医師のボーナスを【年代別・男女別】に徹底分析!|医師の現場と働き方

医師のボーナスを【年代別・男女別】に徹底分析!

令和初のボーナスシーズンが到来! いつもより大きな買い物をしたり、普段はできないような豪華な食事を楽しんだり、貯蓄を増やしたり……思い思いの使い道に心躍るのではないでしょうか。本稿では、医師のボーナス事情について年代別にリサーチし、ボーナス支給額をアップさせる方法について考えます。

<この記事のまとめ>
・医師は会社員と比較すると、「基本給が高く、ボーナスはそれほど高くない」特徴がある。
・医師のボーナスは、20代では低く、30代で格段に増加し、40代・50代は役職に就くと高額を得られる。
・ボーナスを増やすには、①勤続年数を長くする②実績や資格に応じてインセンティブを支給する医療機関に転職する、などの方法がある。

1.医師のボーナスの平均額

国内でボーナスは一般的に6月・12月の年2回、おおむね基本給の2~4カ月分に相当する金額が支給されるケースが大半です。これは多くの会社員の年収において大きな割合を占めており、もちろん医師の場合も同様です。

ただし、ボーナス支給額は年齢、役職、性別、勤務先の規模、勤続年数などの要素により大きく左右されます。例えば「平成30年賃金構造基本統計調査」によると、従業員1000人以上の大規模病院における医師のボーナス平均支給額(年間)は男性が約102万円(平均年齢37.5歳)、女性が約81万円(平均年齢34.3歳)です。一方、スタッフ99人以下の小規模病院では男性が約77万円(56.1歳)、女性が約49万円(44.2歳)となっています。

大企業の会社員や公務員であればこれ以上のボーナスを得ていることも多く、医師という仕事の難しさ、責任の重さと金額が見合っていないという声もあります。ただし、医師は毎月の基本給が高水準であるため、バランスを取った結果なのかもしれません。「基本給が高く、ボーナスはそれほど……」というのが医師の給与における特徴の一つです。

2.【年代別】医師のボーナス事情

一般的に、ボーナス支給額は勤続年数が増えるごと、役職が上がるごとに高くなる傾向にあります。医師の場合も同様なのでしょうか。年代別にボーナス事情を掘り下げていきます。「平成30年賃金構造基本統計調査」によると、大規模病院では下記のようなボーナス支給額(年間)の傾向がみられます。

■男女別・年齢別のボーナス額(従業員1000人以上の大規模病院)

年齢 年間賞与その他特別給与額(万円)
男性 女性
~19歳
20~24歳 1.6 4.4
25~29歳 28.9 29.2
30~34歳 60.5 70.9
35~39歳 125.2 126.3
40~44歳 155.8 100.3
45~49歳 205.2 188.5
50~54歳 238.8 175.8
55~59歳 221.1 275.7
60~64歳 154.8 70.7
65~69歳 250.2 217.5
70歳~ 62.9 201

※小数点第二位以下は四捨五入
(「平成30年賃金構造基本統計調査」をもとに作成)

2-1.20代医師のボーナス

最短で医学部を卒業して研修医となるのが25歳。そのうえ、若手医師は医局人事にともなって半年・1年単位で勤務先が変わることも多く、勤続期間がボーナス支給条件に満たないケースも少なくありません。そのため、ボーナス支給額は低い傾向にあります。20代医師の多くが勤務する大規模病院のボーナス支給額は平均して約30万円程度にとどまり、むしろ中規模病院のほうが高い傾向にあります。また、20代では産休・育休に入る女性医師が少ないため、男女差がさほどみられないことのも特徴だといえるでしょう。

2-2.30代医師のボーナス

専門医資格や大学院での学位を取得し、医師として独り立ちしつつある30代。勤務先をころころ変えられることはなくなり、一つの勤務先に腰を据えることができるようになります。ボーナス平均支給額も20代のころより格段にアップして、大規模病院(従業員1000人以上)では30代後半になると男女とも約125万円になっています(「平成30年賃金構造基本統計調査」より)。

2-3.40代医師のボーナス

医師としてのスキルが円熟味を増す40代。勤続年数は長くなり、診療科長などの役職にも就き始めるころです。当然のことながら、ボーナス平均支給額もさらにアップします。ただし、大規模病院(従業員1000人以上)を例にとると、男性は約160~205万円女性は約100~189万円と、若干の男女差がみられるようになります(「平成30年賃金構造基本統計調査」より)。こうした差が生じるのは、女性医師が出産・育児のために休業してブランクが生じ、勤続年数が短くなったり役職に就けなかったりすることが影響していると考えられます。

2-4.50代医師のボーナス

医師として成熟して指導的立場となり、副院長など病院内の重要ポストに就く人も出てきます。それにともなって基本給やボーナス支給額もアップするため、経済的なゆとりを感じやすい年代だといえるでしょう。そんな50代医師のボーナス平均支給額(従業員1000人以上の大規模病院)は、男性の場合は約221~239万円女性の場合は約176~276万円となっています(「平成30年賃金構造基本統計調査」より)。

この年代では女性医師の母数が少なく勤務形態も個人によって異なるため単純比較はできませんが、40代でみられた男女差はおおむねなくなっているようです。この年代の女性医師は、出産・育児をしたとしても子育てに手がかからなくなり、問題なくフルタイムで働いているからだと考えられます。

3.医師がボーナスを増やす方法

以上みてきたように、医師のボーナス支給額も一般的な職種と同様、年齢を重ねるにつれてアップしていきます。研修医になりたてのころに比べると、50代では最高で約8倍ものボーナスを得られることになります。しかし、医師の場合は30代で一気にボーナス支給額が増えるものの、40代以降の増加率は決して高くはありません。この点は、他の職業と大きく異なるといえるでしょう。

できるだけボーナス支給額を増やしたいと思うなら、なるべく勤務先を変えずに働き続けることが大切です。ボーナス支給額は勤続期間に左右されることがあるので、転職を繰り返すとどうしても不利になってしまいます

一方で、勤務先によっては担当した患者数や取得した資格などに応じてボーナスにインセンティブが反映されることもあるので、そうした条件が設けられているのであれば、それを一つの目標として仕事に励むとよいでしょう。現在の勤務先に魅力的なインセンティブがない場合、それを求めて転職を検討する医師もいます。その場合は、転職エージェントのアドバイザーに相談し、さまざまな職場の情報を得ることが効率的だといえるでしょう。

PROFILE

成田 亜希子(なりた・あきこ) 
 
2011年に医師免許取得後、臨床研修を経て一般内科医として勤務。その後、国立保健医療科学院や結核研究所での研修を修了し、保健所勤務の経験もあり。公衆衛生や感染症を中心として、介護行政、母子保健、精神福祉など幅広い分野に詳しい。日本内科学会、日本感染症学会、日本公衆衛生学会に所属。

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