医師の現場と働き方「産業医」編|マイナビ【DOCTOR】

医師の現場と働き方

01「産業医」編

企業や工場を勤務先とし、従業員が健康かつ快適に仕事ができるように、専門的な立場から指導・助言を行う「産業医」。
生活サイクルが安定しており、求人ニーズも高い産業医の仕事内容や業界状況、働き方を紹介しましょう。

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働き方・転職動向

都内のオフィス系企業は狭き門、求人ニーズは郊外の工場が◎!

産業医の働き方は「専属」と「嘱託」に大別されます。「専属産業医」は、その名のとおり企業の専属として企業に属し、組織の一員として従業員の健康管理を行う産業医です。企業の業務時間帯で働くことになるため、オフィスワークであれば9~17時などを基本に勤務します。工場などの場合は早朝からの勤務になることもあります。
一方の「嘱託産業医」は企業と契約し職場巡視や面接などを行う産業医です。現在、産業医の多くは嘱託医であり、勤務医や開業医が従来の業務をこなしながら職務を担うことも少なくありません。
なお、産業医が必要となるのは労働者数50人以上の事業所であるため、専属の場合は東京、大阪、名古屋といった都市部での求人が多い傾向にあります。とはいえ、東京23区にあるオフィスワークの企業は、人気が高く狭き門です。郊外に立地する工場の方が、未経験でも採用されやすいケースが多くみられます。

産業医に適した診療科はとくに決まっていませんが、最近はメンタルヘルスを重視して精神科医を求める案件が増えています。また今後は、化粧品を扱う企業なら皮膚科医、アイケアに関する製品を扱う企業なら眼科医といった具合に、専門性を生かしたキャリア形成が広がっていく可能性もあります。

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産業医の平均年収

専属専門医、嘱託専門医の給与は?
専属産業医 年収1500万前後

専属産業医の年収の相場は、1500万円前後が相場。外来診療や職員の健康診断など、業務は多岐にわたりますが、その分収入に期待できます。勤務先によっては平均年収を大きく上回る年収に設定しているところもあり、統括産業医として活躍する事も可能です。

嘱託産業医 週1~2回 1回3万円前後

契約する企業の規模や業種で異なりますが、週1~2回の勤務で1回当たり3万円程度が相場。人数が多いほど収入はアップするものの、その分業務がハードになります。反面、嘱託には、自分の空き時間を利用して健康診断を実施できるなどのメリットもあります。

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産業医になるには

日本医師会か産業医科大学の研修を受けて資格を取得

産業医として働くには、医師免許のほかに労働安全衛生法で定めた要件をクリアしなくてはなりません。
産業医資格を取得するにはいくつかのパターンがありますが、日本医師会、または産業医科大学の研修を修了するのが一般的な方法となっています。

日本医師会

産業医学基礎研修を50単位以上修了するか、それと同等以上の研修を修了すると、日本医師会認定産業医の称号と認定書が付与されます。
有効期間は5年間。その後は産業医学生涯研修を受けて資格を更新することになります。

産業医科大学

毎年4月から約2カ月間にわたって産業医学基本講座を開催。講座は出身大学を問わず受講可能で、修了すると認定書が付与されます。また夏期にも、6日間で集中的に産業医学を学ぶ産業医学基礎研修会集中講座を開催しており、こちらも修了すると認定書が付与されます。

なお、「産業医学のプロ」としてのキャリアを積みたければ、産業医の資格に加えて、労働衛生コンサルタントや日本産業衛生学会認定の専門医資格を取得しておくのも手です。試験をクリアするのは容易ではありませんが、安全衛生改善計画の作成など、より踏み込んだ活動を行うことができるため、企業からの高い信頼を得ることにつながります。

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健康相談、保健指導からメンタルヘルスまで幅広く対応 仕事内容

厚生労働省の「労働安全衛生基本調査」(2010年)によると、産業医が関与しているおもな業務は、「健康診断関連の業務」「健康相談・保険指導の実施」「職場巡視」などとなっています。また近年は、生活習慣病の予防のための「健康教育」や、うつ病や自殺などの「メンタルヘルス」、過重労働に関する「健康問題」への関わりが重要視されており、2006年には産業医の「過重労働者面談」が義務化されました。たとえば、時間外労働が月100時間を超えて心身の疲労を申し出た従業員がいた場合、その従業員に対する面談も産業医の大切な業務となります。また、従業員の身体面、メンタル面に問題が生じた場合は、必要に応じて休職を命じ、回復したときは復職の可否を判断するのも産業医の役目です。
さらに2015年12月からは、労働安全衛生法の一部改正を受けてストレスチェック制度も義務化。産業医の業務のひとつになりました。

産業医が関与した業務の割合(複数回答可)
参照:
厚生労働省「平成22年労働安全衛生基本調査」
厚生労働省「第7回 産業医制度の在り方に関する検討会報告書」
メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場割合
2007年 33.6% (労働者健康状況調査報告)
2012年 47.2% (労働者健康状況調査報告)
2013年 60.7% (労働安全衛生調査(実態調査))

メンタルヘルス対策に取り組んでいる
事業場の割合目標

2017年 80%(第12次労働災害防止計画)

取り組みの具体的内容(2013年調査)
取り組んでない理由(2013年調査)
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有資格者約9万人に対し、選任が必要な事業所は約16万件 業界状況

日本医師会認定産業医の取得者は現在約9万人。日本の医師数がおよそ30万人であることを考えれば、3割が産業医の資格を持っていることになります。労働安全衛生法上、「従業員数が常時50人以上の事業所については、業種を問わず1人以上」「従業員数が常時3,001人以上の事業所については、2人以上」の産業医の選任が義務付けられていますが、全国で「労働者数50人以上」にあたる事業所は約16万4000となっており、産業医の求人ニーズは、非常に高いといえます。

産業医の選任義務
1~49人 50~999人 1000~2999人 3000人以上
産業医の選任義務別 医師等による健康管理等(努力義務) 産業医(嘱託可※) 産業医(専属) 2人以上の産業医
(専属)

※ただし、有害業務に500人以上の労働者を従事させる事業場においては、専属の産業医の選任が必要。

参照:
厚生労働省「第7回 産業医制度の在り方に関する検討会報告書」
産業医の選任義務がある事業場における産業医の選任状況
事業場規模 1000人以上 500~999人 50~499人 合計
事業場数 1,944 3,973 158,428 164,345
労働者数 3,774,310 2,752,037 18,154,574 24,680,921
産業医選任率 99.80% 98.70% 86.50% 87.00%
参照:
厚生労働省「平成22年労働安全衛生基本調査」
経済省統計局「平成26年経済センサス」(一部推計含む)
産業医資格の有資格者数
研修(日本医師会) 研修(産業医科大学) 産業医科大学卒業生
(産業医科大学)
平成24年度 1,662 901 94
平成25年度 1,687 630 92
平成26年度 1,691 1,017 98

・現在、産業医資格を有している医師は約9万人。
・年度ごとに新たに産業医の資格を取得した医師数の推移は上記のとおり。

参照:
厚生労働省「第7回 産業医制度の在り方に関する検討会報告書」
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