医師が転職で給与交渉するコツとは?タイミングや成功・失敗パターンも解説|医師転職ナレッジ

医師が転職で給与交渉するコツとは?タイミングや成功・失敗パターンも解説

医師が転職をする際、新たなポジションに就くに当たってさまざまな希望条件があるはずです。どのような条件を求めるかは人それぞれですが「前職より良い給与をもらいたい」「スキルを給与という形で評価されたい」という方は多いかもしれません。

もちろん転職で希望の給与額をかなえられる可能性はありますが、交渉の仕方やタイミングによっては、失敗してしまう可能性もあります。どのように給与交渉すれば、希望給与額での転職が目指せるのでしょうか。

本記事では医師の給与体制や給与交渉をする上で押さえておきたいコツ、給与交渉に向いている・向いていないタイミング、給与交渉の成功・失敗パターンなどを解説します。これから転職を考えている方は、本記事を参考にしてベストなタイミングで給与交渉を行いましょう。

こんな方におすすめの記事です!
  • 勤務医の給与体制について詳しく知りたい方。
  • 効果的な給与交渉の方法を学びたい方。
  • 労働条件や待遇の確認後に交渉したい方。

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目次

  1. 医師の給与体制は?
  2. 給与交渉をする際に押さえておきたい4つのコツ
  3. 給与交渉に向いているタイミング
  4. 給与交渉に向かないタイミング
  5. 給与交渉に成功するパターン
  6. 給与交渉に失敗するパターン
  7. 求人の給与は面接後に変わることはある?
  8. 給与交渉に必要な情報を集めるには?
  9. 医師の給与交渉はタイミングが重要! プロの手を借りるのもおすすめ

医師の給与体制は?

給与交渉のコツやタイミングについて知る前に、まずは医師の給与体制についておさらいしておきましょう。

医師の給与体制は、大きく分けると3パターンです。それぞれどのような給与体制なのかを解説します。

1-1.歩合制

歩合制は出来高払いの一種で、業績に応じて給与が支払われる仕組みを指します。医師の場合、一般的に1カ月で上げた保険点数などで歩合が決まることが多いです。

ただし雇用されている場合、歩合制といっても歩合のみで給与が決まるわけではありません。労働基準法で「出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、労働時間に応じ、一定額の賃金の保障をしなければならない」と定められているため、支給されるのは歩合給+最低保障給という形になります。

※参考:e-Gov 法令検索「労働基準法(出来高払制の保障給)」

歩合制と混同されやすいものに、インセンティブがあります。歩合制もインセンティブも、業績を評価して支給するものという点では同じです。

ただし歩合が業績に応じてあらかじめ決められた割合で支給されるのに対し、インセンティブは目標達成時に支給されます。また歩合は給与で支給されなければなりませんが、インセンティブの場合は物品や待遇で支給しても問題ありません。

1-2.完全歩合制

完全歩合制は、業績に応じて決められた報酬のみが支払われる仕組みのことです。

ただし前述した通り、雇用されている場合は最低保障給を設定しなければならないと決められているので、勤務医に対して完全歩合制を設定することはできません。完全歩合制は、個人事業主が業務委託契約を結んだ場合に設定できる給与体制です。そのため、勤務医で完全歩合制となっている求人は違法の可能性が高いため避けてください。

歩合給+最低保証給の形はコミッション制とも呼ばれますが、それに対して完全歩合制はフルコミッション制と呼ばれることがあります。

1-3.年俸制

年俸制とは、年単位で支給する給与額が決められる仕組みのことです。

ただし労働基準法では「毎月1回以上、支払日を決めて給与を支払わなければならない」とされているため、年俸制の場合も決められた年俸を分割した額が毎月支給されます。年俸の場合、固定残業代を含めて給与額が決められていることも多いので、給与の内訳を確認しておきましょう。あらかじめ決められた固定残業時間を超えて残業した場合は、超過分が別途残業代として支払われます。

※参考:厚生労働省「賃金の支払方法に関する法律上の定めについて教えて下さい。」

給与交渉をする際に押さえておきたい4つのコツ

給与交渉をする際に押さえておきたい4つのコツをご紹介します。

2-1.希望する勤務条件を絞り込んでおく

給与交渉をする際は、ご自身が希望する勤務条件をあらかじめ絞り込んでおきましょう。

ここでいう勤務条件とは給与に関する条件だけでなく、勤務内容や勤務時間なども含みます。まず希望する勤務条件をリストアップし、優先順位を付けて「絶対に譲れないもの」を絞り込みましょう。

給与が絶対譲れない条件なのであれば、その代わりに「当直やオンコールに対応する」などのように、他の条件で譲歩することも大切です。

2-2.希望条件を伝える際は根拠まで伝える

給与交渉で希望条件を伝える際は、その根拠までしっかりと伝えることが大切です。

単に希望額を提示するのではなく、どうしてその給与額が妥当なのかの根拠を示せば、相手も納得感を得られるため、希望額に応じてくれやすくなります。例えば「同じ診療科で10年の経験があるので、即戦力として貢献できる」「◯◯の症例に××件以上の対応経験がある」など、客観的に納得できる具体的な根拠を提示することが大切です。

2-3.自分の市場価値を知る

ご自身の市場価値を知っておくことも、給与交渉をする上で押さえておきたいポイントです。

一般的に医師の給与額には、以下のような要素が影響します。

●経験年数
●勤務条件
●能力・技術
●業務量
●集患力

同程度の条件の医師の平均年収を調べ、ご自身にどの程度の市場価値があるのかを把握しておきましょう。症例経験が群を抜いて多い場合や、特定のスキルが非常に優れている場合などは、給与交渉を成功させる上で重要なアピールポイントになります。

2-4.給与交渉は転職エージェントに任せる

給与交渉を転職エージェントに任せるという選択肢も、給与交渉の方法として頭に入れておくとよいでしょう。

給与交渉は転職者の権利なのでご自身で行っても問題はありませんが「交渉するのに抵抗がある」「交渉が苦手」という方もいるはずです。また妥当な交渉ができなければ、ご自身に対する評価が下がってしまう可能性もあります。

転職エージェントに給与交渉を任せればご自身で交渉する必要がないため、心理的負担を軽減できるでしょう。経験年数や勤務条件などをもとにしたご自身の市場価値や、転職に有益な情報なども転職エージェントが提示してくれるので、現職で働きながらの転職活動もスムーズに行えるはずです。

給与交渉に向いているタイミング

ご自身で給与交渉をする場合「いつ交渉をするのがいいのだろう」と悩んでしまう方もいるでしょう。

給与交渉に向いているタイミングは、内定後に必要書類を提出する際や面談を行う際です。書類の提出時や面談時は、具体的な労働条件や待遇を提示されることになります。提示された内容を確認し、希望に合わない場合は給与交渉を行うとよいでしょう。

なお転職ではなく現職で給与交渉をする場合は、人事評価や業績の見直しが行われるタイミングが給与交渉に向いているタイミングです。

給与交渉に向かないタイミング

面接に進むと「早く給与について確認しておきたい」という方もいるかもしれませんが、一次面接は給与交渉には向かないタイミングです。

まだ経験や能力、人柄などを見られている一次面接でいきなり給与交渉を行うと、マイナスに捉えられてしまう可能性があるでしょう。一次面接では質問や逆質問を通し、ご自身の経験や能力、人柄をしっかりアピールすることが大切です。

こちらのページでは、医師の転職面接で聞かれやすい質問例をご紹介しています。面接時に良い印象が残せるように、ぜひ参考にしてみてください。

また内定をもらった直後も、給与交渉には向かないタイミングです。前述した通り、具体的な労働条件や待遇が提示されるまで、給与交渉は控えることをおすすめします。

給与交渉に成功するパターン

ここからは、給与交渉に成功する可能性が高くなる3つのパターンをご紹介します。

5-1.前職の給与と希望の給与に大きな差がない

前職の給与と希望の給与に大きな差がない場合は、給与交渉に成功しやすいです。

前職での給与は、給与交渉の一つの基準となります。ご自身の市場価値を踏まえた上で、前職の給与と大きく差がない希望額を伝えるとよいでしょう。

前職の給与額に関して虚偽の申告をしてしまうと、発覚時に内定が取り消されてしまう恐れもあります。源泉徴収票などをもとに正確な給与額を把握し、正しく伝えることが大切です。

5-2.就職先の給与水準に合致している

就職先の給与水準に合致している場合も、給与交渉に成功する可能性が高くなります。

いくら根拠のある理由を伝えて給与交渉したとしても、就職先の給与水準から大きくかけ離れていると「採用したいけれど、うちの病院では難しい」と判断されてしまうかもしれません。志望先の給与水準をあらかじめ調べておき、大きく外れない希望額を提示しましょう。

5-3.即戦力となるスキル・実績を持っている

給与交渉に成功しやすいパターンの一つとして、即戦力となるスキル・実績を持っていることも挙げられます。

例えば病院が求めているスキルや症例に対する豊富な実績があり、即戦力として貢献できるのであれば「少し多く給与を払ってでも雇いたい」と思ってもらえるかもしれません。給与交渉をする際は、客観的にご自身のスキルや実績をアピールできるように準備しておくことが大切です。

給与交渉に失敗するパターン

ここからは、給与交渉に失敗しやすい3つのパターンをご紹介します。

6-1.希望額が一般的な給与水準とかけ離れている

希望額が一般的な給与水準とかけ離れている場合、給与交渉に失敗する可能性が高いです。

給与交渉といっても、いくらでも希望額が通るわけではありません。一般的な給与水準よりも高過ぎる希望額を提示してしまうと「自分の市場価値を理解できていない」とマイナスな印象を与えてしまう恐れもあります。

診療科の給与平均や、ご自身と同程度の条件の医師の平均年収を踏まえて、妥当な希望額で交渉しましょう。

6-2.給与交渉に対する根拠が弱い

給与交渉に対する根拠が弱い場合も、給与交渉に失敗しやすいでしょう。

前述した通り給与交渉をする際は、希望額に対する具体的な根拠も一緒に伝えることが大切です。アピールできる経験や能力、技術が具体的にないのに、単に給与交渉をしても相手を納得させることはできません。

自己分析をしっかり行い、相手を納得させられる客観的な根拠を用意しておくことが大切です。

6-3.交渉に応じられない社内事情がある

給与交渉の内容自体には問題がなくても、相手方に交渉に応じられない事情があるケースもあります。

例えば、志望する医療機関で年功序列の明確な給与基準が決められている場合、経験や能力が認められても給与交渉には応じてもらえないでしょう。また同じタイミングで同じポジションの医師を複数人採用する場合も、一人の医師だけ高待遇で採用するのは難しいです。

相手方の事情によって給与交渉に応じてもらえない場合は、無理に給与交渉をするのではなく、採用後に実績を残して昇給を目指すことも検討しましょう。

求人の給与は面接後に変わることはある?

結論から言えば、面接後に給与が変更になることはあります。

医師の給与は個人の経験や能力、その他の労働条件が影響することもあるため、求人に書かれている給与にも幅を持たせてあることが多いです。そのため面接で好印象を残せたり、アピールした経験や能力が評価されたりした場合、面接で聞いていたよりも高い給与を提示されるかもしれません。

面接で良い印象を残すには、面接時のマナーを把握しておくことが大切です。こちらのページでは、医師が知っておくべき面接の流れやマナーを紹介しているので、面接前に確認しておきましょう。

また近年は医師の採用でもWeb面接が増えています。こちらのページでは医師のWeb面接で注意したいポイントをご紹介しているので、Web面接を控えている方は参考にしてみてください。

給与交渉に必要な情報を集めるには?

先述のように給与交渉の際には、ご自身の市場価値や給与水準を把握しておくことが重要です。

厚生労働省が行っている医療経済実態調査の結果などを参照することで、医師全体や診療科ごとの平均年収を調べられます。同じ診療科かつ同じような経験を持つ医師の給与水準も、給与交渉をする際に役立つ情報です。また労働時間と報酬の相場に関する情報も、給与交渉では役立ちます。

これらの情報はご自身で調べることもできますが、情報を集めるのには時間がかかる上、集められる情報の範囲にも限度があります。ご自身の市場価値を知るためにより詳しく正確な情報を求めるのであれば、医師の転職に関する豊富な情報を持っている転職エージェントを頼るのも一つの方法です。

医師の給与交渉はタイミングが重要! プロの手を借りるのもおすすめ

厚生労働大臣認可の医師専門求人サイト「マイナビ DOCTOR」は、豊富な医師の転職支援実績に基づいたノウハウで、給与交渉を含めた医師の転職やスムーズな入局をサポートしています。ご希望の給与や年収に応じた医療機関をご紹介することも可能ですので、転職を検討している方はぜひマイナビ DOCTORをご利用ください。

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