医師としての自分の市場価値は? 年収は適正か?|医師の現場と働き方

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医師としての自分の市場価値は? 年収は適正か?

医師は高給なイメージのある職業です。ですが、「勤務医の就労実態と意識に関する調査」(独立行政法人労働政策研究・研修機構、2012年)を参照すると「年収2,000万円以上」の勤務医もいれば、「年収300万円未満」の勤務医もいるなど、個人によって差が大きいことも事実です。医師としての市場価値や年収はどのような要素によって決まるのでしょうか?

<この記事のまとめ>

  • 医師の市場価値を決定づける代表的な要素は、①手技やスキル②経験③診療科目④地域⑤働き方の5つ。
  • 医師の市場価値は年収水準に比例する。
  • 自分の市場価値を知りたい場合は、転職エージェントに相談するのが近道。

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1.医師の市場価値を左右するものとは?

医師の転職市場は活況となっています。その中で、好条件で転職を叶える医師は、現在市場価値が高い存在であるとも言えます。果たして、医師の市場価値にはどのような要素が影響しているのでしょうか。

①手技やスキル

医師の市場価値を左右する代表的な要素が、手技やスキルです。基本的に医師の世界は、「できることを頼まれる」世界です。日々患者さんの命に関わる診療を行うため、自信のない診療や業務を無理やり担当させられることはまずありません。

そのため、手技が秀でた医師やスキルの高い医師は仕事をどんどん任されることになります。そして、こなした仕事の量が多ければ多いほど出世や昇給がしやすくなります。同じ診療科の医師でも、手技やスキルの高い医師ほど重宝され、転職の際に高額をオファーされる機会が多くなります。

②経験

経験とは、どれだけ多くの症例を診療してきたかを指します。診療した症例数の多い医師は、現職でベテラン医師として重宝されるだけでなく、昇給をしたり重要なポストを任されたりします。また転職時には即戦力として高給与を提示されるほか、40歳前後で経験を多く積んだ医師は役職付きのポストに転職することも可能など、収入や出世に影響する大事な要素となります。

当然ですが、臨床経験の浅い医師ではなかなか経験数を増やすことができません。ベテラン医師ならではのPRポイントと言えるでしょう。

③診療科目

診療科目によっても医師の市場価値は変わります。一般的に、需要の高さに対して医師数が不足している診療科目ほど、市場価値が高くなります

必要医師数実態調査」(厚生労働省、2018年)では、現員医師数と必要医師数(求人医師数+非求人医師数)から割り出した求人倍率が算出されています。それによると調査対象となった全診療科で求人倍率が1.0以上となっていますから、いずれの診療科でも医師が不足している現状がわかります(平均は1.14)。

中でも飛び抜けて高水準だったのが、次に挙げる診療科です。

<需要が高く、かつ医師数が少ない診療科>
・リハビリ科(求人倍率:1.29)
・救急科(求人倍率:1.28)
・産科(求人倍率:1.24)
・呼吸器内科/腎臓内科/神経内科/心療内科/病理診断科(求人倍率:1.20)

※求人倍率は、{現員医師数+必要医師数(常勤・非常勤を含む求人医師数+非求人医師数)}÷現員医師数 で算出
(厚生労働省「必要医師数実態調査」、2018年より)

救急科や産科など、常に患者さんの生命管理が必要となり訴訟リスクの高い診療科目は求人倍率が高くなる傾向があります。またリハビリ科や腎臓内科、神経内科などは高齢化や生活習慣病の増加により近年需要が高まっている診療科目です。心療内科は現員医師数がそもそも少ないなか、メンタルヘルスへの関心の高まりによりニーズが増大していると考えられます。

なお、同調査の求人倍率では1.16という数字にとどまりましたが、小児科は常に需要が高い診療科目です。現員医師数自体は比較的多く、かつ少子化が進んでいるという背景がありながら需要が高いという特徴があります。同じく求人倍率が1.16の麻酔科医も、救急科や産科と同様に重宝される傾向があります。

④地域

現在、日本全国で慢性的な医師不足に陥っています。中でも、医師不足がとくに顕著な地域では医師の市場価値は当然高くなります。東京や大阪などの大都市圏は医師数が比較的多いと言えますが、医師不足が深刻な地方都市における医師の市場価値は非常に高くなります。中には病院の運営を継続させるために高額の報酬を提示して医師を集める医療機関もあります

今すぐにでも収入を上げたいならば、勤務地域を変えるのが最も容易かもしれません。現在東京都内に勤務する医師ならば、公共交通機関で1~1.5時間程度で通勤可能な神奈川県、埼玉県、千葉県で求人を探すことをおすすめします。自宅から引っ越すことなく、好条件の求人が見つかる可能性があります。

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⑤働き方

働き方も医師の市場価値を左右する重要なポイントです。残業時間が長いほど手当てが増えるのはもちろんのこと、当直やオンコール業務の有無によっても変わります。当直やオンコールは、肉体的にハードな反面、高額な報酬が保証されているケースがあります。

また常勤か非常勤かという勤務形態によっても報酬水準は変わります。常勤医は週に4~5日程度、同じ医療機関で、医療機関が定めた勤務時間のすべてを勤務することとなります。

非常勤には、「定期非常勤」と「スポット」があります。定期非常勤は、固定の曜日や固定の週などに限定的かつ継続的に勤務します。スポットは「単発」の非常勤であり、半日~数日間程度限定で働く勤務形態です。非常勤は人手が不足している病院で常勤医が充足するまでの人員を求める雇用形態ですから、常勤よりも給与水準が高くなる傾向があります。特に急募の「スポット」求人は、緊急で人手を要する場合の募集であるため、破格な待遇が提示されることがあり狙い目です。

ただし、非常勤医は福利厚生を受けられない点や自ら社会保険に加入する必要がある点は注意が必要です(医療機関や勤務時間によっては、非常勤でも勤務先の社会保険が適用となる場合もあります)。

2.医師の市場価値と年収は比例する?

一般的に、医師の市場価値と年収水準は比例します。前項で紹介した5つの要素における、市場価値が高い=年収が高い医師の傾向を見てみますと、下記の通りです。

<医師の年収が上がる要素>
①手技やスキル:手技やスキルが高度なほど年収が上がる
②経験:経験した症例数が多いほど年収が上がる
③診療科目:求人倍率の高い診療科ほど年収が上がる
④地域:医師不足が顕著な地域ほど年収が上がる
⑤働き方:残業や当直、オンコールがある医師ほど年収が上がる

現実には、5つの要素が複合的に作用して年収水準に反映されます。「複合的に作用する」とはどういうことか、求人倍率の高い診療科のうち「救急科」と「リハビリ科」を例に考えてみます。

「救急科」の場合、当直やオンコールの多い診療科目のため、⑤働き方の要素によりさらに高額な年収を得る要素がひとつ増えます。そのうえ卓越した手技を持つ場合、症例数が豊富な場合、医師不足の地域で勤務する場合などの条件が重なるごとに年収が上がる要因が増えていきます。

一方、求人倍率の高い「リハビリ科」であっても、診療科の性質上日勤がメインとなり当直やオンコールのない医療機関もあります。当直やオンコールがなければ年収が上がる要素がひとつ少なくなります。さらに、通勤に便利な首都圏で勤務する場合、さらに臨床経験の浅い医師の場合……などは年収が上がる要素がさらに少なくなることとなります。

収入のことを第一に考えるならば、上記の要素を組み合わせて年収水準を上げていくこと自体は可能です。ただ、高額の収入にはそれなりの理由があります。たとえば、当直やオンコールが続けば、肉体的・精神的に非常にハードな勤務環境下に置かれることとなります。あるいは、医師不足の地域での勤務は人員が不足しているために休暇が取得しにくいといった状況や、ミスマッチが起きてもすぐには辞めにくいという状況に陥る可能性も考えられます。

医師のキャリアにおいて収入は重要な要素ですが、転職を考えた際には収入以外の要素にも目を向けることをおすすめします。自身に合ったワークライフバランスや将来的なキャリアプランや考慮して、勤務先を選択することが満足度の高い転職につながります。

3.自分の市場価値を知る方法

以上見てきたように、医師一人ひとりの年収は複合的な要素で決まります。しかし、自分の市場価値や年収が適正かどうかを、どうすれば知ることができるのでしょうか?

一番簡単な方法は、医師の転職エージェントに相談することです。エージェントには、現在の自分の勤務環境などを伝え、似たような環境の医療機関でどの程度の報酬が支払われているのかを聞くことができます。他の医療機関の年収水準と比較してあまりにも低いようであれば、現状の年収が適正でないと判断することができます。

もしも適正な年収水準ではなく早急に年収を上げたい場合、転職をすることをおすすめします。繰り返しになりますが、全国的な医師不足により売り手市場となっているため、特別な条件にこだわりがないかぎり、適正な年収水準を得られる医療機関への内定はさほど難しくないと言えるでしょう。

転職エージェントに相談をすれば、どの程度まで年収水準を上げることができるのかを教えてもらえるだけでなく、希望に合った求人をリストアップしてもらうことができます。面接のスケジュール調整や待遇面の交渉などもまかせることができるため、仕事に支障なく転職活動を進めることができます。

文:太田卓志(麻酔科医)

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