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医師が転職を後悔しないためにできることは?転職のリスクや確認ポイントを解説

専門職である医師は、転職しやすい職種とされています。医師の平均転職回数は生涯で4~5回程度と言われますが、なかには納得できない転職になってしまうケースがあるのも事実です。今回は、医師が転職を後悔しがちな理由や転職のリスク、転職を成功させるポイントなどについて解説します。

こんな方におすすめの記事です!

  • 医師として転職を考えているが、失敗や後悔が不安
  • 転職で希望条件をしっかり叶えたい
  • 労働環境や人間関係のミスマッチを避けたい

目次

医師の転職で後悔しがちなこと

まず、医師が転職で後悔しがちな要因として、どのような点があるのでしょうか。代表的な理由を紹介します。

業務内容や待遇などが想定と違っていた

転職活動中は希望する条件を踏まえて情報収集を行い、最終的に転職先候補を絞りこんでいるはずです。しかし、実際に入職してみると想定と違ったと感じることもあります。特に業務内容や待遇などにおいて、以下のような点で後悔しがちです。

●思っていたよりも当直回数が多い、オンコールの待機時間が長い
●想定しなかった業務が発生する(院内委員会への強制参加や講演会での登壇など)
●福利厚生が機能していない(院内保育施設や育休制度が実際には稼働していない、実績がなかったなど)
●想定していた収入が約束されていない(インセンティブ制度やボーナス加算などの条件が不明瞭、手当支給の条件が異なるなど)

転職先の方針や価値観が合わない

自身のキャリアパスに見合った転職先を選んだつもりなのに、医療施設の診療方針と合わずに後悔することもあります。経験したい症例が担当できない、方針により治療方法の選択肢が限られるなど、求人情報では見えなかった内部事情によって、キャリアに影響することもあるでしょう。また、施設の経営方針や価値観が合わず、転職を悔やむ場合もあります。

人間関係が上手くいかない

日々の診療業務を円滑に進めるためには、上司や同僚医師、指導医、先輩、後輩などをはじめ、看護師や薬剤師、放射線技師、臨床検査技師などとのコミュニケーションと協働が不可欠です。

そうしたなかで、転職先での新しい人間関係が上手く構築できないと、転職を早まったかもしれないと感じるかもしれません。転職先の人間関係や雰囲気は、求人情報だけでは見えない部分です。人同士の関係だけでなく、医局内での立ち位置や連携施設との関係など、複雑に絡むケースもあり、実際に入職しないとわからないこともあります。また、前職で上手に退職できず、元の職場の先輩や同僚との関係が悪くなり、学会活動などに影響してしまうといった人間関係の悩みが生じることもあります。

キャリアプランを進められない

キャリアアップのために転職を決めたはずなのに、実際に入職してみるとスキルアップにつながらない業務が中心になったり、経験できる症例数が少なかったりすると、期待外れに感じることでしょう。結果的に専門医更新の条件が満たせず、キャリアにも影響する可能性もあります。事前に必要な設備や研修体制などを調べていても、自分が希望する経験が得られない状況になると、転職に失敗したと感じるのではないでしょうか。

医師の転職におけるリスク

医師の転職には、他の職種とは異なる特有のリスクが存在します。焦って転職をしてしまうと、大切な情報をうっかり見落としてしまうかもしれません。医師が転職を考える際に、意識しておきたいリスクについて考えてみましょう。

キャリアが中断される可能性がある

転職先によっては、自分の目指す専門性やキャリアの方向性と合っていない場合があります。特に注意したいのが、転科を前提に転職する場合です。転職先の研修体制が不十分であったり、経験したい症例が担当できなかったりすれば、スキルの習得や専門医取得に遅れがでるかもしれません。場合によっては、これまでの知識や経験を活かせず、学び直しに時間がかかることもあり、一時的なキャリアの中断が生じるリスクが考えられます。こうしたリスクを回避するためには、自身のキャリアパスを明確にしたうえで、条件に見合った転職先を選ぶことが大切です。

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専門医資格の継続や学会活動への影響

転職先で十分な症例が経験できない場合、専門医の更新要件を満たせないことがあります。更新の条件を満たす患者さんがいない、必要な設備がない場合も考えられます。また、転職先での業務量が想定より多いために、研究に時間をさけず、学会活動が中断される場合もあります。学会活動への対応も施設によって異なるため、学会参加費の補助がなくなり、個人負担が大きくなる可能性もあるでしょう。

特に、医局から市中病院に転職した場合に、研究する時間の確保や症例数を満たすような活躍ができないと感じるかもしれません。こうしたリスクを回避するためには、転職先での仕事内容や施設の方針などをしっかり情報収集しておくことが肝心です。

収入面のリスク

基本給の設定やインセンティブの有無など、施設によって給与体系が異なります。求人情報には大まかな年収目安が提示されていても、思ったより収入が得られず、現職と比べて収入が下がる場合もあります。また、同じ施設で長く勤務する場合と比べて、退職金の総額が減るのもリスクの1つです。どのような手当がつくのかなど、収入面の情報もしっかり把握したうえで転職先を検討しましょう。

労働環境や人間関係のミスマッチ

転職先によっては、これまで使用したことのない機器や薬剤を扱うことになり、慣れるまでに時間がかかります。施設の診療方針によっては、苦手な作業を伴う労働環境になるかもしれません。また、慣れない人間関係で悩む可能性もあります。特に、施設の運営・診療方針とのミスマッチが生じると、モチベーションが低下し、キャリアの中断にもつながりかねません。労働環境や人間関係を改善する目的で転職する場合、働きやすい環境かどうかを事前にしっかり調べることが大切です。とはいえ、人や環境との相性は、実際に働いてみないとわからない部分もあります。優先したい条件を明確にしたうえで、納得できる働き方を考えてみましょう。

後悔しないために、転職前にやっておきたいこと

後悔しがちな理由やリスクを踏まえて、転職前にやっておきたいポイントをお伝えします。

転職の目的を明確にしておく

まず、なぜ転職したいのか、その理由を明確にしておきましょう。収入や待遇、労働環境などで今の職場に不満があるとしても、根本となる要因が解決されるような転職にならなければ、不満は解消されません。もし、今の職場で交渉できる余地があるのであれば、転職をしなくても希望する働き方ができる可能性もあります。すべての条件を考慮したうえで、やはり転職を選択するのであれば、目的を叶えられる転職先を選ぶことが大切です。

譲れない希望条件と優先順位を明確にする

転職後のミスマッチを避けるためには、自身のキャリアプランを踏まえて、譲れない希望条件と優先順位を明確にしましょう。退職の要因となった目の前の不満は、転職によって改善されても、自身の将来像が描けていなければ、転職先でも新たな不満やトラブルを抱える原因となりかねません。自己分析を十分に行ったうえで、今後5年、10年と続けて働くことを想定した転職先を検討しましょう。

施設見学やトライアル勤務を行う

どんなに入念に転職先の情報収集してみても、職場の運営体制や雰囲気、人間関係などを完全に把握するのは難しいものです。入職後のミスマッチを防ぐためにも、施設見学やトライアル勤務を行ってみましょう。

施設内部の環境や使用できる設備等を確認するのはもちろん、現場で働く医師やスタッフに、実際の業務内容や運営体制などを質問し、疑問を解消することが大切です。

例えば、以下のような視点で質問してみましょう。

●オンコールの頻度や対応内容など
●外来で診療する頻度の多い症例について
●カンファレンスの実施頻度について
●当直帯の対応件数や主な対応症例など

積極的な質問は、転職意思ややる気を伝える機会にもなり、双方にとってメリットがあります。ただし、施設によっては見学やトライアル勤務ができない場合もあります。もし、知人が勤めている場合は話を聞いてみましょう。また、関連スタッフや地域からの評判などをリサーチする方法もあります。

条件交渉に妥協しない

転職の際には、業務内容や業務形態、待遇などの条件を確認し、必要に応じて交渉を行うことが重要です。しかし、転職に焦っていたり、交渉に慣れていなかったりすると、遠慮が先立ち、本来望んでいた条件に妥協してしまうことがあります。こうした妥協は、のちのちの不満が生じる原因となります。小さな違和感も見逃さず、自身の希望をしっかり伝えたうえで、最適な転職先であるかどうかを判断することが肝心です。長く働き続けるためにも、納得できる条件に近づけるように自身の意思を伝え、丁寧に交渉しましょう。

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できる限り早い段階で退職の意向を上司に伝える

転職活動を計画的に進めるためにも、現職場を円満退職するための準備が欠かせません。のちのトラブルを避けるためにも、揺るがない意思や退職理由があることを伝えるとともに、退職の意向はできる限り早めに申し出るようにしましょう。

退職時のトラブルは、地域医療の連携時や、学会、同窓会などで出会ったときに良い関係性を維持しづらくなります。狭い医師業界で医師として活躍し続けるために、できる限り円満退職を心がけましょう。

転職を成功させるためのポイント

転職活動をスムーズに進め、ミスマッチのない転職成功を目指すためのポイントをまとめました。

情報収集は徹底して行う

転職後に違和感を持たないためにも、転職先候補となる施設の情報を徹底して収集することが大切です。各施設の公式ホームページやSNS等の情報はもちろん、インターネットの口コミや地域での評判などもチェックしておきましょう。情報収集の際には、以下のような項目を参考に、優先すべき条件から確認しましょう。

●報酬・待遇(相場との比較)
●諸手当(学会補助、通勤手当、住宅補助等の範囲)
●福利厚生(雇用保険、育児・介護支援の有無)
●業務内容(自分の希望する条件、全体の状況)
●人員体制(自分の仕事への影響はどうか)
●症例内容と数(自分が担う症例数の予測)
●将来性・方針(今後の医師不足の懸念の有無や程度、施設の将来性など)

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専門のエージェントを利用して転職活動を効率化する

転職活動における情報収集や条件交渉は、それなりの時間や労力がかかります。しかし、仕事と並行しての転職活動では、準備に必要以上の時間を要したり、条件交渉を上手く進めることが難しかったりするかもしれません。

そんなときに検討したいのが、医師専門の転職エージェントの利用です。転職先候補となる施設の情報を効率よく集めることができ、求人情報には記載されていない内部情報を得られる場合もあります。

また、希望の条件を伝えることで、転職先候補の絞りこみをサポートしてくれます。さらに、面談の日程調整や条件交渉にも対応してもらえるため、効率の良い転職活動ができるでしょう。

もし条件交渉を進めるなかで、「やっぱり断りたい」と考えたときも、プロのサポートがあるため安心です。転職エージェントでは匿名性を維持できるため、先方と気まずくならずに上手く断りやすいのも活用のメリットです。

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十分に備えて後悔のない転職を実現しよう

転職後も納得できる働き方ができるように、妥協しないという意志を強く持って転職活動を行うことが大切です。多忙ななかでも、転職活動を確実に、効率よく進めたい場合は、医師専門のエージェントに一度相談してみてはいかがでしょうか。

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記事の監修者

小池 雅美(こいけ・まさみ)

小池 雅美(こいけ・まさみ)

医師。こいけ診療所院長。1994年、東海大学医学部卒業。日本医学放射線学会・放射線診断専門医・検診マンモグラフィ読影認定医・漢方専門医。放射線の読影を元にした望診術および漢方を中心に、栄養、食事の指導を重視した診療を行っている。女性特有の疾患や小児・児童に対する具体的な実践方法をアドバイスし、多くの医療関係者や患者さんから人気を集めている。

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