マイナビDOCTOR 編集部からのコメント
今年上半期の診療所倒産(帝国データバンク調べ=負債1,000万円以上、法的整理)が13件に達し、2000年以降の上半期では16件に達した2009年に次ぎ、2番目の多さとなりました。今年上半期の倒産医療機関の負債総額は約103億2,900万円となり、2018年上半期と比べて約40億9,500万円の増加となります。
帝国データバンクによると、2019年上半期に発生した診療所の倒産(負債1000万円以上、法的整理)は13件で、00年以降、上半期では09年の16件に次いで2番目の多さだった。前年同期に比べて3件増加した。【松村秀士】
同機構によると、事例の1つでは、帝王切開術で子宮閉創前に看護師がガーゼをカウントした際、丸まったガーゼを目視で数えて合っていることを確認した。しかし、手術の終了時に撮影したX線画像で、医師が患者の腹腔内にガーゼが残っていることに気付いたため、再度開腹してそれを取り出した。カウント済みのガーゼの数を改めて確認したところ、1枚少ないことが分かった。

■主な要因、収入の減少が最多
23件の倒産のうち、「破産」が18件、「民事再生法」が5件だった。また、17都道府県で医療機関の倒産があり、北海道や東京、神奈川、岐阜、京都、広島でそれぞれ2件発生した。主な要因は、来院患者の減少などによる「収入減少」が14件で最も多く、「経営者の病気・死亡」(3件)、「人材の不足」(2件)などもあった。
19年上半期の倒産医療機関の負債総額は約103億2900万円で、前年同期に比べて約40億9500万円増加した。その内訳は、病院が約57億5700万円、診療所が約43億2900万円、歯科医院が約2億4300万円。負債額が最も多かったのは、さいたま市民病院などを運営してきた医療法人一成会の約17億2400万円。
■18年の医療機関の倒産、8年ぶり40件台
18年に発生した医療機関の倒産は、前年比15件増の40件で、10年(41件)以来、8年ぶりに40件に達した。帝国データバンクでは、歯科医院の倒産が00年以降最多の23件発生したことが影響したとみている。
出典: 医療介謹CBニュース