美容外科は高収入で働きやすいって本当?|医師の現場と働き方

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美容外科は高収入で働きやすいって本当?

美容外科には「圧倒的な高収入でワークライフバランスも充実している診療科」というイメージが強いですが、実際の働き方や給与体系を詳しく知っている医師は少ないかもしれません。また美容外科医にはどのようなスキルや資格が必要なのか、イメージしにくい部分もあるでしょう。そこで今回は、美容外科医の年収事情や働き方、必要なスキルについて解説します。

<この記事のまとめ>

  • 自由診療がメインであるため美容外科の収入は高く、年収2,000万円以上も珍しくない。
  • 腕利きの美容外科医として活躍するためには、形成外科で基礎から学ぶことが大切。
  • ほとんどの医師が他科からの転科経験ありで、「未経験者歓迎」の求人も多い。

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1.美容外科医は年収が高い?

美容外科医のイメージは、なんと言っても「高収入」でしょう。実際、年収1,800~2,500万円で美容外科医を募集する求人をよく目にします。「勤務医の就労実態と意識に関する調査」(労働政策研究・研修機構、2012年)によれば、医師の平均年収は1,261.1万円であるため、美容外科医の求人は平均を大きく上回る年収を提示していることがわかります。年収2,000万円以上を得ている医師は全体で約10%に過ぎませんが、美容外科医に限ってはさほど珍しくないようです。

2.美容外科医の給与と働き方

医師・歯科医師・薬剤師統計」(厚生労働省、2018年)によれば、全国に勤務する美容外科医は678人であり、医師全体に占める割合はわずか0.2%です。また、「必要医師数実態調査」(厚生労働省、2010年)によれば、全国で新たに必要とされている美容外科医は5人であり、求人倍率は1.08倍にとどまります。美容外科医の数は少ないものの、需要に対しては充足傾向にあり、求人数も他科と比較すると少なめといえそうです。

美容外科医が恵まれた年収を得ることができる理由は、高額な自由診療をメインに提供していることに尽きるでしょう。医療機関の裁量で自由に治療費を設定できるため、美容外科を標榜する医療機関では集患力のある経験豊富な医師を好待遇で迎え入れるケースもあります。

また美容外科医は、緊急で行う治療や時間外労働、日当直などの負担が少ないため、ワークライフバランスを確保しやすい働き方ができるといえます。ただし、形成外科的な治療をメインとして美容外科を標榜する総合病院では、入院患者さんの管理、熱傷や外傷の緊急手術が必要となることもあり、目まぐるしく働いている医師もいます。しかも、このような医療機関では、他の診療科と給与水準がほぼ変わらないことが多いでしょう。

美容外科医として転職を希望する場合は、何を重視してどのように働きたいのかをよく考えることをおすすめします。年収を重視するなら、皮膚科での診療経験があると有利だといわれています。都市部にあり待遇の良い医療機関は転職を希望する医師から人気が高いため、そのような医療機関を目指す場合はアピールポイントを持つことが重要です。

3.美容外科医になるには

美容外科医として働くために必ず専門医資格が必要というわけではありませんが、日本美容外科学会による専門医制度が設けられています。所定の学術総会などへ定期的に参加していること、一定以上の治療経験を有することなどを厳しく審査されたうえで専門医資格が認定されます。

美容外科医は美容面を重視した手技を提供するため、相応の技術とたゆまぬ自己研鑽が求められます。治療の良し悪しを美的な観点から評価される傾向が強く、思わぬところで患者さんとトラブルになることや、場合によっては訴訟に至るケースもあります。

そのため、日本形成外科学会は、美容外科手術の基礎ともなる形成外科的手技を習得してから美容外科の道へ進むことを推奨しています。具体的には、学会が認定する施設で5年以上の経験を積んだ医師にのみ受験資格が与えられる形成外科専門医の資格を取得してから、「サブスペシャリティ」として美容外科を選ぶとよいということです。

形成外科では美容的な治療だけでなく、外傷や腫瘍、先天異常など様々な疾患を扱い、治療部位は全身に及びます。顔や胸など特定の部位のみを扱う美容外科に比べて対象が広いと感じるかもしれませんが、腕利きの美容外科医として活躍するためには、形成外科で基礎を学んでおくことが大切です。結局は「急がば回れ」だといえそうです。

4.美容外科に他科から転職できる?

医学部を卒業後最初から美容外科医をめざす医師は少数で、多くは形成外科など他科から美容外科へ転科した経歴を持ちます。そのため、美容外科の求人では「未経験者歓迎」が謳われるものが目立ちます。外科系の経験がない内科医や精神科医などでも転科することはできます

他科から転科するメリットは、他科での経験を美容外科医療に生かせることやより広い視野で診療を行えることです。一方で、すべての転科に当てはまることですが、一から研鑽を積み直す必要があるため一人前になるのが他の医師より遅くなる、他科での経験が役に立たないかもしれないというデメリットも考えられます。

美容外科医は、技術力の高さはもちろん、患者さんと円滑にコミュニケーションがとれる能力や治療のプレッシャーに負けない精神力などを備えていなければなりません。単に年収の高さやワークライフバランスの充実度を目的にして転職すると、転職後に苦労することになるかもしれません。

5.美容外科医は女性医師から人気が高い?

前出の「医師・歯科医師・薬剤師統計」(厚生労働省、2018年)によれば、美容外科の構成割合は男性医師・女性医師ともに0.2%となっています(男性医師全体・女性医師全体に占める男性美容外科医・女性美容外科医の割合)。美容外科を標榜する医療機関では女性医師が広告塔となっているケースがよく見られるために、女性医師の割合が高いイメージがありますが、実態はそうではないようです。

美容外科の基幹と考えられる形成外科では、女性医師からの人気が高い傾向にあります。形成外科から美容外科へ転科する医師が多いため、今後は美容外科でも女性医師の割合が高まっていくかもしれません。

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PROFILE

執筆/成田 亜希子(なりた・あきこ) 
 
医師・ライター。2011年に医師免許取得後、臨床研修を経て一般内科医として勤務。その後、国立保健医療科学院や結核研究所での研修を修了し、保健所勤務の経験もあり。公衆衛生や感染症を中心として、介護行政、母子保健、精神福祉など幅広い分野に詳しい。日本内科学会、日本感染症学会、日本公衆衛生学会に所属。

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