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医師の研究日とは? 有意義な過ごし方や仕事との両立のヒント

勤務する医療機関によっては、医師に「研究日」が設けられているケースもあります。研究日は、常勤での診療以外の時間を、学術的な研究や自己研鑽に充てるための制度です。研究日がある場合、どのように活用すれば良いのでしょうか。

本記事では研究日の基本情報やメリット、過ごし方や有効活用するためのポイントなどをまとめました。研究や自己研鑽の時間を取りたくても、勤務先に研究日が設けられていないという方もいるはずです。研究日がない場合に時間を確保する方法も解説するので、仕事と研究・自己研鑽を両立して、医師として高みを目指したい方は、ぜひ参考にしてみてください。

こんな方におすすめの記事です!

  • 研究日がどのようなものか知りたい方
  • 研究日の効果的な使い方を模索している方
  • 診療と研究を両立して働きたい方

目次

医師の研究日とは?

医師の研究日とは、一部の医療機関で勤務医に対して設けている制度のことです。

その名の通り、主に研究活動に専念することを目的としており、この日は通常の診療業務からは離れた時間が確保されます。週に1日または半日程度設けられることが一般的で、学術研究だけではなく、自己研鑽やリフレッシュの時間として活用する医師もいます。

全ての医療機関に設けられているわけではありませんが、医師自身だけではなく、医療機関もメリットが得られるとして、研究日を設けているところは少なくありません。研究日を設けている医療機関の場合、求人票などには「研究日あり」と記載されているケースが多いです。「外勤日」と表現されている場合も、実質的には研究日と同様の意味を持ちます。

医師や医療機関にとっての研究日のメリット

前述した通り、研究日を設けることで、医師だけではなく医療機関にもメリットがあるとされています。具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

医師と医療機関が得られるメリットをそれぞれ見ていきましょう。

医師にとってのメリット

医師にとって研究日があることのメリットは、スキルアップを図るための時間を確保できることです。

医師が質の高い医療を提供し、キャリアを構築するためには、継続的な学びと成長が欠かせません。研究日を活用すれば、学会への参加や論文の執筆、他の医療機関や関連病院などでの勤務に充てられるため、新たな知識や技術の習得、専門性の向上などが実現できます。学会への参加や常勤先以外での勤務によって、医師同士や他の医療従事者とのネットワークを構築するチャンスにもなるでしょう。

また研究日は、必ずしも研究や自己研鑽に充てなければならないというわけではありません。日々の多忙な診療から離れて、リフレッシュの時間にしたり、家族と充実した時間を過ごしたりすることもできるので、ワークライフバランスの向上にも活用できます。

医療機関にとってのメリット

医療機関にとって研究日があることのメリットは、組織全体のレベルアップにつながることです。

研究や自己研鑽、他院での勤務を通して医師がスキルや知識を向上させることは、自院で提供できる医療の質に直結します。研究によって具体的な成果が得られれば、医療機関全体の評価や知名度の向上にもつながり、他院との差別化を図ることもできるでしょう。

また研究日を設けて、医師のワークライフバランスが改善すれば、モチベーションの向上が期待できます。医師一人ひとりが意欲を持って診療に取り組めるようになれば、患者さんの安心感や満足度がアップし、より良い診療・治療を行えるようになるでしょう。研究日を活用してスキルアップした医師の存在によって、他の医師も良い刺激を受けるため、組織全体が活性化する効果も期待できます。

研究日の過ごし方

研究日には、具体的にどのような過ごし方があるのでしょうか。主な研究日の過ごし方の例を4つご紹介します。

学術的な研究に取り組む

研究日の過ごし方の一例として、学術的な研究に取り組むことが挙げられます。

日々の診療業務に追われる中では、研究や論文執筆に集中する時間を確保するのは難しいものです。一般的に研究日は、週1回、1日もしくは半日程度で設定されており、その時間は診療から離れられるので、研究や論文の執筆だけに専念することが可能です。

もちろん、研究や論文執筆は1回の研究日だけで完結するものではありません。そのため、他の時間と並行して進める必要がありますが、週に1度でも集中して取り組める時間があることで、全体の進行が格段にスムーズになるはずです。計画的に研究日を活用すれば、学術的成果を着実に積み重ねられるでしょう。

休暇として過ごす

休暇として過ごすのも、研究日の活用方法のひとつです。

医師の仕事は多忙な上に責任が重大なので、肉体的な疲労だけではなく、精神的なストレスも蓄積しやすい職業です。たとえ土日が休みであっても、「十分に疲れが取れない」「気分転換ができない」と感じている方も多いのではないでしょうか。

研究日は、必ずしも研究や学術活動に充てなければならないものではなく、心身の休養に使うことも可能です。しっかりとリフレッシュすることで、診療への集中力が高まり、結果として医療ミスの予防にもつながるでしょう。

また土日の外出は、商業施設や観光地の混雑により、かえって疲れてしまうケースも珍しくありません。平日に休みが取れる研究日であれば、落ち着いた環境でゆとりを持って出かけられます。

さらに、平日でないと対応が難しい役所の手続きや銀行での用事なども、研究日を活用すればスムーズに済ませられるでしょう。

他の医療機関で非常勤勤務をする

他の医療機関で非常勤勤務をすることも、研究日の過ごし方のひとつです。

非常勤医師として勤務することで、収入を増やせるだけではなく、現在の職場とは異なる症例や診療スタイルに触れる機会を得られます。非常勤先が、最新の医療機器や技術を導入している場合、新たな知識やスキルの習得にもつながるでしょう。

また他院での勤務を通じて新たな人脈作りができるため、将来的なキャリアの選択肢を広げるきっかけにもなります。非常勤勤務を通じてさまざまな現場を経験すれば、視野を広げることもできるでしょう。通常研究日は曜日が固定なので、スポットの非常勤だけではなく、曜日固定で非常勤をすることも可能です。

ただし、医療機関によっては他の医療機関での勤務を禁じているケースもあります。一般的に大学の医局は、他の医療機関での非常勤勤務が制限されていることが多いです。非常勤勤務をする際は、事前に就業規則や職務規定を確認しましょう。

関連病院などで勤務する

研究日の過ごし方の例として、関連病院などで勤務することも挙げられます。

前述の通り、大学の医局に所属している場合、他の医療機関での勤務を制限されていることが多いです。しかし、そういった場合でも、関連病院などでの勤務が認められているケースは少なくありません。

一般的に大学病院の勤務医は、給与水準が民間病院に比べて低い傾向があります。収入を補うために、研究日に関連病院で勤務する医局の医師は多いです。関連病院で働くことは、臨床経験を積むことにもつながります。

研究日を有意義に使うためのポイント

研究日は「必ず◯◯をしなければならない」と決まっているわけではないので、意識していないとダラダラと過ごしてしまいがちです。研究日を有意義に使うために、3つのポイントを押さえておきましょう。

目的意識を持つ

研究日を有意義に使うためには、明確な目的意識を持ちましょう。

「何のために、どのような活動を行うのか」「限られた時間をどう使うか」などを考慮し、自分自身で明確な目的・目標を設定することで、時間を有効活用できます。中長期的なゴールを設定した上で逆算し、一日をどのように過ごすかを考えるのがおすすめです。

やるべきことを明確にすれば、より有意義な過ごし方ができるでしょう。

必要な準備を整えておく

必要な準備を整えておくことも、研究日を有意義に使うために必要不可欠です。

例えば、研究日に「いざ研究をしよう」としても、資料や機材がないと、すぐに研究に取り掛かれません。研究日に備えて事前に準備をしておけば、貴重な研究日を準備の時間に費やさずに済みます。

実施する研究に何が必要なのかをリストアップし、隙間時間を使って準備しておくことが大切です。どのように進行するかも、事前に計画しておくと良いでしょう。

活動内容を振り返る

研究日を有意義に使うためには、活動内容の振り返りも重要になります。

研究日を終えたら、「計画通りに進んだか」「想定以上に時間がかかった作業はなかったか」などを、振り返ってみましょう。活動内容を振り返れば、課題や改善点も見つかるはずです。

その都度振り返りを行う習慣を作っておけば、次の研究日をより有意義なものにできます。必要に応じて計画を練り直し、反省点を今後の取り組みに生かしましょう。

医師の仕事と研究・自己研鑽は両立できる?

臨床医として診療を行いながら、研究や自己研鑽を両立することに、難しさを感じている方もいるかもしれません。

結論からいえば、医師の仕事と研究・自己研鑽の両立は可能です。しかし、無理なく両立を実現するには「職場選び」が重要になります。両立のための職場選びについて見ていきましょう。

研究へのサポート体制が整った医療機関も

医療機関の中には、研究や自己研鑽に対するサポートを充実させているところも少なくありません。

一概にはいえませんが、大学病院や研究所を備えた病院などは、手厚いサポート体制が整備されているケースが多いです。ただし、そういった環境では、通常業務も激務になりやすいので、両立することで、負担は大きくなる傾向にあります。

仕事と研究・自己研鑽の両立を目指すには、休日にしっかりと休息を取りながら、目的意識を持って、研究や自己研鑽に取り組むことが大切です。

研究医への転向も検討

もし今後、研究に本格的に取り組みたいと考えているのであれば、研究医への転向も視野に入れてみると良いでしょう。

研究医とは、文字通り医療に関する研究をする医師のことです。まだ効果的な治療法がない疾患や治療法が限られている疾患の原因やメカニズムの解明や、臨床研究による治療法や予防法の効果の検証、新薬や治療法の開発に携わり、より良い医療の提供に貢献します。

臨床医としてさまざまな症例を経験した後、研究に専念して、医学の進歩を支える存在として活躍する医師も少なくありません。

研究医は、臨床には携わらずに研究を行う「基礎研究医」と、臨床に携わりながら研究に従事する「臨床研究医」に分けられます。前者は医師免許は必須ではありませんが、後者は医療現場での診療に携わるため、医師免許が必須です。

医師の働き方改革による後押しにも期待

2024年4月からスタートした医師の働き方改革により、医療従事者の研究・自己研鑽環境にも変化の兆しが見え始めています。改革の大きなポイントは、時間外労働の年間上限を960時間とした点です。

この上限設定によって長時間労働が抑制されれば、学会参加や論文執筆などに充てる時間が生まれ、医師自身の成長と臨床現場でのパフォーマンス向上が期待できるでしょう。

参考:「医師の働き方改革」.jp「医師の働き方改革」とは」
参考:医師の働き方改革 C2審査・申請ナビ「医師の働き方改革の制度について」

研究日がない職場で同様の時間を確保するには?

前述した通り、全ての医療機関で研究日が設けられているわけではありません。研究日がない職場で同様の時間を確保するには、どのような工夫をすれば良いのでしょうか。

有給休暇を計画的に活用する

研究日がない職場で同様の時間を確保するには、有給休暇を計画的に活用することが大切です。

例えば、決まった曜日に定期的に有給を取得すれば、ルーティンとしてまとまった時間を作れます。実質研究日と同じように活用できるので、付与された有給休暇の日数を基に、与えられている有給日数の範囲内で、どの程度の頻度でどれくらいの時間を確保できるかを計画してみると良いでしょう。

転職を検討する

「研究に取り組みたいが、有給休暇はプライベートのために使いたい」という方は、研究日を設けている医療機関への転職もひとつの方法です。

研究日がある医療機関で働けば、研究活動とプライベートを切り分けられ、有給休暇はリフレッシュや家族との時間に充てられます。

研究日を設けている医療機関や研究へのサポートが充実している医療機関は、環境も整っているケースが多いので、今よりも研究に専念しやすくなるはずです。

研究と両立できる転職先を探している方へ

仕事と研究を両立できる医療機関への転職を検討している方は、20,000件以上の医療機関との取引がある「マイナビDOCTOR」にご相談ください。非公開求人も多数取り扱っており、豊富な求人の中から、研究日がある医療機関や研究支援が充実している医療機関など、条件にマッチする求人をご紹介します。

参考:マイナビDOCTOR「トップページ」

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記事の監修者

吉川 博昭(よしかわ ひろあき)

吉川 博昭(よしかわ ひろあき)

医師免許/日本ペインクリニック学会認定専門医/大阪府内複数医療機関 勤務医
医師免許取得後は麻酔科やペインクリニックを専攻し、複数の医療機関で臨床業務に携わってまいりました。健康で穏やかな日々を送ることを大切にしています。

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