医師 転職図鑑-「整形外科」編 ~診療科目別~|医師転職ナレッジ

医師 転職図鑑-「整形外科」編
~診療科目別~

全国約30万人の医師のなかで約21,000人を占める整形外科医。診療科別では内科に次ぐ集団だ。勤務医が63%、開業医が37%であり、全体に比べると若干開業医の比率が高い整形外科医の転職事情を紹介する。

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目次

  1. 医師データ
  2. 考察
  3. 医師レポート

医師データ

若手男性医師の人気は内科に次いで第2位

若手医師の人気は高く、臨床研修医の選んだ診療科目(2014年度)では内科、消化器内科、小児科に次ぐ第4位。男性医師に限ると2位である。ここでは、整形外科医を含む医師データから整形外科の転職市場を考察する。

従事する主たる診療科目ベスト3

医師全体数 296,845人
1位 内科 61,317人(20.7%)
2位 整形外科 20,996人(7.1%)
3位 小児科 16,758(5.6%)

2014年調査

臨床研修医の選択する診療科目ランキング

臨床研修医全体 14,419人
1位 内科 1,344人(9.3%)
2位 消化器内科(胃腸内科) 1,010人(7.0%)
3位 小児科 910人(6.3%)
4位 整形外科  909人(6.3%)
5位 外科  890人(6.2%)

2014年調査

勤務医・開業医の割合

勤務医 開業医
医師全体 66% 34%
整形外科 63% 37%

2014年調査

診療所の診療科目別施設数ランキング

一般診療所全体 100,461施設
1位 内科 63,888
2位 循環器内科 13,097
3位 整形外科 12,792
4位 皮膚科 12,328
5位 リハビリテーション科 12,198

2014年調査

勤務医の週平均労働時間

勤務医全体 46.6時間
整形外科 46.8時間

2014年調査

宿直回数

1ヶ月あたりの回数 なし 1〜2回 3〜4回 5回以上 宿直あり・計
勤務医全体

(n=3467)

32.6%  34.8% 21.8%  10.8%  67.4%
整形外科医

(n=286)

 31.1%  42.0%  22.0%  4.9%  68.9%

2014年調査

考察

勤務条件は良好だが、医師の開業志向は高め

整形外科は、人の生死にかかわる場面は少ないが、「歩けるようになった」「手が使えるようになった」など、QOLが回復した患者の喜びをダイレクトに感じることができる魅力がある。
医師全体のなかで内科に次ぐ人数の大集団であり、全体平均より開業医の割合が3%ほど高い。クリニック全体の中でも、整形外科は内科、循環器内科に次ぐ3位。リハビリのためのスペースやスタッフ、医療機器など、開業にはコストのかかる診療科だが、それでも比較的、開業を志向する人が多いようだ。
勤務医の週当たり労働時間は勤務医全体平均並み。夜間、救急搬送される患者への対応、夜間の緊急手術の対応も求められるものの、月に5回以上の宿直がある医師は全体平均の半分程度。勤務条件面では、比較的優遇されていると言えそうだ。

医師レポート

給料面では比較的優遇されている診療科、開業の敷居が高いのでライバルは少なめ

東京都内で開業している現役A医師(40代男性)は、勤務医として働いたあと開業した医師のひとりだ。複数の病院での勤務経験があるA医師に、整形外科医の「転職」事情と「開業」事情を聞いた。

PROFILE
開業医平均年収:2,500万円
年収:非公開
雇用形態:開業医
診療科目:整形外科
※医療経済実態調査報告(平成21年6月実施)引用 診療科目により収支差額あり

26才  私立A大学医局入局
27才  複数の病院に勤務
31才  結婚、私立A大学大学院入学
35才  博士号(医学博士)取得、私立C病院(神奈川県)勤務
38才  医局退職、D病院(東京都)勤務
40才  開業

転職理由:
①給料・条件アップ
②家族の時間を大切にしたかったため

年収1000万円の落差も

A医師のキャリアは大学医局からの派遣医師としての勤務から始まった。
「勤務は1年ごとで、そこに僕の希望が入ることは少ないです。(遠方での勤務を言い渡されても)『ああ、わかりました』というしかない。ある程度のキャリアができれば少しは希望も聞いてもらえますけど、とくに若手のときはないですね。医局員は何百人もいるから、一人ひとりの希望を聞いていたら回らない。ピースをどんどん埋めていくような指示になる。企業で言えば大企業の本社から、支社や支店に移されるような感じです」
当然、勤務先の病院により給与も勤務条件も異なる。
「年収が下がることもよくあります。1000万円ぐらい下がることもある」
とはいえ、整形外科医は「給与面では比較的厚遇されていると思う」とA医師。
「経営者からしてみれば『その医師を雇うことでいかに稼げるか』が本音かと思います。整形外科でオペをすれば実際結構病院の収入になります。背骨や人工関節の手術などをたくさんやっている人は契約内容にもよりますが、給料はよいと思います。

日直、宿直は年功序列の世界

実際の現場は年功序列。若手には厳しいようだ(医師の現場と働き方「診療科目別転職図鑑-整形外科」編 医師データ参照)。
「宿直の割り振りは年功序列で、ピラミッド型です。僕が最初に行った病院は、医師9人体制で1年365日整形外科に宿直が割り振られていました。25歳の僕が一番年下だったので月に7~8回の宿直。寝られない当直だったのがつらかったです。部長クラスの人も月数回くらいやっていたから大変だったと思います」
逆に、週に半日程度の「アルバイト日」が設けられていた施設もある。病院による格差があっても医局人事では、条件面で希望を出す人は少なかった。

「医局人事に振り回されるのはもうやめたい」

A医師が医局に残ることに疑問を持ち始めたのは、地方都市の病院への勤務を指示されたのを初めて断ったことがきっかけだった。独身のうちは身軽に動けても、既に結婚もし、子どもも幼稚園に通い始めていた。単身赴任している先輩医師もいたが、A医師は家族も大切にしたかった。
「もちろん、医局派遣にはメリットもあります。病院によっては上長のドクターのオペの方法や考え方、患者さんへの接し方など、学ぶところも多かった。第一、医局に守られているので仕事にあぶれることはありません。ただ、僕自身の選択肢は少ない。どっちをとるか、と」
ちょうどその頃、医師の人材紹介会社からダイレクトメールが届き、興味を持ったA医師はとりあえず話だけ聞きに行くことにした。紹介された病院は自宅からも近く、年収も 300~400万アップという好条件。さらには宿直もオンコールも免除という勤務条件を引き出した。
「交渉は人材紹介業者にしてもらいました。正直、先方の院長に面と向かって希望する勤務条件や給与はなかなか言いづらい。ワンクッションあったおかげでお互いにものが言いやすかった。年収はある程度の幅を想定していましたが、上限を伝え、最終的にはその中間くらいにおさまりました」

開業は物件次第、早いもの勝ち

40歳を目前にしてA医師は開業を決心した。もともと父が郷里で整形外科医院を開業していたので、いつかはという思いもあった。父のクリニックを継承するという道もあったが、郷里の地域には既に整形外科クリニックが数軒ある。子どもたちの教育の選択肢も考えたA医師は、東京都内で開業することにした。
開業コンサルティング会社の良し悪しはわからないA医師は、いくつかのコンサル会社に声をかけて物件を提案してもらい、一番良い物件の会社と契約した。幸い開業1年ほど前に、自宅から30分以内、駅前立地のビル診を確保できた。諸手続きに半年間は必要とされる開業準備。物件が決まったことで、A医師は病院に勤務しながら、夕方以降の時間などを利用して1年間かけて準備を進めることができた。
「医療機器や内装などひとつひとつ、計34社の相見積もりを取りました。これも時間があったからできたことです」
じっくり作り上げた施設については「100%」と満足しているA医師。整形外科での開業には多くのコストがかかることも知られているが、不安はなかったのだろうか。
「確かに整形外科の開業はなかなか大変です。レントゲン設備、低周波や温熱治療、けん引、超音波治療器などリハビリ機器が要るので初期投資が大きい。ただ敷居が高いだけに、一度開業してしまえば周りにおいそれと簡単には競合になるクリニックが出来ない。“早い者勝ち”という面があります」
開業後は勤務医時代に比べ、はるかに忙しくなったという。
「仕事量は5倍くらいになり、気苦労もあります。当初は患者さんがなかなか来なくて不安な時期もありました。若い整形外科医に開業を勧めるかどうかですか? それは目ざすゴールによると思います。勤務医、開業医ともそれぞれメリット、デメリットがありますから。僕の場合は、開業して精神的、肉体的にはハードになったけれど、何よりひとつの場所で落ち着けるのは大きいですね」
自宅に帰ると3人の子どもたちとの時間が待っている。

文:中保裕子

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