医師の透析バイトとは？　仕事内容や給与、おすすめな人の特徴を解説

医師の透析バイトとは、状態が安定している透析患者さんの管理を行うアルバイトのことです。

透析クリニックや開業医、小規模な病院などで、維持透析を受けている患者さんに対応します。透析治療には専門知識が必要ですが、透析バイトは常勤医の代わりに患者さんの体調に変化が起こっていないかを確認することが主な仕事になるため、基本的に高度な専門知識は求められません。

腎臓内科・泌尿器科・人工透析内科などの医師に限定されたアルバイトというイメージを持っている方もいるかもしれませんが、それ以外の診療科の医師も透析バイトとして活躍しています。

透析バイトでは、具体的にどのような仕事を行うのでしょうか。透析バイトが行う主な仕事をご紹介します。

透析バイトのメインとなる仕事が回診です。透析を受けている患者さん一人ひとりを診察して回り、体調に異変がないか、シャント部位の発赤・腫張が見られないかを確認します。

透析バイトは基本的に午前・午後・夜間の3クールに分かれており、1クールは4時間前後となります。勤務する医療機関によっても異なるため一概にはいえませんが、一般的に1クールで20〜50名程度の患者さんを担当するケースが多いです。回診は1時間程度で終了することがほとんどで、その後は透析が終了するまで別室で待機します。

回診で診察するのは、基本的に状態が安定している患者さんたちなので、新たな指示を出すことはほとんどありません。しかし、なんらかの異変があった場合は、状況に応じた対応が必要です。

多くの場合、回診は看護師と一緒に行います。判断に困った場合はまず看護師に相談し、看護師で判断が難しい場合は、主治医に相談しましょう。普段から透析患者さんと接している看護師は、わずかな異変にも気付きやすいため、看護師の声にしっかり耳を傾けることが大切です。

透析バイトでは、処方や処置の業務も行います。

透析を受けている患者さんへの定期処方は主治医が行いますが、体調に異変があった場合などは、臨時で処方や処置を行わなければなりません。ほとんどの場合、「痛みがあるので湿布を出して欲しい」「肌が乾燥するので保湿剤が欲しい」といった一般外来で行う処方や、傷の消毒や抜糸といった専門性が求められない処置・処方です。

ただし透析患者さんの場合、腎機能を考慮して処方薬の用量を変更しなければならないこともあります。そのため、処方を行う際は、過去の処方歴などを参考にして、適切な用法・用量で薬を処方することが重要です。

専門性が求められる処方や処置で、緊急性が低い場合は、専門科の受診を勧めることもあります。

透析バイトでは、シャント穿刺を行うこともあります。

血液透析を行う場合、シャントへの脱血・送血を行うために穿刺を行います。穿刺を行うのは、基本的に看護師や技師です。しかし、勤務先によっては医師が行わなければならないケースもあります。

穿刺はそれほど難しい作業ではありませんが、万が一失敗してしまうと、最悪の場合は透析ができなくなってしまう可能性があるため、正確な技術が求められます。シャント穿刺が業務範囲に含まれる透析バイトかどうかは、必ず求人情報に記載があるので、穿刺に自信がある場合を除き、穿刺を行わない透析バイトを選びましょう。

急変時の対応も、透析バイトが行う業務の一つです。

前述した通り、透析バイトが対応するのは状態が安定している患者さんのため、急変が起こることは少ないです。しかし、透析患者さんはそうでない方と比べて心血管疾患のリスクが高いので、安定している方でも体調が急変してしまう可能性はゼロではありません。

万が一急変が起きた場合は、可能な範囲であればご自身で対応を行いますが、対応が難しいと判断した場合は迅速に救急搬送を行う必要があります。

透析クリニックでは、急変時の受け入れ先となる医療機関が決まっているケースが多いです。開始前ミーティングで受け入れ先の医療機関を確認しておけば、万が一の際も焦らず適切な対応が取れるでしょう。

透析バイトの給与を時給で提示している医療機関もあれば、1クール分の給与、2クール分の日給で提示している医療機関もありますが、時給換算で10,000〜12,000円程度が平均です。

一般的な内科外来と同じくらい、もしくはそれ以上の副収入を得られるでしょう。また透析バイトは回診以外の時間が基本的に待機となるため、実動時間はそれほど多くありません。当直バイトと比較すると給与が低い傾向にありますが、その分負担が少ないので、効率良く稼げるアルバイトといえるでしょう。

一口に透析バイトといっても、医療機関や働き方によって給与は異なります。透析バイトの具体的な給与を知りたい方は、以下のページをご参照ください。

▶人工透析科の非常勤(アルバイト)医師求人はこちら

透析バイトはどのような医師におすすめのアルバイトなのでしょうか。透析バイトがおすすめの方の特徴をご紹介します。

透析バイトがおすすめなのは、初めて医師バイトをする方です。

透析バイトは、さまざまな医師バイトの中でも比較的負担が少ない傾向にあります。回診を行う必要はありますが、急変に対応しなければならないケースは少ないです。

急変が起きた際の対応はマニュアル化されていることが多く、ご自身で判断しなければならない状況も少ないので、初めて医師バイトを行う方でも取り組みやすいでしょう。

透析バイトは、医師免許を取得したばかりの方にもおすすめです。

前述した通り、透析バイトは高度な専門知識が求められないアルバイトです。医師免許を持っていて、基本的な医療知識があるのであれば誰でも行えます。特別な経験が求められることはほとんどなく、穿刺がない透析バイトなら技術を求められることもありません。

医師免許を取得したばかりの方で副収入が欲しい方には、ぴったりのアルバイトといえるでしょう。

透析管理について学びたい方にも、透析バイトはおすすめです。

負担が少ない医師バイトとして、脱毛バイトやAGAバイト、献血バイトなども人気です。しかし透析バイトは、これらの医師バイトと比較すると学術的な要素が多く、働きながら透析管理について学ぶチャンスがあります。

透析バイトを通して身に付けた知識を将来役立てられる可能性は高いでしょう。

本格的に透析管理について学びたいのなら、常勤として働くのも一つの方法です。以下のページでは、人工透析科の常勤の求人一覧をご紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

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透析バイトの募集はさまざまな医療機関が行っていますが、未経験の方にはどのような求人がおすすめなのでしょうか。未経験の人におすすめの透析バイト求人の特徴を3つご紹介します。

未経験の人には、規模が小さい病院の透析バイト求人が適しています。

規模が小さい病院であれば、患者さんの数が少ないため、その分医師の負担も少なくなります。初めての透析バイトなら、対応する患者さんが20〜30人程度の病院がおすすめです。小規模な病院は特に管理が容易な症例がほとんどなので、難しい判断を迫られる可能性も低いです。

2クール分で求人を出している医療機関もありますが、まずは業務に慣れるために、1クールのみの求人を選ぶと良いでしょう。

夜間勤務の求人も、未経験の方におすすめです。

日中に常勤での勤務がある方も多いはずです。透析バイトには、17時半から20時勤務、19時勤務開始のような夜間勤務の求人も多くあります。こういった求人なら、日勤の後に透析バイトができるのでおすすめです。勤務時間も比較的短いため、未経験でも取り組みやすいでしょう。

未経験の方が透析バイトをするのなら、シャント穿刺の対応がない求人がおすすめです。

前述した通り、透析バイトの中にはシャント穿刺が求められるものもあります。シャント穿刺は失敗してしまうとリカバリーが難しくなってしまうので、未経験ならシャント穿刺が業務範囲外の求人を選ぶのが無難です。

こちらのページでは、未経験歓迎の透析バイトの求人をご紹介しています。初めて透析バイトをしようと考えている方は、ぜひチェックしてみてください。

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透析バイトをする際に注意しておきたいポイントを2つご紹介します。

透析バイトをするには、透析に関する基礎的な知識は必要になります。

いくら高度な専門知識が不要とはいっても、透析に関する知識がまったくない状態で透析バイトをすると、患者さんの質問に答えられずに不信感を与えてしまったり、回診や急変時に適切な対応が取れなかったりする恐れもあります。

透析の仕組みや必要な理由、回診を行う理由など、基礎的な知識は事前に学んでおきましょう。透析に関する参考書が多く出版されているので、一冊持っておくことをおすすめします。

病院により業務の範囲や負担が異なることも、透析バイトをする際に注意しておきたいポイントです。

一口に透析バイトといっても、勤務する医療機関によって業務内容や対応しなければならない範囲の差は大きいです。応募する前に求人情報にしっかり目を通し、シャント穿刺の有無や急変時の対応の有無を必ず確認しましょう。

透析バイトをして、透析管理にやりがいを感じた方や専門性を高めたいと思った方は、透析専門医を目指すのもキャリアの選択肢の一つです。

透析専門医は、その名の通り透析患者さんの治療を専門的に行う医師のことです。透析治療はもちろん、合併症や偶発症にも迅速かつ適切な対応ができる高度な知識と技術が求められます。また基本的な知識や診療技術・処置技術、手術に加え、医療倫理や医療安全、感染対策、災害対策に関する能力も求められ、地域の透析医とも連携を取りながら、長期的に透析患者さんをサポートします。

透析を必要とする患者さんは年々増加傾向にあり、比例して透析専門医の需要も高いです。また日本透析医学会は全国の全ての透析施設に1名以上の透析専門医を配置することを目標としており、今後も需要は高まっていくと考えられます。

透析バイトを通して透析治療に興味を持ったのであれば、透析専門医として活躍するのも良い選択といえるでしょう。

本格的に透析専門医を目指すなら、専門医取得・学会認定施設の常勤医師として働くのがおすすめです。以下のページで、専門医取得・学会認定施設の人工透析科の常勤求人をご紹介しているので、転職を考えている方は、ぜひチェックしてみてください。

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参照：透析専門医とは｜一般社団法人 日本透析医学会

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