医師の仕事のやりがいとは?医師がやりがいを感じにくくなる原因と対処法を紹介|医師の現場と働き方

医師の仕事のやりがいとは?医師がやりがいを感じにくくなる原因と対処法を紹介

医師は医療現場の要として、さまざまな責任を負う立場にあります。大変な面もある一方で、医師だからこそ感じられるやりがいもあるはずです。今回は、医師の仕事のやりがいをはじめ、医師がやりがいを感じにくくなる原因やその時の対処法などについて詳しく解説します。

<この記事のまとめ>

  • 元気になった患者さんの姿を見られたり、地域の人々の健康に貢献できたりと患者さんとのつながりの中で医師がやりがいを感じる機会は多い。
  • 医師としての経験は、医療現場以外でも生かすことができる。スポーツドクターや産業医など、臨床以外の現場でも専門性を発揮できるという魅力がある。
  • もしもやりがいを感じなくなった時は、転職エージェントに相談をして、やりがいを感じられる勤務形態や勤務環境を見直してみることもおすすめ。

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1.医師ならではの仕事のやりがいとは

医師不足が続く中、多忙で負担の大きい職務を担う一方で、医師としてどのようなやりがいを感じられるのでしょうか。医師のやりがいは、診療科や勤務環境、臨床経験によっても異なりますが、代表的な例を見てみましょう。

1-1.日々のがんばりが、患者さんの笑顔で返ってくる

例えば、心筋梗塞で搬送されてきた患者さんに緊急手術を施し、生死に関わる状況の中で手を尽くし、何日も泊まりがけでケアをした結果、生き延びてくれて安堵した……。そんな状況を経験することもあるでしょう。その後、回復した患者さんが、笑顔で病院まで感謝の気持ちを伝えに来てくれたら、これほどうれしいことはありません。

医療現場では、日々、さまざまな困難もありますが、がんばってよかった、この仕事をしてよかったと感じる瞬間が少なからずあるはずです。医師としての役割を果たし、回復した患者さんの姿を見ることや、感謝の気持ちを感じる機会は、大きなやりがいにつながるのではないでしょうか。

1-2.多くの人の人生に関わり、さまざまな経験を得られる

地域で開業している小児科では、祖父母の代から通う家族もいます。そうした環境で働く医師にとっては、地域に根付き、かかりつけ医としての役目を担うことに、誇りややりがいを感じられるのではないでしょうか。また、スポーツドクターは、担当しているスポーツ選手と一緒に世界の頂点を目指すという喜びもあるでしょう。患者さんと医師という関係だけでなく、人として多くの人とつながっていくことにやりがいを感じるのかもしれません。

1-3.地域貢献できる。地域に暮らす人の健康をサポートできる

地域密着型の開業医は、地域の企業や教育機関等で健康診断を請け負ったり、訪問診療を担ったりするなど、地域と深く関わる機会があります。特に、医師不足の地域では、地域や他職種と連携しながら、患者さんの生活を支えることになるでしょう。個々の患者さんだけでなく地域全体の健康の維持増進を支える働きができるのも、大きなやりがいの一つと言えるでしょう。

1-4.幅広い分野での活躍が可能

医師の活躍の場は、臨床だけではありません。スポーツドクターは選手の活躍を支え、産業医は労働者の健康を守ります。また、研究医は、新たな知見や可能性を探ることで医学の進歩に役立つことが可能です。医師としてキャリアを考えたときに、さまざまなケースを検討できるのも、やりがいにつながるのではないでしょうか。

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1-5.身に付けた知識や技術は、医療現場以外でも求められる

経験を積んだ医師は、身につけた知識や技術を活用する場所も広がります。例えば、自分の専門分野について執筆したり、監修作業などに携わったりする機会もあることでしょう。医師としての知識や経験を生かせること自体が、やりがいに感じるケースも考えられます。

1-6.高い収入を基盤とする、豊かな生活が選択できる

厚生労働省が公表する「2021年(令和3年)賃金構造基本統計調査」の結果によると、医師が受け取る賞与の平均額(企業規模が10人以上の施設に勤務する医師の年間賞与その他特別給与)は、117万8,100円でした。また、平均月収(決まって支給する現金給与)は、105万400円で、他の職種よりも平均して高い収入です。働き方によって収入の差はあるものの、医師は他職種よりも高い収入を得やすい環境にあります。経済的な余裕があることで、自分や大切な人との時間を豊かにできる点もやりがいにつながるのではないでしょうか。

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1-7.成長を実感できる

医師としての経験を重ね、さまざまな疾患への治療に取り組む中で自分自身の成長を実感できるはずです。特に医師は日々進歩する医学技術や知見に携わる機会も多くあるため、常に学び続ける必要があります。臨床で学んだ新たな技術を活用して治療や診断に生かし、成果を得た時には、自分の成長を実感できるはずです。また、臨床での業務に限らず、学会での発表をはじめとする場面で新しい知見を発表する機会などで自分自身の成長を実感できるのも大きなやりがいと言えます。

2.医師がやりがいを感じにくくなる原因は?

さまざまなやりがいがある医師の仕事ですが、日々の業務に追われるうちに、やりがいを感じにくくなっていることもあるのではないでしょうか。医師がやりがいを感じにくくなる原因として、代表的な例をまとめました。

2-1.過酷な労働環境

医師の働き方改革が進んでいるとはいえ、いまだ、全国的な医師不足が解消されず、多忙な生活を送る医師も少なくありません。長時間労働や拘束時間の長い勤務形態などで勤務する場合は、心身の負担が大きくなり、疲弊することで本来の目標も見失ってしまいがちです。心労や肉体疲労が続くと、やりがいを感じにくくなってしまいます。

2-2.人間関係についての悩み

医師は、上司をはじめ、コメディカル、患者さん、その家族などさまざまな人と深く関わる必要があります。そのため、人間関係でトラブルや悩みを抱えることもあるでしょう。職場の状況や周囲の環境によって、医師としてのやりがいを感じにくくなることがあります。

2-3.ワークライフバランスを維持できない

先にお伝えした過酷な労働環境も影響し、ワークライフバランスを維持することが難しい場合もあるでしょう。リフレッシュする時間が取れない、家族と過ごす時間が確保できないなど、プライベートを充実できないことに不満を感じやすく、結果として、仕事へのやりがいも感じにくくなるかもしれません。

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2-4.労働に対して収入が見合わないと感じる

医師は、他業種と比べて高収入の傾向がありますが、同時に勤務時間が長い場合や、その他の書類業務が多いといった負担も大きいものです。精神的な面においても、責任が重い立場にあり、ストレスがかかりやすい傾向にあります。そうした背景から、労働環境によっては収入が見合わないと感じ、やりがいを見失うこともあるでしょう。

3.医師がやりがいを感じなくなったときの対処法

最後に、医師がやりがいを感じなくなったときの対処法について紹介しましょう。

3-1.目標を持つ

仕事にやりがいを見出せなくなったら、将来のことを考えてみましょう。自分の目標を再確認するほか、新たに目標を持つことで意欲向上につながります。新たな技術や資格の修得を目指す、研究や留学を検討するなど、具体的な次のステップを考えてみてはいかがでしょうか。

3-2.新しいことに挑戦する

これまでとは異なるやりがいを得るために、新しい分野や業務に挑戦してみるのも一案です。現在勤務する施設とは別の場所で働いてみる、自分の臨床経験や技術を生かして臨床業務以外に挑戦してみるなど、違った環境を求めてみてはいかがでしょうか。また、プライベートでも、気分転換につながるイベントに参加したり、仕事とは異なる分野の講座や研修を受講したりするなど、新たな発見を得る機会を増やすのがおすすめです。

3-3.転職を検討する

現在の労働環境が自分に適していないと感じるなら、働き方を見直してみる方法もあります。勤務形態を変える、転職を検討するなど、自分に合った働き方を探してみましょう

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4.医師としてのやりがいを感じられる場所で働こう

医師の仕事は、さまざまなやりがいがあります。しかし、現状でやりがいを感じにくい場合には、その原因を考えながら、自分に合った対処法を取ることが大切です。新たな目標に向かい転職や働き方の変更を検討したい人は、医師専門の転職エージェントに相談してみてはいかがでしょうか。

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PROFILE

監修/小池 雅美(こいけ・まさみ)

医師。こいけ診療所院長。1994年、東海大学医学部卒業。日本医学放射線学会・放射線診断専門医・検診マンモグラフィ読影認定医・漢方専門医。放射線の読影を元にした望診術および漢方を中心に、栄養、食事の指導を重視した診療を行っている。女性特有の疾患や小児・児童に対する具体的な実践方法をアドバイスし、多くの医療関係者や患者さんから人気を集めている。

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