転職市場で医師は引く手あまたな職業のため、中にはラフなファッションで面接に臨む医師もいます。経験やスキルが充分であれば、服装が少々ラフでも問題ないのでしょうか? 今回は医師が面接時に気を付けるべき、服装と身だしなみのポイントについて解説します。
1.ラフな格好で面接に行くのはNG?
オフィスで、スーツではなくポロシャツや襟のないトップスなどで勤務しているビジネスマンを見かけることもあると思います。会社によってはラフな服装での勤務を認められているケースもあるかと思いますが、一般的に面接のようなフォーマルな雰囲気の場にはふさわしくありません。
では、医師の場合はどうでしょうか。確かに、医師が仕事を行ううえで重要なのは経験とスキルです。専門性が高く卓越したスキルを持つ医師ならば、多少カジュアルな雰囲気の服装をしていてもオファーが来るでしょう。しかし、専門性の高さをそれほど必要としない求人の場合や、応募者が多く競争率が高い求人の場合は事情が変わります。
採用側の視点で考えると、同程度の経験・スキルを持つ医師が複数人応募してきた場合、応募者それぞれに何らかの差をつけて採用・不採用を決める必要があります。
その時差をつけるポイントとなりやすいのが「入職する意志の固さ」です。そして、応募者の「入職する意志の固さ」を無意識に感じ取る要素のひとつが服装です。
面接の場に合ったフォーマルな服装をしていれば「入職の意志が固い」と評価されることもあります。一方、カジュアルな服装で面接に臨んでいれば「やる気がない」「うちの病院の志望度が高くないのかもしれない」と判断されるリスクがあります。
また、着ているスーツがシワだらけだった場合、大ざっぱな性格だと判断され、丁寧さや正確さが求められる業務にはふさわしくないと評価されてしまうかもしれません。医師としての力量と無関係なポイントで採用・不採用が決まってしまうことは避けたいですよね。
このようなリスクを取り除くという意味で、面接の場でスーツを着ることは重要だといえます。
2.面接時の服装 チェックポイント
それでは、面接時の服装で具体的にどのような点に気を付ければ良いのでしょうか。男性・女性それぞれ、下記の点に注意しましょう。
・スーツ
細身すぎず、ダボダボすぎず、ぴったりのサイズ感のスーツを選びましょう。紺色や黒色などの落ち着いた色がベターです。ただし、もしもスーツにこだわりがある場合はそこから会話が弾む可能性もあるので、奇をてらったデザインを避ければ問題ありません。医師はスーツを着る機会が少ないでしょうから、汚れていないか、シワがないかを面接前に確認しておきましょう。面接日までにクリーニングに出しておくと万全です。
・Yシャツ
Yシャツは白色が基本です。首周りや袖周りに汚れが付着しやすいため、着る前に汚れていないか確認しましょう。アイロンがけも必須です。
・ネクタイ
グレーや紺色などの落ち着いた色みを選びましょう。20代は赤や黄色などの明るい色みでもかまいませんが、30代以降は落ち着きをアピールしたほうが好印象を持たれる傾向にあります。また、細すぎるタイプは避けましょう。
・スーツ
男性と同様、紺色や黒色などの落ち着いた色みのスーツが無難です。パンツスタイルでもスカートでもどちらでもかまいませんが、スカートの場合はいすに座った時にスカート丈が短くなりすぎないものを選びましょう。
・インナー
シャツでもカットソーでもかまいませんが、無地の白色が基本です。フリルやレースなど過度な装飾が付いたタイプは避けましょう。
3.服装以外の身だしなみ チェックポイント
また、面接時には服装以外にも配慮するべき身だしなみがあります。下記のポイントを確認しましょう。
男性は最低限、清潔感のある髪の長さまで切りましょう。寝ぐせはNGです。面接当日の朝、目を覚ますついでにシャワーを浴びるようにすると良いでしょう。女性で肩より長い髪の場合は結ぶかまとめ、前髪が顔にかかる場合はピンなどで留めましょう。また明るすぎる髪色は避けてください。
・爪
意外と見落としがちな爪。不必要に伸ばしている医師はいないと思いますが、切り忘れなどで伸びている場合は適性に疑問をもたれる可能性があります。面接前に短く切りそろえましょう。また女性の場合、ネイルは避けたほうが無難です。
・メイク
女性医師の場合、メイクをする必要があります。派手さのないナチュラルメイクが好印象を持たれます。あざやかな色使いやキラキラしたメイクは好まれません。
・臭い
見た目には現れませんが、悪臭にも気をつけましょう。とくにタバコの臭いと汗の臭いには要注意。スーツについたタバコの臭いは落ちにくいので、喫煙習慣のある人は消臭剤を携帯しましょう。個人の体質も関係するので、夏場の汗に苦労する方もいるかもしれません。ウェットティッシュなどの消臭グッズを携帯し、どうしても大量に汗をかいてしまう方はタクシーを移動手段とする方法もあります。
4.まとめ
面接時の服装が採用・不採用を直接的に決定づける要素となることは基本的にはありません。ですが、面接は自分の強みやスキルをアピールする場ですから、マイナスになる可能性のある要素を最大限取り除いて臨むことには意味があります。
今回ご紹介した服装・身だしなみのポイントは、社会人として働いている方にとってそれほど難しいことではないと思いますので、面接前にぜひチェックしてみてください。
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面接について不安な点や疑問点があれば、ぜひマイナビDOCTORのキャリアパートナーにご相談ください。面接時の服装や持ち物などの準備はもちろん、面接時のマナー、想定される質問や好印象を持たれる受け答えの仕方についてアドバイスさせていただきます。
文:太田卓志(麻酔科医)