医院継承とは?開業したい医師必読のメリットとリスク|医師の現場と働き方

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医院継承とは?開業したい医師必読のメリットとリスク

将来開業したいと考える医師も多いのでは? 開業を実現するには資金面や集患面などさまざまなハードルを越えなければなりません。そこで、近年注目を集めている開業の方法が「医院継承」です。今回は医院継承のメリットと医院継承によって生じるリスクをふまえ、どのような開業スタイルを選択すればいいかを解説します。

<この記事のまとめ>
・医院継承とは、閉院を検討している経営者から開業希望者へ医療機関を譲渡して経営を存続させることです。後継者不足により、医院継承のニーズは拡大しています。
・開業したい医師にとって、医院継承は低コストで開業ができるうえ、医療スタッフ・患者さんを引き継ぐことができ経営が軌道に乗りやすいというメリットがあります。
・医院継承による開業を成功させるには、前任者と新任者による入念な条件交渉がポイント。仲介サービスを利用すると条件交渉や情報収集をスムーズに進めやすい。

1.医院継承とは?

医院継承とは、閉院を検討している経営者が開業希望者に既存の医療機関を譲渡し、新たな経営体制で医療機関を存続させることです。譲り受けるのは、親族や第三者(個人または法人)などさまざまです。譲り受ける側は経営者に対価を支払いますが、コストをおさえて開業できるというメリットがあります。

昨今は少子高齢化の影響もあり、後継者不足に悩む企業や医療機関が増加傾向にあります。「医療機関の休廃業・解散動向調査」(帝国データバンク、2015年)によれば、2014年に休廃業・解散した医療機関は347 件(休廃業239 件、解散108 件)で、前年比12.7%増となったそうです。この中で、特にクリニックが271件と大部分を占めていることが注目されます。

上記の調査では、2014年に休廃業・解散に至った医療機関の代表者の年齢層は、多いほうから「70歳代」が62件(27.0%)、「60歳代」が56件(24.3%)、「80歳代」が54件(23.5%)でした(代表者の年齢層が確認できた230件に限ったデータ)。すでに医療機関の代表者の高齢化は相当に進んでおり、世代交代できずに事業継続を断念したケースが多いと考えられます。一方で、特に医師不足が深刻な地域では、地域の患者さんのことを考えて「閉院したくても閉院に踏み切れない」というケースもありそうです。

こうした背景から、医療機関を譲渡したい側と開業したい側、双方のニーズをかなえる「医院継承」が注目を集めています。医院継承は、地域医療が存続するためにも有効な方策であり、その土地で生活する患者さんにとってもメリットがあります。近年は医師のための開業支援サービスでも契約が成立するケースが増えています。

2.医院継承のメリット

医院継承は、通常の開業と比べてどのようなメリットがあるのでしょうか? 違いと特徴を見ていきましょう。

メリット①低コストで開業できる

クリニックを新規開業する場合、準備することが盛りだくさんなうえ多額の費用がかかります。例えば、開業する土地や物件の調査、内装・外装の修繕や工事、医療機器や什器等の選定と購入、医療スタッフの採用、地域の患者さんを集めるための広告宣伝などです。このように多額の初期費用がかかることが開業の最大のハードルとなっています。

その点、医院継承であれば、土地や建物、医療設備をそのまま引き継げるため、開業の初期費用を大幅に抑えることができます。新規開業にこだわる場合、融資を受ける方法もありますがその返済額は先々の経営に重くのしかかってきます。医院継承でコストを抑えることによって心理的な負担を軽減でき、スムーズに開業を行ううえでもプラスにはたらくでしょう。

メリット②経営が軌道に乗りやすい

医院継承によって開業をすると、既存の患者さんを引き継ぐことができるため、経営が軌道に乗るまでの時間が早いことが期待されます。

患者さんにとっては、経営者が代わること以外は変化がなく、それまで通りの受診環境を維持できるため、大きな問題がなければそのまま通ってくれるはずです。また譲渡する側の医師との引き継ぎ交渉がスムーズに進めば、患者さんにそのまま通院してもらうよう案内をしてもらえるでしょう。いってみれば、「患者さんから集めていた信頼」を含めて引き継ぐことができるというわけです。

新規開業となれば、ゼロから集患するために多大な努力や広告宣伝費が必要になり、経営が軌道に乗るまでにも時間がかかります。

メリット③医療スタッフを引き継げる

医院継承による開業では、医療スタッフも引き継ぐことができます。当然ですが、医療機関は医師1人だけでは成り立たず、多くのスタッフの働きが重要です。優秀なスタッフの定着が、医療機関の命運を握っていると言っても過言ではありません。

特に古参のスタッフは、地域の事情に通じていたり、患者さんとの信頼関係ができていたりするので頼りになる存在であり、経営していくにあたり大きな助けとなるでしょう。既存のスタッフを引き継ぐことで、診療上・経営上のリスクをかなり下げることができます。

もしも新規開業をする場合はゼロから医療スタッフを募集・採用することになるため、時間も費用もかかります。そのうえ定着してもらうようになるには、数年単位での関係構築が必要になります。

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3.医院継承のリスクとリスク回避のポイント

費用面や集客面など、開業で重要となるポイントでメリットが大きい医院継承ですが、リスクはあるのでしょうか。想定されるリスクと、回避するためのポイントを見ていきます。

リスク①前経営者とのトラブル

特に中小規模の医療機関などでは、経営理念や診療スタイルのこだわりが強い場合があります。医院継承をするからといって、必ずしもすべてを引き継がなければならないということはありませんが、前任者によっては経営理念や診療スタイルまでも継承することを希望する場合もあります。

譲渡する側と引き継ぐ側の理念や診療スタイルが合わない場合、経営に口を出されてしまったりトラブルに発展してしまったりするおそれがあります。経営理念や診療スタイルを刷新した場合、既存の患者さんやスタッフとの軋轢が起こる可能性もあります。

このようなトラブルを避けるためには、継承前に入念なすり合わせが欠かせません。マイナビDOCTORの開業医支援サポートなど、条件交渉の際に仲介サービスを利用すると確認点のヌケモレなく交渉ができるのでおすすめです。

リスク②医療スタッフや患者さんの反発

医療スタッフや患者さんを引き継げるとはいえ、コミュニケーションを積み上げ信頼関係を構築する努力は欠かせません。

特に既存の医療機関の経営者が信望を集めていた場合、関係構築をおろそかにしてしまうと「こんなはずではなかった」「前のほうがよかった」などと反発を招いてしまうおそれがあります。さらに関係が悪化した場合、患者さんが通院をやめてしまったりスタッフが退職してしまったりするリスクがあります。

このような事態を避けるためにも、患者さんやスタッフと信頼構築を丁寧に行っていく必要があります。日常的なコミュニケーションをとりながら、患者さんやスタッフ一人ひとりと向き合いましょう。特に新たな経営理念や診療スタイルを導入する場合はスタッフが戸惑うことが予測されますので、丁寧に説明するとともに理解を得られるよう努力が必要です。

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4.医院継承と通常の開業、どちらがおすすめ?

医院継承はさまざまなメリットのある開業の方法です。初期費用を抑えられる、開業にかかる労力を削減できる、経営が軌道に乗りやすい等のメリットがあるため、なるべく少ないリスクで開業をしたい医師におすすめです。「早く開業したいけれど資金力に不安がある」「診療には自信があるけれど経営力に不安がある」など開業にあたって不安のある医師は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

一方、コストや労力はかかっても自分の思い描いた通りのクリニックを開業したい医師やゼロから経営をスタートしてみたい医師は、通常の開業がおすすめです。

医院継承でも通常の開業でも、クリニック開業を実現するには情報収集が欠かせません。まずはマイナビDOCTORの開業支援サービスなどを利用して、医院継承の案件や物件情報、開業の進め方などについて相談し理解を深めてみてはいかがでしょうか。

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