マイナビDOCTOR 編集部からのコメント
日本医療研究開発機構(AMED)は、その再生医療の技術領域全般について調査をし、ウェブサイト上で公表しました。
項目は細胞入手・細胞バンク構築手続き、細胞調整、品質評価、安全性評価、創薬応用、輸送・保存の6つの領域です。
日本医療研究開発機構(AMED)は、再生医療に関する調査報告書をホームページで公表した。日本や欧米、韓国の治療用再生医療や創薬の関連技術に関して、細胞バンク構築の手続きや輸送・保存などの技術領域を調査。再生医療製品の輸送・保存については、標準化に向けた活発な動きは認められず、「ケースバイケースで対応しているのが実態」と指摘している。【新井哉】
再生医療をめぐっては、多数の事業者が参入しており、今後、臨床研究や治験の増加が見込まれている。その一方、再生医療の各プロセスの標準化が十分進んでいないといった課題も指摘されている。

調査報告書
調査報告書
今回の調査で対象となった技術領域は、▽細胞入手・細胞バンク構築手続き▽細胞調製▽品質評価▽安全性評価▽創薬応用▽輸送・保存-の6つの領域。国内外の有識者にインタビューを行ったほか、各国の標準化関連の情報を取りまとめた。
例えば、生体のさまざまな組織に分化する能力を持つ「多能性幹細胞」の標準化については、「各国の公的機関や規格策定機関によって策定された文書の中で、多能性幹細胞に言及しているものは少ない」と指摘。日本は一定数の文書を策定していることを挙げ、「国主導で評価方法の基準作りが進んでいる」とした。
また、安全性・有効性の評価に関しては、「造腫瘍性の評価に関する議論は引き続き日本における検討が先行することが見込まれる」などと説明。再生医療製品の輸送・保存は「ケースバイケースで対応している」といった指摘に加え、再生医療関連企業のノウハウを生かした適切なガイドラインの作成は「輸送・保存に携わる企業にとって有益なものになる」とし、輸送時の冷却材(ドライアイス、液体窒素など)の種類に応じたガイドラインなどのニーズがあるとの見解を示している。
出典:医療介護CBニュース