MENU

医員とは、どんなポジション?業務内容と医員期に考えたいキャリアのポイント

医局や病院組織を支える「医員」は、多くの医師が経験するポジションです。その一方で、役割やキャリア上の位置づけがわかりにくく、将来像に迷いを感じやすい立場でもあります。医員からどのようにキャリアアップすればよいのか、悩むこともあるでしょう。今回は、「医員」の位置づけや役割などを解説するとともに、キャリアを考えるうえでのポイントをお伝えします。

こんな方におすすめの記事です!

  • 「医員」とは何か、大学病院・市中病院・クリニックにおける立ち位置を知りたい
  • 医員の役割と実際の働き方を理解したい
  • 医員のキャリアパスや年収目安について把握したい

目次

「医員」とは?

医員とは、一般的に、初期研修を修了した医師で、部長や医長といった上級役職に就いていない勤務医を指します。初期研修医は医員に含まれず、専門医資格を取得した後も、博士号の有無や上級役職に就くまでの期間、医員の立場にあるケースが多くみられます。また、多くの場合、その施設に常勤する勤務医であり、フリーランスやアルバイトは医員に含まれないケースがほとんどです。

ただし、「医員」という用語に定義はなく、一般の患者さんには馴染みのない肩書です。あくまで医局や病院組織内で使われる用語であり、多くの場合、役職のひとつとして使用され、辞令などにより任命されます。

また、「医員」は、医療機関の規模や医局の方針などによっても、とらえ方や役割が異なります。施設ごとに異なる「医員」の意味合いを確認しておきましょう。

大学病院における医員の立ち位置

大学病院における医員は、医局に所属したうえで、教授や准教授、講師、助教などの役職に就かない勤務医を指します。専門医資格取得過程にある専攻医や、専門医資格取得後に一般的な臨床業務を担当する医師がほとんどで、診療だけでなく、研究や後進の育成といった活動にもかかわります。

将来的に助教や助手といった教育・研究職を目指す場合でも、まずは医員として臨床経験を積むケースが一般的です。

市中病院における医員の立ち位置

市中病院では、大学病院のような医局制度がないところが多く、「医員」という役職は、より実務的な意味合いをもつケースがほとんどです。現場で欠かせない存在ですが、専門医資格を取得したばかりの若手医師が多く、一人前の医師として診療を担当する立場が医員と称される傾向にあります。なお、市中病院での求人において、最も多いのが医員の募集であり、一定の診療経験を前提とした即戦力として期待されます。

クリニックにおける医員の立ち位置

クリニックでは、多くの場合、所属する医師の数が少ない環境にあります。そのため、「医員」という役職は設定されていないことがほとんどです。クリニックで医員の役職がある場合、基本的には、院長を除き、その施設で主に診療を担当する一般の勤務医を指すケースが多いでしょう。

医員の役割と実際の働き方

医員は、経営に深くかかわる機会は少ないものの、その施設での診療活動を支える重要な役割を果たしています。続いて、医員が担当する具体的な業務内容と実際の働き方について解説します。

医員は「診療」の中心的存在

医員の業務内容は勤務先によって異なりますが、主に外来や病棟での診療業務を担当します。患者さんの診察や診断、治療計画の決定、処方などに加え、診療科によっては手術や処置などを担当することもあります。また、当直やオンコール対応を含む勤務形態になるのが一般的です。上級役職をもつ医師と比べて、主治医として担当する患者数が多くなりやすく、その施設での日常的な診療業務を支える中心的な役割を担うことが多いでしょう。

加えて、院内での委員会活動や勉強会などにおいても、中心的な役割を担うことがあるでしょう。手当てのつく役職とは異なるものの、院内の運営をサポートする業務も担います。

また、大学病院に所属する医員の場合、研究や学会活動においても重要な役割を担います。自身で論文を作成し、学会等で発表するといった活動をするほか、教授や准教授といった上級役職の研究を手伝うことも業務の一環とされます。自身の研究はもちろん、上級医の研究活動をサポートし、専門的な知識を深める段階といえます。

そのほか、研修医や後輩医師に、診療の基本や医療技術を教える業務もあります。

医員の勤務環境

フルタイムで勤務する一般の勤務医として、日中の診療のほか、当直やオンコール待機などに対応します。大学病院では教授職のサポートを行うこともあり、勤務時間に加えて、研究支援や指導業務などが発生します。当直や夜間対応の割り当ても多い傾向にあり、上級の役職の医師と比べて、業務量の調整が難しい立場です。施設や診療科によっては長時間勤務が常態化するケースもみられます。

医員のキャリアと年収目安

では、キャリアパスにおいて医員はどのような立場にあるのでしょうか。

医員のキャリアパス

大学病院での医員の階級(役職)は、研修医・専攻医の上層で、助教や講師の下位になることが一般的です。そのため、多くの場合、医員は「専門性を積み上げる時期にある中核層」として認識されます。転職や進学などで履歴書を提出する際には「医員」としての勤務経験を記載することになりますが、勤務先や診療科によって評価のされ方に差が出やすいことがあります。症例数や手技経験、研究実績などが客観的に示せる場合は強みとして評価されやすい一方、業務内容が不明瞭なままでは、単なる「在籍期間」と受け取られてしまう可能性があります。

そのため、医員期には日々の診療や業務を振り返り、自身がどのような役割を担い、どのような経験を積んできたのかを、自分なりに整理しておくことが大切です。将来的に転職やキャリアチェンジを検討する可能性も含め、定期的に自己分析をする機会を設けておきましょう。

医員の年収目安

若手からベテランまで、経験の異なる医師が医員として病院等の医療機関に所属しているため、年収にも個人差があります

年収目安を概算することは難しいものの、上級役職をもたない医師が多いと考えられる条件として経験年数5年~9年の30代後半と想定した場合、年収目安は約840万円でした。(※)ただし、参照した「賃金構造基本統計調査」では役職等を加味せずにデータがまとめられており、あくまで条件のみで算出した目安です。勤務先や勤務形態によって差があります。

なお、大学病院勤務では、民間病院と比べて、給与水準が低くなる傾向にあります。年齢や経験に応じて差はあり、当直の回数などによっても年収には差が出ます。

※経験年数5~9年/35~39歳の医師:所定内給与額×12カ月+年間賞与その他特別給与額

参照:
令和6年度賃金構造基本統計調査|厚生労働省

[医師が収入アップするには?]
「年収・給料」にまつわる記事一覧はこちら

キャリアアップに向けて医員期にやるべきこと

医員は医師としての経験を積む期間であり、これからのキャリアアップを踏まえて活動する時期です。しかし、日々の診療に追われがちで、明確な目的意識をもたないまま時間が過ぎてしまい、「気づけば次のキャリアを考える余裕がなくなっていた」と感じることもあるでしょう。忙しさに流されてしまうのではなく、やるべきことを意識しながら、多様なキャリアパスの選択肢を検討する期間として意識的に過ごすことが大切です。他の医員と差をつけるためにも、「医員期にやるべきこと」として3つのポイントをお伝えします。

今後の方向性を明確にする

医員は、組織内での役職上の責任という点で、上級医や指導医と比べて、身動きがとりやすい立場にあります。そのため、転科や転職などのキャリア転換も行いやすい時期です。医員の時期に、キャリアパスを明確にし、今後の働き方を検討してみましょう。今の職場、今の立ち位置のままで、希望するようなスキルアップができるのか、必要な症例を十分に経験できるかなど、多方面での情報収集を行いながら、キャリアプランを立てることが大切です。

専門性を高め、実績を増やす

医員は、一人前の医師として、自立して診療を担う立場にあります。キャリア形成の土台づくりとして、専門性を高めていきたい疾患を担当したり、手技のスキルアップを積み重ねたりしながら、実績を増やしていきましょう。実績は、周囲からの信頼度アップにもつながります。

加えて、自身のスキルを棚卸し、自己分析することも大切です。昇格の評価につながるだけでなく、転職時の強みアピールにも役立ちます。

人脈を構築する

医員のころから、学会や研究会には積極的に参加し、さまざまな人脈を作っておくことも大切です。人脈形成も、将来の選択肢を広げる資産のひとつとなります。

幅広い地域、施設の医療関係者とつながることで、得られる情報が増え、今後のキャリアパスの選択肢も広がります。将来、開業を目指す場合には、開院を予定する地域の医師会や、地域医療に携わる多職種とつながる勉強会に参加するのもおすすめです。

医員としての経験を充実させ、将来のキャリアの選択肢を広げよう

医員は、立場があいまいになりがちですが、医師としてさらなる活躍を目指すために必要なキャリアパスといえます。医員期の過ごし方によって、将来のキャリアの幅が変わることを自覚し、経験を積む期間として充実させることが大切です。柔軟な視点で多角的に情報収集し、自身が理想とする働き方を目指して、今後の方向性を検討してみましょう。多忙な日々のなかでも、自分の専門性を確実に磨きながら、将来につながる経験を計画的に積んでいきましょう。

当直なしの常勤医師求人情報はこちら

合わせて読みたい

記事の監修者

小池 雅美(こいけ・まさみ)

小池 雅美(こいけ・まさみ)

医師。こいけ診療所院長。1994年、東海大学医学部卒業。日本医学放射線学会・放射線診断専門医・検診マンモグラフィ読影認定医・漢方専門医。放射線の読影を元にした望診術および漢方を中心に、栄養、食事の指導を重視した診療を行っている。女性特有の疾患や小児・児童に対する具体的な実践方法をアドバイスし、多くの医療関係者や患者さんから人気を集めている。

この記事をシェアする

RECOMMEND ARTICLEおすすめ記事

NEW CATEGORY ARTICLE医師の現場と働き方

CATEGORY記事カテゴリ

医師転職ナレッジ
意外と知らない医師の転職市場。ここでは、医師の転職市場全体の動向や、診療科目別のトレンドなど希望のキャリアを実現するナレッジを紹介いたします。
スペシャルコラム
最新の医療関連情報はもちろん「開業」のヒントや「お金」の話など、医師のライフスタイルを豊かにする情報満載。
医師の現場と働き方
このコンテンツでは、勤める環境によって、医師がどんな働き方になるのかをデータや現場レポートを交えて紹介いたします。
新専門医制度 19基本領域まるごと図鑑
転科や診療領域の追加を考えている医師向けて参考となるよう、19名の専門医に各診療科について語ってもらいました。

医師転職の求人を探す

目次