PTSD治療、メマンチンの有効性明らかにNCNP精神保健研究所の研究グループ|業界ニュース

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PTSD治療、メマンチンの有効性明らかに
~NCNP精神保健研究所の研究グループ

マイナビDOCTOR 編集部からのコメント
トラウマ体験をきっかけとして発症するPTSD(心的外傷後ストレス障害)は、トラウマ記憶のフラッシュバックや悪夢のために日常生活や社会生活上に大きな支障を来す精神疾患です。治療薬も選択肢が少なく、新しい薬物療法の開発は喫緊の課題となっていました。国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センターはこのほど、PTSDにおけるメマンチン(アルツハイマー型認知症治療剤)の有効性を発表。メマンチンはPTSD治療への応用が比較的容易で一般の精神科クリニックで治療を受けやすいメリットがあるとしています。

国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター(NCNP)はこのほど、同センター精神保健研究所の金吉晴所長と行動医学研究部の堀弘明室長らの研究グループが、心的外傷後ストレス障害(PTSD)におけるメマンチン(アルツハイマー型認知症治療剤)の有効性を明らかにしたと発表した。【新井哉】

同センターによると、今回の研究は、東大大学院農学生命科学研究科応用生命化学専攻の喜田聡教授、あいクリニック神田の西松能子理事長、鬼頭諭院長、齊藤卓弥医師、若松町こころとひふのクリニックの加茂登志子PCIT研修センター長、金沢大国際基幹教育院臨床認知科学研究室の松井三枝教授と共同で行われた。

PTSDは、トラウマ体験をきっかけとして発症し、トラウマ記憶のフラッシュバックや悪夢のために日常生活や社会生活上に大きな支障を来す精神疾患で、日本では1.3%の人が一生に一度は発症するとされている。PTSDの治療薬は選択肢が少なく、新しい薬物療法の開発は喫緊の課題となっている。

今回の研究では、性被害、DV、虐待、災害などによるPTSD患者を対象にメマンチンの有効性と安全性を調べるため、12週間のオープンラベル臨床試験を実施。精神疾患の診断・統計マニュアル第4版(DSM-IV)に基づきPTSDと診断された13人の成人女性の患者がエントリーし、国立精神・神経医療研究センター病院、共同研究機関(あいクリニック神田)の外来で12週間にわたりメマンチンが投与された。

エントリーされた13例のうち、必要なフォローアップデータの得られた10例の分析を実施。PDS (PTSD診断尺度)合計得点の平均値については、「ベースラインの32.3±9.7からエンドポイントの12.2±7.9へと減少し、対応のあるt検定によって有意差(=統計的に意味を持った差)が認められ、効果量も大きなもの」などと説明。侵入症状、回避症状、過覚醒症状得点のいずれも、ベースラインからエンドポイントにかけて有意な減少が認められたとしている。

今回の研究の結果から、メマンチンの服薬によってPTSD症状が有意に改善し、「その効果量(治療前後)も1.35と、持続エクスポージャー療法に匹敵するほどに大きく、忍容性も概ね良好であること」が示されたと説明。メマンチンはすでにアルツハイマー型認知症の治療薬として承認されて広く使用されているため、PTSD治療への応用が比較的容易で一般の精神科クリニックで治療を受けやすいメリットがあるとしている。この研究の成果は、国際精神医学誌「European Journal of Psychotraumatology」のオンライン版に掲載された。

出典: 医療介護CBニュース

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