自己PRの書き方|STEP.2

STEP.2 履歴書・職務経歴書

医師の転職がうまくいく履歴書「自己PR」欄の書き方【例文付き】

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転職活動時に提出する履歴書の中でも、重要視される項目のひとつが「自己PR」欄です。同じポストに応募する医師同士は経歴や保有資格が似ていることもあり、自己PRは他の応募者との差別化を図ることができるポイントになります。多忙な転職活動の中でも、面接官に好感をもたれるような、効果的な自己PRの書き方を紹介します。

この記事のまとめ

  • 履歴書の「自己PR」欄は、面接に同席しない採用者にも自分の強み・魅力を伝えられる重要項目。採用の最終段階まで読まれることを意識して書くのがおすすめ。
  • アピールポイントは具体的なエピソードとセットにして書くと説得力が増す。
  • 応募先の医療機関が求めている能力・スキルを見極めて、それを意識したアピールポイントや表現に調整すると効果的。

1.履歴書の「自己PR」に盛り込みたい内容

「自分の魅力は面接の場で伝えるから大丈夫」と思うかもしれませんが、面接会場で採用に関わる人すべてに会えるとはかぎりません。面接に同席しなかった人にもアピールする材料となるよう、次のような内容を含めることが基本です。

1-1.これまでの経験や専門性

どんな特徴がある医療機関・診療科で経験を積んできたのか、「職歴欄」からは分からない具体的な内容を書きましょう。これまでに多く担当してきた疾患や術式などを、経験年数や症例数といった具体的な数値も示しながらアピールできると効果的です。ボリュームが多くなりすぎたり、幅広い経験から何を書くか迷ったりする場合は、応募先と関連性の高い事柄に絞るといいでしょう。

1-2.転職後に生かせる能力

医師として関わってきた院内外での活動をふまえ、自身が培ってきた能力を伝えましょう。何をアピールすればいいか分からない場合は、これまで担当した業務や参加したプロジェクトなどを時系列で書き出し、そこからアピールできる要素を抽出してみましょう。例えば、「多職種によるプロジェクトのリーダーを務めた」という経験をふまえて「調整力を磨くことができた」というアピールポイントを抽出するといった具合です。

1-3.診療への考え方や達成したいこと

どんな職場であっても、信頼されるような人間性や熱意を備えた医師が求められることは変わりありません。誠実に患者さんや医療に向き合う姿勢が文面からも伝わるよう、医師として大切にしていることや診療上のモットー、将来的に達成したいことなどを盛り込むことができると理想的です。

2.医師が「自己PR」を書く時のコツ

履歴書において、「自己PR」の欄はそれほど大きな面積を占めるわけではありません。だからこそ、密度の濃い内容に練り上げることを心がけたいものです。自身の経験や魅力が十二分に伝わるよう、次のようなポイントを心がけてみてください。

2-1.根拠をセットにして説得力を持たせる

例えば、「行動力に自信がある」とアピールしても、具体的なエピソードがなければ採用側を納得させることは難しいはず。「〇〇という経験があるから△△できる」というように、主張を裏付ける根拠を示すことが大切です。もしも説明が長くなってしまう場合は、面接時に詳しく説明したいエピソードの概要を記載しておくといいでしょう。

2-2.便利な言葉・表現に頼りすぎない

自己PRの内容は、つい抽象的な表現になってしまいがちなので注意が必要です。例えば、「コミュニケーション力」という言葉は便利ですが、同じことを書く志望者が多いため、印象に残りづらい可能性があります。「患者さんのニーズをくみ取る力」「多様な意見をまとめ上げる力」など、「コミュニケーション力」という言葉をより具体的な表現に落とし込むことをおすすめします。

2-3.「求められる医師像」に沿った内容にする

採用者に好印象をもたれる自己PRにするためには、先方がどんな素質を備えた医師を求めているかを知ることが大切です。応募先の医療機関が注力している分野や医療機関としての特徴、志望する診療科の現状をリサーチし、アピールするポイントや表現を調整してみましょう。

3.すぐに活用できる!転職シチュエーション別「自己PR」例文

それでは具体的にどのような自己PR文を書けばいいのか、転職活動でよくある5つのケースに沿ったポイントと例文をご紹介します。

ケース①キャリアアップや年収アップを狙う場合

キャリアアップや年収アップを狙う場合は、入職後の貢献度が高い印象を持ってもらえるよう、自身の経験や能力、専門性が応募先にマッチしていることをアピールしましょう。なお、「年収アップ」を目的とした転職活動であったとしても、履歴書にはなるべく記載しないほうが賢明です。どうしても希望の年収額を記載しておきたい場合は、「自己PR」欄ではなく「本人希望欄」に記入するのが一般的です。

■キャリアアップや年収アップを狙う場合の自己PR例
消化器外科専門医として幅広い疾患を診てきましたが、特に貴院が注力している大腸癌の腹腔鏡下手術を数多く経験し(約○○症例)、安全かつ低侵襲な手技に努めてまいりました。また、ICTのリーダーとして院内の感染制御に取り組んだ経験もあり、困難な状況下でも様々な立場のスタッフの思いをくみ取り、領域横断的に物ごとを進める力があると自負しております。

ケース②未経験の診療科目や業務に挑戦する場合

未経験の分野になぜ挑戦をしたいのか、興味を持った理由やそのきっかけとなった出来事を中心に書きます。「未経験なので教えてください」という姿勢ではなく、これまで培った経験や能力を生かすという熱い意気込みを強調しましょう。

■未経験の診療科目や業務に挑戦する場合の自己PR例
8年間にわたり、神経内科医として高齢の患者さんに多く関わり(特に認知症、約○○症例)、本人はもちろんのこと、ご家族のニーズもふまえて退院後のQOLを重視した診療を心がけてまいりました。訪問診療の経験はありませんが、1人でも多くの患者さんとそのご家族がより良い暮らしを実現できるよう、高齢化率の高い△△の地で地域医療に力を尽くしたいと考えております。

ケース③体調不良や家庭の事情で前職を辞めている場合

体調面や家庭の事情などプライベートな理由で退職をしている場合は変にごまかそうとするよりも、率直に退職理由を伝えるほうが好印象です。併せて、問題をどう解決したか、再発を防ぐためにどう工夫しているかを説明します。

■体調不良や家庭の事情で前職を辞めている場合の自己PR例
休みが取りづらい環境であったこと、家族の介護が必要になったことなどから体調を崩し、前職を辞す決断をいたしました。現在は、十分な療養期間を経て体調が回復し、家族が施設入居することで介護負担も低下しています。週4日程度の勤務を受け入れてくださる貴院にて、再び腎臓内科医として研鑽を積み、人工透析を受けながら生活を送る方々の一助になりたいと願っております。

ケース④職歴に長いブランクがある場合

ブランク期間が長い場合は、ブランクの期間に継続してきた学びがあることや、復職にあたって努力したことをアピールしましょう。出産・育児によるブランクであれば、子どもの預かり先についても書いておくと復職後も安定した勤務が可能だと伝わり安心感を与えられます。

■職歴に長いブランクがある場合の自己PR例
第一子の出産を機に前職を辞し、5年間育児に専念してきました。子どもが小学生になり手がかからなくなったこと、学童保育と両親の同居により預け先が安定したことから、また現場に戻って放射線科医として働きたいと考えております。育児中も○○学会主催のセミナーや研修を継続的に受講するなど、当分野の最新情報を得られるよう努力してまいりました。

ケース⑤マネジメント経験をアピールする場合

マネジメント経験があり、その能力をアピールしたい場合には、チームを率いて困難を乗り越えた経験など、これまでのリーダー職としての実体験を踏まえた具体的なエピソードを盛り込みたいところです。

■マネジメント経験をアピールする場合の自己PR例
私が科長を務めていた前職の一般内科では、医師の慢性的な長時間勤務が課題となっていました。そこで、経営陣の理解の下で勤務実態を調査し、作成する書類の見直しや、音声入力を生かしたカルテ作成により、業務負担を軽減するなどの取り組みを行いました。その結果、フルタイム勤務が難しい医師でも働きやすい環境が生まれ、より良い医療を提供できるようになったと考えております。

ここまで、様々な転職ケース別に効果的な自己PR例を紹介してみました。記入に迷った際はぜひ参考にしてみてください。1つのポストに複数の医師が応募している場合、履歴書を読み返しながら最終的な合否が判断されるケースもあります。どんな場面で読まれても医師としてのあなたの強み・魅力が伝わるような、力強い自己PRを目指しましょう。なお、転職エージェントで行っている個別の履歴書添削サービスでは、自分の魅力を客観的に伝えるアドバイスをもらえるのでおすすめです。

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