マイナビDOCTOR 編集部からのコメント
医療機関で採取された検体が「紛失」「破棄」「他の検査のみ提出」という要因で病理検査へと提出されていなかった事例が、過去4年間で19件もあったことが明らかになりました。
日本医療機能評価機構は15日、医療機関で採取した検体が紛失や破棄などによって病理検査に提出されなかった事例の報告が、2014年1月から18年9月までに計19件あったことを明らかにした。半数以上が紛失したケースで、同機構は注意を呼び掛けている。【松村秀士】
事例の1つでは、医師から骨生検後の病理検体とラベルを渡された病棟看護師が、病理部へ検体を提出しようとしたが、既に受付時間が過ぎていた。そのため、検体を病棟で保管することになったが、置き場所が決められていなかった。1カ月後に医師が骨生検の結果を患者に説明しようとした際に結果が出ておらず、検体が提出されていないことに気付いた。
別の事例では、下垂体腫瘍摘出術の終了後、看護師が執刀医に腫瘍の処理について確認したところ、執刀医は未提出の検体が既に病理検査に提出されていると思い込み、「破棄していい」と伝えた。これを受けて、看護師は腫瘍を破棄。1週間後に、医師が病理検査の結果を問い合わせたところ、病理検査に検体を提出していないことが判明した。
こうした事例が発生した医療機関では、▽手術終了時に病理検体の有無や個数、組織名を確認する▽病理検体の置き場所を決め、検体を提出する手順を作成する―といった対策を講じ、再発防止に努めているという。
出典:医療介護CBニュース