2021年4月24日(土)から放送開始となる医療ドラマ「泣くな研修医」(テレビ朝日系)。医師という職業への熱い思いを抱きながらも、未熟さゆえに思うように患者を救えず、悩み、葛藤しながら成長していく研修医の物語です。本作品で初めて医師役に挑戦することになった、主人公の雨野隆治役を演じる「EXILE」「GENERATIONS from EXILE TRIBE」の白濱亜嵐さんに、ドラマの見どころや伝えたいメッセージを聞きました。
悩み、葛藤する研修医・雨野隆治の姿に共感必至
白濱亜嵐(しらはま・あらん):2012年11月、GENERATIONS from EXILE TRIBEパフォーマーとしてメジャーデビュー。2014年4月にEXILE新パフォーマーに決定し、EXILEに加入。GENERATIONSのリーダーも務め、EXILEと兼任しながら活動している。また、俳優としてドラマ「GTO」「M 愛すべき人がいて」、映画「コンフィデンスマンJP プリンセス編」等に出演。2021年4月24日よりテレビ朝日系ドラマ主演「泣くな研修医」が放送開始。
ドラマの舞台は都内の総合病院。地方の国立大学を卒業し、外科で研修を行うことになった研修医の雨野隆治は、医師としての知識も経験もなく、何もわからずにただ先輩から怒られる毎日を過ごしていました。
しかし、そうした中でも、患者さんは待ったなしに押し寄せます。ときには救えない患者さんを前にして、自分の無力感に打ちひしがれる主人公が、仲間たちと切磋琢磨しながら成長していく物語を描いたのが本作品です。ドラマを見ながら、自身の研修医時代を思い出す医師の方も多いかもしれません。
ドラマの見どころは、自分自身の無力さに悩みながらも、医師という職業への熱意を失わずに成長を続けていく、研修医たちのありのままの姿を描いているところにあります。ドラマの魅力について、白濱亜嵐さんは次のように話します。
「主演の雨野隆治を中心にさまざまな個性を持つ研修医たちが、ときにライバルとして、ときに同期の仲間として切磋琢磨しながら、悩みや困難を乗り越えていくところが見どころです。苦悩や葛藤と向き合う研修医の様子を、決してシリアスになり過ぎず、ポップな様子で描いているところをぜひ楽しんでいただきたいです」(白濱亜嵐さん、以下同)
研修医4人のやり取りが楽しくて、撮影現場では度々笑いが起きていたという白濱さん。中でも同期の研修医役の1人、野村周平さんはプライベートでも交流があるため、撮影はとてもやりやすかったと語ります。
「周平とは普段から交流があるので、共演できたのはうれしいです。テンポよくセリフが飛び交う研修医同士のやり取りは、ぜひとも見ていただきたいところですね」
新生活が始まるいま「明日もがんばろう」と思ってほしい
多くの人にとって新生活が始まる4月期にぴったりのドラマでもあります。
「新しい生活が始まる時期は、不安を感じる人も多いと思います。作中で、雨野が不安や苦労を乗り越えて成長していく様子を見ることで『明日もがんばろう』と思っていただければうれしいです」
『泣くな研修医』(幻冬舎)の原作を読んでから撮影に臨んだという白濱さん。主演の雨野については「茶目っ気がありながらも、誰かの役に立ちたいという一途な思いで医師を目指す、ピュアな性格の持ち主だ」と感じたそうです。そのうえで、研修医として右も左わからない中で、悩んだり葛藤する様子については、ご自身と重なる部分もあって共感を覚えたのだとか。
「雨野は同期の中ではいじられキャラでもあるのですが、僕も普段はグループで活動しているので、いじられている雨野には共感を覚える部分があります。また、少し見栄っ張りで大口を叩くというキャラクターもどこか自分に重なります。僕自身、中学のときから『EXILEに入る!』と豪語していましたので、親近感を覚えますね。ですが、大口を叩くというのは、ある意味で自分が弱いから無理をしている面もあるのです。その意味では、雨野は本当に人間味があふれるキャラクターなのではないでしょうか」
さらに、「音楽」と「医療」にも、通じる部分があるのではないかといいます。
「医療現場と音楽の創作活動には、共通点があると思います。医療現場においては、1つ1つが負けられない試合であり、真剣勝負です。もちろん医療は人の命がかかわる重要な局面なので特別ですが、音楽においても、1つの曲を生み出すために非常に多くの人の努力がかかわっていて、1曲たりとも”捨て曲”があってはなりません。負けられない勝負であるという点は、どこか医療と音楽は通じるのではないでしょうか」
「研修医とはどのような人か」を勉強して役作り
おじ様が外科医、おば様が看護師、そして実姉の夫のお兄様が医師という、実は身近に多くの医療職がいる白濱さん。全員が現役で働いているため、普段から家族の健康の相談に乗ってもらうなど頼りになる存在だそうです。
「祖父が入院した際の主治医はおじでした。家族が病気のときは必ず相談に乗ってくれますし、頼りにしていますね。また姉の夫の兄は僕の1歳年上ですから、少し前まで研修医だったのです。次に会ったらぜひ研修医時代の話を聞いてみたいと思っています」
白濱さん自身もひざのけがと髄膜炎でこれまで2回の入院経験があり、特に髄膜炎ではひどい頭痛からの緊急入院と、大変な思いをしたと話します。
「1週間ほど頭痛が続いて、あまりの痛みに自宅で気を失ってしまい、救急外来に連れて行かれました。そしてそのまま入院することになったのです。しかし、入院中の主治医や看護師の方は忙しそうな中でも親身になってくれて、とても心強かったことを覚えています」
セリフを覚えるのが得意で、普段は人より早く覚えてしまうという白濱さんですが、馴染みのない医療の専門用語を覚えるのは苦労したと明かします。
「自分の中に無いワードを覚えるのはやはり大変でした。そこで、まずはその医療用語の意味を調べることから始めました。やはり意味を理解したうえで言葉を覚えた方が、ぐっと覚えるのが楽になるからです」
役作りにあたっては「研修医とはどのような人か」「どのような生活を送っているか」など、研修医に焦点を当てて調べたそうです。研修医の書いているブログを読んだりYou Tubeを見たり、その他にもさまざまな本を読んで研修医について学んだという白濱さんは、研修医にどんな印象をもったのでしょうか。
「一番大変なところは、患者さんと先輩医師の間で”板挟み”になることだと思いました。患者さんと上司にあたる医師との間で板挟みになって悩む研修医の姿というのは、この作品のひとつのテーマでもあり、見どころにもなってくる部分です」
ドラマを通じて医療職への感謝を伝えたい
ドラマで雨野隆治役を演じるまでは「医師は免許を取った瞬間から、『完璧な医師』になるのだと思っていた」という白濱さん。ドラマの撮影を通じて研修医というものを知ることができたのは、大きな収穫だったと話します。
「それまでは医師免許を取った瞬間から、一人前の医師になれるのだとばかり思っていました。ですが実際はそうではなく、研修医という未熟な時期があると知りました。考えてみればこれまで僕が病院で出会って、色々と疑問をぶつけてきた医師の中にも、研修医がいたのかもしれませんね」
4月から新しい環境で働き始める医療職の方へ、「不安に感じることがあっても大丈夫、きっとあなたよりも雨野の方が何倍も怒られているはずです(笑)」とエールをいただいたうえで、次のようなメッセージをいただきました。
「医療職の方には『あなたたちがいてくれるからこそ、僕らが笑顔で過ごすことができています』という感謝の気持ちを伝えたいです。ドラマを通じて感謝の気持ちを多くの人と共有し、それを少しでも医療職の方へ届けることができれば、こんなにうれしいことはないですね」
撮影/高嶋一成[colors] 取材・文/横井かずえ
土曜ナイトドラマ「泣くな研修医」
2021年4月24日(土)スタート/毎週土曜23:00~23:30放送
<作品概要>
現役外科医でもある作家・中山祐次郎氏が描く研修医たちの青春群像劇をドラマ化。何もできず、先輩医師や上司から怒られるばかりの新米医師の毎日を描く。ひっきりなしに押し寄せる患者さんたちを前に、悩み、葛藤しながらも、「医師」という仕事への情熱を絶やさず前進する主人公・雨野隆治の姿を描く本作に、医療職はもちろんそうでない方も元気をもらえるはず。
■原作:中山裕次郎『泣くな研修医』(幻冬舎文庫)
■脚本:樋口卓治
■演出:豊島圭介、朝烏ツワ子、小松隆志
■制作:テレビ朝日、MMJ
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