本作の見どころのひとつが、これまでの医療ドラマで描かれてきた「スーパードクター」とは異なる、一風変わった医療者たち。主人公である紅野真空（くれの・まそら）は、東京の大病院で外来を担当してきた28歳の内科医。仕事にまい進してきましたが、自らの病が発覚して途方に暮れてしまいます。そのとき、虹ノ村のウェブサイトで医師募集の告知を発見し、美しい風景と「住居無償提供」の言葉に魅かれて移住を決意。当初は慣れないへき地医療の現場に戸惑い、杓子定規な診療をしてしまう場面もありますが、「医師であると同時に患者」という立ち位置を生かして奮闘します。ちなみに、真空の家事能力は絶望的で、部屋は散らかり放題なタイプ。「医師」のイメージをくつがえすキャラクターを、高い演技力で多彩な役柄を務めてきた高畑充希さんがどのように演じるのか、期待が高まります。

井浦新さんが演じるのは、本作に登場するもうひとりの医師・浅黄朔（あさぎ・さく）。「本業は農家、副業が外科医」と豪語する朔は自由奔放な性格で、真空に仕事を押し付けて畑仕事に出たり、患者さんと将棋を打ったりしていることも。何かにつけて「切るか！」と手術をしたがり、真空に止められることもしばしば。ふざけた態度で周囲をいらだたせることも多いですが、医療現場での経験はピカイチで、ピンチのときは頼れる存在です。その過去は謎に包まれており、なぜこの村に来たのか語ろうとはしません。

看護師の蒼山太陽（あおやま・たいよう）を演じるのは北村匠海さん。仕事ぶりは驚くほど優秀でまじめな性格ですが、村では「いじられキャラ」としての地位を確立。家事全般が得意で、ついつい人の面倒を見てしまう世話焼きな一面もあります。フリーダムな朔とは犬猿の仲でケンカが絶えないものの、実はいいコンビ。3人の人間関係がどう進展していくのかも、見逃せないポイントになりそうです。

高畑充希（たかはた みつき）／1991年12月14日生まれ、大阪府出身。女優。2007年にミュージカル「ピーターパン」で8代目ピーターパン役に抜擢。その後、舞台・映画・ドラマと幅広く活躍。近年では主演を務めたドラマ「過保護のカホコ」「同期のサクラ」が話題となる。2021年1月21日21時よりテレビ朝日木曜ドラマ主演「にじいろカルテ」が放送スタート。3月より、主演ミュージカル「ウェイトレス」の公演が決定しており、映画では主演「明日の食卓」、主演「浜の朝日の嘘つきどもと」の公開が控えている。

高畑充希さん（以下、高畑）　2020年は暗いニュースも多く、今日一日を踏ん張ることがとても難しい一年だったように思います。本作では、それぞれの登場人物が「何か」を抱えながら、それでも毎日を過ごしていく姿がハートフルに描写されています。新たな気持ちで迎える2021年、「毎週木曜日はこのドラマがあるから癒される」と思っていただけたらうれしいです。

井浦 新さん（以下、井浦）　私たち3人は「虹ノ村診療所」で働きながら共同生活を送る役どころですが、そこで生まれるやり取りは総じて喜劇的です。時に人生は大変だけれど、それでも人と関わりながら生きていくことってなんてすばらしいのだろう……。そんなことを感じつつ、笑い飛ばしながら観られる楽しい作品です。

北村匠海さん（以下、北村）　このドラマで描かれる人たちは、誰も「一人で生きよう」としていません。地域住民を助けるために私たち3人が支え合っているし、村人同士も助け合って生きている。そして、病を抱える真空先生も……。2020年は医療関係者の皆さんにとって大変な一年だったと思いますが、実際の医療機関でもこうした支え合いがあったに違いありません。ハードな毎日でお疲れ気味の皆さんに、このドラマでホッとしてもらいたいです。

北村匠海（きたむら たくみ）／1997年11月3日生まれ、東京都出身。俳優・アーティスト。数々のドラマや映画に出演し、2017年には映画「君の膵臓をたべたい」で第41回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。近年は、ドラマ「おカネの切れ目が恋のはじまり」、映画「とんかつDJアゲ太郎」などに出演。また、2011年にダンスロックバンド「DISH//」を結成。リーダーで、メインボーカルとギターを担当。「猫」がストリーミング総再生回数（オリジナルバージョンと一発取りバージョンの合算）1億回突破したことが話題に。

北村　病院といえば「都会の大きな医療機関」というイメージが強かったので、診療所のセットを見て「こんなに親しみやすい医療現場もあるのか！」と驚きました。村で暮らすおじいさんやおばあさんたちと触れ合う演技を通して、医療職は人と人とのつながりや愛を感じられる素敵な仕事だと感じています。

高畑　実は、「医者も人間だ」というのが本作のテーマのひとつなんです。一般の人からすると、医療従事者は「完璧」に見えて、絶対的な存在としてとらえがちです。しかし実際には、当たり前だけれど人間として不完全な部分もある。役作りを通して、医師や看護師の背景にあるそれぞれの人生を、少しだけ想像できるようになりました。

井浦　「病院」というものにどこか無機質なイメージを持っていましたが、本作を通して「人に会いに行く場所」であると認識するようになりました。田舎の診療所の物語ということで、医療従事者と地域住民の距離感が近く、病気でなくても医師に会いに来たりする場面が多いのです。そうした交流で心癒されるのも大切だということは、昨今の医療ドラマではなかなか注目されなかった部分ではないでしょうか。

井浦 新（いうら あらた）／1974年9月15日生まれ、東京都出身。俳優、ファッションモデル。1998年に映画「ワンダフルライフ」で映画初主演、2010年のドラマ「チェイス～国税査察官～」では第65回ザテレビジョンドラマアカデミー賞 助演男優賞を受賞して以降、数々の映画・ドラマ・舞台に出演。

井浦　ただでさえ人の命を預かる大変な仕事ですが、2020年からは大変さの質が変化してしまったと思います。現場で尽力する医師の皆さんには、感謝と尊敬の思いしかありません。もっともっと、皆さんが生活しやすい世の中になることを願っています。

北村　本当に、その通りですね。多忙すぎる毎日を送る中で、体より先に気持ちがギブアップしてしまい、前を向けなくなることもあるのではないでしょうか。僕たちを助けてくれる皆さんだからこそ、自分のことを考える時間を確保してほしいと思います。

高畑　私からも、医師の皆さんに感謝の気持ちをお伝えしたいです。働く環境ががらりと変わり、患者さんを守るために大変な緊張状態を強いられながらも頑張っている方は少なくないはず。ぜひ、ご自身のことも後回しにせず、大切にケアしていただきたいです。

高畑充希さん、北村匠海さん、井浦新さんへのインタビューから、医療者に対する尊敬の気持ちと役に対する真摯な姿勢が伝わってきました。ドラマを通して「ホッとしてもらえたら」という井浦 新さんの言葉からも感じられるように、ほっこり心安らぐストーリーが展開されるのではないでしょうか。仕事の息抜きをしたい時にもおすすめのドラマ「にじいろカルテ」は2021年1月21日（木）より放送スタートです！