医師をはじめとする医療従事者は、とかく献身性や奉仕の精神を求められがちですが、その仕事に見合う報酬を求めることは至極当然。ここでは、厚生労働省の統計調査をひも解きつつ多角的に「医師の年収」に迫ります。ご自身の現状を測るモノサシとしていただければ幸いです。
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1.医師の年収は他業種と比べて高い?低い?
厚生労働省「平成29年賃金構造基本統計調査」によると、医師(企業規模10人以上の施設に勤務する者)の平均月収は95万2000円、ボーナスなどの特別給与の平均額は90万2900円、これらを合算した平均年収は1232万6900円となっています。あくまで年齢や性別、診療科などの属性を問わない、すべてひっくるめた数字ですが、ざっくりとした平均像を押さえるという意味では有用でしょう。
企業規模別に詳しく見てみると、
「企業規模10~99人」では平均月収119万7000円、特別給与平均額57万8200円、平均年収1494万2200円、
「企業規模100~999人」では平均月収119万7200円、特別給与平均額74万4400円、平均年収1511万800円、
「企業規模1000人以上」では平均月収77万1200円、特別給与平均額103万9900円、平均年収1029万4300円となっています。
おおまかな傾向としては、企業規模1000人を境に平均年収に大きな落差があること、また給与月額と特別給与額のバランスにも変化が現れることが読み取れます。
それでは、医師の年収は他業種の平均値と比べてどのくらいの水準にあるのでしょうか。まずは同じ医療職の範囲でトップ5を確認しておきます。
次に、医療関係以外の業種を含め、トップ10を見ていきます。
高給取りの代名詞ともいえる航空機操縦士(パイロット)や難関士業である公認会計士、税理士、弁護士を抑えて医師が堂々のトップを飾りました。医師の職責が報酬面でも正当に評価されている表れだとすれば、喜ばしいことだといえるのではないでしょうか。
2.医師の年収を年代別・性別に見てみると……
今度は、年代別・性別に分けたときの医師の平均年収を見ていきましょう。
年代 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
25〜29歳 | 776万900円 | 672万1000円 |
30〜34歳 | 1036万7300円 | 934万3800円 |
35〜39歳 | 1274万5900円 | 1026万2700円 |
40〜44歳 | 1442万6100円 | 1287万4300円 |
45〜49歳 | 1678万6700円 | 1245万3800円 |
50〜54歳 | 1741万9200円 | 1268万9200円 |
55〜59歳 | 1928万6300円 | 1495万3800円 |
60〜64歳 | 1920万1400円 | 1217万6300円 |
65〜69歳 | 1531万5200円 | 2429万2000円 |
70歳〜 | 1317万5300円 | 676万2000円 |
全体的な傾向としては、初期研修→後期研修→専門医とステップアップするにつれ年収が大きく増えていき、男性では30代前半、女性では30代後半で1000万円の大台を突破しています。男性の場合は、その後も60歳に至るまでは順調に数字を伸ばしていきます。
一方で女性の場合は、40代後半のタイミングでいったん年収が下がり、その後の伸びも緩やかです。そして、全年代を通して男性に比べて低い水準に甘んじています(なお、女性の50代後半以降は母数が少なく、データのぶれが大きく出ています)。
働く女性に関するこのような傾向は、少なからず他業種にも共通しますが、主な原因はやはり出産と育児だと考えられます。出産の前後は休業が避けられず、その後に復職しても子育てのためフルタイム勤務が難しくなり、そのようなことにとらわれず働く男性とキャリア面でも収入面でも差が開きがちになるからです。
収入面についてはある程度やむを得ないところでしょうが、女性医師が出産・育児を経ても望むキャリアを断念せずに済む、働きやすい環境が実現されることを願ってやみません。
※本文および図表で紹介する年収の数値は、厚生労働省「平成29年賃金構造基本統計調査」を参照し、特に断わりのない限り「企業規模計(10人以上)」の月額として示されている「きまって支給する現金給与額」(基本給に加えて各種手当や超過労働給与額を含む)を12倍して年額換算し、さらに「年間賞与その他特別給与額」を加算したものです。
文:ナレッジリング
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