医師の求人・転職・アルバイトは【マイナビDOCTOR】

サクッと1分!世界の医療NEWS

世界の医療ニュースの中から、厳選した記事をギュッと凝縮して紹介します。
1日数本を1分で、サクッと読むことができます。日々の情報収集、話のネタ探しにお役立てください。

  • 2024年を振り返る! 医療・医学の重大ニュース<後編>

    2024-12-31

    2024年の医療・医学に関する重大ニュースの続きです。新型コロナウイルス感染症の流行発生から5年がたちますが、今もなお「後遺症」に苦しむ人は多く……。後遺症に関して、慢性疲労症候群との関連性、子どもの特徴的な症状、抗ウイルス薬の効果など、世界各国で研究が進められています。

    韓国では政府の医学部増員計画に反発する若手医師らが、2月から10カ月以上もストライキを続けています。病院に受け入れられなかった患者が亡くなるなどの実害が出る異常事態です。

    ベトナムでは「バインミー」を食べた500人超が、米国ではマクドナルドの「クォーターパウンダー」で104人が食中毒に。韓国から輸入した激辛即席麺に対し、デンマーク政府が回収を指示するなど、食品による健康被害が相次ぎました。

    ブタの腎臓移植が3件行われ、うち2人はすでに死亡。3例目の女性は12月に遺伝子改変したブタの腎臓が植えられ、17日現在で経過良好だといいます。

    10月には、遺伝子の働きを調節する「マイクロRNA」を見つけた米国の研究者2人が、ノーベル生理学・医学賞を受賞。発表の4カ月前、血中のコレステロールを下げる物質「スタチン」を発見して有力候補とされていた東京農工大学栄誉教授の遠藤章さんが、90歳で亡くなりました。

  • 2024年を振り返る! 医療・医学の重大ニュース<前編>

    2024-12-30

    2024年の医療・医学に関する重大ニュースを振り返ります。今年一番のニュースは、米国での鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)の広がりでしょう。3月にテキサス州で感染した乳牛が見つかり、瞬く間に乳牛の間で流行が広がりました。その後、乳牛からヒトへの感染例が報告されただけでなく、感染経路の不明な患者も見つかっています。

    そして11月には米大統領選でドナルド・トランプ氏が勝利しました。トランプ氏が公衆衛生分野の要職に指名した人の顔ぶれを見て、米国内外のメディアが危機感をあらわにしています。厚生(HHS)長官に反ワクチン派の政治家、公的医療保険のトップに健康や科学に関して誤解を招く主張を展開する元テレビ司会者、食品医薬品局(FDA)長官にFDAの方針に批判的な外科医、米疾病対策センター(CDC)所長にワクチンと自閉症の関連を主張した医師、国立衛生研究所(NIH)所長に新型コロナ対策のロックダウン(都市封鎖)を批判した大学教授……。

    今年もさまざまな感染症が世界中で流行しました。中南米では蚊が媒介するデング熱が過去最多の患者・死者数を記録し、蚊やヌカカが媒介するオロプーシェ熱の感染者の報告も急増しました。麻疹(はしか)の感染が各地域で拡大し、CDCが警報を出したのは3月のことです。アフリカでは致死率の高いエムポックスの感染者が急増。WHO(世界保健機関)が8月に緊急事態を宣言しました。

  • 毎日のコーヒーが頭頸部がんリスクを下げる 紅茶は注意!

    2024-12-27

    コーヒーや紅茶は抗がん物質や抗炎症物質を含み、発がんリスクを抑えるといわれています。米国の研究チームが、口腔や咽頭などに生じる「頭頸部がん」の発症リスクに影響があることを明らかにしたそうです。

    チームは、既存の14の研究から頭頸部がん患者9548人と対照群1万5783人のデータを分析しました。その結果、1日に4杯超のカフェイン入りコーヒーを飲むと、頭頸部がんリスクが17%、口腔がんリスクが30%、中咽頭がんリスクが22%、それぞれ低くなることが分かったといいます。下咽頭がんについては、1日3~4杯のカフェイン入りコーヒーを飲むと、リスクが41%低下することも示されたそうです。

    また、デカフェ(カフェインレス)のコーヒーも効果があり、飲む習慣がある人は口腔がんリスクが25%低かったといいます。

    一方、紅茶を飲む習慣がある人は下咽頭がんリスクが29%低かったものの、1日に1杯超の紅茶を飲むと喉頭がんリスクが逆に38%上昇することも明らかになったとのことです。

    チームは研究成果を医学誌Cancerに発表しました。

  • 米欧で承認済みの片頭痛予防薬「Atogepant」の高い効果

    2024-12-26

    2023年に米食品医薬品局(FDA)と欧州連合(EU)欧州委員会に承認された片頭痛予防薬「Atogepant」の高い効果が明らかになったそうです。米国の研究チームが研究成果を医学誌Neurologyに発表しました。

    チームは、Atogepantの有効性と安全性を評価した三つの臨床試験のデータを分析。片頭痛が月に14日以下の頻度で生じる「反復性片頭痛(EM)」患者436人を対象とした一つ目の臨床試験では、Atogepantを服用した群はプラセボ群に比べて、服用初日に片頭痛が生じるリスクが61%低くなることが分かったそうです。

    他の経口片頭痛予防薬が効かなかったEM患者305人を対象とした二つ目の臨床試験では同リスクが47%、頭痛が月に15日以上生じる「慢性片頭痛」患者502人を対象とした三つ目の臨床試験では同リスクが37%低くなったといいます。

    また、Atogepantを服用した人は、治療開始から4週間で片頭痛に見舞われる日が週に平均1~1.5日減少し、生活の質も向上しました。なお、これらの臨床試験の参加者はほとんどが白人女性だったとのことです。

  • 甘味料フルクトースはがんの栄養素になる! メカニズムを解明

    2024-12-25

    飲料や超加工食品の甘味料として広く使われ、果物にも多く含まれる「果糖(フルクトース)」は、腫瘍の成長を促すそうです。米国の研究チームが、そのメカニズムを明らかにしたとして、科学誌Natureに研究成果を発表しました。

    チームが各種がんの動物モデルで実験したところ、フルクトースを多く含むエサを与えると、体重や空腹時血糖値、空腹時インスリン値が変化することなく、メラノーマ(悪性黒色腫)や乳がん、子宮頸がんが急速に成長したといいます。

    さらにチームは、高フルクトース食を与えられた動物の血液で、「リゾホスファチジルコリン(LPC)」などの脂質レベルが上昇することを発見したそうです。そしてこのLPCは、フルクトースを与えられた肝細胞から放出されることが明らかになったといいます。

    肝臓がフルクトースをLPCに変換し、血流に乗ったLPCががん細胞の成長を促す栄養素の役割を果たす可能性が示されました。

  • タクシーや救急車の運転手はアルツハイマー病のリスクが低い

    2024-12-25

    目的地までの最適なルートを常に考える職業の人は、アルツハイマー病(AD)の発症リスクが低いそうです。米国の研究チームが医学誌BMJに論文を発表しました。

    チームは、2020年1月1日~22年12年31日に死亡した成人約900万人のデータを分析したそうです。このうち3.88%に当たる34万8328人がADによる死亡者だったといいます。

    443の職業別にみると、ADによる死亡率は救急車の運転手が0.91%と最も低く、次いで1.03%のタクシー運転手だったそうです。つまり、「空間処理能力」や「ナビゲーション処理能力」を頻繁に使う職業です。

    一方で、決められたルートを運行する職業にはこうした傾向は見られず、ADによる死亡率はバスの運転手が3.11%で、航空機のパイロットは4.57%だったとのことです。タクシーや救急車の運転手の脳内で起こる神経学的変化が、ADの発症リスクを低下させている可能性があるそうです。

  • 米FDA、減量薬「ゼップバウンド」を睡眠時無呼吸治療薬として承認

    2024-12-24

    米食品医薬品局(FDA)は20日、米製薬大手イーライリリーの肥満症治療薬「ゼップバウンド(一般名:チルゼパチド)」を閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の治療薬として承認しました。OSAの治療薬が承認されるのは初めてです。

    対象となるのは中等~重度のOSAに苦しむ肥満患者で、薬を使用する際は摂取カロリーを制限し、運動を増やすことが大切だといいます。臨床試験では、ゼップバウンドを使用した患者の半数近くでOSA関連の症状がなくなるほどの改善が見られたそうです。一般的な副作用として軽~中等度の胃腸症状が認められましたが、その多くが投薬開始時や用量増加時に発生しました。

    米CNNによると、米国では3千万人もの人がOSAに罹患しており、肥満と密接に関連していることも分かっています。

    なお、現在OSAの標準治療として使われているのは「持続陽圧呼吸療法(CPAP)」です。CPAPは睡眠中にマスクで気道に空気を送り、気道の閉塞を防ぐ治療法ですが、その煩わしさから途中で治療をやめてしまう患者もいるといいます。

  • 米ロサンゼルスの有名なイベントで生ガキの集団食中毒 80人以上が被害

    2024-12-24

    米カリフォルニア州ロサンゼルスで開催されたグルメイベントでノロウイルスによる集団食中毒が発生し、生ガキを食べた来場者80人以上が体調不良を訴えたそうです。

    米NBC Newsによると、このイベントは地元紙ロサンゼルス・タイムズが12月3日にハリウッド地区にある劇場で開催しました。ロサンゼルスの名店を紹介する「101 Best Restaurants list」に関するイベントで、このリストの作成は2014年から続くよく知られたものだといいます。

    カキなどの二枚貝は、下水として海に流れ込んだノロウイルスをプランクトンと一緒に摂取することで体内に蓄えます。カキはカナダのブリティッシュコロンビア(BC)州内で収穫したものだといい、米食品医薬品局(FDA)が国内14の州とコロンビア特別区のレストランや小売店に対し、カナダBC州の一部地域産のカキを提供・販売しないよう注意を呼びかけたとのことです。

    ノロウイルス感染症の潜伏期間は1~2日で、吐き気や嘔吐(おうと)、下痢、腹痛、発熱などの症状が1~2日間ほど続きます。

  • 水をたくさん飲むと、健康にどんな良いことが起こるのか?

    2024-12-23

    水をたくさん飲むことは体に良いといわれています。では、実際にどのような恩恵がもたらされるのでしょうか。米国の研究チームが、医学誌JAMA Network Openに研究成果を発表しました。

    チームは、水分摂取量と健康に関する18の既存研究(平均参加人数は48人)を詳しく分析したといいます。その結果、このうち10の研究で、水を多く飲むことによる明確な効果が認められたそうです。なかでも、最も大きなメリットは、腎臓結石のリスクの低下と体重減少でした。

    他にも、片頭痛や尿路感染症の予防や、糖尿病や低血圧の管理にも効果的なことが明らかになったといいます。逆に十分な量の水を飲まない場合、短命やさまざまな慢性疾患リスクの上昇に関連することが分かったとのことです。

    なお、WHO(世界保健機関)は、温帯気候の下で過ごす場合、男性は1日 3.2L、女性は1日2.7Lの水を飲むことを推奨しています。

  • 更年期の症状を抑える薬に深刻な肝障害のリスク 米FDAが警告

    2024-12-23

    更年期の代表的な症状であるホットフラッシュ(のぼせ・ほてり)の治療薬「VEOZAH(ベオーザ)」は、深刻な肝障害を引き起こす可能性があるそうです。米食品医薬品局(FDA)が16日、最も強い警告に当たる「黒枠警告(black box warning)」を添付文書に追加すると発表しました。

    まれなケースではあるものの、ベオーザを飲んで倦怠(けんたい)感、異常なかゆみ、吐き気、嘔吐(おうと)、薄色の便、濃色の尿、黄疸などの症状が出た場合は服薬を中止し、医師に相談するべきだとしています。さらにFDAは使用者に対し、服用開始から最初の3カ月間は毎月、それ以降は6カ月目と9カ月目に血液検査で肝臓の数値を調べるよう求めています。

    ベオーザは日本のアステラス製薬が開発し、2023年にFDAが承認しました。ホルモン製剤ではなく、体温調節に関連する脳の神経接続を標的にしているそうです。日本でも承認申請に向けて治験が進められているとのことです。

  • 鳥インフルのパンデミックは、たった1カ所の遺伝子変異で起こる!

    2024-12-20

    現在流行している鳥インフルエンザウイルス(H5N1)は、遺伝子にたった1カ所の変異が起こるだけで、ヒトの細胞に感染しやすくなる可能性があるようです。米国の研究チームが、科学誌Scienceに研究成果を発表しました。

    チームは、最近のヒトへの感染で見つかったウイルス(H5N1 2.3.4.4b株)を詳しく分析したそうです。その結果、ウイルスの主要なタンパク質にたった一つのアミノ酸変異が起こるだけで、ウイルスが感染する際にくっつく標的が「トリ型受容体」から「ヒト型受容体」に切り替わる可能性が明らかになったといいます。

    「Q226L」と呼ばれるこの変異は、ウイルスにとって新しい眼鏡のように機能し、ヒト細胞の表面でウイルスが結合できる場所を認識する能力が上がるのだそうです。この変異が起き、ウイルスがヒトの気道の細胞にくっつくことができた場合、飛沫感染でヒトからヒトに感染するリスクが高まります。

    このためチームは、ウイルスの変異を監視し続ける重要性を指摘しています。

  • 米ニューヨーク大、ブタの腎臓を腎不全女性に移植 世界で3例目

    2024-12-20

    米ニューヨーク大学ランゴーン医療センターは17日、遺伝子改変したブタの腎臓を53歳の女性に移植することに成功したと発表しました。

    女性は1999年に母親に片方の腎臓を提供し、その数年後に妊娠高血圧腎症から腎不全を発症したそうです。2016年に透析療法を始め、17年に腎移植の待機待ちリストに名前が追加されましたが、ドナーは見つかりませんでした。透析のために使える血管が徐々に少なくなるなどの問題が生じたことから、女性は今年の11月25日にブタの腎臓の移植手術を受けたそうです。

    ブタの腎臓が生きているヒトに移植されたのは世界で3例目です。ただ、過去の2例の患者は死亡しています。女性の経過は良好で、手術から11日後には退院したそうです。現在は毎日の診察に加えて、人工知能(AI)などを活用し、健康状態のモニタリングが行われているといいます。

    今回女性に移植されたブタの腎臓は、拒絶反応を防ぐために初めて10個の遺伝子が改変されたとのことです。

  • クリームで破傷風予防! 「ワクチン接種に注射は不要」の時代が来る?

    2024-12-19

    皮膚にクリームを塗るだけのワクチンが実現するかもしれません。米国の研究チームが、科学誌Natureに研究成果を発表しました。

    チームが着目したのは、ヒトの皮膚に常在する「表皮ブドウ球菌」です。ヒトは、この細菌が血液に侵入して感染を引き起こす前に、先手を打って抗体を産生しているのだそうです。チームは、通常は表皮ブドウ球菌を持たないマウスの頭にこの菌を塗りました。すると6週間で、表皮ブドウ球菌に対する抗体が一般的なワクチンで誘導される以上の高レベルで産生されることが分かったといいます。

    そして、抗体の産生に重要な役割を果たすのは、表皮ブドウ球菌の表面に存在する「Aapタンパク質」であることを発見したそうです。チームは遺伝子操作で、このタンパク質に破傷風毒素の遺伝子を組み込み、その表皮ブドウ球菌をマウスに塗ったといいます。すると、破傷風に対する高レベルの抗体が産生され、致死量の破傷風菌を投与しても、マウスは症状を出さずに生き残ったとのことです。

    さらに、チームはこのメカニズムを活用し、ジフテリア菌に対する免疫応答をマウスに誘導させることにも成功しましたそうです。

  • あの病気も性行為で感染する! 精液分析で9種類のウイルスを特定

    2024-12-19

    ヒトの精液中に存在し、性行為で感染するウイルスはこれまで考えられていたよりも多いそうです。ドイツの研究チームが、精液中のウイルスに関する373の研究を分析し、医学誌The Lancet Microbeに論文を発表しました。

    チームの調査で、22種類のウイルスが急性感染(一過性の感染)後に精液から検出されることが分かったそうです。そして、このうち9種類のウイルス(エボラ、E型肝炎、マールブルグ、ジカ、アデノ、デング、エムポックス、ウエストナイル、アンデス)は性行為で感染することが明らかになったといいます。

    一方で、新型コロナウイルスは睾丸(こうがん)や前立腺などの組織から検出されましたが、性的接触では伝染しないことが示されました。エボラ出血熱とジカ熱を引き起こすそれぞれのウイルスは2年以上も精液中で生き続け、ウエストナイル熱とデング熱を引き起こす各ウイルスは3~5週間で精液から検出されなくなるとのことです。

    なお、クリミア・コンゴ出血熱とA型肝炎を引き起こすそれぞれのウイルスは、精液中に存在する証拠は見つかっていないものの、性行為で感染する可能性があるといいます。

  • 今年の最も優れた成果は「年2回投与のHIV予防薬」 米科学誌Scienceが発表

    2024-12-18

    米科学誌Scienceは2024年の最も重要な成果「ブレークスルー・オブ・ザ・イヤー」に、HIV(エイズウイルス)の感染予防に高い効果を示した「レナカパビル」を選びました。

    この薬は米ギリアド・サイエンシズ社の注射剤で、ウイルスの遺伝物質を保護するタンパク質「カプシド」を硬化させて複製の重要な段階を阻止するといいます。Scienceは、この技術が他のウイルス性疾患の治療法開発につながる可能性があるとして高く評価しています。

    出生時の性別と性自認が一致する「シスジェンダー」の女性5300人を対象とした治験では、年2回のレナカパビル投与がHIV予防において100%の有効性を示しました。さらに、シスジェンダー男性やトランスジェンダーの男女など3200人を対象とした別の治験でも、HIV感染の予防に96%有効であることが分かったといいます。

    HIVの暴露前予防(PrEP)として一般的な錠剤「ツルバダ」は毎日服用する必要がありますが、レナカパビルは年2回の注射で済むというメリットがあります。なお、レナカパビルは22年に米食品医薬品局(FDA)から多剤耐性HIVの治療薬として承認されています。

  • カナダ、死亡者の20人に1人が「医師によるほう助死」

    2024-12-18

    2023年にカナダで死亡した人の約5%が「ほう助死(自殺ほう助)」によるものだったそうです。カナダ保健省が11日にデータを公表し、英BBCが報じました。カナダでは2016年から終末期患者などに「医師のほう助による死亡(Medically-assisted dying)」が認められているといいます。

    カナダでは23年に32万人が死亡しており、そのうち4.7%に当たる1万5300人が医師のほう助による死亡だったそうです。23年のほう助死の割合は前年から16%近く増加しました。過去の平均増加率は31%であり、急激に鈍化したことになります。

    ほう助死が適用された人の平均年齢は77歳を超えており、約96%が「死が合理的に予見可能」な状態だったといいます。人種別に見ると、カナダ国民の約70%を構成する白人がほう助死の96%近くを占めたとのことです。州別で見ると、ケベック州でほう助死の利用率が最も高く、全体の37%を占めたそうです。

    カナダでは21年に慢性的な身体の苦痛を抱える非終末期患者に対してもほう助死の権利が拡大されています。また、精神疾患患者を対象に加える議論も重ねられているとのことです。

  • 米ルイジアナ州で鳥インフル感染の患者が入院

    2024-12-17

    米ルイジアナ州保健当局は13日、鳥インフルエンザウイルスが感染したとみられる州南西部の住人が入院したと発表しました。ルイジアナ州でヒトへの鳥インフル感染が確認されたのは初めてで、鳥インフルの感染者が入院したのは米国で2例目だそうです。米疾病対策センター(CDC)が、地元保健当局と連携して調査を行う予定だといいます。

    米国では今年3月以降、乳牛の間で鳥インフル感染が広がっています。米農務省によると、16州で845頭の乳牛の鳥インフル感染が明らかになっています。またCDCによると、少なくとも7州で60人の鳥インフル感染者が確認されており、ほとんどが感染した家禽や乳牛と接触歴のある農場労働者です。今回の患者も、鳥インフルエンザウイルスH5N1型が感染しているとみられる鳥や死んだ鳥に接触していたとのことです。

    これまでのところ、感染者の多くが結膜炎などの軽症で済んでいます。ルイジアナ州保健当局は、病気や死んだ動物またはその排泄物に触れたりペットを近づけたりしないこと、低温殺菌されていない生乳を飲んだり、それから作ったチーズを食べたりしないことなどの注意を呼びかけています。

  • ケネディ氏の側近弁護士、ポリオワクチン承認撤回を要請

    2024-12-17

    米国のトランプ次期大統領が厚生(保健福祉省:HHS)長官に指名したロバート・ケネディ・ジュニア氏の顧問弁護士であるアロン・シリ氏が、2022年に米食品医薬品局(FDA)に対し、安全性の調査が不十分だとしてポリオワクチンの承認取り消しの申し立てを行っていたことが明らかになりました。米国の各メディアが報じています。

    米ABC Newsによると、シリ氏は自身のクライアントの代理人としてこの申し立てに関与したそうです。ポリオはウイルスによる感染症で、重症化すると手足にまひが残ったり、死亡したりします。

    米疾病対策センター(CDC)によると、米国では乳幼児に対するポリオワクチンの定期接種が実施されており、3回接種で99%の予防効果が得られます。副反応は通常軽度で、ポリオワクチンが深刻な問題を引き起こすとの報告はありません。

    シリ氏はポリオ以外にもB型肝炎ワクチンなどの供給停止を求める請願書の提出にも関与しているそうです。またシリ氏はHHSの幹部選びにも関わっているといい、ケネディ氏に対し、ワクチン問題に関する自身の立場を明らかにするべきとの声が上がっているとのことです。

  • 中南米でデング熱が大流行 過去最多の患者・死者を記録

    2024-12-16

    WHO(世界保健機関)のアメリカ地域事務局である汎米保健機構(PAHO)は10日、中南米における2024年のデング熱患者が昨年の3倍近くに達したと発表しました。今年確認された患者は1260万人、死者は7700人を超え、1980年に統計が開始されて以来、いずれも最多を記録したといいます。

    特にブラジル、アルゼンチン、コロンビア、メキシコで感染が拡大しており、これらの国々の患者が全体の90%を占めるそうです。子どもや基礎疾患を持つ人は特に重症化リスクが高いといいます。グアテマラではデング熱による死亡者の70%が子どもで、メキシコ、コスタリカ、パラグアイでは重症患者の3分の1以上が15歳未満だったとのことです。

    ブラジルやアルゼンチンなど一部の国ではデング熱ワクチンの接種がすでに行われていますが、ホンジュラスなどでは25年から接種を開始する予定だそうです。

    デング熱は蚊に刺されることによって感染するウイルス性熱性疾患です。発熱、激しい頭痛、目の奥の痛み、筋肉痛、関節痛、斑状発疹などの症状がみられます。重症型の場合、激しい腹痛、倦怠(けんたい)感、嘔吐(おうと)、吐血、血便などに見舞われることがあります。

  • 米国で全国規模の生乳の検査開始、乳牛間での鳥インフル感染拡大受け

    2024-12-16

    米国で今年3月から鳥インフルエンザウイルスH5N1型が乳牛の間で流行しているのを受け、米農務省は国内の生乳についてウイルスの有無を調べる検査を12月16日から開始するそうです。生乳を取り扱う業者は要請に応じてサンプルの提出が義務付けられます。米CNN米NBC Newsなどが報じました。

    CNNによると、米カリフォルニア州では、低温殺菌処理のされていない生乳を飲んだ後、少なくとも10人が体調を崩したことが分かっているそうです。初期の検査では、これらの人から鳥インフルの陽性反応は確認されていないとのことです。

    カリフォルニア州では、マリン郡の保健当局が10日、子ども1人が生乳を飲んで鳥インフルエンザウイルスに感染した可能性があると発表する騒ぎも起きています。結局、米疾病対策センター(CDC)の検査で陰性だったことが12日に明らかになりました。

    子どもが飲んだ生乳は、ウイルスが検出されたために11月下旬に一部製品の出荷停止や自主回収の措置が取られた会社が販売したものだそうです。同社の生乳を飲んだ室内飼いの猫2匹に鳥インフルが感染した疑いも報告されているといいます。

  • テストステロン値が高いと性欲が高まるは間違い!?

    2024-12-13

    主要な男性ホルモンである「テストステロン」の値が上昇すると、男性の性的欲求が高まるといわれています。しかしこの説は、しっかりとした検証に基づいたものではないそうです。米国の研究チームがこの真偽を確かめる実験を行い、科学誌Proceedings of the Royal Society Bに論文を発表しました。

    チームは、成人男性41人を対象に31日間の調査を実施しました。参加者は毎日、テストステロン値を測定するために使う唾液を採取し、性的欲求レベルの記録を行ったといいます。テストステロン値は、疲労の度合いや食事内容の影響を受けて変動するため、チームはそれを考慮してデータを分析したそうです。

    その結果、日々のテストステロン値と性的欲求レベルに関連は認められないことが分かったといいます。その代わり、パートナーがいないシングル男性においては、テストステロン値が高い日に、交際につなげるための努力が増える傾向があったそうです。テストステロンは、性的欲求よりもむしろパートナー探しの原動力になる可能性が示されました。

  • 甘く見てはいけない交通騒音 不安やストレスの増加の原因に

    2024-12-13

    自動車などによる交通騒音は精神状態に悪影響を与えるそうです。英国の研究チームが、学生ボランティア68人に行った調査結果を科学誌PLOS ONEに発表しました。

    チームが行ったのは、3分間の環境音を3種類聞いてもらう実験です。一つ目は鳥のさえずりなどの自然環境音、二つ目は自然環境音に時速20マイル(約32km)で走る車両の交通音が入ったもの、三つ目は自然環境音に時速40マイル(約64km)の交通音が入ったものです。

    その結果、自然環境音を聞くと、自己申告による不安やストレスが軽減し、ストレス要因にさらされた後の気分の回復が促進されることが分かったそうです。しかし、時速20マイルの交通音が混ざると不安やストレスが増加し、時速40マイルの交通音が混ざった場合はさらに強い不安やストレスを報告したとのことです。

    この研究で、交通音によって自然環境音による癒し効果が低減することが明らかになりました。チームは、街中を走る車両のスピードを制限することで騒音が減れば、人々の健康や幸福度にプラスの影響があるかもしれないとしています。

  • 米国で小児入院病棟が激減! 2008~22年で1/3が閉鎖

    2024-12-12

    米国では、この10年ほどで小児の入院病棟や病床数が大幅に減少しているそうです。米国の研究チームが、国内4800以上の内科・外科病院に関する2008~22年のデータを分析した結果を医学誌JAMA Pediatricsに発表しました。

    調査の結果、小児入院病棟を持つ病院はわずか2074(43%)であることが明らかになったといいます。さらに08~22年で、小児用の入院病棟数は30%、病床数は19.5%、それぞれ減少したそうです。一方、同じ期間で成人用の入院病棟数は4.4%、病床数は3%、それぞれ減少するにとどまったとのことです。

    チームは、減少傾向が08~18年は緩和していたものの、18~22年は衰えることなく続いたことが最大の発見だとしています。つまり、19年に始まった新型コロナウイルス感染症の流行で、小児用から成人用に変更された病床がそのままになっている可能性があるのだそうです。

    ほかにも、成人の病床数を確保した方が収益を上げやすいことや小児科のスタッフが不足していること、小児を入院させるためには専門性を持ったリソースが必要であることなどが小児病棟の閉鎖と関係していると考えられるとのことです。

  • ぜんそくやCOPDの発作に有効な治療薬、50年ぶりの新発見か

    2024-12-12

    ぜんそくや慢性閉塞性肺疾患(COPD)の急性増悪(発作)の治療薬が50年ぶりに見つかったかもしれません。The Conversationに英国などの呼吸器内科の専門家による記事が掲載されています。

    ぜんそくやCOPDの発作の多くは、白血球の一種である好酸球による炎症が原因で起こるといいます。標準治療はステロイド(プレドニゾロン錠など)を使うものですが、1カ月以内に再発する患者が少なからずおり、高血糖や脂質代謝異常などの副作用の問題もあるそうです。

    英国などの研究チームが、好酸球性ぜんそくの長期管理に使われるモノクローナル抗体製剤「ベンラリズマブ」に着目。ぜんそくかCOPDの発作が起きている患者158人を「プレドニゾロン錠の投与」「ベンラリズマブの注射(1回)」「プレドニゾロン錠とベンラリズマブの併用」の3群に分けて治療したそうです。

    その結果、90日以内に追加の治療が必要になるか入院または死亡した人は、プレドニゾロン錠群で74%、ベンラリズマブ群で47%、併用群で42%だったといいます。なお、ベンラリズマブを使用した人は症状からの回復が早く、呼吸が楽になり不快感が減ったそうです。

  • 心血管疾患リスク抑制のカギは睡眠の「時間」ではなく「習慣」

    2024-12-11

    心臓発作や心不全、脳卒中などの主要心血管イベント(MACE)のリスクを抑制するには、「規則正しい睡眠習慣」がカギになるようです。オーストラリアとカナダの研究チームが、医学誌Journal of Epidemiology & Community Healthに研究成果を発表しました。

    チームは、MACEの既往歴がない40~79歳の中高年7万2269人を対象に調査を実施しました。参加者の就寝時間や起床時間、睡眠時間、途中で起きた回数を7日間記録し、「規則的な睡眠パターン」「やや不規則な睡眠パターン」「不規則な睡眠パターン」の3群に分け、その後8年間にわたって追跡調査を行いました。

    その結果、不規則な睡眠パターン群は、規則的な睡眠パターン群に比べてMACEリスクが26%高くなることが明らかになったそうです。やや不規則な睡眠パターン群は、規則的な睡眠パターン群に比べてリスクが8%上昇したといいます。

    さらに、たとえ十分な睡眠時間を取ったとしても、睡眠パターンが不規則な場合は、MACEリスクの上昇を避けられないことも示されました。

  • ケネディ次期米厚生長官がワクチンと自閉症の関連を調査 トランプ氏が示唆

    2024-12-11

    米国のトランプ次期大統領は米NBC Newsの報道番組に出演し、自身が厚生(保健福祉省:HHS)長官に指名したロバート・ケネディ・ジュニア氏が小児ワクチンと自閉症の関連を調査する可能性を示唆しました。

    ワクチン(おたふくかぜ、麻疹<はしか>、風疹)と自閉症の関連については、1998年に英国の医師が最初に主張したそうです。しかし、後にこの研究に重大な欠陥があることが判明し、論文は撤回されています。そしてこれまでに何百もの研究で、小児ワクチンの安全性が立証されています。

    一方で、2000年に自閉症と診断された子どもは150人に1人だったのに対し、今日では36人に1人に増加しているのは事実だそうです。これについてトランプ氏は「ワクチンが原因かどうかは分からないが、何かが起きている。誰かが明らかにしないといけない」と述べ、調査に前向きな姿勢を示しました。

    しかし専門家は、自閉症の診断数の急増にはスクリーニングの増加や定義の変更が影響していると指摘しています。

  • メキシコの病院で子ども13人が死亡 汚染された点滴が原因か

    2024-12-10

    メキシコ保健当局は、首都メキシコシティ郊外にある四つの医療機関で子ども13人が細菌に汚染された輸液バッグが原因で死亡したとみられるとして、詳しい原因の調査を行っているそうです。米NBC Newsが報じました。

    感染者が最初に見つかったのは11月のことだといいます。13人はいずれも14歳未満で、血液感染症で死亡したようです。他にも7人が入院しているとのことです。この20人のうち、15人から「Klebsiella oxytoca(クレブシエラ・オキシトカ)」と呼ばれる多剤耐性菌が検出されたといいます。さらに別の4人もこの細菌に感染している可能性が示されたとのことです。ただ、残りの1人についてはその可能性が排除されたそうです。

    問題の輸液はメキシコの企業が製造したものだといいます。栄養を補給するための輸液かその関連用品が、今回の感染に関係していると考えられています。保健当局も医師に対し、同社の栄養輸液を使用しないよう命じたとのことです。

    ここ数年、メキシコでは医療用品の汚染問題がたびたび起きているといいます。

  • コウモリから感染? 米カリフォルニア州の教師が狂犬病で死亡

    2024-12-10

    米カリフォルニア州の中学校教諭の60歳の女性が11月22日に狂犬病で死亡したと、米CNNが報じました。女性は死亡の1カ月ほど前の早朝に、勤務する学校の教室で床にコウモリがいるのを見つけて外に逃がしたと、友人が証言しているそうです。この時、知らない間にコウモリにかまれたか引っかかれた可能性があるといいます。

    女性は当初、医師の診察を受けなかったそうです。そして11月半ばに、発熱と手の震えの症状が出始めたといいます。11月18日に入院し、翌日から4日間の昏睡状態を経て22日に死亡しました。

    州の保健当局によると、米国における狂犬病の感染者は、ほとんどがコウモリが原因だそうです。女性の事例を受け州保健当局は、コウモリをはじめとする狂犬病の可能性がある動物に接触した場合は、すぐに医療機関を受診するよう呼びかけました。

    狂犬病は、狂犬病ウイルスに感染した動物に接触することでヒトにうつります。ウイルスは中枢神経系を攻撃して脳炎を引き起こします。適切な治療を受けずに発症すれば、ほぼ100%死に至ります。

  • 結局どうなの? 「感染症予防にマスク」の有効性

    2024-12-09

    新型コロナウイルス感染症の流行時に、感染対策として多くの医療機関で行われたマスクの着用は本当に効果があったのでしょうか。米国の研究チームが、2020年11月~24年3月に10カ所の医療機関に入院した患者64万1483人のデータを分析した結果を医学誌JAMA Network Openに発表しました。

    チームは、入院から4日以内に新型コロナ、インフルエンザ、RSウイルスのいずれかの陽性が確認された場合を「市中感染」、5日目以降に陽性が確認された場合を「院内感染」と定義しました。

    市中感染に対する院内感染の比率(週平均)を調べたところ、マスクの着用と入院患者に対する新型コロナのPCR検査といった感染対策をしていた時期は、新型コロナのオミクロン株流行前が2.9%、オミクロン株流行中が7.6%だったそうです。

    しかし、23年5月に二つの感染対策が段階的に廃止されて以降、この比率は15.5%に上昇し、24年1月に医療従事者のマスク着用措置が復活すると8.0%に再び低下したといいます。チームはマスクの着用などの対策が院内感染の予防に有効である可能性が示されたとしています。

  • コンゴ民主共和国で原因不明の病気 インフルに似た症状で79人死亡

    2024-12-06

    アフリカ中部のコンゴ民主共和国で、インフルエンザに症状の似た原因不明の病気が広がっているそうです。米NBC News英BBCなどによると、今月3日の時点で79人が死亡し376人が罹患したと、コンゴ民主共和国の保健当局が発表。死者の大半は15~18歳の若者だといいます。一方、地元当局は、死者は143人に上る可能性があると説明しているとのことです。

    主な症状は発熱や頭痛、鼻水、せき、呼吸困難、貧血など。被害が拡大している南西部のクワンゴ州は医療資源が乏しく、住民は感染症や栄養失調などさまざまな健康上の問題を抱えているそうです。このため、この謎の病気の診断が難しい状況にある可能性も指摘されています。

    コンゴ民衆共和国の保健当局は住民に対し、人が集まるイベントを避け、せっけんを使って手を洗うなどの基本的な感染対策を徹底するよう呼びかけたそうです。また、WHO(世界保健機関)や米疾病対策センター(CDC)が、現地に調査チームを派遣したといいます。

  • 薬指の長さで「酒好き」が分かる?

    2024-12-06

    あなたの薬指と人差し指はどちらのほうが長いですか? 薬指の方が長い人は酒飲みの傾向があるそうです。英国とポーランドの研究チームが、科学誌American Journal of Human Biologyに論文を発表しました。

    チームは大学生258人(男性89人、女性169人)を対象に薬指と人差し指の長さの比率を計測し、アルコール摂取量との関係を調査しました。その結果、薬指の方が長い人は、アルコール摂取量が多いことが分かったそうです。こうした関連性は、女性より男性に強く見られたといいます。

    なお、胎児期に男性ホルモンの一種である「テストステロン」を多く浴びると薬指が長くなり、女性ホルモンの一種である「エストロゲン」を多く浴びると人差し指が長くなるといわれています。また、アルコール依存症患者は薬指の方が長いことが知られているそうです。チームは、胎児期に浴びる性ホルモンが、出生後の飲酒習慣に影響を及ぼす可能性が示されたとしています。

  • 米マクドナルドの集団食中毒 CDCが収束を発表

    2024-12-06

    米疾病対策センター(CDC)は3日、大手ハンバーガーチェーンのマクドナルドが販売した「クォーターパウンダー」に関係する集団食中毒について、流行が収束したと発表しました。

    今回の集団食中毒は腸管出血性大腸菌O157によるもので、カリフォルニア州の食品メーカーが供給したスライスタマネギが原因とみられます。10月22日に調査が始まって以来、14の州で104人の患者が報告されました。このうち34人が入院し、少なくとも4人が腎不全を引き起こす可能性がある「溶血性尿毒症症候群(HUS)」を発症したといいます。また、コロラド州の高齢者1人が死亡しました。

    米NBC Newsによると、食品メーカーが早い段階でタマネギの自主回収に踏み切ったことが、被害の拡大を食い止める結果につながったようです。米食品医薬品局(FDA)も、今回の食中毒に関連する食品安全上の懸念は払拭されたとして、調査の終了を発表しました。

  • 激しい運動後の体のケアに効果的なのは? 「氷風呂」vs「温かい風呂」

    2024-12-05

    運動後、「氷風呂(アイスバス)」と「温かい風呂」のどちらに入るほうが体の回復に効果的なのでしょうか。立命館大学の研究チームが科学誌Exercise and Sport Sciences Reviewsに発表した研究成果について、米NBC Newsが報じています。

    チームは若い男性被験者10人に調査を実施したそうです。被験者は全員、高強度のインターバル走を50分間行った後に、15℃の氷風呂に20分間入る▽40℃の風呂に20分間入る▽風呂に入らずに座って休む──の3パターンを行いました。そして各パターンの後に、ジャンプ力を測定したといいます。

    その結果、温かい風呂に入った後の方が、氷風呂に入った後より高くジャンプできることが分かったそうです。お湯の温かさで血流が増加し、激しい運動によって損傷した筋肉が修復・増強されるといいます。
    サッカーなどの前半と後半の間にハーフタイムがあるスポーツでは、休憩中に体を温めたほうが、パフォーマンス向上につながる可能性があるようです。ただし、けがをしている場合は、冷やすほうが効果的とのことです。

  • 健康の理由? 毎日コーヒーを飲む人の腸に8倍も存在する特定の腸内細菌

    2024-12-05

    毎日コーヒーを飲むと特定の腸内細菌が豊富になり、健康によい効果をもたらすかもしれません。米国などの研究チームが、米国と英国に住む2万2867人と別の211の集団の5万4198人から採取した便サンプルのデータを分析し、研究成果を科学誌Nature Microbiologyに発表しました。

    チームの調査の結果、コーヒーを1日3杯より多く飲むと報告した人は、ほとんど飲まないと報告した人に比べて「Lawsonibacter asaccharolyticus (L.asaccharolyticus:ローソニバクター・アサッカロリティカス)」と呼ばれる腸内細菌の量が8倍にも上ることが分かったそうです。これは、世界中の人々に共通していたといいます。試験管内で行った実験では、コーヒーがL.asaccharolyticusの成長を促すことも示されたそうです。

    この研究により、特定の飲食料が、腸内細菌叢の組成に大きな影響を及ぼす可能性が示されました。現段階ではL.asaccharolyticusの影響は不明ですが、チームはコーヒーを飲むことによる健康上のメリットと関係していると考えているようです。

  • COPDの炎症改善にビタミンB3が有効か

    2024-12-04

    ビタミンB3の一種である「ニコチンアミドリボシド(NR)」が慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療に有効な可能性があるそうです。デンマークの研究チームが科学誌Nature Agingに論文を発表しました。

    COPDは主にたばこの煙を長期にわたって吸うことで発症する肺の炎症性疾患です。チームは、COPD患者40人と健康な人20人を2群に分け、一方にはNRを、もう一方にはプラセボをそれぞれ1日2gずつ6週間飲んでもらいました。

    6週間後、NRを飲んだCOPD患者はプラセボ群に比べて、炎症マーカーである「インターロイキン8(IL8)」のレベルが52.6%低下することが分かったそうです。さらに、こうした炎症抑制効果は実験終了から12週間後まで持続したといいます。

    また、COPD患者は、老化を遅らせるとされる血中NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)濃度が低下していたにもかかわらず、NRを取るとNAD濃度が上昇することも示されたとのことです。

  • 友人や知人とも似る!? 腸内細菌叢の組成

    2024-12-04

    私たちの腸内細菌叢(腸内フローラ)の組成は、家族だけでなく友人など社会的なつながりがある人とも類似性が高くなるようです。米国の研究チームが科学誌Natureに研究成果を発表しました。

    チームは、中米ホンジュラスの人里離れた18の村に住む成人1787人から腸内細菌叢を採取し、社会的交流の範囲をマッピングしたデータを分析したそうです。その結果、さまざまな関係性を通じて社会的なつながりがある人同士は、腸内細菌叢の組成において偶然を超える類似性を示すことが分かったといいます。

    こうした腸内細菌叢の共有は、配偶者や同じ世帯に住む人の間で最も多く確認されましたが、友人や二次的なつながりがある人(友人の友人など)の間でも高い割合で観察されたとのことです。

    食事を共にする頻度や、握手、ハグ、キスなどといったあいさつの仕方など、人々が一緒に時間を過ごす頻度も腸内細菌叢の共有率に関連していることが明らかになったそうです。

  • 心血管系薬の長期使用で認知症リスク低下

    2024-12-03

    一般的な心血管系薬を長期間使用すると、認知症を発症するリスクが低下する可能性があるようです。スウェーデンの研究チームが医学誌Alzheimer’s & Dementiaに研究成果を発表しました。

    チームは2011~16年に認知症と診断された70歳以上の高齢者8万8065人と年齢や性別を一致させた対照群88万650人のデータを比較したそうです。その結果、心血管系薬として知られる降圧薬、利尿薬、脂質低下薬(LLD)、経口抗凝固薬(OAC)のいずれかを5年以上使用した人は、非使用者に比べて認知症と診断されるリスクが4~25%低くなることが分かったといいます。

    また、降圧薬と他の心血管系薬を併用すると、認知症リスクはさらに低下したそうです。一方で、血栓の形成を防止するため脳梗塞(こうそく)の予防に使われる抗血小板薬は、認知症リスク上昇に関連することが示されたとのことです。これは抗血小板薬が、認知機能低下と関連する脳内の微小出血のリスクを高めるためと考えられるそうです。

  • 「死を選ぶ権利」法案、英下院で可決

    2024-12-03

    英BBCによると、英議会下院は11月29日、イングランドとウェールズの終末期患者に対して「ほう助死(Assisted Dying)」(自殺ほう助)の権利を認める法案の1回目の採決を行い、賛成多数で可決しました。2015年には同様の法案が否決されており、法制化への歴史的な一歩を踏み出しました。

    1回目の結果は賛成330、反対275だったそうです。今後、さらなる審議や精査を重ね、上下両院の賛成を得て成立する見通しです。法案の内容が修正される可能性もあるとのことです。採決にあたっては、議員は党の方針に従う必要はなく、各自の良心に従って投票したといいます。男性議員よりも女性議員のほうが高い割合で法案を支持したとのこと。法案に賛成の支持者たちは、涙を流して採決の結果を歓迎したそうです。

    一方、反対派の議員は、高齢者や障害者などが人生を終わらせるべきだと圧力を感じる可能性があるとの懸念を示し、ほう助死の導入ではなく、終末期ケアの改善に焦点を当てるべきだと主張したといいます。

  • お化け屋敷が健康にもたらす驚くべき効果 免疫系のバランスが「整う」

    2024-12-02

    「お化け屋敷」で恐怖を味わうと、炎症が軽減する可能性がある。そんな研究成果をデンマークの研究チームが科学誌Brain, Behavior, and Immunityに発表しました。

    チームは、平均年齢29.7歳の113人に約50分間のお化け屋敷を体験してもらう実験を行ったそうです。参加者が報告した恐怖レベルは、1~9段階で平均5.4だったといいます。

    血中の炎症マーカーである「高感度CRP(hs-CRP)値」を調べたところ、お化け屋敷の体験前に軽度の炎症が認められた22人のうち、18人(82%)で、3日後のhs-CRP値が低下したそうです。さらに、10人(45.5%)については、3日後のhs-CRP値が正常になったといいます。

    血液中の免疫細胞を調べたところ、元々hs-CRPが正常だった人はリンパ球、単球、好酸球、好塩基球が、軽度の炎症があった人はリンパ球と単球が、お化け屋敷体験から3日後にそれぞれ減少することが分かったとのことです。

    娯楽としての恐怖によって血液中のhs-CRP値や免疫細胞数のバランスが調整される可能性が示されました。

  • トランプ氏、国立衛生研トップにロックダウン批判の学者を指名

    2024-12-02

    米国のトランプ次期大統領は11月26日、国立衛生研究所(NIH)所長にスタンフォード大学教授のジェイ・バタチャリヤ氏を指名する意向であると発表しました。

    米NBC Newsによると、バタチャリヤ氏は米国の新型コロナウイルス感染症対策に批判的な立場を取ってきた人物です。トランプ氏は、ワクチン懐疑論者で次期厚生(保健福祉省:HHS)長官に指名されているロバート・ケネディ・ジュニア氏とともに、バタチャリヤ氏が同国の医学研究分野を指揮することに期待を寄せているとしています。

    バタチャリヤ氏は新型コロナワクチン普及前の2020年10月、他の2人の学者と共同で、新型コロナ対策のロックダウン(都市封鎖)をやめるよう求める「グレート・バリントン宣言」を発表。「集団免疫」の獲得を目指して、ウイルスに感染しにくい人々は通常の生活に戻るよう呼びかけたといいます。

    その直後、公衆衛生の専門家80人がこの宣言について「危険で誤った考え」であるとの共同書簡を医学誌Lancetに公表するなど物議を醸したそうです。

@hippocra_editをフォロー

年別

条件を選択してください

条件を選択してください

条件を選択してください

条件を選択してください(今泉テスト)

条件を選択してください

条件を選択してください

条件を選択してください

条件を選択してください

条件を選択してください

条件を選択してください

条件を選択してください

条件を選択してください(今泉テスト)

条件を選択してください

条件を選択してください

条件を選択してください

条件を選択してください

条件を選択してください

条件を選択してください

条件を選択してください(今泉テスト)

条件を選択してください

条件を選択してください