マイナビDOCTOR 編集部からのコメント
2018年度の診療報酬改定について、厚生労働省の鈴木康裕保険局長が見解を述べました。
16年度の改定では、治す医療から治し支える医療への転換で、退院支援業務や認知症のケアなどの診療報酬が高くなりましたが、それは益々多くなるとの予想です。
また、急性期から慢性期、もしくは慢性期から在宅医療と、受け取る側にもインセンティブが必要と考えていることがわかりました。
厚生労働省の鈴木康裕保険局長は8日、CBnewsのインタビューに応じ、2018年度の診療報酬改定に向け、急性期病院から在宅医療の現場まで、患者を地域で支える体制を構築するため、病院から退院する患者を受け入れる側にも、「それなりのインセンティブ」が必要との考えを示した。【敦賀陽平】
16年度の診療報酬改定の基本方針では、「治す医療」から「治し、支える医療」に転換する重要性が指摘され、病院の退院支援業務や認知症のケアなどに手厚い診療報酬が付いた。鈴木局長はこうした点数設定について、「(18年度の介護報酬との)同時改定で益々多くなると思う」と語った。
その上で鈴木局長は、「病院側に退院調整のための点数を手当てするだけでなく、急性期から慢性期、もしくは慢性期から在宅と、受け取る側にもそれなりのインセンティブを与え、質の向上のループが生まれるようにしなければならない。その点も含め、きちんと考える必要がある」と述べた。
看護必要度データ、次期改定で活用を
鈴木局長はまた、10月から7対1病院に提出が義務付けられる「重症度、医療・看護必要度」(看護必要度)のデータ(Hファイル)について、18年度の診療報酬改定で活用したい考えを示した。
看護必要度は患者の重症度を計る指標。4月の診療報酬改定では、手術後の患者の状態などを評価する「C項目」が新設され、重症者の基準を満たす、7対1病棟の入院患者の割合が「15%以上」から「25%以上」に引き上げとなったほか、7対1病院が国に提出するデータの一つとして、新たに看護必要度が加わった。

18年度改定では、約37万床に上る7対1病床の動向が最大の焦点で、患者の状態を詳しく知ることができる看護必要度のデータの取り扱いが今後の議論のかぎを握る。
鈴木局長は看護必要度について、「きちんと整合性があり、後からの評価にも耐えられるようなものにしていくことが大事だ」とした上で、「(データを)最大限活用できるような形で、看護師さんの配置にしろ、入っている患者さんの重症度にしろ、把握した上で対応することになる。次期改定でもかなり色を出すことになると思う」と述べた。
出典:医療介護CBニュース