病棟管理とは? 仕事内容や一日のスケジュール、やりがいを解説!|医師の現場と働き方

病棟管理とは? 仕事内容や一日のスケジュール、やりがいを解説!

病棟管理とは、病棟に入院している患者さんに対して医師が行う診療業務全般を意味します。治療方針の決定や治療、検査、手術、それらに必要な各種業務など、業務範囲が多岐にわたる病棟管理は、患者さんと深く関わりながら、先進的医療にも触れる機会が多いのが特徴です。病棟管理に携わる場合、具体的にどのような仕事を行うことになるのでしょうか。

本記事では、病棟管理の概要や目的、仕事内容、一日のスケジュール例、やりがいや大変なことなどを解説します。病棟管理を行う医師の求人は、未経験や転科を受け入れているケースも多いため、転職を考えている方におすすめです。病棟管理に興味を持っている方や、転職を検討している方は、ぜひ本記事をご覧ください。

こんな方におすすめの記事です!
  • 未経験で病棟管理に転職希望の方
  • 医療従事者と協力し、先進医療や患者と関わる仕事がしたい方
  • 病棟管理へ転職する前の注意点を把握したい方

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目次

  1. 病棟管理とは?
  2. 病棟管理の目的
  3. 病棟管理の仕事内容
  4. 病棟管理の一日のスケジュール例
  5. 病棟管理のやりがい
  6. 病棟管理の大変なところ
  7. 病棟管理の仕事は未経験でも転職できる?
  8. 病棟管理の求人をお探しの方へ

病棟管理とは?

病棟管理とは、病院に勤務する医師が入院している患者さんに対して実施する診療業務全般のことです。病棟での診療業務全般を指すため、業務の範囲は多岐にわたります。

ちなみに病棟管理と混同されやすい言葉に「病床管理」がありますが、こちらは病床の運用を効率的に行うための業務のことです。ベッドコントロールとも呼ばれます。病床管理は、患者さんの病床の利用状況を正確に把握し、病状や緊急性に応じて適切に病床確保を行い、収益を得るために欠かせないものです。

病棟管理の目的

病棟管理を行う主な目的は、患者さんの入院の主目的を解決することです。

病棟管理の対象となるのは入院している患者さんですが、患者さんごとに入院の主目的は異なります。入院する主目的の例は、病気やけがを発見したり回復を目指したりするための、精密検査や手術、治療などです。そして、最終的には入院する目的を解決してできるだけ早く退院し、再入院を予防することが目標となります。

しかし、入院中に本来の入院目的とは別の病気が見つかるケースも少なくありません。また慣れない入院生活によって、不眠症状などの不調が現れる患者さんも多いです。こうした場合、医師を含めた医療従事者は、入院の主目的以外に起こったトラブルの解決もサポートする必要があります。

病棟管理は、主目的の解決による早期退院・再入院の防止だけでなく、患者さんにまつわるさまざまなトラブルを解決するために必要不可欠です。

病棟管理の仕事内容

病棟管理には、具体的にどのような仕事があるのでしょうか。代表的な仕事内容は、以下の通りです。

●治療方針の決定
●検査オーダー
●処方オーダー
●回診
●急変対応
●術前・術後管理
●輸液・栄養管理
●ペインコントロール
●ADL(日常生活動作)の把握
●既往歴の把握
●服薬状況の把握
●リハビリ
●退院先の調整
●インフォームド・コンセント

病棟管理の一日のスケジュール例

病棟管理を行う医師は、どのようなスケジュールで一日を過ごしているのでしょうか。病棟管理の一日のスケジュール例を勤務形態や手術の有無などに分けてご紹介します。

日勤の場合

日勤の場合のスケジュール例は、以下の通りです。

●朝:データチェック、診察準備、回診、処置 など
●昼:検査・手術、新たに入院する患者さん情報の確認 など
●夕方:上級医への報告や相談、引継ぎの準備、翌日以降のオーダー など

まず出勤したら、電子カルテなどのチェックを行い、担当している患者さんの状態や異変の有無などを確認します。併せて前日までにオーダーしていた採血などの結果を確認した後、回診を行います。必要に応じて、処置を行うケースもあるでしょう。データチェックや回診によって検査が必要だと判断する場合は、検査のオーダーも行います。

昼以降は患者さんの入院の主目的に合わせ、検査や手術を行います。緊急入院などが発生した場合は、その患者さんの診察や処置なども必要です。

夕方になったら、翌日以降のリハビリや点滴、採血、処方などのオーダーを行います。病状の変化が著しい患者さんがいる場合は、再度回診を行うこともあるでしょう。また、週末などの場合は当番医や当直医に対して引継ぎが必要になるため、カルテに情報を残したり、カンファレンスを実施したりすることもあります。

夜勤の場合

夜勤の場合のスケジュール例は、以下の通りです。

●夕方〜夜:検査結果の確認、治療方針の相談・決定、カンファレンス など
●夜間:数時間ごとに病棟の巡回、必要に応じた診療・処置 など
●朝:日勤医への申し送り など

夜勤がある病院の多くでは、通常勤務後に夜勤を行うケースも少なくありません。通常勤務終了後、当直医としての勤務を開始し、入院中の患者さんの検査結果や病状などを確認しながら、他の医師と治療方針を話し合い、方向性を決めていくこともあります。また病棟を消灯した後は、適宜休憩を取りつつ、当直の看護師とカンファレンスを実施して、情報を共有します。

夜間の主な業務は、病棟の巡回です。何もなければ特別な業務は発生しないことがほとんどですが、呼び出しがあった場合などは、患者さんの診療や処置を実施します。

日勤からの夜勤はハードな勤務になるため、状況を見ながら休憩や仮眠を取ることも大切です。日勤の医師が出勤してきたら、申し送りを行い、自らも通常勤務を開始します。

手術がある場合

手術がある場合のスケジュール例は、以下の通りです。

●朝:データチェック、診察準備、回診、処置、手術準備 など
●朝〜昼:手術の実施
●夕方:検査結果の確認、上級医への報告や相談、引継ぎの準備、翌日以降のオーダー、病棟の巡回 など

手術の件数やスケジュールにもよりますが、手術がある場合も出勤してまず行うのはデータチェックや回診、処置などです。午前中から手術を行うこともあります。

手術の件数は病院の規模にもよりますが、中規模の病院の場合、一日に2〜5件程度が一般的です。比較的短時間で終わる手術から、長時間かかる手術までさまざまなものがあるため、手術の内容を踏まえて適切なスケジュールが組まれます。

手術の合間や手術終了後に検査結果の確認や上級医への相談、引継ぎ準備、翌日以降のオーダーなどを行い、全ての手術が終了した後、病棟を巡回して異常がなければ帰宅となります。

手術がない場合

手術がない場合のスケジュール例は、以下の通りです。

●朝:データチェック、診察準備、回診、処置 など
●朝〜昼:外来診療、検査、新たに入院する患者さん情報の確認 など
●夕方:上級医への報告や相談、引継ぎの準備、翌日以降のオーダー など

基本的には前述した日勤の場合と同じですが、手術がない日は朝から昼にかけて外来診療も担当します。

病棟管理のやりがい

病棟管理に携わる医師には、どのようなやりがいがあるのでしょうか。代表的な3つのやりがいをご紹介します。

さまざまな医師・コメディカルと協業できる

病棟管理のやりがいは、さまざまな医師・コメディカルと協業できることです。

病棟管理では、他の診療科目の医師に加え、看護師や栄養士、理学療法師、保健師などさまざまなコメディカルと協力しながら業務を行うことになります。自分の専門分野以外の医師や、職種の違う多くの人と関わることで刺激を受けることができ、知識や考え方の幅も広がっていくでしょう。勤務する病院の規模が大きくなればなるほど、関わる人の数も増えていきます。

また同じ専門の上級医との関わりも深くなるので、知識や技術の研鑽も重ねやすいでしょう。

先進的医療に触れられる

先進的医療に触れられることも、病棟管理のやりがいのひとつです。

積極的に先端医療を取り入れている大規模な病院では、個人経営では難しい高額な医療機器も、早い段階で導入されるケースが多い傾向にあります。病院の規模や方針にもよりますが、先進的医療に触れる機会が多くあることは、病棟管理の大きなメリットといえるでしょう。

高度な医療や専門的な医療、難易度の高い症例などに触れる機会も多いので、知識や技術を高めることができます。

継続的に患者さんと関われる

継続的に患者さんと関われることは、病棟管理のやりがいといえるでしょう。

病棟管理では、日々の回診や治療などを通して患者さんが回復していく姿を見守ることができます。「誰かの命を救いたい」「人の役に立ちたい」と医師を目指した方にとって、患者さんが回復し退院していく姿を見ることや、感謝の言葉をもらえることは、大きなやりがいを見出せる瞬間といえるはずです。

医師の活躍の場にはさまざまなものがありますが、病棟管理は特に患者さんと深く関わることができる業務といえます。

病棟管理の大変なところ

医師としてさまざまなやりがいが感じられる病棟管理ですが、大変なことがあるのも事実です。病棟管理に携わりたいと考えているのなら、病棟管理の大変なところも理解しておきましょう。

労働時間の長さ・不規則さ

病棟管理の大変なところのひとつは、労働時間が長く、不規則になりやすいことです。

さまざまな病状の患者さんを抱える病棟管理に携わる医師は、当直やオンコールにも対応しなければなりません。業務量を自分でコントロールすることが難しい上、診療科目によっては緊急対応が多いケースもあり、労働時間が長くなりやすいです。

日勤から夜勤に移るケースや、当直から日勤を行うケースなど、生活が不規則になりやすいことに加え、体力的な負担も大きくなります。医局に所属している場合、長時間労働や不規則な勤務の合間を縫って、論文なども執筆しなければなりません。

人間関係のストレス

人間関係のストレスを抱えてしまいやすいことも、病棟管理の大変さのひとつです。

多くの医師やコメディカルと協業できることは大きなやりがいとなりますが、上司や同僚が多い分、人間関係でトラブルが起こると強いストレスを感じてしまうかもしれません。どのような職場でも人間関係のストレスは起こり得るものですが、精神的にまいってしまうほどのストレスを感じることで、転職や開業を目指す医師がいるのも事実です。

病院の方針とのすれ違い

病棟管理の大変なところのひとつに、病院の方針とのすれ違いがあります。

病棟管理は病院に所属して働くことになるため、自分の理想とする医療を提供できないことも多いです。患者さん一人ひとりとしっかり向き合いたいと思っていても、病院が効率を最優先する方針だと、思うように患者さんと接することはできないでしょう。

意見を上げることで病院側が応じてくれるケースもゼロではありませんが、組織に従うことを求められる場合、医師としてのやりがいを感じられなくなったり、ご自身の仕事に疑問を持ったりしてしまうかもしれません。

個人が組織を変えることは難しいため、その場合はご自身の価値観や理想とする医療を提供している病院への転職を検討するのもひとつの方法です。

病棟管理の仕事は未経験でも転職できる?

病棟管理は幅広い診療科目があるため、未経験でも転職は可能です。

医師免許が必須ですが、医師であれば経験の有無にかかわらず、活躍のチャンスが得られるでしょう。実際に病棟管理を行う医師を募集している求人には、未経験歓迎の求人や転科可能な求人も多く見られます。病棟管理に携わりたいと考えている方は、まず求人をチェックしてみることをおすすめします。

また未経験でいきなり転職するのが不安な方は、非常勤(アルバイト)での勤務から挑戦してみるのもひとつの方法です。

以下のページでは、病棟管理の未経験歓迎・転科OKの求人や、非常勤の求人、常勤医師の求人をご紹介しています。各求人の詳しい仕事内容や勤務形態などもご覧いただけますので、ぜひチェックしてみてください。

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