マイナビDOCTOR 編集部からのコメント
睡眠導入剤が混入した抗真菌薬を出荷したことで、死亡2例を含む健康被害が報告された小林化工(福井県あわら市)、品質試験での不適合品を製造販売承認書と異なる方法で製造し、適合品となるよう不正な処理が行われていた日医工(富山市)など、大手後発医薬品メーカーによる不祥事が立て続けに発覚しています。こうした事態を受け、日医の今村副会長は「製薬自体への信頼を大きく棄損するもの」と断じ、業界全体として「既存ルールの徹底」に取り組むよう求めました。
大手後発医薬品メーカーによる不祥事が立て続けに明らかになり、今年に入って業務停止命令を受けている事態について、日本医師会は10日の定例記者会見で見解を表明した。今村聡副会長は、「製薬自体への信頼を大きく棄損するもの」と断じ、業界全体として既存のルールの徹底に取り組むよう求めた。【吉木ちひろ】
コメントは2月に小林化工が、3月3日に日医工がそれぞれ業務停止処分を受けたことに対するもの。小林化工は、睡眠導入剤が混入した抗真菌薬を出荷したことで、死亡2例を含む健康被害が報告されている。また、日医工は、同社の富山第一工場で品質試験での不適合品を製造販売承認書と異なる方法で製造し、適合品となるよう不正な処理が行われていたことなどが明らかになっていた。
今村副会長は、後発医薬品を取り巻く現状について、「現場の医師からは、後発品の効果、質、供給体制、情報提供体制などさまざまな疑念がある中、業界においてもそれらの疑念を払拭すべく努めてこられた」と述べ、その結果として、政府目標である「後発品の使用割合80%」目前まで進んできたとの認識を示した。
会見では、大洋薬品工業(当時)による薬事法違反に対して2010年に業務停止処分が下された事案についても振り返った。その上で、2社の不祥事に対して「業界としてこのような事件の再発を起こさない取り組みを進めるということではなかったのか」「過去の教訓を全く生かすことができていない」と厳しく断じ、製薬業界全体に対してCSR(企業の社会的責任)を求めた。
出典: 医療介護CBニュース