STEP.4 円満退職・内定準備
退職最終日は挨拶しないとダメ?医師が退職時の挨拶で注意すべきポイント
この記事は約 6 分で読むことができます。
はじめて転職をする医師の場合、退職の最終日にどのように過ごしたらいいのか迷うことがあるのではないでしょうか? 新たな職場への期待でいっぱいになる頃ですが、現在在籍している病院やクリニックでお世話になった方々に感謝の気持ちを伝えましょう。今回は退職最終日の過ごし方と挨拶をする際の注意点について解説します。
この記事のまとめ
- 医師が退職の最終日に主に行うのは、お世話になった方々への挨拶。上司や同僚・後輩、コメディカルの方々、患者さんへ感謝の気持ちを伝える。
- 退職時のスピーチでは、お世話になったお礼と今後の展望を話す。職場への不満を絶対に言わないように注意。
- 菓子折りを持参すべきかどうかは職場の慣習によって異なる。他の退職者のふるまいを見てならうのが一案だが、無理に持参をしなくてもよい。
この記事の目次
1.医師が退職最終日にすること
最終出勤日までにほとんどの業務の引き継ぎは終了しているはずです。もしも万が一、終わっていない場合は引き継ぎを完了させることを第一に考えましょう。自分のデスクやロッカーの片づけが終わっていない場合は、最終出勤日に必ず片づけるようにしましょう。
とはいえ、最終出勤日までに引き継ぎが終わっていないことは稀だと思います。ですので、最終出勤日にすることは主にお世話になった人達への挨拶です。
現在の職場に何らかの不満があって転職を決断することになった医師も中にはいると思います。しかし、不満があるからといって、職場でかかわってきた上司や先輩、後輩、看護師などコメディカルの方々にいっさいお世話になっていないということはないはずです。一緒に勤務してきた同僚に対するマナーとして、お世話になった人に挨拶をしましょう。
転職をする原因が人間関係だったとしても、最終出勤日に挨拶をしないとなるとさらに亀裂を深めてしまいます。転職後も顔を合わせる機会が生じるかもしれませんので、できるだけ良好な関係を保って退職することをおすすめします。
▶人間関係にお悩みの方は転職やキャリアプランについて相談してみませんか?転職のプロがあなたの求人探しをお手伝いします(完全無料)
2.退職時の挨拶の注意点
挨拶をする順番は、立場が上の人に対しての挨拶から行うのが基本です。上司に声もかけずに放っておいて、同僚などにまず挨拶をするのは心象を損ねます。気を付けるようにしましょう。
2-1.上司への挨拶
最終日に出勤したら、できるだけ早いタイミングで上司に挨拶をするようにしましょう。診療科の長やチームリーダー、指導医など複数の上司がいる場合、基本的には立場が上の人から順に訪ねていって挨拶をします。不在の場合もあるので、必ずしも順番通りにする必要はなく臨機応変に訪ねていきます。
挨拶の内容は簡潔なもので大丈夫です。ほとんどの場合、朝の忙しい時間帯に挨拶をすることになるはずなので、あまりに長く話し込んでしまうとかえって迷惑がかかります。「本日で最後になります。今までお世話になりました」「最後までがんばりますのでよろしくお願いいたします」などで問題ないでしょう。もしも上司のほうから世間話や思い出話などをしてもらえたら、それに応対しつつ感謝の気持ちを伝えます。
2-2.同僚や後輩への挨拶
同僚や後輩はどちらかと言えば気心の知れた存在だと思うので、さほど順番にこだわらなくても大丈夫です。業務をこなす中で顔を合わせた人から順に挨拶をしていけばいいでしょう。
同じ診療科で仕事をサポートしてくれた同僚や直属の後輩がいれば、タイミング次第で休憩がてら軽くコーヒーでも飲みながら話してもいいでしょう。
2-3.コメディカルの方たちへの挨拶
お世話になったコメディカルの方たちへも挨拶をするべきです。医療というのはひとりで行うことはできません。コメディカルの方々の助けがあったからこそ成立するものです。
とはいえ、手術対応中であったり他の業務を行っていたりするなど必ずしも最終出勤日に会えるとはかぎりません。業務をこなすうえで会えた人に挨拶をするようにすればよいでしょう。もしもどうしても直接お礼が言いたかったけれど最終日に会えなかった、という人に対しては、後日手紙やメールで感謝の気持ちを伝えるのもひとつの手です。
2-4.患者さんへの挨拶
入院患者さんなどを受け持っていれば、最終日の前までに退職する旨と担当医の引き継ぎについては話をしているはずです。その場合、最終日だからといって無理に挨拶をする必要はありません。
しかし、最後に今まで担当してくれた医師が顔を出してくれたら患者さんはうれしい気持ちになるはずです。最終出勤日の業務をこなしつつ、時間に余裕があればぜひ挨拶をするようにしましょう。
2-5.院長への挨拶
小さい病院ならばともかく、ある程度の規模の病院になると院長に時間を取ってもらえることは少なくなります。また院長はどちらかというと退職の決裁をする側で直接お世話になったというものでもないでしょう。
退職の挨拶をするにあたって、上司や上長などに、院長に挨拶をする必要があるかどうかを聞いてみるとよいでしょう。小さい病院では院長が直接の上司になっていることも多いはずです。その場合は上司に対する退職の挨拶と同じくするようにしましょう。
3.退職時のスピーチで何を話せばいい?
最終日にチームや同僚の前で退職のスピーチをすることもあると思います。病院ごとに慣習が異なるようなので、スピーチの時間がある病院もあればない病院もあるでしょう。
もしもスピーチをすることになった場合は、基本的には今までお世話になったことに対するお礼と、今後の展望を述べるようにすればよいでしょう。
注意したいのは、職場に対する不満を言わないようにすることです。退職者にとってはその日が最後の勤務ですが、スピーチを聞く人にとってはその日以降も勤務を続けていく職場です。聞く人の立場に配慮して、前向きな話を選びましょう。
4.菓子折りを持っていくほうがいい?
退職時に菓子折りを持っていくかどうかも、病院ごとの慣習が強く出るポイントです。勤務していた中で、誰かが退職をする時に菓子折りを持ってきていたようならば、それにならうとよいでしょう。もしそのような記憶がなければ、とくに持参する必要ありません。もちろん、「お世話になった」「感謝の気持ちとして渡したい」と思うのならば、菓子折りを持って行き配っても良いと思います。
思いやりや気遣いは、職場で良い関係を築いていくうえで欠かせないものです。現在の職場でお世話になった感謝の気持ちをしっかりと伝えて、次の職場での仕事に前向きな気持ちでのぞみましょう。
文:太田卓志(麻酔科医)