働きすぎ? 医師の当直実態調査【本音アンケート】|スペシャルコラム

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働きすぎ? 医師の当直実態調査【本音アンケート】

「MEDY 医療従事者用専用ニュースポータル」サイトのMEDYアンケート2017年4月6日掲載「先生方の『当直勤務』について—回答者2843名」記事より抜粋。厚生労働省の「医師の働き方改革検討会」では3月中に予定される取りまとめに向けて議論が大詰めを迎えています。医師の負担のひとつとなっている「当直勤務」の実態について、医師へのアンケート結果を紹介します。
■調査期間:2017/3/23(木)~3/31(金)
■回答数:医師の先生方2843名

1.当直勤務を現在しているか

Q1.現在、当直勤務があるかお教えください。

選択肢 回答数 割合
回答1 当直勤務をしている 1,635 57.5%
回答2 当直勤務をしていない 1,208 42.5%

2.当直勤務経験の有無

Q2.当直勤務をしていない方のうち、過去に当直勤務がしたことがあるかお教えください。

選択肢 回答数 割合
回答1 当直勤務をしたことがある 1,182 97.8%
回答2 当直勤務をしたことがない 26 2.2%

3.月間当直回数

Q3.1カ月あたり何回程度当直勤務をしていますか?

選択肢 回答数 割合
回答1 月に1回以下 246 15.0%
回答2 月に2~4回 926 56.6%
回答3 月に5~8回 378 23.1%
回答4 月に9~12回 64 3.9%
回答5 月に13~16回 9 0.6%
回答6 月に17回以上 10 0.6%
回答7 スポット的にしている
呼ばれればいつでも
2 0.1%

4.当直明けの勤務体系

Q4.当直後の勤務体系はどのようになっていますか?

選択肢 回答数 割合
回答1 通常勤務 1,364 84.0%
回答2 半日勤務 191 11.8%
回答3 勤務なし 53 3.3%
回答4 その他 16 1.0%

当直後の勤務体系(自由回答)

■時短勤務を選択する先生も
・1時間早く帰れる。
・午前中の早い時間帯までの勤務にしている。
・輪番当直後は、診療に支障のない範囲で午後休みにしている。
・基本的には通常勤務だが、状況に応じて半日勤務などにシフトすることもある

■現実にはなかなかお休み・時短勤務が難しい
・15時までとなっているが、仕事が終わらずほぼ定時まで仕事をしている
・2時間程度の早退が許可されるが、実際はなかなか難しい
・可能なら当直分の休みをとるようにしているが、毎回ではない。

5.当直中の空き時間の過ごし方

Q5.当直中の空き時間で何をされていますか?(複数回答)

選択肢 回答数 割合
回答1 論文の作成・研究 418 25.6%
回答2 PCでのインターネット閲覧
(医療系サイト)
765 46.8%
回答3 PCでのインターネット閲覧
(一般サイト)
888 54.8%
回答4 スマホでのインターネットサイト閲覧
(医療系サイト)
174 5.9%
回答5 スマホでのインターネットサイト閲覧
(一般サイト)
274 10.6%
回答6 読書(医学書関連) 392 24.0%
回答7 読書(小説・雑誌等) 387 23.7%
回答8 仮眠をとる 1004 61.4%
回答9 当直中に空き時間はない 77 4.7%
回答10 その他 101 6.2%

当直の空き時間にしていること(自由回答)

■書類作成やチェック、雑務
・勤務時間内で出来なかった患者のカルテ記録やレセプト、資料作り、外来の予習など
レセプトのチェックなど病棟業務、サマリーや紹介状の作成。検査の所見記入。外来患者や入院患者の記録の不備やデータの見直し。レントゲンの読影。カルテの整理。
・退院した患者のサマリー作成。健診データの入力。ホルター心電図・心電図の読影。

■回診
・受け持ち患者の時間外回診や診療情報作成。
・電子カルテで回診。

■業務準備や勉強
翌週の外来受診予定患者の下調べ(予習)、入院患者の治療見直しなど病院運営業務。
・学会準備。
・文献検索。
・教科書・参考書を読む。

■勤務先以外に関する業務や勉強
・自分が役員となっている会社の業務。
・仕事関係以外の勉強。

■さまざまな気分転換法
・DVD、ビデオ、TVを見る。
楽器の練習
・体を動かす。
・ゲーム。
ぼーっとする
・風呂に入る。
・友人と電話。

6.当直勤務の問題点

Q6.当直の勤務体系などに関してのご意見があれば教えてください。
(medy運営事務局にてピックアップさせていただきました)

■「当直勤務が負担になっている」という意見多数
・当直明けの通常業務は健康面でも職務の質の面でも負担が大きい。早急に改善すべき問題。
・当直明けの勤務には、制限をかけるべき。昔の私の勤務先のように、人員の補充も何もせずに「当直明けはぜひ休んで下さい。ただし業務に差支えが出ないように」などと言う経営者にはぜひ考えを改めてもらいたい。
・労働基準法を順守した当直にしてほしい。本来は、病棟管理が主たる目的のはずなのに、当直看護師の一存で勝手に外来受診や時間外入院を受け入れられる挙句、病院の上層部は利益を重視し黙認している

■年齢や子育てへの配慮を望む声
・50歳代になっても日直や宿直の回数が減らない。当直明けも通常勤務しているが、せめて半日勤務にしてほしい。
・妊娠中、育児中の場合、当直勤務が免除されたり回数を減らしたりするなど、女性医師に対する配慮があると、とてもありがたい
・定年退職1年前まで週1回日当直していた。きつかった。
当直明けに手術を行わなければならないときくらい配慮してほしい

■待遇面の不満
寝当直と寝られない当直の給与が同じなのは納得できない
・時間的な拘束によって歩合の追加給与をいただきたい。そうすれば積極的に受け入れるモチベーションにつながり、疲労していても続けられる。
・当直後はお休みにしてほしい。あまりの忙しさに、医師が人権のない仕事に感じられて、嫌気がさしている

■当直勤務の弊害とやりがい
・昔、当直の翌日が通常診療の体制だったことに対し「注意散漫になり、医療ミスにつながる」と訴えたが、当時の同僚さえも賛同してくれなかった。
・私は内科医ですが、内科の守備範囲が広すぎる。「とりあえず内科で」と言われるケースが多く、不愉快な思いをした事が多々ある。
・労働基準法に鑑みると、違法だと感じる。現在の当直は本来の当直業務ではなく、深夜の時間外労働である
・さすがに現在の年齢では厳しいが、若い頃には医師のスキルアップのためにも必要なことだと思う
・連続30時間以上勤務が実情。そんな医師に処置をお願いしたいとは思わない。

7.当直中のエピソード

Q7.当直中の思い出になっているエピソードがあれば教えてください。
(medy運営事務局にてピックアップさせていただきました)

■切迫する救急搬送
・修学旅行中の学生十数人が食中毒で来院した時や、事故で一度に6名ほどが救急車で運ばれてきた時はてんやわんやだった。
・一度に12人の外傷患者が運び込まれてきた時は大変だった。
・救急車8台の出動や病棟内急変・死亡が重なった。一睡もできなかった当直勤務の最年長記録を立てた
・3人心筋梗塞が続いた夜があり、オンコールの先生が飛んできて助けてくれた。
・救急車を断ってはいけない病院で、続けて3台救急車で急患が運び込まれた。そのうち1人はくも膜下出血。どうしようかと思ったが、結局どうにかなるもの。腹が据わりました

■過酷な労働環境
・当直でまったく眠れなかった翌日、回診後紙カルテに記載中に寝てしまった。気がつくとカルテに意味不明の言葉と大量の線が引かれており、他の医療従事者からかなりきつく指導された。
・診察中、猛烈な睡魔に襲われた。このまま診療しては危険だと思い、待っている患者さんをそのままにして横のベッドで仮眠したことがある
・救急入院で緊急手術後の患者さんについて「2時間排尿がありません」と連絡を受け対応を求められた時、忙しさのあまり自分は8時間以上排尿してないことに気づいた。「こちらはどうしてくれる」と思った。
・昭和60年代のことだが、研修医時代に同期の医師が当直室で亡くなっていた。おそらく過労死だったのではないだろうかと推測している。  

■緊急事態、発生!
・10階の手術室で緊急手術の麻酔を始めた時、建物が大きく揺れ驚いた。阪神大震災の揺れだった。
・阪神大震災の発生した明け方、緊急手術をしていた。地震発生と同時に手術室の扉が緊急でバタンバタンと閉じた
・当直勤務中、病院の裏が火事になっていたが誰も連絡をくれなかった。

■当直室でびっくり体験
・当直室で寝ようとした時、知らない人が寝ていて驚いた。後日、脳外科で手術した患者さんだったと判明した。
・当直室の鍵をかけて寝ていたはずなのに、夜中、ベッドのそばに男が立っていた。私が目覚めたのに気付くと逃げて行った。

■思わずクスッと笑ってしまう
・大晦日に当直。一緒に勤務していた病棟ナースの旦那さんが紅白歌合戦に出演(歌手のバックバンドのメンバー)しており、消灯時間前だったので、個室の患者さんのテレビでみんなで出演シーンを見たこと。
・先輩にふられて当直が続き、必ずシャワーを浴びることができる病院で当直していた。ある日の夜中に呼ばれて外来に行ったら「キャー、のっぺらぼう!!」と看護師が私を見て叫んだ。次の休日、アートメイクを入れに行った。

■さすがに動物は……
・ハブに噛まれた犬を子どもが泣きながら連れて来た。かわいそうだったが、医師法に触れるし、何もできなかった。
・いろいろなことがあったが、「小鳥を治してくれ」という方がいたのが印象的だった。
・受診者の多い地域中核病院に、事故にあった猫の治療希望があった

■医師にも初めてのことはある
・専門領域以外の疾患に対して、どこまで対応できるかの難しさを常に痛感。初めてのナート、初めての挿管、初めての看取り、初めての単独手術、いずれも当直帯だった
・突然の呼吸停止や農薬中毒など診たことのない患者さんが運ばれてきて、あわてて教科書を読んで対応したことが記憶に強くある
・眼科医なので、死亡宣告したことがなかったが、当直中に他科の患者さんが亡くなり初めて死亡宣告したことが忘れられない。
・「調子が悪い」と救急搬送された90代の男性。血液検査もレントゲン検査も大きな問題がなく、入院翌日に亡くなった。死亡診断書に「老衰」と書いたのは初めてだった

■その他
・芸能人が体調不良で夜間受診。体調不良なのにオーラを強烈に感じた。
・「通り魔に足を刺された」という患者さんが来院したが、警察に電話すると逃げてしまった。たぶんケンカの刺し傷だったと思う。
・非常勤で当直をしていた病院で、警察から逮捕した容疑者の収監が可能かどうかの診察を依頼され、出向いて診察対応したことがあった。
ストーカーに追いかけられている女の子を病院でかくまった
当直中に薬剤アナフィラキシーショックを起こし、意識を失った。幸いその日は何事もなかったが、翌日まで動けなかったので、もし急患が来たら大変なことになるところだった。
・循環器専門医が諦めた心不全患者、呼吸器内科医が治療に困っていた重症喘息患者それぞれを、各専門医が学会で不在時に治療して軽快させて、学会から戻った専門医を驚かせた。血糖コントロール不良の糖尿病患者や膵摘出患者でも同様のことが起きたことが何度もある。
・気管支喘息患者さんが発作で来院。吸入や点滴後、「呼吸が楽になった」と感謝され帰宅していき「医師になって良かった」と思った

以上、アンケートの結果でした。

本記事は株式会社日本アルトマークの提供により掲載しています。/著作権所有(C)2019日本アルトマーク
[出典]「MEDY 医療従事者専用のニュースポータル」2017年4月6日掲載
「先生方の『当直勤務』について—回答者2843名」

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