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医師免許でできること11選│臨床現場以外で働くメリット・デメリットを解説

医師免許を取得すると、診察や治療などの医療行為に加え、研究開発や教育職など幅広いキャリアの可能性が広がります。医師免許を活かせる職場は多岐にわたり、臨床医以外のキャリアを考えることもあるでしょう。

今回は、医師免許でできることとして、仕事内容を幅広く紹介するとともに、臨床現場以外で働くメリット・デメリットについて解説します。

こんな方におすすめの記事です!

  • 医師免許でできる業務の範囲を整理して理解したい
  • 臨床現場以外で働くメリット・デメリットを知りたい
  • 自分に合った医師としての新しい働き方やキャリアを考えたい

目次

医師免許でできる基本の業務

医師免許を取得すると、診察や診断、検査、処方、治療、手術といった“医療行為”を行う資格が得られます。これらは医師のみができる特権であり、保険診療・自由診療を問わず、診療科に関係なく共通する医師業務の根幹であり、他職種には認められていません。

診療科ごとに対象疾患や手技などの医療行為は異なるものの、医師として培った基本スキルや臨床経験は、幅広い職場で活かせます。

医師免許だけではできないこと

医師免許があれば医療行為ができますが、疾患や処置の内容によっては、別の資格が必要な場合もあります。

例えば、歯科医師が行う抜歯や補綴(ほてつ)などの歯科医業、薬剤師の領域である院外での調剤などは、法律上、それぞれの資格が必要です。業務ごとに、専門職の役割が法律で厳格に区分されているため、医師であっても、歯科医業や調剤などの他職種固有の領域においては、基本的に従事できません。ただし、窒息リスクを避けるため緊急的に抜歯を行うなど、例外的に認められる場合もあります。とはいえ、医師免許でできる範囲を理解し、専門職と連携しながら診療を進めるのが基本です。

医師免許を活かせる、臨床以外のキャリア11選

医師の主な職場は、病院やクリニックなどの臨床現場がほとんどです。しかし、近年では、企業や行政、教育・研究分野などで活躍する医師も増えています。臨床以外の働き方を知ることで、将来のキャリアを考えるうえで大きなヒントになります。続いて、医師免許を活かした働き方として、臨床現場以外の職場例を紹介します。

介護老人保健施設

介護老人保健施設(老健)は、病気や怪我などで入院していた高齢者や要介護者が、自宅で安心して過ごせるように、リハビリなどの支援を行う施設です。老健では、入所者100名につき1名の医師配置が義務づけられており、安定した医師のニーズがあります。

業務内容は、入所者の健康状態の管理や指導などが中心です。基本的には、日中の勤務で、オンコール待機や夜勤などはほとんどありません。そのため、心身への負担が少ない働き方といえるでしょう。介護分野に関する経験と知識が深まるほか、地域密着型の診療・治療に携わることができます。

さらに、施設管理者は「医師」であることが法律で定められています。管理者に就任した場合には、財務管理や施設の運営なども担当します。

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産業医

産業医とは、企業で働く労働者の健康管理を主な業務とする医師のことです。労働安全衛生法によって、常時50名以上999名以下の労働者を使用する事業場では、1名の産業医を選任しなければならないことから、医師としての活躍の場があります。

産業医は、労働者の心身の健康保持、予防などに取り組むほか、休職・復職者との面談や、衛生委員会(労働者の健康保持や推進などについて審議する会)への出席などが求められます。勤務は、基本的にカレンダー通りで、ワークライフバランスを保ちやすいため、転職先としても人気が高い職種です。

産業医には、専任産業医として、その企業に直接所属する場合と、臨床医と兼任する形で産業医として働く「嘱託医」の2種類があります。後者のケースが多いものの、産業医のみで収入を得たい場合には、専任産業医を目指すとよいでしょう。ただし、専任を募集する求人数は少なく、競争率が高いのが現状です。専任産業医を目指す際には、こまめに求人をチェックしておくことをおすすめします。

産業医の医師求人情報はこちら

公衆衛生医師

公務員として、都道府県庁や保健所などに勤務するのが、公衆衛生医師です。公務員として安定した仕事を得られるのが大きな特徴です。

主に、地域の医療・健康に関する課題への対策などに取り組みます。対象は生活習慣病や母子の健康、精神保健、感染症、予防医療など幅広く、多様な医療課題に医師としての経験や知見が活かせます。また、地域包括ケアの推進として、地域で活躍するさまざまな機関・多職種との連携にも携わります。診療や治療を行うことはほとんどありませんが、地域のヘルスリテラシー向上に携わり、予防医療の面でも貢献できる職場です。

矯正医官

矯正医官は、矯正施設(刑事施設・少年院など)内にある診療所や病院の医師として、医療行為をします。施設内の衛生管理にも携わり、感染症の蔓延防止などにも取り組みます。
対象となるのは、収容されている受刑者や非行少年などで、釈放後の社会復帰も視野に入れながら、診療を行うのが特徴です。医療だけでなく、福祉や心理・教育といった専門職との連携は、大きな学びとやりがいを得られることでしょう。

国家公務員として採用されるため、公務員採用試験にも合格する必要があります。年齢制限が比較的緩く、定年以降の挑戦も可能です。兼業も認められており、原則として残業も発生しません。勤務時間の自由度も高い傾向にあるのが特徴です。

健診医

健診医は、企業や自治体、教育施設などで行われる健康診断を担当するほか、診断結果のレポート作成、異常があった際の患者のフォローなどを行います。治療に直接かかわるケースはほとんどなく、オンコール待機や当直などはありません。定時帰宅ができ、カレンダー通りの勤務が実現しやすいのが魅力です。

ただし、健診医の求人は、定期非常勤や単発のアルバイトが中心で、副業的な働き方になるケースがほとんどです。今後のキャリアとして、健診医のみで働きたい場合、専門の請負企業と契約するほか、健診施設に勤務するといった選択肢を考えるとよいでしょう。

医系技官

医系技官は、厚生労働省に所属する国家公務員です。医学の専門知識を活かして、医療や健康に関連する施策の推進、仕組みや法制度の立案などに携わります。医療制度の変革や見直しに根本から関わりたい人にとっては、大きなやりがいがあります。

一方で、医療知識のない関係者や政治家などとの関わりもあり、コミュニケーション能力やマネジメント能力といった幅広いビジネススキルが求められることも理解しておくとよいでしょう。

医系技官を目指すには、医師免許を取得後、所定の国家公務員採用試験に合格する必要があります。年齢制限はありませんが、国家公務員の定年を超える場合には応募できないため、早めのキャリアチェンジを検討することをおすすめします。

メディカルドクター

製薬会社に勤務し、新薬の研究開発や、メディカルアフェアーズ(市販後の安全性評価、医療現場のニーズ調査など)に取り組みます。平日勤務・土日休みの企業が多く、ワークライフバランスを確保しやすい働き方といえます。

勤務先によって業務内容は異なりますが、国際的な連携が必要な場面も多く、英語力を求められる場合があります。海外企業や海外の医師とのやりとりが発生する可能性もあるため、基本的な英語力があると強みになります。自身の経験や医療知識を活かしながら、グローバルな活躍が期待できる職場です。

社医(医務職員)

社医(医務職員)は、保険会社に勤務し、保険加入者の健康状態をチェックする診査業務や、保険金請求時の妥当性を判断する審査業務を行います。基本的には、デスクワークが中心です。平日勤務・土日休みとなるケースが多く、週末のプライベートの時間は確保しやすいでしょう。

社医は、会社の利益を重視した判断が求められる傾向にあり、対象者に寄り添った診断や審査が難しいこともあります。臨床経験を持つ医師としての視点とは異なるため、企業運営を考えたうえでの視点で医療に携わる働き方を求める人に向いています。

研究職

大学や研究機関に所属して、治療法や疾患に対する研究を行うのが研究職です。学会発表のほか、大学に所属する場合には、学生教育や講義の開講なども担当します。患者さんと接する機会は少ないものの、基礎研究や新しい治療法の開発を通じて、医学全体に貢献できる仕事です。

研究開発職に就くには、一般的に、大学院の博士課程に進むことが前提とされています。求人数が限られるため、興味がある分野での募集をこまめにチェックしておくとよいでしょう。

開発職

近年ではIT×医療の分野が拡大し、オンライン診療や、IT・AI技術を活用したヘルスケアサービスの開発などに携わる医師も増えています。医療知識や臨床経験がある医師が携わることでサービスの信頼性も高まるため、ニーズが広がっています。

診療や治療を行う臨床現場とは全く異なる業界ですが、画期的なサービスの開発は、医療全体への大きな貢献となるでしょう。新たなキャリアが広がる選択肢といえます。

医療分野でのコンサルタント

医療機関や医療分野に関わる企業で、経営やマーケティングを支援するコンサルタント職もあります。勤務医の経験が、医療機関の経営戦略の立案、業務改善などに活かせます。

国家資格のなかでも難関である医師免許は、学習能力の高さや勤勉さ、高い論理的思考力などを備えている証明にもなります。こうしたスキルが、コンサルタントとしての活躍につながります。

臨床現場以外で働くメリット・デメリット

第一線である臨床現場から離れる働き方には、メリットとデメリットがあります。それぞれを踏まえたうえで、今後のキャリアを考えてみましょう。

臨床以外で働くメリット

具体的なメリットとして、以下のような点があげられます。

・新たなセカンドキャリアの選択肢が広がる
・心身の負担が軽減されやすく、子育てや介護と両立しやすい
・ワークライフバランスを取りやすい傾向にある
・医局人事や複雑な人間関係からの解放

臨床以外の業界では、新たな学びややりがいを見出せるチャンスがあります。また、オンコール待機や当直、緊急対応などに携わるケースが少なく、心身の負担が軽減され、ワークライフバランスを取りやすい働き方を目指せるでしょう。

新たなキャリアに踏み出すことに不安を感じる場合には、まずは副業・兼業などからチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

臨床現場を離れることのデメリット

一方で、臨床現場から離れた働き方にはデメリットも存在します。

・ある程度の臨床経験を求められる
・医師以外の業務に慣れる必要がある
・今よりも収入が下がる可能性がある
・臨床現場への復帰にハードルを感じやすい
・専門性が維持しにくい

医療行為に携わる職場では、臨床経験が求められることから、ある程度の経験を積んでからチャレンジした方がよいでしょう。業務内容だけでなく、異なる業界のルールや慣習に直面し、医療知識のない関係者と連携する場面もあります。柔軟な姿勢で、新たなことにチャレンジしていく前向きな気持ちを持つことが大切です。

また、臨床現場を離れることで今よりも収入が下がったり、再び復帰したいと思ってもハードルを感じてしまったりする可能性もあります。将来的に臨床現場への復帰を考えるなら、ブランク期間に応じた再教育制度や研修を行う施設を候補として、事前に情報収集しておくと安心です。

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医師免許を活かして、自分らしいキャリアを選ぼう

医師免許を持つことで、臨床以外にも幅広い業界・業種にチャレンジできます。これまでの経験を活かしたキャリアを選ぶことも可能です。キャリアチェンジを考えている場合には、医師免許を活用できる職場を新たな選択肢として検討してみましょう。

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記事の監修者

小池 雅美(こいけ・まさみ)

小池 雅美(こいけ・まさみ)

医師。こいけ診療所院長。1994年、東海大学医学部卒業。日本医学放射線学会・放射線診断専門医・検診マンモグラフィ読影認定医・漢方専門医。放射線の読影を元にした望診術および漢方を中心に、栄養、食事の指導を重視した診療を行っている。女性特有の疾患や小児・児童に対する具体的な実践方法をアドバイスし、多くの医療関係者や患者さんから人気を集めている。

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