臨床検査技師の平均年収は?収入アップの方法3つも紹介|医師転職ナレッジ

臨床検査技師の平均年収は?収入アップの方法3つも紹介

医師の指示に基づいて、診療に必要な検査を行う臨床検査技師。病院や検査センターなどに勤務し、治療の裏方となって活躍する存在ですが、平均年収はどのくらいなのでしょうか。今回は、臨床検査技師の平均年収の目安をお伝えするとともに、他の医療職との収入比較や、収入アップの方法について解説します。

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  • 給与所得者の平均年収に関心がある方。
  • 男女間の年収差について知りたい方。
  • 医療職種の年収比較に興味がある方。

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目次

  1. 臨床検査技師の平均年収の目安は?
  2. 年齢別に見た臨床検査技師の年収目安
  3. 職場別に見た臨床検査技師の給料相場
  4. 他の医療・介護職との比較
  5. 臨床検査技師として給料を上げるには?
  6. 臨床検査技師として効率よく収入アップやスキルアップを目指そう

臨床検査技師の平均年収の目安は?

まずは、臨床検査技師の平均年収について、全体の目安と、男女別の状況を見てみましょう。

1-1.臨床検査技師の平均年収

厚生労働省が公表している「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、臨床検査技師の平均月額給与と年収は、以下のとおりです。

<臨床検査技師全体の平均給与と年収>

全体平均(平均年齢41.3歳)
平均月額給与(※1) 35万1,400円
平均年収(※2) 508万4,900円

※1:きまって支給する現金給与額
※2:「きまって支給する現金給与額×12ヵ月+年間賞与その他特別給与額」で算出

参照:第一表 職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)|令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種

国税庁の「令和4年分民間給与実態統計調査」によると、給与所得者全体(臨床検査技師を含む)の平均年収は458万円でした。調査年度が異なるため、あくまで目安ですが、一般給与所得者と比較すると、臨床検査技師の平均給与は、高い傾向にあることがわかります。

参照:令和4年分民間給与実態統計調査結果について|国税庁

1-2.男女別に見た臨床検査技師の平均年収

同資料より、性別で平均を比較すると、以下の結果となりました。

男性平均(平均41歳) 女性平均(平均41.4歳)
平均月額給与(※1) 38万6300円 32万8700円
平均年収(※2) 553万3900円 479万2900円

※1:きまって支給する現金給与額
※2:「きまって支給する現金給与額×12ヵ月+年間賞与その他特別給与額」で算出

参照 第7表 職種(特掲)、性、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)|令和5年賃金構造基本統計調査

平均年齢は女性の方が高いものの、年収は男性の方が高い結果となりました。女性は家庭との両立のために時短勤務などを行っているケースもあり、勤務形態の違いから、平均額に差が出ているのではないかと考えられます。
なお、給与所得者全体(臨床検査技師を含む)の男女別平均年収は、男性で563万円、女性は314万円でした。

年齢別に見た臨床検査技師の年収目安

ここまで臨床検査技師全体の平均を紹介しましたが、年齢によっても収入が異なります。続いて年齢別、男女別に見てみましょう。

年代 臨床検査技師の平均年収
全体 男性 女性
20 ~ 24歳 326万5600円 327万5500円 326万900円
25 ~ 29歳 409万3600円 443万8100円 387万円
30 ~ 34歳 479万9400円 524万600円 429万1000円
35 ~ 39歳 501万7600円 572万3400円 469万5600円
40 ~ 44歳 563万3700円 634万8300円 516万2100円
45 ~ 49歳 571万8200円 627万2200円 542万1400円
50 ~ 54歳 605万700円 674万4700円 582万2500円
55 ~ 59歳 636万2400円 702万3200円 596万4700円
60 ~ 64歳 487万2700円 545万6000円 409万6100円
65 ~ 69歳 376万5300円 417万円 334万100円

※「きまって支給する現金給与額×12ヵ月+年間賞与その他特別給与額」にて算出

参照:第5表 職種(小分類)、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)|令和5年賃金構造基本統計調査
参照:第7表 職種(特掲)、性、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)|令和5年賃金構造基本統計調査

年齢別に比較すると、50代後半に平均年収のピークを迎え、一般的に定年を迎える60代以降は大きく減少しています。男女別に見ると、20歳~24歳の時点で大きな差はないものの、以降は男性の方が多い収入を得ており、30代になると100万円以上の差があることがわかりました。
先にもお伝えしましたが、女性は家事や育児などとの両立のため、時短勤務やパート勤務などの勤務形態を選ぶケースが多いことから、20代後半以降の年収に差が出ているのではないかと考えられます。
ここまでお伝えした平均年収は、あくまで目安です。実際には勤務形態や役職の有無、職場によって異なります。

職場別に見た臨床検査技師の給料相場

臨床検査技師の職場には、病院やクリニックをはじめ、保健所、健診センター、企業(医療機器メーカー、製薬会社、治験関連機関)、大学研究室、研究所などがあります。
続いて、マイナビコメディカルに掲載されている、臨床検査技師の求人情報(情報収集日:2024年6月24日)をもとに、代表的な勤務先である病院、クリニック、企業に分けて、職場ごとの給料の相場を見てみましょう。

3-1.病院勤務の給料相場

病院に勤める臨床検査技師の主な業務は、患者さんの臨床検査(検体検査・生体検査)です。給料相場の目安としては、月収では「19.8万円~30.0万円程度」、年収では「280万円~444万円程度」、非常勤では時給「1200円~1800円程度」となっています。

給与目安 年収目安
病院(正社員) 月額19.8万円~30.0万円程度 280万円~444万円程度
病院(非常勤) 時給1200円~1800円程度 実働時間による

3-2.クリニック勤務の給料相場

クリニックでは、病院勤務と同様に患者さんの臨床検査(検体検査・生体検査)が主な業務です。給料相場の目安としては、月収では「18.0万円~45.0万円程度」、年収では「330万円~382万円程度」、非常勤では時給「1500円~2200円程度」が目安です。

施設によって異なりますが、病院と比較するとクリニックの給料相場の方が、やや高い傾向にあります。

給与目安 年収
クリニック(正社員) 月額18.0万円~45.0万円程度 330万円~382万円 程度
クリニック(非常勤) 時給1500円~2200円程度 実働時間による
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3-3.企業の給料相場

企業に勤める臨床検査技師は、勤務先によって業務内容が異なります。医療機器メーカーや製薬会社ではラボでの臨床検査や病院から委託を受けて行う臨床検査などがあり、なかには企業巡回健診で集まった社員の検査を全面的に請け負うこともあります。

給料相場の目安としては、月収では「18.0万円~23.0万円程度」、年収では「271万円~446万円程度」、非常勤では時給「1400円~2200円程度」。需要の高い関連資格や経験などがある場合は、高収入を目指すことも可能です。

給与 年収
企業(正社員) 月額18.0万円~23.0万円程度 271万円~446万円程度
企業(非常勤) 時給1400円~2200円程度 実働時間による

参照:マイナビコメディカル

なお、上記で示した職場別の給与はあくまで目安です。同じ業種であっても、月収や年収に幅があるものも多く見られます。これは、「給与は、経験・能力等を考慮したうえで、決定します」として、それぞれの状況に応じて変動するためです。また、案件によっては「当直・オンコールなし」「シフト制」と明記されているものもあれば、明記されていないものもあります。勤務形態についても十分に確認したうえで収入を比較することが大切です。

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他の医療・介護職との比較

続いて、臨床検査技師の年収を他の医療・介護職と比較してみましょう。同じく「令和5年賃金構造基本統計調査」をもとに算出し、年収の高い順に並べました。

職種 平均年収 平均年齢
医師 1436万4700円 46.1歳
薬剤師 577万8700円 40.3歳
助産師 566万9500円 40.5歳
診療放射線技師 536万9700円 41.1歳
臨床検査技師 508万4900円 41.3歳
看護師 508万1700円 41.9歳
保健師 451万500円 38.6歳
理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,視能訓練士 432万5200円 35.6歳
介護支援専門員(ケアマネジャー) 421万6200円 52.3歳
准看護師 407万1100円 51.2歳
栄養士 390万1700円 38.3歳
介護職員(医療・福祉施設等) 371万3800円 44.4歳

※平均年収=「きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額」にて算出

参考:令和5年賃金構造基本統計調査(職種)第1表|e-Stat総務統計局 

臨床検査技師の平均年収は、看護師とおおよそ同等な年収であり、その他の医療職種や介護職と比較しても高い傾向にあることがわかります。こちらもあくまで、全体平均での結果であり、目安として参考にしてください。

臨床検査技師として給料を上げるには?

平均年収はあくまで目安ですが、自身の年収が平均よりも低い場合には、収入を増やせる可能性があります。働き方によっても異なりますが、臨床検査技師が給料を上げるためにできることを3つ紹介します。

5-1 .新たな資格を取得して専門性を高める

臨床検査技師として専門性を高めることで、資格取得手当などの収入アップが期待できます。手当の金額は施設によって異なりますが、多くの場合、上級資格を取得するほど手当が増える傾向にあります。将来的に管理職を目指したいなら、一級臨床検査士の取得を目指すとよいでしょう。

臨床検査技師の関連認定資格の例としては、主に以下の10資格が挙げられます。

●一級臨床検査士
●二級臨床検査士
●緊急臨床検査士
●細胞検査士
●超音波検査士
●認定血液検査技師
●認定輸血検査技師
●認定臨床微生物検査技師
●認定一般検査技師
●CRC(治験コーディネーター)

転職を希望する際も、専門性の高い資格があれば有利です。たとえば、超音波検査士は、検診センターや医療機器メーカーへの就職に、細胞検査士はがん細胞の細胞診や遺伝子検査を行う施設への転職において有利になるでしょう。

5-2.管理職に就く

管理職を目指して、手当による収入アップを目指す方法もあります。先に紹介した資格取得を足掛かりに、キャリアアップを目指してみましょう。主任や検査室長など、職場内の役職を確認したうえで、ステップアップに取り組むことが大切です。
今の職場のままではキャリアアップが難しい場合には、転職を検討するのも一案です。ただし、中途採用において管理職の求人数はそれほど多くありません。一度管理職を経験すると転職にも有利になるため、まずは現在働いている施設の管理職を目指してみましょう。

5-3.規模の大きい施設への転職を検討する

臨床検査技師の年収は、従業員が多い大規模施設ほど、年収が高い傾向にあります。大規模施設は患者数が多く、おそらく担当する検査数も増える可能性が高まりますが、その分収入に反映されるのかもしれません。臨床検査技師として収入を上げたい場合は、大規模施設への転職を検討するのも1つの方法です。

従業員数 臨床検査技師の平均年収(男女計)(万円)
1,000人以上 555万7000円
100~999人 466万8100円
10~99人 441万3000円

※平均年収=「きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額」にて算出

参考:令和5年賃金構造基本統計調査(職種)第1表|e-Stat総務統計局

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記事の監修者

監修/小池 雅美(こいけ・まさみ)

医師。こいけ診療所院長。1994年、東海大学医学部卒業。日本医学放射線学会・放射線診断専門医・検診マンモグラフィ読影認定医・漢方専門医。放射線の読影を元にした望診術および漢方を中心に、栄養、食事の指導を重視した診療を行っている。女性特有の疾患や小児・児童に対する具体的な実践方法をアドバイスし、多くの医療関係者や患者さんから人気を集めている。

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