医師の転職面接で聞かれやすい質問と回答のポイント【回答例付き】|STEP.3

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STEP.3 面接対策

医師の転職面接で聞かれやすい質問と回答のポイント【回答例付き】

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近年、大学医局などに所属せず、自身の希望に合った医療機関で働く医師が増えてきました。医局を離れる場合、医局人事とは関係なく自ら転職活動をする必要があり、とくにはじめて転職をする医師は経験したことのない面接に不安を感じるかもしれません。そこで今回は、面接でよく聞かれる定番の質問と、回答をする際のポイントについて詳しく解説します。どう回答したらいいか迷った際は、回答例も参考にしてみてください。

この記事のまとめ

  • 転職面接では、自己紹介、退職理由、志望動機、逆質問がよく聞かれるので事前に準備をしておくと安心。
  • ネガティブな退職理由はそのまま伝えず、ポジティブなキャリアプランに主軸を置いて回答する。
  • 「逆質問」を聞かれた際に質問ができると、意欲があると評価されることが多い。ただし待遇面に関する質問は極力しないようにする。
  • 今後のキャリアプラン、医師を志した理由、行動を推し量る質問について聞かれることもあるため、準備しておくとよい。

1. 面接で聞かれる質問①自己紹介

転職活動の面接で冒頭に聞かれる定番の質問が「自己紹介をしてください」です。

自己紹介は、その人の印象につながる質問ですから、面接全体の印象をも左右する大切なポイントです。

ほとんどの面接で最初に話し始めるトークになるため、良い印象を与えることができれば、その後の質問にも回答しやすくなります。自己紹介で大切なのは、自分の経歴について要点をおさえて簡潔に話すことです。時間は1分程度が理想的です。

まずは氏名を名乗り、医師としての略歴について話します。専門分野や取得資格について盛り込みながら、わかりやすく整理して話しましょう。医師の面接で自己紹介に盛り込みたいのは以下の内容です。

<自己紹介で話したい項目>

・出身大学・卒業年度
・医師としての略歴と専門分野
・所持している資格
・手術件数や症例数などの実績
・その他のアピールポイント

多様な経験やスキルがあるほどあれもこれもと盛り込みたくなりますが、面接官が知りたいのは要点なので、とくに伝えたい内容を厳選して話しましょう。どんなに素晴らしい経験や資格があったとしても、長くなると面接官の聞く気をなくしてしまう恐れがあります。

話す内容のみならず、話す際の姿勢や表情、話し方も重要です。背筋を伸ばして面接官の顔を見ながら、明るくはきはきと話しましょう。

■「自己紹介」の回答例
毎日医太郎と申します。〇〇年に△△大学医学部を卒業しました。そして、□□病院で2年間の臨床研修を行い、××年に△△大学外科へ入局しました。

入局後は8年にわたり3つのトランク先で勤務し、●●年に外科専門医資格を取得しました。その後、大学医局を離れて▲▲病院で4年間勤務し、今に至ります。専門分野は肝・胆・膵で、手術はこれまでに■件の経験があります。

▲▲病院時代に医局長や感染対策委員長を務めた経験を活かして、貴院でも貢献できればと思います。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

話す時の姿勢や目線は意外と自分ではわからないので、知人・友人や転職エージェントなどの第三者から客観的に見てもらうことをおすすめします。マイナビDOCTORでも面接対策をはじめとした転職サポートサービスを提供しています。

2. 面接で聞かれる質問②退職理由

退職理由も、どの面接でも必ず聞かれる定番の質問です。面接官は、退職理由から「長く勤めてくれそうかどうか?」を知りたいと考えていますし、医局を離れる場合にはその理由を確認しておきたいと考えます。

「なぜ転職をしようと思ったのですか?」「なぜ退職したのですか?」などと聞かれるかと思いますが、大切なのはポジティブな回答をすることです。なぜなら、ネガティブな退職理由は「転職後も同じように不満を持ち、すぐに辞めてしまうのではないか」という印象を与えるためです。

「人間関係がうまくいかなかった」「患者とのトラブルがあった」といったネガティブな内容は、たとえ事実であったとしてもそのまま話すのはNG。「病院のレベルが低かった」「上司の方針についていけなかった」といった前の勤務先の悪口と受け取られるような内容も控えましょう。自分にまったく非のない理不尽な理由や倒産などの不本意な理由だったとしても、そのことをきっかけに、将来のキャリアプランに対してどのようにポジティブに考えるようになったかに主軸を置きましょう。

退職理由にかぎらず、面接の場ではできるかぎりネガティブな発言を避けることが大切です。内容は同じでも、ポジティブなとらえ方で言い直すことで、好印象につながりやすくなります。

■「退職理由」の回答例
私は〇〇病院に5年間勤務しました。その間、内視鏡検査を△件、内視鏡手術を□件経験し、医師として恵まれた環境にあったと思います。臨床業務のみならず委員会の長を務めるなどして、医師として多くのことを学びました。

しかし、5年の節目を迎え、自身の新たな可能性を探りたいと考えるようになりました。そのためには、新たな環境に身を置き、これまで学ぶことがなかった手技や考え方を吸収することがかえって近道になると考え、転職を希望しました。

退職理由が思いつかない場合は、マイナビDOCTORのキャリアパートナーに相談するとご自身に合った退職理由を一緒に考えてもらえます。

3. 面接で聞かれる質問③志望動機

競争率が高い人気の医療機関ではとくに、志望理由も重要なポイントになります。面接官はこの質問を通して、応募者がこれまでの知識や経験を通してどのように貢献してくれるか、自分たちが目指している医療と応募者の医療観が同じ方向を向いているかを確認しようとしています。そのため、応募先の特徴についてよく勉強したうえで理解し、その中でどのような役割を果たしていきたいか明確なビジョンを持っている医師ほど採用される可能性が高まります。

したがって、面接の前に応募先のウェブサイトやパンフレット、知人からの評判などを通して応募先の情報を確認し、良い印象を与えられる回答を練り上げておきましょう。応募先の組織のビジョンや仕事内容と、自分の経歴やスキルの接点を見つけて貢献できるポイントをアピールするのがコツです。

「志望動機」を聞かれた際に失敗してしまいがちなのは、つい正直に応募した理由を答えてしまうケースです。例えば、「転職エージェントに勧められたから」といった理由や「福利厚生がしっかりしているから」「給与が高いから」といった待遇面の理由などです。これらの理由は事実ではあると思いますが、面接は面接官に好印象をもってもらうための場ですから、「いかに応募先に貢献できるか」の理由を優先させましょう

また、将来のキャリアプランともリンクさせながら、他の施設にはない応募先独自の方針、特色や専門性について触れ、自分が応募先で勤めることの意義をアピールすることも大切です。

■「志望動機」の回答例
私は、〇〇という医療を患者さんに提供することを第一に考えながら勤務しています。貴院のウェブサイトを拝見したところ、私が理想とする医療の理念を掲げていることに強く共感を覚えました。よりいっそう自分らしく医療に携わることができるのではないかと考えたことが、最も大きな志望理由です。

また、貴院は私が専門分野とする△△の治療を年間□□件行っており、この分野でご高名な××先生も在籍されていると承知しています。私自身の▲▲▲のスキルを活かして地域医療に貢献しつつ、貴院で勉強させていただきたいと思っています。加えて、病院見学させていただいたときに明るく温かな雰囲気を感じたことも志望理由の一つです。

好印象をもってもらう志望動機というのは、意外と難しいものです。転職エージェントに相談をすると、応募先の医療機関の情報やどのように回答が好印象につながりやすいかをアドバイスしてもらえますので積極的に活用してみてはいかがでしょうか。

4.面接で聞かれる質問④逆質問

面接も終盤に差しかかると、面接官から「何か質問はありますか?」と聞かれることがあります。これはいわゆる「逆質問」と呼ばれるもので、この質問がされたら、ほぼ最後の質問と考えていいと思います。聞かれる頻度が意外と高いので事前に準備をしておくと安心です。面接の流れとマナーも念のため確認しておきましょう。

確認したいことがとくにない場合は「質問はありません」という回答でも問題ありませんが、入社後の業務や働き方について質問をすると意欲が高い印象になりますので、質問を複数用意しておくことをおすすめします。また育児や介護などの家庭の事情によって勤務形態に相談したい場合は、この段階で確認しておくと、後々になってトラブルになることを避けられるでしょう。

「逆質問」で避けたいのは、給与、当直回数、夏季休暇の日数、昇給など勤務環境や待遇面を強く意識した質問を繰り返すことです。たいていの場合、面接の前におおよその条件は伝えられているはずですから、よほど情報が少ない場合を除いて、待遇面の質問を繰り返すのは控えましょう。もしも待遇面で詳しく確認したいことがある場合は、転職エージェントを介して確認することをおすすめします。

■「逆質問」の回答例
実際に貴院で勤務を始めることができたら、何か分からないことが出てくるかもしれませんが、今の段階で分からないことは特にありません。

ただ、私は育児中であり、子どもの急な発熱で突然呼び出されてしまうことがあります。もちろん、病児シッターさんなど子どもの急病に対応できる体制は整えているので、職場にご迷惑をおかけすることはまずないとは思いますが、ごくまれに調整がつかないときは急にお休みをいただくこともあるかもしれません。そのようなときの医師間のバックアップ体制はありますか?

5.面接で聞かれる質問⑤今後のキャリアプラン

医師としての明確なキャリアプランがあり、目標に向かってスキルアップしたいという気持ちをアピールすることは、仕事への熱意が高い人物として好印象を与えます。ただし、キャリアプランの内容によってはアピールしない方が良い場合もあります

たとえば、「将来的に留学やUターンなどを考えている」というキャリアプランの場合、人材不足に悩む医療機関の立場からすると、短期間での離職につながるのではないかと不安に感じるかもしれません。開業を予定している場合も同様に、長く働いてもらえない可能性があるとして採用に影響が出るおそれがあるでしょう。今後のキャリアプランや、医療機関が求める人材の傾向によって、どこまで具体的に伝えるかを検討することをおすすめします。

もちろん自身のキャリアプランを曲げてまで、相手に寄り添うような回答にする必要はないでしょう。率直に自身が進みたいキャリアを提示しつつ、できるだけ応募先の希望にそった回答を心がけるのがおすすめです。

とはいえ、近い将来、具体的に開業や留学の予定が決まっている場合には、正直に伝えた方がトラブル回避につながります。そうでない場合には、将来的な退職や転職を示唆するような回答にならないように注意しましょう。

また、キャリアアップを目的に転職する場合、ときには自分の現状のスキルよりもレベルの高い医療機関にチャレンジすることもあるでしょう。その際には、「この医療機関で貢献したい、学びたい」という熱意を伝えることが大切です。闇雲に熱く語るのではなく、具体的に磨きたいスキルの内容や意欲、今現在もっている経験・スキルで応募先に対して貢献できることなどを、わかりやすく伝えるようにしましょう。

■「今後のキャリアプラン」の回答例
①専門医・指導医等の資格取得をめざす場合
これまで消化器外科医として△年間勤めてきましたが、●歳までに指導医資格を取得し、後進の育成にも努めたいと考えております。貴院は、地域の患者さんを幅広く受け入れる市中病院である一方、専門医・指導医資格取得をめざす医師へのサポート体制が充実していると伺いました。学びを通して消化器外科医として成長しながら、特に貴院でも症例数の多い胃癌手術で大きな貢献ができるよう、研鑽を積んでまいります。

■「今後のキャリアプラン」の回答例
②スキルアップをめざす場合
これまで消化器内科医として勤めてきましたが、今以上に、内視鏡の症例経験を増やし、スキルアップを図りたいと考えています。貴院は、特に消化器の診療に注力されており、上部内視鏡で年間1,000例の実績があるとお伺いしています。上部内視鏡のチームを率いていらっしゃる▲▲先生のご指導を賜りながら、消化器内科医としてさらに成長し、貢献できますように研鑽を積んでゆく所存です。

■「今後のキャリアプラン」の回答例
③開業を検討している場合
(予定が決まっていない場合)いつか開業をしてみたいという目標はありますが、具体的な開業予定は決まっていません。まずは、診療スキルを向上させ、貴院に貢献できる医師をめざして研鑽を積んでいきたい所存です。

(すでに予定が決まっている場合)●年後に、開業を予定し、準備を進めております。地域医療に携わるにあたり、総合的な診療スキルをさらに磨くため、在宅医療にも幅広く対応されている貴院で学びを深めたいと考えております。

6.面接で聞かれる質問⑥医師を志した理由

面接では、医療に携わる職種の中でなぜ医師を志したのかを質問されることがあります。「医師を志した理由」を伝えるために、改めて、自身のなかで医師を志したきっかけとなるエピソードや、医師像を整理しておきましょう

また、医師としてすでに働いてきた経験から、どのような医師を目指したいのかをまとめるのも一案です。さらに、上述した「志望動機」もふまえながら、熱意や責任感が伝わるような自分アピールにつなげましょう。

■「医師を志した理由」の回答例
私の祖父が、長く闘病生活を送っており、自宅での訪問診療を受けていました。間近で診察を見る機会もあり、優しい物腰で祖父の不安を解消していく医師の姿に憧れを抱きました。家族にとっても頼りになる存在で、祖父の看取りまで安心して過ごすことができました。私も患者さんや家族に寄り添い、地域での在宅療養を支える医師になりたいと思い、医師を志しました。

7.面接で聞かれる質問⑦行動を推しはかる質問

医師は、人の命を預かるという職務上、大きなプレッシャーのかかる仕事です。ときには患者さんに対し、診断や治療手段などを素早く決める必要があり、現場での決断力や判断力も試されます。積み重なりがちな日々のストレスを緩和させながら、適切な判断ができる冷静さが求められます。

面接官は、ストレス下においてどんな行動をとるかを質問することで、「ストレスへの具体的な対処法を持っている」「冷静かつ必要な業務のペースを維持できる」「素早く適切な判断ができる」といった能力をチェックしています。

■「プレッシャーのかかる場面でどのように対応しますか」の回答例
特に予定外の緊急手術を任されることになったときは、プレッシャーや責任感をより強く感じることがあります。そんなときは、プレッシャーや不安があることを受け入れながら、自分の状態を俯瞰するようにしています。実際に、研修医2年目で緊急手術の第二助手につくことになり、不安を感じた際には、それまでの経験を生かして呼吸を整え、落ち着いて手術に臨むよう心掛けました。

■「ストレスにどのように対処していますか」の回答例
職務上気になったことは上司に相談したり、できる限りストレスを低減できるように心がけています。また、プライベートでは、趣味のジョギングを短時間でも時間を作って取り入れ、体を動かしながら気持ちも切り替えるように努めています。

プレッシャーのかかる場面やストレスの対処方法は人によって異なるため、回答例を模倣するのではなく、それぞれすでに実践しているものや適切なものをわかりやすく伝えるようにしましょう。

以上、面接の際によく聞かれる定番質問の回答のポイントと回答例を紹介してきました。今回ご紹介した内容を参考に面接の準備をしておくと、当日も安心して臨めると思います。回答例はあくまで一例ですので、ご自身の経験やスキル、希望をふまえた回答をご準備ください。

ご自身の場合は具体的にどのように回答したらいいのか、どの経歴やスキルが評価されやすいのかがわからない方は、マイナビDOCTORのキャリアパートナーに相談をするとアドバイスをもらえますので活用してみてください。

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