マイナビDOCTOR 編集部からのコメント
国立感染症研究所によると、今年11月27日時点のデング熱患者報告数は320人で、海外で感染したと見られる「輸入症例」が過去最多となりました。(国内・海外合計では2014年が最多)。推定感染地域はベトナム・タイ・フィリピン・インドネシアの4カ国の合計で7割を占めます。
厚生労働省検疫所によればデング熱は2-14日の潜伏期間のあと、およそ2-4割の人に38-40度の発熱が発症し、激しい頭痛・関節痛・筋肉痛・発疹が現れます。通常3-5日で解熱し、解熱とともに発疹が現れることが多いです。
厚生労働省は対策として「野外活動の際には長袖と長ズボンを着用する」「素足でのサンダル履きは避ける」「虫除け剤を使用する」といったことをあげています。
蚊が媒介する感染症のデング熱に海外で感染して日本で発症した今年の患者報告数が1999年の調査開始以降で最多となっていることが、国立感染症研究所がまとめた患者報告で分かった。ベトナムやインドネシアなど東南アジアの4カ国で感染したとみられる患者が全体の約7割を占めている。厚生労働省は、蚊が活動時期にある渡航先で虫除け剤を使用することを推奨。また、デング熱が疑われる場合は早めに医療機関を受診するよう呼び掛けている。【新井哉】
同研究所によると、今年の患者報告数(11月27日時点)は320人で、海外で感染したとみられる「輸入症例」が最多となった昨年の報告数(292人)を上回った。国内での感染と「輸入症例」を合わせて最も多かった2014年の報告数(341人)とほぼ同じ規模となっている。
都道府県別では、東京が85人で最多。以下は千葉と大阪(共に32人)、神奈川(23人)、愛知(19人)、兵庫と広島(共に14人)、埼玉(12人)、静岡と京都(共に8人)、福岡(6人)、奈良(5人)などの順だった。
同研究所は、国内の医療機関で今年1月から10月までにデング熱と診断された「輸入症例」の推定感染地もまとめた。それによると、ベトナムとタイ、フィリピン、インドネシアの4カ国が全症例の約7割を占めている。

デング熱はヒトスジシマカなどの蚊がウイルスを媒介する感染症。感染後は、4-14日の潜伏期間を経て、38度を超える高熱や頭痛などを発症するほか、体幹部に発疹が現れることも多い。解熱剤を服用して静養すれば1週間程度で回復するが、皮下出血などを伴う重症型へ移行する場合もある。海外では死者も出ている。
2014年には約70年ぶりに国内感染の患者が発生し、東京を中心に162人の患者が確認された。昨年以降は国内での感染報告はないが、海外で感染するケースが絶えないため、厚労省は渡航先での感染予防策として、▽野外活動の際には長袖と長ズボンを着用する▽素足でのサンダル履きは避ける▽虫除け剤を使用する―といったことを挙げている。
出典:医療介護CBニュース