徳洲会とシーメンス、画像診断AIの研究などで提携|業界ニュース

徳洲会とシーメンス、画像診断AIの研究などで提携
~画像診断医の仕事をなくすことが「究極の目標」

マイナビDOCTOR 編集部からのコメント
未来医療で注目される分野「AIを用いた画像診断」において、一般社団法人徳洲会とシーメンスヘルスケアが3年間のパートナーシップ契約を締結しました。徳洲会グループの有する医療データとシーメンスの技術活用が生み出す効果に期待が集まります。

パートナーシップ契約を締結した一般社団法人徳洲会の鈴木隆夫理事長(右)とシーメンスヘルスケアの森秀顕代表取締役社長
パートナーシップ契約を締結した一般社団法人徳洲会の鈴木隆夫理事長(右)とシーメンスヘルスケアの森秀顕代表取締役社長

一般社団法人徳洲会とシーメンスヘルスケア(東京都品川区、以下シーメンス)は5日、AI(人工知能)を用いた画像診断の共同研究などの分野でパートナーシップ契約を締結した。徳洲会グループが持つ医療データと、シーメンスの技術を活用することで、画像診断や検体検査の効率化を進め、医療の質と量を高めることが目的。研究拠点となる湘南鎌倉総合病院放射線科の李進統括部長は、「画像診断医の仕事がなくなることが、究極の目標かもしれない」と語った。【吉木ちひろ】

両者が共同で取り組むのは、「AIソリューションを用いた画像診断の共同研究」「検体検査工程の完全自動化」「人材最適化に向けた超音波研修プログラム」。3領域の取り組みについて徳洲会グループの湘南鎌倉総合病院(神奈川県鎌倉市、648床)を主な拠点として展開する。医療法人徳洲会の東上震一副理事長は同日の共同記者会見で、「AIを実社会に持ち込む意義は、人でこそやるべき仕事に仕分けすること」と語った。

AIを用いた画像診断については、湘南鎌倉総合病院に隣接する施設内に「AIコラボレーションセンター」を開設し、CT検査の画像診断を支援するソフトウエアの共同研究に取り組む。

CT検査については、マルチスライスCTの出現など技術の進歩に伴い、検査の高速化や検出器の多列化が進んだ。それと同時に、一度で撮影される画像が増えている。外傷で湘南鎌倉総合病院の救急を受診した場合、一度のCT検査で500枚から1000枚の画像が発生するという。李統括部長は「日々、負担は増加している。今後、診断の質の低下が起きるのではないかと危惧している」と現場の窮状を説明した。

研究では、AIが一度に複数のCT画像の評価解析を行えるソフトウエアについて、臨床現場での利活用の可能性を探る。まず、シーメンスの持つAIソフトをベースに、胸部CT画像の診断支援の検証作業から進める。このソフトでAIは胸部の各臓器や部位全体の読影の際、医師が注意すべき画像に印をつけるなどして知らせることで、医師の負担を和らげる。李統括部長は「腹部CTやMRI、PETなどの画像をAIで読影する可能性を探ることを最終的な研究目標に掲げている」と述べた。

このほか両者は、臨床検査室での試験管の仕分けや搬送など検体の受付から廃棄までの工程の全自動化や、シーメンスが徳洲会の臨床検査技師に対して超音波診断装置の技術トレーニングなどを提供する「USアカデミー」の立ち上げで協力する。

パートナーシップの締結期間は3年間。この3領域について1年間である程度の成果を出し、開発領域を拡大していく方針。また、研究成果をグループの病院にも展開していく。

出典:医療介護CBニュース

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