産業医の年収はどのくらい?常勤・非常勤の給与事情と産業医になる方法|医師の現場と働き方

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産業医の年収はどのくらい?常勤・非常勤の給与事情と産業医になる方法

企業や工場を勤務先とし、従業員が健康かつ快適に仕事ができるように、専門的な立場から指導・助言を行う「産業医」。さまざまな職務を担いながら、従業員の健康づくりに携われるというやりがいがあります。生活サイクルが安定しており、求人ニーズも高いのも魅力でしょう。今回は、産業医の働き方や年収事情についてお伝えします。

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1.産業医とは

産業医は、労働安全衛生法第13条に基づき、事業場の規模に応じて選任が義務付けられている医師のことです。同法にて「労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識について厚生労働省令で定める要件を備えた者でなければならない」と定められており、労働者の健康に携わるのが大きな特徴です。

1-1.産業医の要件

基本的に、医師免許を持ち、定められた研修を受講した人は産業医として活動できます。日本医師会では次のように産業医の要件を規定しています。

  1. 1.労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識についての研修であって厚生労働大臣の指定する者(法人に限る。)が行うものを修了した者
  2. 2.産業医の養成等を行うことを目的とする医学の正規の課程を設置している産業医科大学その他の大学であって厚生労働大臣が指定するものにおいて当該課程を修めて卒業した者であって、その大学が行う実習を履修したもの
  3. 3.労働衛生コンサルタント試験に合格した者で、その試験の区分が保健衛生であるもの
  4. 4.学校教育法による大学において労働衛生に関する科目を担当する教授、准教授又は講師(常勤勤務する者に限る。)の職にあり、又はあった者
  5. 5.前各号に掲げる者のほか、厚生労働大臣が定める者
(日本医師会「産業医の要件」より)

                     

1-2.産業医になるには

産業医として働くには、医師免許のほかに労働安全衛生法で定めた要件をクリアしなくてはなりません。産業医資格を取得するにはいくつかのパターンがありますが、日本医師会または産業医科大学の研修を修了するのが一般的な方法となっています。

■日本医師会
産業医学基礎研修を50単位以上修了するか、それと同等以上の研修を修了すると、日本医師会認定産業医の称号と認定書が付与されます。有効期間は5年間。その後は産業医学生涯研修を受けて資格を更新することになります。

■産業医科大学

毎年4月から約2カ月間にわたって産業医学基本講座を開催。講座は出身大学を問わず受講可能で、修了すると認定書が付与されます。また夏期にも、6日間で集中的に産業医学を学ぶ産業医学基礎研修会集中講座を開催しており、こちらも修了すると認定書が付与されます。

産業医科大学が実施する集中講座に参加するのが効率的ですが、6日間連続となるため、休みが取りにくい施設に勤務している場合は難しいかもしれません。勤務後や週末などの時間を利用して医師会が開催する単発講座を受講し、コツコツと単位を取得するのがスタンダードでしょう。

また、産業医資格は、5年ごとに更新が必要です。更新時には、日本医師会認定産業医生涯研修20単位以上を取得したうえで、申請することになります。ただし、2020年、新型コロナウイルス感染症拡大にともない、更新単位の充足が難しい状況であったため、日本医師会は、認定証に記載された有効期限が平成32年(令和2年)2月【2020年2月】以降の認定産業医については、当面の間は、単位を充足できぬまま有効期間満了を迎えても、当面の間は認定産業医とみなして認定産業医としての活動を認めることを提言しています。

なお、「産業医学のプロ」としてのキャリアを積みたければ、産業医の資格に加えて、労働衛生コンサルタント日本産業衛生学会認定の専門医資格を取得しておくのもよいでしょう。試験をクリアするのは容易ではありませんが、安全衛生改善計画の作成など、より踏み込んだ活動を行うことができるため、企業からの高い信頼を得ることにつながります。

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2.産業医の平均年収

産業医は安定した収入が得られる傾向にあります。では、産業医の平均年収はどれくらいが相場なのでしょうか。常勤で働く場合と、非常勤で働く場合に分けて見てみましょう。

2-1.常勤産業医の年収事情

産業医として常勤で働く場合の平均年収として、マイナビDOCTOR内「産業医常勤」の求人情報(情報検索日2022年5月11日、年収表記のある全57件)を参考に算出しました。
その結果、常勤産業医の年収目安は、約1,155万円~約1,300万円。常勤といっても勤務日が週3日~5日までと条件によって異なるため、あくまで参考として考えるとよいでしょう。求人案件ごとに条件に幅があるため、求職の際には勤務日数や勤務形態について十分に確認することが大切です。

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2-2.非常勤産業医の給与事情

非常勤の産業医は、時給制と単価制があります。同じく、マイナビDOCTORの産業医非常勤(アルバイト)求人を参照すると、時給は8000円~15,000円という金額がみられました。勤務地域や業務内容によって条件が変わるため、金額にも幅があります。

一方、単価制の場合、毎月1度の出勤、2カ月に1度の出勤などの条件があるケースもあり、平均単価は2時間勤務で4万円~5万円ほどです。なかには、移動時間が時給換算される好条件の案件もあります。非常勤の場合は、定期的な勤務の必要性の有無や業務内容などを確認しておきましょう。

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3.専属産業医と嘱託産業医

産業医の働き方は「専属」と「嘱託」に大別されます。「専属産業医」は、その名のとおり企業の専属として企業に属し、組織の一員として従業員の健康管理を行う産業医です。企業の業務時間帯で働くことになるため、オフィスワークであれば9~17時などを基本に勤務します。工場などの場合は早朝からの勤務になることもあります。

一方の「嘱託産業医」は企業と契約し事業場に定期的に赴き、限られた時間内で職場巡視や面接など産業医としての業務を担います。現在、産業医の多くは嘱託医であり、勤務医や開業医が従来の業務をこなしながら職務を担うことも少なくありません。

なお、産業医が必要となるのは労働者数50人以上の事業所であるため、専属の場合は東京、大阪、名古屋といった都市部での求人が多い傾向にあります。とはいえ、東京23区にあるオフィスワークの企業は、人気が高く狭き門です。郊外に立地する工場の方が、未経験でも採用されやすいケースが多くみられます。

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産業医に適した診療科はとくに決まっていませんが、最近はメンタルヘルスを重視して精神科医を求める案件が増えています。

4.産業医の仕事内容

続けて、産業医の仕事内容について見てみましょう。専属産業医か、嘱託産業医かによって働く環境や対応できる業務の範囲に違いが出る場合もありますが、基本的には以下のような業務に対応します。

厚生労働省の「労働安全衛生基本調査」(2019年)によると、産業医が関与しているおもな業務は、「健康診断関連の業務」「健康相談・面接指導の実施」「職場巡視」などとなっています。

■産業医が関与した業務の割合(複数回答可)

近年は、生活習慣病の予防のための「健康教育」や、うつ病や自殺などの「メンタルヘルス」、過重労働に関する「健康問題」への関わりが重要視されており、2006年には産業医の「過重労働者面談」が義務化されました。従業員の身体面、メンタル面に問題が生じた場合は、必要に応じて休職を命じ、回復したときは復職の可否を判断するのも産業医の役目です。

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2015年12月からは、労働安全衛生法の一部改正を受けてストレスチェック制度も義務化され、産業医の業務のひとつとなっています。

5.産業医の転職ニーズは高い?

厚生労働省が実施した労働安全衛生調査によると、日本医師会認定産業医の取得者数は、平成31年(2019年)1月には 10 万人を超えたことが報告されています。平成30年時点で日本の医師数がおよそ32万人であることを考えれば、3割が産業医の資格を持っていることになります。

しかし、同調査では、すべての事業場のうち産業医を選任している割合は 29.3%であり、産業医の選任義務がある「常時使用する労働者数が 50 人以上の事業場」であっても、選任は84.6%にとどまっています。労働基準監督署の集計結果では、法令上は罰則をともなう義務がありながらも約 13,000事業場では、産業医が未選任であると報告されています。

労働安全衛生法上、「従業員数が常時50人以上の事業所については、業種を問わず1人以上」「従業員数が常時3,001人以上の事業所については、2人以上」の産業医の選任が義務付けられているため、産業医のニーズは今後も高いといえるでしょう。

加えて、2018 年の働き方改革関連法に基づき、産業医の役割は増大し、さらなる活躍が期待されています。近年はメンタルケアにおける貢献が注目されていますが、従業員が勤務する環境を見直し、根本からの改善に役立つ情報の提供も産業医に期待される役割です。

6.ワークライフバランス重視なら産業医がおすすめ

産業医は、従業員の安全と健康を守る重要な役割を担い、やりがいを実感できる仕事のひとつです。ワークライフバランス重視したい方は、医師として勤務しながら研修を受講するなどして産業医の要件を充たせるよう準備を行うことが大切です。産業医としてどのような職場で活躍することができるのか、具体的にイメージしたい方は医師専門の転職エージェントに相談をして産業医のキャリアパスについて情報収集してみてはいかがでしょうか。

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