マイナビDOCTOR 編集部からのコメント
今年2月に独自の病院総合医を育成する方針を固めた日本病院会(日病)は7月24日に定例会見を行い、来春スタートの日病版『病院総合医』について、会員病院からのプログラム受け付けを10月にもスタートすることを発表しました。背景には地方の深刻な医師不足。そして大病院において、複数の疾患を抱えた高齢者患者が増える中、総合的な視点を持つ医師の確保こそが急務であることが挙げられます。

末永副会長(24日、都内)
末永副会長(24日、都内)
日本病院会(日病)は24日に定例記者会見を開き、来年春にスタートする日病版の「病院総合医」について、会員病院からのプログラムの受け付けを10月にも開始すると発表した。日病のワーキンググループ(WG)では来月中にも、研修の内容や評価方法などの細則をまとめ、9月の常任理事会に諮る見通しだ。【敦賀陽平】
来年春に始まる新専門医制度では、内科や外科などと並ぶ基本診療領域の一つとして、「総合診療専門医」が位置付けられているが、日病内部では「プライマリケアを目指す診療所の医師は育成できても、病院の総合医は育たないのではないか」との懸念の声が上がり、今年2月に独自の病院総合医を育成する方向性が決まった。
地方の医師不足が深刻化する中、中小病院では複数の専門医の確保が困難となっている一方、診療科が細分化された大病院では、複数の疾患を抱えた高齢者が増えており、総合的な視点を持つ医師が求められている。日病が独自の病院総合医の育成に動きだした背景には、こうした現状がある。
WGでは先月、病院総合医の理念や目的などを盛り込んだ「育成プログラム基準」を策定。この中では、▽包括的かつ柔軟に対応できる総合的な診療力を持つ▽複数の診療科、介護、福祉などの分野と連携・調整し、全人的に対応できる▽医療と介護の連携の中心的な役割を担うことができる―など育成に関する5つの基本理念が掲げられている。
認定の対象は卒後6年目以上の医師で、医療安全や感染症対策、栄養サポートチーム(NST)といったチーム医療の実績があることや、地域医療全般に対する理解があることなどが要件となる。研修期間は2年だが、総合診療の経験がある場合などは期間を短縮できるようにする。
病院総合医をめぐっては、独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)なども独自の育成をスタートしているため、日病では、育成プログラム基準を最低限度の項目に絞るとともに、認定を受けた医師の所属する組織が変わっても、相互認証する仕組みを設ける方針だ。
末永裕之副会長は24日の会見で、「日病の中には、JCHO、国立病院機構、全国自治体病院協議会、日赤、済生会、厚生連など、すべての病院団体が入っている」と述べ、日病が病院総合医を育成する意義を強調。また、「便利屋さんをつくるのではなく、病院の中でリスペクトされる病院総合医をつくる必要がある」とも語り、将来的に病院の幹部職員となる人材を育成する重要性を示した。
一方、地域医療構想の実現に向けた話し合いを進めるため、厚生労働省が公的医療機関などに対して、「改革プラン」(仮称)の策定を提案していることについて、相澤孝夫会長は会見で、「公的などの病院が最初に、『自分たちはこうしたい』というものを出すことによって、地域の医療を良くするための議論を活発にすることが一番重要だと思う」と述べ、地域での話し合いの「きっかけ」として容認する考えを示した。
出典:医療介護CBニュース