常勤医からフリーランス医になった医師の年収変化|医師転職ナレッジ

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常勤医からフリーランス医になった医師の年収変化

医師が一つの病院で定年まで働き続けることは稀なことです。たいていの医師が数回の転職を経験し、多い人では10回以上の転職をすることもあります。医師の転職というと、勤務先の病院が変わることが一般的ですが、そのほかに、勤務形態を変えて働くという転職をする方もいます。今回は、麻酔科の常勤医からフリーランス医への転職を体験した医師の経験をもとに、フリーランス医を選ぶことが、待遇面や労働環境にどのような変化をもたらすのかについて解説します。

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1. なぜ常勤医を辞めたのか

私は、現在フリーランスの麻酔科医として働いています。週5日、3つの病院を掛け持ちしています。
そんな私ですが、もともとは麻酔科の常勤医でした。常勤医として働いていたころの私は、業務量が多く忙しすぎることに悩んでいました。
朝7時くらいに自宅を出て病院に向かい、ヘトヘトになるまで働いて帰宅するのは23時過ぎ、などという生活が常態化し、常々疲労を感じていました。また日々の疲労に加え、私が大きな負担だと感じていたのが、月に1回担当していた当直とオンコールです。
当直は、忙しくないときであれば仮眠をとることができますが、忙しいときは夜中じゅうずっと起きて働くことになります。もちろん次の日は日勤があるので、疲労が蓄積し睡眠も満足にとれないまま、フラフラな状態で勤務しなければなりません。
オンコールでは、自宅に帰ることこそできるものの、家にいるあいだじゅうもいつ仕事用のPHSが鳴るか分からないためPHSを肌身離さず持ち歩かなければなりませんし、心が休まることがありません。
万が一、着信に気づかないことがあれば大変な事態になるため、軽くお酒を飲むことすらできませんし、仮眠をとる際に熟睡をすることもできません。
このように過労とストレスを抱えたまま働き続けたためか、身体に帯状疱疹がでるようになり、常勤医として働き続けることは無理があるのではないかと私は考えるようになりました。
そして、転職を決意する最大のきっかけとなったのが病院内の人間関係です。私のいた病院では、麻酔科と外科の仲が悪く、医師同士の責任のなすり付け合いのようなことが多く発生していました。コミュニケーションも円滑にとれず、手術のカンファレンスすらスムーズに進まないことも多々ありました。このような状況を見ているうちに、医師として、医療行為に集中できない環境に身を置くことに疑問を抱くようにもなりました。

これらのことがきっかけとなり、自分にとってふさわしい別の働き方を探す道を考え始めました。まず最初に、転職エージェントで定期非常勤の求人を紹介してもらえるよう、お願いをしたことを覚えています。

【関連記事】「日直・宿直やオンコール勤務」診療科目別ランキング

2. 常勤医時代は平均的な給与水準

常勤医として働いていたころの労働環境は、前項で述べたとおり、激務なうえ、人間関係にも悩まされるというストレスが非常に大きい環境でした。
今から振り返れば、激務にならざるをえなかった要因のひとつに、比較的郊外の病院だったために圧倒的に医師数が不足していたという事情があったのかもしれません。今でも、私が勤務していた病院が、常勤医の求人を出しているのをしばしば見かけます。

では、常勤医として働いていた時代の給与面はどうだったかといえば、給与水準は平均的でした。私が働いていた病院では、週4日勤務で年収1400万円程度、そこに、週1日の研究日に他院でアルバイトとして働き年収は1700万円~1800万円になっていました。
麻酔科は他の科に比べて給与水準が高めなので、私は30代前半でしたが、上記程度の報酬は得られていました。

【関連記事】データで見る「医師の年収の現在地」

3. フリーランス医になったら年収が2倍に!

フリーランス医として働き始めたことで、給与と労働環境が大きく変わりました。まずは給与から見ていきたいと思います。
常勤医は月給制ですが、フリーランス医は基本的に日給制です。日額×勤務日が月あたりの収入となるため、稼働する日数が多ければ多いほど、収入は増えます。現在私は、常勤医時代と同様、週5日のフルタイムで働いています。

すると、常勤医の頃は1400万円~1800万円程度だった年収が、フリーランス医になり3000万円を超えるようになりました。麻酔科の定期非常勤の報酬は、都内だと1日8~10万円程度が多いですが、多少郊外に出ると12~15万円程度の水準となります。
私は現在都内に住んでいますが、収入を増やす目的で、東京近郊の地方都市の病院で働いています。仮に日額12万円だとしたら週に5日、月に4週働くと計算すると、240万円ほどの月収となります。それが12カ月と、さらに残業代などが加わると年収が3000万円を超える計算となります。

麻酔科医は訴訟リスクが高いためになり手が少なく、とくに地方で不足しやすいことがこの報酬水準となっている理由だと思います。
また定期非常勤は、常勤医が足りていないため、報酬額を多く設定することで医師数を充足させようとしているという傾向もあります。これは麻酔科に限らずみられる傾向で、他の科でも常勤医と比べて定期非常勤の報酬の水準は高くなります

フリーランス医になり、私の労働環境も大きく変わりました。病院と最初に取り決める労働契約により、常勤医時代にストレスの要因となっていた当直やオンコールは、担当しないこととなりました。
残業は多少発生しますが、それでも一日に2時間を超える残業が発生することは稀です。むしろ所定労働時間の1~2時間ほど早めに帰れることすらあります。

さらに、病院内での人間関係に悩まされることがなく、自分の仕事だけに集中することができ、ストレスが大幅に減ったと実感しています。

確かに、雇用の安定性や福利厚生などの面では常勤医のほうが恵まれている点もあります。一方で、給与面や労働環境を鑑みれば、フリーランス医の働きやすさも見逃せません。もし今の職場環境に不満をもち、環境を変えたいと考えているなら、フリーランス医として働くことも選択肢のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか。
定期非常勤の働き方について、記事「初めての定期非常勤 選び方のポイントは?」にも詳しくまとめていますので、ご参考にしてみてください。

文:太田卓志(麻酔科医)

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