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米フィラデルフィア小児病院やペンシルベニア大学などの研究チームが、患者特有の遺伝子を改変する「オーダーメード(個別化)医療」によって重篤な遺伝病の乳児の治療に世界で初めて成功したそうです。チームはこの結果を医学誌New England Journal of Medicineに発表しました。
乳児は「カルバミルリン酸合成酵素(CPS1)欠損症」の患者で、遺伝子に異常があるために、アンモニアを尿素に代謝するのに必要な酵素「CPS1」を作ることができません。CPS1欠損症の患者は、血中のアンモニア濃度が異常に高くなり、診断された乳児の50%が早い段階で死に至るといいます。
この疾患は130万人に1人の割合で発症するとされ、改善には肝臓移植が必要です。しかし乳児の場合は、移植を受けるのに十分な大きさに成長する前に深刻な合併症につながる問題が発生することが多いそうです。
チームは、ゲノム編集技術CRISPRを用い、遺伝子の構成要素である塩基を編集する「脂質ナノ粒子」を開発。それを点滴で肝細胞に送達する治療を行いました。ナノ粒子は、乳児が生後7カ月と8カ月の時点で計2回投与され、重篤な有害事象は確認されなかったといいます。
アンモニアはアミノ酸を分解するときに生じるため、CPS1患者はアミノ酸で構成されるタンパク質の摂取を制限されます。しかし、治療開始から7週間後、乳児は食事からより多くのタンパク質を取れるようになりました。さらに、アンモニアを排出させる薬の量も当初の半分に減ったそうです。