失敗しない!はじめての医師転職マニュアル|サービス紹介|マイナビDOCTOR

失敗しない!はじめての医師転職マニュアル

転職市場において医師のニーズは常に極めて高水準にありますが、だからこそキャリアの方向性を絞り切れず、迷いが生じることも少なくありません。満足度の高い転職をかなえるために、どのようなポイントをふまえ転職活動を展開するべきなのか人には相談しづらい医師の転職のノウハウを徹底解説します。

イラスト 中村知史 取材・文 ナレッジリング

医師の転職には「戦略」が欠かせない

POINT
  • 転職はより良い働き方を実現する手段
  • 転職の失敗は事前の準備不足が原因になることも

「転職できさえすればどんな職場でもいい」と考える医師はいないでしょう。自身が理想とする働き方、ひいては人生を手に入れるために、より良い環境を求めて職場を変えるはずです。ただし、希望通りの転職を実現するためには「戦略」が欠かせません。その戦略が以下に示した4 STEP――「STEP1.医師のキャリアパターンを把握する」「STEP2.転職スケジュールを立てる」「STEP3.転職の目的を明確にする」「STEP4.転職方法を選択する」です。転職活動を始める前に、これらのポイントをしっかりとおさえましょう。

転職を成功させる4STEP

step01医師のキャリアパターン把握する

医師の働き方・キャリアの傾向

POINT
  • 医師のキャリアチェンジのタイミングは4回
  • 医局を出る場合、3回以上転職する人が多数派
  • 企業への転職やフリーランスなど働き方が多様化

医局にとどまり続けることが当然とされた時代もありましたが、今はそうではない選択もあながち無謀とは言えず、クリニックや企業への就職、フリーランス医への転身など、医師のキャリアにおける選択肢は格段に増えています。医師のキャリアの転機は大きく4つに分けられます。それに合わせるように医師人生の中で3~4回は転職する医師が多く、なかには数年ごとに働く環境を変えるケースも少なくありません。

すでに医師としてキャリアをスタートしている方は、下記に紹介する<医師の代表的なキャリアパターン>のいずれかを歩むことが多いでしょう。かつては初期研修で出身大学の病院の医局に入局し、大学の関連病院を行ったり来たりしてキャリアを歩むのが一般的でしたが、最近では後期研修修了後に市中病院を選ぶ医師も増えてきました。

臨床経験15年前後までは、より専門的なスキルを積める環境やより働きやすい環境を追求した転職活動が活発になるでしょう。臨床経験15年前後で、勤務先の病院で教授や院長を目指すのか、開業するかの判断を迫られます。中には開業する前にフリーランス医として数年経験を積み、開業資金を蓄える医師もいます。

あるいは、臨床以外の働き方に転身する医師も一定数います。製薬会社での臨床開発や保健所などの公的機関での勤務、医療サービスの起業などの道です。とくに近年は、日当直がなく休日数が比較的多いことから「産業医」を希望する医師も増加傾向にあります。

医師の代表的なキャリアパターン

キャリアパターンイメージ図

4つの転機の具体的なキャリアパターン

2018年4月より開始された「新専門医制度」。これまで「後期研修医」と呼ばれていた、専門医研修プログラムを受講する医師は「専攻医」と呼ばれます。専攻医は、19の基本領域から選択した専門医資格の取得後、より専門性の高いサブスペシャルティ領域(基本領域で取得した専門に関連する領域を選択できる)の専門医資格の取得を目指すこととなります。
しかしな、制度は開始されたばかりであるため今後細かな改定が行われる可能性があります。また、新専門医制度の登場が医師の従来のキャリアパターンに影響を与えることも予想されます。医師の転職最新動向を常にキャッチするためにも転職エージェントを活用することをおすすめします。 ※2019年4月の情報です。

臨床年数別キャリアチェンジのタイミング
〜転職するメリット

臨床医3~5年目医局を「合わない」と感じた医師の転身

POINT
  • 総合病院が狙い目
  • 経験できる症例の豊富さや教育体制に注目しよう
  • 都心にこだわらず、地方にも目を向ける

臨床経験3~5年目の段階で転職を考える医師は、スキルや待遇面の向上を視野に入れたキャリアアップを狙う層と、医局という環境が合わずキャリアチェンジしたい層に大別されます。とはいえ、まだ一人前の医師とはみなされづらいため、転職先として幅広い選択肢をもつことや高額な報酬を期待することは難しいかもしれません。狙い目は、教育制度が整っていて、専門的な症例を多数経験できる総合病院。あるいは、都心から少し離れた医師不足に悩まされている地域も、若い医師を歓迎してくれるでしょう。

臨床医6~15年目専門医資格の取得を柱にキャリアを充実させる

POINT
  • 専門医資格の「取得見込み」段階でも転職活動は十分に可能
  • 特別な強みのある職場でキャリアを磨こう
  • 出産や育児に応じて職場環境を変える女性医師も

医師の専門性を証明するものとして、専門医資格(取得見込みを含む)が有利に働くことは間違いありません。臨床経験6~15年目の時期は、キャリアを積むために、症例数が豊富であるなど特別な強みのある医療機関を狙って転職をする医師が多いようです。また、報酬重視であれば自由診療に進むという選択肢もあります。一方で、出産・育児に臨む女性医師の中には、出産・育児に理解のある医療機関に転職し、ワークライフバランスを調整する人もいます。

臨床医16~25年目報酬とワークライフバランス、両面の充実を求めて

POINT
  • プライベートを重視しゆとりのある生活のための転職もアリ
  • 役職付きの求人に応募するという選択肢も
  • 資金面などの問題をクリアすれば開業も可能

臨床経験16~25年目は、仕事面ではある程度の落ち着きが出てくる時期です。一方で、自宅や車のローンを抱えたり、子どもの受験があったりと、プライベート面で支出が増える時期でもあります。家庭を持った医師は、「家族と過ごす時間が足りない」など、プライベートな時間の確保も課題になりがちです。一方でより大きなやりがいや高い報酬をめざして転職先を探す医師や、開業して「自分の城」を持つ医師もいます。

臨床医26年目~医師人生を締めくくる場を選ぶとき

POINT
  • 自身の気力・体力と相談しながら働き方を再構築する
  • できるだけ給与水準を下げず、負担軽減を狙おう
  • 急性期から離れて、療養型病院や介護施設へ移る動きも

院内で責任あるポジションに就いている人も多く、現在の職場で医師人生を全うすべきか自問自答する時期でもあります。また、気力・体力の衰えを感じ、できるだけ給与水準を下げずに負担軽減をしたいという希望も出てきて、療養型病院や介護施設など夜勤やオペのない職場への転職希望が多くなります。一部の民間病院や開業医は定年制度がないこともあり、「いつ、どのように医師としての人生を締めくくるか」という課題に直面することになるでしょう。

出産・育児にともなう転職のコツ

POINT
  • 転職先を選ぶ際は子育てへのフォローの有無をチェック
  • 再就職時の受け入れ体制を考えるならクリニックよりも病院
  • 数年のブランクはほとんど問題にならない

人生において、わが子の誕生は大きな転機となるものです。特に女性医師の場合、子どもを持つ前と後で働き方を変える人も少なくありません。勤務日数や勤務時間の軽減、負担が大きくない業務への転換などを検討するでしょう。

厚生労働省「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」(平成29年)によると、男性医師は育児中、子育て開始前と同じ働き方を希望する割合が最も多い一方で、女性医師は「時間短縮勤務」「勤務日数減」「業務内容軽減」を希望する割合が多いことがわかっています。また、実際に育児をした場合、子育て前と同じ働き方ができている男性医師が8割を超える一方で女性医師は3割にとどまっています。それどころか、「休職・離職」を選択する常勤の女性医師は1割にのぼり、非常勤の女性医師にいたっては25%にのぼることがわかりました。

育児中の常勤医の働き方

育児中の働き方グラフ
厚生労働省「医師の勤務実態及び働き方の意向に関する調査」(平成29年)をもとに作成

育児と両立可能な職場選びをするにはどのような点に気をつければよいのでしょうか。

出産・育児にともなってキャリアチェンジを考えるなら、保育所(託児所)の有無や急な欠勤へのフォロー体制など、職場に子育てと両立可能な環境が整っているかをチェックしましょう。その上で、時短勤務可能な年数など、細かい雇用条件を確認していきましょう。非常勤で週に数回だけ出勤する、外来業務だけ担当する、日当直のない健診センターに転職するなど、業務の負担を減らすには多様な選択肢があります。

やむを得ず休職や離職を選択する医師もいます。「子どもが大きくなったら再就職したいけど、ブランクがある医師は雇ってもらえないのではないか」という心配があるかもしれませんが、医師の転職において数年のブランクはさほど問題になりません。中には30年ものブランクを経て再就職した例もあります。再就職においては小規模なクリニックのほうが働きやすいと思われがちですが、医師ひとりあたりの負荷が大きくなりやすい側面も否定できません。規模が大きい病院のほうがカバーしてくれる人員が多いため、むしろ復帰しやすいことも考えられます。

step02転職スケジュールを立てる

POINT
  • 一般的な転職活動期間は半年~1年間
  • 新年度の4月から働き始めたいなら、前年の秋には応募するのが理想的
  • 退職交渉は想像以上に時間がかかる

次の職場で働き始めたいタイミングから逆算し、できれば半年~1年前くらいから、余裕を持って転職活動を開始することが望ましいでしょう。年度始まりの4月から働き始めたいなら、前年の春~夏ごろから情報収集を始め、秋には本格的な採用プロセスへ進むのが理想的な流れです。

入職までの転職スケジュール

スケジュールイメージ
情報収集イメージ
1情報収集
  • 最初から志望先を絞り込まず、広い視野で考える
  • 転職先の職場状況について納得できるまで調べる
  • 情報源を偏らせないよう注意する

特にはじめての転職であれば、志望先を絞り込む前に多くの情報に接しておくことをおすすめします。様々な職場や働き方があることを知ってこそ、自身にベストマッチな道を選ぶことができるからです。インターネットでの検索はもちろん、リアルな意見がわかる口コミや冷静な第三者である転職エージェントなど、複数の情報源から情報を得て多角的に志望先を検討することを心がけてください。

応募書類作成
2応募書類作成
  • 転職時の応募書類は「履歴書のみ」が基本
  • 職務経歴書が必要なら書き方をしっかりチェック
  • 実務面を意識したアピールポイントを分かりやすく提示する

転職時に必要とされる応募書類は、「履歴書のみ」であるケースが少なくありません。基本的にはパソコンで作成すれば問題ありませんが、手書きであることが重視される場合もあります。職務経歴書の提出は、一部の医療機関のほか、企業で働く場合(産業医を含む)に必要です。専門医などの資格や実施可能な手技など、実務面を意識した「臨床で生かせる」情報を伝えるよう意識しましょう。

応募イメージ
3応募
  • 複数(3カ所程度)の志望先に応募して比較検討を
  • 比較することで第1志望の職場の良い点が浮き彫りに
  • 現場を見ることで志望度の低い職場の魅力に気付くことも

「第1志望にだけ応募すれば十分」と考える人もいますが、実際のところ、医師の転職活動では3カ所程度の志望先に応募するケースが大半です。実際に医師が働く現場を見ることや職員とコミュニケーションをとることで、第1希望の良さが浮き彫りになったり、あるいはその逆だったり、まったく想定していなかった可能性に気付くことがあります。

面接イメージ
1面接
  • 面接回数は1回限りであることが多い
  • 面接の相手は院長や診療科長、人事担当者など
  • 金銭面の交渉には細心の配慮が必要

面接で悪印象を与えてしまうと致命的ですから、社会人として一般的なマナーはあらためて確認しておきたいもの。当日はスーツ着用が基本ですが、「どうしてもスーツは苦手……」という方はせめて襟付きの上着(ジャケットなど)を身に着けましょう。金銭面の交渉は欠かせませんが、面接時に話をするよりは、事前に調整しておいたほうがうまくいくケースが多いでしょう。

内定イメージ
1内定
  • 応募から内定までは1週間~1カ月程度の短期決戦
  • 内定の連絡を受けたら、返答期限を必ず確認しておく
  • 迷ったら、「そこで自分が働いている姿」をイメージする

応募から面接を経て、内定連絡がくるまでにかかる時間は早ければ1週間程度、遅くても1カ月以内が目安です。複数の職場から内定を得た場合、それぞれの返答期限を必ず確認しておき、「うっかり連絡し忘れた」ということのないように注意してください。最終的な決断に迷ったら、面接や病院見学時の印象も大切にしながら「そこで自分が働いている姿」をイメージし、違和感がないかどうか考えてみるとよいでしょう。

退職願イメージ
1退職交渉
  • 退職の意思は、遅くとも退職3カ月前までには伝える
  • まずは直属の上司に話を通す
  • 正攻法で辞めるのが難しければ機転も必要

医師の場合、少なくとも退職日の3カ月前には職場へ退職の意思を伝えておくことが一般的なマナーです。その際、いきなり職場のトップへ話をするのではなく、直属の上司に話を通しておくことが大切です。慰留されるケースが多く、なかには「退職までに1年近くかかった」という医師もいます。正攻法で慰留から逃れることが困難なようなら、「体調が思わしくない」「身内の看病で……」など、方便を使うことも考慮すべきかもしれません。

1入職

step03転職の目的を明確にする

POINT
  • 希望条件をすべて書き出す
  • どの条件を大切にしたいか優先順位を付ける
  • 迷ったら、自身のライフスタイルに立ち返る

「今の職場から別の職場へ移りたい」という気持ちの裏には、必ず理由があります。そこから目を逸らしたまま、内定が出たからといってなんとなく職場を変えても、またすぐに転職したくなるかもしれません。情報収集をスタートする前の段階から、転職を通して「何を」「どのように」変えたいのかを具体的にはっきりさせておきましょう。

転職の希望条件を書き出す

転職で「何をかなえたいか」がはっきりとしない場合は、たとえば以下のような項目についてどうしたいのかを書き出してみましょう。

  • 報酬
  • 勤務日数・時間
  • 勤務地
  • 当直の有無(ある場合は回数)
  • オペ等の有無
  • 外来や病棟業務を担当するか

もちろん、すべて理想通りの職場は存在しませんから、次に書き出した希望条件に優先順位を付けていきます。そのとき、例えば勤務時間や当直の有無などについて「現実的にどの程度までかなえられるか」を判断するためには、他の医師がどのような働き方をしているかをふまえる必要があります。知人がいれば積極的に話を聞き、難しければ転職エージェントなどに相談してみましょう。

優先順位の付け方

希望条件が多く、どの項目を優先すればよいか迷うこともあるでしょう。そうしたときは、自身のライフスタイルや家族の状況などを振り返ってみることが重要です。そこにこそ、転職により本当に改善したいポイントが隠れているからです。例えば、「当直が多すぎて家族と過ごす時間が取れない」ことが本質的な悩みであれば、「当直回数を減らす」ことが転職の焦点になるはずです。

第一希望の項目が明確になったら、それ以外の項目をどの程度譲歩できるか・あるいはできないかを考えましょう。例えば、転職の目的を「当直回数を減らしたい」とする一方で、「収入を減らしたくない」という譲れないポイントに気付く可能性もあります。その場合、同水準の収入を得られる就業先の中で「どこまで当直回数を減らしたいか」「何回までなら妥協できるか」を複合的に考えていくと具体的に働くイメージが固まっていくでしょう。

step04自分に合った転職方法を知る

POINT
  • 友人・知人の紹介を受けるなら、条件をはっきりさせておく
  • 自由度の高い自己応募は、情報収集に割ける時間がある場合に検討
  • 転職エージェントを使うなら、信頼できる会社を厳選する

医師の転職では、「友人・知人の紹介」「自ら問い合わせて応募」「転職エージェントの活用」の3つが主なパターンです。それぞれのメリットとデメリットを理解し、自身に向いているものを選んでください。もちろん、選択肢は多いに越したことはありませんから、複数のパターンを併用するのも賢い方法だといえるでしょう。

友人・知人の紹介

転職希望であることを友人や知人に伝えておき、よい職場があれば紹介してもらうパターンです。人と人のつながりが強い医師の世界では、自身のネットワークを活用して転職するケースが少なくありません。ただし、「先輩の紹介先なので報酬の交渉が事実上不可能だった」「契約書を交わしておらず後からトラブルになった」など、人脈を介したことが裏目に出る可能性もあるので要注意。職場に問題があっても、すぐには退職しづらいことも考えられます。

自ら問い合わせて応募

自らインターネットなどで求人の情報収集をし、応募するパターンです。この方法で転職をする医師は少数派ですが、研修病院などへ応募する若手医師などにみられます。志望先がはっきりしており、自律的に転職活動を進める自信がある医師に適しているでしょう。経営者層とのやり取りのなかで、自ら雇用条件の交渉をすることも。それなりの時間と労力を割く覚悟が必要でしょう。

転職エージェントの活用

転職エージェントに登録し、情報収集を一任するパターンです。アドバイザーに転職市場の動向や疑問点を確認したり、代理人として雇用条件の交渉を任せたりすることもできます。良い意味でビジネスライクな転職が可能になり、多くの情報からベストマッチな職場を選び出せることが大きなメリットです。頻繁な連絡がわずらわしい場合は、事前に電話対応可能な時間を伝えるなどしておくと配慮してもらえます。

転職方法別 メリットとデメリット

メリット デメリット 向いている人
友人・
知人の紹介
  • 情報収集の手間がかからない
  • 友人・知人がいて新しい職場になじみやすい
  • 雇用条件の交渉がしづらい
  • 問題があってもすぐには辞めづらい
  • 友人・知人が多く、顔の広い人
  • 遠慮しすぎず雇用条件を確認できる人
自分で
問い合わせて
応募
  • 自由度の高い転職活動ができる
  • 興味がある職場の情報だけを得られる
  • 情報収集にかなりの手間と時間がかかる
  • 経営者層へ直接、雇用条件の確認が必要
  • やりたいことがはっきり決まっている人
  • 積極性と計画性を兼ね備えている人
転職
エージェントの
活用
  • 手間をかけずに多くの情報を得られる
  • 時間的な余裕を持って比較検討できる
  • 紹介先が限定されるケースがある
  • 電話やメールでの連絡を受ける回数が増える
  • 複数の求人を比較検討したい人
  • 忙しいなかでも 満足度の高い転職を実現したい人

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