マイナビDOCTOR 編集部からのコメント
国への提出が義務付けられている「第1種再生医療の提供計画書」。厚生労働省は、11の医療機関で提出なく再生医療を提供したとして緊急命令を出しました。
厚生労働省が11医療機関に対して再生医療提供の一時停止を命じたのを受け、日本再生医療学会は、治療を検討中の人に対し、医療機関の適法性や安全性などを事前に確認するよう求める見解をホームページに掲載した。国に届け出ないで再生医療が行われた場合、その検討が不十分となり、患者が不必要な危険にさらされる可能性があるとしている。【新井哉】
この問題をめぐっては、国への提出が義務付けられている第1種再生医療の提供計画書を出さずに再生医療を提供したとして、厚労省が先月28日、再生医療安全性確保法に基づき、11医療機関に緊急命令(提供の一時停止)を出した。
同学会は、「高リスク」に分類されている「第三者の細胞」が安全性や有効性が確認されないまま患者に移植されたことを問題視しており、臍帯血や脂肪細胞のように他人から採取した細胞を移植することや、同学会の認定医が勤務していない機関で細胞を移植することは、「勧められても安易に受けることはせず、事前に適法性と安全性・有効性を十分に確認する」としている。
もし、不安や不明な点がある場合は、かかりつけ医や、都道府県などが設置している「医療安全支援センター」に相談するよう促している。
再生医療の提供方法は、人へのリスクなどに応じて3種類に分類されている。今回緊急命令の対象となった第1種再生医療は、高いリスクを伴う技術とされており、人工多能性幹細胞(iPS細胞)や他人の臍帯血などが含まれている。
第1種再生医療に関しては、厚労相に計画を提出して実施するが、基準に適合していない場合、厚労相が提供機関の管理者に対して計画変更の命令を出せるといった規定があり、第2種、第3種よりも高いハードルが設けられている。
出典:医療介護CBニュース