地域医療が求められる理由や医師に期待される役割とは?|医師の現場と働き方

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地域医療が求められる理由や医師に期待される役割とは?

少子高齢化が深刻さを増す中、新たな医療の形として地域医療が注目を集めています。転職先として地方の病院やクリニックを検討する医師も出始め、社会的にニーズが大きい在宅診療や高齢者医療への人材の移動が現実的になりました。今回は地域医療の役割や魅力について解説します。

〈この記事のまとめ〉

  • 地域医療では医療機関同士だけでなく、行政や介護組織も一体的に取り組むのが特徴
  • 地域医療が求められている背景は団塊の世代が75歳を迎える2025年問題がある
  • 地域医療の主たる業務は「日常的な病気の診察」「予防医療や健康増進の実施」「医療・保健・福祉の連携」の3つ

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1.そもそも地域医療とは?

地域医療とは地域全体で、住民の健康を包括的にサポートする体制のことです。病気になったときはかかりつけの病院にかかるのが一般的ですが、地域医療では各医療機関が連携し、行政や住民組織も一体となって取り組みます。

地域医療と関連性が深いのが高齢者が要介護状態に陥ったとき、医療・介護・住まい・予防の4分野を一体的に提供する「地域包括ケアシステム」です。後述の地域医療構想とケアシステムは補完関係にあります。同時に推進することで、医療と介護の連携によって、住み慣れた街で充実した老後を過ごせます。

日本の医療体制の課題は、顕著な都市部の高齢化と、地方での過疎化や医療需要の減少に対処することです。東京都の医療介護需要予測にかかる調査では、2015年時点を100とした場合、2040年時点での介護の需要指数は145、医療の需要予測は116と大幅な伸長が予測されています。

一方で過疎化が進む地方では医療・介護ともに需要が減る見込みで、医療体制も縮小するとみられます。医療と介護の大幅な需要変化に応えるには、医療と介護の連携が不可欠です。今までの医療機関同士で競争する形から、強調・連携による役割分担が重要なテーマになるでしょう。

※参考:日本医師会「地域包括ケアシステムにおけるかかりつけ医の役割」

2.なぜ、地域医療が求められているのか

地域医療へのニーズが高まっている背景は、高齢化と少子化の進展による人口構造の変化です。2025年には団塊の世代がすべて75歳を迎えるため、後期高齢者の急増が予想されます。人口の構造が大きく変わり、医療に対するニーズや医療体制にも変化が生じると予測されています。

今後を見据えて、厚生労働省は地域医療の基本計画である「地域医療構想」を策定しました。医療機関の機能分化・連携を通じて質の高い医療を効率的に推進するのが狙いです。具体的には医療機関を機能別に高度急性期・急性期・回復期・慢性期に分け、2025年時点での医療需要や病床の必要数を推測します。

医療需要と病床の必要数を把握した後は、機能分化や連携の推進によって受け入れ体制を整備し、同時に在宅医療の充実や医療従事者の確保を進めます。地域医療構想における病床機能の区分は次の通りです。

高度急性期機能:症状が不安定で緊急性を有する急性期の患者さんの早期安定を目的に、診療密度が高い医療を提供する機能
急性期機能:急性期の患者さんに対して、早期安定を目指して医療を提供する機能
回復期機能:急性期から脱した患者さんに対して、在宅医療やリハビリテーションを提供する機能
慢性期機能:長期にわたり療養が必要な患者さんを入院させる機能

地域医療構想では医療機関が持つ病床の現状や今後の方向性を報告する病床機能報告制度が定められています。各病院は病床ごとに「高度急性期」「急性期」「回復期」「慢性期」から選んで、都道府県に対して報告します。

3.地域医療における医師の役割

地域医療に従事する場合、大学病院や市中の病院に勤める場合と、役割や業務に違いはあるのでしょうか。地域の医療で求められるのは、日常的な病気や健康問題を診察・治療すること、予防医療や健康増進の実施、医療・福祉・保健の連携の3つです。

3-1.日常によくある病気や健康問題を適切に診察・治療する

風邪や腹痛など日常的によくある病気の診察・治療は、住民の健康状態をよく知る地域医療での対応が適しています。まずは地域の病院に受診し、対応が難しい重度の疾患は大きい病院を紹介するという風に役割を分けると効率的です。

大学病院では特定の分野に注力した専門性の高い医療の提供がメインです。地域医療で対応できない高度な設備を利用できるのは利点です。

3-2.予防医療や健康増進の実施

予防医療や健康増進の取り組みは、居住する患者さんの症状や性格に詳しい地域医療だからこそなせる業です。地域の医療機関では病院ごとに散らばる医療データを整理し、全身にまたがる治療を提供できます。たとえば高血圧を治したいと希望する患者さんにも、検査や問診で得たデータを活用して、糖尿病をはじめ関連疾患の発見が可能です。

予防医療や健康増進を意識に注力することで、元気な状態で過ごせる健康寿命の伸長につながります。65歳以上の割合が21%を超える超高齢化社会の今、医療費の増加を抑えるには、高齢者が生涯現役で暮らせる体制の整備が必要です。

予防医療には健康なうちに始める一次予防、検診で病気を早期発見する二次予防、リハビリテーションの三次予防に分かれています。地域医療が健康増進の役割を担えば、悪化の前に病変を察知し、合併症や二次障害のリスクを減らせるでしょう。

3-3.医療・福祉・保健の連携を行う

地域医療で重要なのは、医療・福祉・保健の連携を行う役割です。病状次第では在宅での介助や介護・福祉施設への入居が必要になるため、医療機関が単独で動くだけでは十分な機能を果たせないためです。たとえば脳梗塞の後遺症で麻痺が残ってしまったとき、医師の業務は麻痺の程度や心身の状態を診断するにとどまります。

安心で快適に過ごせる環境作りのため、自治体のケアマネージャーと相談して、自宅の改修やリハビリ計画を練る場合があります。施設に入居後の生活状況をヒアリングして、健康状態は安定しているか、追加サポートが必要か判断材料を得ることも可能です。

医療・福祉・保健の連携で重要なのは、関係各所と良好な関係を築くコミュニケーション力です。診察室での患者さんとの対話や病院内での看護スタッフでのやり取りを通じて、現状・問題点・課題を把握し、いかに改善につなげるか共に対応策を考えられます。

4.医師が地域医療に携わる魅力とは?

通常のクリニックや病院では、経験できない地方医療ならではの魅力があります。時間に追われず個別のケースにじっくりと向き合いやすく、外部の機関と連携を図りながら進められるのが大きな特徴です。ここでは、地域医療に携わるさまざまなメリットを解説します。

4-1.一人ひとりの患者さんと向き合うことができる

地域医療に取り組む大きな利点は、一人の患者さんに対して向き合える時間を確保しやすいことです。大病院では1日に何件もの診察をこなす必要があり、目の前の相手にじっくり対応する余裕をもてないでしょう。

地域医療では病状や既往歴に加えて、人となりや生活の様子も踏まえた幅広い観点で治療できます。日頃から関係性を築けていれば、悩みや不安を聞き出しやすく、日常生活に対するアドバイスも可能です。さまざまな可能性を考慮した適切な提案や、予防医療を推進できるのは地域医療だからこそです。

4-2.高齢者医療や在宅医療で地域に貢献できる

社会的に需要が高まっている高齢者医療や在宅医療に貢献できるのも地域医療の特徴だといえます。厚生労働省の地域医療構想でも、慢性期を迎えた患者さんの受け入れ先として、在宅医療を強化する方針が示されています。自分で通院が難しくなった高齢者が安心して暮らすために、自宅に訪れる地域の医師は心強い存在です。

団塊の世代が後期高齢者への移行を終える2025年が迫り、地域では高齢者を支える仕組み作りが求められます。各地域の実情に応じて、医療・福祉・保健におよぶネットワークを形成し、日常的に顔が見える関係を構築しましょう。高齢者の孤独死や独居老人の認知症を防ぐためには地域医療のサポートが欠かせません。

4-3.医療と介護の関わりを経験から学ぶことができる

地域医療に携わると介護施設やそこで働く職員と密に接するため、医療と介護の関わり方への理解を深められます。2014年に「地域医療・介護総合確保推進法」が施行され、医療機関との連携や在宅介護の推進は行政主体で進めることが決まりました。

地域医療では市町村や医療機関、地域包括支援センター、保健所などが連携の対象です。地域医療に携わりたい場合、転職先は地域内のクリニックが一般的ですが、介護療養型医療施設で働く道もあります。100人の利用者に対して3人の常勤医を置くのがルールです。法定雇用人数に満たない施設での採用ニーズを期待できます。

在宅復帰を目指す目的の施設なので、専門的な医療ケア以外にリハビリテーションも実施します。医療と介護の両方を経験できる環境に身を置くことで、クリニックや病院では得られないスキルが身につくでしょう。

4-4.プライマリ・ケアの能力が向上する

患者さんの特性を踏まえた幅広い観点で治療できる地域医療は、プライマリ・ケアの能力を伸ばしやすい環境です。プライマリ・ケアとは、定期健診から日常的な病気の診断・治療、訪問診療に至るまで総合的に心身の状態を判断する医療ケアです。また、特殊な症例は大学病院をはじめ専門機関へとつなぐ役割も有しています。

プライマリ・ケアはかかりつけ医と似通った言葉ですが、定義に若干の違いがあります。かかりつけ医は健康に関する悩みを何でも相談でき、豊富な医療知識を有する頼りになる存在です。必要であれば専門医療機関や専門医の紹介も可能で、地域医療・保健・福祉をつなぐ役割も有しています。

総合的な視点に立ち、患者さんに基礎的な医療を提供するプライマリ・ケアは臨床医が備えるべきスキルであり、かかりつけ医だけが担う行為ではないことに注意が必要です。プライマリケアは超高齢化社会を迎えた現代にあって、必要性が高まっています。高齢者は基礎疾患を抱えやすく、ある病状を訴えたとき、背景には持病や生活習慣が関わっているケースがあります。

大規模な病院では高度な医療を提供できる反面、一人ひとりの事情を考慮した寄り添う対応は難しくなるでしょう。軽症の患者さんを地域医療のプライマリ・ケアが担い、重症や珍しい疾患は大規模な病院に任せる分業体制を敷くことで、効率的で質の高い医療が実現します。

4-5.行政や介護施設、健康教室などと連携することができる

地域医療では行政や介護施設、健康教室など普段の業務では関わらない機関と連携できるのが魅力です。自分にはない知見や視野を取り入れることで、スキルアップや多様性の獲得にもつなげられます。地域医療のよくある連携パターンが、かかりつけ医から病院への紹介です。

地域のクリニックで実施できない検査や治療が必要になったとき、かかりつけの医師が紹介状を発行して、大病院での診察を依頼します。入院・通院中の病院からかかりつけ医に対して逆紹介が行われることもあります。各病院にいるのは、退院や他の病院への転院を支援するソーシャルワーカーと呼ばれるスタッフです。

退院後に患者さんの状態が悪化した場合に、検査や診察を実施するため、入院していた病院から地域のかかりつけ医に紹介状を出す場合があります。病院・診療所・介護施設との連携での例としては、電子カルテの導入で情報を一元化している自治体があります。他にも受診予約や検査を病院が代行して診療所に情報を送信したり、診療所から画像読影の依頼を病院側が受けたりするケースも一つです。

4-6.待遇が良くなるケースもある

地域の医療を担う人材は慢性的な人手不足のため、好条件を提示して人材を募るのが一般的です。都心で就職先を探す場合と比べて、高年収の求人が見つかる可能性は高いといえます。人によっては都会の病院で経験を積んだ後、地元に出戻りするキャリアプランを考えているケースもあります。

厚生労働省が実施した「医師の勤務実態及び働き方の 意向等に関する調査」によると、50代以下の勤務医の半数が、地方(東京23区、政令指定都市、県庁所在地等以外の都市)に勤める意思があるとのことです。半年〜1年を希望する割合は低く、10年以上の長期で働きたい層が多いため、地方で腰を据えて働く気持ちを感じ取れます。勤務医を続けるなかで年収を上げたいと考えるなら、地方の病院に転職して地域医療に携わるキャリアプランを描くのも良いでしょう。

※厚生労働省「医師の勤務実態および働き方の意向等に関する調査」

5.地域医療も視野に入れてキャリアプランを考えよう

社会的なニーズが大きい地域医療に携われば、さまざまな領域で有意義な経験が積めます。地方では医療を担う人材の不足が深刻さを増しているため、好条件を提示して医師を募る傾向にあります。転職して年収を上げたい場合、地域医療が狙い目です。

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