「MEDY 医療従事者用専用ニュースポータル」サイトのMEDYアンケート2018年1月19日掲載「年収850万円以上のサラリーマン『増税』。その時医師は…」記事より抜粋・再構成。2018年度税制大綱が発表され、2020年より所得税が大きく変わることとなりました。給与所得控除額の一律10万円引き下げ、給与所得控除上限額が適用される収入金額の引き下げ(850万円)、給与所得控除上限金額の引き下げ(195万円)などにより、年収が850万円を超える給与収入を得ている方が実質増税対象となります。常勤医として給与収入を得ている医師にとっても厳しい税制となりますが、今回の改正をどのように受け止めているのでしょうか。3116名の医師を対象に行ったアンケート結果を紹介します。
■調査期間:2017/12/21(木)~12/24(日)
■回答数:医師の先生方3116名
・「年収850万円の壁」のサラリーマン増税に対し、約1/3の医師が「仕方がないとあきらめている」と回答。
・増税により働き方が変わると考える医師は2割以下。働き方の変え方は「バイトなどで収入を増やす」が約45%で最多。
・医師が興味のある節税対策(サラリーマンができるもの)は「ふるさと納税」「生命保険料控除」「医療費控除」がトップ3。
1. 「年収850万サラリーマン増税」に対する医師の見解
Q1.年収850万円以上のサラリーマン増税が話題となっていますが、ご自身はどう思いますか?(複数回答可)
第1位 | 増税になりそうで困る | 1326票 |
---|---|---|
第2位 | 仕方がないとあきらめている | 1202票 |
第3位 | 腹が立つ | 925票 |
第4位 | 社会貢献できて良いと思う | 123票 |
第5位 | 自分には関係ないことと思う | 112票 |
第6位 | その他 | 64票 |
第7位 | その他話題を知らない | 42票 |
2.「年収850万サラリーマン増税」は医師の働き方を変えるか
Q2.サラリーマン増税と聞いて、働き方の意識は変わりましたか?
■意識が変わったか?変わらないか?

変わった | 605 | 19.40% |
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変わらない | 2511 | 80.60% |
■「意識が変わった」という医師はどのような変化があったか

バイトで収入を増やす予定 | 276 | 45.60% |
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収入を抑える予定 | 167 | 27.60% |
開業する予定 | 83 | 13.70% |
フリーランスになる予定 | 79 | 13.10% |
3.医師が気になる節税対策ランキング
Q3.サラリーマンができる節税対策の中で興味のあるものは?(複数回答可)
第1位 | ふるさと納税 | 1764票 |
---|---|---|
第2位 | 生命保険料控除 | 1175票 |
第3位 | 医療費控除 | 763票 |
第4位 | 扶養控除 | 699票 |
第5位 | 個人型確定拠出年金(イデコなど) | 588票 |
第6位 | 住宅ローン控除 | 568票 |
第7位 | 特定支出控除(スーツ代や業務に関わる図書費用など) | 279票 |
第8位 | 不動産投資 | 256票 |
第9位 | 副業の法人化 | 138票 |
第10位 | 副業の青色申告申請 | 136票 |
第11位 | セルフメディケーション税制 | 118票 |
4.医師が考える理想の税金の使い道

Q4.「こんな税金の使い方がいい」「〇〇に税金を使ってほしい」と思うものは?
■子どもたちの未来のためにできることを
・子育てする人すべてが安心できるように。不幸にも虐待を受けた子どもたちが生き直せるように。産めない命や育てられない命を代わりに社会が育てることができるように。子育てに希望がほしい。(精神科・50代)
・教育分野の予算を増やしてほしい。少子化による国力の衰退が心配。(産婦人科・50代)
・保育園の待機児童解消。働く女性を支援するといいながら、待機児童問題を先送りにして、保育無償化とは順序が逆であると思う。(内科・70代以上)
・給食費の無償化。お金が親にはいっても無意味。(産婦人科・30代)
■こんな使い方も!
・歩行喫煙の取り締まり、罰則化などのタバコ対策。駐禁のように係員が見回り、科料を課すべき。(病理診断科・60代)
・未来に対する投資である科学研究費。(内科・60代)
・老朽化している水道管や橋の補修費。(皮膚科・50代)
・天然のうなぎを増やして欲しい。河川堰を取り払う、ダム建設を止めるなど。(一般内科・60代)
・スポーツが好きなので、公共のスポーツ施設や公園の管理に使ってほしい。(腎臓内科・30代)
・医療研究、医師の教育、医師への給料。欧米のような税金投入、資金調達をしてほしい。(脳神経外科・40代)
■まずは税金の無駄遣いをやめるべき
・医療費でも、不必要な検査や薬を減らすべき。不必要かどうかは線引きが難しいので、生命維持のために重要でない薬(湿布、目薬など)は保険からはずせばよいと思う。(外科・50代)
・東京オリンピックにともなう支出は無駄なものが多い。(皮膚科・30代)
・サラリーマンを狙い撃ちにした増税を強行するのであれば、サラリーマン第一に使途を考えてほしい。(皮膚科・50代)
・長寿になるほど医療費が増大するのは当然。使う税金のうち医療費の割合が増加するのは悪いことではない。(脳神経外科・40代)
・税金が何にいくら使われているか、納税者が簡単に問い合わせられるシステムを構築して欲しい。(一般内科・60代)
■「あったらいいな」と思う制度
・税金を多く納めた人は、国の施設の利用料金が割引になるなどVIP待遇があるといいな。(産婦人科・50代)
・高級品・高級車の購入や娯楽施設の利用で、高額の税金をとれば良い。(皮膚科・50代)
・人口密度が低い地域にこそ多くの税金が回るようにしてもらいたい。(整形外科・50代)
・図書館の本を借りる優先権、歯医者で早く呼ばれる優先権、高速道路で割引など、何らかの形で還元してほしい。(内科・40代)
以上、アンケートの結果でした。
[出典]「MEDY 医療従事者専用のニュースポータル」2018年1月19日掲載
「年収850万円以上のサラリーマン『増税』。その時医師は…」