STEP.1 転職の準備
医師が転職に失敗する代表的なパターンと成功させるためのポイント
この記事は約 6 分で読むことができます。
会社員などの場合転職回数が多いと転職活動の際に不利になることがありますが、医師は過去に複数回転職していても不利になることはほとんどありません。また医師は全国的に必要とされているためすぐに新しい勤務先が決まる傾向があります。転職先が決まりやすい一方で、転職後に「失敗した」と感じるケースがあるようです。本記事では医師が転職に失敗する代表的なパターンと、失敗を避けるためのコツを解説します。
この記事のまとめ
- 医師が転職に「失敗した」と思う代表例として、「年収が下がった」「知人の紹介で辞めにくい」「イメージとのギャップが大きい」などが挙げられる。
- 医師が転職で失敗しないためには、自己分析を充分にすることや転職でかなえたいことの優先順位を明確にすることが大切。
- 希望通りの転職先を見つけるためには、転職エージェントに登録をして情報収集をする方法がおすすめ。
この記事の目次
1.医師が転職に「失敗した」と感じる代表的なパターン
医師が転職に「失敗した」と感じる代表的なパターンにはどのようなものがあるのでしょうか?
<転職に「失敗した」と感じる代表的なパターン>
1-1.年収が下がった
転職先で働いてみたら年収が下がったという場合に「失敗した」と感じるケースがあるようです。
このパターンの失敗で多いのが、過重労働が原因で転職した場合です。あまりにも忙しすぎる環境で働いていると、ワークライフバランスを維持できる環境で働きたいと思うのは当然のことです。だからこそ、勤務時間や当直・オンコール回数が比較的少ない転職先を選ぶでしょう。
しかし、実際に働いてみると、勤務時間が減ったぶん前職よりも年収が大幅に下がってしまった、と後悔してしまうことがあります。年収が下がることを納得したうえで転職するのであれば問題ありませんが、そうでないなら「労働時間を減らしつつ、現在の給与水準を維持できる転職先」を時間をかけてでも探すほうが転職後の満足度は高くなるでしょう。
1-2.知人の紹介なので不満が生じても辞めにくい
いざ転職をしてみると、病院内の人間関係が悪かったり、実は激務だったりと、転職前に想像していた就業環境と異なっている場合もあります。
こんなとき、「またすぐに転職をすればいい」と思うかもしれません。しかし、そう簡単にいかないのが知人の紹介で入職したケースです。ほとんどの場合、自分より上の立場の医師からの紹介でしょうから、紹介をしてもらった手前、簡単には辞められないでしょう。
より働きやすい環境を求めて転職をしたはずが、転職先で不満が生じたうえに簡単には辞められないとなれば「失敗した」と感じるかもしれません。
1-3.イメージとのギャップが大きかった
目の前の「大きな不満」を解消したいがために「今の職場以外であればどこでもいい」とすぐに内定をもらえたところに転職を決めてしまうと、下調べができていないぶんギャップが発生することがあります。
とくに「人間関係」は転職前にはなかなかわからないものです。辞めることで「現職での人間関係」から離れることはできても、新しい職場でまた別の人間関係の問題が生じることもあります。人間関係のみならず、「思ったよりも激務だった」「思ったよりも給与水準が良くなかった」など転職前に思い描いていた職場環境とは異なっている時に「失敗した」と感じるかもしれません。
2.医師が転職で失敗する3つの理由
それではなぜ、転職に失敗してしまうのでしょうか。失敗が起こりやすくなる要因を挙げていきます。
<医師が転職で失敗する要因>
2-1.自己分析が不十分
自分はいったい職場に何を求めているのか、将来的にどうしたいと思っているのか――こうしたことは深く考えていないと案外わからないものです。
「過重労働が不満」「給与が不満」「人間関係が不満」など、現在不満に思っていることを解決することも重要ですが、一番大きな不満を解消することだけにとらわれると、どうしてもミスマッチが生じます。不満ばかりに気をとられ、自分が目指す医師像や実現したい医療を明確にできていないと、別の不満が生じるためです。
年収や労働条件などの勤務条件面のみならず、どのような仕事をしてキャリアを積みたいかという業務内容面、人間関係や設備などの勤務環境面など、さまざまな角度から自分が転職で何を実現させたいかを考えておきましょう。
2-2.転職先の情報収集不足
独力で求人に応募する、知人の紹介を頼るなどすることによって失敗をするケースもあります。なぜなら、これらの方法では入職するまで病院内部の情報を知ることができないためです。病院のホームページに「ワークライフバランスを大切にできる職場環境です」と書かれていても、診療科や仕事内容によってはハードな勤務が求められることがあります。また、ホームページに掲載された時点と、転職をする時点では勤務環境が変わっている可能性もあります。
客観的で最新の勤務環境について情報収集するなら、転職エージェントに相談してみることをおすすめします。
マイナビDOCTORではキャリアパートナーが応募先の勤務環境について詳しくご紹介します。ぜひお気軽にご相談ください。
2-3.焦って転職をしてしまった
「一刻も早く現職を辞めたい」「今の職場じゃなければいいや」とすぐに転職してしまうと、あまり条件が良くない求人を選んでしまうこともあります。好条件、好待遇の求人が出るかどうかはタイミング次第です。待遇面を重視するなら、転職活動は慎重に進めるほうが良いでしょう。
転職エージェントに登録をしてあらかじめ希望の条件を伝えておくと、希望に合った求人が出た際に連絡をもらえます。具体的な転職時期が決まっていなくても、登録だけしておいて長期的に情報収集をするのもおすすめです。
3.医師が転職を成功させるためのポイント
以上見てきたように、転職を成功させるには、あせらずに転職活動で何を実現させるかを明確にしておくことが大切です。
「目の前の不満を解消したい」という場合でも、仕事内容、年収、勤務環境、勤務エリアなどについての優先順位をどう考えるかについて自分の中で整理をしておきましょう。自分だけで決定することが難しい場合やはじめて転職活動をする場合は、転職エージェントに相談をして転職の市場動向について情報を得ながら考えていく方法もおすすめです。
また、余裕をもって転職スケジュールを決めることも重要です。現職での退職交渉には想像よりも時間がかかります。好条件の求人が出るのを待ちながら1年ぐらいかけて転職をするつもりでいると、余裕をもって進められます。転職エージェントに登録する場合は、面談をして自分の希望を伝えておくと、希望の条件の求人が出た場合に連絡をもらえます。
なお、条件面の交渉をしてもらえるという点も転職エージェントを活用するメリットです。勤務環境や給与面について直接病院に聞くのは印象が悪くなる可能性がありますが、転職エージェントを通してなら心配ありません。ささいな疑問や条件面の不安があればどんどん聞くようにしましょう。
マイナビDOCTORでは、医師の転職事情に精通したキャリアパートナーがキャリア相談を行っています。キャリアにお悩みのある方や自分に合った求人を見つけたい方はぜひ相談をしてみてください。
文:太田卓志(麻酔科医師)