医師の年収はどれくらい?勤務医の平均年収や年収アップの方法を解説|医師の現場と働き方

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医師の年収はどれくらい?勤務医の平均年収や年収アップの方法を解説

勤務医の年収は、年齢や診療科、勤務形態、勤務地域などによって差が見られます。年収アップを目指して転職を考えている人は、条件によってどれくらいの差があるのかを知っておくとよいでしょう。今回は勤務医の年収事情と開業医との違い、勤務医が年収を上げる方法について解説します。

<この記事のまとめ>

  • 病院勤務医の平均年収は、1,467万8,978円(「第23回医療経済実態調査報告」より。
  • 同一施設の場合、常勤医として勤務し、勤務時間が長く当直が多いほど年収は上がる傾向がある。
  • 年収アップを狙うなら、地方・郊外の高給与求人を探す、資格・技術を向上させて年収交渉をする、空き時間を利用して非常勤勤務をするなどの方法がおすすめ。

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1.勤務医の平均年収と開業医との違い

厚生労働省が2021年11月に発表した「第23回医療経済実態調査 (医療機関等調査)報告(令和3年実施)」によると、病院勤務医の平均年収(国公立・医療法人など、すべての経営母体を含めた全体の数値)は、1,467万8,978円(平均給料年額1,314万7,020円+賞与153万1,958円)でした。

一方、一般診療所の開業医の平均年収(医療法人・その他の院長の場合)は2,699万7,265円(平均給料年額2,682万9,001円+賞与168万264円)であり、大きな差があることが分かります。

ただし、上記開業医の年収は、医療・介護の収益計から人件費などの経費を引いた差額を算出したものであり、実際の開業医個人の収入とは差がある可能性が考えられます。

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2.年代・男女別勤務医の年収事情

続けて、厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」の結果を参考に、年代別、男女別の勤務医の平均年収を見てみましょう。

■年代別・男女別の勤務医の平均年収

年代区分 平均年収
男性医師 女性医師
20~24歳 554万8,300円 365万8,400円
25~29歳 727万5,800円 634万7,700円
30~34歳 1,008万1,600円 883万6,800円
35~39歳 1,444万6,900円 1,354万5,100円
40~44歳 1,570万800円 1,218万8,000円
45~49歳 2,087万1,100円 1,602万2,400円
50~54歳 1,870万1,900円 1,603万300円
55~59歳 1,896万6,300円 1,771万7,600円
60~64歳 1,844万5,500円 1,655万7,500円
65~69歳 1,851万5,500円 1,768万8,100円
70歳~ 1,594万6,800円 1,358万4,000円

※平均年収は「きまって支給する現金給与額」(基本給に加えて各種手当や超過労働給与額を含む)×12カ月+「年間賞与その他特別給与額」にて算出

参照:令和4年賃金構造基本統計調査|厚生労働省 7.職種(特掲)、性、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)

上記より、男性医師の平均年収のピークは「45~49歳」であるのに対し、女性医師の平均年収のピークは「55歳~59歳」と遅い段階で迎えることが分かります。

また、男性勤務医全体の平均年収は1,514万8,100万円(平均年齢45.6歳、勤続年数6.6年)、女性勤務医全体では1,138万3,700万円(平均年齢39.1歳、勤続年数4.7年)で、男性医師の方が高い結果でした。

基本的には、医師の給与水準に男女差はなく、年収額の変化は勤務形態の変化による影響が大きいと考えられます。総じて、いずれの年代も男性医師より、女性医師の平均年収は低い傾向にあるものの、ワークライフバランスなどを考慮した勤務形態などが影響している可能性が考えられます。

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3.診療科別・勤務医の年収事情

続いて、診療科ごとに勤務医の平均年収を見てみましょう。2012年に独立法人労働政策研究・研修機構が発表した「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、平均年収が最も高いのは「脳神経外科」の1,480万3,000円であり、次いで「産科・婦人科」で1,466万3,000円という結果でした。

■診療科目別・勤務医の平均年収

診療科 平均年収
内科 1,247万4,000円
外科 1,374万2,000円
整形外科 1,289万9,000円
脳神経外科 1,480万3,000円
小児科 1,220万5,000円
産科・婦人科 1,466万3,000円
呼吸器科・消化器科・循環器科 1,267万2,000円
精神科 1,230万2,000円
眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科 1,078万7,000円
救急科 1,215万3,000円
麻酔科 1,335万2,000円
放射線科 1,103万3,000円
その他 1,171万5,000円

参照:勤務医の就労実態と意識に関する調査|独立行政法人労働政策研究・研修機構

4.年収が高い勤務医の職場の特徴

診療科による違いだけでなく、職場環境によって給与額が異なります。年収が高い勤務医の職場の特徴について紹介しましょう。

4-1.地方にある医療施設

全国的に医師不足が続く中、特に深刻なのが地方の状況です。高齢者の割合が大きいエリアほど、医師不足は深刻です。医療機関が少ない一方で受診する高齢者は多いため、医師の負担が増大しています。

近隣に医大がなく若手医師を確保しにくい、利便性の低い立地で人材が集まりにくいといった背景もあり、このような医療機関では医師を確保するため、高水準の年収を設定する傾向があります。そのため年収を上げたい勤務医は、都市部のみならず郊外や地方の求人に目を向けてみることをおすすめします。

地方勤務の医師が高給与な理由

4-2.医療法人を経営母体とする職場

勤務医の年収は、経営母体の種類によっても異なります。一般的に、公立や国立病院よりも、民間の医療法人の方が給与は高い傾向にあります。「勤務医の就労実態と意識に関する調査」(独立行政法人労働政策研究・研修機構)によると、経営形態別では、国立、公立、公的、社会保険関係団体、学校法人、個人などに比べて、医療法人の勤務医の平均年収が最も高く1,414万円という結果でした。また、年収2,000万円以上となる医師の割合も、国立の勤務医は全体の1.5%であるのに対し、医療法人は全体の16.6%という結果でした。

5.勤務医が年収を上げるには?

勤務地や診療科、経営母体など、収入に差が出る理由はさまざまです。勤務医が年収を効率よく上げるためには、どうすればよいのでしょうか。

5-1.勤務時間を増やす

多くの勤務医は年俸制となっており、同一施設であれば、勤務形態や勤務時間によって収入に差が出ます。つまり、常勤で当直をこなし、勤務時間が長くなるほど、年収が上がるといえるでしょう。勤務医が現在の勤務先で年収アップを目指すなら、勤務時間を増やしたり当直やオンコールに対応したりすることが着実な方法です。

5-2.役職に就く

科長や部長などの役職に就くと、手当による年収アップが期待できます。施設によって役職手当の内容や割合には差があるため、勤務先の条件を確認しておくとよいでしょう。

5-3.資格や技術を修得する

資格や技術の取得を目指すのも一つの手です。例えば、特殊な手術や内視鏡ができるといった強みがあれば、年収アップの交渉材料にできるでしょう。また、転職をする際にも、年収を上げる交渉材料として有利に働きます。今後は、単純に勤続年数の長さだけで年収が増えるとはかぎりません。専門的な資格や技術の取得が、年収を上げるための大事な要素になると考えられます。なお、医師としてのネームバリューがあり、患者さんを集められる存在になれば年収額が考慮される可能性もあります。

5-4.スポット(単発)アルバイトや定期非常勤で働く

空き時間を有効活用して、スポット(単発)のアルバイトや定期非常勤で働くことも年収アップにつながります。「勤務医の就労実態と意識に関する調査」(独立行政法人労働政策研究・研修機構)によると、複数の勤務先で働く理由を問う質問に対し、「収入を増やしたいから」とする回答が最多でした。多くの医師が収入アップを目的に、非常勤を行っていることがうかがえます。

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5-5.資産運用を始める

働く成果としての年収アップとは異なりますが、株式投資、ファンド、不動産投資などに取り組むことで副収入を得る方法もあります。こうした副収入の確保は、万が一、将来、医師として働くことが難しくなったり、早期リタイアを考えたりする場合の保険にもなります。
ただし、それぞれの資産運用のメリットやデメリットは異なるため、それぞれの予算や目的に応じて選ぶことが大切です。また、どの資産運用にもリスクがあるため、十分に確認した上で取り組むようにしましょう。

6.勤務医でも効率よく収入アップを目指そう

勤務医の年収は、所属する診療科や経営母体などによって大きく異なります。また同一の医療機関内で比較する場合、勤務形態や勤務時間の長さが年収水準に影響していることも分かりました。年収アップを目指すなら、専門的な資格・スキルを体得する役職に就くなどさまざまな方法がありますが、働き方やプライベートを加味しながら自分に合った方法を考えてみてはいかがでしょうか。効率よく収入アップを目指して転職を考えるなら、医師専門のエージェントに相談してみるのもおすすめです。

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PROFILE

監修/小池 雅美(こいけ・まさみ)

医師。こいけ診療所院長。1994年、東海大学医学部卒業。日本医学放射線学会・放射線診断専門医・検診マンモグラフィ読影認定医・漢方専門医。放射線の読影を元にした望診術および漢方を中心に、栄養、食事の指導を重視した診療を行っている。女性特有の疾患や小児・児童に対する具体的な実践方法をアドバイスし、多くの医療関係者や患者さんから人気を集めている。

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