40代から医師を目指せる?医学部に合格するポイントも紹介|医師転職ナレッジ

40代から医師を目指せる?医学部に合格するポイントも紹介

医師免許の取得には年齢制限はなく、40代から目指すことも可能です。医師は生涯働き続けられる職業ですが、40代からのスタートとなれば、それなりに大変な点もあります。その後のキャリアも考えると、できるだけスムーズに医師免許の取得を目指す必要があるでしょう。今回は、40代で医師を目指す人に向けて、その大変さややりがい、医学部に合格するポイントについても解説します。

〈この記事のまとめ〉

  • 医学部の受験や医師免許の国家試験には、年齢制限はなく、40代から目指すことができる。
  • 受験勉強の負担や経済的な負荷、体力面の衰えは考慮する必要がある。
  • 一次試験で高い点数を取ることを目指し、一次試験の割合が大きくなりやすい国公立大学を志望するのがおすすめ。

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1.40代から医師を目指すことは可能か

医学部の受験や医師免許の国家試験には、年齢制限はなく、40代から目指すことができます。では、実際に40代で医学部に合格する人はどのくらいいるのでしょうか。

独立行政法人大学改革支援・学位授与機構の資料「2023年大学基本情報」によると、国公立の医学部を受験した40代の合格者数は以下の通りでした。

 

大学名 40~44歳(人) 45~49歳(人)
山形大学 1 0
新潟大学 1 1
富山大学 1 0
名古屋市立大学 1 0
和歌山県立医科大学 1 0
岡山大学 1 0
大分大学 0 2
合計 6 3

大学改革支援・学位授与機構「大学基本情報」を加工して作成

上記は国公立大学のみで、私立大学の結果は含まれません。私立大学の合格者を含むと、さらに増える可能性があります。

2.40代で医学部を受験する大変さや難しさとは

40代で医学部に合格し、医師免許の取得は可能ですが、現役生と比べると大変な面もあります。そもそも年代に関係なく、医学部入学自体の難易度が高いのも事実です。続いて40代で医学部を受験する際の大変さや難しさについて、その理由を見てみましょう。

2-1.現役受験生と比べて負担が大きい

40代になるまで社会人として働き、その間、受験勉強から遠のいていた方もいるかもしれません。受験にあわせて複数の科目を学び直したり、過去問に沿って受験勉強に取り組んだり、模試などで時間配分を意識したりするといった受験対策が必要ですが、現役受験生と比べて、負担を感じやすいかもしれません。

計算力や暗記力、集中力など、受験に必要なテクニックに反映される流動性知能は、一般的に18~25歳ほどでピークを迎え、その後は徐々に低下し、40代以降になると急激に低下するといわれています。個人差があるものの、現役の学生よりも学んだことの定着に時間がかかる可能性があります。

2-2.経済的な負荷が大きい

医者を目指すなら医学部6年間の学費だけでなく、家計が不安定にならないような資金を準備しておく必要があります。医師として初任給をもらうのは、医学部合格後から早くても6年後です。夜間の医学部はないため、仕事を続けるとしても日中の仕事は難しいでしょう。ライフステージに合わせて相応の経済的な準備を整える必要があります。

2-3.年齢による体力面での衰え

医学部への入学後は、一般科目の座学だけでなく、さまざまな研究や実習もあります。また、最短で医師免許を取得できても、新人医師として夜勤や当直を担当することになり、同期となる20代や30代と同じように働ける体力が求められます。研修医として学ぶ期間は、さまざまな診療科や施設をローテーションで勤務し、ハードな日々を送ることになるため、それに耐えられる気力と持久力、スタミナが必要です。年齢的に体力の衰えを感じる頃であり、過酷な環境で勉強や業務を行うことが負担になる可能性があります。

2-4.一人前の医師になる頃には50代になる

一人前の医師になるまでに、時間がかかることも理解しておく必要があります。仮に40歳で医学部に合格した場合、最短での医学部卒業は46歳。卒業時に医師免許を取得したとして、その後の初期研修2年を終えた時点で48歳です。さらに、専門医取得のためには3~5年が必要であり、全てを計画通りに進めても最短で50代になる見通しです。その頃には、より体力的な不安を生じる可能性もあります。また、医師は生涯現役とはいえ、勤務先によっては60歳定年になれば、臨床医として働ける期間は10年程度かもしれません。医学博士として研究に進みたい、開業を目指すといった目的がある場合は別として、臨床医としての活躍を目指す場合には、できるだけスムーズに経験を積めるようなキャリアプランを考える必要があります。

3.40代で医学部に合格するために意識したいポイント

40代で医者を目指し、その後のキャリアを考えるのであれば、できるだけ効率よく医学部に合格したいところです。40代が医学部に合格するためのポイントをまとめました。

3-1.一次試験で高い点数を取る

一次試験で良い結果を出すことが、医学部合格の最初のステップといえます。できるだけ一次試験の比重が大きい大学を選ぶのも一案です。予備校や参考書、ネットを通じた学習支援などを活用しながら、一次の学力試験で高い点数を取れるような学習計画を立てましょう。

3-2.志望校は国公立の大学を選ぶ

大学は、私立と国公立があり、それぞれ運営元が異なることから、採点や合格判定に少なからず違いが生じます。

私立大学は、寄付をはじめ、授業料や受験料などにより運営され、二次試験では小論文や面接に比重があり、採点者の主観が反映されやすいともいえます。二次試験の点数が合格判定に及ぼす割合が高くなる傾向があるため、年齢的な問題が影響する可能性は考えなくてはなりません。

一方、国公立大学は一次試験の比重が重く、主観が反映されにくい傾向にあるでしょう。
このような要因から、40代で医学部合格を目指す際は、志望校は国公立の大学を選ぶのがおすすめです。

3-3.志望校は40代の受験者の合格実績のある大学を選ぶ

国公立の大学を受験するとしても、過去に40代の合格実績がある大学を選ぶのがおすすめです。すでに40代の医学生を受け入れた実績があり、学習面においてもフォローしてもらえる可能性があります。先にも紹介しましたが、2023年時点で40代の医学部合格者があったのは、山形大学、新潟大学、富山大学、名古屋市立大学、和歌山県立医科大学、岡山大学、大分大学です。候補として検討してみましょう。

3-4.志望理由書や二次試験対策を十分に行う

40代で医学部合格を目指す人の割合は、現役受験生と比べると少ないといえるでしょう。そのため、「これまで積んできたキャリアを白紙にしてまで、医師を目指したい」という理由に関心を強く寄せる試験官も多く、現役受験生よりも深堀りして質問される可能性があります。

二次試験の面接対策として、自分が医師を目指す理由を明確にし、しっかりとアピールするための準備を行っておきましょう。現役学生とは異なり、「なぜ医師になりたいのか」ではなく、「なぜ医師にならねばならないのか」「なぜ医師である必要があるのか」が問われます。目指す目的や理由に加えて、自分の意志の強さや覚悟を伝えるようなアピールを考えることが大切です。加えて、医師を目指すにあたり家族の協力があるか、健康面に自信があるのかなども質問される可能性があります。自身を客観的にとらえ、面接官に納得してもらえる回答を用意しておきましょう。

3-5.医学部編入制度を利用する

一般受験を行う大学と比較すると数は限られますが、医学部への学士編入が可能です。ただし、年度ごとに編入を受け入れるか否かは変動するため、ホームページなどで事前に情報収集しておきましょう。

医学部編入のための試験は一般的に「4年制大学を卒業した人」「大学を卒業見込みの人」「学士の資格保有者」が対象です。一部の大学では、学士でなくとも受験が可能とされていますが、4年制大学や大学院を卒業している場合は、チャレンジする価値はあるでしょう。編入試験に合格すれば医学部の2年次または3年次へ編入できるため、医師を目指す近道となります。

編入試験では、多くの大学で「生命科学」と「英語」の2科目がほぼ必須とされていますが、一般入試と比べて受験科目数が少ない傾向にあります。そのため、効率よく受験勉強しやすいのも魅力です。しかし、募集人数は少なく、ある程度の高得点を取る必要があります。

4.40代で医師になるために、備えておきたいこと

40代で医師を目指すなら、覚悟をもって取り組む必要があります。これまでのキャリアが白紙になる可能性もあり、医師として新たな人生を歩むための準備が必要です。事前に備えておきたい3つのことを紹介します。

4-1.家族の理解と協力を得る

40代と現役学生の大きな違いは、その立場にあります。家族や子どもがいる場合には、生活環境が大きく変わる可能性があるため、経済面の準備に加え、理解を得ておく必要があるでしょう。また、高齢になった両親の介護が始まりやすい年代です。医学部に合格できても、場合によっては、介護のために高額な費用が必要になったり、授業に出席しづらい状況になったりするかもしれません。医者を目指すことに家族の同意が得られていない場合には、家庭内トラブルに発展する可能性があります。事前にしっかりと家族と話し合い、どのような状況になっても対応できるか、シミュレーションしておく必要があるでしょう。

4-2.体力をつけておく

医学生として学ぶ期間も、医師として働き始めるときも、懸念されるのが体力面かもしれません。ハードな環境のなかで、実力を発揮するためには、ある程度の体力が必要です。40代は生活習慣病も発症しやすい年代であり、現役学生と比べて、どうしても健康面で不安が生じやすい傾向にあります。試験時の一夜漬けも体力的に厳しいでしょう。ハードなスケジュールをこなした翌日も、きちんと朝起きて、仕事に向かえるようなスタミナをつける健康管理を行ってみましょう。すでに持病があれば悪化予防につとめることも大切です。

4-3.医師になった後も踏まえた経済的な余裕をもつ

医学部生としての学費や生活費の備えだけでなく、医師免許取得後の生活費を考慮しておくことをおすすめします。医師は一般給与所得者よりも高収入を得やすい仕事ですが、免許取得後すぐから年収1000万以上になることはほとんどありません。また、働き方によっては、思ったよりも高収入を得られない可能性もあります。もし、奨学金を利用していれば返済も負担となります。もし、留年してしまえば、その分の学費や生活費が余分に必要です。子育て中の40代であれば、子どもの教育費も背負うことになります。医者になった後もある程度、経済的に余裕がある状況を作っておくと安心です。

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5.覚悟をもって医師を目指そう

社会人を経験してから医師となった人は「回り道医師」と呼ばれることもあります。現役学生と比べると、確かに回り道をしているかもしれません。しかし、その分、豊富な人生経験があり、患者さんに寄り添える医師として活躍を期待されるでしょう。そのためにも、まずは医学部合格を目指す必要があります。医師になってからも、どのようなキャリアプランを描くかで、取得すべきスキルや技術が異なります。キャリアプランを明確にし、覚悟をもって医師免許取得を目指しましょう。

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記事の監修者

監修/小池 雅美(こいけ・まさみ)

医師。こいけ診療所院長。1994年、東海大学医学部卒業。日本医学放射線学会・放射線診断専門医・検診マンモグラフィ読影認定医・漢方専門医。放射線の読影を元にした望診術および漢方を中心に、栄養、食事の指導を重視した診療を行っている。女性特有の疾患や小児・児童に対する具体的な実践方法をアドバイスし、多くの医療関係者や患者さんから人気を集めている。

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