美容皮膚科と美容外科、転職するならどっち?【働き方を徹底比較】|医師転職ナレッジ

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美容皮膚科と美容外科、転職するならどっち?【働き方を徹底比較】

性別を問わず、美容に対する意識が高まっている昨今。医学は病気を治療するばかりでなく、「美」を生み出す手段としても用いられています。現在需要が高まっている「美容系クリニック」では自費診療が主体となるため給与水準が高い傾向にあり、緊急の呼び出しや日当直などがないことも多いため、ワークライフバランスを重視する医師からの人気も高まっています。今回は、美容系クリニックの代表格ともいえる「美容皮膚科」と「美容外科」を比較しながら、それぞれの働き方の特徴について解説します。

<この記事のまとめ>

  • 美容皮膚科よりも美容外科のほうが取り扱う治療範囲が幅広く、その分給与水準も高い。
  • 美容皮膚科、美容外科ともに年収2,000万円以上など他科より高給与の求人がある。
  • 美容皮膚科のほうが穏やかに働ける傾向があり、外科的手技を習得していない医師には美容皮膚科への転職がおすすめ。

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1.美容皮膚科と美容外科の仕事内容を比較

同じ「美容系クリニック」でも、美容皮膚科と美容外科の診療内容は大きく異なります。

美容皮膚科は、主にシミやシワ、たるみ、くすみ、ニキビなどの肌トラブルを医学的に治療する診療科です。一般的な皮膚科でもこれらの治療を行うことはあるものの、美容皮膚科は審美的な観点を重視している点で異なります。自費診療がメインとなることが多く、一般的な皮膚科では使われないタイプのレーザーやピーリングなど、高い効果が期待できる治療を手がけます。

美容外科は、主に手術により「美」を導く診療科です。具体的には、二重形成手術、隆鼻手術、リフトアップ手術、輪郭形成手術などが挙げられます。また、美容皮膚科が扱うような肌トラブルに対するレーザー治療などを行うクリニックも多く、「美」に関してより守備範囲が広い診療科だといえます。そのため、一般的には美容外科のほうが美容皮膚科よりも習得すべき知識や技術が多く、一人前になるためには多くの経験を積む必要があるでしょう。

2.美容皮膚科と美容外科の給与水準を比較

美容皮膚科や美容外科が手がける治療は、医療保険が適用されない自費診療がメインとなります。治療費を医療機関の裁量で自由に設定できるため、そこで働く医師の給与水準は保険診療に従事する医師と比べてかなり高くなる傾向にあります。

勤務医の就労実態と意識に関する調査」(労働政策研究・研修機構、2012年)によれば、調査対象となった全診療科の医師の平均年収は1,261.1万円となっています。一方で、美容外科や美容皮膚科では、常勤であれば年収1,800万円以上を提示する求人が多く、症例経験数などによっては年収2,500万円以上の破格の待遇で集患力のある医師を募る求人もあります。特に美容系クリニックでは、医療機関ごとに労働条件や報酬が大きく異なるため、事前のリサーチが極めて大事になります。

美容皮膚科と美容外科を比較すると、一般的には習得すべき知識や技術が多い美容外科のほうが高めの給与水準になります。しかし、美容皮膚科でも夜間までの診療を行うクリニックなどでは高水準の報酬を提示するケースもあります。給与額だけでなく勤務形態なども考慮に入れながら、諸条件を総合的に検討してください。

3.美容皮膚科と美容外科の勤務環境を比較

美容皮膚科と美容外科の勤務環境を比べると、手術のない美容皮膚科のほうが穏やかに働ける傾向にあります。美容外科では、緊急手術はほとんどないため美容皮膚科と勤務時間は大差ないケースが多いものの、手術執刀による身体的・精神的な負担が生じるからです。また、都市部の美容外科では患者さんの利便性を優先し、夜間や休日に診療を行う医療機関もあります。クリニックによっては休みが少なく、育児中などの医師は常勤での勤務が困難なケースもあります。

さらに、美容外科の治療に対する評価は、患者さん自身の「美」に対する主観に左右されることが多いため、トラブルや訴訟が起こりやすい現実があります。それにより、美容外科で働く医師は一般的な診療科の医師とはまた違った、大きなプレッシャーを抱えることになるでしょう。一方で、手術を行わない美容皮膚科では大きなトラブルにつながるリスクが低いため、そうしたプレッシャーは少ないと考えられます。

4.美容皮膚科と美容外科、転職しやすいのはどっち?

医師・歯科医師・薬剤師統計」(厚生労働省、2018年)によれば、全国の医療機関に勤務する美容外科医はわずか678人であり、医師全体の0.2%にとどまります。また、「必要医師数実態調査」(厚生労働省、2010年)によれば、美容外科医の求人倍率は常勤・非常勤合わせて全国で1.08倍となっており、他の診療科に比べてやや低い水準にあります。なお、美容皮膚科医は美容外科医よりさらに数が少ないため、正確な人数を算出したデータはありません。

こうした情報のみを見ると、美容皮膚科や美容外科への転職は狭き門だと思うかもしれません。しかし、美容医療の需要が高まっている現在、都心部を中心に美容皮膚科や美容外科を標榜するクリニックは数多くあり、求人ニーズも高いといえます

美容皮膚科と美容外科の転職市場を見ると、求人数の違いを考えずに比較すれば、特殊な手技や知識、経験を求められる度合いが低い美容皮膚科のほうが転職しやすいと考えられます。一方で、外科系のスキルや実績などアピールポイントを持っている医師は、美容外科の転職先を比較的容易に探すことが可能です。転職にあたっては情報のリサーチを欠かさず、自身の希望にマッチした職場を吟味してください。

5.美容皮膚科と美容外科、どちらに転職するか迷ったら

美容皮膚科や美容外科で働いている医師は、他の診療科から転科したケースがほとんどです。中には、若いうちから最終的には美容系クリニックで働くことを志し、その準備としてベースとなる皮膚科や形成外科での専門医資格取得に励む、計画的な人もいますが、内科や産婦人科など、美容とはまったく関係ない診療科から転科する医師が大多数です

美容と関係のない診療科から美容系への転科する場合、美容皮膚科と美容外科のどちらを選ぶべきなのでしょうか。

結論から言うと、外科的手技を習得していない医師は美容皮膚科のほうがおすすめです。もちろん、「医師としてやりがいを感じる仕事を全うする」ことは重要ですが、ある程度の年齢になってから転科する場合は「一からやり直す」ことを念頭に置く必要があります。まったく手術経験がなかった医師が中堅以降の年代となってから、いきなり美容外科に転科するには相当の努力と根気を要することを覚悟しましょう。

一方で、これまでに多くの外科的手技を習得してきた医師であれば、その経験を生かせる美容外科のほうが有利になります。

どちらの道を進むべきか迷ったときは、これまでの医師としてのキャリアを生かせるか、再び一から研鑽を積む覚悟はあるか、じっくりと考えたうえで後悔のない選択をしてください。より不安なく、有利な転職を実現させたいなら、業界事情に通じたマイナビDOCTORのキャリアパートナーに相談してみることをおすすめします。

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PROFILE

執筆/成田 亜希子(なりた・あきこ) 
 
医師・ライター。2011年に医師免許取得後、臨床研修を経て一般内科医として勤務。その後、国立保健医療科学院や結核研究所での研修を修了し、保健所勤務の経験もあり。公衆衛生や感染症を中心として、介護行政、母子保健、精神福祉など幅広い分野に詳しい。日本内科学会、日本感染症学会、日本公衆衛生学会に所属。

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