マイナビDOCTOR 編集部からのコメント
有識者会議にて政府が示した今後の認知症対策は「予防」と「共生」の両輪です。6月にも策定される新たな認知症対策の大綱には、70歳以上の認知症有病率を2025(令和7)年までに、6%低下させるという数値目標が示されました。大綱は2015年に策定された「新オレンジプラン」の改訂版となります。
政府はこのほど開かれた有識者会議で、70歳代の人の認知症有病率を2025年までに6%低下させる数値目標を示した。6月にも策定する新たな認知症対策の大綱にこれを盛り込み、発症や重症化の予防などを重点的に進める。【松村秀士】
有識者会議で政府が示した大綱案によると、今後の認知症施策では、▽発症や重症化の「予防」▽認知症の人が住み慣れた地域で暮らし続けられる「共生」―の2つを“車の両輪”として推進する。
このうち、予防では「70歳代での発症を10年間で1歳遅らせる」としている。これを有病率に置き換えると、10年間で相対的に約1割の低下で、団塊の世代の人が75歳以上となる25年までの6年間では相対的に6%の低下となる。
医療・介護従事者に関する具体的な施策としては、地域包括支援センターや認知症地域支援推進員、認知症初期集中支援チーム、認知症疾患医療センターなどのさらなる質の向上を図るとともに、これらの連携の強化も進める。これにより、認知機能の低下や認知症の早期発見・早期対応につなげる。
また、認知症への対応力を向上させるための医療・介護従事者向けの研修を実施するほか、認知症の行動・心理症状(BPSD)に対応するためのガイドラインを作成してBPSDへの適切な対応も推進する。
大綱は、15年1月に策定された「認知症施策推進総合戦略」(新オレンジプラン)の改訂版で、対象期間は19年から25年までの6年間。6月の認知症施策の関係閣僚会議で、政府は大綱の正式決定を目指す。
出典:医療介護CBニュース