週3日の常勤医勤務は可能? 常勤・非常勤で働くメリット・デメリットも紹介|医師の現場と働き方

週3日の常勤医勤務は可能? 常勤・非常勤で働くメリット・デメリットも紹介

医師の働き方にもさまざまな選択肢があり、フレキシブルな勤務形態を認める医療機関も増えてきました。ワーク・ライフ・バランスを取ったり、非常勤アルバイトと組み合わせたりするために、週3日の常勤勤務医を希望する医師も少なくありませんが、週3日の常勤勤務医は現実的に可能なのでしょうか。

本記事では週3日の常勤勤務医を希望している方のために、週3日で常勤が可能かどうかや、常勤医師の32時間ルールの概要、週3日の常勤で働くメリット・デメリット、週3日の非常勤で働くメリット・デメリットなどをご紹介します。医師の働き方が多様化する今、ご自身に合った働き方を見直すことも大切です。自分らしい働き方を実現するために、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

〈本記事のまとめ〉

  • 週3日の常勤勤務は法的に可能だが、週4〜5日の常勤に比べると求人数は少ない
  • 週3日の常勤で働けば福利厚生や収入の安定などのメリットはあるが、非常勤ほどの自由がないというデメリットもある
  • 医師の働き方はますます多様化してくと考えられるので、目指すキャリアやライフプランを元に自分に合った働き方を考えることが大切

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1. そもそも週3日で常勤は可能なの?

法的にいえば、医師の週3日での常勤勤務は可能です。

しかし実際には週3日のみの勤務を常勤としている医療機関はそれほど多くなく、週3日の勤務で常勤を希望したとしても、雇用先を見つけるのは難しいかもしれません。一方で、週4日の勤務で常勤として受け入れている医療機関は増えている傾向にあります。

ただし医療機関によっては柔軟な働き方を認めているところもあるので、週3日の常勤勤務を希望する場合は、一度相談してみると良いでしょう。特に交通アクセスが良好でない立地にある医療機関のように医師の確保が難しい医療機関の場合は、週3日での常勤を受け入れてくれるかもしれません。また産科や婦人科など女性医師のニーズが高い診療科の場合、出産・育児での女性医師の離職防止を防ぐために、週3日での常勤を受け入れているケースもあります。

こちらのページでは、週4日以下の常勤勤務の求人を紹介しており、中には週3日〜の求人もあるのでぜひ参考にしてみてください。

2. 常勤医師の32時間ルールとは?

常勤医の求人票で「32時間以上から応相談」といった文言を見たことがある方は多いのではないでしょうか。

32時間から相談となっているケースが散見されるのは、「常勤医師の32時間ルール」が関係しています。これは厚生労働省が通知した「医療法第25条第1項の規定に基づく立入検査要綱」に基づいたルールです。「医療法第25条第1項の規定に基づく立入検査要綱」では、常勤医師の定義を以下のように定めています。

3.常勤医師の定義と長期休暇者等の取扱い
(1) 常勤医師とは、原則として病院で定めた医師の勤務時間の全てを勤務する者をいう。

ア 病院で定めた医師の勤務時間は、就業規則などで確認すること。
イ 通常の休暇、出張、外勤などがあっても、全てを勤務する医師に該当するのは当然である。

(2) 病院で定めた医師の1週間の勤務時間が、32時間未満の場合は、32時間以上勤務している医師を常勤医師とし、その他は非常勤医師として常勤換算する。

ただしここで定義されている常勤医師というのは、都道府県が立ち入り検査を実施する際に、常勤医師としてカウントできる医師のことです。実際に何をもって常勤医師とするかは、各医療機関の就業規則などによって定められるため、32時間未満の勤務だからといって常勤医師として働けないわけではありません。

参考:出典:厚生労働省「医療法第25条第1項の規定に基づく立入検査要綱」

3. 週4〜5の常勤の方が求人が多いのはなぜ?

週3日勤務でも常勤医として雇用することは可能であるにもかかわらず、なぜ週4〜5日勤務の求人が多いのでしょうか。

医療機関の立場で考えると、週3日勤務を希望する医師よりも、週4〜5日勤務してくれる医師を雇用した方が人手を効率的に確保しやすいことが、週4〜5日の常勤の求人が多い一因だと考えられます。また「週4日 × 8時間 = 32時間」になるため、「医療法第25条第1項の規定に基づく立入検査要綱」で示された常勤医師の定義を目安として、週4日以上を常勤医師として募集している医療機関も多いでしょう。

前述したように人手が確保しにくい条件の医療機関であれば、医療機関側にも週3日で常勤として雇用するメリットがあります。しかしある程度人手が確保しやすい医療機関であれば、週3日勤務の医師を常勤として雇用することへのメリットはそれほど得られないので、週4〜5日の常勤の方が求人が多くなっていると考えられます。

4. 週3日の常勤で働くメリット

では週3日の常勤で働くとどのようなメリットが得られるのでしょうか。6つのメリットをご紹介します。

4-1. 福利厚生が充実している

週3日の常勤で働くメリットのひとつは、福利厚生が充実していることです。

週3日勤務であっても常勤として認められれば正職員扱いとなるので、ほとんどの場合で福利厚生の対象になります。社会保険などへも加入できるため、ご自身で手続きを行う必要もありません。週4〜5日勤務の場合よりも社会保険料が下がることも、メリットといえるでしょう。

各医療機関が設けている福利厚生に家賃補助や学会への参加費補助、託児所の利用などがあれば、それらの恩恵も受けられます。

4-2. 安定したキャリアを築きやすい

安定したキャリアを築きやすいことも、週3日の常勤で働くメリットのひとつです。

原則として常勤医師の雇用契約は、期間が定められていません。そのため特段大きな問題がない限り、突然職を失ってしまう心配はなく、安定したキャリアを構築できます。

将来はフリーランスの医師として働きたいと思っている場合でも、常勤先を確保しておけば、キャリアが途絶えてしまう心配をする必要がありません。

4-3. 収入源が安定する

収入源が安定することも、週3日の非常勤として働くメリットです。

常勤の医師として雇用されれば、一定の収入を得られます。突然契約が打ち切りになったり減俸されたりする心配もないので、収入面での安心感は大きいでしょう。ボーナスや退職金も受け取れる可能性が高いです。

また常勤の場合は原則的に年俸になるため、祝日が多い月でも収入が安定しやすくなります。フリーランスの医師になった場合、複数の契約先があったとしても、祝日が多い月とそうでない月で収入に波が出てしまうでしょう。

4-4. 先輩の医師からサポートを受けられる

週3日の常勤として働けば、先輩の医師からサポートを受けることもできます。

勤務日数にかかわらず、常勤の医師として働くということは組織に属するということです。縦のつながりが生まれるため、治療方針の決定や技術向上、学会の発表や論文作成などのために、先輩の医師からさまざまなサポートが受けられるでしょう。医師として成長しやすい環境が整っているので、将来のキャリアアップもスムーズに進みやすいです。

後輩の医師も出てくる可能性があるため、ご自身が指導する立場に立たなければならない可能性もありますが、後輩を指導することはご自身のさらなる成長にもつながります。

4-5. 専門医を目指す場合は常勤が有利になる

専門医を目指す場合に有利になることも、週3の常勤として働くメリットです。

常勤で働けばある程度安定して症例数を確保できるため、専門医になるために必要な症例経験を確保しやすい傾向にあります。幅広い症例を経験しやすい上に、先輩の医師からのサポートも受けられるので、専門性を極めやすいでしょう。

また診療科によっては、常勤でなければ専門医の更新が難しいケースもあります。例えば麻酔科医の場合、専門医に登録した後も単一の医育機関で「専従」として麻酔科関連業務に従事することが専門医の更新条件です。専従は関連業務に週3日以上携わることと定義されるので、麻酔科の場合は常勤先がなければ、専門医の更新が難しくなってしまいます。現在このような条件がない診療科でも将来的に変更になる可能性はあるため、専門医を目指すのであれば更新の条件も確認しておきましょう。

4-6. 社会的信用が高まる

週3日の常勤として働けば、社会的信用も高まります。

医師に限ったことではありませんが、常勤先があるのとないのでは社会的信用が大きく変わってきます。例えば住宅ローンやマイカーローンを組みたい時や、新規でクレジットカードを作りたい時などは、常勤先がある方が格段に社会的信用が高く、審査も通りやすいです。

もちろん常勤でなくても、ローンを組んだりクレジットカードを新しく作ったりできないわけではありませんが、思わぬところで常勤先があり社会的信用が高いことのメリットを感じられることが多いはずです。

5. 週3日の常勤で働くデメリット

多くのメリットがある週3日の常勤医師ですが、デメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。以下では、ふたつのデメリットをご紹介します。

5-1. 非常勤に比べると自由がきかない

週3日の常勤で働くデメリットは、非常勤に比べて自由がききにくいことです。

出勤日が少ないとはいえ、常勤医である以上、非常勤の医師のように自由に出勤スケジュールを決めることは難しいです。担当している患者さんの容態が急変すれば、時間外でも対応しなければなりません。またオンコール対応などが発生する恐れもあるため、オフであっても完全に気を抜けない日もあります。

出勤日数を減らした割には身体的にも精神的にも拘束されている感が強く、ワーク・ライフ・バランスを取りにくいと感じるケースもあるようです。

5-2. 求人が少なく転職が難しい

求人が少なく転職が難しいことも、週3日の非常勤で働くデメリットといえるでしょう。

前述した通り、週3日の求人がまったくないわけではありませんが、週4〜5日の求人と比べるとそれほど求人数は多くありません。そのため、同じ条件で働ける転職先を見つけたいと思っても、なかなか見つからない可能性があります。

思うように転職先が見つからない場合は、非常勤やスポット求人で働くことを視野に入れるのもひとつの方法です。

6. 週3日の非常勤で働くメリット

週3日の常勤は求人が少ない傾向にありますが、非常勤であれば週3日で募集している求人は比較的見つけやすいです。週3日の非常勤で働くメリットについても見ていきましょう。

6-1. 家庭と仕事を両立しやすい

週3日の非常勤医師として働くメリットは、家庭と仕事を両立しやすいことです。

前述した通り勤務日数を減らしたとしても、常勤の場合はオンコール対応などで時間を拘束されてしまいますが、非常勤であればその心配はありません。時短勤務もできる上、勤務曜日も自由に決められます。結婚や出産といったライフステージへの変化に対応しやすく、ライフ・ワーク・バランスを重視しながら、自分に合ったペースで仕事ができるでしょう。

6-2. 幅広い症例を経験できる

幅広い症例を経験できることも、週3日の非常勤として働くメリットです。

非常勤で働けば、ご自身の専門領域ではない診療科で働くこともできるため、さまざまな症例を経験し、幅広い知識を身に付けられます。他の診療科で学んだことをご自身の専門領域でも活かすことで、スキルアップを目指すこともできるでしょう。実際にスキルアップを目的として、非常勤で働く選択をしている医師も少なくありません。

6-3. 人脈が広がる

週3日の非常勤として働けば、人脈を広げられるというメリットもあります。

非常勤の場合、さまざまな医療機関で働くことになるため、自然と人脈が広がっていきます。異なる環境で働く医師やその他の医療従事者と接することで、視野が広がっていく可能性も高いです。また実際に働いて医療機関ごとの労働環境や労働条件、人間関係などを知ることができるので、将来常勤先を探す場合は参考にすることもできるでしょう。

7. 週3日の非常勤で働くデメリット

週3日の非常勤で働く場合もデメリットはあります。ふたつのデメリットを把握しておきましょう。

7-1. 各種手当を受けられない

週3日の非常勤で働くと、各種手当が受けられない可能性が高いです。

常勤であれば住宅手当のような手当がある医療機関でも、非常勤は対象となっていないことが多いです。また福利厚生の恩恵が受けられない上、社会保険の手続きなどもご自身で行わなければなりません。ボーナスや退職金、有給休暇などがないことも、非常勤で働くデメリットといえるでしょう。

7-2. 雇用が安定しない

雇用が安定しないことも、週3日の非常勤で働くデメリットです。

非常勤の場合、雇用契約期間が決まっています。更新できる可能性もありますが、突然契約が打ち切られて職を失ってしまうかもしれません。更新自体はできたものの、報酬が下がってしまうという恐れもあるでしょう。

また祝日などで医療機関が休みの日が多ければその分収入も減ってしまうため、雇用はもちろん収入面での安定もしにくいです。

8. 今後の医師の働き方

医療機関側の受け入れ体制がかつてより柔軟になってきている今、医師の働き方はますます多様化しています。

これまでは週5日の常勤が一般的でしたが、今後は週3〜4日の常勤+非常勤1〜2日として働く医師やフリーランスの医師、医師と並行してまったく異なる仕事をする医師なども増えてくるはずです。求人内容も多様化しており、訪問診療や外来のみ、病棟管理のみといった求人も増えてきています。

今後も医師として活躍するためには、ご自身が医師としてどのようなキャリアを構築したいのか、仕事以外でどのようなライフプランがあるのかをしっかりと考え、常勤・非常勤だけにこだわるのではなく、ご自身に合う選択をしていくことが大切になっていくでしょう。

9. 週3日でも常勤は可能! 求人が少ないので非常勤・スポットも視野に入れよう

週3日でも常勤医師として働くことは可能ですが、ご紹介したように求人数は少ないため、非常勤やスポットも視野に入れて仕事探しをするのがおすすめです。20,000件以上の医療機関取引件数のある医師専門の転職支援サービス「マイナビDOCTOR」では、専門コンサルタントによる転職サポートが受けられるので、転職先探しにお困りの方はお気軽にご相談ください。

参考:マイナビDOCTOR「トップページ」

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