総合診療医を目指すには?具体的な仕事内容ややりがい、給与事情について紹介|医師の現場と働き方

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総合診療医を目指すには?具体的な仕事内容ややりがい、給与事情について紹介

総合診療医は、総合内科医と同じように認識されがちですが、実際は専門とする分野や必要なスキルも異なり、働き方にも違いがあります。地域医療に深く関わる役割もあり、幅広い患者さんと向き合う存在です。今回は、総合診療医の仕事内容と特徴をはじめ、やりがいや目指し方、給与事情について紹介します。

<この記事のまとめ>

  • 総合診療医とは、地域に住むあらゆる年齢、性別の患者さんの健康問題に向き合って治療を行う医師のこと。多角的に患者さんを診られる知識や、生活背景へのアプローチなど広い視野が求められる。
  • 新専門医制度の新しい基本領域の専門医であり、高齢化が進むいま注目度の高い専門医のひとつである。
  • 総合診療医は大きな視点でマネジメントしながら、患者さんの治療体制を作り上げる大事な役割を担っており、地域医療へ貢献できるやりがいがある。

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1.総合診療医とは

総合診療医は、患者さんの年齢に関係なく、急性期から終末期、内臓疾患や軽度の外傷まで多岐にわたる疾患や健康問題の解決に当たる専門医です。

担当する患者さんに専門的なアプローチが必要な場合は、専門医や他職種のスタッフと連携するなどのマネジメントを行いながら、患者さんの抱える問題に対応します。身体だけでなく、心のケアにも携わり、家族や生活環境、地域全体を診る医師として、広い視野が求められます。また、患者さんへの診療だけでなく、地域や医療機関が抱える医療的問題に取り組むことがある点も、総合診療医の大きな特徴です。

近年では、各領域の診療技術や研究が進み、専門領域の細分化が進む一方で、年齢を問わず、風邪や小さな外傷まで幅広く対応できる医師や、地域の人々全体を診られる医師が減っているとされています。

少子高齢化が進む中、高齢者は複数の慢性疾患を抱えやすいものです。そうした多疾患罹患の患者さんへの対応においても、総合診療医の活躍が期待されています。

2.総合診療医の仕事内容、やりがい

では、総合診療医は具体的にどのような仕事を担うのでしょうか。また、総合診療医のやりがいについても紹介します。

2-1.総合診療医の仕事内容

総合診療医は、大きく分けて2つの働き方があります。

1つは、小規模施設での外来診療を中心とした「家庭医」となる地域密着型の働き方です。市中病院や診療所を中心に、風邪や小さな外傷まで幅広く対応し、医療の窓口となる「地域のかかりつけ医」の役割を担います。

在宅医療の拡充が求められる中、地域の患者さんへの訪問や診療の他、必要に応じて専門医や他の医療機関と連携し、治療を進めます。地域と深く関わりながら、とくに医師不足が顕著な離島やへき地での活躍が期待されています。

もう一つは、中規模・大規模病院において、救急診療や入院診療を中心として関わる「病院総合医」としての働き方です。総合病院や治療センター、地域医療の要となるような市中病院などに所属し、診療科の域を超えて、さまざまな専門医と連携しながら入院患者さんや救急患者さんの診療を行います。

外来においては、どの診療科を受診すればよいのか迷っている患者さんに、適切な診療科を提案するといったことも仕事のうちです。施設によっては、出張診療や巡回診療、ドクターヘリによる緊急対応を行うこともあるでしょう。

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2-2.総合診療医のやりがい

総合診療医は、患者さんの生活環境や仕事、ライフスタイルなどを幅広く把握し、多角的な視点で治療を行います。そのため、患者さん本人やその家族だけでなく、周辺の医療施設やケースワーカーなどとの連携が欠かせません。

結果として、病院全体、地域全体で患者さんの治療を行うこととなります。大きな視点で全体をマネジメントしながら診療を行うことは、難しさもあるものの、リーダーシップを発揮できる点で大きなやりがいを感じられることでしょう。

また、総合診療医は、各領域の専門医が、専門性の高い治療に専念できる環境やシステムを作り上げるための架け橋としても、重要な役割を担います。地域医療の土台となり、必要な施設や専門医につないでいくことで、他科専門医の活躍する場を整える役割もあります。こうした連携の場で力を発揮することも、やりがいの一つといえるでしょう。

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3.総合診療医の給与事情

では、総合診療医になると、どの程度の収入が期待できるのでしょうか。マイナビDOCTORの求人を基に算出した給与の目安を見てみましょう(情報収集日2022年5月22日)。

3-1.常勤で働く総合診療医の年収の目安  

総合診療科の常勤医師を募集する求人においては、給与は年収で提示される場合がほとんどです。「年収1,400万円から2,000万円」、「年収1,900万円から2,200万円」などと幅があるケースも多く見られます。年収として、1,383万円~1,857万円が目安となるでしょう。年収の提示に幅がある求人では、「臨床経験や保有資格により変動を生じる」旨が説明されています。

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3-2.非常勤(アルバイト)で働く総合診療医の収入の目安

マイナビDOCTORの総合診療科の非常勤医師求人では、「日給」「時給」「単価」の3通りがあります。

日給の場合「6万円から8万円」などと幅があるケースが見られ、日給は約8万500円~8万5,000円が目安です。同様に、時給の目安は約9,600円~1万2,000円でした。単価の場合、平均は4万5,600円でしたが、勤務時間の長さが異なる場合もあり、あくまで目安です。求人案件ごとに条件が異なるため、しっかり確認しましょう。

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4.総合診療医になるには

総合診療医は、新しい基本領域の専門医として認定されています。こちらでは、総合診療専門医になるための研修内容について紹介します。

一般社団法人日本専門医機構は、2020年11月20日付けで「総合診療専門研修プログラム整備基準」を改訂し、プログラムを整備しました。

日常遭遇する疾病と傷害等に対して、適切な初期対応と必要に応じた継続的な診療の提供と、地域で生活する人々の命と健康に関わる幅広い問題について、適切に対応する」ことを使命として掲げ、地域における診療の経験を重視した研修カリキュラムになっています。

診療所や中小規模病院における総合診療専門研修Ⅰと、大規模病院の総合診療部門における総合診療専門研修Ⅱがあり、それぞれ6カ月以上、計18カ月以上の研修が必修となります。

臨床現場での学習としては、外来医療、在宅医療、病棟医療、救急医療、地域ケアの5つの場で、幅広い症例を経験することが求められます。経験目標には一律の症例数が規定されておらず、各項目に応じた到達段階を満たす必要があります。

具体的には、ショック、急性中毒、意識障害、成長・発達の障害などの57項目において、臨床推論に基づく鑑別診断および、他の専門医へのコンサルテーションを含む初期対応を適切に実施し、問題解決に結びつけること。また、貧血や脳・脊髄血管障害、アレルギー性鼻炎、緩和ケアなど67項目において、必要に応じて他の専門医・医療職と連携を取りながら、適切なマネジメントを経験することなどが挙げられています。

専門研修の目標として、具体的には以下の7つの資質・能力の獲得を目指します。

1.包括的統合アプローチ
2.一般的な健康問題に対する診療能力
3.患者中心の医療・ケア
4.連携重視のマネジメント
5.地域包括ケアを含む地域志向アプローチ
6.公益に資する職業規範
7.多様な診療の場に対応する能力

詳細は、日本専門医機構 総合診療専門研修プログラム整備基準をご参照ください。

5.総合診療医の経験を積める医療機関を探そう

地域全体を診る総合診療医に関心を持ち、将来的に目指したいと考えている人もいることでしょう。総合診療医になるためのキャリアパスを効率的に進めるために、実践的な経験を積める施設に転職するのも一つの手です。将来を考えた転職を検討している場合には、医師専門のエージェントに一度相談してみるのもおすすめです。
 
 

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PROFILE

監修/小池 雅美(こいけ・まさみ)

医師。こいけ診療所院長。1994年、東海大学医学部卒業。日本医学放射線学会・放射線診断専門医・検診マンモグラフィ読影認定医・漢方専門医。放射線の読影を元にした望診術および漢方を中心に、栄養、食事の指導を重視した診療を行っている。女性特有の疾患や小児・児童に対する具体的な実践方法をアドバイスし、多くの医療関係者や患者さんから人気を集めている。

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