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医師に資産形成が必要な理由は?始めるタイミング・方法の一例・心掛けたいポイントを解説

医師は、一般的に高収入とされる職業ですが、昨今の少子高齢化や医療費削減の影響により、将来的に収入が減少する可能性はゼロではありません。そうした中、検討したいのが資産形成です。本記事では、資産形成に興味を持つ医師に向けて、資産形成が必要な理由や方法、始めるタイミング、心掛けたいポイントなどについて解説します。

こんな方におすすめの記事です!

  • 医師が資産形成に取り組むべき理由や背景を整理したい
  • 将来の収入変動や独立開業に備えた準備を始めたい
  • 長期的な視点で安定した資産運用を行うためのポイントを把握したい

目次

医師に資産形成が必要な理由

資産形成とは、貯蓄や投資などにより、将来を見据えて資産を増やすことを指します。子どもの教育費や老後の生活への備え、独立開業、留学費用の確保など、個々の目的を沿って資産形成を考えることが大切です。

とはいえ、医師は、一般的には高収入とされており、生活資金にも余裕があるかもしれません。その一方で、なぜ資産形成が必要なのでしょうか。その理由を解説します。

怪我や病気を理由に働けなくなった場合の生活資金として

医師の働き方改革が進んでいるものの、人手不足による長時間労働や、多忙な労働環境になるケースも少なくありません。ハードな働き方をしているうちに体調を崩してしまうことも考えられます。場合によっては、休職や退職が必要になり、予定していた収入が得られなくなることもあるでしょう。資金形成をしておくことで、そうした状況への対処となり、金銭的な不安が軽減されます。

特に、自身で独立開業している場合、体調不良による休業は収入ゼロを意味します。しかも、休業期間中も賃貸料やレンタル料などの固定費は発生するため、支出が続きます。

そうしたリスクを軽減するためにも、資産形成が有効です。例えば、「休業中でも、毎月一定額の不動産収入がある」というだけでも負担が軽減される可能性があります。運営資金や、経営不振に陥った場合の保険としても資金形成を考えておくと良いでしょう。

今後、収入が減少する可能性に備える

将来的に、医療費削減を目的とした診療報酬の減少や、医療機関の人件費削減などが実施されることも考えられます。その影響を受けて、今後は医師の収入が下がる可能性もあります。

現時点では、あくまで予想の範囲ですが「今後も医師の収入は下がらない」とは言い切れないでしょう。安定した収入があるうちに資産形成をすることで、将来の備えになります。

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転職や転科などによって収入が変動するリスクに備える

スキルアップを目的とした転職や、転科による研修期間などで収入が下がることもあります。留学や大学院進学を希望すれば、収入が減るだけでなく、学費がかかることもあるでしょう。そうした状況を見越したとき、生活資金を確保するための備えとして資金形成は役立ちます。経済的な理由で転職や転科、留学等を諦めることにならないように、事前の備えとして資金形成を考えてみましょう。

資産形成によるリターンが大きくなりやすい

厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、2024年度における医師の平均年収は約1,338万円でした。一方、国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」では、1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与は460万円です。

調査年度が異なるため、厳密には比較できないものの、参考として見ても大きな差があることがわかります。

平均的に見ても医師は高収入であり、比較して、余力資金が生まれやすい傾向にあります。貯蓄や投資などへのハードルも低く、早期に始めれば、大きなリターンも期待できます。

節税効果を期待できる

高収入ほど、所得税と住民税の税率も高く設定されています。そこで、節税を踏まえた資金形成を考えるのも一案です。方法によって異なりますが、後述するiDeCoやNISAなどに取り組むことで支払う税金額を減らしながら資産を増やせるのが大きなメリットです。確定申告などの手続きが必要ですが、自身が努力して得た収入だからこそ、将来に活かせるよう資産形成で有効に活用しましょう。

医師が資産形成を始めるタイミング

続けて、医師が資産形成を始めるタイミングを解説します。

自身の仕事が安定し、経済的に余裕ができたとき

資金形成は、安定した仕事と収入を得ているときに始めるのがおすすめです。経済的に余裕があるときにスタートすれば、無理なく続けることができるでしょう。

逆に、研修医期間や、転職して間もない期間で無理に資産形成をすると、かえって日常生活に支障が出る可能性があります。資産形成は余力資金で行うのが理想で、生活費まで使ってしまうと生活に支障が出てしまいます。まずは、ある程度の余力資金を貯蓄し、直近のライフイベントに必要な金額を確保したうえで資産形成を始めると良いでしょう。

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将来的な転職や独立開業を考えたとき

資金形成を始める際、目的を明確にしておくことが大切です。転職や独立開業などを想定し、どの程度の資金があれば良いのかを考えてみましょう。できれば転職や開業の前に資産形成を進めておくと安心です。転職後・開業後であっても、収入の使い方や貯蓄方法などを見直す機会として資産形成は役立ちます。

資産形成を始めるステップ

続いて、資産形成を始めるためのステップを確認しておきましょう。

【ステップ1】自身の保有する資産の全体像を把握する

まずは、現時点で自身が持つ資産を可視化してみましょう。現金や預貯金、有価証券、不動産など、自身の資産の棚卸しを行います。ローンなどの負債がある場合には、それらも忘れずに計上します。

今ある資産の全体像を見てみると、必要な資金の目安が見えてきます。「現状の資産額で問題なく将来を過ごせるのか」「足りない場合には、どの程度の金額(資産)が必要なのか」を考えてみましょう。

【ステップ2】ライフプラン・マネープランを立てる

「ライフプラン」とは、自身の目的や希望に沿った人生を送るために計画を立てることを意味します。さらに、そのライフプランにそって必要な資金の計画を立てるのが「マネープラン」です。住宅や車の購入、結婚・出産、子育てなど、人生には大きな支出が伴うイベントが発生します。

例えば「35歳でマイホームを建てるために、34歳までに◯千万円の資金を確保する」など、具体的な目標を立てるのが、資産形成の第一歩です。人生の目標を決めるのは難しいと感じるかもしれませんが、目安として目標を立てると良いでしょう。

細かい設定が難しい場合には、「人生の三大支出」といわれる住宅資金・教育費・老後資金を軸に考えてみましょう。細かな金額がわからないときは、最大値を見積もって記載しておくと、目標がわかりやすくなります。期限と資金額を踏まえた目的意識を持つことで、的確な資産形成に取り組めるようになります。

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【ステップ3】資金形成の方法を検討する

目標を定めたら、資産形成の方法を検討します。資金形成といっても、一般的な貯蓄の他、不動産や株、有価証券、金融商品の運用など、さまざまな方法があります。すぐに取り組めるのは、金融機関での貯蓄ですが、利率が低い昨今においては、貯蓄した以上の利益を上げるのは難しいでしょう。より効果的な運用方法を考える場合、外貨貯金や投資などを検討するのも一案です。その際には、節税効果や、リスク・リターンなども考慮する必要があるため、運用先は慎重に検討しましょう。

資産形成の方法

資産形成の代表的な方法として、いくつかの例を紹介します。

iDeCo(イデコ/確定拠出年金)

iDeCoは、任意で加入できる私的年金制度で、自身で毎月の掛金額を決めて運用します。毎月の掛金は所得控除の対象となるため、節税に役立ちます。

例えば、年収1,500万円の医師(企業型年金に加入していない勤務医)が毎月23,000円(年間27万6,000円(上限))の掛金を設定した場合、所得税・住民税を合わせて約9万円の節税になる計算です。

また、単なる積立貯金とは違い、利息や配当などによって資金が増えることもあります。この場合の運用益にも税金はかかりません。ただし、受け取ることができるのは、原則60歳以降で、退職所得として受け取る際には税金が発生する点に注意が必要です。

NISA(ニーサ/少額投資非課税制度)

NISAとは、少ない額で投資がスタートでき、その利益に税金がかからない仕組みを持つ資金運用方法です。

通常、株などを運用して得た利益や配当金には、約20%の税金がかかります。一方で、NISA口座を使って得た利益は、非課税(税金が0%)になるため、節税できるのが大きなメリットです。

一年間に投資できる金額の上限は360万円と決まっていますが、長期的に続ければ、投資額を増やすことも可能で、その運用益は最大で1,800万円までは非課税です。毎月、数千円から数万円という少額から始められるので、ハードルが低く、長期的な資産形成の方法として広く活用されています。

不動産投資

ワンルームマンションやアパートなどの不動産を購入し、家賃収入や売却などによって利益を見込むのが不動産投資です。維持費はかかりますが、安定収入が見込めます。加えて、管理は専門業者に任せることもできるため、実働の負担も少なめです。

また、不動産による「会計上の赤字」となっても、節税対策になります。簡単な例として、「本業の所得:1,500万円・不動産所得:−500万円」の場合だと、所得は1,000万円となり、所得税・住民税が軽減されます。

なお、ここで指す「会計上の赤字」とは、実際に現金が出ていく赤字(キャッシュアウト)ではなく、減価償却などの会計処理によって帳簿上の利益がマイナスになる状態です。たとえば、建物の価値を年々減少させる「減価償却費」は、実際にお金を使わなくても経費として計上できるため、不動産所得が赤字になることがあります。こうした仕組みにより、本業の所得と合算して課税所得を減らすことができ、節税につながります。

投資信託

証券会社や投資信託(ファンド)などを利用し、投資のプロにお金を預けて資産形成をサポートしてもらう方法です。運用は専門家に任せることができるため、「投資先がわからない」「知識がない」などのような、資産形成の初心者でも始めやすい方法といえます。利用する証券会社やファンドによって、下限の額が異なりますが、比較的少額からでもスタートできるところが増えています。

個人による株式投資

企業が発行する株式を自身で購入し、運用するのが株式投資です。株価が安いときに購入し、値上がったタイミングで売ることで、その差額が利益となります。

株式投資を始めるには、自身の証券口座を開設し、投資したい銘柄(企業の株式)を選んで取引を開始します。株式を長期的に保有して、配当金や株主優待などを得ることも可能です。

ただし、株価が大きく変動する場合もあり、リスクが高くなることもあります。

資産形成で心掛けておきたいポイント

資産形成で心掛けておきたいポイントを解説します。

目的を明確にする

「いつ(何歳)までに、いくらの資産を貯めたいのか」を具体的に決めておきましょう。目的に合わせた資産形成方法を選べるようになり、リスクの高い方法を避けられます。また、明確な目的意識を持つことで、一時的な損得勘定や、周囲の情報に流されずに運用できるようになるでしょう。

長期間での運用を心掛ける

短期間で、大きな資産を形成できる可能性がある資産形成の方法もあります。しかし、その多くはハイリスク・ハイリターンです。かえって損失を出すリスクもあり、短期運用にはある程度の知識や継続的な管理が必要です。長期的に取り組む方が、金銭面・精神面ともに余裕が持てます。

常に情報収集を行う

資産形成は、自己責任で取り組むものですが、専門家や金融機関の意見を参考にしつつ、鵜呑みにせずに自身でも情報を集める姿勢が大切です。インターネットやSNS上には、さまざまな情報があり、信頼性を見極めなければいけません。情報の根拠となるデータなどが示されているのかチェックしましょう。また、複数の情報源でリサーチし、偏りのない視点を持つことが正しい判断につながります。

リスクを分散する

資産形成には、思ったよりも利益が出ない、かえってマイナスになってしまうといった可能性もあります。そこで考えておきたいのが、分散投資です。例えば、会社が異なる複数の株式を運用したり、1つの金融商品に全額を投資するのではなく分散したりすることで、リスクの軽減につながります。また、自身の保有する資産そのものを、預貯金・不動産・有価証券のように分散させるのも良いでしょう。

医師こそ早期からの資産形成に取り組もう

医師は高収入だからこそ、資産形成に早期から取り組むことで、長期的に見て大きなリターンが得やすくなっています。ライフプランの実現や開業準備にも、資産形成は有効です。まずは余裕資金を確保し、自分に合う方法で始めてみましょう。

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記事の監修者

小池 雅美(こいけ・まさみ)

小池 雅美(こいけ・まさみ)

医師。こいけ診療所院長。1994年、東海大学医学部卒業。日本医学放射線学会・放射線診断専門医・検診マンモグラフィ読影認定医・漢方専門医。放射線の読影を元にした望診術および漢方を中心に、栄養、食事の指導を重視した診療を行っている。女性特有の疾患や小児・児童に対する具体的な実践方法をアドバイスし、多くの医療関係者や患者さんから人気を集めている。

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