が50%長く再生しました。断食したマウスは、腸内細菌の代謝産物である「IPA」の血中濃度が高いことも判明。腸内細菌がIPAを産生しないように遺伝子操作したところ、軸索がうまく再生しなかったとのこと。英大学のICLが発表しました。

  • コロナ後遺症の原因判明 肺で行われる赤血球への酸素の受け渡しに滞り

    2022-06-30

    革新的な肺のMRI画像から、新型コロナの後遺症が起こる原因が判明したようです。カナダの研究チームが、コロナ感染後に息切れの症状が6週間以上続く患者を調査。MRIを撮る際に患者に偏極キセノンガスを吸い込ませることで、3億個以上存在する肺胞嚢(のう)の機能をリアルタイムで観察できたといいます。肺胞嚢では、赤血球へ酸素が受け渡されます。コロナ後遺症患者は、この受け渡しがうまく行われていないことが分かったそうです。Medical Xpressの記事です。

  • 片足で10秒間立っていられない人は、早死にする?

    2022-06-30

    中高年の健康診断にバランス感覚を調べる検査を含めた方がいいかもしれません。英、米、ブラジルなど5カ国の研究チームが、歩行に問題のない51~75歳の中高年1702人を2008~20年にわたって調査。片足で10秒間立つことができなかった人は、その後10年間の全死因死亡リスクが84%高くなることが分かったそうです。ただし、参加者は全て白人のブラジル人であったため、今回の結果は他の民族や地域には当てはまらない可能性があるとのこと。MedicalBriefの記事です。

  • WHO、米の中絶権否定判断を非難

    2022-06-30

    米連邦最高裁は6月24日、人工妊娠中絶を憲法が保障する権利として認めた1973年の判例を覆し、州ごとに中絶を禁止・規制することを容認しました。これに対し、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長が「安全で合法的な中絶は医療として理解されるべきだ」と批判しています。また、危険な方法での中絶を選ぶ女性が現れ、命を落とすリスクが生じると指摘。時代の流れを「後戻り」する今回の判断が他国に与える影響にも懸念を示しています。AP通信の記事です。

  • 「ノロ」などの胃腸炎を起こすウイルス、唾液を介して広がる可能性

    2022-06-30

    胃腸炎を引き起こすノロウイルス、ロタウイルス、アストロウイルスのヒト―ヒト感染は、汚染された物に接触して、口からウイルスが入ることで起こると考えられていました。しかし、米国の研究チームによって、唾液を介して感染する可能性が明らかになったそうです。子マウスの実験で、3ウイルスが腸での複製量と同等量、唾液腺でも複製することが判明。さらに、ノロウイルスがヒトの唾液腺細胞で簡単に増殖することも分かったとのこと。NewScientistの記事です。

  • 男性と性交渉する男性の間で髄膜炎菌感染症が流行/米フロリダ州

    2022-06-29

    米疾病対策センター(CDC)とフロリダ州保健当局は、同州で「髄膜炎菌感染症」患者を26例確認したそうです。死者は7人。患者のうち24人は男性と性交渉する男性だといいます。この細菌は唾液などを通じて、密接な接触によって拡散するそうです。高熱、頭痛、肩こり、嘔吐、濃い紫色の発疹が主な症状。初めはインフルエンザのようにみえるものの、急激に悪化することが多いといいます。感染を予防するには、ワクチン接種が最善の方法とのこと。CNNの記事です。

  • 切り札の抗菌薬がなくなる? 世界中に広がる超多剤耐性チフス菌

    2022-06-29

    治療しない場合の致死率が最大20%という腸チフス。原因菌であるチフス菌の薬剤耐性化が深刻さを増しているようです。米国の研究チームが、2014~19 年に南アジアで確認された3489 のチフス菌株のゲノム配列を解析。超多剤耐性(XDR)チフス菌が増加し、世界中に急速に広がっていることが明らかになったといいます。現在XDRチフス菌に唯一有効とされる経口抗菌薬「アジスロマイシン」が効かなくなるのも時間の問題だとみられているそうです。ScienceAlertの記事です。

  • 新しい治療法の開発に期待 アルツハイマー病の脳血管に関する新発見

    2022-06-24

    アルツハイマー病を理解するには脳の血流が重要なポイントになるようです。英国の研究チームが、タンパク質「アミロイドβ1-40(Aβ1-40)」に着目。Aβ1-40を多く産生するアルツハイマー病高齢マウスは、健康なマウスに比べて、脳の表面に張り巡らされた小動脈が狭いことが分かったそうです。この動脈が狭まることが、記憶力低下の原因の一つだといいます。そして、Aβ1-40が、血管を広げる役割を持つ「BKタンパク質」の働きを阻害することも判明したそうです。Medical Xpressの記事です。

  • 英、感染リスク高い男性にサル痘予防のワクチン提供へ

    2022-06-24

    英保健当局は、サル痘予防のワクチンの提供対象を拡大するようです。これまでは患者に接触する医療従事者などに限定していましたが、男性と性交渉するなど感染リスクが高いと考えらえる男性も対象になるそうです。英国で確認されているサル痘患者の99%以上が男性で、その多くがゲイやバイセクシャルだといいます。ワクチンは元々天然痘のために開発されたものですが、サル痘に対しても85%の有効性があると考えられているとのこと。AP通信の記事です。

  • 乳がんは人が眠っている間に転移する?

    2022-06-24

    乳がんは人が眠っている間に活発になるようです。スイスの研究チームが、乳がん患者30人とモデルマウスを調査。血中を循環して転移を起こす循環腫瘍細胞は、眠っている時の方が腫瘍から多く生み出されることが分かったそうです。さらに、夜間に腫瘍から離れていく循環腫瘍細胞の方が素早く分裂し、転移につながりやすいことも明らかに。昼夜のリズムを司るメラトニンなどのホルモンが、循環腫瘍細胞の遊離をコントロールしているとのこと。ScienceDailyの記事です。

  • ED治療薬、化学療法耐性の食道がん治療に有効な可能性

    2022-06-24

    勃起不全(ED)治療に使われるバイアグラなどのPDE5阻害薬が、化学療法耐性の食道がん治療に効果があるかもしれません。英国の研究チームが、食道がんの腫瘍の周辺環境を調査。がんの増殖を助け治療の効果を妨げる「がん関連線維芽細胞(CAF)」の所で、酵素のPDE5レベルが高いことが判明しました。化学療法耐性の食道がんをマウスに移植し、標準的な化学療法とPDE5阻害薬を併用したところ、有害な副作用を起こすことなく、がんが縮小したといいます。News-Medical.Netの記事です。

  • 眼球内に安全に薬剤を送達できる超極微針を開発

    2022-06-22

    加齢黄斑変性や糖尿病網膜症の治療では、白目から注射を刺して、眼球内を満たすゼリー状の硝子体に薬剤を注入することがあります。その際、感染症などの合併症の懸念がありますが、韓国などの研究チームがそれを防ぐ、栓の付いた超極微針を開発したそうです。針を刺した時にできる穴は栓で塞がれます。針は眼球内にとどまって薬剤を放出し、最終的に生分解されるといいます。ブタの実験では、薬が安全に眼球内に広がったとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 新型コロナとは別? 北朝鮮で腸の感染症が流行

    2022-06-22

    新型コロナが広がっている北朝鮮で、急性の腸感染症が流行しているようです。流行が確認されたのは、首都平壌から南に120kmほど離れた黄海南道。これまでに少なくとも800世帯が医療支援を受けたといいます。病名は明らかになっていないものの、コレラや腸チフスの可能性が指摘されています。当局は患者の徹底的な隔離の重要性を強調。北朝鮮の労働新聞は、金正恩総書記が準備した医薬品が、患者に届けられる予定だと報道しているそうです。CNNの記事です。

  • 「プロバイオティクス」サプリがうつ病治療の助けに

    2022-06-21

    腸内環境を整える「プロバイオティクス」サプリメントが、抗うつ薬の効果を高めるそうです。スイスの研究チームが、うつ病患者47人を31日間調査。抗うつ薬に加えてプロバイオティクスサプリを飲んだ人は、プラセボを使った人に比べてうつ症状が大きく改善したそうです。サプリを使った人の腸内で乳酸菌が増えたといいます。ただ、追跡調査の結果から、この細菌が腸内に定着するには、より長い治療期間が必要なことも分かったそうです。ScienceAlertの記事です。

  • ノンアルでもOK ラガービールが男性の腸内環境を整える

    2022-06-21

    ラガービールには男性の腸内環境を整える効果があるようです。ポルトガルの研究チームが、健康な男性19人を二つの群に分けて調査。一方の群にはアルコール入りのラガービールを、もう一方にはノンアルコールのラガービールを、それぞれ4週間にわたって夕食時に11液量オンス(約330ml)飲んでもらいました。その結果、両群共に腸内細菌叢の多様性が高まり、腸内環境が改善したそうです。また、体重やBMIなどに変化は見られなかったとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 「音に合わせて拍子を取る能力」に関連する69の遺伝子を特定

    2022-06-21

    音に合わせて拍子を取るのが得意な人と苦手な人がいるのはなぜなのでしょうか。米国などの研究チームが60万6825人のボランティアを調査。参加者の遺伝子解析(ゲノムワイド関連解析)を行った結果、拍子を取ることができる人とできない人の間で、69の遺伝子に違いがみられることが明らかになったそうです。これらの遺伝子における変異が、拍子を取る能力にマイナスの影響を与えたりプラスの影響を与えたりすることが示唆されたとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 腎移植後の免疫抑制薬を不要にする新技術 小児3人で成功

    2022-06-21

    米スタンフォード大学が、非常にまれな遺伝性の多臓器障害「シムケ免疫性骨形成不全(SIOD)」の小児患者3人に新たな技術を使って腎移植を行ったようです。腎移植に先立ち、チームはドナーの骨髄幹細胞を患者に移植。その際、移植片対宿主病の原因となるアルファ・ベータT細胞とCD19 B細胞を枯渇させる処理を加えたといいます。3人の腎移植は成功し、免疫抑制薬を使わずに少なくとも22~34カ月にわたって良好な経過をたどっているとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 血液検査で、化学療法が必要な大腸がん患者を特定

    2022-06-17

    血中のがん由来のDNA(血中循環腫瘍DNA:ctDNA)を調べることで、大腸がんの再発を予測できるそうです。豪州などの研究チームが、ステージ2の大腸がん手術を受けた患者455人を調査。153人は化学療法の標準的な方法で管理され、302人は術後7週間以内に血液検査を受け、ctDNAが検出された患者だけが化学療法で治療されたそうです。化学療法を受けた患者数は血液検査をした群の方が少なく、再発を伴わない2、3年後の生存率は両群で同等だったとのこと。EurekAlert!の記事です。

  • 少量で高い効果が期待される「吸入型」コロナワクチン

    2022-06-17

    吸入型の「次世代」新型コロナワクチンが開発されているそうです。カナダのマクマスター大学が、エアロゾルを吸い込むことで肺に直接送り込めるワクチンを開発。現在使われているワクチンの1%程度の量で済み、しかも効果は長続きするといいます。変異が起こりやすいスパイクタンパク質だけでなく、ウイルスの内側にあるタンパク質も標的にしており、新たな変異株にも効果が期待できるとのこと。現在、第1相試験を行っているそうです。The conversationの記事です。

  • 豪州で見つかった恐怖のヘンドラウイルス変異型 有効な抗体カクテルの作成に成功

    2022-06-17

    豪州で、馬とコウモリからヘンドラウイルス(HeV)の新たな変異型「HeV-g2」が見つかりました。HeVは感染した馬の体液などを介してヒトにうつります。重篤な肺炎や脳炎を引き起こし、致死率は最大95%。HeV-g2の出現で緊張が高まる中、米国などのチームが、従来のHeVを中和する複数のモノクローナル抗体がHeV-g2にも有効なことを確認。このうち三つを新たに設計した抗体1種と組み合わせ、HeV-g2が新たに変異する能力をも抑える強力な抗体カクテルを作ったとのこと。ScienceDailyの記事です。

  • 米FDA、重度円形脱毛症治療薬で初となる経口錠剤を承認

    2022-06-17

    女優のジェイダ・ピンケット・スミスが苦しんでいることで知られる重度の円形脱毛症の治療薬として、米食品医薬品局(FDA)が米イーライリリー社のヤヌスキナーゼ阻害剤「バリシチニブ」を承認したそうです。計1200人を対象にした二つの臨床試験の結果に基づくもので、同疾患の経口治療薬の承認は初めて。この薬を1日4mg、36週間摂取した患者の40%が、頭髪の80%を取り戻したそう。主な副作用として、上気道感染症や頭痛などが確認されたとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 新型コロナ経口薬パキロビッド、重症化リスクの高くない患者には効果なし?

    2022-06-17

    新型コロナの経口治療薬「パキロビッド」は、重症化リスクの高い人にのみ効果が期待できるようです。薬を開発したファイザー社が、「重症化リスクが標準的」な患者でのパキロビッドの有効性を調査。コロナ陽性で症状のある18歳以上の患者1100人に対し、半数にはパキロビッドを1日2回、5日間与え、残りの半数にはプラセボを与えて比較しました。その結果、パキロビッドを服用しても症状を軽くする証拠は示されなかったといいます。CNNの記事です。

  • ビタミンD欠乏と認知症発症に因果関係

    2022-06-17

    「ビタミンDレベルが低い(25nmol/L)こと」と「認知症発症」の間に因果関係があることを、豪州の研究チームが明らかにしたそうです。英国バイオバンクから得た29万4514人のデータを使って解析した結果です。全ての人のビタミンDレベルを標準値(50nmol/L)まで増やすことができれば、認知症患者の17%は発症を予防できる可能性も示唆されたそうです。ビタミンDはキノコ類や魚介類に多く含まれるほか、日光を浴びることによって皮膚でも作られます。Medical Xpressの記事です。

  • タイ、大麻の栽培や販売、使用を合法化

    2022-06-14

    タイ政府は禁止麻薬リストから大麻を除外したそうです。大麻の家庭栽培が解禁され、大麻草の販売や飲食店での大麻入り商品の提供も可能に。農業や観光業の促進につながることを期待しています。ただ、向精神作用のあるテトラヒドロカンナビノール(THC)を0.2%以上含む製品の販売や提供は引き続き違法です。また、タイは2018年に医療用大麻の使用を合法化しています。今後は全国のクリニックで、より自由に治療薬として使えるようになるそうです。BBCの記事です。

  • 2型糖尿病治療薬「チルゼパチド」、肥満治療にも非常に有望

    2022-06-14

    米食品医薬品局(FDA)に承認されたばかりの2型糖尿病治療薬「チルゼパチド」は、肥満の治療で減量手術と同等の高い効果が期待できるようです。薬を開発した米イーライリリー社が、太り過ぎまたは肥満の2539人を対象に72週にわたる第3相試験を実施。参加者はみな肥満関連の併存疾患があるものの、2型糖尿病ではありませんでした。週1回15mg投与(皮下注射)された人の効果が最も高く、平均して元の体重の22.5%(24kg)の減量につながったといいます。ScienceAlertの記事です。

  • ジャスティン・ビーバーも苦しむラムゼイ・ハント症候群とは?

    2022-06-14

    カナダの人気歌手ジャスティン・ビーバーさんが、「ラムゼイ・ハント症候群」によって顔の一部が麻痺していることを公表しました。この疾患は水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされます。小児期などに感染したウイルスが顔面神経に潜伏し、何らかの原因で免疫力が低下した時に再活性化することで発症します。めまいや難聴、耳鳴りなどの症状が出ることもあるといいます。抗ウイルス薬やステロイドを使った治療法があります。CNNの記事です。

  • 母乳中のIgG抗体、乳児の腸の健康を守る可能性/マウス実験

    2022-06-14

    IgG抗体は腸内の善玉菌の影響で自然に産生されます。母乳を介してIgGを受け取ることで、乳児が下痢性疾患から守られる可能性があるそうです。米国の研究チームが、母乳からIgGを受け取った赤ちゃんマウスは、下痢を引き起こす細菌の腸への付着が抑えられることを発見しました。一方で、IgG を受け取らなかったマウスは腸内細菌叢の組成に異常をきたし、炎症性疾患に関連のある炎症性サイトカインを産生する免疫細胞が腸内で増加したとのこと。ScienceDailyの記事です。

  • 蓋付きのIL-12を作製 がん細胞のみへの攻撃が可能に

    2022-06-10

    インターロイキン-12(IL-12)は、免疫細胞を活性化してがん細胞を殺傷させる強い力を持つ物質です。しかし、正常な細胞にも障害を与えてしまうため、治療薬としては使用できませんでした。米国の研究チームが、免疫細胞への結合部分を蓋で覆ったIL-12の作製に成功。腫瘍周辺にある酵素に接触すると蓋が外れてIL-12が活性化し、免疫細胞に腫瘍を攻撃させます。マウスの実験では、懸念された副作用は確認されず、がんの治癒率も非常に高かったとのこと。The conversationの記事です。

  • 拒食症患者、脳の一部が大幅に縮小

    2022-06-10

    神経性やせ症(拒食症)患者に特徴的な脳構造の変化が明らかになったそうです。英国などの研究チームが、2000人近くの脳スキャンを分析。拒食症の人は、「皮質の厚み」「皮質下容積」「皮質の表面積」の三つが大幅に減少することが確認されたそうです。その減少幅は、うつ病やADHDの人にみられる脳縮小の2~4倍にも上るといいます。拒食症に対する適切な治療を早期に行えば、縮小した脳が回復する可能性も示唆されたとのことです。Medical Xpressの記事です。

  • 腸内細菌の代謝産物が認知機能低下と関連

    2022-06-10

    ルミノコッカス科の腸内細菌が産生する代謝産物「イソアミルアミン(IAA)」が、認知機能の低下を引き起こすようです。米国の研究チームは、IAAが血液脳関門を通過できることに着目。腸から脳に移動したIAAの影響をマウスで調べたところ、神経細胞死につながる作用を起こすことが分かったそうです。若い健康なマウスにIAAを与えると認知機能が低下し、高齢マウスの腸でIAA産生を阻害すると認知能力が改善することも明らかになったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 高齢男性がみる「悪夢」、パーキンソン病の初期症状の可能性

    2022-06-10

    寝ている間に頻繁に悪夢をみる男性は、パーキンソン病に注意が必要かもしれません。英国の研究チームが、一般的な脳機能をもつ高齢男性3818人を12年にわたり追跡。悪夢を頻繁にみると報告した人は、パーキンソン病を発症するリスクが倍増することが分かったそうです。発症した人のほとんどが、調査開始から5年以内に診断を受けたといいます。悪夢の有無を尋ねることで、パーキンソン病の早期発見につながる可能性が示唆されたとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 全員の直腸がんが消えた! がん免疫治療薬「ドスタルリマブ」の第2相試験

    2022-06-08

    子宮内膜がんの治療に使われるがん免疫治療薬「ドスタルリマブ」が、直腸がんにも有効かもしれません。米国の研究チームが、直腸がん(ミスマッチ修復機構欠損:MMRd)患者12人にドスタルリマブを3週間ごとに6カ月間投与。治療から6カ月後もがんの形跡は見当たらず、12人全員が「寛解(臨床的完全奏功)」だったそうです。副作用については、手術や化学放射線療法の影響で起こるような深刻なものは、今のところ報告されていないとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 乳がん治療薬「エンハーツ」、HER2陰性の一部の患者にも有効な可能性

    2022-06-08

    乳がん治療薬「エンハーツ」は、がんの増殖に関わるタンパク質HER2が多く発現する「HER2陽性」乳がんに使用されます。米国の研究チームが、HER2陰性に分類される「HER2低発現乳がん」を患い、転移性または切除不能な状態と診断された患者500人を調査。がんの進行が抑えられた期間は、標準的な化学療法を受けた人が5.5カ月間、エンハーツを使った人は10カ月間でした。エンハーツによって、生存期間が約6カ月延長することも示されたといいます。AP通信の記事です。

  • パキロビッドで治療後にコロナ再発? 症状が出る前に感染させる可能性も

    2022-06-07

    新型コロナ治療薬「パキロビッド」を使用した場合、治療終了後もしばらく注意が必要かもしれません。米国の研究チームが、パキロビッドで治療後にコロナがぶり返す症例を調査。再発後、他の人にコロナをうつした事例が少なくとも2件あり、患者に再度症状が現れる前から感染させる可能性も示唆されたそうです。患者のウイルス量は、パキロビッドの投与によって一旦減少するものの、その後なぜか一部の人で再び増加するとのことです。CNNの記事です。

  • がん治療に光明 遺伝子改変T細胞療法で、すい臓がんが縮小

    2022-06-07

    遺伝子改変T細胞療法は、遺伝子改変した免疫細胞のT細胞を使ったがんの治療法です。米国の研究チームが、ある治療困難なすい臓がん患者のT細胞遺伝子を改変。T細胞受容体(TCR)が、腫瘍細胞内に隠れる突然変異タンパク質を発見できるよう操作したといいます。このT細胞を患者に戻したところ、腫瘍が72%縮小したそうです。ただ、同じ療法を受けた別の患者の治療は失敗に終わっており、その理由は明らかになっていないとのこと。AP通信の記事です。

  • 毎日コーヒーを飲むと、死亡リスクが最大30%低くなる

    2022-06-07

    カフェインを含んだコーヒーを毎日適量飲むと、長生きできるかもしれません。中国の研究チームが、心血管疾患やがんを患っていない37~73歳の英国人17万1616人を調査。コーヒーを飲まない人と比べると、7年後(平均値)に死亡しているリスクが、甘いコーヒーを1日1.5~3.5杯飲む人は30%低く、甘くないコーヒーを1日1.5~3.5杯飲む人は16~29%低かったそうです。甘いコーヒーを飲む人は、平均でティースプーン1杯の砂糖を入れていたとのこと。CNNの記事です。

  • 加齢黄斑変性の進行を抑えるサプリ、従来より有益な配合成分を確認

    2022-06-07

    加齢黄斑変性(AMD)の進行を抑えるためのサプリメントがあります。しかし、成分のβカロテンが、喫煙者が摂取した場合に肺がんリスクを上昇させることが分かっていました。そこで、βカロテンを抗酸化物質のルテインとゼアキサンチンに置き換え、安全性と効果を調べる研究が行われたそうです。米国の研究チームが、参加者3883人を10年間追跡したデータを分析。肺がんリスクは上昇せず、AMD進行抑制の効果は高まることが確認されたそうです。Medical Xpressの記事です。

  • 肥満患者、減量手術でがんの発症・死亡リスクが低下

    2022-06-07

    肥満患者が減量手術(肥満外科手術)を受けると、がんのリスクを低減できるかもしれません。米国の研究チームが、2004~17年に肥満治療のために減量手術を受けた患者5053人と手術を受けていない肥満患者2万5265人の10年後を比較。減量手術が、肥満と関連があるとされる13種類のがん発症リスクを32%低下させることが分かったそうです。さらにこの手術によって、がん関連で死亡するリスクが48%低くなることも明らかになったといいます。ScienceDailyの記事です。

  • オプジーボと化学療法の組み合わせが、膵臓がん治療に有効

    2022-06-07

    膵(すい)臓がんの有望な治療法が見つかったようです。米国の研究チームが、転移性の膵管腺がん(PDAC)患者100人を対象に臨床試験を実施。がん免疫治療薬「ニボルマブ(商品名オプジーボ)」と二つの化学療法薬「ナブパクリタキセル」「ゲムシタビン」を組み合わせて投与された患者は1年生存率が57.7%で、化学療法のみの患者の平均生存率35%を上回ったそうです。ニボルマブの代わりに「ソチガリマブ」を使用した方が有効な患者もいるとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 2021年、世界の医薬品売上高トップ20

    2022-06-02

    2021年「世界の医薬品売上高トップ20」は、新型コロナウイルス関連の製品が大きな存在感を示しているようです。コロナ関連製品は4つがランクイン。首位はファイザー・ビオンテック社のコロナワクチン「コミナティ」で、売上高は368億ドルと他を圧倒したそうです。前年まで9年連続首位だった関節リウマチなどに使われるアッヴィ社の「ヒュミラ」は2位、モデルナ社のコロナワクチン「スパイクバックス」が3位だったといいます。 Fierce Pharmaの記事です。

  • HPV検査で子宮頸がん検診の頻度を安全に減らす/英

    2022-06-02

    英国では、子宮頸がんのスクリーニング方法が変わりつつあるそうです。イングランド、スコットランド、ウェールズでは、検査方法を従来の細胞診からHPVウイルスの存在を調べる「HPV検査」に変更。これまで3年に1度行われていた検診を5年に1度に減らした地域もあるといいます。同国の研究チームが女性130万人のデータを分析したところ、5年に1度の検診でもHPV検査によって十分にがんを予防できることが分かったそうです。BBCの記事です。

  • いまだに多くの医師が「無症候性細菌尿」に抗菌薬を処方/米

    2022-06-01

    米国で抗菌薬の不適切な使用が続いているようです。同国の研究チームが、プライマリケア医723人を対象に、無症状にもかかわらず尿から細菌が検出される状態の「無症候性細菌尿」患者への対応を調査。回答した551人中392人(71%)が抗菌薬を使うと答えたそうです。無症候性細菌尿への抗菌薬の処方は、下痢や嘔吐、常在菌の感染症などを引き起こしたり、腸内で危険な細菌C.difficileを過剰に増殖させたりする危険があるため、2005年以降推奨されていません。Medical Xpressの記事です。

  • 「サル痘」に関するデマ、ネット上で拡散

    2022-06-01

    「サル痘」感染が拡大してから、新型コロナウイルスの情報を再利用しているとみられるデマが多く拡散しているようです。インターネット上には、今回のサル痘が研究室から流出したものだとする情報が存在。しかし遺伝子配列を調べると、それはありえないことが分かっています。「ロックダウンが近い」「感染拡大は意図的に計画された」「コロナワクチンが関連している」などの憶測が流れていますが、どれも全く根拠がないといいます。BBCの記事です。(写真:サル痘ウイルスの電子顕微鏡画像=CDC提供)

  • 英国で増え続ける小児肝炎患者、計222人に

    2022-06-01

    英国で原因不明の小児肝炎患者の報告が増加しており、5月27日時点で累計222件に達したそうです。原因についてWHO(世界保健機関)は、新たなアデノウイルスの出現▽新型コロナウイルスとの共感染▽子どもがアデノウイルスに感染しやすくなっていること▽コロナ後遺症――など複数の可能性を指摘しています。インターネット上でコロナワクチン原因説も出ていますが、患者の多くは接種対象年齢未満であり、つじつまが合わないとのこと。Forbesの記事です。

  • 幼少期に犬を飼うと、クローン病の発症リスクが低くなる?

    2022-06-01

    環境要因が、炎症性腸疾患の「クローン病」発症リスクに関連しているかもしれません。カナダの研究チームが、患者の第一度近親者(父母、兄弟姉妹、子ども)4289人を調査。2~4歳の時に犬を飼っていた人は、発症リスクが低かったそうです。猫の飼育は発症リスクと関係なかったとのこと。また、生後1年間を3人以上の家族と過ごした人も低リスクだったそう。環境要因による腸内細菌叢組成の変化が関係している可能性があるといいます。Medical News Todayの記事です。

  • 2型糖尿病が脳の老化を早める可能性

    2022-05-30

    2型糖尿病の脳への影響に、もっと注目するべきかもしれません。米国の研究チームが、英国バイオバンクのデータを使って50~80歳の2万人の脳を調査。2型糖尿病の人はそうでない同年齢の人に比べ、加齢の影響を越えて、実行機能が13.1%、処理速度が6.7%、それぞれ低下したそうです。糖尿病が進行すると、脳の老化が最大で26%加速することも分かったといいます。糖尿病と診断される前から脳が影響を受けている可能性も示唆されています。Neuroscience Newsの記事です。

  • ビタミンD含有の遺伝子組み換えトマトを開発

    2022-05-30

    骨の軟化を引き起こすビタミンD不足は、英国の研究チームが開発した遺伝子組み換えトマトで解消できるかもしれません。ヒトが食べ物から取るべきビタミンD3は、プロビタミンD3(7-DHC)に紫外線(UBV)を当てることで生成されます。プロビタミンD3は本来、葉にしか含まれませんが、チームは実にも含むトマトを作り出すことに成功。スライスした実にUVBを1時間照射したところ、実1個に1日の推奨摂取量に当たるビタミンD3が含まれていたとのこと。SciTechDailyの記事です。

  • 抗てんかん薬「ガバペンチン」で脳卒中後の運動機能が回復する可能性

    2022-05-30

    脳卒中後の運動機能の回復に、抗てんかん薬「ガバペンチン」が有効かもしれません。米国の研究チームが、虚血性脳卒中のモデルマウスを使って調査。ガバペンチンを毎日6週間にわたって投与されたマウスは、脳卒中後の前肢運動機能が回復しやすかったそうです。治療終了から2週間後も、機能回復は持続していたといいます。脳卒中が起きてから1時間後に治療を始めても、1日後に始めても、結果に違いはみられなかったとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 米国でオミクロン株亜系統「BA.2.12.1系統」の感染が拡大 デルタ株の特徴も備える?

    2022-05-30

    米国でまた、新型コロナウイルスの感染が拡大しています。患者の58%はオミクロン株の亜系統「BA.2.12.1」の感染者だといいます。専門家はBA.2.12.1について、以前のオミクロン株に比べて広がりが速く、免疫をうまく回避する能力があると指摘しています。患者が重症化しやすい可能性もあるそうです。BA.2.12.1はオミクロン株だけでなく、デルタ株の特徴も兼ね備えており、従来のオミクロン株に感染した人もBA.2.12.1に再感染するリスクが高いといいます。AP通信の記事です。

  • EV-D68ウイルスが急性弛緩性脊髄炎を引き起こすメカニズム

    2022-05-30

    ポリオに似た麻痺を起こす「急性弛緩性脊髄炎(AFM)」と「エンテロウイルスD68(EV-D68)」の直接的な因果関係が明らかになったようです。米国の研究チームが、2008年にAFMで死亡した男児の剖検標本を調査。EV-D68が、脊髄ニューロンに直接感染していたことが分かったそうです。EV-D68に感染していたニューロンは、上肢の脱力に関連する領域だったといいます。さらに、感染に伴う強力な免疫反応も確認され、正常なニューロンも破壊された可能性があるようです。Medical Xpressの記事です。

  • サル痘は、どのように感染が広がったのか?

    2022-05-27

    欧米などで報告が相次ぐ「サル痘」は、性交渉によって感染が拡大した可能性があるそうです。WHO(世界保健機関)は、最近欧州内で開かれた二つのダンスパーティー(レイブ)での性的な行為が契機になった可能性に言及。欧州各国の保健当局によると、患者の多くは男性と性交渉をする男性です。ただ、そういった人が他の人より感染リスクが高いわけではなく、たまたまそのコミュニティで最初に感染が起きたことが原因だとみられています。AP通信の記事です。(写真:サル痘ウイルスの電子顕微鏡画像=CDC提供)

  • がん細胞のみを殺すウイルス、臨床試験で1人目の患者に投与

    2022-05-25

    がん細胞のみに感染して増殖し、それを破壊する「腫瘍溶解性ウイルス」をご存じでしょうか。米国と豪州の研究チームが、ポックスウイルスを遺伝子改変した「CF33-hNIS (別称Vaxinia)」を開発。ウイルスが破壊したがん細胞から抗原が放出され、免疫系を刺激する効果もあるそうです。このほど、第1相試験でこの薬を1人目の患者に投与。少なくとも2つの標準治療を受けたことがある転移性または進行性固形がん患者計100人に試験を行う予定とのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 新型コロナ入院患者、8人に1人が後に心筋炎発症/英

    2022-05-25

    新型コロナで入院した患者に生じる長期的な影響が明らかになったようです。英国の研究チームが、2020年5月~21年3月に新型コロナで入院した患者159人を1年間にわたり追跡調査しました。8人に1人が後に心筋炎と診断されたそうです。全身炎症や臓器へのダメージにより、再度治療を受けた患者も多くいたといいます。退院後の体調を左右するのは、基礎疾患の有無ではなく、新型コロナ感染時の重症度だということも判明したそうです。iNewsの記事です。

  • 欧米で感染者の報告が相次ぐ「サル痘」、症状や感染経路は?

    2022-05-24

    各国で相次いで感染者が見つかっている「サル痘」は、サル痘ウイルスによる感染症です。潜伏期間は5日~3週間。患者のほとんどは発熱、体の痛み、悪寒、倦怠感といった症状で済むものの、悪化すると顔や手に発疹が現れ、全身に広がるようです。致死率は最高10%。感染者の体液や発疹に触れたり、飛沫を浴びたり、汚染された衣類、寝具に接触したりすることで感染します。性交渉を通じて感染が広がっている可能性が指摘されています。AP通信の記事です。

  • クランベリーが認知症予防に効く? 記憶力や脳機能が改善

    2022-05-24

    クランベリーを毎日食べると、記憶力や脳機能にプラスの影響があるようです。英国などの研究チームが、正常な認知機能をもつ50~80歳の参加者60人を調査。生のクランベリー100gに相当する量のフリーズドライクランベリー粉末を毎日12週間にわたって摂取した人は、体験した出来事の詳細な記憶や神経機能、脳の血流が改善することが分かったそうです。さらに、動脈硬化を引き起こすとされる悪玉コレステロールのレベルも低下したといいます。EurekAlert!の記事です。

  • サル痘、現時点で心配は不要/米CDC

    2022-05-24

    米疾病対策センター(CDC)などの専門家は、各国で感染報告が相次いでいるサル痘について、「現時点で一般市民が差し迫った危険を心配する必要はない」と考えているようです。専門家は、アフリカ以外の国々で感染が確認されていることは極めて異常だと指摘。一方で、感染例は少なく、大規模な流行が起こる可能性は非常に低いとしています。サル痘には天然痘ワクチンが有効であるため、感染リスクの高い人に接種する用意もできているとのこと。CNNの記事です。

  • 若い世代の急性心筋梗塞を引き起こす危険因子、男女で違い

    2022-05-24

    若い世代の急性心筋梗塞(AMI)を予防するためには、男女で戦略を変えた方がいいそうです。米国の研究チームが、55歳以下のAMI患者2264人と対照群2264人のデータを分析。女性において最もAMIに関連する危険因子は糖尿病で、次いで喫煙、うつ病、高血圧、低世帯所得などが続きました。一方男性は、喫煙とAMI家族歴が主な危険因子だったといいます。近年、特に若い女性のAMIが増えており、これらの危険因子を意識する重要性が指摘されています。ScienceDailyの記事です。

  • 欧米でサル痘の報告相次ぐ 性交渉で感染の可能性も

    2022-05-20

    欧米で、中央・西アフリカで流行するサル痘の報告が相次いでいます。このAP通信の記事では、ロンドンで感染したとみられる男性4人について説明。全員がゲイやバイセクシャルで、アフリカへの渡航歴はなかったといいます。サル痘は感染動物の血液や体液に触れることで感染します。症状は発熱や筋肉痛から始まり、ひどくなると顔や性器に発疹が現れます。地域社会で濃厚接触による感染が広がっている可能性があるとのこと。現在、複数の国で感染者の報告が上がっています。

  • 低タンパク質食の「老化防止効果」に不可欠なホルモン、マウスで特定

    2022-05-20

    「低タンパク質食」はげっ歯類などの健康や寿命に好影響を及ぼすと考えられています。肝臓から分泌されるホルモン「線維芽細胞増殖因子21(FGF21)」が、この効果には不可欠であることが分かったそうです。米国の研究チームがオスのマウスで調査。FGF21遺伝子ノックアウトマウスに低タンパク質食を与えたところ、同じものを与えられた通常マウスに比べて老化が早く、自然寿命が短くなったといいます。メスのマウスにも当てはまるかは未確認とのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 北朝鮮で新型コロナの感染が急拡大か

    2022-05-20

    北朝鮮で、新型コロナが原因とみられる発熱者の増加が止まらないようです。同国は5月18日、新たに23万2880人の発熱者と6人の死亡を確認したと発表。4月下旬以降、発熱者は累計で170万人を超え、死者は62人に上るそうです。国外の専門家は、そのほとんどがコロナ感染者で、死者数は少なく報告されている可能性があるとみています。また、同国はワクチンを調達しておらず、WHO(世界保健機関)からの援助の申し出も受け入れていません。AP通信の記事です。

  • 開発中のALS新薬、既存薬より有効な可能性

    2022-05-20

    米ノースウェスタン大学が筋萎縮性側索硬化症(ALS)新薬「NU-9」を開発中で、既存薬より有効な可能性があることが分かったそうです。チームは、ALS(SOD1遺伝子変異型)モデルマウスで薬の有効性を調査。NU-9には、異常が生じた上位運動ニューロンの軸索を伸ばす効果があることが判明したといいます。また、既存薬のリルゾールやエダラボンと組み合わせると、NU-9の効果が高まるとのこと。順調にいけば、2023年には第1相試験が行われる予定だそうです。Medical Xpressの記事です。

  • 感染後のワクチン接種で、コロナ後遺症が改善する可能性

    2022-05-20

    新型コロナの後遺症に苦しんでいる人は、コロナワクチンを打った方がいいかもしれません。英国の研究チームが、コロナ感染後に少なくとも1回ワクチンを接種した成人2万8356人のデータを分析しました。後遺症に苦しむ人の割合は、感染後にワクチンを1回接種すると13%減り、2回接種するとさらに9%減ることが分かったそうです。生物学的メカニズムを解明することで、後遺症治療薬の開発につながる可能性があるといいます。Medical Xpressの記事です。

  • トキソプラズマに感染している人の顔は魅力的に見える?

    2022-05-20

    トキソプラズマ原虫に感染すると、人の外見が変化する可能性があるようです。フィンランドの研究チームが、トキソプラズマ感染者35人と非感染者178人を比較。感染者は顔が左右対称である傾向が高いことが分かったそうです。別の実験で、同じ感染者と非感染者の顔写真を205人に評価してもらったところ、感染者の方が健康で魅力的に見えるとの結果が出たといいます。感染が内分泌系に与える影響が原因ではないかとの推測があるそうです。ScienceAlertの記事です。

  • テレビゲームは子どもの知能に好影響を与える

    2022-05-18

    テレビゲームは子どもの知能を高める可能性があるようです。スウェーデンの研究チームが、9~10歳の米国の子ども9855人を調査。子どもたちは1日平均1時間、テレビゲームをしていたそうです。2年後にこのうち5000人について調べたところ、テレビゲームに平均以上の時間を費やしていた子どもは、IQが平均的な上昇値より2.5ポイント高かったそうです。テレビ視聴やソーシャルメディア使用による知能への影響はみられなかったといいます。ScienceAlertの記事です。

  • インフルの心臓合併症、心臓への直接感染が原因/マウスで確認

    2022-05-18

    インフルエンザによる心臓の合併症は、肺での激しい炎症が原因ではなく、心臓への直接感染で起こるようです。米国の研究チームが、心臓の細胞で複製できないウイルスをゲノム編集で作製。インフルエンザによる心臓の合併症を起こしやすいIFITM3遺伝子欠損マウスと通常マウスに、通常のウイルスとゲノム編集したウイルスを感染させて比較しました。その結果、心臓でウイルスが複製されなければ心臓の合併症は起きないことが分かったとのこと。ScienceDailyの記事です。

  • 単一バクテリオファージで薬剤耐性菌感染症の治療に成功

    2022-05-17

    バクテリオファージ(ファージ)は細菌を殺すウイルスです。米国の研究チームが、1種類のファージを使い、薬剤耐性菌感染症の治療に成功したそうです。ある関節リウマチ患者が、薬剤耐性を獲得した細菌「マイコバクテリウム・ケロナエ」によって皮膚疾患を起こしていました。チームは「Muddy」と呼ばれるファージがその細菌に有効だということを突き止め、患者に投与しました。すると、感染が8カ月にわたって治まったそうです。Medical Xpressの記事です。

  • 炎症には意味がある! 痛みに対する抗炎症薬の使用が慢性疼痛を引き起こす

    2022-05-17

    けがによる痛みを和らげるために薬で炎症を抑えると、かえって慢性的な痛みに苦しむことになるかもしれません。カナダの研究チームは、炎症の初期段階に深く関与する白血球の一種「好中球」が、痛みの解消に重要な役割を果たすことを発見。マウスの好中球を阻害したところ、通常の10倍も痛みが長引いたそうです。ジクロフェナクやデキサメタゾンといった抗炎症薬やステロイドの使用も、同様の結果につながったといいます。マギル大学が発表しました。

  • 尿路感染症の再発は抗菌薬による腸内細菌叢の乱れが原因か

    2022-05-17

    尿路感染症を抗菌薬で治療するという「常識」を見直す必要があるかもしれません。米国の研究チームが、再発性尿路感染症の女性15人とそうでない女性16人を調査しました。感染を繰り返す女性は健全な腸内細菌の多様性が低く、特に抗炎症作用のある「酪酸」を作り出す菌が少ないことが分かったそうです。尿路感染症治療のために使用した抗菌薬が腸内細菌叢の組成を乱し、再発の機会を増やしてしまう可能性が示唆されたとのことです。Health Europaの記事です。

  • 150人に1人の目に寄生虫のトキソプラズマが感染/豪州

    2022-05-17

    寄生虫のトキソプラズマが目の網膜や脈絡膜に感染すると、組織が破壊され、著しい視力低下などの症状が出ます。豪州の研究チームが、1946~64年生まれで西オーストラリア州在住だった5000人以上の網膜画像を分析。推定150人に1人がこの疾患を持つことが判明しました。感染源は、感染した猫の糞や加熱不足の肉などで、母親から胎児にうつることもあります。豪州では赤身肉をレアで食べる人が多く、リスクを高める要因になっているそうです。ABC NEWSの記事です。

  • 原因不明の小児肝炎、親が知っておくべき注意点

    2022-05-13

    世界中で報告が上がっている原因不明の小児肝炎について、親はどのようなことに注意すればいいのでしょうか。症状として、まず現れるのは、ウイルス性疾患と同様の胃腸障害や発熱、倦怠感です。濃い色の尿、薄い色の便、皮膚や白目が黄色くなる黄疸が認められた場合は、至急医師に相談するべきだといいます。もし原因がアデノウイルスと関連しているのであれば、手洗いの徹底などの対策が予防につながるとのこと。CNNの専門科へのインタビュー記事です。

  • 糞便移植で若さを取り戻せる可能性/マウスで確認

    2022-05-13

    若さを保つには、糞便移植が有効かもしれません。英国の研究チームがマウスを使って調査。糞便移植を通じて若いマウスの腸内細菌叢を受け取った高齢マウスは、腸はもちろん、脳や目の老化に関連する有害作用が抑制されたそうです。逆に、高齢マウスの腸内細菌叢を受け取った若いマウスは、加齢による慢性炎症が関連するとされる脳の免疫細胞の過活動状態が起こり、目では網膜変性に関連するタンパク質の増加が認められたといいます。ScienceDailyの記事です。

  • 世界のコロナ死者数、実際は1500万人/WHO推計

    2022-05-12

    新型コロナに関連する実際の死者数は、報告されているよりかなり多い可能性があるようです。WHO(世界保健機関)が、「超過死亡数」と呼ばれる指標を使って調査しました。その結果、世界で2020~21年にコロナ関連で死亡した人は1490万人に上ると推計されるそうです。しかし、各国から公式に報告されている同期間のコロナ関連死者数は計540万人だといいます。WHOは、多くの国がコロナ死者数を実際よりも少なく集計しているとみているとのことです。BBCの記事です。

  • ドナーのブタの心臓からウイルス 移植を受けた患者の死亡原因か

    2022-05-12

    今年1月に世界で初めてブタの心臓をヒトに移植する手術が行われ、移植を受けた男性が2カ月後に死亡しました。手術を担当した米メリーランド大学の教授が、移植された心臓が豚サイトメガロウイルスに感染していたことを発表。このことが患者の死に影響を与えたとみられるようです。臓器提供のために育てられた特別なブタは病原体を持たないと考えられており、事前のウイルス検査が不十分だった可能性を指摘する声もあるといいます。MIT Technology Reviewの記事です。

  • 米CDC、原因不明の小児肝炎100件を調査 5人死亡

    2022-05-12

    米疾病対策センター(CDC)は、世界中から報告が上がっている原因不明の小児肝炎について、患者109人の調査を進めているそうです。このうち14%が肝移植を必要とし、5人が死亡。90%以上の子どもが入院したといいます。また、50%以上の患者からアデノウイルスが検出されたそうです。同国や英国の調査から、胃腸炎を引き起こすアデノウイルス「41F型」がこの肝炎に関連している可能性が指摘されていますが、他の要因も含め引き続き調査中とのこと。CNNの記事です。

  • 遺伝的要因が人の健康や特性に及ぼす影響 きょうだいを調査

    2022-05-12

    遺伝的要因が健康や社会的な結果に及ぼす影響は、過大評価されている可能性があるようです。英国やノルウェーなどの研究チームが世界の19の研究から、きょうだい関係にある計17万8076人の遺伝的特徴、学歴、健康に関するデータを分析。学歴、最初の子どもを持つ年齢、うつ病などの社会的特性は、家庭や社会環境に強い影響を受けることが分かったそうです。逆にBMIなどの生物学的な面は、家庭や社会的影響を受けにくいことのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 米専門委員会、高齢者のアスピリン常用を推奨せず

    2022-05-10

    60歳以上の人は心血管イベントを予防する目的で新たにアスピリンを常用し始めるべきではないそうです。米予防医学専門委員会は、60歳以上の人がアスピリンを常用してもメリットはなく、むしろ胃腸や脳における出血リスクが高まると結論付けたことを発表。ただし、心臓発作や脳卒中の既往歴がある人は対象外だそうです。また、既にこの薬を常用している人に服用の中止を求めるものではなく、医師と相談して決めるべきだとしています。nprの記事です。

  • ED治療薬の常用が深刻な眼疾患と関連 米レセプト分析から判明

    2022-05-10

    バイアグラなどの一般的な勃起不全(ED)治療薬を日常的に使っている人は、眼疾患に注意が必要かもしれません。カナダの研究チームが、米国人男性21万3000人の診療報酬明細書を分析。ED治療薬を常用し始める前の年には、深刻な眼疾患を持つ人はいませんでした。調査の結果、ED治療薬の常用者は、深刻な眼疾患である「漿液性網膜剝離」「網膜血管閉塞症」「虚血性視神経症」のうちの一つを発症するリスクが85%高くなることが分かったそうです。Medical Xpressの記事です。

  • タンパク質「キスペプチン」、非アルコール性脂肪肝の進行抑制か

    2022-05-10

    非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の治療に有効な物質が発見されたそうです。思春期の開始や生殖機能に関わるタンパク質「キスペプチン」です。米英の研究チームが、西洋食を与えて肥満とNAFLDの状態にしたマウスで調査。マウスにキスペプチンを与えると、脂肪肝や非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、線維症の発症が抑制されたそうです。肝細胞のキスペプチン受容体「KISS1R」を欠損させた西洋食のマウスは脂肪肝になることも明らかになったといいます。 EurekAlert!の記事です。

  • 山中ファクターで肝臓を素早く修復/マウス実験

    2022-05-10

    損傷した肝臓を素早く修復させる方法が見つかったようです。米国の研究チームが、四つの細胞リプログラミング因子(Oct-3/4, Sox2, Klf4, c-Myc)の効果をマウスの肝臓で調査。この因子は、iPS細胞を作る際に用いる山中伸弥・京都大学教授らが発見した「山中ファクター」です。この因子を使ってマウスを1日だけ治療したところ、細胞増殖が促され、肝組織の再生につながったとのこと。マウスの寿命の1/3にあたる9カ月間、腫瘍の発生もなかったそうです。Medical Xpressの記事です。

  • カルシウムサプリ、心臓弁膜症の高齢者の死亡リスク上昇に関連

    2022-04-27

    心臓弁膜症の一つである「大動脈弁狭窄症」がある高齢者は、カルシウムサプリメントを控えた方がいいようです。オーストリアの研究チームが、軽~中度の大動脈弁狭窄症患者2657人を平均5.5年以上調査。患者の平均年齢は74歳だったそうです。カルシウムとビタミンDのサプリを摂取していた人は、全死因死亡リスクが31%上昇し、心血管関連死リスクは倍増したといいます。カルシウムだけを摂取した人も全死因死亡リスクが24%上昇したとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • サプリ2種と運動の組み合わせで、高齢者の浸潤がんリスク6割減

    2022-04-27

    「高用量ビタミンD」「オメガ3」「簡単な運動」の三つを組み合わせることで、高齢者のがんを抑制できるようです。スイスの研究チームが、欧州5カ国から参加した70歳以上の健康な高齢者計2157人を、ビタミンD、オメガ3、運動の組み合わせなどで八つのグループに分けて3年間調査。サプリメントで「ビタミンD3を2000IU」「オメガ3を1g」毎日摂取した上で、簡単な運動を週3回行った人は、浸潤がんのリスクが61%低くなったそうです。EurekAlert!に紹介されています。

  • 喫煙者でも肺がんにならない人がいる理由が明らかに?

    2022-04-26

    喫煙は肺がんの主因とされるのに、喫煙者の一部しか肺がんを発症しないのはなぜなのでしょうか。米国の研究チームが、最新の全ゲノムシーケンシング技術を使って、喫煙経験がない14人と喫煙者19人の肺胞上皮細胞を調査。がんにつながるDNA突然変異の蓄積は、ヘビースモーカーほど多いわけではないことが判明したそうです。一部の人が、突然変異の蓄積を抑制するメカニズムを持ち合わせている可能性が示唆されたといいます。MedicalBriefの記事です。

  • 前立腺がんに関連する可能性がある細菌5種を特定

    2022-04-26

    英国の研究チームが、全ゲノムシーケンシングなど各種の方法を用いて、前立腺がん患者と非前立腺がん患者計600人以上の尿や組織を分析。進行性前立腺がんに関連するとみられる5種類の嫌気性菌を特定することに成功したそうです。Anaerococcus、Peptoniphilus、Porphyromonas、Fenollaria、Fusobacteriumのいずれかの細菌がサンプルから発見された患者は、進行性のがんの可能性があるとのこと。研究者は今回の発見を、前立腺がんの予防や治療につなげたいと考えているようです。Health Europaの記事です。

  • ジカ熱大流行の恐れ ウイルスのわずかな変異で感染力が急激に高まる可能性

    2022-04-22

    ジカ熱の大流行が懸念されています。メキシコの研究チームが、ジカ熱の原因であるジカウイルスのアミノ酸がたった一つ変異するだけで、人間や蚊、マウスの細胞においてウイルスの複製が増加し、感染が起こりやすくなることを発見。また、生物学的に似ているデングウイルス(デング熱の原因)に感染するとジカウイルスにも有効な免疫ができますが、この変異株はそれもすり抜ける可能性があることがマウスの実験で分かったといいます。Forbesの記事です。

  • オミクロン株の複数のタイプが組み合わさった「XE」系統とは?

    2022-04-22

    新型コロナウイルスの「XE」と呼ばれる新たな系統をご存じでしょうか。XEはオミクロン株のBA.1とBA.2が組み合わさったウイルスで、1月中旬に英国で初めて発見されました。今のところ、オミクロン株の一種として扱われています。英国の研究では、感染力はBA.2を5~10%上回ると推計され、オミクロン株の中では最も感染力が高いと考えられています。現時点では、過度に恐れる必要はないとのこと。ScienceAlertの記事です。4月11日に日本でも感染者が初確認されました。

  • 腸内細菌叢を変えると糖尿病が治る?

    2022-04-22

    腸内細菌叢が糖尿病治療の鍵を握っているかもしれません。米国とオランダの研究チームが、肥満及び2型糖尿病の状態にしたマウスに抗生物質を投与し、腸内細菌叢を再構成しました。抗生物質を投与したマウスは、そうでないマウスに比べてインスリン感受性が高まり、膵臓の大きさや消化管ホルモンの分泌も正常レベルに戻ったといいます。インスリン感受性については、痩せたマウスでも抗生物質の投与で高まることが確認されたとのこと。EurekAlert!の記事です。

  • 睡眠不足、お腹まわりの内臓脂肪増加に関連

    2022-04-22

    睡眠が不足すると、心疾患や代謝異常の原因となる内臓脂肪が付きやすくなる可能性があるそうです。米国の研究チームが、肥満ではない健康なボランティア12人を調査。2週間にわたって睡眠を1日4時間に制限された人は、腹部脂肪の総面積が9%増え、腹部内臓脂肪は11%増加したそうです。睡眠時間を戻しても、体重は減るのに内臓脂肪は増え続けたといいます。また、睡眠時間が短い人ほど1日の摂取カロリーが多いことも分かったとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 小型ロボットが脳の深部まで到達 2年以内に臨床試験へ

    2022-04-22

    米カリフォルニア州のBionaut Labs社が、脳内に入り込んで患部を直接治療できる小型ロボットを開発したそうです。大きさは数ミリメートルで、頭の外側に設置した磁気コイルをコンピューターにつなぎ、遠隔操作で脳の特定の領域に誘導できます。ヒツジやブタの実験では安全性が確認されているといいます。米食品医薬品局(FDA)は、ダンディー・ウォーカー症候群と悪性神経膠腫に対する臨床試験の実施を認めており、2年以内に開始予定とのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 心臓病患者の半数が悩む不眠症、心血管イベント再発に関連

    2022-04-22

    心臓病患者の不眠症には注意が必要なようです。ノルウェーの研究チームが、心臓発作や閉塞した動脈の処置から平均16カ月経過した患者1068人を調査。45%の人が不眠症に苦しんでおり、24%の人が「過去1週間に睡眠薬を使用した」と答えたそうです。平均4.2年の追跡調査期間中に、1068人中225人の患者に計364回の主要有害心血管イベント(MACE)が発生。分析によると、参加者が誰も不眠症を患っていなければ、MACE再発の16%を回避できる可能性があるとのこと。News-Medical.Netの記事です。

  • 左側頭葉がない女性、脳の右側で言語を処理

    2022-04-22

    言語の理解に関わる左側頭葉がないのに、普通に会話ができる女性がいるそうです。米国の研究チームが、左側頭葉がない50代女性の脳をfMRI で調査したところ、全ての言語処理が右脳で行われていることが判明。女性は幼い頃に脳卒中で左側頭葉を失い、それを補うために右脳で言語機能が発達したようです。女性の女きょうだいも同様に、右側頭葉がないのに脳機能障害はない状態とのことで、遺伝的要素が関係している可能性があるそうです。Medical Xpressの記事です。

  • 腸内細菌が視床下部の神経細胞に直接作用している可能性

    2022-04-22

    腸内細菌は脳に直接作用するようです。フランスの研究チームが、細菌の細胞壁の主要成分で細菌増殖の指標となる「ムロペプチド」と、それを検出する動物細胞の「NOD2受容体」に着目。マウスの脳を調査したところ、視床下部の神経細胞がNOD2受容体を発現させることが分かりました。視床下部は本能行動の中枢で、自律神経や内分泌と深く関わる領域です。ムロペプチドを視床下部の神経細胞が検出することで食欲や体温が調節されるといいます。ScienceDailyの記事です。

  • 感染から7カ月経過した人の便に新型コロナウイルスのRNA

    2022-04-22

    新型コロナウイルスは、呼吸器から排除された後も腸に存在し続ける可能性があるそうです。米国の研究チームが、コロナ軽~中等症と診断された患者110人を追跡調査。肺にはウイルスが残っていないのに便からウイルスのRNAが見つかった人が、診断から4カ月後に13%おり、診断から7カ月後には4%いたそうです。このことが腹痛や吐き気などのコロナ後遺症に関連している可能性もあるといいます。便から他者に感染する可能性は低いとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 2種類のホルモンが関与? BMI増加で子宮がんリスク倍増

    2022-04-22

    太り過ぎが子宮がんリスクを上昇させるようです。英国の研究チームが、世界7カ国の女性計12万人の遺伝子を分析。このうち1万3000人が子宮がんだったといいます。そして、BMIが5増加するごとに、子宮体がんリスクが88%上昇することが分かったそうです。肥満と子宮がんリスクを関連付ける可能性がある14のマーカーについて調べたところ、空腹時インスリンとテストステロンという2種類のホルモンの関与が指摘されたとのことです。Medical Xpressの記事です。

  • アデノウイルスが原因? 謎の小児肝炎、欧米で報告例相次ぐ

    2022-04-22

    原因不明の小児肝炎が、英国をはじめとする欧州や米国で相次いで報告されているようです。英国では1月以降、4月19日までに74症例を確認。肝臓移植が必要なほど重症化した子どももいたといいます。患者からは肝炎を引き起こす一般的なウイルスは検出されていないそうです。未確定段階ですが、胃腸炎を引き起こす「アデノウイルス41型」が原因として疑われているとのこと。なお、新型コロナワクチンとの関連はないとみられています。AP通信の記事です。

  • 心血管リスクの高さが高齢者のうつ病リスクを上昇させる

    2022-04-22

    心血管の健康を改善すると、高齢者のうつを抑制できるかもしれません。スペインの研究チームが、太り過ぎの人を対象に地中海式ダイエットの効果を評価した研究のデータを分析。対象者は心血管や内分泌疾患のない6545人で、男性は55~75歳、女性60~75歳でした。心血管リスクとうつの状態を評価したところ、心血管リスクの高さがうつ症状のリスクを高めることが分かったそうです。これは特に女性に顕著だったとのことです。EurekAlert!の記事です。

  • 腸内細菌が「食の好み」に影響/マウスで確認

    2022-04-22

    何かを無性に食べたくなる時は腸内細菌が関与しているかもしれません。米国の研究チームが、腸内細菌を持たないマウス30匹に、食生活が違う3種類の野生げっ歯類から採取した腸内細菌を移植。複数の餌を与えたところ、各グループが異なる栄養素を含む餌を選んだそうです。また餌を与える前の血液検査では、ヒトの必須アミノ酸で腸内細菌からも産生されるトリプトファンの値がグループ間で異なっていたといい、関連性が指摘されています。EurekAlert!の記事です。

  • 超音波を使った新たながん療法、肝臓がんラットで有望な結果

    2022-04-22

    米ミシガン大学が超音波を使った非侵襲的がん療法「ヒストトリプシー(histotripsy)」を開発し、ラットの実験で肝臓がんを消滅させることに成功したそうです。チームはラット22匹に肝臓がんを移植。このうち11匹に対して、腫瘍の50~75%を標的としてヒストトリプシーで治療したそうです。治療を受けたラットのうち9匹は腫瘍が完全に退縮し、観察を続けた3カ月間、再発や転移もみられなかったといいます。対照群は全11匹でがんが進行したそうです。ScienceAlertの記事です。

  • 他の組織にも応用可能?皮膚細胞を30歳若返らせることに成功

    2022-04-13

    英国の研究チームがiPS細胞技術を応用し、53歳女性の皮膚細胞を30歳も若返らせることに成功したそうです。iPS細胞を作る際、通常は体細胞を特殊な化学物質に50日間浸します。しかし、今回の研究では12日間に短縮。すると皮膚細胞は幹細胞になるのではなく、23歳相当に若返ったといいます。チームは最終的に、人間の健康寿命を延ばすことを目標にしています。ただ、安全性のほか、他組織にも応用可能かどうかなど課題が残されています。BBCの記事です。

  • マジックマッシュルームでうつ病患者の脳接続が改善

    2022-04-13

    マジックマッシュルームに含まれる幻覚成分「サイロシビン」が、脳の領域間の信号伝達(接続性)を長時間にわたって高めるようです。英国の研究チームが、うつ病患者60人の脳画像を分析。サイロシビンを摂取した患者は、標準的な抗うつ薬を摂取した患者と違って脳領域間の接続性が向上することが明らかになりました。効果は摂取した時だけでなく、最大3週間持続。さらにうつ病症状の改善と相関関係があることも分かったといいます。EurekAlert!の記事です。

  • 死亡や入院は減らず?減塩食が心不全患者にもたらす効果

    2022-04-12

    塩の摂取を控えても、心不全の重症化を防ぐことはできないようです。カナダの研究チームが、心不全患者806人を1年間にわたり調査。減塩食に関する栄養指導を受けた人は、1日のナトリウム摂取量がティースプーン1/4杯ほど減ったといいます。それにもかかわらず、死亡率や入院率については、摂取量を減らさなかった群と比べて有意差はみられなかったそうです。ただし、腫れや疲労感などの症状と生活の質には改善が認められたとのこと。EurekAlert!の記事です。

  • 男性用ピル、マウス実験で99%の効果 年内に治験へ

    2022-04-12

    非ホルモン性の男性用経口避妊薬(ピル)の治験が年内に始まるようです。米ミネソタ大学が、精子の形成などに重要な役割を果たすタンパク質「レチノイン酸受容体アルファ(RAR-α)」に着目。RAR-αのみを標的とする化合物「YCT529」を開発したそうです。これをオスのマウスに4週間経口投与したところ精子数が激減。交配試験での妊娠予防効果は99%に達したといいます。明らかな副作用は認められず、投与中止から4~6週間で生殖能力は回復したとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • コロナ禍のインドで「ムコール症」大流行、牛糞が原因か

    2022-04-12

    新型コロナが流行する中、ムコール症の感染拡大がインドで突出しています。なぜなのでしょうか。米国の研究チームによると、ムコール症を引き起こす真菌は牛の糞(ふん)に豊富に含まれ、それが原因とみられるそうです。インドでは、伝統的な儀式や病気の治療に牛の排泄物が使われるそうです。糞を燃やした煙が真菌を拡散させることが考えられるほか、近年はコロナの治療や予防のために牛の糞が多く使われている可能性があるとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • コーヒーを飲むと、便意をもよおすのはなぜ?

    2022-04-12

    米国の研究チームが、コーヒーを飲んでから数分後に便意をもよおす理由を分析したようです。過去の研究は、カフェイン以外の成分が突然の便意をもたらす可能性を示唆。コーヒーを飲んでから4分以内に腸の運動が活発になることから、コーヒーの成分が腸ではなく胃の内壁を介して神経系またはホルモンに作用していると考えられるそうです。コーヒーが腸運動の促進につながるホルモン「ガストリン」の分泌を促す可能性もあるといいます。CNNの記事です。

  • アルツハイマー病に関連する42の遺伝子を新たに特定

    2022-04-12

    アルツハイマー病の治療や予防のヒントになる可能性がある遺伝子が新たに発見されたそうです。英国の研究チームが、アルツハイマー病と診断された患者111,326人と認知機能が正常な人677,663人の遺伝子を比較。アルツハイマー病リスクを上昇させる75の遺伝子が特定され、このうち42は新たに発見されたものだったといいます。今回見つかった遺伝子は炎症や免疫システムに関連するものが多く、治療の新たな標的になる可能性が示唆されています。CNNの記事です。

  • 一般的な食品添加物「キサンタンガム」で、腸内細菌叢が変化

    2022-04-12

    グルテンフリー食品などに使われる添加物「キサンタンガム(E415)」は当初、人体では消化されないと考えられていました。しかしノルウェーなどの研究チームが、腸内細菌のルミノコッカス科の一種がE415を消化できるように変化し、またバクテロイデス属の細菌もE415の消化に関与することを発見したそうです。これらの変化は西洋式の食事をする人にのみみられるとのこと。健康影響の有無は不明ですが、腸内細菌叢は変化する可能性があるようです。Medical Xpressの記事です。

  • キツネが議員など9人をかむ 検査で狂犬病と判明/米

    2022-04-12

    米国の首都ワシントンの連邦議会議事堂周辺で9人がキツネにかまれ、そのキツネが狂犬病ウイルスに感染していたことが分かったそうです。アミ・ベラ下院議員が、散歩中に突然キツネに襲われたとの被害を報告。他に少なくとも8人の被害が確認されているといいます。キツネは程なく捕獲され、安楽死させられたそうです。その後の検査で、狂犬病ウイルスの陽性が判明したとのこと。当局は被害者全員と連絡を取っているといいます。INSIDERの記事です。

  • コロナ感染から6カ月間は、血栓症に注意

    2022-04-12

    新型コロナから回復した後も、血栓症や出血に注意が必要なようです。スウェーデンの研究チームが、2020年2月1日~21年5月25日に新型コロナに感染した100万人と感染しなかった400万人のデータを分析。コロナ感染から、60日間は出血▽90日間は深部静脈血栓症▽180日間は肺塞栓症――を起こすリスクが高まることが分かりました。第1波で重症だった患者は、これらのリスクが最も高かったそうです。血栓症のリスクは軽傷者でも高まるとのこと。EurekAlert!の記事です。

  • 産後うつの原因か 患者のB細胞に著しい変化

    2022-04-12

    女性の7人に1人が悩まされる「産後うつ」の原因解明に一歩近づいたようです。米国の研究チームが、産後6週間以内の女性1500人の血液を調査。このうち482人が産後うつと診断されていたといいます。RNAシーケンシングや遺伝子型判定などを使って血液成分を分析したところ、産後うつ女性のB細胞に著しい「違い」が認められたとのこと。さらなる解析で、B細胞の活性化の変化とインスリン抵抗性が関与していることが示唆されたそうです。Medical Xpressの記事です。

  • 人間の細気管支に隠れる新たな細胞を発見 COPD治療の改善に期待

    2022-04-12

    新たな細胞がヒトの肺で発見され、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療法改善につながる可能性があるそうです。米国の研究チームが、幹細胞に似た性質を持つ「呼吸器気道分泌細胞(RAS細胞)」をヒトの細気管支で発見。RAS細胞には細気管支内の水分を保持する役割があるといいます。また、肺胞2型細胞の前駆細胞として働き、傷ついた肺胞を修復する役目も持つとのこと。喫煙によるRAS細胞の破壊が、COPD発症につながっている可能性があるそうです。ScienceAlertの記事です。

  • ヒトゲノムの配列、20年の時を経て完全解読

    2022-04-04

    人間の設計図とも言えるヒトゲノム配列の全貌がついに明らかになったようです。各国の研究者で構成される国際チームが、31億塩基対からなるヒトゲノム配列を初めて完全に解読したと発表。これまでに分かっていたゲノム配列は完全なものではなく、約8%が解読できていなかったといいます。今回の完全解読が、老化や神経変性疾患、がんなど様々な分野における医学的進歩への道を開くカギになることが期待されています。AP通信の記事です。

  • 高揚感を求めて?音を通じた「デジタルドラッグ」を試す若者

    2022-04-04

    左右の耳で異なる周波数の音を流す「バイノーラルビート」は不安やうつ症状を緩和するという報告があります。これを「デジタルドラッグ」として使用する人がいるようです。豪州と英国の研究チームが、22カ国から参加した計3万人のデータを分析。約5%がバイノーラルビートの経験者だったそうです。その多くは10代後半から20代前半の若者で、禁止薬物を使用した経験があったとのこと。経験者の1割が娯楽目的での使用だったといいます。ScienceAlertの記事です。

  • 糖尿病治療が一歩前進か 膵島を凍結保存する新技術

    2022-04-04

    米国の研究チームが、膵島の長期凍結保存を可能にする技術を開発したそうです。膵島は糖尿病患者に移植することがありますが、これまでの技術ではドナーから採取した膵島を安全に保存できるのは48~72時間でした。チームは凍結保存する際の余分な液剤を取り除くことで、膵島の急速な冷凍及び解凍に成功。この方法で凍結保存された膵島は9カ月後でも87%が生存しており、齧歯類へ移植したところ正常に機能することが確認されたようです。Medgadgetの記事です。

  • 健康な人にコロナを感染させる試験を実施 判明したこととは?

    2022-04-04

    健康な人に敢えて新型コロナウイルスを感染させるヒューマンチャレンジ試験が世界で初めて行われたそうです。英国の研究チームが、18~30歳でコロナ重症化リスク因子を持たない参加者36人をコロナに感染させ、経過を観察。咳などから生じるわずか10ミクロンの飛沫で、コロナに感染することが分かったといいます。患者は感染から2日後にはウイルスを排出し始め、たとえ無症状だとしても平均6.5日間、最長12日間排出が続いたとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • UV-LEDライトで、コロナやHIVの感染力を抑制

    2022-04-01

    オフィスや公共空間の照明を変えるだけで、新型コロナウイルスの感染を抑制できるかもしれません。カナダの研究チームが、ある液滴を作製。公共の場で人がコロナウイルスやエイズウイルス(HIV)に暴露する環境に似せたものです。これを紫外線LED(UV-LED)ライトに30秒当てたところ、ウイルスの感染力が93%低下したそうです。UVは人体に無害ではないため、人がいる時は白色光、誰もいない時にはUVライトに自動的に切り替わるUV-LED照明を開発中とのこと。Medical Xpressの記事です。

  • ブルース・ウィリスも苦しむ「失語症」とは?

    2022-04-01

    米国の映画俳優ブルース・ウィリスが引退を表明しました。その理由である「失語症」を知っていますか。失語症は、後天的に言語になんらかの問題が生じる状態を指すそうです。もっとも一般的な原因としては、脳卒中や頭部損傷が挙げられるといいます。「聞く」「話す」「読む」「書く」能力に障害が起こる可能性があるものの、通常は知能には影響を及ぼさないとのこと。2016年の調査では、失語症を知っている人は9%未満だったそうです。ScienceAlertの記事です。

  • 個人に適切な薬を提供するための遺伝子検査 来年にも無料で実施か/英

    2022-03-30

    英国では来年にも、医薬品が患者個人の遺伝的性質に合うかどうかを調べる遺伝子検査が、国民保健サービス(NHS)で無料で受けられるようになるかもしれません。医薬品は、個人の体質によって効果が出なかったり、有害事象を引き起こしたりします。英国では、国内で多く処方されている100の医薬品のうち40について、遺伝子検査を提供する技術が既に存在しています。現状では検査は約100ポンドで、血液か唾液のサンプルを使用するといいます。BBCの記事です。

  • 関節炎治療薬で、円形脱毛症患者の1/3が脱毛改善

    2022-03-30

    関節炎治療薬「バリシチニブ」の円形脱毛症に対する有効性が明らかになったようです。米エール大学などが、円形脱毛症患者1200人を対象に第3相試験を実施。バリシチニブ4mgを36週間服用した人の35%において、脱毛が有意に改善したといいます。服用量が2mgの場合でも、20%の人に同様の効果が確認されたそうです。吹き出物の悪化、上気道感染症、頭痛などの副作用がみられたものの、そのほとんどが許容できる範囲のものだったとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • コロナ感染、糖尿病のリスク上昇と関連

    2022-03-29

    新型コロナの後遺症の一つとして、糖尿病を念頭に置くべきかもしれません。米国の研究チームが、感染者18万人と対照群のデータを比較。感染者は、感染から1年後に糖尿病を発症するリスクが40%高かったそうです。感染者の100人に2人が新たに糖尿病と診断されることが見込まれるといいます。コロナ感染時に重症だった人ほど、糖尿病リスクも上昇することが指摘されています。リスクは、糖尿病の危険因子がない人でも上がるそうです。CNNの記事です。

  • 父親の「メトホルミン」使用、子どもの先天性欠損症リスクに関連

    2022-03-29

    パートナーの妊娠を希望している男性は、2型糖尿病治療薬「メトホルミン」の使用に注意した方がいいかもしれません。デンマークの研究チームが、1997~2016年に同国で生まれた子ども100万人以上のデータを分析しました。出生時に母親が35歳未満、父親が40歳未満の子どもを対象にしたそうです。母親の妊娠直前の3カ月間に父親がメトホルミンを使用していると、生まれた子どもの先天性欠損症リスクが40%高くなることが分かったといいます。CNNの記事です。

  • 「人工甘味料の摂取でがんリスク上昇」で議論勃発

    2022-03-28

    人工甘味料の安全性を巡って議論が起きています。フランスの研究チームが、同国に住む10万3000人のデータを分析。人工甘味料を平均量より多く摂取すると報告した人は、全く摂取しないとした人に比べてがん発症リスクが13%高かったとの結果を発表しました。特にソフトドリンクに使われる人工甘味料が高リスクだったとしています。これに対し、「人工甘味料ががんの原因になる」ことを示す証拠としては不十分であるとの指摘が出ています。ScienceAlertの記事です。

  • AIとロボット工学で、パーキンソン病の新たな特徴を特定

    2022-03-28

    米ニューヨーク幹細胞財団(NYSCF)が、Google社と共同でパーキンソン病の特徴を特定する新たなプラットフォームを開発したそうです。NYSCFは、ロボットシステムを使ってパーキンソン病患者91人と健康な人の皮膚から採取した線維芽細胞の画像を100万枚以上作成。人工知能(AI)を使ってこれらの画像を分析することで、パーキンソン病の新たな特徴の特定に成功したそうです。この研究が、パーキンソン病の新薬発見につながることも期待されているといいます。EurekAlert!の記事です。

  • モデルナ製コロナワクチン、6歳未満にも有効 FDAに申請へ

    2022-03-25

    米モデルナ社が新型コロナワクチンについて、6歳未満への有効性に関する中間結果を公表したそうです。結果は生後6カ月~5歳の子ども6900人のデータに基づくもの。この年齢の子どもにワクチン25㎍を2回投与したところ、18~25歳の成人に100㎍を2回投与した場合と同様の免疫反応が確認されたといいます。重篤な副反応はほとんどみられなかったとのこと。同社は近く米食品医薬品局(FDA)にこの年齢に対する緊急使用許可を申請するそうです。CNNの記事です。

  • 治療用細菌を一時的に「不可視」に 腫瘍への薬剤送達に成功

    2022-03-25

    米国の研究チームが、治療用の大腸菌(E. coli)を使って、がん細胞を殺すことに成功したそうです。チームは、細菌が一時的に免疫系から感知されないようにする「遮蔽システム」を開発しました。細菌の表面に存在し、免疫系などの攻撃から身を守る莢膜多糖体(CAP)に着目。CAPを制御することで、大腸菌(E. coli)がヒトの血液中で生存できる時間を調節できるようになったそうです。マウスを使った実験では、腫瘍に薬剤を効果的に送達できたといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 結核菌に感染すると新型コロナには感染しない?/マウス実験

    2022-03-25

    結核菌に感染したことがあると、新型コロナウイルスに感染しにくくなるかもしれません。米国の研究チームが、2種類の系統のマウスを使って調査した結果です。マウスをまず結核菌に感染させ、次に新型コロナウイルスに暴露させました。その結果、事前に結核菌に感染させたマウスには、コロナ感染の兆候がみられなかったといいます。結核菌に対する免疫反応が、新型コロナウイルスの肺での急速な増殖を防いだ可能性が指摘されています。EurekAlert!の記事です。

  • 中年女性の抗生物質使用、のちの認知機能低下に関連か

    2022-03-25

    腸内細菌叢と脳は深く関係しているとの指摘があります。腸内細菌叢を変えてしまう抗生物質の使用は認知機能に影響を及ぼすかもしれません。米国の研究チームが、平均年齢54.7歳の女性看護師1万5129人のデータを分析。抗生物質を2カ月以上服用していた人は、全く飲んでいない人や服用期間が短い人に比べて、抗生物質の使用から7年後に実施した認知テストのスコアが低かったそうです。約3~4歳老化したのと同等の低さだったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 血液脳関門を開くことができる新たな抗体を開発/マウス実験

    2022-03-24

    血液脳関門を思い通りに開き、薬剤を脳内に届けることができるようになるかもしれません。米エール大学が、重要な細胞プロセスを調節する「Wntシグナル経路」に着目。成体のマウスを使って、この経路のカギとなる受容体「Unc5B」を阻害したところ、血液脳関門が開いたままになったそうです。Unc5Bは「ネトリン-1」という物質が結合することによって働きが制御されます。最終的に、ネトリン-1をブロックする抗体の開発に成功したといいます。ScienceAlertの記事です。

  • オミクロン株には通用しない?中国の「ゼロコロナ政策」正念場

    2022-03-24

    新型コロナウイルスオミクロン株の影響で中国や香港では患者が急増しています。その中で、感染を厳しく抑え込む「ゼロコロナ政策」はいつまで持ちこたえられるのでしょうか。同国はこれまで、軽症患者でも病院に入院させていました。しかし、最近になって、軽症患者は専用施設に隔離するようルールを緩和。退院の基準も引き下げられました。ゼロコロナに対する国民の理解が得られなくなってきていると指摘する専門家もいるといいます。BBCの記事です。

  • 頭痛や乾いた咳は要注意? コロナをインフルと見分ける方法

    2022-03-24

    検査以外に、新型コロナをインフルエンザと見分ける方法はあるのでしょうか。コロナとインフルエンザは両方、発熱、倦怠感、体の痛み、喉の痛み、下痢や嘔吐などの症状が出ます。ただし、頭痛や乾いた咳がある場合はコロナを疑ってもいいかもしれません。味覚や嗅覚の異常も、引き続きコロナの特徴的な症状として挙げることができるといいます。乾いた咳が悪化し、ひどい胸の痛みがある場合は病院を受診した方がいいそうです。CNNの記事です。

  • エボラウイルス属2種を同時に標的にする新たな抗体カクテル

    2022-03-24

    エボラウイルス病の原因であるエボラウイルス属は六つの型に分類されます。そのうち、大規模な流行を引き起こし、致死率が高いことで知られるザイール型とスーダン型。この両方に有効な抗体カクテルが開発されたそうです。米国の研究チームが、エボラ生存者のサンプルから、2種類のモノクローナル抗体1C3と1C11を作製。サルにおいて、この二つを組み合わせた抗体療法がザイール型とスーダン型による深刻な症状を改善したといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 高齢者の過度の昼寝は認知症のサイン?

    2022-03-23

    発高齢者の昼寝の頻度や時間が大幅に増えたら、医師に相談した方がいいかもしれません。米国の研究チームが、74~88歳の高齢者1400人から14年にわたって集めたデータを分析。1日1回以上昼寝をする人や1日1時間以上昼寝をする人は、昼寝が毎日の習慣ではない人や1日の昼寝時間が1時間未満の人に比べてアルツハイマー病を発症するリスクが40%高かったそうです。夜間睡眠の質や量は、この結果に影響を与えなかったといいます。CNNの記事です。

  • リチウムの服用が認知症発症を抑える可能性

    2022-03-23

    双極性障害やうつ病患者の気分安定薬として使われるリチウムが、認知症の発症を予防する可能性があるようです。英国の研究チームが、メンタルヘルスの問題で受診した50歳以上の患者2万9618人のデータを分析。患者はみな認知症の既往歴はなかったといいます。リチウムを服用していた患者は548人おり、そのうち9.7%が認知症と診断されたそうです。一方、リチウムを服用していなかった2万9070人においては、11.2%が認知症と診断されたとのこと。News-Medical.Netの記事です。

  • 血液中のアミロイドβ、末梢組織から分泌されていることを発見

    2022-03-22

    血中アミロイドβ(Aβ)レベルをアルツハイマー病(AD)の診断マーカーとして使う際は、食事の影響に注意が必要かもしれません。大阪市立大学がマウスを使って調査。血中Aβは、グルコースやインスリンの刺激により膵臓や脂肪組織などの末梢組織から分泌されることが分かったそうです。分泌されたAβがインスリン分泌を抑制することも判明したといいます。今回の結果は、2型糖尿病がADのリスク因子となるメカニズムを示唆しているとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • うつ病になりやすい人、謝る代わりに自分を責める行動を取る?

    2022-03-22

    うつ病になりやすい人は、人との関係が良くない状況に陥った際、ふさわしくない行動を取ることが多いようです。英国の研究チームが、うつ病寛解後に薬が不要になった76人と、うつ病既往歴がない44人にアンケートを実施。うつ病が寛解した人は対照群に比べて、自分が親友に対して悪いことをしたと仮定した場合に、隠れたい気持ちや自分自身から距離を置きたい気持ちになる傾向が強かったそうです。その反面、謝ろうとする人は少なかったとのこと。PsyPostの記事です。

  • 大麻ベースの大腸がん治療薬、がん細胞の90%を破壊

    2022-03-22

    大麻草に含まれるカンナビノイドやキノコの抽出物を組み合わせた、大腸がん治療薬の開発が進んでいるようです。この薬はイスラエルのバイオテクノロジー企業であるCannabotech社の製品。大腸がんのモデル細胞を使った研究では、この「組み合わせ製品」は、カンナビノイドを単体で使うより大腸がんの治療に有効なことが分かったそうです。さらに、この製品を使うと大腸がん細胞の90%以上を破壊できることも明らかになったといいます。Health Europaの記事です。

  • 世界初のクロイツフェルト・ヤコブ病治療薬、開発へ一歩前進

    2022-03-22

    発症すると半年から2年で死に至るクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)。英国の研究チームが開発している治療薬が、初期研究で有望な結果を示したそうです。この薬は「PRN100」と呼ばれるモノクローナル抗体。CJD患者6人に投与したところ、薬は安全で、脳まで到達することが分かったそうです。最終的に全員が死亡したものの、患者3人においては一時期、病気の進行が安定したようにみえたといいます。副作用を報告した人はいなかったそうです。Medical Xpressの記事です。

  • 生後12カ月で自閉症を正確に特定できるスクリーニング法

    2022-03-17

    豪州の研究チームが開発した自閉症のスクリーニング法「SACS-R」の精度の高さが明らかになったようです。チームは、13,500人以上の子どもを対象に5年にわたる調査を実施。生後12~24カ月時点でSACS-Rで自閉症の可能性を指摘された子どものうち、83%がのちに実際に自閉症と診断されたそうです。豪州の一部の州ではすでに乳幼児健診でSACS-Rが使用されており、日本を含む10カ国で導入に向けた専門家のトレーニングが行われているといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 1日1杯のアルコールでも脳の萎縮につながる可能性

    2022-03-17

    たとえ適度といわれている量でも、飲酒は脳に悪影響を及ぼす可能性があるそうです。米国と欧州の研究チームが、英国バイオバンクのデータから中高年3万6678人の飲酒量と脳の大きさを調査。50歳の人が1日当たり1~2ユニット(1ユニット=純アルコール8g相当)のアルコールを摂取すると、脳の灰白質と白質において2歳老化したのと同等の萎縮がみられたそうです。1日4ユニット飲酒する人は、10歳以上老化したのと同等だったといいます。ScienceAlertの記事です。

  • 明るい部屋での睡眠、心血管機能や糖代謝に悪影響

    2022-03-17

    夜、電気やテレビをつけっぱなしにしたまま寝ていませんか。米国の研究チームが、100ルクス(中程度の明るさ)の部屋で一晩眠った参加者と3ルクス(ほのかな明るさ)の部屋で眠った参加者を比較。中程度の明るさの部屋で眠った人は覚醒状態に入り、心拍数や心収縮力などが増大したそうです。これでは体が休まらないといいます。明るい部屋で寝ると、次の朝にインスリン感受性が低くなることも明らかになったようです。Medical Xpressの記事です。

  • ピューレ食が原因? 舌から黒い毛が生えてきた男性

    2022-03-17

    インドに住む50代の男性の舌から、黒い毛のようなものが生えてきたそうです。男性は3カ月前に発症した脳卒中の影響で左半身が麻痺しており、ピューレ状の食事を取っていたといいます。医師は男性の舌について、「黒毛舌」と呼ばれる状態だと診断したそうです。黒毛舌の誘因はさまざまですが、ピューレ食を取る人に起こりやすいと指摘されています。この男性は口腔内を適切に洗浄することで、20日後には舌の状態が改善したとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • セラピー犬、救急患者の痛みや不安を和らげる可能性

    2022-03-16

    患者の痛みや不安を和らげるセラピー犬を知っていますか。このセラピー犬が、緊急救命室(ER)でも役に立つ可能性があるそうです。カナダの研究チームが、セラピー犬を大学病院の救急部門に10分間滞在させ、患者への影響を対照群と比較。セラピー犬の介入を受けた患者の48%が、不安が軽減したと報告したそうです。さらに「痛みが軽減した人が43%」「うつが軽減した人が46%」「健康状態が改善した人が41%」いたことも分かったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • Fli-1タンパク質がアルツハイマー病治療の新たなターゲットか

    2022-03-16

    アルツハイマー病の新たな治療ターゲットが見つかったようです。米国の研究チームがアルツハイマー病で死亡した患者の脳を調査。健康な人の脳に比べて、学習や記憶に関連する海馬における血管の周皮細胞が34%少ないことが分かったそうです。そして、残っている周皮細胞には高レベルのFli-1タンパク質が存在していたといいます。アルツハイマー病モデルマウスのFli-1タンパク質を阻害したところ、記憶に関するパフォーマンスが向上したとのこと。EurekAlert!の記事です。

  • 世界初のブタの心臓移植を受けた米国人男性が死亡 術後2カ月で

    2022-03-14

    米メリーランド大学は、今年1月7日に世界で初めて遺伝子操作したブタの心臓の移植を受けた57歳の男性が死亡したと発表したようです。男性は数日前から容体が悪化。緩和ケアを受け、死の直前の数時間は家族と話をすることができたといいます。男性は通常の心臓移植には不適格で、ブタの心臓移植が生きるための唯一の選択肢だったそうです。移植された心臓は、術後数週間は拒絶反応の兆候を示すことなく正常に機能していたとのこと。CNNの記事です。

  • 糞便検査で、膵がんを早期に発見できる可能性

    2022-03-14

    便中の腸内細菌を調べることで、早い段階から膵がんの兆候をつかむことができるかもしれません。スペインの研究チームが、膵管腺がん患者と対照群合わせて136人の唾液と便を比較。膵管腺がん患者の便から、腸内細菌叢の独特なパターンが特定されたそうです。このパターンは、がんの進行度と関係なく確認されたことから、膵がんの早期発見に活用できる可能性が示唆されています。現在、日本でもこの検査の臨床試験が行われているとのこと。BBCの記事です。

  • 拒絶反応を防げる? 同一ドナー由来の心臓と胸腺を乳児に移植

    2022-03-10

    米国で生後6カ月の乳児に、心臓と胸腺の移植が行われたそうです。乳児は心臓の弁に異常があり、心臓移植が行われました。T細胞の成熟を担う胸腺の機能にも異常があったため、心臓移植から2週間後、同じドナーの胸腺細胞から培養した胸腺が移植されました。これにより、心臓への拒絶反応が抑えられることが期待されています。移植から半年たった今、胸腺は正常に機能しているようです。今後、免疫抑制薬からの離脱を目指すとのこと。CBS Newsの記事です。

  • 有鉛ガソリンへの暴露で、米国人半数のIQが低下した可能性

    2022-03-10

    米国では1996年まで有鉛ガソリンが使われていました。自動車の排ガスを通じて鉛に暴露したことで、IQが低くなるリスクがあるそうです。同国の研究チームが、現在公表されているデータから有鉛ガソリンへの暴露が脳に与える影響を調査。2015年の時点で米国の人口の半数にあたる1.7億人が、子ども時代に臨床的に懸念されるレベルの鉛に暴露していたそうです。その結果、米国人のIQが累積で8.24億ポイント低下した可能性があるといいます。Medical Xpressの記事です。

  • ウクライナで深刻な医療用酸素不足 WHOが警告

    2022-03-08

    ロシアによる侵攻が続くウクライナで、医療用酸素の供給に深刻な影響が及んでいるようです。現在同国では、医療用酸素を工場から病院に運ぶことができなくなっており、大半の病院で今ある酸素を近々使い切ってしまうといいます。このような状況を受けて、WHO(世界保健機関)は酸素が必要な患者に安全に医療用酸素を供給するよう求める声明を発表。ポーランドを経由する安全な輸送ルートの確保に取り組んでいるそうです。WHO Europeの記事です。

  • ウクライナの惨状 産科病棟は地下防空壕に移設

    2022-03-08

    ロシアによる侵攻が続くウクライナで、産科病院が通常通りに運営できなくなっているそうです。ロシアの攻撃が激しさを増すなか、沿岸都市マリウポリの産科病院では、薄暗い地下室を防空壕と新生児室として使うことを余儀なくされています。爆撃による犠牲者や遺体がこの病院に運び込まれ、地下室の上階では犠牲者を治療するために医師が奔走している状態だといいます。ハリコフでも同様に、産科病棟が防空壕に移されているとのこと。AP通信の記事です。

  • 関節炎治療薬バリシチニブ、新型コロナ死亡リスクを13%抑制

    2022-03-08

    関節リウマチの治療に使われる抗炎症薬「バリシチニブ」が、新型コロナの重症患者に有効なことが分かったそうです。英国の研究チームが、2021年2~12月に新型コロナで入院した重症患者8156人を調査。バリシチニブを投与された人は、そうでない人に比べて28日以内に死亡するリスクが13%低かったそうです。抗ウイルス薬やステロイド、モノクローナル抗体など他のコロナ治療を同時に受けていた場合でも、効果は一貫していたといいます。Forbesの記事です。

  • 猫が新型コロナ・デルタ株に感染 深刻な変異を起こす可能性は低く

    2022-03-08

    米ペンシルベニア州の猫が、この地域で流行していた新型コロナウイルスのデルタ株「AY.3」に感染していたことが分かったそうです。飼い主が先に感染し、その後、猫に嘔吐や軟便の症状が出ました。ペンシルベニア大学が、猫のウイルスのゲノムを解析し、10の変異(一塩基バリアント)を確認。ウイルスに深刻な変異をもたらすものは、ほぼなかったとのこと。地域の感染者4200人のうち同じバリアントのウイルスを持っていたのは5%未満でした。ScienceAlertの記事です。

  • コロナ感染拡大傾向でも、多数の地域がマスク着用義務を撤廃/米

    2022-03-08

    現在米国ではほとんどの地域でマスク着用義務が撤廃されています。しかし実際は、472の郡でマスクの着用が推奨される状況だそうです。米疾病対策センター(CDC)は、新型コロナの感染状況に関する郡ごとの警戒レベルを毎週公表しています。警戒レベルが「高」に分類される地域では、引き続き屋内でのマスク着用が推奨されるといいます。しかし、警戒レベルが「高」の郡を抱えているのに、マスク着用義務を早々に撤廃した州が多くあるとのこと。CNNの記事です。

  • 一度に50の遺伝子疾患を診断 画期的なDNA検査を開発

    2022-03-08

    豪州などの研究チームが、診断が難しい遺伝性神経疾患を迅速かつ正確に特定する遺伝子検査を開発したそうです。遺伝子の一部で塩基の繰り返し配列が異常伸長することによって起きる50以上の疾患を一度に調べられます。ハンチントン病、脆弱X症候群、遺伝性脊髄小脳変性症、筋緊張性ジストロフィーなどが対象です。現在は、症状などから調べるべき遺伝子に当たりを付けて検査をしており、特定までに何年もかかることがあるといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 新型コロナ感染後に脳が縮小 MRIで調査

    2022-03-08

    新型コロナウイルスの感染が脳に与える影響が明らかになったようです。英国の研究チームが、コロナ感染から平均4.5カ月経過した患者401人と非感染者384人の脳をMRIで調査。なお、感染者の96%が軽症だったそうです。コロナに感染した人は、脳全体の大きさが0.2~2%縮小したことが分かったといいます。特に、嗅覚や記憶に関連する領域の灰白質が減少していたそうです。この調査は従来株やアルファ株が流行していた時期に行われたとのこと。BBCの記事です。

  • ADHDの人、「ためこみ症」のリスク高く

    2022-03-08

    物を捨てられず必要以上にため込んでしまう「ためこみ症」が、注意欠陥多動性障害(ADHD)と関連しているかもしれません。英国の研究チームが、成人のADHD患者88人と非ADHD患者(対照群)にアンケート調査を実施。ADHD患者の20%にためこみ症の症状が認められたのに対し、対照群で症状が認められたのはわずか2%だったそうです。ADHDの症状が重い人ほど、生活の質の低下、うつや不安といった、ためこみ症の問題を多く抱える傾向にあったといいます。ScienceAlertの記事です。

  • 脳の情報処理能力、60歳までは低下せず

    2022-03-04

    若い頃に比べて即断ができなくなったと感じることはありますか。ドイツの研究チームが120万人を対象に、課題に対する反応速度を測るテストをオンラインで実施。20歳を超えると反応が遅くなることは事実だったものの、正解を導く情報処理能力は60歳まで衰えないことが分かったそうです。反応速度が低下する理由は、脳が衰えるからではなく、年とともに衝動性が抑えられたり、反射神経が鈍くなったりすることが原因だと指摘しています。Medical Xpressの記事です。

  • 多発性硬化症に関連する前駆細胞を発見 一卵性双生児を調査

    2022-03-04

    多発性硬化症(MS)を発症する非遺伝的なリスク要因が見つかったかもしれません。スイスなどの研究チームが、遺伝的な要因の影響を排除するため、双子のうち1人がMS、もう1人は健康だという一卵性双生児61組を調査。MSは病原性のT細胞が脳や脊髄に入り込んで神経細胞を破壊することで起こると考えられています。チームが最新鋭の技術を使って参加者の免疫系を分析したところ、病原性T細胞の基になる前駆細胞を発見したそうです。ScienceDailyに紹介されています。

  • 腸内細菌叢のバランスの乱れが心疾患に関連

    2022-03-04

    腸内細菌叢の不均衡が心筋梗塞、狭心症、心不全などの心疾患を引き起こすかもしれません。欧州の研究チームが、中年1241人を対象に腸内細菌叢と心疾患の関係を調査。心疾患治療薬の影響ではない「腸内細菌叢の乱れ」の75%は、心疾患の症状が現れる何年も前から発生していたことが判明したそうです。心疾患患者の腸内細菌叢の特徴として、健康によい影響を与える細菌が減り、悪い影響を与える細菌が増えていることが分かったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • RSV感染症予防薬、一般乳児への第3相試験で有望な結果

    2022-03-04

    全ての乳児をRSウイルス(RSV)から保護する予防薬の開発が進んでいるようです。米国などの研究チームが、アストラゼネカ社とサノフィ社が開発したRSV予防薬「Nirsevimab」の第3相試験を実施。この薬は、人工的に作ったRSVに対する抗体(モノクローナル抗体)薬です。治験では、RSVの流行期を初めて迎える健康な乳児が対象になったそうです。その結果、Nirsevimabを1回投与すると、治療が必要なRSVによる下気道感染症に対して74.5%の有効性を示したといいます。Medical Xpressの記事です。

  • デュシェンヌ型筋ジストロフィーの新たな治療薬、高い有効性に期待

    2022-03-02

    開発中のデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の治療薬は、既存薬に比べて高い有効性が期待できるようです。カナダの研究チームが、筋肉構造を保つタンパク質が作られるように、六つのエクソン・スキップ分子を組み合わせたカクテル療法治療薬を開発。患者の組織やマウスを使った実験では、患者の約45%において症状が軽減する可能性が示唆されたそうです。さらに、この薬は心筋内にも浸透するため、心臓機能の改善も確認されたといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 不妊治療で妊娠した女性の心血管疾患と妊娠合併症リスク

    2022-03-02

    英国の研究チームが、生殖補助医療(ART)で妊娠した女性の分娩10万6000件を自然妊娠による分娩3400万件と比較した結果を公表したそうです。それによると、ARTで妊娠した女性は高血圧や糖尿病などの既往歴がある人が多く、妊娠合併症のリスクが高いことが判明。さらに心血管関連の既往歴がない場合でも、ARTによる妊娠が合併症リスクの上昇に関連していることも分かったといいます。今回の研究では、ARTの種類については考慮されていないとのこと。CNNの記事です。

  • 死の直前直後に脳内で起きていること ある患者の脳波から偶然判明

    2022-03-02

    死の間際にこれまでの人生が走馬灯のように駆け巡る――。このような現象は本当に起こるのでしょうか。カナダの研究チームが、てんかんの男性患者(87)の脳波を計測していたところ、患者が心臓発作で死亡したそうです。そのため、予期せぬ形で死亡前後の脳波を記録することができたといいます。それによると、心停止の前後ともに30秒間、夢を見たり記憶を呼び起こしたりする時と同じパターンの脳波が確認されたとのことです。BBCの記事です。

  • 1型糖尿病の根治へ一歩前進?幹細胞由来の移植療法

    2022-03-02

    幹細胞由来の膵島細胞移植を受けた64歳の1型糖尿病の男性患者が、薬を使わずにインスリンを産生し、自力で血糖値を制御できるようになったそうです。この結果を受けて、1型糖尿病患者17人を対象とした臨床試験が行われる予定。ただし、米Vertex Pharmaceuticals社が開発したこの治療法は、移植に対する拒絶反応を防ぐため、免疫抑制薬が不可欠だといいます。そこで複数の会社が、免疫抑制薬を使わなくてよい次世代移植療法の研究も進めているとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 英イングランド、陽性でも隔離不要 コロナ規制全廃へ

    2022-02-25

    英国が「コロナとの共生」に舵を切りました。英政府は、イングランドにおける新型コロナに関する法的規制を2月24日から全面撤廃する方針を表明。陽性者の自主隔離は、推奨(5日間)されますが、法的には不要になります。さらに濃厚接触者の追跡も終了。4月1日からは一般市民向けの無料のPCR検査も終了し、重症化リスクの高い人たちに対象を絞るとのこと。欧州では既に、デンマーク、ノルウェー、スウェーデンが規制を解除しています。BBCの記事です。

  • オミクロン株「BA.2」 重症化や再感染のリスクは高くない?

    2022-02-25

    新型コロナウイルスオミクロン株の亜種「BA.2」について、実世界における二つの研究結果が公表されたそうです。南アフリカの研究チームが陽性者9万5000人を調査。従来のオミクロン株(BA.1)感染者とBA.2感染者の間で、入院リスクに差はみられなかったそうです。デンマークの研究チームによると、BA.1に感染した人がBA.2に再感染する割合は非常に低く、再感染者のほとんどがワクチン未接種者だったといいます。再感染で入院した人はいなかったとのこと。CNNの記事です。

  • マラウイで野生株ポリオを確認 アフリカでは5年ぶり

    2022-02-24

    アフリカのマラウイで、3歳の女の子が野生株のポリオウイルスに感染していることが分かったそうです。アフリカで野生株ポリオが確認されるのは5年ぶり。2020年にはアフリカで野生株ポリオの根絶宣言が出され、このウイルスが残っているのはアフガニスタンとパキスタンだけになっていました。今回マラウイで確認された野生株は、パキスタン由来のものとみられています。しかし、いつどのようにマラウイに入ってきたのかは不明とのこと。BBCの記事です。

  • 肺炎を引き起こす細菌がアルツハイマー病に関連か

    2022-02-24

    一般的に呼吸器感染症を引き起こすとされる細菌「クラミジア・ニューモニエ」が、アルツハイマー病の発症に影響を及ぼしているかもしれません。豪州の研究チームがマウスを使って調査したところ、クラミジア・ニューモニエが鼻腔の神経を介して脳に侵入できることが判明しました。一旦この細菌が中枢神経系に入ると、数日以内に脳細胞が反応し、アルツハイマー病の特徴であるアミロイドベータペプチドの蓄積が起きるといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 新たな抗インフルエンザ薬使った併用療法、効果確認されず

    2022-02-24

    インフルエンザの新治療薬「バロキサビルマルボキシル(商品名ゾフルーザ)」と標準的な治療薬「ノイラミニダーゼ阻害薬(NAIs)」を併用しても、効果が高まることはないようです。米国の研究チームが、インフルエンザで入院した患者366人を対象に臨床試験を実施。新治療薬とNAIsを投与された人は、臨床的改善がみられるまでに平均97.5時間かかったそうです。プラセボとNAIsを投与された人もこれとほとんど変わらず、平均100.2時間だったとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 筋ジストロフィーへのステロイド治療、投薬の時間帯がカギか

    2022-02-24

    デュシェンヌ型筋ジストロフィーに対する「プレドニゾン」を使ったステロイド治療は、投薬する時間帯によって効果に違いが生じるようです。米国の研究チームがマウスを使って調査しました。週1回のプレドニゾン投薬を午前7時ごろに行うと、筋肉機能の強化が促進されたそうです。夜に投薬を行うと、この反応はみられなかったといいます。マウスは夜行性のため、人間にとっては別の時間帯が効果的である可能性が示唆されています。ScienceDailyの記事です。

  • オミクロン株「BA.2」重症化しやすい可能性/東大

    2022-02-21

    新型コロナウイルスオミクロン株の亜種「BA.2」は、感染力が強いだけでなく重症化しやすい可能性があるようです。東京大学などの研究チームが、BA.2は従来のオミクロン株(BA.1)に比べて細胞内で自分のコピーを素早く大量に作れることを発見。BA.2に感染したハムスターは、BA.1に感染したハムスターに比べて重症化しやすく、肺組織の損傷も大きかったといいます。ワクチンやモノクローナル抗体療法の効果が得られない可能性も指摘されています。CNNの記事です。

  • RSウイルスの新薬、成人対象の治験で有望な結果

    2022-02-21

    米エナンタ社が、RSウイルス(RSV)感染症の治療薬の臨床試験を行ったそうです。「EDP-938」と呼ばれる新薬は、RSVが複製するのを妨げる効果が期待されています。RSVに対する抗体レベルが低い18~55歳の178人を対象に、意図的にRSVに感染させて薬の効果を評価する「ヒューマンチャレンジ」試験を実施。感染後に新薬を摂取した人はプラセボ群に比べて、ウイルス量が少なく、症状も抑えられたそうです。副作用はほとんどが軽いものだったとのこと。CNNの記事です。

  • コロナワクチン接種から数カ月後、抗体の量は減るが質は向上

    2022-02-18

    新型コロナワクチン接種から時間がたつと、抗体の質は変化するのでしょうか。米国の研究チームが、リンパ節などの免疫組織に作られる微小構造「胚中心」に着目。B細胞が強力な抗体を産生できるように生まれ変わる場です。ファイザー製ワクチン2回目接種から半年経過後も、15人中10人のリンパ節の胚中心内にB細胞が存在していたそうです。抗体量の減少と共に、より強力な抗体を産生する仕組みに切り替わることが示唆されています。Medical Xpressの記事です。

  • 新型コロナ、妊娠中のワクチン接種が赤ちゃんの重症化リスク抑制

    2022-02-18

    妊娠中に母親が新型コロナワクチンを接種すると、生まれた赤ちゃんのコロナによる入院リスクが61%低下するようです。米疾病対策センター(CDC)が、コロナで入院した6カ月未満の乳児176人と、コロナとは関係なく入院した乳児203人を調査した結果から判明しました。母親が2回の接種を妊娠21週以降に受けた場合、乳児のコロナによる入院を抑制する効果は80%だったといいます。妊娠21週より早い段階で接種した場合、同効果は32%だったとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 130年前に大流行したロシア風邪、実はコロナだった?

    2022-02-18

    1889年にロシアで発生し、世界中で猛威を振るった「ロシア風邪」の原因について新たな説が浮上しているようです。これまでロシア風邪は、インフルエンザウイルスが原因と考えられてきました。しかし複数の研究者が、症状や高齢者に死者が多かったことなど、新型コロナとの類似点を指摘。原因はコロナウイルスだった可能性があるといいます。英国や米国の研究者は、当時の肺組織サンプルを探し、証拠を見つけ出そうとしているそうです。ScienceAlertの記事です。

  • HIV感染女性、さい帯血移植後に寛解状態を維持

    2022-02-18

    米国の研究チームが、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染から治癒したとみられる三つ目の症例を報告しました。患者は人種の異なる両親を持つ女性で、HIV感染に加えて白血病も発症したそうです。白血病治療のため、あるドナーのさい帯血と、血縁者の血液幹細胞が患者に移植されました。さい帯血のドナーはHIVの感染を阻害する遺伝子変異を持っていたといいます。抗HIV薬を中止してから14カ月たった現在も、患者は寛解状態を維持しているとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • エストロゲンレベルの低い高齢女性、コロナ死亡リスク高く

    2022-02-17

    女性ホルモンのエストロゲンが新型コロナによる死亡リスクに関連するようです。スウェーデンの研究チームが女性1万4685人のデータを分析。過去に乳がんと診断され、再発を防ぐために抗エストロゲン薬を使用していた人は、エストロゲンによる治療を何も受けていない人に比べてコロナによる死亡リスクが倍増したそうです。更年期障害の改善のためにエストロゲンを増やすホルモン補充療法(HRT)を受けていた人は、同リスクが54%低かったとのこと。iNewsの記事です。

  • 自力で泳ぐ?ヒト心筋細胞を使った魚型ロボット

    2022-02-17

    米国の研究チームが、ヒト心筋細胞を使った魚型ロボットを開発したそうです。幹細胞技術によって作製したヒト心筋細胞を左右に配置し、片側の心筋細胞が収縮すると、もう片方が拡張します。この動きを繰り返すことで、魚型ロボットは100日以上にわたり自力で泳ぎ続けることができるそうです。泳ぎ続ける過程で、人間の心臓と同じように細胞が強化されることも分かったといいます。機能不全の心臓の修復に使用できる可能性があるそうです。nprの記事です。

  • コロナワクチン接種後の軽い運動で、抗体量が増加

    2022-02-14

    新型コロナやインフルエンザのワクチン接種後に軽~中度の運動を90分間行うと、その後4週間の抗体量が、運動をしなかった場合よりも多くなることが分かったそうです。調査したのは、ファイザー製コロナワクチンと2種類のインフルワクチン。被験者は心拍数が120~140になるように、サイクリングマシンをこいだり、速足で歩いたりしたそうです。45分間の運動では同様の効果はみられなかったといいます。米国の研究チームの成果が、ScienceDailyに紹介されています。

  • 治療期間が大幅に短縮?脳への電気刺激でうつ病改善

    2022-02-14

    米スタンフォード大学が、うつ病を短時間で効果的に治療する方法を開発したそうです。これは新しいタイプの「反復経頭蓋磁気刺激療法(rTMS療法)」です。従来のrTMS療法は治療に6週間かかっていましたが、新たな治療法はわずか5日間で完了。他の治療法で効果がみられなかったうつ病患者29人を対象に臨床試験を行ったところ、新たなrTMS療法を受けた患者の80%近くが寛解状態になったといいます。プラセボ群で寛解したのは13%だったとのこと。nprの記事です。

  • 脊髄インプラントで下半身不随患者が歩行可能に

    2022-02-10

    電気刺激を使った革新的な技術で、脊髄損傷患者の生活の質を大幅に改善できるかもしれません。スイスの研究チームが、脳の働きに似せて筋肉に信号を送ることができる6cmの脊髄インプラントを開発。これを事故で下半身不随になった患者3人に埋め込んだところ、3人ともすぐに数歩踏み出せるようになったといいます。患者の1人はリハビリを経て、バランスをとる補助器具を使いながら休まず1km歩けるようになるまで回復しているとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 歯肉に存在するタンパク質、アルツハイマー病を抑制する可能性

    2022-02-10

    歯と歯茎の間の溝にある歯肉(付着上皮)に発現するタンパク質「SCPPPQ1」に、光が当てられています。カナダの研究チームが、SCPPPQ1に抗菌効果がある可能性を発見。特に口腔細菌ポルフィロモナス・ジンジバリス(Pg菌) に対して抗菌作用があることが示唆されたそうです。Pg菌はアルツハイマー病の主要な危険因子であると考えられており、SCPPPQ1が歯周病だけでなくアルツハイマー病などの神経変性疾患も抑制できる可能性に期待が高まっています。Medical Xpressの記事です。

  • 米カリフォルニア大学、医師の性的虐待に関する民事裁判で原告と2.44億ドルで和解

    2022-02-10

    米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の産婦人科医から性的虐待を受けたとして、被害を訴える女性たちが民事裁判を起こし、同大学と女性たちの間で和解が成立したようです。この医師は1983年から30年以上にわたりUCLAの学生保健センターなどに勤務していました。2019年に性的暴行の容疑でこの医師が逮捕されると、多くの女性が被害を訴え出たといいます。同大学は、原告の203人の女性たちに計2億4360万ドルを支払うことで和解したそうです。CNNの記事です。

  • エボラ再発の原因? 治療後何年もウイルスが「脳室」に潜伏

    2022-02-10

    エボラウイルスの持続感染について、ウイルスの隠れ場所が明らかになったそうです。米国の研究チームが、エボラウイルスに感染したサルを調査。モノクローナル抗体療法を受けて生き延びたサルの20%の脳室系で、ウイルスが生存し続けていたそうです。エボラが再発して死んだサル2匹においては、他の臓器には明らかな異常はみられなかったにもかかわらず、脳室系でエボラウイルスの感染が広がり重度の炎症が起きていたといいます。Medical Xpressの記事です。

  • コロナ患者、感染から1年以内の心血管疾患リスク高く

    2022-02-09

    新型コロナウイルスに感染すると、重症度や年齢に関係なくその後の心血管疾患リスクが高くなるようです。米国の研究チームが、ワクチン普及前にコロナ陽性になり、最初の30日間を生き延びた患者15万3760人のデータを非感染者群と比較。コロナ患者は、感染から1年以内に主要心血管イベントを発症するリスクが55%高かったそうです。この傾向は、感染前は心臓に問題がなく、心血管疾患リスクが低いと考えられる人にもみられたといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 「ビタミンD」がコロナ重症化を防ぐカギに

    2022-02-09

    ビタミンDが不足している人は、新型コロナの重症化リスクが高くなるかもしれません。イスラエルの研究チームが、オミクロン株拡大以前のコロナ入院患者253人を調査。コロナにかかる前の血中ビタミンDレベルが不十分だった人のうち、半数が重症化したそうです。一方、レベルが十分だった人の重症化率は10%にも満たなかったとのこと。呼吸器系を狙うウイルスに対しての免疫が、ビタミンDによって強化される可能性が示唆されています。INSIDERの記事です。

  • 心不全を15秒で診断する「AI聴診器」

    2022-02-08

    新たに開発された「AI聴診器」で、心不全が早期に発見できるようになるかもしれません。英国の研究チームが、心電図の記録が可能な既存の「スマート聴診器」を使い、そのデータをAIが分析することで、心不全の診断をわずか15秒で正確に行う装置を開発。この装置は、人間には見つけることができない心不全の微細な兆候も心電図から検出できるといいます。1000人を対象とした臨床試験では、心不全患者の91%を特定することができたそうです。iNewsの記事です。

  • 新タイプの前立腺がんホルモン療法で、うつ病リスク倍増

    2022-02-08

    前立腺がんはアンドロゲン(男性ホルモン)の刺激によって増殖します。これを効果的にブロックする「第2世代抗アンドロゲン薬」を使ったホルモン療法について、米国の研究チームが前立腺がん患者3万100人のデータを分析。「アビラテロン」や「アパルタミド」などの第2世代抗アンドロゲン薬による治療を受けた人は、従前のホルモン療法を受けた人やホルモン療法を受けなかった人に比べてうつ病を発症するリスクが倍増したといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 非常に毒性の強い新たな変異HIV、欧州で確認

    2022-02-07

    ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の新たな変異型が見つかったようです。英国の研究チームが、オランダなど欧州の国々のデータの中から他とは明らかに違うHIV変異型に感染した人を17例発見。この変異型は「VB変異型」と呼ばれ、欧米や日本で感染者が最も多いHIVの「サブタイプB」に属します。VB変異型に感染しながら治療を受けずにいると、免疫細胞であるCD4陽性リンパ球の数が急激に減少し、平均2~3年以内にエイズを発症すると報告されています。ScienceAlertの記事です。

  • コロナ重症患者の意識障害、ほとんどが6カ月以内に回復

    2022-02-07

    新型コロナの重症患者で、気管内挿管による人工呼吸を行った人の中には、その際に使用する鎮静剤をやめた後も意識が回復しないケースがあるそうです。米国の研究チームが、「意識障害のあるコロナ患者10人」「健康な人14人」「外傷性脳損傷による意識障害患者18人」の脳をMRIで調査したのですが、意識が戻る時期を予測することはできませんでした。ただ、コロナ患者のほとんどが6カ月以内に意識障害から回復して自宅に戻ったそうです。PsyPostの記事です。

  • 男性型脱毛症の治療には「デュタステリド」が最も有効

    2022-02-04

    カナダの研究チームが、男性型脱毛症(AGA)治療に使われている3種類の薬について23の研究を分析し、その効果を調べました。効果が最も高かったのは、内服薬「デュタステリド」を1日5mg摂取する方法でした。以下、内服薬「フィナステリド」1日5mg▽内服薬「ミノキシジル」1日5mg▽量を減らしたフィナステリドと1日1mgの経口避妊薬(ピル)――の順で効果が確認されました。1日5mgのミノキシジルを患部に塗布する方法は5番目でした。CNNの記事です。

  • 白血病患者2人がCAR-T療法で10年寛解

    2022-02-04

    慢性リンパ性白血病に対するCAR-T細胞療法の効果が、長期にわたって持続することが分かったそうです。米国の研究チームが、2010年に第1相試験の参加者としてCAR-T細胞を投与された慢性リンパ性白血病患者2人を追跡調査しました。投与から10年以上経過した後もCAR-T細胞は体内に存在しているといい、この期間は2人とも寛解状態が続いているそうです。この結果を受けて、チームは「CAR-T細胞療法は白血病の有望な治療法である」と結論付けています。CNNの記事です。

  • ローズマリーに含まれる成分が、コロナ感染と重症化を抑制する可能性

    2022-02-03

    ローズマリーに含まれる「カルノシン酸」が、新型コロナに対して二つの効果を発揮するようです。一つは、感染抑制の効果です。新型コロナウイルスは感染の際に、細胞の「ACE2受容体」に結合します。カルノシン酸は、この結合を阻害するといいます。もう一つは、炎症反応を抑える効果です。コロナ後遺症は強い炎症反応によって起こると考えられており、カルノシン酸がこれを防ぐ可能性があるそうです。日米の研究チームの成果が、Medical Xpressに紹介されています。

  • 子宮頸部細胞診で、卵巣がんや乳がんリスク高い人を特定

    2022-02-03

    子宮頸部細胞診検査(スメア検査)で、卵巣がんや乳がんを早期に検出できるかもしれません。英国の研究チームが、スメア検査のために採取した細胞サンプルを調べました。卵巣がん患者242人と非卵巣がん女性869人、乳がん患者329人と非乳がん女性869人のサンプルを分析。その結果から、卵巣がんや乳がんのリスクの高い女性を特定するのに役立つ特徴が見つかったといいます。高リスク患者が特定されれば、追加のがん検診を行いやすくなります。BBCの記事です。

  • 適度の飲酒でも、心血管疾患リスク上昇

    2022-02-02

    「適度な飲酒は健康によい」との説が覆されたようです。英国の研究チームが、飲酒習慣のある33万3259人とこれまでに飲酒したことがない2万1710人のデータを分析。健康の問題で飲酒を控えている人のデータを制限するため、「以前飲酒していた人」は調査対象から除外しました。ビール、シードル(リンゴ酒)、蒸留酒の摂取量が同国の健康ガイドラインで推奨されている上限より少ない人でも、心血管疾患で入院するリスクが高かったといいます。ScienceAlertの記事です。

  • 飲み込むだけのワクチンが実現? カプセルでRNAを胃に送達

    2022-02-02

    注射をせずに、mRNAワクチンが接種できるようになるかもしれません。米国の研究チームが、mRNAを経口摂取が可能なカプセルに入れて、胃に送達する方法を開発したそうです。50㎍のmRNAが入ったカプセルを三つ、計150㎍のmRNAをブタの胃まで送り届けることに成功したとのこと。これは新型コロナのワクチンに使われているmRNAの量より多いといいます。RNAやDNAを胃に直接送達できることから、消化器疾患治療の改善に寄与することも期待されています。Medical Xpressの記事です。

  • 新型コロナ治療に抗生物質? 標準的な治療と同等の効果か

    2022-02-01

    抗生物質が新型コロナの治療に有効かもしれません。英国などの研究チームがエジプトの病院で、中等~重症のコロナ患者に「セフタジジム」か「セフェピム」をステロイドと一緒に投与。この患者らは、少なくとも7種類の薬を使う「標準的なコロナ治療」を受けた患者と同程度の期間で回復したそうです。抗生物質がウイルスに直接作用するのか、あるいは入院患者によくある他の感染症を防ぐことで回復につながるのかは不明だといいます。News-Medical.Netの記事です。

  • 「スフィンゴ脂質」の合成阻害で筋ジストロフィーを抑制

    2022-02-01

    細胞の生存に必須な「スフィンゴ脂質」の合成を阻害することで、筋ジストロフィーを抑制できる可能性があるそうです。スイスなどの研究チームが、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)モデルマウスを調査。スフィンゴ脂質の代謝が異常に高まっていることが分かったそうです。次にミリオシンと呼ばれる化合物を使って、スフィンゴ脂質の合成に重要な役割を果たす酵素を阻害したところ、マウスのDMDによる筋肉機能の喪失が防げたといいます。ScienceDailyの記事です。

  • ファイザー社、オミクロン特化ワクチンの治験を開始

    2022-01-31

    米ファイザー社は、18~55歳の成人1420人を対象に新型コロナウイルスのオミクロン株に特化したワクチンの臨床試験を開始したそうです。既存のファイザー製ワクチンを2回接種済みの人に対して、新たなワクチンを1回または2回接種。既存ワクチンを3回接種済みの人には、新たなワクチンか既存ワクチンを1回投与するといいます。ワクチン未接種者に対しては、オミクロン特化ワクチンを3回接種し、安全性や効果を調査するとのこと。CNNの記事です。

  • 結節性硬化症の原因となる前駆細胞を特定 脳オルガノイドで

    2022-01-31

    結節性硬化症(TSC)には、遺伝的な問題だけでなく人間の脳に特有の発達プロセスが関与しているようです。オーストリアの研究チームが、TSC患者由来の脳オルガノイド(ミニ臓器)を使って原因を調査。神経細胞のもとになる前駆細胞の「CLIP細胞」が過剰に増殖することで、TSCに特徴的な腫瘍や結節と呼ばれる大脳皮質病変が発生することが分かったそうです。この前駆細胞は発達段階の人間の脳で見つかるもので、動物の脳にはみられないといいます。ScienceDailyの記事です。

  • 人の介入は不要?ロボットだけでブタの腹腔鏡手術に初成功

    2022-01-28

    ロボットが自動で手術を行う日が来るかもしれません。米国の研究チームが、軟部組織を縫合することに特化した手術ロボットを開発したと発表しました。ブタへの腹腔鏡手術で、人の支援を受けることなく、最も複雑で繊細な作業の一つである腸吻合に成功したそうです。その技術は人間よりも優れていたといいます。このロボットは、予測が難しいとされる軟部組織の手術にその場で臨機応変に対応できるよう設計されているとのこと。EurekAlert!の記事です。

  • 英国やEU諸国で卵巣がん死亡率が低下 経口避妊薬の普及が寄与

    2022-01-28

    他国よりはやく経口避妊薬の普及が進んだ英国で、卵巣がんによる死亡率が大幅に低下することが見込まれるそうです。イタリアの研究チームが、英国における2022年の卵巣がん死亡率は17年に比べて17%低下すると予測。この劇的な低下は、主に経口避妊薬の普及に起因すると考えられるそうです。EU諸国における同死亡率は7%の低下にとどまるそうで、英国との差は経口避妊薬の普及のタイミングの違いから生じている可能性が指摘されています。Health Europaの記事です。

  • 腸内細菌叢の組成が「コロナ後遺症」リスクに関連か

    2022-01-27

    新型コロナ感染後に倦怠感や睡眠障害などの症状が続く「コロナ後遺症」は、腸内細菌叢の組成から発症しやすい人を特定できるかもしれません。研究者らがコロナ患者106人と非コロナ患者68人の便から腸内細菌叢の変化を分析。感染から6カ月後、後遺症がある人は、後遺症がない人やコロナに感染しなかった人に比べて、腸内細菌の種類や数が少なかったそうです。コロナで入院した際に採取した便でも同様の傾向がみられたといいます。Medical Xpressの記事です。

  • コロナ抗原検査は正確? オミクロン株は陽性が出にくい可能性

    2022-01-27

    新型コロナの迅速抗原検査はどのくらい正確なのでしょうか。米国の研究チームが、オミクロン株に対する抗原検査の感度を評価。他の変異株に比べて、オミクロン株は検出されにくい可能性があることが分かったそうです。感染して症状が現れているにもかかわらず、初めの数日間は抗原検査で陽性にならない人も多いといいます。研究チームは、現在この現象が起こる理由を調査中で、結果を抗原検査の改善につなげたいとしています。nprの記事です。

  • ワクチン3回目接種でオミクロン株による入院予防効果90%に

    2022-01-25

    新型コロナワクチンを2回接種しただけでは「ワクチン接種完了者」とはいえなくなるかもしれません。米疾病対策センター(CDC)が、オミクロン株が主流になった12月と1月のコロナ入院患者8万8000人を調査。3回目のワクチンを接種している場合、入院予防効果は90%に達したそうです。2回の接種では、入院予防効果は57%だったといいます。CDCによると、3回目接種でオミクロン株による救急外来受診、発症、感染を抑制する効果も高まったとのこと。CNNの記事です。

  • アルツハイマー病の治療法がなかなか見つからない理由が判明

    2022-01-25

    アルツハイマー病には、タンパク質のアミロイドβとタウが関与していると考えられています。治療に向けて、異常なタウがどのように脳内に広がるのかを特定する研究が多く行われています。そんな中、米国の研究チームが、細胞内にタウが取り込まれる経路が複数あることを発見しました。これまでの研究の多くは、この経路は一つだという前提で進められてきました。これが、それぞれの結果に矛盾を生じさせていた可能性があるそうです。Medical Xpressの記事です。

  • 感染力強い? オミクロン亜種「BA.2」が欧州などで拡大傾向

    2022-01-25

    新型コロナウイルスの変異株オミクロン株の亜種「BA.2」について、専門家が動向を注視しているそうです。BA.2は昨年12月にフィリピンで最初に確認された後、デンマーク、英国、シンガポール、インドなどで感染者数が増加。従来のオミクロン株(BA.1)よりも感染力が強い可能性が指摘されています。デンマークではBA.2への置き換わりが進んでおり、今や新規感染者の半数近くを占めているといいます。初期データでは入院数に変化はみられないとのこと。INSIDERの記事です。

  • 早期治療で子どものピーナッツアレルギーを抑制できる可能性

    2022-01-25

    幼いうちに治療をすれば、ピーナッツアレルギーを克服できるかもしれません。米国の研究チームが1~3歳の子ども146人を2年半にわたり調査。ピーナッツパウダーを毎日少しずつ食事に混ぜて摂取した子どものうち、71%がピーナッツを16粒食べてもアレルギーを発症しないくらいの耐性を獲得したそうです。治療終了から6カ月後には、21%が同様の耐性を保持していたといいます。プラセボ群で同耐性を獲得したのはわずか2%だったとのこと。AP通信の記事です。

  • HIVやマラリアより怖い?薬剤耐性菌による死者、世界で127万人

    2022-01-24

    2019年の薬剤耐性菌感染による死者数はHIVやマラリアによる死者数を上回るそうです。米国などの研究チームが、薬剤耐性に関する4億7,100万人分のデータを分析。2019年の世界における「薬剤耐性菌による死者数は少なくとも127万人」「薬剤耐性菌に関連する死者数は495万人」に達すると推計されるそうです。調査した23の病原体のうち、大腸菌(E. coli)をはじめとする6つの菌が薬剤耐性による死亡の原因の73.4%を占めることが分かったといいます。CNNの記事です。

  • 米大学で、遺伝子操作したブタの腎臓を脳死男性に移植

    2022-01-24

    米アラバマ大学が、拒絶反応が起こりにくいよう遺伝子操作したブタの腎臓を脳死の男性に移植する実験を行ったそうです。患者はバイクレースの事故で脳死状態になっていた57歳男性。移植から生命維持装置を外されるまでの3日あまり、拒絶反応の兆候はみられず、尿を作る機能も再開したそうです。患者からブタのウイルスや細胞は見つかっていないとのこと。チームは生きている患者への移植を試みることも視野に入れているといいます。AP通信の記事です。

  • 人の顔と名前が一致しない?改善には「睡眠」がカギ

    2022-01-21

    良質な睡眠の最中に記憶を再活性化させると、記憶力が向上するようです。米国の研究チームが、18~31歳の24人を対象に80人分の顔と名前を記憶する試験を実施。その後、被験者が昼寝で深い眠りに達した際に、先ほどの名前をスピーカーから流して記憶を再活性化させました。すると、目覚めた後に名前を思い出しやすくなったそうです。これには睡眠の質が重要で、睡眠を妨げられた人には、記憶の再活性化の効果は認められなかったとのこと。ScienceDailyの記事です。

  • ワクチン4回目接種の効果は? オミクロン株を防ぐには不十分か

    2022-01-21

    イスラエルの研究チームが、新型コロナワクチンの4回目接種に関する初期データを公表したそうです。4回目接種について、ファイザー製ワクチンを打った医療従事者154人の2週間後と、モデルナ製ワクチンを打った医療従事者120人の1週間後の効果を測定。いずれも抗体量は上昇しており、その量は3回目接種後よりもわずかに多かったといいます。しかし、オミクロン株の感染を予防するには不十分な可能性があることが指摘されています。CNNの記事です。

  • 香港でハムスターからヒトにコロナが感染?2000匹を殺処分へ

    2022-01-21

    香港当局は、新型コロナウイルスがペットショップのハムスターから人間に感染した可能性があるとして、市内のハムスターなど約2000匹を殺処分する方針を明らかにしたそうです。ペットショップの店員がデルタ株に感染していることが判明し、店内の動物を検査。ハムスター11匹が陽性だったそうです。昨年12月22日以降にこの店から購入されたハムスターも殺処分の対象だといいます。ハムスターを含む小動物の輸入と販売も禁止されるとのこと。BBCの記事です。

  • コロナワクチン副反応の60%以上が「ノセボ効果」の可能性

    2022-01-21

    ワクチン接種後の副反応を懸念する気持ちから有害事象が生じる「ノセボ効果」の影響はかなり大きいようです。米国の研究チームが、計4万5380人を対象とした新型コロナワクチンに関する12の研究(ランダム化プラセボ対照試験)の結果を分析。プラセボを接種されたにもかかわらず、頭痛や倦怠感をはじめとする副反応を報告する人がいたそうです。分析の結果、報告された副反応の最大64%がノセボ効果によるものだと考えられるといいます。ScienceAlertの記事です。

  • 1型糖尿病の子どもに有用な「人工膵臓」 親の負担軽減も

    2022-01-21

    新たな「人工膵臓」が1型糖尿病の子どもとその家族の生活を一変させるかもしれません。英国の研究チームが、血糖値の監視とインスリン供給の両方を兼ね備えた人工膵臓を開発。食事の時以外は、親がインスリンの量を調整する必要はないそうです。1~7歳の1型糖尿病患者74人を対象に実験を行ったところ、この人工膵臓は、現在普及しているセンサー付きポンプ(SAP)療法に比べ、安全かつ血糖管理に有用だということが分かったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 「網膜年齢」が死亡リスクを予測する指標に

    2022-01-21

    AIのディープラーニング(深層学習)を用いて算出する「網膜の生物学的年齢」で、死亡リスクを予測できるようです。中国などの研究チームが、英国バイオバンクに登録されている40~69歳の成人4万6969人の眼底画像8万169枚を分析。AIで予測した網膜年齢と実年齢の差に注目したそうです。この差が1歳上がるごとに、11年間の追跡期間における▽全死因死亡リスクが2%▽心血管疾患とがん以外による死亡リスクが3%――上昇したといいます。News-Medical.Netの記事です。

  • 退屈が「サディスティックな行動」の引き金になる可能性

    2022-01-19

    人は退屈を感じると加虐心が増すようです。デンマークの研究チームが、他者を侮辱したり、いじめたりする「サディスティックな行動」に関する九つの研究を分析。このうちの一つの実験では、暇つぶしの手段として「うじ虫をコーヒーグラインダーで押しつぶす行為」を認めたところ、つまらないビデオを見ている人はこの行為を多くしたのだそうです。他の研究でも、退屈がサディスティックな行動に関連することが示唆されたといいます。Medical Xpressの記事です。

  • EBウイルス感染が多発性硬化症の原因に?

    2022-01-19

    ヘルペスウイルスの1種で、成人の95%が感染しているとされるエプスタインバーウイルス(EBV)が、多発性硬化症(MS)に関連しているかもしれません。米国の研究チームが、同国の軍人1000万人分のデータを分析。EBVに感染していない人を特定し、追跡したそうです。その結果、MSを発症するリスクが、EBV感染後に32倍になることが判明したといいます。特定の遺伝子をもつ人が、EBVの影響を受けてMSを発症しやすくなると考えられるとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 妊娠中のコロナ感染、母体や胎児へのリスク高く

    2022-01-18

    妊娠中の新型コロナウイルス感染は死産や早産、胎児の低体重などに関連するようです。米国の研究チームが、妊娠中に新型コロナの検査を受けた女性1万8000人のデータを分析。妊娠中にコロナに感染した人は、重症度に関係なく死産や早産のリスクが高いことが分かったそうです。この傾向は、妊娠初期または中期にコロナに感染した人で顕著だったといいます。胎児の低体重リスクは、主に妊娠後期の感染で高まることが指摘されています。Medical Xpressの記事です。

  • 「ブタの心臓をヒトに移植」に潜む三つの問題

    2022-01-18

    遺伝子操作したブタの心臓をヒトに移植したニュースが世間をにぎわせています。これについて、いくつかの問題点が指摘されています。まず、異種移植は拒絶反応などの点で医学的にリスクが高すぎるということです。次に、動物を遺伝子操作し、殺して臓器を摘出することが非倫理的だと非難する声もあります。最後は宗教上の問題です。ユダヤ教やイスラム教では豚肉食が禁じられており、移植に関しても物議を醸す可能性があるとのことです。BBCの記事です。

  • 米のがん死亡率、20年近く低下傾向続く 肺がん死亡率低下が寄与

    2022-01-17

    米国がん協会の年次報告書によると、同国のがん死亡率は、ピークを迎えた1991年から2019年の間に32%低下しているそうです。これには、肺がん患者の死亡率低下が寄与している可能性があるといいます。2015~19年をみると、全がん死亡率が毎年2%ずつ低下したのに対し、肺がん死亡率は毎年5%ずつ低下しています。肺がんの早期発見が増えていることや、治療が目覚ましい進歩を遂げていることなどが影響していると考えられるそうです。CNNに紹介されています。

  • 心不全治療につながる新たな細胞リプログラミング技術

    2022-01-17

    革新的な細胞リプログラミング技術を使って、心不全を治療できる日が来るかもしれません。米国の研究チームが、リプログラミングに耐性があるとされるヒトの線維芽細胞を可塑性のある内皮細胞に似た状態に変換。次に、この細胞を心筋細胞になるようリプログラミングしたところ、リプログラミング効率が向上したそうです。ラットを使った実験では、この方法で瘢痕組織をきちんと機能する心筋によみがえらせることができたといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 向精神薬の服用で、心疾患患者の死亡リスク倍増か

    2022-01-14

    心疾患患者が向精神薬を服用すると、死亡リスクが上昇するかもしれません。デンマークの研究チームが、心疾患で入院した患者1万2913人を調査。退院後1年以内の全死因死亡率は、入院前6カ月間になんらかの向精神薬を処方されていた人が1.9倍、退院時に不安症状があった人は1.81倍、それぞれ高かったそうです。ただし、高い死亡率が向精神薬の使用と根本にある精神疾患のどちらによるものなのかを評価するには、さらなる調査が必要とのこと。News-Medical.Netの記事です。

  • 脳細胞のみを標的とした遺伝子治療、実現へ一歩前進

    2022-01-14

    ハンチントン病などの遺伝子治療の開発が前進するかもしれません。米国の研究チームが、脳細胞のみを標的にできる新たな遺伝子送達技術を開発したそうです。アデノ随伴ウイルス(AAV)の外殻タンパク質を操作し、血液脳関門を通過して特定の脳細胞に特異的に到達する「AAVベクター」を設計しました。この治療で懸念されていた肝障害の発生も避けられるといいます。霊長類のマーモセットを使った実験でも、脳細胞への到達を確認したとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 米、昨年狂犬病で5人死亡 過去10年で最多

    2022-01-13

    米国では2021年、狂犬病による死者が5人確認されました。19年と20年は狂犬病による死者は報告されておらず、ここ10年で最多だそうです。このうち3人はコウモリと接触があったのに、狂犬病の発症を抑えるワクチンを打たなかったといいます。コウモリにかまれてワクチンを接種したものの、免疫系に問題があったためワクチンが効かなかった人も1人いたようです。残りの1人はフィリピン旅行中に犬にかまれ、帰国後に死亡したとのこと。AP通信の記事です。

  • 成分がカギ?大麻治療で子どものてんかん発作が86%減少

    2022-01-13

    難治てんかん治療には、大麻成分の中のカンナビジオール(CBD)が有効だとされています。しかし、CBDだけを使った薬剤では不十分かもしれません。英国の研究チームが、大麻草全体の成分を含む薬剤を服用した難治てんかんの子ども10人を調査。発作の頻度が平均86%減少しました。重篤な有害事象はなく、認知機能や行動にも改善がみられたそうです。この10人は過去にCBD製品を使用したこともありましたが、その際は効果が確認できなかったとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 世界初、ブタの心臓を米男性に移植 遺伝子操作で免疫拒絶抑える

    2022-01-13

    米メリーランド大学は、遺伝子操作したブタの心臓を世界で初めてヒトに移植したと発表しました。患者は重い心臓病をもつ57歳の男性。通常の心臓移植には適さず、異種移植以外の選択肢はなかったそうです。手術から3日後の現在も経過は良好だといいますが、移植が完全に成功したかを判断するには時期尚早とのこと。今回移植されたブタの心臓は、遺伝子操作により拒絶反応の原因となる糖が除去されている点が画期的だといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 米で、コロナ陽性医療従事者の勤務を許可する動き

    2022-01-13

    新型コロナウイルスに感染した医療従事者が軽症または無症状の場合は勤務を許可するという異例の措置が、米国各地で取られ始めているようです。米国はオミクロン株の急拡大にともない深刻な医療従事者不足に直面。患者数の急増だけでなく、コロナ陽性のために出勤できない医療従事者が多数いることが原因だといいます。人員不足を補うための措置とはいえ、感染者のさらなる増加につながる可能性を懸念する声も上がっているとのこと。AP通信の記事です。

  • オミクロン株、ネズミ由来の可能性

    2022-01-07

    新型コロナウイルス「オミクロン株」の起源に関する説が覆るかもしれません。中国の研究チームがオミクロン株の変異スペクトラムを解析。ヒトではなく、ネズミの細胞で起こるウイルス変異に似ていることが分かったそうです。ヒトからネズミに感染した新型コロナウイルスがネズミの細胞内で変異し、再びヒトに感染したと考えられるとのこと。特に研究用マウスでは、自然界に比べて変異のスピードが速まることがあるといいます。Medical Xpressの記事です。

  • ED治療薬バイアグラで、マウスの腹部大動脈瘤が悪化

    2022-01-07

    動脈瘤がある男性は、勃起不全治療薬「シルデナフィル(商品名バイアグラ)」の使用に注意が必要かもしれません。米国の研究チームが腹部大動脈瘤モデルマウスを4週間調査。シルデナフィルを毎日投与されたマウスは、そうでないマウスに比べて大動脈瘤が平均37%大きくなり、大動脈瘤の弾力性も大幅に低下していたそうです。シルデナフィルは血管平滑筋細胞の機能調節に関わるPDE5酵素を阻害するため、その影響が指摘されています。EurekAlert!の記事です。

  • インフルとコロナに同時感染する「フルロナ」イスラエルで初確認

    2022-01-06

    イスラエル保健省は、新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスに同時感染した症例を同国で初めて確認したと発表しました。患者はワクチン未接種の30代妊婦で、治療を受け既に退院。今冬はコロナだけでなくインフルへの警戒も高まっており、同時感染を意味する「フルロナ(flurona)」という造語も生まれたといいます。同時感染で重症化リスクが高まるかはまだ判断できないようですが、両ウイルスの流行による医療逼迫が懸念されています。CNNの記事です。

  • オミクロン株、感染者数より「入院者数」が重要?

    2022-01-06

    新型コロナウイルス「オミクロン株」が猛威を振るっています。ただ米国では、新規感染者数は急増しているものの、入院者数はそこまで増えていないそうです。一部の専門家は、1日の感染者数より「入院者数」に着目するべきだと主張。感染者数は曜日による偏りがあるほか、自宅で行う検査結果が含まれていないといった問題点を指摘しています。一方で、感染の状況を知るためには、感染者数の追跡も重要だという意見もあるとのこと。AP通信の記事です。

  • オミクロン株は軽症? 英と南アの初期研究で判明

    2021-12-28

    新型コロナウイルス「オミクロン株」に感染しても、入院が必要になる人は少ないようです。スコットランドの研究チームが、オミクロン株にデルタ株と同レベルの重症化リスクがあると仮定して計算。その場合、入院患者は既に47人に達していることになりますが、実際は3分の1の15人だといいます。南アフリカで行われた研究でも、オミクロン株に感染した人は、他の株に感染した人に比べて入院リスクが70~80%低いことが分かったそうです。BBCの記事です。

  • IBDと関連か 患者の便にはマイクロプラスチックが多く含まれる傾向

    2021-12-28

    いたるところに存在するマイクロプラスチックが炎症性腸疾患(IBD)に関連しているかもしれません。中国の研究チームが、同国の健康な50人とIBD患者52人から採取した便を調査。IBD患者の便には、健康な人の便に比べて約1.5倍のマイクロプラスチック粒子が含まれていたそうです。また、IBD患者の便からは50μm未満のより小さな粒子が多く見つかったといいます。IBDの重症患者は、便中のマイクロプラスチックレベルが高い傾向にあったとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 米国では期待薄? FDAが承認したメルクのコロナ飲み薬

    2021-12-28

    米食品医薬品局(FDA)が緊急使用許可を出した、米メルクの新型コロナの飲み薬「モルヌピラビル」。前日に承認されたファイザーの「パクスロビド」と比べて効果が低く、対象にも制限があるため、米国では第2選択薬になる公算が大きいそうです。モルヌピラビルの対象は、重症化リスクの高い18歳以上の軽症患者。先天性欠損症リスクがあることから、妊婦には使用できない可能性があります。また、効果はパクスロビドの3分の1とのこと。AP通信の記事です。

  • HIVの暴露前予防「注射薬」を米FDAが初承認

    2021-12-28

    ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に対する暴露前予防(PrEP)のための注射薬が、米食品医薬品局(FDA)に承認されました。ViiV Healthcare社が開発した「Apretude」です。これまでにPrEP薬として承認されたのは「ツルバダ」「デシコビ」の錠剤2種類のみで、注射薬の承認は初。臨床試験の結果、Apretudeは毎日服用が必要な飲み薬に比べてはるかに高い予防効果を示したそうです。2カ月に1回の投与で済むという利便性からも大きな期待が寄せられているといいます。NBC Newsの記事です。

  • 「ランナーズハイ」の原因物質はエンドルフィンではない?

    2021-12-27

    運動で幸福感を得られる「ランナーズハイ」には、内因性オピオイドであるエンドルフィンが関連していると長年考えられてきました。しかし、米国の研究チームが、運動をすると大麻類似物質の内因性カンナビノイドが体内で増加することを発見。エンドルフィンが作用するオピオイド受容体をブロックしても運動後の幸福感を得られますが、カンナビノイド受容体をブロックすると、運動による幸福感や不安軽減などの効果が低下したといいます。ScienceAlertの記事です。

  • 1歳以上の子どもに起こる「小児突然死」 関連する新生突然変異を発見

    2021-12-27

    米国では1歳以上の子どもの小児突然死(SUDC)が毎年約400件起こるそうです。しかし関連する研究はほとんど行われていないといいます。そこで同国の研究チームが、SUDCで死亡した子どもとその両親124組のDNAコードを解析。11人(9%)の子どもから、カルシウム調節に関連する遺伝子で変異が見つかったそうです。ほとんどのケースで、両親に同様の変異はみられなかったとのこと。なお、カルシウムは脳や心臓の機能に重要な役割を果たすとされています。News-Medical.Netの記事です。

  • 魚油に多く含まれる「オメガ3」サプリ、うつ病予防の効果なく

    2021-12-27

    オメガ3脂肪酸のサプリメントにはうつ病の再発抑制効果があるとされています。本当に発症を予防できるのでしょうか。米国の研究チームが、うつ病のない50歳以上の成人1万8353人を調査。参加者は「ビタミンD」「オメガ3」「プラセボ」のいずれかを5~7年にわたり毎日服用したそうです。ビタミンDとオメガ3の両方を摂取した人もいました。その結果、オメガ3サプリがうつ病発症を予防するという証拠は見つからなかったとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 米国、コロナ検査キット5億個配布へ オミクロン拡大受け

    2021-12-27

    新型コロナウイルス「オミクロン株」の急拡大を受けて、米国のバイデン大統領は、自宅で使える簡易検査キット5億個を、希望者に無料で配ると発表したそうです。配布は来年1月から開始予定。専用のウェブサイトで申し込むと、自宅まで配送されるといいます。またバイデン氏は、大規模なロックダウンについては慎重な姿勢を示しました。12月18日までの1週間をみると、米国の新規感染者の75%はオミクロン株感染者だそうです。AP通信の記事です。

  • アルツハイマー病の新薬、欧州医薬品庁が承認せず

    2021-12-24

    欧州医薬品庁(EMA)は、米バイオジェンが開発したアルツハイマー病の新薬「アデュカヌマブ」の使用を承認するべきではないと勧告したようです。今回の判断は、初期のアルツハイマー病患者3000人を対象にした二つの臨床試験の結果に基づくもの。試験結果が矛盾していることが問題視され、アデュカヌマブが有効だとはいえないと結論付けられたそうです。何人かの患者の脳スキャン画像から、腫れや出血が疑われるケースも確認されたといいます。BBCの記事です。

  • ファイザー製ワクチン、2歳以上5歳未満での免疫反応不十分

    2021-12-24

    ファイザー製の新型コロナワクチンは、2歳以上5歳未満の子どもが接種する場合、2回では十分な効果が期待できないようです。同社は、生後6カ月以上5歳未満の乳幼児に対するワクチン用量を大人の1/10にあたる3㎍に設定。臨床試験の中間データによると、2歳以上5歳未満の子どもでは、期待された免疫反応が確認されなかったそうです。これを受けて、5歳未満の子どもに3回目接種を行うことで、免疫反応が上がるか検証するといいます。CNNの記事です。

  • コロナワクチン接種後の心筋炎・心膜炎は「極めてまれ」/デンマークの調査

    2021-12-23

    新型コロナウイルスmRNAワクチンの接種は心筋炎や心膜炎リスクの上昇と関連があるものの、実際にそれらが起こるのは極めてまれだそうです。デンマークの研究チームが、12歳以上の国民500万人分のデータを分析。ワクチン接種後28日以内に心筋炎または心膜炎を発症したのは、「ファイザー製ワクチンを接種した348万2295人のうち48人(10万人に1.4人)」「モデルナ製ワクチンを接種した49万8814人のうち21人(10万人に4.2人)」だったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 毎日電子たばこを吸う男性、EDリスク倍増

    2021-12-23

    加熱した溶液の蒸気を吸う「電子たばこ」は、男性の性機能に深刻な影響を及ぼすようです。米国の研究チームが、同国における電子たばこの使用に関する研究データを分析。20~65歳の健康な男性で毎日電子たばこでニコチンの蒸気を吸う人は、電子たばこを吸わない人に比べて勃起不全(ED)になるリスクが倍増することが分かったそうです。紙巻たばこの喫煙歴があるかどうかにかかわらず、電子たばこの使用がEDリスクに関連しているようです。CNNの記事です。

  • ビタミンB12不足で、中高年のうつ病リスク上昇/アイルランド

    2021-12-22

    ビタミンB群や葉酸の不足はうつ病と関係があるのでしょうか。アイルランドの研究チームが、同国の50歳以上の地域在住中高年のデータを分析。ビタミンB12が不足している人は、4年以内にうつ症状が現れるリスクが51%高かったそうです。一方で、葉酸の不足とうつ病との間に関連は認められませんでした。同国では中高年の8人に1人がB12不足だといいます。Medical Xpressの記事です。健康長寿ネットによると、B12はアサリやシジミ、ノリ、レバーなどに多く含まれます。

  • コロナワクチン追加接種後の副反応は?おおむね2回目と同様

    2021-12-22

    新型コロナウイルスワクチンの追加接種後の副反応はどのくらい起こるのでしょうか。米疾病対策センター(CDC)によると、ファイザーまたはモデルナのワクチンの場合、3回目接種後に接種部位の痛みなどの局所反応を経験する人が2回目接種後より増加。一方、その他の副反応については3回目接種後のほうが若干少なくなるようです。ジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチンは、他の2種と比べて追加接種後の副反応が少なかったとのこと。Insiderの記事です。

  • 「オミクロン株感染、前例のないスピードで拡大」WHOが警告

    2021-12-22

    新型コロナウイルス「オミクロン株」の感染は、これまでに世界77カ国で確認されているそうです。しかしWHO(世界保健機関)は、実際にはもっと多くの国・地域に感染が広がっている可能性が高いと警告。WHOの最新データによると、この変異株は既存ワクチンの予防効果を回避する可能性があり、再感染リスクも高いそうです。WHOは、たとえ重症化リスクが低いとしても、多くの感染者が出れば、再び医療体制を圧迫する恐れがあると指摘しています。BBCの記事です。

  • 生殖補助医療、生まれた子どものメンタルヘルスに影響及ぼさず

    2021-12-22

    生殖補助医療(ART)は、生まれた子どもの心の健康に悪影響を及ぼすのでしょうか。スウェーデンの研究チームが、1994~2006年に同国で生まれた子ども120万人のデータを分析。このうち3万1565人がARTで生まれた子どもだったといいます。子どもたちが12~25歳になるまで追跡でき、それを分析した結果、ARTで生まれた子どもは強迫性障害のリスクがわずかに高かったそうです。しかし両親の背景要因を調整すると、このリスク上昇は解消されたとのこと。News-Medical.Netの記事です。

  • 航空宇宙エンジニアや脳外科医、一般の人より賢いわけではない?

    2021-12-16

    「ロケット科学者や脳外科医は賢い」とのイメージは本当なのでしょうか。英国の研究チームが、航空宇宙エンジニア329人と脳神経外科医72人を、一般集団1万8257人と比較。参加者に6分野の知能レベルを測定するテストを実施したといいます。航空宇宙エンジニアと一般集団の間には、有意な得点差はみられなかったそうです。脳神経外科医は、一般集団より問題を解決するのが速かったものの、記憶を呼び起こすのに時間がかかったとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 白内障手術を受けた高齢者、認知症リスク30%低く

    2021-12-16

    白内障手術を受けると、脳の健康に思わぬメリットがあるようです。米国の研究チームが、白内障または緑内障と診断された認知症のない高齢者3038人を調査。白内障手術を受けた人は、10年以内に認知症を発症するリスクが30%低かったそうです。一方、緑内障手術を受けた人と受けていない人の間に認知症発症リスクの違いはみられなかったといいます。認知機能に関連する網膜の細胞が、白内障手術によって再活性化する可能性が指摘されています。ScienceAlertの記事です。

  • オミクロン株へのワクチン効果 3回目接種がカギ/英の初期調査

    2021-12-14

    新型コロナウイルスのオミクロン株に対しては、ワクチン2回接種だけでは不十分かもしれません。英国の研究チームが、オミクロン株に感染した581人とデルタ株に感染した数千人のデータを分析。オミクロン株は、デルタ株に比べてワクチンの効果が低くなることが分かったそうです。3回目接種により、オミクロン株感染による発症を75%抑制できるといいます。この研究の対象になったのは、アストラゼネカ製とファイザー製のワクチンとのこと。BBCの記事です。

  • インフルに対するmRNAワクチン 第1相試験で有望な結果

    2021-12-14

    米モデルナ社が、mRNA技術を使ったインフルエンザに対する4価(A/H1N1、A/H3N3、B/山形、B/ビクトリア)ワクチンの臨床試験データを公表したそうです。180人を対象にした第1相試験で、安全性を確認。若者、高齢者ともに高レベルの抗体が誘導されたそうです。主に若者に、接種部位の痛みや頭痛などの副反応がみられたといいます。同社は500人規模の臨床試験をすでに開始。適切な用量の調査や既存のインフルワクチンとの比較が行われるようです。ScienceAlertの記事です。

  • 禁煙による体重増加に腸内細菌叢が関連/マウスで確認

    2021-12-13

    禁煙した後に体重が増えるのはなぜなのでしょうか。定期的にたばこの煙にさらしたマウスは、ただ「禁煙」させるよりも、広域抗菌薬で腸内細菌叢を除去して「禁煙」させた方が体重増加が少ないことが判明。たばこの成分による腸内細菌叢の組成の変化が、代謝に影響を及ぼしているとのこと。ジメチルグリシンとアセチルグリシンという代謝産物が、体重増加に関与していることが分かったといいます。イスラエルのチームの成果が、Medical Xpressに紹介されています。

  • 脊髄損傷による麻痺に有効な新薬 マウスが再び歩けるように

    2021-12-13

    ナノファイバーを使った「超分子薬」で、脊髄を損傷したマウスが歩けるようになったようです。米国の研究チームが、神経再生を促す信号を送るペプチドを何十万も含んだ超極細ナノファイバーを開発。これをゲル状にして、脊椎の損傷から24時間経過したマウスの脊髄周辺組織に注入したところ、4週間後にはほとんど元通りに歩けるようになったそうです。ファイバー内の分子が激しく振動するよう設計されている点がカギだといいます。ScienceAlertの記事です。

  • NZ、若者のたばこ購入を生涯禁止へ 法制化目指す

    2021-12-13

    ニュージーランドが、若者のたばこ購入を禁止する法律を来年にも成立させる方針を示したそうです。法制化されれば、14歳以下の世代は生涯にわたりたばこを購入できなくなります。世界で最も厳しい水準の規制だといいます。専門家からはこの動きを歓迎する一方、闇市場の拡大を懸念する声も上がっているようです。政府はたばこの販売ができる場所を制限することも発表。たばこ販売の許可を持つ店は、現在の8000から500未満に減るそうです。BBCの記事です。

  • 米FDAが老眼改善薬として初承認 画期的な目薬「Vuity」発売へ

    2021-12-13

    老眼を一時的に改善する点眼薬「Vuity」が、米国でついに市場に出るそうです。米食品医薬品局(FDA)はこの薬を10月に承認。老眼の人がこの処方薬を1滴ずつ点眼すると、15分後には見えやすくなるといいます。効果は6~10時間持続。40~55歳の人に最も効果がみられ、65歳を超えると有効性が低くなるそうです。価格は30日分で約80ドル。今のところ保険適用外だといいます。臨床試験では、頭痛と目の充血の副作用が確認されたとのこと。CBS Newsの記事です。

  • ブドウ種子抽出物「PCC1」 マウスの老化を防ぎ、寿命を延ばす

    2021-12-09

    ブドウの種に含まれる「プロシアニジンC1(PCC1)」には、マウスの老化を防ぐ効果があるようです。米中の研究チームが、46種類の植物エキスの中からPCC1のアンチエイジング作用に着目。細胞を使った実験では、高用量のPCC1が、老化に関与する細胞のみを破壊することが分かりました。そこで、高齢マウスにPCC1を投与する実験を実施。平均で「寿命が9%」「余命が60%」延びたそうです。若いマウスにPCC1を投与すると、体力の改善がみられたといいます。Medical Xpressの記事です。

  • オンライン会議でのカメラ「オン」で、女性や新入社員に「Zoom疲れ」

    2021-12-09

    オンライン会議でwebカメラをオンにすると、疲労感が増して、会議への貢献度が低くなるかもしれません。米国の研究チームが、リモートで働く103人を対象に調査を実施。オンライン会議中にカメラをオンにすると、疲れを感じやすくなることが分かったそうです。疲れから、会議中のパフォーマンスが低下する可能性も指摘されたといいます。これらの傾向は、他人からの見られ方を気にしやすいと考えられる女性や新入社員に顕著だったとのこと。PsyPostの記事です。

  • ED治療薬「バイアグラ」、アルツハイマー病に有効な可能性

    2021-12-08

    勃起不全の治療薬「バイアグラ」や肺高血圧症の治療薬「レバチオ」で知られる「シルデナフィル」がアルツハイマー病(AD)の予防や治療に有効かもしれません。米国の研究チームが、1600以上の米食品医薬品局(FDA)承認薬の中からADに有効な薬を調査。シルデナフィルが最有力候補に挙がったそうです。次に、同国のデータベースから700万人のデータを分析。この薬を服用していた人は、そうでない人に比べてAD発症のリスクが69%低かったといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 体外受精の成功率、年齢とともに低下/豪

    2021-12-08

    赤ちゃんを望む人は体外受精(IVF)を先延ばしにするべきではないそうです。豪州の研究チームが、2016年に同国ビクトリア州でIVFを開始した女性数千人を20年まで追跡調査しました。1サイクルのIVFで無事に出産までたどり着いたのは、IVFを▽40歳で開始した人の13%▽30代半ばで開始した人の40%▽30歳以前に開始した人の43%――だったそうです。男性についても、年齢が1歳上がるごとにIVF成功率が約4%ずつ低下することが分かったといいます。ScienceAlertの記事です。

  • オミクロン株、再感染リスク高い可能性/南ア研究

    2021-12-07

    新型コロナ感染歴のある人が新型コロナに再感染する可能性は、ベータ株やデルタ株に比べてオミクロン株の方が高いようです。南アフリカの研究チームが同国でコロナに感染した270万人のデータを分析。少なくとも2回感染した疑いのある人は3万5670人いました。サンプルの遺伝子解析結果などから、その多くがオミクロン株に再感染したとみられます。オミクロン株には、過去の感染による免疫を回避する能力があることが示唆されたといいます。CNNの記事です。

  • 膵臓がんリスクを高める細菌を特定 膵嚢胞の調査で

    2021-12-07

    細菌が、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)をはじめとする膵嚢胞のがん化リスクを高めるそうです。スウェーデンの研究チームが、膵嚢胞性腫瘍の手術を受けた患者29人の嚢胞を調査。嚢胞液内にいる生きた細菌の調査に初めて成功しました。通常は消化管にいるガンマプロテオバクテリア綱やバシラス綱の細菌が多く存在していることが分かったそうです。これらの細菌の一部が、がんにつながるDNA損傷を引き起こす可能性も示唆されたといいます。Medical Xpressの記事です。

  • アストラ製コロナワクチンによる血栓症の仕組み解明

    2021-12-06

    アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチン接種後にまれにみられる血栓症は、どのようにして起こるのでしょうか。このワクチンはチンパンジーのアデノウイルスをベクターとして使用しています。低温電子顕微鏡でアデノウイルスを詳しく観察したところ、ウイルスの表面が血液中のタンパク質「血小板第4因子」とくっつきやすいことが判明。これが血栓症の「引き金」になると考えられるそうです。英米の研究チームの成果がBBCに紹介されています。

  • アルツハイマー病の治療薬候補「BACE1阻害薬」が膠芽腫に有効か

    2021-12-06

    アルツハイマー病治療薬の候補として設計されたBACE1阻害薬「ベルベセスタット(verubecestat)」で、膠芽腫の成長を抑制できるかもしれません。米国の研究チームが、ヒト由来の膠芽腫前臨床モデルをこの薬で治療。腫瘍の成長を「促進する」マクロファージが腫瘍の成長を「抑制する」マクロファージに再プログラミングされることが分かったそうです。結果として、グリオーマ(神経膠腫)幹細胞をはじめとする腫瘍細胞の破壊が進んだといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 米FDA、近くコロナ飲み薬を初承認か 諮問委が緊急使用許可を勧告

    2021-12-03

    米食品医薬品局(FDA)の諮問委員会は、メルク社が開発した新型コロナの飲み薬「モルヌピラビル」について、緊急使用許可を出すよう勧告したそうです。諮問委は13対10の僅差で今回の勧告を決定。発症から5日以内の重症化リスクの高い患者が対象で、入院や死亡のリスクを30%下げる可能性があるそうです。妊婦への使用については慎重な姿勢を示す委員もいたとのこと。FDAは勧告に従う義務はないものの、通常は従うことが多いといいます。ScienceAlertの記事です。

  • 母親の性感染症が早産リスクを高める 米の母子1400万組を調査

    2021-12-03

    米国では2016~19年に早産がわずかに増加したそうです。2013~18年には性感染症の患者も増加していることが分かっています。そこで同国の研究チームが母子1400万組のデータを分析し、この関係性を調査しました。妊娠32~36週で出産するリスクは、「性感染症に感染していない母親」と比べて、妊娠前または妊娠中に母親が▽クラミジアに感染していた場合は1.04倍▽淋病に感染していた場合は1.10倍▽梅毒に感染していた場合は1.17倍――だったそうです。CNNの記事です。

  • オミクロン株患者は軽症?倦怠感や頭痛が主な症状/南ア医師

    2021-12-02

    新型コロナウイルス「オミクロン株」に感染するとどのような症状がみられるのでしょうか。最初に新変異株に気づいた南アフリカの医師によると、患者はほとんどが軽症。今のところ多くが40歳以下だそうです。主な症状として1~2日間続く強い倦怠感、その後頭痛や体の痛みがみられるといいます。喉のいがらっぽさや乾いた咳の症状がある患者も。専門家は、これらはあくまでも現時点までの初期症例に基づく情報である点を強調しています。CNNの記事です。

  • オミクロン株は感染力強い?デルタ株上回る可能性も

    2021-12-02

    新型コロナウイルス「オミクロン株」は分子的特徴から強い感染力を持つ可能性が指摘されています。実際、最初にこの新変異株が報告された南アフリカでは感染が急拡大。初期のデータでは、デルタ株より速いスピードで広がっている可能性が示されているそうです。しかし同じことが他の地域でも起こるとは限らないといいます。専門家は、オミクロン株がデルタ株を上回る「最強」の変異株になるかは、近いうちに明らかになるとみています。CNNの記事です。

  • WHOが新変異株を「オミクロン」と命名 2文字飛ばした理由は?

    2021-12-01

    WHO (世界保健機関)はコロナ変異株の名前にギリシャ文字を順番に使ってきました。今回南アフリカで見つかった変異株は、順番からいくと「ニュー(英語表記Nu)」と命名されるはずでした。しかし、2文字飛ばして「オミクロン」に。WHOは、ニューは「new」と混同しやすく、次の「クサイ(英語表記Xi)」は姓として使われているため避けたと説明しているそうです。中国の習近平国家主席の「習」が英語表記で「Xi」だから忖度したとの憶測も……。CNNの記事です。

  • ワクチン各社、オミクロン株に対する有効性の調査開始

    2021-12-01

    新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン」の感染拡大を受け、ワクチン各社が対応を始めているようです。モデルナ社は、数週間以内に既存ワクチンの有効性を確認。オミクロン株に特化したワクチンを製造する必要がある場合、提供開始は2022年初めになるとしています。ファイザー社は、2週間以内に既存ワクチンの有効性を調査するといいます。オミクロン株に対応した改良版ワクチンが必要な場合は100日以内に出荷可能だそうです。ScienceAlertの記事です。

  • 健康な男性に突如として起きたけいれん 脳の寄生虫が原因と判明

    2021-11-30

    3年前、米ボストンに住む38歳の健康な男性が、未明に突然けいれんを起こしたそうです。病院でさまざまな検査を行った結果、脳スキャン画像に3カ所の石灰化病変を発見。寄生虫「有鉤(こう)条虫」の幼虫によって形成される嚢胞で、男性は神経嚢虫症と診断されました。主に幼虫や卵を持つ豚肉を食べることで感染します。男性はこの疾患が多い中南米グアテマラから20年前に移住してきたそうです。米国の研究チームの成果が、ScienceAlertに紹介されています。

  • ワクチンは効く?新型コロナ「オミクロン株」とは何か

    2021-11-30

    新たに見つかった新型コロナウイルスの変異ウイルス「オミクロン株」。WHO(世界保健機関)が11月26日に「懸念される変異株」に指定しました。全部で50カ所もの変異が確認されており、32カ所はウイルスが細胞に侵入する際に必要な「スパイクタンパク質」で見つかっているそうです。ワクチンはこのタンパク質を標的にしているため、専門家は既存のワクチンの効果が弱まる可能性について懸念を示しています。BBCの記事をマイナビDOCTORで紹介します。

  • 腫瘍に薬剤を送達する魚型マイクロロボット

    2021-11-29

    魚やカニの形をしたマイクロロボットが、腫瘍に到達すると口やはさみを開いて薬剤を放出するという新たな技術が開発されたそうです。中国などの研究チームが、ヒドロゲルを使ってpHに反応するマイクロロボットを設計し、これを磁化。体外から磁石を使ってこのロボットを腫瘍まで誘導すると、腫瘍の酸性環境に刺激されて薬剤が放出されるそうです。これまでのところ、ペトリ皿内の人工血管を使った実験で成功が確認されているとのこと。Medgadgetの記事です。

  • コロナワクチン、2回目接種から90日経過で効果が徐々に低下

    2021-11-29

    ファイザー製の新型コロナワクチンの2回目接種から90日が経過すると、ワクチン接種済みでも感染する「ブレイクスルー感染」のリスクが徐々に高まるようです。イスラエルの研究チームが、コロナ感染歴がなく、2回目接種から3週間以上経過後にPCR検査を受けた成人8万57人のデータを分析。感染リスクは、「2回目接種~90日未満」と比べて▽90~119日後は2.37倍▽120~149日後は2.66倍▽150~179日後と180日以上経過は2.82倍――だったそうです。Medical Xpressの記事です。

  • 米研究施設で見つかった「天然痘」の小瓶、中身はワクチン用のウイルス

    2021-11-26

    先日米ペンシルバニア州のワクチン研究施設で見つかった「天然痘」と書かれた小瓶に関する続報です。米疾病対策センター(CDC)は、瓶の中に入っていたのは天然痘ワクチンに使われる「ワクシニアウイルス」だったと報告しました。天然痘を引き起こすバリオラウイルスが瓶の中に含まれているという証拠は見つからなかったそうです。ワクシニアウイルスはバリオラウイルスと同属です。天然痘ワクチンはワクシニアウイルスを弱毒化して作ります。CNNの記事です。

  • 慢性骨髄性白血病治療薬「ダサチニブ」が糖尿病に有効か

    2021-11-26

    2型糖尿病の新たな治療薬候補が見つかったそうです。米国の研究チームが25年にわたる930万人分のデータを分析。慢性骨髄性白血病などの治療に使われる「ダサチニブ」には、2型糖尿病を持つ患者の血糖値を下げる効果があることが確認されたそうです。メトホルミンなどの一般的な糖尿病治療薬を服用した場合に匹敵するそうです。ダサチニブが老化細胞を標的とするセノリティック薬であることが関連している可能性があるといいます。EurekAlert!の記事です。

  • 膵臓がんの初期兆候 喉の渇きと暗色尿を新たに追加

    2021-11-26

    膵臓がんの早期発見に役立つ初期兆候が明らかになったようです。英国の研究チームが、2000~17年に膵臓がんと診断された患者2万4236人のデータを分析。膵管腺がん(PDAC)の兆候として23の症状、膵神経内分泌腫瘍(PNEN)の兆候として9の症状が特定されたそうです。喉の渇きと暗色尿が、初めてPDACの初期兆候に追加されたといいます。ほとんどの症状は膵臓がんに特異的ではないものの、診断の1年前にはいくつかの症状を経験する可能性が高いとのこと。ScienceDailyの記事です。

  • アルツハイマー病にも「効果あり」? がん治療薬2種を特定

    2021-11-25

    がん治療のための薬をアルツハイマー病(AD)治療に転用できるかもしれません。米国の研究チームが、若者や高齢者の病理解剖した脳を使って、ADの危険因子であるAPOE4 遺伝子に関連するタンパク質の変化を特定。既存薬の中で、慢性骨髄性白血病治療薬「ダサチニブ」と肝臓がんの実験薬がこのタンパク質に作用することが分かったそうです。さらに、この二つの薬は細胞培養の実験で、ADの原因とされるタンパク質の分泌や変化を抑えたとのこと。News-Medical.Netの記事です。

  • 栄養が多く配合された乳児用ミルク、学業成績にメリットなし

    2021-11-25

    栄養成分が強化されたミルクは認知発達に好影響をもたらすのでしょうか。英国の研究チームが、1993~2001年に同国の5カ所の病院で実施された栄養調整乳に関する七つのランダム化試験の結果を分析。対象者は計1763人だったそうです。2018年に、このうち1607人の11歳と16歳時における全国統一テスト(GCSE)の成績を調べたところ、通常のミルクを飲んだ子どもに比べ、栄養成分強化ミルクの子どもの成績が良くなるという証拠は見つからなかったとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 新型コロナによる呼吸不全リスクが倍増? 英チームが関連遺伝子を特定

    2021-11-24

    新型コロナによる呼吸不全のリスクを倍増させる遺伝子が特定されたようです。英国の研究チームが、AIなどを使って全身の細胞の遺伝子データを解析し、明らかにしました。「LZTFL1」という遺伝子に「高リスク型」があり、この型を持っていると、新型コロナウイルスに対して肺や気道の細胞が取るべき適切な防御反応が妨げられる可能性があるのだそうです。南アジア系の人の60%、ヨーロッパ系の人の15%がこの遺伝子型を持っているといいます。Medical Xpressの記事です。

  • コーヒーや紅茶の摂取、脳卒中や認知症リスク低下に関連

    2021-11-24

    コーヒーや紅茶を適度な量飲む人は、脳卒中や認知症のリスクが低くなるそうです。中国の研究チームが、英国バイオバンクのデータを使って50~74歳の健康な中高年36万人を10~14年間調査。1日に「コーヒーを2~3杯」「紅茶を3~5杯」「コーヒーと紅茶を計4~6杯」飲むと報告した人は、脳卒中や認知症を発症するリスクが最も低かったそうです。コーヒーや紅茶の摂取量については自己申告だったという点に注意が必要とのこと。CNNの記事です。

  • 「天然痘」と書かれた小瓶、米研究施設で見つかる

    2021-11-22

    米ペンシルバニア州にあるワクチン研究施設の冷凍庫で、「天然痘」と書かれた小瓶が5本見つかったそうです。冷凍庫を整理していた職員が偶然発見。瓶は冷凍された状態で、誰かが触れた形跡はなかったそうです。極めて危険なウイルスで、既に根絶した天然痘ウイルスのサンプル保管を許されているのは、アトランタにある米疾病対策センター(CDC)の研究所とロシアの研究所の2カ所のみです。米連邦捜査局(FBI)とCDCが詳細を調査中とのこと。Live Scienceの記事です。

  • アルツハイマー病ワクチンの臨床試験、ボストンの病院で開始

    2021-11-22

    アルツハイマー病の予防や進行抑制の効果が期待される経鼻ワクチンの第1相試験が始まるようです。米国のブリガム・アンド・ウィメンズ病院が、アルツハイマー病の初期症状がある60~85歳の高齢者16人を対象に治験を実施。ワクチンは1週間間隔で2回投与されるそうです。ワクチンには免疫系を刺激するプロトリンと呼ばれる物質が使われ、病気の原因と考えられているタンパク質アミロイドβを除去するように設計されているといいます。CBS Newsの記事です。

  • コロナワクチン3回目接種 40歳以上の人に対象を拡大/英

    2021-11-19

    英国で40~49歳の全ての人が新たに新型コロナワクチン3回目接種の対象になるそうです。英国では50歳以上の人や重症化リスクの高い人、医療従事者などを対象に既に3回目接種を開始。これまでに1260万人が3回目のワクチンを接種したそうです。今回のブースター接種はファイザー製かモデルナ製が対象で、2回目の接種から6カ月以上経過していることが条件だといいます。3回目接種により、コロナへの感染リスクは93%以上減少するとのこと。BBCの記事です。

  • 抗うつ薬SSRI、コロナによる死亡リスクを低減する可能性

    2021-11-19

    抗うつ薬を飲んでいる人は、新型コロナで死亡するリスクが低くなるかもしれません。米国の研究チームが、昨年同国で新型コロナに感染した患者8万3584人のデータを分析。選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)を飲んでいた人の死亡率が14.6%だったのに対し、そうでない人は16.3%だったそうです。SSRIは、ウイルスが細胞に感染する際に必要な酸性スフィンゴミエリナーゼ(ASM)という酵素を阻害する作用があり、感染抑制につながる可能性があるとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • HIV感染女性が治療なしで完治か 世界で2例目

    2021-11-19

    HIV感染者の女性が、特別な治療を受けずに治癒したようです。アルゼンチンに住むこの女性は、2013年にHIV-1に感染していることが判明。治療は、妊娠中(2019~20年)に通常の抗レトロウイルス療法を受けたのみ。診断から8年たった現在、体内から複製可能なウイルスは見つからなかったそうです。このようなケースは世界で2例目。HIV感染については他に、幹細胞移植で治癒した人が世界に2人います。ブエノスアイレス大学などによる報告がScienceAlertに紹介されています。

  • モデルナ製コロナワクチン接種者の心筋炎 10万人に1人以下の割合

    2021-11-19

    モデルナ社が、同社の新型コロナワクチンを接種した人に心筋炎・心膜炎が起こる割合を調査したようです。同社のデータベースを使って、2億7500万回分の接種データを分析。1400件の心筋炎・心膜炎が確認されたそうです。ほとんどが米国や欧州からの報告で、78%が男性、61%が18~29歳だったといいます。症例が報告された割合は10万人あたり0.95例だったとのことです。ワクチンのメリットが心筋炎・心膜炎のリスクを上回ると結論付けられています。News-Medical.Netの記事です。

  • 好きな音楽を繰り返し聞くことで、初期アルツハイマー病が改善

    2021-11-18

    個人的に思い入れのある音楽を聞くと、アルツハイマー病患者の脳の性質に有益な効果がもたらされるようです。カナダの研究チームが、認知機能低下の初期段階にある14人を調査。このうち6人は音楽家だったそうです。3週間にわたって、1日1時間それぞれにとってなじみ深い音楽を聞いてもらったところ、特に思考などを担う前頭前野の神経経路に構造的・機能的変化が確認されたといいます。全参加者で認知機能の改善がみられたとのこと。EurekAlert!の記事です。

  • 「腸内細菌が自閉症を引き起こす」は間違い

    2021-11-18

    「腸内細菌叢の組成が自閉症を引き起こす」との説が覆されたかもしれません。豪州の研究チームが、自閉スペクトラム症の子ども99人と、その兄弟51人を含む非自閉症児148人の便から微生物のDNAを調査。総じて腸内細菌叢と自閉症の関連を示す証拠は見つからなかったそうです。代わりに、自閉症児は偏食の傾向が強いことが判明したといいます。偏食の結果、腸内細菌の種類が少なくなり、便がゆるくなる可能性も示唆されたとのことです。ScienceAlertの記事です。

  • 母乳にコロナ中和抗体 ワクチン接種や感染歴ある母親から検出

    2021-11-17

    母乳から新型コロナウイルスに対する中和抗体が見つかったそうです。米国の研究チームが、コロナの感染歴がある母親47人、mRNAワクチンを接種済みの母親30人を調査。感染歴のある母親の母乳からはIgA抗体、ワクチン接種済みの母親の母乳からはIgG抗体が多く検出されたそうです。抗体は共に新型コロナウイルスを中和する作用があったといいます。ただし研究者は「母乳を飲んだ子どもに保護効果がもたらされるかは未確認」と強調しています。Medical Xpressの記事です。

  • コロナ関連プラスチックごみ、すでに2.8万トンが海へ

    2021-11-17

    新型コロナウイルス感染拡大が、海洋環境に深刻な影響を及ぼす懸念があるようです。米中の研究者によると、コロナ下でマスクや手袋などのプラスチックごみが急増。2021年8月半ばまでに193カ国で計920万トンのコロナ関連プラスチックごみが排出されたそうです。その87.4%は病院からのもの。8月23日時点で、すでに2万8550トンが海へ流出したと推定されるといいます。発展途上国における医療プラスチックごみの廃棄方法の改善が必要とのこと。ScienceAlertの記事です。

  • はしかが新たな脅威に コロナ下、2200万人がワクチン未接種

    2021-11-15

    新型コロナウイルス感染拡大の影響で、世界的にはしか流行の脅威が高まっているそうです。米疾病対策センター(CDC)は、コロナ下で2200万人以上の乳児が1回目のはしかワクチンを未接種だと指摘しています。2019年と比べて300万人増えたといいます。20年のはしか発生数に増加はみられなかったものの、今後の大流行が懸念されるそうです。コロナの影響でおろそかになっている定期予防接種を強化する対策が必要とのこと。CNNに紹介されています。

  • 男性医師は男性外科医を好む?外科医紹介の際に男女格差/カナダ

    2021-11-15

    男性医師は患者に、女性の外科医を紹介したがらない傾向があるようです。カナダの研究チームが、同国オンタリオ州で1997~2016年に、医師が患者に外科医を紹介した際のデータ4000万件を分析。紹介を受けた外科医は5660人で、このうち男性の割合は77.5%だったそうです。それにも関わらず、患者に男性外科医を紹介した割合は「男性医師で87%」「女性医師で79%」だったといいます。男性医師が女性外科医に偏見を持っている可能性が示唆されたとのこと。EurekAlert!の記事です。

  • HPVワクチンで子宮頸がんリスクが87%減少 英の大規模調査

    2021-11-12

    ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンが、子宮頸がんリスクを大幅に減少させることを示す報告です。英国の研究チームが、同国における2006~19年のがん登録データを調査。12~13歳でHPVワクチンを接種した人は、そうでない人に比べて子宮頸がん発症リスクが87%低かったそうです。14~16歳で接種した人は、同リスクが62%低かったとのこと。調査対象になった女性は2価ワクチン「サーバリックス」を接種した世代だといいます。CNNの記事です。

  • 注目のがん治療薬の標的「SHP2」 阻害すると逆にがん悪化か

    2021-11-12

    近年、脱リン酸化酵素「SHP2」を標的とした薬の開発が注目されています。しかし、この方法はがん治療においては逆効果になる可能性があるようです。米国の研究チームが、遺伝子操作したマウスを使ってSHP2が肝細胞がんの成長を促進することを確認。ただし、SHP2を肝細胞から除去すると、がん遺伝子「Myc」ががんの成長を劇的に加速させることも分かったそうです。SHP2を阻害することで、予期せぬ複雑な免疫抑制環境が引き起こされたとのこと。News-Medical.Netの記事です。

  • 2022年、注射器が最大20億本不足する恐れ WHOが警告

    2021-11-12

    世界的に注射器が不足し、各種ワクチン接種ができなくなる懸念があるそうです。世界保健機関(WHO)は、2022年に予防接種用の注射器が最大20億本不足する恐れがあると警告。新型コロナワクチンの接種が進むにつれて、注射器の供給が追いつかなくなるといいます。これまでにコロナワクチンは世界で72億5000万回以上接種されており、この数は定期予防接種の2倍に上るそうです。WHOは必要な注射器の量を計画的に確保するよう各国に要請したとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • ファイザーのコロナ経口薬、高リスク患者の入院・死亡を9割低減

    2021-11-11

    米ファイザー社の新型コロナ経口薬「パクスロビド」が、高リスク成人患者の入院・死亡リスクを89%減らしたそうです。ウイルスの複製に必要な酵素の働きを阻害する薬です。重症化リスクの高い新型コロナ患者1,219人を対象にした臨床試験の中間結果が公表されました。発症から3日以内にこの薬を投与された患者で入院が必要になったのは0.8%で、死者はいなかったそうです。一方、プラセボを投与された患者は7%が入院し、7人が死亡したとのこと。BBCの記事です。

  • 用量や副反応は?専門家に聞く「子どものコロナワクチン接種」

    2021-11-11

    米国でファイザー製新型コロナワクチンの5~11歳向け接種が始まる中、よくある質問に専門家が答えています。5~11歳の子どもは、通常の1/3の量を大人同様21日以上の間隔をあけて2回接種します。接種部位の痛みや頭痛、倦怠感、発熱などの副反応が起こることもありますが、大人と比べてそのリスクは低いといいます。若者にまれにみられる心筋炎の副反応は、臨床試験では確認されませんでした。感染歴のある子どもも接種すべきだそうです。CNNの記事です。

  • 2mの距離だけでは不十分 屋内のエアロゾル対策には換気が不可欠

    2021-10-04

    屋内で新型コロナウイルスのエアロゾル感染を防ぐには、身体的距離の確保だけでは不十分だそうです。米国の研究チームが、コロナウイルスを運ぶことができる、人間の呼吸器から発生する1~10マイクロメートルのエアロゾルの流れを調べました。マスクなしの感染者が屋内で会話をすると、ウイルスを含む粒子が1分以内に2m離れた相手まで届くことが判明。この傾向は換気が不十分な部屋で顕著だったそうです。Medical Xpressの記事です。

  • スタチンが潰瘍性大腸炎に有効か データ分析で判明

    2021-10-04

    血中コレステロール値を下げる薬「スタチン」が潰瘍性大腸炎に有効かもしれません。米国の研究チームが潰瘍性大腸炎に有効な既存薬を調査。スタチンが候補に挙がったそうです。次に同国の電子カルテを分析したところ、スタチンを服用している潰瘍性大腸炎患者は切除手術を受ける割合が50%低かったとのこと。研究者によると、潰瘍性大腸炎患者の3割は抗炎症薬が効かず、大腸の切除手術を受けているといいます。Medical Xpressの記事です。

  • 米Grail社のがんを早期発見する血液検査 英で14万人規模の臨床試験へ

    2021-10-04

    米国のGrail 社が開発したがんを早期発見する血液検査「Galleri」の臨床試験が英国で始まるようです。Galleriは早期発見が難しい膵臓がんや肺がん、胃がんなどを含む多種のがんの初期兆候を調べる検査です。腫瘍から血液中に漏れ出る遺伝情報の断片があり、その化学変化を見つけるのだそうです。米国ではすでに使用されているといいます。英国では、ランダム化比較試験に参加するボランティア140,000 人を募集する予定とのこと。BBCの記事です。

  • 子どもの新型コロナ後遺症 ほとんどが12週間以内に回復か

    2021-10-04

    子どもにおける新型コロナの後遺症は大人ほど長引かないかもしれません。豪州の研究チームが、計19,426人の子どもを対象にしたコロナ後遺症に関する14研究を分析。後遺症の症状が12週間を超えて持続するという証拠はほとんど見つからなかったといいます。感染の4~12週間後に報告された症状は、頭痛、疲労、睡眠障害、集中力低下、腹痛でした。ただ、生活の変化の影響と区別が難しく、さらなる研究が必要だそうです。EurekAlert!の記事です。

  • ストレスの多い人、高血圧や心血管イベントリスク高く

    2021-09-30

    強いストレスは、すぐに症状が出なくても、後の高血圧や心血管イベントリスクを高めるようです。京都大学が48~87歳で血圧が正常な多民族の成人412人を10年以上調査。尿中のストレスホルモン(ノルアドレナリン、アドレナリン、ドパミン、コルチゾール)レベルの合計値が倍増すると、高血圧リスクが21~31%高くなることが判明したそうです。また、コルチゾールの倍増で心血管イベントリスクが90%上昇したとのこと。CNNの記事です。

  • アルツハイマー病患者の脳に蓄積するアミロイドβ、血中リポタンパク質から漏出か

    2021-09-30

    アルツハイマー病の原因とされるアミロイドβが脳に蓄積する経路が判明したそうです。豪州の研究チームは、アミロイドβが脂質とタンパク質の複合体「リポタンパク質」として脳外で作られることに着目。肝臓でヒトアミロイドのリポタンパク質を作るよう遺伝子操作したマウスを調べたところ、脳に炎症が起こり脳細胞が死んだそうです。アミロイドβが血中リポタンパク質から脳内に漏れ出している可能性があるとのこと。EurekAlert!の記事です。

  • インフルワクチン、新型コロナ感染リスクを抑制する可能性

    2021-09-30

    インフルエンザワクチンで新型コロナの感染リスクが低減されるかもしれません。研究者らがオランダのある病院で医療従事者を対象に調査を実施しました。新型コロナ感染拡大の第2波において、4価インフルエンザワクチンを接種した人と、接種しなかった人の新型コロナ感染率を比べたのです。感染率は接種者が2%だったのに対し、未接種者は3.9%。インフルエンザワクチンの接種がリスクを50%下げていたそうです。News-Medicalの記事です。

  • 自由な時間が多すぎても、幸福度が低くなることが判明

    2021-09-30

    自由な時間が増えれば増えるほど、人の幸福度は高まるのでしょうか。米国の研究チームが同国で21,736 人分のデータを分析。幸福度は、1日の自由時間が2時間程度までは高まるのですが、そこからは横ばいになり、5時間を超えると低下することが分かったそうです。別の6000人以上を対象にしたオンライン調査では、自由時間が多い環境でテレビを見るなどの非生産的な活動をすると、幸福度が下がる傾向にあったとのこと。EurekAlert!の記事です。

  • ピーナッツ摂取で、脳卒中や循環器疾患リスクが低下/日本で調査

    2021-09-29

    ピーナッツを多く摂取する人は、脳卒中や循環器疾患のリスクが低くなるようです。大阪大学や国立がん研究センターなどの研究チームが、国内に住む45~74歳の成人74,000人を15年間追跡。3,599人が脳卒中を発症し、849人が虚血性心疾患を発症しました。分析の結果、ピーナッツを多く摂取する人は、摂取しない人に比べて▽脳梗塞リスクが20%▽全脳卒中リスクが16%▽循環器疾患リスクが13%――それぞれ低いことが分かったそうです。EurekAlert!の記事です。

  • 脇の下の汗からコロナを検出する携帯型装置 タイで試験

    2021-09-29

    タイのバンコクの市場で、脇の下の汗から新型コロナウイルスを検出する携帯型装置の試験が行われたそうです。同国の研究チームが開発したこの装置は、コロナ患者の汗に含まれる細菌が生み出す特殊なにおいを検知。綿棒を脇の下に15分間挟み、その汗を分析装置で調べるといいます。市場の店員を対象に行った試験では、95%の精度だったとのことです。ただし、研究内容の発表や査読はまだ行われていないようです。Medical Xpressの記事です。

  • 目の悪い子どもに眼鏡を与えると、学力が向上する

    2021-09-29

    「ちゃんと見える」と、子どもの学力はアップするようです。米国の研究チームが、同国の小学3年~中学1年の子ども2,304人を3年間調査。視力検査の結果に基づいて適切な眼鏡を与えられた子どもは、1年後のリーディングや算数の得点が改善されたそうです。特に、成績下位や特別支援教育を受けている子どもで、改善が顕著だったとのこと。研究者は「眼鏡をかけることは2~4カ月の追加教育に相当する」とみています。EurekAlert!の記事です。

  • 米デューク大学、心停止ドナーからの小児心臓移植に成功

    2021-09-29

    米デューク大学が心停止後臓器提供(DCD)による小児心臓移植に成功したそうです。患者は14歳の女性で経過は良好。一般的に心臓は、脳死したドナー(臓器提供者)から摘出され、レシピエント(移植を受ける患者)に移されます。今回は食品医薬品局(FDA)から許可を得て、心停止後のドナーに対し、脳死した成人ドナーの心臓の動きを維持するための技術が活用されたそうです。この技術を使っての小児DCD移植は全米初とのこと。News-Medicalの記事です。

  • 人は面白いと感じると、陰謀論を信じやすくなります

    2021-09-28

    人はなぜ、陰謀論を信じるのでしょうか。オランダの研究チームが英国や米国で5つの調査を実施したそうです。同じ事柄を扱った二つの記事を使い、取り上げ方や文体が読み手に与える印象の違いなどを調査しました。その結果、人は刺激的で注目度抜群の話だと感じるほど、陰謀論を信じやすくなることが分かったそうです。センセーショナルな表現のニュースは、陰謀論を信じる人を増やす危険性があるとのこと。PsyPostの記事です。

  • 加齢黄斑変性などの眼疾患、認知症リスク上昇に関連

    2021-09-28

    眼疾患は認知症リスクを高めるようです。研究者らが英国の55~73歳の12,364人のデータを分析。眼疾患のない人に比べて、加齢黄斑変性の人は26%▽白内障の人は11%▽糖尿病関連眼疾患の人は61%――それぞれ認知症リスクが高かったそうです。緑内障の人は血管性認知症リスクのみ上昇したとのこと。眼疾患に加え、心疾患、脳卒中、糖尿病、うつ病を併発していると、どちらか片方だけを発症しているよりもリスクが高いそうです。EurekAlert!の記事です。

  • オフィス内の空気質が、従業員の認知機能や生産性に影響

    2021-09-28

    オフィス内の空気の質は、生産性にも影響を与えるのだそうです。米国の研究チームが、世界6カ国で週3回以上内勤のある18~65歳の会社員計300人を1年間調査。アプリを使い、色を識別したり算数の問題を解いたりする認知テストを実施し、オフィス内の空気の質との関係を調べました。その結果、微小粒子状物質PM2.5や二酸化炭素(CO2)レベルが上昇すると、認知テストにおける反応速度や正確性に悪影響がみられたそうです。EurekAlert!の記事です。

  • 細菌に強く、光線療法の電源を搭載したスマート歯科インプラント

    2021-09-28

    高性能な最新のスマート歯科インプラントが紹介されています。このインプラントは、細菌を寄せ付けないようにするためにチタン酸バリウムナノ粒子を使用しています。また、自然な口の動きから電力が生み出され、歯肉組織を健康に保つための光線療法を行う技術も搭載しているそうです。5~10年で交換しなくてはならない既存のインプラントに比べ耐久性にも優れているといいます。米国の研究チームの成果が、Medgadgetに紹介されています。

  • マインドコントロールを行うカルトに関する10の誤った認識

    2021-09-27

    マインドコントロールを行うカルトにまつわる誤解が挙げられています。記事は、カルト信者は一見普通に見えることが多いため、「マインドコントロールは存在しない」と考える人がいるが、それは誤りだと指摘。マインドコントロールは自律的な意思決定能力を奪ってしまうため、「大人だから干渉すべきでない」というのも間違いだといいます。「知的だからからカルトにはまらない」なども誤った認識とのこと。Psychology Todayの記事です。

  • AIを使って緑内障をスクリーニングする新システム 精度は97%

    2021-09-27

    シンガポールの研究チームが、人工知能(AI)を使って緑内障の診断を行う新たなシステムを開発したそうです。このシステムは、網膜のさまざまな角度の画像を組み合わせて3次元の「ステレオ眼底画像」作成し、それを分析するアルゴリズムを使用。これによって、緑内障の視神経と正常な視神経を識別するといいます。実験の結果、診断の精度は97%だったそうです。医療アクセスが乏しい地域での活用が期待されるとのこと。News-Medicalの記事です。

  • 青年期に重篤な感染症を患うと、のちの多発性硬化症リスクが上昇

    2021-09-27

    多発性硬化症(MS)の発症リスクは青年期にかかった感染症と関係があるそうです。スウェーデンと英国の研究チームが、青年期に脳や脊髄の感染症を患った人は後のMSリスクが180%高くなることを発見。また、呼吸器感染症で入院したティーンエージャーは、同リスクが51%高かったとのこと。なお、これまでの研究で、思春期に脳しんとうを起こしたり肺炎にかかったりすると、MSリスクが上がることが分かっているといいます。News-Medicalの記事です。

  • 洗って繰り返し使える布マスク、1年後も機能衰えず

    2021-09-27

    「再利用している布マスク、まだ捨てないで」。米国の研究者がそう呼び掛けています。米国の研究チームが2層構造の綿布を最大52回(週1回洗濯した場合の年間回数に相当)、洗濯・乾燥しました。布の線維がバラバラになりましたが、ろ過効率に影響はみられなかったようです。ただし、サージカルマスクに比べて保護効果が低いことも事実。サージカルマスクの上に布マスクを重ねると高い保護効果が得られるとのこと。EurekAlert!の記事です。

  • 多発性硬化症とうつ病の併発、早期死亡リスクを高める可能性

    2021-09-26

    多発性硬化症(MS)とうつ病は併発することが多く、両方を発症した人は早期死亡リスクが高まるようです。英国の研究チームがMS患者12,251人と非MS患者72,572人を調査。研究開始時点で、MS患者の21%、非MS患者の9%がうつ病を発症していたといいます。うつ病のあるMS患者は、MSもうつ病も発症していない人に比べて10年間で死亡するリスクが5倍高かったそうです。うつ病のないMS患者は、同リスクが4倍高かったとのこと。ScienceDailyの記事です。

  • 米国で医学部への出願が急増 海外の医大に目を向ける受験生も

    2021-09-26

    米国で医学部への出願が急増しているそうです。直近の医学部の志願倍率はスタンフォード大学が122倍超、ボストン大学が109倍超。米国全体では、2020年の出願件数が前年比18%増加したといいます。02~20年で出願数は60%近く増加していますが、医学部の新設が進まないため、実際に在籍した学生は35%しか増えていないそうです。こうした状況から、海外、特にカリブ海地域の医学部に目を向ける受験生も多くなっているとのこと。Forbesの記事です。

  • 免疫介在性炎症性疾患を持つ人、新型コロナ重症化リスク高く

    2021-09-24

    関節リウマチやクローン病、乾癬などの免疫介在性炎症性疾患(IMID)患者は、新型コロナの重症化リスクが高くなるようです。英国の研究チームが18~110歳の成人17,672,065人のデータを分析。1,163,438人がIMIDを持っており、17%が炎症性関節疾患、17%が炎症性腸疾患、66%が炎症性皮膚疾患でした。IMID患者は一般集団に比べて、コロナによる▽死亡リスクが23%▽集中治療を要するリスクが24%▽入院リスクが32%――それぞれ高かったそうです。News-Medicalの記事です。

  • ニコチン含有電子タバコ、血栓増加や血管拡張能低下に関連

    2021-09-24

    ニコチンを含有する電子タバコは、血液や血管に悪影響を及ぼすそうです。スウェーデンの研究チームが18~45歳の健康な喫煙者22人を調査。ニコチン含有電子タバコを吸うと、15分後には血栓が23%増加し、血管も一時的に狭くなったそうです。ニコチン非含有電子タバコでは、同様の影響は確認されなかったとのこと。研究者は「長期的に使用すると心筋梗塞や脳卒中を引き起こす可能性がある」と注意を呼び掛けています。EurekAlert!の記事です。

  • ヒトも注意が必要? 山火事の煙にさらされたアカゲザルは流産率が高い

    2021-09-23

    山火事の煙と流産の関係について、気になる研究結果が報告されています。米国の研究チームが2018年11月にカリフォルニア州で起きた山火事の影響を調査。この時期に妊娠初期だったアカゲザル45匹のうち、無事に出産したのは37匹(82%)だったそうです。通常は86~93%が無事に出産までたどり着くとのこと。アカゲザルはヒトの妊娠に関する有用な動物モデルと考えられています。妊婦はなるべく煙を避けた方がよさそうです。ScienceDailyの記事です。

  • 食物アレルギー患者の7割が経口免疫療法に関する知識なく/米

    2021-09-22

    食物アレルギーの治療として、原因となる食べ物を少しずつ摂取して症状が出ないようにする「経口免疫療法(OIT)」が注目されています。米食品医薬品局(FDA)は2020年、4~17歳のピーナッツアレルギー患者に対する治療薬として、ピーナッツ粉を原料とした薬を承認しました。しかし、米国の研究チームが、全50州から集めた食物アレルギー患者781人を対象に調査を実施したところ、72%がOITのことを知らなかったそうです。ScienceDailyに紹介されています。

  • 3人に1人は他人のそわそわが気になる「ミソキネシア」と判明

    2021-09-21

    他人が無心に手や足をそわそわ動かしているのを見て、強い不快感を持ったり激しい怒りが沸き起こったりする人はいませんか。これは「ミソキネシア」と呼ばれる心理現象だそうです。カナダの研究チームが4,100人を調査したところ、3人に1人が、他人の動きに過敏であると報告したといいます。そういった人は、そわそわ動いている人を見ると無意識に共感し、一緒にネガティブな感情になっている可能性があるとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • 高レベルの大気汚染に暴露した子ども、肥満や喘息リスク高く/印

    2021-09-21

    大気汚染が子どもの健康に与える悪影響が、また明らかになりました。インドの研究チームが同国の子ども3,157人を調査。比較的空気がきれいな地域に住む子どもの16.4%が太り過ぎだったのに対し、大気汚染が深刻とされるデリーでは太り過ぎの子どもが39.8%に上ったそうです。研究者は、大気中の汚染物質によって内分泌系が異常をきたすことが肥満につながると説明します。また、デリーの子どもは喘息リスクも高かったとのこと。BBCの記事です。

  • コロナ感染歴、再感染に対してワクチンと同等の保護効果

    2021-09-20

    新型コロナウイルスに感染したことがある人は、再感染リスクが低いそうです。研究者らが、新型コロナの再感染に関して言及している全ての研究を対象に系統的レビューを実施。コロナへの感染歴が再感染に対して、ワクチンと同等あるいはそれ以上の保護効果をもたらすとの結論に達したそうです。具体的には、感染歴のある人は再感染のリスクが90%減少し、予防効果は10カ月間持続することが分かったとのことです。News-Medicalの記事です。

  • 脳卒中後の失読、損傷した脳領域に応じて2つのパターンが存在

    2021-09-20

    脳卒中後の「失読」について、有効なリハビリ方法が見つかるかもしれません。米国の研究チームが、脳卒中既往歴のある人30人とそうでない人37人の読む能力とMRI脳画像を分析。失読には脳の損傷領域に応じて2パターンあることが判明したそうです。左前頭葉を含む脳卒中は単語を発音することに問題が生じ、左側頭葉と頭頂葉を含む場合は単語を発音することに加えて単語全体の認識力にも問題が生じていたとのこと。EurekAlert!の記事です。

  • 依存症や問題行動に関連する600の遺伝子座を同定 150万人を調査

    2021-09-20

    過去最大規模の調査で、「自己調整」に関連する遺伝子座が600近く同定されたそうです。米国などの研究チームがヨーロッパ系の150万人分のデータを分析。アルコールやオピオイドへの依存、行動障害などに関連する579の遺伝子座を特定したそうです。これを基に、さまざまな遺伝的リスクを予測するスコアも構築したといいます。リスクを抱えていることが分かれば、早期介入や予防プログラムの実施が可能になるとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 子ども時代に親が喫煙していた女性、関節リウマチリスク高く

    2021-09-19

    親の喫煙が子どもに与える悪影響が、また一つ明らかになりました。子ども時代に親が喫煙していた女性は、成人後に血清陽性の関節リウマチ(RA)を発症するリスクが高くなるそうです。米国の研究チームが35~52歳の女性90,923人を中央値で27.7年間追跡。子ども時代に親が喫煙者だった人は血清陽性のRA発症リスクが75%高かったといいます。また、後に本人が喫煙者になるとこのリスクはさらに上昇することも分かったそうです。Medical Xpressの記事です。

  • 緑の多い地域に住む人、心血管疾患リスク低く

    2021-09-17

    緑の多い地域に住む人は心血管疾患を発症しにくいようです。米国の研究チームが65歳以上の高齢者243,558人を5年間調査。緑の多い地域に住み続けた人は、緑の少ない地域に住み続けた人に比べて心血管疾患の発症リスクが16%低かったそうです。5年間で周囲の緑が増えた人もリスクが低くなったといいます。要因としては、大気汚染や騒音から守られていること、屋外での運動量が多くなることなどが考えられるようです。News-Medicalの記事です。

  • コロナワクチンを拒否する人の割合とその理由/米

    2021-09-17

    米国で新型コロナワクチンの接種に否定的な立場を取る人について、その割合と理由がさまざまな角度から分析されています。カイザー・ファミリー財団の全国調査によると、若者(18~29歳)の21%が「ワクチンを接種しない」と回答。女性より男性、民主党支持者より共和党支持者の方がワクチンに否定的な人が多いそうです。財団は、新型コロナで死亡している人の98%が、ワクチン接種を拒否した人たちだったとの推計も出しています。Forbesの記事です。

  • 塩の代わりに「低ナトリウム塩」を使うと、脳卒中リスク低下

    2021-09-16

    料理で使う塩を「低ナトリウム塩」に換えると、脳卒中のリスクを下げるようです。豪州の研究チームが中国の農村で、脳卒中既往歴がある人または60歳以上で高血圧の成人20,995 人を平均4.74年間調査。半数には低ナトリウム塩(塩化ナトリウム75%、塩化カリウム25%)を使ってもらい、別の半数には通常の塩を使ってもらいました。低ナトリウム塩を使った人は通常の塩を使った人に比べて脳卒中を発症するリスクが低かったそうです。ScienceDailyの記事です。

  • 「超加工食品」を多く摂取する人、心血管疾患リスク高く

    2021-09-14

    インスタント麺やスナック菓子などの「超加工食品」をたくさん食べる人は、心血管疾患になりやすいようです。ギリシャの研究チームが、平均年齢45歳の心血管疾患のない成人2,020人を10年間調査。超加工食品の摂取が週に1回増えるごとに、10年以内に心血管疾患を発症するリスクが10%増加することが分かったそうです。超加工食品の例としては、再構成肉や甘い炭酸飲料、大量生産のパンなども挙げられています。Medical Xpressに紹介されています。

  • 飲酒習慣が若者の動脈硬化を促進

    2021-09-14

    若い時の飲酒は動脈硬化を促進するようです。英国の研究チームが、若者1,655人を対象に17歳と24歳時点の飲酒・喫煙習慣と動脈硬化の進行を調査。飲酒量が多い人ほど、この期間内に動脈硬化が進行したそうです。喫煙に関しては、1日に10本以上タバコを吸う女性にのみ有意な関連が認められたとのこと。動脈硬化は心臓病や脳卒中につながる可能性があります。研究者は若い時の行動に注意するよう呼び掛けています。EurekAlert!の記事です。

  • 新型コロナ治療の新たな武器は「ウンコ」?

    2021-09-14

    糞便移植療法が、新型コロナの治療に有効かもしれません。新型コロナに感染している19歳と80歳のポーランド人の男性が、クロストリジウム・ディフィシル腸炎を治療するために糞便移植をしました。2人はそれぞれ、コロナの重症化リスクを高める要因である免疫不全と肺炎を患っていましたが、症状が悪化することはなく数日で熱は治まり、再発もしなかったといいます。研究者は、糞便移植がコロナに対する免疫を強化する可能性があるとみています。「ScienceAlert」の記事です。

  • つらい片頭痛を和らげるカギはサケ?マグロ?

    2021-09-14

    脂肪が多い魚を食べると片頭痛が和らぐかもしれません。片頭痛を緩和するには、日ごろの食生活で植物油を控え、魚に含まれる脂肪を多く取ると効果的ということが、米国内の研究で分かりました。実験には、複数の頭痛薬を服用していながら、1日に5時間以上の片頭痛が月平均で16日以上ある成人182人が参加。植物油を控え、脂肪の多い魚を多く食べた患者は、他の患者に比べ、頭痛を感じる時間が30~40%減ったといいます。「Medical Xpres」の記事です。

  • 妊娠中の肥満、子どもの成人後の大腸がんリスク上昇に関連

    2021-09-13

    母親が妊娠中に太っていると、子どもの大腸がんリスクが高まるようです。研究者らが米国の母子18,000組を抽出し、子どもを60年にわたり追跡。母親が妊娠中に「太り過ぎ(BMI25~29.9)」「肥満(BMI30以上)」だった子どもは、母親が「正常(BMI18.5~24.9)」「痩せ気味(BMI18.5未満)」だった子どもに比べて成人後の大腸がんリスクが倍増したそうです。胎内で受け取った栄養素やさらされたホルモンの量がリスクと関係している可能性があるとのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 1日8時間以上座っている人、脳卒中リスク高く

    2021-09-13

    1日8時間以上座って過ごしている人は注意が必要です。カナダの研究チームが、40歳以上で脳卒中既往歴のない143,000人を平均9.4年間調査。座っている時間が1日8時間以上で身体活動をあまりしない人は、座っている時間が4時間未満で10分以上運動をする人に比べて脳卒中リスクが7倍高かったそうです。報告された脳卒中は2965件で、動脈が詰まって脳に十分な血液が届かなくなる虚血性脳卒中が9割を占めたとのこと。CNNの記事です。

  • 今冬インフルとコロナの同時流行に警戒 「早めのワクチン接種を」/米

    2021-09-13

    米国でインフルエンザと新型コロナの同時流行に対する警戒が高まっているようです。昨冬インフルエンザは流行しませんでしたが、今冬は学校が再開していることなどから感染拡大が懸念されています。専門家は、マスクの着用、手指衛生、旅行の制限などでウイルスのまん延を防ぐよう呼び掛けています。また、米疾病対策センター(CDC)は10月末までにインフルエンザワクチンを接種するよう提言しているそうです。CNNの記事です。

  • コロナには効かない?イベルメクチンについて知っておくべきこと

    2021-09-12

    新型コロナに対する効果を巡り物議を醸している抗寄生虫薬「イベルメクチン」について、注意点がまとめられています。この薬はヒトや家畜の寄生虫症治療に使われ、コロナへの有効性を示す科学的証拠は不十分です。米疾病対策センター(CDC)によると、過剰摂取によって神経障害やけいれんなどの有害事象が起こることがあり、死亡する危険もあります。米国や豪州はコロナ治療薬としての使用に警鐘を鳴らしているそうです。ScienceAlertの記事です。

  • 妊娠中の抗精神病薬服用、出産や子どもへの悪影響認められず

    2021-09-10

    妊娠中に抗精神病薬を服用しても、出産や子どもに悪影響はないようです。英国のチームが香港で出産した数十万人を15年以上追跡。妊娠中の抗精神病薬服用と、子どもが自閉症スペクトラム(ASD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)などを持つリスクの間に関連性は認められなかったそうです。早産や赤ちゃんの低体重との関連性を示す証拠も得られなかったとのこと。研究者は「抗精神病薬による治療を中止すべきではない」としています。ScienceAlertの記事です。

  • 低中所得国で有用 安価でシンプルなコロナ患者用呼吸補助装置

    2021-09-10

    英国の研究チームが、新型コロナ患者の治療に使う呼吸補助装置を開発したそうです。この装置の製造にかかる費用は150ポンド(約22,700円)と安価。電子機器の冷却ファンを使って空気の流れを作る簡単な仕組みです。酸素ボンベや酸素供給システムの使えない低中所得国での活用が期待されています。10人の健康な人に対する試験では有害事象は報告されず、患者を対象にした治験が9月にウガンダで実施される予定とのこと。EurekAlert!の記事です。

  • サラミや生ハムが原因?米複数州でサルモネラ菌食中毒が発生

    2021-09-09

    米国の複数州でサルモネラ菌による食中毒が発生したようです。米疾病対策センター(CDC)によると、8月26日現在で患者は合わせて36人。2種類のサルモネラ菌株が検出されたそうです。患者は発症前にサラミや生ハムなどの加工肉製品を食べていたことが分かっています。CDCは「原因が特定されるまで、これらの食品は内部が約74℃になるまで加熱して食べるように」と注意を呼びかけています。CNNの記事です。

  • ミュー株とは?WHOが「注目すべき変異株」に位置付け

    2021-09-09

    世界保健機関(WHO)が「注目すべき変異株」に位置付けた新型コロナウイルス「ミュー株」についての情報です。ミュー株は2021年1月にコロンビアで最初に発見され、8月下旬までに39カ国で確認されているそうです。ウイルスが細胞に侵入する時に使うスパイクタンパク質に変異を起こしている可能性があるといいます。ワクチンはスパイクタンパク質を標的にしているので、ワクチンの効果の低下が懸念されているとのこと。ScienceAlertの記事です。

  • ファイザー製コロナワクチンの安全性を実世界でも確認/最大規模の調査

    2021-09-08

    ファイザー製の新型コロナワクチンの安全性を裏付ける研究結果が出たようです。イスラエルなどの研究チームが同国の数百万人分の健康記録を分析。ワクチン接種後の有害事象については、心筋炎、リンパ節の腫れ、虫垂炎、帯状疱疹のリスクが上昇することが分かりました。一方で未接種者がコロナに感染すると、心膜炎や肺塞栓症、脳卒中などのリスクが大幅に上がることが明らかになったそうです。Medical Xpressの記事です。

  • 貧困層の子ども、特定の大脳皮質下領域の体積小さく

    2021-09-07

    幼少期を貧困の中で過ごすと、脳の発達が妨げられるようです。米国の研究チームが、3~5歳の子ども216人を17年間調査。未就学時代に貧困状態にあった子どもは、情報伝達に関わる皮質下領域、記憶や学習に関わる海馬、感覚情報の中継点となる視床などの体積が小さく、その後もあまり大きくならなかったそうです。これが認知機能の低さや行動面での問題につながる可能性があるとのこと。News-Medicalの記事です。

  • ヒトミルクオリゴ糖、B群連鎖球菌の感染を抑制/マウスで確認

    2021-09-07

    母乳中に多く含まれるヒトミルクオリゴ糖(HMO)がB群溶血性連鎖球菌(GBS)感染の抑制に有効かもしれません。GBSは膣などの常在菌で、出産の時に赤ちゃんに感染して重大な病気を引き起こすことがあります。米国の研究チームが、HMOが胎盤免疫細胞などのGBS増殖を阻害することを発見したそうです。また、妊娠中のGBS感染マウスをHMOで治療したところ、生殖器の5カ所でGBS感染が有意に抑制されたとのこと。News-Medicalの記事です。

  • ジカウイルス関連の小頭症、脳内のNAD減少が原因か/マウスで確認

    2021-09-06

    ジカウイルス(ZIKV)感染症に関連する新生児小頭症の原因が判明したようです。治療法開発につながるかもしれません。中国の研究チームが、ZIKVに感染させたマウスの脳内で、エネルギー産生に関わる物質「ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)」のレベルが劇的に低下していることを発見。子どものZIKV感染マウスにNADを注射で投与したところ、神経細胞死を抑え、脳重量の減少を防ぐことができたそうです。Medical Xpressの記事です。

  • 生殖期間延長も可能?女性の生殖寿命に影響する300の遺伝子を特定

    2021-09-06

    女性の生殖可能年齢に影響を与える遺伝子が新たに見つかったそうです。国際的な研究チームが何十万人もの女性のデータを分析。これまで、生殖可能年齢に関連する遺伝子変異は56個が知られていました。今回の新発見で計290個が特定されたことになるといいます。さらに、「CHEK2遺伝子を不活性化」または「CHEK1遺伝子を過剰発現」させると、マウスの生殖可能期間が25%延長することも新たに分かったそうです。ScienceDailyの記事です。

  • 脳卒中生存者、1日30分歩くと早期死亡リスクが半減

    2021-09-05

    脳卒中患者にとって運動は、早期死亡リスクを下げるための有効な手段になるようです。カナダの研究チームが、脳卒中既往歴のある895人(平均72歳)と既往歴のない人97,805人(平均63歳)を平均4.5年間調査。脳卒中後に週3~4時間(1日約30分)のウォーキングに相当する運動を行った人は、そうでない人に比べて全死因死亡リスクが54%低かったそうです。週6~7時間の運動はさらに効果があるとのこと。ScienceDailyの記事です。

  • がんワクチンで、リンチ症候群マウスの生存率が改善

    2021-09-05

    がんワクチンで、遺伝性大腸がん「リンチ症候群」のマウスの生存率を改善させることに成功したそうです。米国などの研究チームが、リンチ症候群モデルマウスを使って、ワクチンの標的にすべきネオアンチゲン(がん細胞に発現するタンパク質)4種を同定。この4種のネオアンチゲンを組み入れたワクチンをモデルマウスに投与したところ、強力な免疫反応が誘導され、生存率が改善したそうです。News-Medicalの記事です。

  • ADHDの子どもの9割に成人後も何らかの症状が残存

    2021-09-03

    注意欠陥多動性障害(ADHD)の人の約半数は、大人になると症状がなくなると考えられてきました。しかし実態は全く違うようです。米国などの研究チームがADHDの子ども558人を8歳から25歳まで調査。このうち90%が大人になっても何らかのADHD症状を経験していたといいます。ほとんどの場合、症状の断続的な寛解期間があるとのこと。再発時に自分に合った対処法を持っていないと、悪化する可能性があるそうです。News-Medicalの記事です。

  • 回復期血漿療法、コロナ外来患者の症状悪化を防ぐ効果なく

    2021-09-03

    新型コロナから回復した人の血漿を使う回復期血漿療法は、軽症の「コロナ外来患者」の症状悪化を防ぐことはできないようです。米国の研究チームがコロナ感染後1週間以内に軽症で外来を受診した患者511人を調査。患者はみな肥満や高血圧、糖尿病、心臓病などがあり、重症化リスクの高い人々です。回復期血漿で治療をした群もそうでない群も、症状が悪化した人の割合は変わらなかったそうです。Medical Xpressの記事です。

  • タンパク質ラクトフェリンが新型コロナ感染を防ぐ可能性

    2021-09-02

    新型コロナに有効な化合物が見つかったようです。米国の研究チームが、米食品医薬品局(FDA)の承認済みの化合物1,400種類について調査しました。それらの化合物が、コロナウイルスに感染したヒト細胞にどのような影響を与えるのかをAIを使って画像分析しました。その結果、栄養補助食品「ラクトフェリン」が感染を防ぐのに有効であることが分かったそうです。近く臨床試験を実施予定とのこと。Medical Xpressの記事です。

  • 抗凝固薬ヘパリン、新型コロナ中等症患者の生存率を改善

    2021-09-02

    抗凝固薬「ヘパリン」が新型コロナの中等症患者の治療に有効かもしれません。米国などの研究チームが、新型コロナで入院している中等症患者2,200人を調査。ヘパリンで治療された患者は、通常の治療を受けた患者と比べ、挿管などを行うことなく回復して退院する可能性が4%高かったそうです。ただし別の研究で、重症患者にはヘパリン治療は効果がないことが明らかになっているようです。ScienceDailyに紹介されています。

  • モデルナ社のHIVに対するmRNAワクチン、第1相臨床試験開始

    2021-09-01

    モデルナ社がヒト免疫不全ウイルス(HIV)ワクチンの第1相臨床試験を開始したようです。この治験はHIVに感染していない18~50歳の健康な成人56人が対象です。10カ月間かけて、安全性と基本的な免疫反応を確認するそうです。このワクチンは、同社の新型コロナワクチンで成功を収めているmRNAの技術を利用しているとのこと。HIVのmRNAワクチンについてヒトで臨床試験を行うのは、世界で初めてです。ScienceAlertの記事です。

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