「日直・宿直やオンコール勤務」診療科目別ランキング|医師の現場と働き方

【診療科別】医師のオンコール・日直・宿直ランキング

医療のニーズは24時間365日やむことがなく、たとえ夜間でも誰かが患者さんを診なければなりません。一方で、そうした環境でも医師のワークライフバランスは守られる必要があります。ここでは、日直・宿直やオンコール勤務の実態を見ていくことにしましょう。

1.主治医制か、交代制か

全国の病院(20床以上)に勤務する24歳以上の医師を対象とした「勤務医の就労実態と意識に関する調査」(労働政策研究・研修機構、2012年)によると、主たる勤務先での働き方(体制)として「主治医制」(勤務が交代しても主治医が替わらない)は86.1%、「交代制」(勤務に伴い主治医が替わる)は13.9%でした。

性・年齢別に見ると、男性では年齢が低くなるほど交代制の割合が高まる一方、女性では年齢層に関わりなく約2割でした。未婚・既婚の別、子供の有無やその年齢を含めて見ると、男性では若年層・未婚層で、女性では既婚かつ子供がいる者で交代制の割合が高くなっています。

診療科別に見ると、交代制の割合がもっとも高いのは「麻酔科」(51.6%)で、「救急科」(47.2%)、「産科・婦人科」(30.6%)、「放射線科」(27.2%)と続いています。

【交代制の割合ベスト5】(n=3467)

1位 麻酔科 51.6%
2位 救急科 47.2%
3位 産科・婦人科 30.6%
4位 放射線科 27.2%
5位 その他 20.2%

2.日直・宿直回数、宿直時の平均患者数

1カ月間の平均的な日直の回数は、主たる勤務先では「1~2回」が最も多く(51.0%)、「3~4回」が6.3%、「なし」も38.2%いました。勤務形態別に見ると、「常勤」よりも、「非常勤」「アルバイト」のほうが「なし」の割合が高くなっています。

1カ月間の平均的な宿直の回数は、主たる勤務先では「1~2回」が最も多く(34.8%)、「3~4回」が21.8%、「なし」も32.6%いました。勤務形態別に見ると、「常勤」よりも、「非常勤」「アルバイト」のほうが「なし」の割合が高くなっています。

複数就業の場合の勤務形態ごとにみた日直の回数(単位=%)

複数就業の場合の勤務形態ごとにみた宿直の回数(単位=%)

1カ月間の宿直1回当たりで診療した平均患者数(救急患者を含む)は、主たる勤務先では「1~4人」が最も多く(49.8%)、次いで「5~9人」(24.3%)、「10人以上」(15.5%)でした。一方、「ほとんどいない」も10.4%いました。

複数就業の場合の勤務形態ごとにみた宿直の平均患者数(単位=%)

3.オンコール出勤回数

オンコール出勤の有無について、「オンコールのある働き方をしている」は88.2%、「そもそもオンコールはない」は11.8%でした。オンコールがある働き方をしている人について、過去1カ月間のオンコール出勤回数の実績を見ると、「1~3回」が49.4%で最も多く、次いで「0回」(29.5%)、「4~6回」(14.3%)でした。

【過去1カ月のオンコール回数の実績】(n=3058)

診療科別に見ると、オンコール出勤回数が多い(月4回以上の割合が高い)のは「脳神経外科」(36.7%)で、「産科・婦人科」(31.3%)、「呼吸器科・消化器科・循環器科」(30.9%)、「外科」(29.0%)が続いています。一般的にオンコール勤務の負担が少ないと考えられがちな「眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科」も、それなりの数字(15.3%)になっています。

【診療科目別、月4回以上オンコールで出勤した回数ランキング】(n=3467)

1位 脳神経外科 36.7%
2位 産科・婦人科 31.3%
3位 呼吸器科・消化器科・循環器科 30.9%
4位 外科 29.0%
5位 麻酔科 23.0%

4.考察

医師という職業の特性上、多くの場合で日直・宿直やオンコール出勤は付き物だといえます。しかし、今回見てきたように診療科によって度合いが異なるため、それをキャリア選択のひとつの材料としてとらえることもできるでしょう。医師に限ったことではありませんが、夜間勤務や緊急時対応の負担は、とくに幼い子を持つ女性には重くのしかかります。少しでも負担を減らす方向で「働き方改革」をどう進めるのか、究極的には国の医療制度レベルの話になりますが、職場レベルでできる策を講じているかどうかも、就職・転職を考える際のチェック項目となりうるでしょう。

文:ナレッジリング

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